JP2011095649A - 電子写真感光体と画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に亘る繰り返し使用においても、画像濃度が高く、カブリがなく、画像ボケ、ダッシュマーク、黒ポチ、擦り傷、転写メモリー、膜剥がれ等の故障がない、電子写真感光体と画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層、複数の電荷輸送層を設けてなる有機感光体において、該複数の電荷輸送層の結着樹脂が、互いに異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂からなり、前記電荷発生層が金属フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成装置に関するものである。
電子写真感光体の高耐久化を実現する方法としては、電子写真感光体(以下、単に感光体ということがある)の最表面に保護層を設け、その保護層にフィラーや微粒子を分散させたり、保護層を硬化させたり、表面の潤滑性を高めたりする方法が広く知られている。これらの方法により、感光体の表面の耐摩耗性が向上し、繰り返し使用時における地汚れの発生を抑制することが可能となり、感光体の耐久性が向上することが確認されている。
しかしながら、保護層を設けたことによって、繰り返し使用における残留電位の上昇、解像度の低下、一周目帯電低下及びそれに伴う画質の低下等が生じるため、感光体の耐久性は満足されていないのが実情である。
これらの残留電位の上昇や解像度の低下を引き起こす理由としては、保護層又は保護層と感光層の界面において、電荷がトラップされやすくなったり、保護層内で光が散乱されたり、電荷が横方向に移動しやすくなったり、耐摩耗性の向上により、感光体の表面の汚染の影響が増大したりすること等が挙げられる。
これらを抑制する従来技術としては、金属又は金属酸化物をフィラーとして含有させ、その平均粒径を0.3μm以下にすることによって、残留電位の蓄積を抑制し、かつ保護層が実質的に透明となる方法が開示されている(特許文献1参照)。
又、保護層にフィラーと共に電荷輸送物質を含有させる方法により、機械的強度を備えつつ、残留電位の増加を抑制する方法が開示されている(特許文献2参照)。さらに、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特許文献3参照)、電子受容性物質を含有させる方法(特許文献4参照)等が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、残留電位の上昇や解像度の低下の抑制に対しては、効果が認められるものの、十分な耐久性を得るには至っていない。
さらに、感光層と保護層を積層し、電荷輸送物質の濃度勾配をもたらすことが開示され、保護層と感光層との界面に近い程、多く含有させるとの記載がある(特許文献5参照)。これは帯電時に発生するオゾンによって感光体の表面が劣化し、その影響が保護層を通して電荷輸送層にまで及ぶのを防ぐため、電荷輸送層の保護層近傍における電荷輸送物質の濃度を高め、オゾン劣化によって発生する感度の低下や残留電位の上昇を抑制しようとするものである。電荷輸送層の保護層側のオゾン劣化が防止され、電荷発生層側では、その影響が及ぶことなく、必要以上に電荷輸送物質を含有しなくてもよいと説明されているが、オゾン劣化した領域が感光層内に存在すれば、残留電位の上昇や感度の低下への影響は否定できず、多少の効果があったとしても根本的な解決には至っていない。
又、電荷輸送層の保護層側における電荷輸送物質の濃度を高めたとしても、電荷発生層側の濃度が低くなるため、電荷発生層からの電荷注入性が低下し、それによる残留電位の上昇や感度の低下の影響が増加する。
従って、この技術も保護層を設けることで機械的な強度が向上したとしても、静電的な耐久性が不十分であると共に、帯電ローラ等の接触帯電方式のシステムにおいては実写使用中に膜剥がれが生じたり、感光体表面に擦り傷が生じ、スジ状ノイズが発生する場合がある。
一方、逆に電荷輸送層の保護層側の部分の電荷輸送物質濃度を低くすることも考えられる。このような電荷輸送物質の濃度勾配は、保護層を形成しない場合は、耐摩耗性も幾分ではあっても向上し、電荷輸送層中での電荷輸送性の低下という問題も生じにくい。
しかしながら、保護層を形成する場合は、電荷輸送物質の濃度が低い表面部分に保護層が積層されることになるため、電荷輸送層から保護層への電荷注入性が悪化する要因になる。これは、静電特性の低下の大きな要因となる。また、その部分は保護層の下にあるため削れることがなく、電荷輸送物質の濃度勾配を低減しなければ、保護層を設けることにより耐摩耗性の向上が達成できても、静電的な高耐久化が実現できない。
その上、電荷輸送層内の電荷輸送物質の濃度勾配をもたらすには、溶媒を適宜選択してスプレー塗工機を用いたり、重ね塗りしたりすることによって付与する必要があり、許容範囲が狭く生産性に問題が出ることが多い。
上記した如く、長寿命を達成しようとする感光体についてはさらなる改善が必要な状況にある。
特開昭57−30846号公報 特開平4−281461号公報 特開昭53−133444号公報 特開平2−4275号公報 特許第2844686号公報
本発明の目的は、長期間に亘る繰り返し使用においても、画像濃度が高く、カブリがなく、画像ボケ、ダッシュマーク、黒ポチ、擦り傷、転写メモリー、膜剥がれ等の故障がない、高耐久性を有する電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置を提供することである。
本発明者の検討により、本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成されることが判明した。
(1)
導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層、複数の電荷輸送層を設けてなる有機感光体において、該複数の電荷輸送層の結着樹脂が互いに異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂からなり、前記電荷発生層が金属フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(2)
