JP2009258539A - 電子写真感光体、画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性材料を用いて保護層を形成する電子写真感光体において、すぐれた耐減耗性を有するとともに、環境の影響を受けずに安定した電気特性を発現することが可能な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に直接又は中間層を介して、紫外線吸収剤と一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有する電荷輸送層、電荷発生層、少なくとも無機粒子と重合開始剤と硬化性化合物を含有する塗布液を塗布後、硬化して形成される保護層を有する電子写真感光体。
【化1】
Figure 2009258539

【選択図】なし

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体、及び、これを用いる電子写真感光体に関する。
電子写真方式の画像形成装置に使用される電子写真感光体(以下、簡単に感光体ともいう)を構成する保護層とも呼ばれる表面領域は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等により電気的あるいは機械的な外力等のストレスを常に受ける領域である。感光体表面に設けられる保護層は、画像形成の繰り返しによる摺擦を受けてもみだりに摩耗せず、キズが発生しにくい耐減耗性と呼ばれる性能が求められていた。感光体表面の耐減耗性を向上させるために、従来より保護層内に粒子を含有させていたが、最近では架橋性樹脂等の硬化性材料を用いて保護層を形成することにより耐摩耗性を向上させる方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。その結果、硬化性材料の使用により保護層の強度が向上して摩耗やキズ、あるいはクラック等の耐久性関連の問題を発生させることのない耐摩耗性に優れた感光体が得られる様になった。
この様に、硬化性材料を用いて保護層を形成することにより耐摩耗性の向上は実現されたが、硬化性材料にラジカル重合性材料を用いると高温高湿環境下での画像形成で印字画像が不鮮明になる画質低下の問題が発生した。この画質低下の原因は、ラジカル重合性材料の残未反応部位が多く存在するためと考えられた。そこで、反応率を向上させて問題解消を図ろうとしたが、反応率が向上すると保護層の電気絶縁性が高くなり残留電位を上昇させた。
一方、硬化性材料の硬化反応は、熱、光、及び電子線の3つの手段を用いて行われるが、硬化時間や生産性の視点から光を用いる方法が主流になっている。光を用いる方法の1つに紫外光により硬化を行うケースがあるが、紫外光を用いるケースでは特に感光体の電位安定性が著しく損なわれていた。
この様な背景から、有機光導電性輸送物質を保護層に添加する方法が採られた。具体的には、ラジカル重合性官能基を有する有機光導電性輸送物質を保護層に添加して感光体の電位安定性を保持しようと試みられたが、反応硬化時に発生する熱や照射光の影響により有機光導電性輸送物質が劣化し、電位安定性の確保は実現できなかった。また、保護層に導電性金属酸化物粒子を添加して保護層の電気抵抗を調整する試みも行われた(例えば、特許文献2参照)が、導電性金属酸化物のため環境依存性は避けられず、安定した電気特性を維持することが困難だった。
この様に、硬化性材料を用いて保護層を形成した感光体は、耐減耗性の向上は実現されたものの、画質低下を起こさず、環境の影響を受けずに安定した電気特性を維持することが困難なものであった。
特開2001−125299号公報 特開2006−106483号公報
本発明は、硬化性材料を用いて保護層を形成する電子写真感光体において、クラック等の発生がない優れた耐減耗性を有するとともに、環境の影響を受けずに安定した電気特性を発現することが可能な電子写真感光体を提供することを目的とするものである。具体的には、硬化性材料を反応硬化させて保護層を形成しても、残留電位の上昇を招くことなく、画質低下等の画像不良を起こすことのない安定した画像形成が行えるとともに、摺擦により摩耗やキズ等を発生させない耐減耗性を有する電子写真感光体を提供する。特に、紫外光により硬化反応を行う場合でも、良好な耐減耗特性と安定した電気特性を有する電子写真感光体を提供することを目的とする。
上記課題は、下記に記載の構成により解消されることが確認された。
請求項1に記載の発明は、『導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体において、
前記電荷輸送層は、紫外線吸収剤と下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、前記保護層は、少なくとも無機粒子と重合開始剤及び硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものであることを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2009258539
〔式中、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を表すものであり、ArとAr、ArとArは結合して環状構造を形成するものであってもよい。R、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表すものであり、RとRは一体となって環状構造を形成するものでもよい。また、mとnはそれぞれ0〜4の整数を表す。〕』というものである。
