JP2009258093A - 濃度センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電素子部13は、基板11においてセンサ部12と反対の面側に設けられている。そのため、センサ部12および圧電素子部13の配置が妨げられず、圧電素子部13による振動面積が確保される。通電により圧電素子部13が振動すると、圧電素子部13と一体の基板11およびセンサ部12も振動する。これにより、混合燃料に晒されるセンサ部12に付着した混合燃料中の異物は、圧電素子部13の振動にともなうセンサ部12の振動によってセンサ部12からの脱離が促進される。
【選択図】図1
Description
請求項2記載の発明では、圧電素子部は基板を挟んでセンサ部と反対側の面に設けられている。そのため、圧電素子部は、センサ部に妨げられることなく、基板においてセンサ部の反対側の面に広く設けられる。したがって、大型化を招くことなく圧電素子部の振動面積を確保することができる。また、センサ部と圧電素子部とを別個独立して形成可能である。したがって、製造工程を簡略化することができる。
請求項4記載の発明では、圧電素子部は基板においてセンサ部と同一の面に設けられている。そのため、圧電素子部の振動面積の確保は困難なものの、センサ部に近接した圧電素子部の配置が可能である。したがって、センサ部に付着した異物の脱離を促進することができる。
請求項6記載の発明では、凹部をさらに備えている。すなわち、基板は、ダイアフラム形状の凹部を形成している。そのため、凹部の周囲に設けた圧電素子部によって、センサ部の振動は促進される。したがって、センサ部に付着した異物の脱離をより促進することができる。
請求項8記載の発明では、凹部を形成する基板の開口側は絶縁膜で覆われている。圧電素子部は、この絶縁膜の基板とは反対側に設けられている。そのため、圧電素子部は、絶縁膜を振動させる。圧電素子部による絶縁膜の振動は、凹部を経由して基板を振動させる。したがって、センサ部に付着した異物の脱離を促進することができる。
請求項11記載の発明では、凹部を形成する基板の開口側は絶縁膜で覆われている。そして、この絶縁膜の基板と反対側には絶縁体が積層されている。圧電素子部は、絶縁膜を挟んで凹部の反対側に設けられ、センサ部は絶縁体を挟んで圧電素子部と対向する位置に設けられている。圧電素子部が振動すると、その振動は絶縁膜および絶縁体へ伝わる。すなわち、圧電素子部は、絶縁膜だけでなく絶縁体も振動させる。これにより、絶縁体に設けられているセンサ部も振動する。したがって、センサ部に付着した異物の脱離を促進することができる。
請求項14記載の発明では、センサ部が有する櫛歯形状の電極パターンは圧電素子部を構成している。すなわち、電極パターンは、センサ部でもあり、圧電素子部でもある。したがって、センサ部を自身の振動によって自己洗浄することができる。
請求項16記載の発明では、圧電素子部はセンサ部の基板と反対側に積層された電極パターンを有している。すなわち、センサ部は、基板と反対側に圧電素子部の電極パターンが被せられている。そのため、圧電素子部の電極パターンの振動によって、センサ部も振動する。したがって、センサ部を自身の振動によって自己洗浄することができる。
請求項18記載の発明では、圧電素子部は、センサ部を構成する第一電極パターンと、基板を挟んでセンサ部と反対側の面に設けられている第二電極パターンとを有している。そのため、センサ部は、第一電極パターンの振動によって自身が振動するとともに、基板を経由して伝達される第二電極パターンの振動によっても振動する。したがって、センサ部に付着した異物の脱離を促進することができるとともに、センサ部を自身の振動によって自己洗浄することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による濃度センサ装置を図1に示す。第1実施形態の濃度センサ装置10は、図1に示すように基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、例えばシリコンなどの半導体で形成されている。濃度センサ装置10は、図2に示すように混合燃料が流れる配管部材100に取り付けられる。濃度センサ装置10は、配管部材100の内側において図2(A)に示すように天部、図2(B)に示すように底部、あるいは図2(C)に示すように側部などに設けられる。
濃度センサ装置10は、回路部18を備えている。回路部18は、基板11においてセンサ部12と同一の面側に設けられている。回路部18は、例えば図示しない処理回路および接続パッドなどを有している。処理回路は、例えばセンサ部12から出力される信号や圧電素子部13へ入力される信号を処理する回路を構成している。接続パッドは、濃度センサ装置10と外部の接続端子とを接続するボンディングワイヤなどが接続される。回路部18は、センサ部12と同一の面側にセンサ部12と隣接して設けられている。回路部18は、センサ部12と同様にシリコン窒化膜からなる保護膜16で保護されている。
さらに、第1実施形態では、圧電素子部13と回路部18とを接続する貫通電極19は基板11を貫いている。そのため、貫通電極19は、水分などを含む混合燃料に晒されにくい。したがって、貫通電極19の腐食や損傷を低減することができ、貫通電極19の耐久性を高めることができる。