前記結着樹脂は、共重合ポリカーボネート又は共重合ポリアリレートから選択されてなることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
(3)
前記共重合ポリカーボネートが、下記一般式(1)〜(3)から選択されることを特徴とする(2)に記載の電子写真感光体。
Figure 2011095649
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す。Zは、置換基を有してもよい炭素環又は置換基を有してもよい複素環を形成するのに必要な残基を表す。
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換の脂肪族基、又は置換若しくは未置換の芳香族基を表す。R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換の脂肪族基又は芳香族基を表す。m、nは正の整数を表す。)
Figure 2011095649
(式中、Z、R〜R及びR〜Rは、一般式(1)と同じ。m、nは正の整数を表す。)
Figure 2011095649
(式中、Z、R〜R及びR〜Rは、一般式(1)と同じ。Xは酸素原子又はイオウ原子のいずれかを表す。m、nは正の整数を表す。)
(4)
前記共重合ポリアリレートが、下記一般式(4)又は(5)から選択されることを特徴とする(2)に記載の電子写真感光体。
Figure 2011095649
(式中、Arは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、Xは、単結合子、炭素数1〜15の2価の環を形成してもよい炭化水素基、酸素原子、スルホン基及びスルフィド基から選ばれる。
又、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。mは正の整数を表す。)
Figure 2011095649
(式中、XとR〜Rは一般式(4)のXとR〜Rと同一であり、R〜Rは一般式(4)のR〜Rと同一である。m、nは正の整数を表す。)
(5)
前記金属フタロシアニン顔料がガリウムフタロシアニン顔料又はチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(6)
前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする(5)に記載の電子写真感光体。
(7)
前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする(5)に記載の電子写真感光体。
(8)
前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、6.8°、12.8°、15.8°、26.6°に強いピークを有するガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする(5)に記載の電子写真感光体。
(9)
前記チタニルフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、27.3°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする(5)に記載の電子写真感光体。
(10)
前記複数の電荷輸送層において、最外表面層が微粒子を含み、該微粒子は少なくとも数平均一次粒径が20〜400nmのシリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択された1種以上の無機微粒子であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(11)
(1)〜(10)のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段を有してなる画像形成装置であって、該帯電手段が接触帯電からなることを特徴とする画像形成装置。
本発明により、長期間に亘る繰り返し使用においても、画像濃度が高く、カブリがなく、画像ボケ、ダッシュマーク、黒ポチ、擦り傷、転写メモリー、膜剥がれ等の故障がない、高耐久性を有する電子写真感光体と画像形成装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を用いたカラー画像形成装置の断面構成図。 本発明の電子写真感光体を用いたもう一つのカラー画像形成装置の構成図。
本発明につき更に説明する。
本発明は、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、複数の電荷輸送層を設けてなる電子写真感光体において、電荷発生層が金属フタロシアニン顔料を含有し、複数の電荷輸送層の結着樹脂が互いに異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂から構成されるものである。
本発明における結着樹脂のユニットとは、該樹脂を形成する単量体(モノマー)成分の単位をいう。
即ち、後記「化6」に例示記載されている結着樹脂を例にして説明すると、PC−1とPC−2はともに共重合体であり、その右側に記載されている単量体成分(ユニット)は同一であるが、左側に記載されている単量体成分(ユニット)は構造が異なる。この様な結着樹脂を一対としてみる場合、互いに異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂から構成されるという。そして本発明においては、例えばPC−1を導電性支持体側の電荷輸送層に、PC−2をより上層の電荷輸送層(通常は最表面に位置する層であるから、本発明では表面層ということがある)に使用する。