請求項2に記載の発明は、『前記紫外線吸収剤が、315nm〜400nmの間に吸収ピークを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。』というものである。
請求項3に記載の発明は、『前記保護層に含有される無機粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。』というものである。
請求項4に記載の発明は、『前記電荷発生層は、縮合多環系の電荷発生物質を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。』というものである。
請求項5に記載の発明は、『少なくとも、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、前記帯電工程により帯電された前記電子写真感光体表面に発光ピーク波長が350〜500nmのLEDアレイまたは発振波長が350〜500nmの半導体レーザを用いて像露光を行って潜像形成を行う露光工程と、前記露光工程により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像工程により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像の転写を行う転写工程を有することを特徴とする画像形成方法。』というものである。
本発明によれば、反応硬化型の保護層で発生し易かった残留電位上昇や画質を改善して画質低下や画像不良のない安定した画像形成が行えるとともに、クラック等を発生させない耐摩耗特性に優れた電子写真感光体を提供することができる様になった。
本発明は、少なくとも導電性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を有する電子写真感光体に関する。
本発明に係る電子写真感光体は、電荷輸送層に前述した一般式(1)で表されるトリフェニルアミン構造を有する電荷輸送物質と紫外線吸収剤を含有させている。また、電子写真感光体を構成する保護層を作製するにあたり、少なくとも無機粒子、重合開始剤及び硬化性化合物を含有する塗布液を塗布し、これを硬化させることにより保護層を形成する様にしている。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、保護層を反応硬化する際、電荷輸送層中の電荷輸送物質に照射光の影響を与えない様にして保護層を形成することが重要になると考え、上記構成とすることで本発明を見出したのである。すなわち、電荷輸送層中に紫外線吸収剤を添加することにより、電荷輸送物質が紫外線等の照射光を吸収しない状態を形成しておき、この状態下で保護層の硬化反応を行うことを考えたのである。その結果、紫外線吸収剤が電荷輸送物質を覆った状態で硬化反応が行われるので、電荷輸送物質は照射光の影響を受けずにその性能が維持され、安定した電気特性が得られる様になった。この様に、本発明は硬化反応に使用する紫外線等の照射光の影響を電荷輸送物質に与えない様にする構成を電荷輸送層に付与することにより、硬化反応を行って保護層を形成する感光体の電位安定性を実現できるようにしたのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に係る電子写真感光体を構成する電荷輸送層に添加する紫外線吸収剤について説明する。電荷輸送層に添加する紫外線吸収剤は、紫外光に代表される照射光を吸収し、これを電荷輸送物質に影響を与えないレベルの熱エネルギーあるいは光エネルギーとして負う出することができるものが好ましい。紫外線吸収剤には光を吸収して自己分解するものがあるが、この様なものは感光層中にトラップサイトを発生させるおそれがあり、繰り返し使用により感光体の電気特性を悪化させるので好ましくない。
本発明に使用される紫外線吸収剤は、後述する様に、UV−Aと呼ばれる315nm〜400nmの波長領域に吸収帯を有するものが好ましく、325nm〜390nmに吸収ピークを有するものがより好ましい。さらには、330nm〜380nmに吸収ピークを有するものが特に好ましいものである。本発明では、上記波長領域に吸収帯を有する紫外線吸収剤を電荷輸送層に含有させることにより、良好な電位安定性を有し画質低下を起こさずにプリント作製が行えることを見出した。
本発明で使用可能な紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ジフェニルアクリレート系紫外線吸収剤等の公知のものが挙げられる。その中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
以下に、本発明で使用可能な紫外線吸収剤の具体例を示すが、本発明で使用可能な紫外線吸収剤は下記に示すもののみに限定されるものではない。
Figure 2009258539
Figure 2009258539
Figure 2009258539
本発明で使用される紫外線吸収剤は、例えば、特公昭44−29620号に記載の方法や、前記文献に開示された方法に準じた方法により合成が可能である。また、市販品を使用することも可能であり、たとえば、チバ・ジャパン(株)、城北化学工業(株)、共同薬品(株)、シプロ化成(株)等で製造される市販品が挙げられる。
また、本発明で使用される紫外線吸収剤は、315nm〜400nmの間に吸収ピークを有するものが好ましい。ここでいう吸収ピークとは、光吸収スペクトルにおいてピークとして認識可能な形状のものであればよく、最大ピークである必要はないが、最大ピークであればより好ましいものである。紫外線吸収剤が、315nm〜400nmの間に吸収ピークを有するものであることにより、一般式(1)で表される電荷輸送物質への紫外線によるダメージが低減され、電荷輸送物質の劣化が抑制されることにより、繰返し使用しても電位安定性が向上する。なお、紫外線吸収剤の吸収ピークは、紫外領域が測定可能な市販の分光光度計により測定可能であり、例えば、紫外可視分光光度計「V−630(日本分光社製)」を用いて測定が可能である。
また、上記紫外線吸収剤の使用量はバインダ全質量に対し、1質量%以上100質量%以下とすることが好ましく、3質量%以上50質量%以下がより好ましい。紫外線吸収剤の使用量を上記範囲とすることにより、繰り返し使用しても安定した電位特性が得られるとともにクラック等が発生しない耐摩耗性に優れた保護層を有する電子写真感光体が得られる。
次に、本発明で用いられる前記一般式(1)で表される電荷輸送物質について説明する。本発明では、電荷輸送層に電荷輸送物質とともに前述した紫外線吸収剤を添加することにより、両者の光吸収波長領域が重なることで一般式(1)の電荷輸送物質が本来有する性能が発現され、画質低下や画像不良のない安定した画像形成が行える様になった。すなわち、紫外線吸収剤を電荷輸送層に添加することにより、紫外線付近の波長領域の光を吸収し易い傾向にある一般式(1)で表される電荷輸送物質を劣化させることなく本発明の効果を格段に発現させることができる様になったのである。
すなわち、一般式(1)で表される電荷輸送物質は、波長315nm〜390nmのいわゆるUV−Aと呼ばれる紫外線に対して高い吸収性能を有していたので、この波長領域の光を吸収する上記紫外線吸収剤を使用することで両者の吸収領域が重なる様になる。その結果、保護層を形成する際、照射される紫外光により一般式(1)の電荷輸送物質が劣化、分解することがなく、感光体の電位安定性を向上させることができる様になったものと考えられる。また、波長が350〜500nmの紫外領域近傍の露光光を用いる画像形成も安定したプリント作製を行うことができる。
また、本発明では一般式(1)で表される電荷輸送物質と前述した紫外線吸収剤と組み合わせることにより、波長が390〜500nmの露光光に対する吸収が小さいので、単位露光量に対する電位減衰が大きく、小径ドット潜像をシャープに形成できる。なお、本発明では、電荷輸送物質として、一般式(1)で表される化合物とともに、公知の電荷輸送物質を併用することも可能である。併用可能な公知の化合物としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等を併用することも可能である。
以下、本発明に使用可能な一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明に使用可能な一般式(1)で表される化合物は下記のものに限定されるものではない。
Figure 2009258539
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Figure 2009258539
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以下、本発明に使用可能な一般式(1)で表される化合物(電荷輸送物質)の合成例を挙げる。
(合成例1):化合物CTM−16
200ml三頭フラスコにN,N−ビス(p−ジメチルフェニル)アニリン10質量部、4−メチルシクロヘキサノン6.2質量部,酢酸20ml、メタンスルホン酸0.35質量部を投入し、窒素気流下、70℃で撹拌を行いながら反応させる。6時間後、反応を停止させて、トルエン300mlと水200mlを添加し、分液ロートを用いて水層が中性になるまで洗浄処理を繰り返す。前記洗浄処理を終えたら、トルエン層を取り、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥処理を行った後、濃縮処理を行う。そして、カラムクロマトグラフィにより目的物であるCTM−16を取り出す。さらに、酢酸エチルを用いて再結晶精製を行う。以上の手順により収量4.7質量部のCTM−16が得られる。
(合成例2):化合物CTM−18
前記合成例1で使用した4−メチルシクロヘキサノンに代えて、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン7.69質量部を用いる他は同様の手順により、収量4.3質量部のCTM−18が得られる。
(合成例3):化合物CTM−6
前記合成例1で使用した4−メチルシクロヘキサノンに代えて、シクロヘキサノン5.37質量部を用いる他は同様の手順により、収量6.9質量部の化合物CTM−6が得られる。
次に、本発明に係る電子写真感光体を構成する保護層について説明する。
本発明に係る電子写真感光体を構成する保護層は、少なくとも無機粒子と重合開始剤及び硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものである。本発明に係る電子写真感光体は上記方法で形成される保護層を有することにより耐摩耗性が向上し、かつ、耐クラック性の向上も実現できる様になった。