本発明の構成の如く、電荷発生層が金属フタロシアニン顔料を含有し、複数の電荷輸送層の結着樹脂が互いに親和性の高い共通ユニットを有する共重合結着樹脂を用いることで、金属フタロシアニン顔料が有する高い電荷発生能を有効に活用し、残留上昇等の電位トラップとなりうる界面の形成がされないと共に、電荷輸送層としての性能が劣化しない電荷輸送物質の組み合わせが得られることで電位安定性が得られる。更に、表面層に用いる結着樹脂が少なくとも耐傷性や耐ガス性に有効な成分ユニットを有することで、画像品質が保たれ長寿命化が達成される。
電荷発生層に含有される金属フタロシアニン顔料については後述することにし、先ず、電荷輸送層に含有される結着樹脂について説明を行う。
〔異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂〕
本発明における異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂とは、表面層に用いる結着樹脂は、共通ユニットの他に少なくとも耐傷性に有効な成分ユニットからなり、より下層にある電荷輸送層に用いる結着樹脂は、共通ユニットの他に少なくとも電位的安定で耐ガス性に有効なユニットからなることが望ましい。
これらの結着樹脂は化学構造としては従来電荷輸送層の結着樹脂(バインダー樹脂)として用いられてきたものでよい。それ故、合成法等も公知の方法を用いて作製することができる。
しかし、結着樹脂用の共重合体の中で特に好ましいのは、ポリカーボネート系共重合体樹脂あるいはポリアリレート系共重合体樹脂である。
具体的には、ポリカーボネート系共重合体樹脂としては、例えば特開2001−209195号公報、特開平7−325407号公報、特開2005−266648号公報、特開2001−343761号公報に記載されている如き共重合体中から選択されるものである。又、ポリアリレート系共重合体樹脂としては、例えば、特開2000−227668号公報記載ものや、特開2006−194932号公報記載の中、特開2006−233094号公報記載の如き、Arが炭素数6〜12の多環芳香族で、ベンゼン、ナフタレン、フェナンスレンの如きものが挙げられる。
これら結着樹脂の具体的な例としては、例えば下記の如きものがある。
ポリカーボネート系共重合体樹脂としては、
Figure 2011095649
Figure 2011095649
Figure 2011095649
があり、さらに代表的なユニットとしては下記の如きものを用いることが出来る。
Figure 2011095649
ここで、m/n比はm/n=10/90〜90/10(モル%/モル%)、好ましくは30/70〜70/30(モル%/モル%)。また、分子量は、粘度平均分子量で1万〜15万、好ましくは2万〜8万の範囲で使用できる。
次に、さらにポリアリレート系共重合体樹脂としては下記のものを用いることができる。
Figure 2011095649
Figure 2011095649
Figure 2011095649
ここで、m/n比はm/n=10/90〜90/10(モル%/モル%)、好ましくは30/70〜70/30(モル%/モル%)。また、分子量は、粘度平均分子量で1万〜15万、好ましくは2万〜8万の範囲で使用できる。
〔金属フタロシアニン顔料〕
前記機能分離型の感光体に用いられる電荷発生物質として、種々の有機染料又は有機顔料が提案されており、例えば、ジブロムアンスンスロンに代表される多環キノン顔料、ピリリウム染料及び該ピリリウム染料とポリカーボネートとの共晶錯体、スクエアリウム顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料等が実用化されている。なかでもフタロシアニン顔料は光電変換の量子効率が高く、また近赤外領域まで高い分光感度を示すため、特に半導体レーザ光源に対応する電子写真感光体用として注目されてきた。
本発明用の電荷発生物質としては、銅フタロシアニン、クロルインジウムフタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、チタニルフタニンなど金属フタロシアニンを用いることを特徴とするが、中でもガリウムフタロシアニン顔料又はチタニルフタロシアニン顔料であることが好ましい。
具体的には、ガリウムフタロシアニン顔料としては、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料、或いはCu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、6.8°、12.8°、15.8°、26.6°に強いピークを有するガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。前記チタニルフタロシアニン顔料としては、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、27.3°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン顔料であることが好ましい。
〔電子写真感光体の構成〕
以下、本発明の電子写真感光体の構成について以下に記載する。
層構成としては、導電性支持体上に中間層を設け、感光層として電荷発生層および複数の電荷輸送層を順次積層した構成であり、多くの場合、第1電荷輸送層および表面層として第2電荷輸送層を順次積層した構成と成っている。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを感光体の表面層に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
(導電性支持体)
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できる円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度および振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。本発明に係る導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、通常は中間層を設ける。