電子写真感光体におけるクラック発生は、従来より、電荷輸送層を湿式塗布法により作製することに起因するものと考えられている。すなわち、電荷輸送層は、湿式塗布法では塗布後に加熱乾燥処理を行って有機溶媒を除去し、電荷輸送層を形成するが、加熱乾燥処理後に行う冷却処理工程で電荷輸送層が収縮して層内に内部応力が蓄積する。この様に、内部応力が蓄積した電荷輸送層に外部から物理的あるいは化学的なストレスが加わると応力が開放されてクラックが発生すると考えられている。ここで、外部から加わる物理的あるいは化学的なストレスとしては、例えば、クリーニングブレード等の感光体周辺部材から加わる押圧力や、感光体形成時に発生する溶媒蒸気等の作用が挙げられる。
本発明に係る電子写真感光体は、少なくとも無機粒子と重合開始剤と硬化性化合物を含有する塗布液を塗布後、硬化して形成される保護層自身が高い耐クラック性を発現するのと同時に電荷輸送層でも前記構成により耐クラック性を発現すると考えられる。すなわち、電荷輸送層では前述した紫外線吸収剤が可塑剤として作用し、その結果、収縮による内部応力を低減させているものと考えられるのである。この様に、本発明に係る電子写真感光体は、保護層及び電荷輸送層の各々で耐クラック性を発現される様になり、これらの相乗効果により従来では得られなかった耐クラック性が実現したものと推定される。
次に、保護層を形成する塗布液に含有される無機粒子、硬化性化合物及び重合開始剤について説明する。
保護層に含有させることが可能な無機粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム等の粒子が挙げられる。この中でも、高い誘電率を示す酸化チタンやチタン酸バリウムが好ましく、酸化チタンが特に好ましい。高誘電率の無機粒子を使用することにより、高解像度を有する画像が得られ易くなるので好ましい。上記無機粒子は、1種類もしくは2種類以上を混合して用いてもよく、2種類以上混合して用いる場合は固溶体または融着の形態をとるものでもよい。無機粒子の数平均一次粒径は0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以下、0.05μm以下がさらに好ましい。
また、前記無機粒子の分散性や平滑性を向上させるために種々の添加剤による処理が行える。特に、分散性の向上には金属酸化物粒子の表面処理が非常に有効である。表面処理剤としては、各種の無機物処理やケイ素化合物、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤およびフッ素系グラフトポリマー等による処理が挙げられる。
次に、保護層形成用の硬化性化合物は、光や熱の作用で硬化して樹脂を形成するもので、シリコーン系のハードコート樹脂を形成する化合物の他、特に、光硬化型アクリル系化合物が好ましい。
すなわち、本発明で保護層を形成する樹脂は硬化性の官能基を持つ化合物を反応硬化させて樹脂硬化膜を形成するものが好ましい。ここで、樹脂硬化膜は反応硬化により生成する膜であり、該膜は、三次元架橋した硬化膜がより好ましい。また、この樹脂硬化膜は光重合反応により生成する膜が好ましい。
上記硬化性の官能基を持つ化合物として好ましいものであるアクリル系化合物の具体例を以下に示す。下記に示すアクリル系化合物はラジカル重合反応によりアクリル樹脂を形成するものである。
Figure 2009258539
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Figure 2009258539
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なお、例示化合物中のRおよびR′は下記の基を示す。
Figure 2009258539
上記例示化合物は、東亞合成(株)、日本化薬(株)、ダイセル・サイテック(株)、新中村化学工業(株)等で作製される市販品を使用することができる。
また、各種の反応性オリゴマーを用いた樹脂も使用することができる。具体的には、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂等から形成される樹脂が挙げられる。
さらに、他の樹脂、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂及び塩ビ−酢ビ共重合体などの樹脂と混合して保護層を形成することもできる。
次に、重合開始剤について説明する。
硬化性化合物である前述のアクリル系化合物を硬化させる場合、ラジカル重合開始剤が用いられる。開始剤の添加量はアクリル系モノマーの全質量に対し0.1%以上20%以下が好ましく、0.5%以上10%以下がより好ましい。開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
アクリル系化合物の光重合では、保護層の塗布液(上記アクリル系化合物を含有する塗布液)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して保護層を硬化することが好ましい。したがって、保護層の硬化反応を行う上で、重合開始剤はUV−Aの波長領域に吸収を有するものが好ましい。
保護層の硬化反応を行うための紫外線照射装置としては、紫外線硬化樹脂の硬化に用いられている公知の装置を用いることができる。
また、保護層中には平滑性の向上を目的として各種の滑剤粒子を添加することができ、フッ素原子含有樹脂粒子が代表的なものである。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましい。特に四フッ化エチレン樹脂が好ましい。保護層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は好ましくは3〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%の範囲である。樹脂の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
また、放電生成物による劣化を低減させる目的で保護層中に酸化防止剤等の添加物を加えることもできる。
保護層の厚さは、好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
次に、本発明に係る電子写真感光体の層構成について説明する。
本発明に係る電子写真感光体の層構成は、導電性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層および保護層より構成されるものである。以下、電子写真感光体の層構成について説明する。
(導電性支持体)
本発明で用いる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダ樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明では導電層と感光層の中間にバリア機能と接着機能を持つ中間層(下引層)を設けることも可能である。中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタンおよびゼラチン等により形成することができる。これらの中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。
中間層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体又は融着の形をとっても良い。この様な金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
(電荷発生層)
本発明における電荷発生層は、390nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。このような電荷発生物質としてはアゾ顔料、ペリレン顔料、多感キノン顔料、フタロシアニン顔料等が好ましく用いられる。
特に、市販の405mm近辺に発振波長を有する短波レーザに対し、高感度を有する、ジブロムアンスアンスロンの多環キノン系顔料、あるいは、具体例を下記に例示する化合物で表されるアゾ顔料等が好ましく用いられる。
Figure 2009258539
Figure 2009258539
また、これらの顔料を併用することも可能である。
電荷発生層に電荷発生物質用の分散媒としてバインダを用いる場合、バインダは公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダ樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダ樹脂100質量部に対し20〜800質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.05μm〜2μmが好ましい。尚、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。また、電荷発生層を真空蒸着により形成することも可能である。
(電荷輸送層)
本発明に係る電子写真感光体を構成する電荷輸送層は、前述の一般式(1)で表される電荷輸送物質と紫外線吸収剤を含有するものである。すなわち、電荷輸送層は一般式(1)で表される電荷輸送物質と紫外線吸収剤及びバインダ樹脂とを溶剤中に溶解させて形成した塗布液を塗布し乾燥させて形成する。また、電荷輸送物質には、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等を併用することも可能である。
これらは0.5〜2倍量のバインダ樹脂と組み合わされ、塗布、乾燥を経て電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の作製に使用可能なバインダ樹脂としては、例えば、以下のものがある。すなわち、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等がある。また、前記樹脂を構成する繰返し単位構造のうちの2つ以上を有する共重合体樹脂も使用可能である。また、これらの樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体も使用可能である。
また、必要に応じて酸化防止剤を含有させることもできる。酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
電荷輸送層の膜厚は好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
(保護層)
本発明に係る電子写真感光体は、前述した様に保護層を形成してなるものである。ここでは、保護層の説明は省略する。