中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましい。
中間層の膜厚は、黒ポチ発生防止、残留電位の上昇によるドット画像劣化防止等の面から、0.3〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
(感光層)
以下に機能分離感光体の代表的な感光層構成について説明する。
(電荷発生層)
本発明の感光体には、電荷発生層(CGL)は、電荷発生物質(CGM)の分散媒としてバインダーを用いることが好ましい。バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
バインダーと電荷発生物質との割合は、バインダー100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
本発明において電荷輸送層は、複数の電荷輸送層から構成され、電荷輸送物質(CTM)およびCTMを分散し製膜する結着樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記した無機微粒子、酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。最上層の電荷輸送層は無機微粒子を含有する構成が好ましい。本発明においては、少なくとも数平均一次粒径が20〜400nmのシリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択された1種以上の無機微粒子であることが特に好ましい。
電荷輸送物質(CTM)としては、公知の電荷輸送物質を使用すればよい。例えば上記本発明に係る化合物以外のトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は本発明の樹脂中に溶解して層形成が行われる。
結着樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、ドット再現性の劣化防止の面から、10〜25μmが好ましい。また、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmであることが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。また表面層の形成には円形スライドホッパー型塗布装置を用いるのが最も好ましい。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加工方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と導電性支持体は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できる。
又、本発明の感光体の表面層には、画像ボケ防止の面から、酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することができる。
酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
次に、本発明に係わる感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、およびクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとから成る。
次に図2は本発明の感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段および中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5bおよび中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンターおよび液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、本発明の実施態様とその性能を示して本発明につき具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
尚、文中「部」とは「質量部」を表す。
〔ポリカーボネート〕
(1)感光体1の作製
・導電性支持体
洗浄済み円筒状アルミニウム導電性支持体(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚3.0μmの中間層を形成した。
・中間層(UCL)
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(ポリアミドCM8000) 1.0部
ブルッカイト形酸化チタンA1(一次粒径35nm;表面処理は、フッ化エチルトリ
メトキシシラン処理) 3.0部
イソプロピルアルコール 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
・電荷発生層(CGL)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚 0.8μmの電荷発生層を形成した。
Y形オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、最大ピーク角度が2θで27.3) 20部
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
・電荷輸送層(CTL)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 75部
共重合ポリカーボネート(例示化合物PC−1:m/n=50/50) 100部
酸化防止剤(BHT) 2.0部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比7/3) 750部
・表面層(OCL:上層の電荷輸送層)
次に、表面層(OCL)塗布液をサンドミルにて分散混合溶解した。