次に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に使用される溶媒あるいは分散媒について説明する。前述した総計製に使用される有機溶媒には例えば以下のものが挙げられる。すなわち、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等。本発明ではこれらに限定されるものではないが、使用可能な溶媒としては地球環境や製造工程への環境配慮の視点からテトラヒドロフランやメチルエチルケトン等の溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
また、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に、有機感光体を製造するための塗布方法としては、円形スライドホッパ型塗布装置による塗布方法の他に、浸漬塗布法やスプレイ塗布法等がある。特に、本発明に係る電子写真感光体は、最表面に少なくとも無機粒子と重合開始剤及び硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布し、硬化を行って保護層を形成するものであるが、円形スライドホッパ型塗布装置はこの様な塗布に最も好ましい。
また、円形スライドホッパ型塗布装置を用いる方法は、低沸点溶媒を用いた塗布液を用いる場合に最も適している。円形スライドホッパ型塗布装置を用いて円筒状の感光体への塗布を行う方法は特開昭58−189061号公報等の記載を参照するとよい。
円形スライドホッパ型塗布装置を用いる塗布方法は、スライド面終端と基材とを任意の間隙(約2μm〜2mm)に設定して塗布を行うもので、基材表面を傷つけることなく塗布が行える。また、性質の異なる層を多層形成する場合でも、既に塗布形成した層に損傷を与えずに塗布が行える。また、性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成する場合も、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在させておく時間がはるかに短いので、下層成分が上層に溶出することがほとんどなく、塗布槽への溶出を懸念せずに塗布が行える。
次に、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の効果を奏することが可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。図1に示す画像形成装置は、本発明に係る電子写真感光体表面を帯電手段により帯電した後、発光ピーク波長が350〜500nmのLEDアレイや前記範囲の発振波長の半導体レーザにより像露光を行って潜像形成を行うことが可能である。すなわち、電荷輸送層に紫外線吸収剤を含有させて一般式(1)で表される電荷輸送物質を用いることにより、電荷輸送物質の波長350〜500nmの露光光吸収性能が抑制され、紫外線吸収による劣化、分解の懸念が払拭される様になったことによる。
この様に、一般式(1)で表される電荷輸送物質と紫外線吸収剤と組み合わせることにより、波長が350〜500nmの露光光に対する吸収を抑えて、単位露光量に対する電位減衰の懸念を払拭して小径ドット潜像をシャープに形成することができる。
図1のカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21および定着手段24とからなる。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、1次転写手段(1次転写工程)としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、1次転写手段としての1次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段6Y、あるいは、クリーニングブレード6Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられる。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、およびクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に2次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、2次転写手段としての2次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
2次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとからなる。
本発明に係る画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンタ、LEDプリンタ及び液晶シャッタ式プリンタ等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等にも適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記記載のものに限定されるものではない。なお、文中の「部」は質量部を表す。
(感光体1の作製)
下記の手順で「感光体1」を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、10点平均表面粗さRzが1.5(μm)の導電性支持体を用意した。前記RzはJISB0601−1982に記載された定義(基準長さ、評価長さも含めて)に準ずるものである。
(中間層の形成)
ポリアミド樹脂「CM8000(東レ社製)」 10部
酸化チタン「SMT500SAS(テイカ社製)」 30部
メタノール 100部
上記組成をサンドミルを用いて10時間分散を行った。本分散液を上記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルターを用いて濾過し、中間層塗布液を作製した。
上記中間層塗布液を用いて前記支持体上に乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布して中間層を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、最大ピーク角度が2θで27.3°のチタニルフタロシアニン顔料 5部
ポリビニルブチラール樹脂(BH−S:積水化学工業製) 1部
酢酸t−ブチル 70部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 30部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散処理を行って電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質:例示化合物CTM−6 20部
バインダ:ポリカーボネート(Z300:三菱エンジニアリング社製)
30部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン(株)製) 1部
紫外線吸収剤:例示化合物UV−1 1部
ジクロロメタン 200部
を混合、溶解させて電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、乾燥膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層の形成)
保護層塗布液の調整
無機粒子:酸化チタン1(SMT100SAS:テイカ社製) 0.6部
2−プロパノール 5部
を混合し、USホモジナイザにて1時間分散処理を行った後、
硬化性化合物:アクリル系化合物である例示化合物(1)と例示化合物(7)(質量比1/1)からなるラジカル重合化合物 1.5部
重合開始剤:Irgacure184(チバ・ジャパン(株)製) 0.07部
を溶解させて保護層塗布液を調整した。
この保護層塗布液を前記電荷輸送層の上に円形スライドホッパ塗布機を用いて硬化反応後の膜厚が2.0μmになる様塗布した。塗布後、水銀ランプ照射装置「ECS−401GX(アイグラフィックス社製)」を用い、紫外線積算照度計「UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)」にて積算光量が25J/cm相当になる様に紫外線照射を行った。紫外線照射処理した後、120℃で60分間熱乾燥処理して保護層を形成した。
以上の手順により「感光体1」を作製した。
(感光体2〜9の作製)
「感光体1」の作製において、電荷発生物質、電荷輸送物質、紫外線吸収剤、硬化性化合物を表1に示すものに変更した他は同様の手順により「感光体2〜9」を作製した。なお、表1に示す各無機粒子は以下のとおりである。
酸化チタン2:アナタース型、平均粒径6nm、アルミナによる5%1次表面処理とイソブチルトリメトキシシランによる30%2次表面処理を実施
酸化亜鉛1:平均粒径20nm、メチルハイドロジェンポリシロキサンによる15%表面処理を実施
チタン酸バリウム1:平均粒径30nm、アルミナ/シリカによる3%1次表面処理とイソブチルトリメトキシシランによる10%2次表面処理を実施
(比較用感光体1〜4の作製)
「感光体1」の作製において、表1に示す電荷発生物質、電荷輸送物質、紫外線吸収剤、硬化性化合物またはポリカーボネート樹脂を用いた他は同様の手順により「比較用感光体1〜4」を作製した。
なお、「比較用感光体4」の保護層は下記手順により作製した。
バインダ:ポリカーボネート(Z300:三菱エンジニアリング社製)
10部
無機粒子:酸化チタン1 4部
ジクロロメタン 200部
を混合、溶解して、USホモジナイザにて1時間分散処理を行って保護層塗布液を調製した。この保護層塗布液を円形スライドホッパ塗布機を用いて塗布し、120℃で60分間熱乾燥処理して乾燥膜厚が2.0μmの保護層を形成した。
また、「比較用感光体1」で用いた電荷輸送物質「比較CTM」は以下の構造を有するものである。
Figure 2009258539
(評価実験)
上記「感光体1〜9」及び「比較用感光体1〜4」を、市販の画像形成装置「bizhubC350(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を改造したものに搭載し、以下の評価を行った。なお、評価機は像露光光源を発振波長405nmの半導体レーザに交換し、アパチャーにより露光スポット径の調整を行える様にしたものである。
なお、本発明の構成を有する「感光体1〜9」を用いたものを「実施例1〜9」、本発明の構成を満たさない「比較用感光体1〜4」を用いたものを「比較例1〜4」とした。
(評価1:残留電位の測定)