電荷輸送物質(CTM:4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 26部
微粒子:疎水性シリカ(平均粒径:50nm) 4.0部
共重合ポリカーボネート(例示化合物PC−2:m/n=50/50) 20部
テトラヒドロフラン 160部
トルエン 40部
次に、表面層(OCL)塗布液を円形スライド型塗布装置により塗布し、乾燥膜厚6μmの表面層を設け感光体1を作製した。
(2)感光体2の作製
実施例1において、CTLの結着樹脂を例示化合物PC−3(m/n=50/50)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
(3)感光体3の作製
実施例1において、CTLの結着樹脂を例示化合物PC−4(m/n=50/50)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
(4)比較感光体1の作製
感光体1において、CTLおよびOCLの結着樹脂を下記比較用結着樹脂1のビスフェノールZ型に代えた以外は感光体1と同様にして作製した。
(5)比較感光体2の作製
感光体1において、CTLの結着樹脂をOCLの結着樹脂に代えた以外は感光体1と同様に作製した。
(6)比較感光体3の作製
感光体1において、CTLの結着樹脂を下記比較用結着樹脂2のビスフェノールA型のポリカーボネートに代える以外は感光体1と同様にして作製した。
Figure 2011095649
〔ポリアリレート〕
(1)感光体4の作製
実施例1において、CTLの結着樹脂を例示化合物PA−1(m/n=50/50)、OCLの結着樹脂を例示化合物PA−2(m/n=50/50)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
(2)感光体5の作製
実施例1において、CTLの結着樹脂を以下のものを用い例示化合物PA−3(m/n=50/50)、OCLの結着樹脂を例示化合物PA−4(m/n=50/50)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
(3)感光体6の作製
実施例1において、CTLの結着樹脂を以下のものを用い例示化合物PA−5(m/n=50/50)、OCLの結着樹脂を例示化合物PA−6(m/n=50/50)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した。
(4)比較感光体4の作製
感光体4において、CTLおよびOCLの結着樹脂を下記比較用結着樹脂3のポリアリレートに代えた以外は感光体1と同様にして作製した。
(5)比較感光体5の作製
感光体4において、CTLの結着樹脂をOCLの結着樹脂に替えた以外は感光体4と同様に作製した。
(6)比較感光体6の作製
感光体4において、CTLの結着樹脂を下記比較用結着樹脂4のポリアリレートに替えた以外は感光体4と同様にして作製した。
Figure 2011095649
〔評価1〕
上記のようにして得た感光体1〜3と比較感光体1〜3を、タンデム型カラー複写機(bizhub C550 コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に各々装着し、低温低湿(LL:10℃20%RH)で耐久試験を行った。
詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像を計10万枚印刷し評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
評価結果を表1に示す。
〈画像濃度〉
マクベス社製RD−918を使用して測定した。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定し、多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
〈カブリ濃度〉
カブリ濃度はべた白画像をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。該反射濃度は相対濃度(印刷していないA4紙の濃度を0.000とする)で評価した。
◎:濃度が0.010未満(良好)
○:濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×:濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)
〈黒ポチ発生〉
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチ、黒筋状の画像欠陥が、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
◎:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
〈画像ボケ(文字部の画像で画像ボケを評価)〉
◎:10万枚中5枚以下の発生/良好
○:10万枚中6枚〜20枚の発生/実用上問題がないレベル
×:10万枚中21枚以上の発生/実用上問題あり
〈ダッシュマーク〉
ハーフトーン画像上に周期性が感光体の周期と一致するダッシュマーク(彗星状の小さなすじ画像)の発生状況を下記の基準で判定した。
◎:0.4mm以上のダッシュマークの頻度:全ての印刷画像が5個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上のダッシュマークの頻度:6個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上のダッシュマーク画像欠陥の頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
〈擦り傷〉
◎:感光体表面が均一に削られ、ハーフトーン画像が均一で、すっきりとした画像で再現されている(良好)
○:感光体表面に小さな擦り傷が発生しているが、ハーフトーン画像は均一で、すっきりとした画像で再現されている(実用上問題なし)
×:感光体表面に擦り傷が発生し、ハーフトーン画像が、荒れた画像になっている(実用上問題有り)
〈転写メモリー〉
濃度の高い文字が次のハーフトーン画像に出現する(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
○:メモリー発生なし
×:メモリー発生あり
〈接着性〉
接着性評価はJISK 5400に基づき、碁盤目テープ法により行った。特に指定のない項目についてはJISの規定に従う。
切り傷の間隔は1mmでます目の数は100を基準とする。
○:残留した碁盤目の数が80%以上残存する(良好)
△:残留した碁盤目の数が50%〜80%未満残存する(実用性あり)
×:残留した碁盤目の数が50%未満しか残存していない(不適)
Figure 2011095649
〔評価2〕
上記のようにして得た感光体4〜6と比較感光体4〜6を、タンデム型カラー複写機(bizhub C550 コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)において、帯電ローラに置き換えた改造機を用いて、低温低湿(LL:10℃、20%RH)で耐久試験を行った。詳しくは、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像を計10万枚印刷し評価した。評価項目と評価基準は上記と同様である。
評価結果を表2に示す。
Figure 2011095649
上記表1及び表2を見れば明らかな如く、本発明内の実施例1〜3、実施例4〜6はいずれの特性も良好である。これに対し本発明外の比較例1〜3、比較例4〜6はいずれかの特性に問題があることがわかる。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (11)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層、複数の電荷輸送層を設けてなる有機感光体において、該複数の電荷輸送層の結着樹脂が、互いに異なるユニットと共通ユニットを有する共重合樹脂からなり、前記電荷発生層が金属フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記記載の結着樹脂は、共重合ポリカーボネート、共重合ポリアリレートから選択されてなることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記記載の共重合ポリカーボネートが、下記一般式(1)〜(3)から選択されることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
    Figure 2011095649
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す。Zは、置換基を有してもよい炭素環又は置換基を有してもよい複素環を形成するのに必要な残基を表す。
    〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換の脂肪族基、又は置換若しくは未置換の芳香族基を表す。R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換の脂肪族基又は芳香族基を表す。m、nは正の整数を表す。)
    Figure 2011095649
    (式中、Z、R〜R及びR〜Rは、一般式(1)と同じ。m、nは正の整数を表す。)
    Figure 2011095649
    (式中、Z、R〜R及びR〜Rは、一般式(1)と同じ。Xは酸素原子又はイオウ原子のいずれかを表す。m、nは正の整数を表す。)
  4. 前記共重合ポリアリレートが、下記一般式(4)又は(5)から選択されることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
    Figure 2011095649
    (式中、Arは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、Xは、単結合子、炭素数1〜15の2価の環を形成してもよい炭化水素基、酸素原子、スルホン基及びスルフィド基から選ばれる。
    又、R〜Rは同一でも異なっていてもよい、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。mは正の整数を表す。)
    Figure 2011095649
    (式中、XとR〜Rは一般式(4)のXとR〜Rと同一であり、R〜Rは一般式(4)のR〜Rと同一である。m、nは正の整数を表す。)
  5. 前記金属フタロシアニン顔料がガリウムフタロシアニン顔料又はチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  8. 前記ガリウムフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、6.8°、12.8°、15.8°、26.6°に強いピークを有するガリウムフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  9. 前記チタニルフタロシアニン顔料が、Cu−Kα特性X線回折における回折角(2θ±0.2)で、27.3°に強いピークを有するオキシチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  10. 前記複数の電荷輸送層において、最外表面層が微粒子を含み、該微粒子は少なくとも数平均一次粒径が20〜400nmのシリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択された1種以上の無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段を有してなる画像形成装置であって、該帯電手段が接触帯電からなることを特徴とする画像形成装置。
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