30℃、85%RH環境下で、A4判のプリントを連続で2万枚出力した。連続プリント実施前後の残留電位Vrを測定した。なお、残留電位は上記評価機で画像形成後の除電光露光後の電位とした。
(評価2:細線再現性の評価)
23℃、50%RH環境下で、露光スポット径を10、25、50μmと変化させて1ドットの直線状の静電潜像を形成した。形成した静電潜像を現像、転写して転写材上に形成された画像の線の太さをデジタルハイスコープ(キーエンス社製)で測定し、トナー像変化率Teを算出することにより細線再現性の評価を行った。トナー像変化率Teは露光スポット径に対するトナー線の太さの割合を示すもので下記式より算出した。
トナー像変化率Te(%)
=(トナー線太さ(μm)/露光スポット径(μm))×100
なお、評価は下記基準で行い、◎、○、△を合格とした。すなわち、
◎:80%<Te≦120%
○:20%<Te≦167%
△:167%<Te
×:上記以外
(評価3:クラック発生の評価)
感光体作製直後、及び、40℃、90%RH環境下に300時間暴露後の感光体表面のクラック発生状況をデジタルハイスコープを用いて観察した。前記40℃、90%RH環境下での300時間暴露は感光体を上記評価機に使用されるドラムカートリッジに組み込み、クリーニングブレードが押圧された状態で行ったものである。○と△を合格とした。
○:クラック発生なし
△:40℃、90%RH暴露試験後にわずかにクラック発生
×:感光体作製直後のものでクラック発生が認められた
以上の結果を表1に示す。
Figure 2009258539
表1に示す様に、本発明に係る電子写真感光体の構成を満たす「実施例1〜9」は、いずれも残留電位の上昇を低減でき、解像度の高い画像が得られることが確認された。また、20,000枚のプリント作製実施後も安定した画像形成が行え、しかも、塗布や長期保存時においても良好な耐クラック性を有する優れた効果を示している。一方、本発明の構成を満たさない「比較例1〜4」はいずれかの評価項目が基準を満たさず、本発明の効果を発現できないものであることが確認された。
本発明の効果が発現可能なカラー画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
10(10Y、10M、10C、10Bk) 画像形成ユニット
1(1Y、1M、1C、1Bk) 感光体
2(2Y、2M、2C、2Bk) 帯電手段
3(3Y、3M、3C、3Bk) 露光手段
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像手段
5(5Y、5M、5C、5Bk、5b) 転写ローラ(1次転写ローラ、2次転写ローラ)
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
21 給紙搬送手段
24 定着手段

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に直接又は中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体において、
    前記電荷輸送層は、紫外線吸収剤と下記一般式(1)で表される電荷輸送物質を含有し、前記保護層は、少なくとも無機粒子と重合開始剤及び硬化性化合物とを含有する塗布液を塗布後、硬化して形成されるものであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2009258539
    〔式中、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を表すものであり、ArとAr、ArとArは結合して環状構造を形成するものであってもよい。R、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表すものであり、RとRは一体となって環状構造を形成するものでもよい。また、mとnはそれぞれ0〜4の整数を表す。〕
  2. 前記紫外線吸収剤が、315nm〜400nmの間に吸収ピークを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記保護層に含有される無機粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生層は、縮合多環系の電荷発生物質を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 少なくとも、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
    前記帯電工程により帯電された前記電子写真感光体表面に発光ピーク波長が350〜500nmのLEDアレイまたは発振波長が350〜500nmの半導体レーザを用いて像露光を行って潜像形成を行う露光工程と、
    前記露光工程により潜像が形成された前記電子写真感光体表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像工程と、
    前記現像工程により前記電子写真感光体表面に形成されたトナー画像の転写を行う転写工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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