本発明の第2、第3実施形態による濃度センサ装置をそれぞれ図3または図4に示す。
第2実施形態では、図3に示すようにセンサ部12および圧電素子部13は基板11の同一の面側に設けられている。センサ部12および圧電素子部13を基板11の同一の面側に設けると、センサ部12および圧電素子部13の設置面積を確保すると体格の大型化を招いたり、体格を維持すると圧電素子部13の振動面積の減少を招いたりする。一方、センサ部12および圧電素子部13を基板11の同一の面側に設けることにより、センサ部12と圧電素子部13とが近接して配置される。したがって、圧電素子部13の振動によってセンサ部12が直接振動し、異物の脱離をより促進することができる。
本発明の第4実施形態による濃度センサ装置を図5に示す。
図5に示すように第4実施形態による濃度センサ装置10は、基板11に設けられている凹部22を備えている。凹部22は、基板11の一方の面側から他方の面側へ窪んだダイアフラム状に形成されている。センサ部12および回路部18は、基板11の平坦な側すなわち凹部22とは反対の面側に設けられている。圧電素子部13は、凹部22の開口側の端面に沿って設けられている。これにより、圧電素子部13は、凹部22を形成する基板11の開口側の面を覆った状態となっている。その結果、圧電素子部13は、基板11を挟んでセンサ部12および回路部18と反対の面側に設けられている。
第4実施形態では、凹部22に沿って圧電素子部13を設けることにより、圧電素子部13とセンサ部12との距離が低減される。これに加え、基板11を凹部22によりダイアフラム形状に形成し、この基板11を圧電素子部13によって振動させることにより、基板11に設けられたセンサ部12の振動がより促進される。したがって、センサ部12に付着した異物の脱離をより促進することができる。
本発明の第5実施形態による濃度センサ装置を図6に示す。
図6に示すように第5実施形態による濃度センサ装置10は、基板11に設けられている凹部22を備えている。凹部22は、基板11の一方の面側から他方の面側へ窪んだダイアフラム状に形成されている。センサ部12および回路部18は、基板11の平坦な側すなわち凹部22とは反対の面側に設けられている。また、濃度センサ装置10は、凹部22が設けられている基板11の開口側を塞ぐ絶縁膜23を備えている。すなわち、凹部22は、開口側の端部が絶縁膜23で塞がれている。絶縁膜23は、例えばシリコン酸化膜などにより形成されている。
本発明の第6、第7、第8実施形態による濃度センサ装置をそれぞれ図7、図8または図9に示す。
第6実施形態では、図7に示すように基板11の平坦な面側にセンサ部12および圧電素子部13が設けられている。すなわち、第6実施形態の場合、センサ部12と圧電素子部13とは、基板11の同一の面側に設けられている。基板11とセンサ部12および圧電素子部13との間には、シリコン酸化膜からなる絶縁膜25が設けられている。圧電素子部13が振動すると、その振動は凹部22によって板圧が減少した基板11を通してセンサ部12に伝達される。したがって、センサ部12の振動が促進され、異物の脱離を促進することができる。
本発明の第9実施形態による濃度センサ装置を図10に示す。
第9実施形態では、図10に示すように濃度センサ装置10は、基板11およびセンサ部12を備えている。基板11は、図10(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図10(A)に示すように複数の電極パターン41、42を有している。これらの電極パターン41、42は、いずれも互いに対向する櫛歯形状に形成されている。対向する電極パターン41と電極パターン42との間の誘電率や比誘電率を検出することにより、センサ部12は混合燃料に含まれるアルコールの濃度を検出する。センサ部12の電極パターン41および電極パターン42は、保護膜16によって保護されている。
回路部は、燃料の誘電率を測定と、センサ部12への通電による振動の発生とを時分割して実施する。すなわち、回路部は、燃料の誘電率を測定するときと、センサ部12を圧電素子部13として振動させるときとで電極パターン41と電極パターン42との間に印加する電圧の印加パターンを切り換える。
本発明の第10実施形態による濃度センサ装置を図11に示す。第10実施形態は、図9実施形態の変形であり、相違点を説明する。
第10実施形態では、図11に示すように濃度センサ装置10は、基板11を挟んでセンサ部12と反対側の面に電極部43を備えている。電極部43は、基板11のセンサ部12と反対の端面側とともに絶縁膜14で覆われている。センサ部12を構成する電極パターン41および電極パターン42の構成は、第9実施形態と同様である。
本発明の第11実施形態による濃度センサ装置を図12に示す。
第10実施形態では、図12に示すように濃度センサ装置10は、基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、図12(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図12(A)に示すように複数の電極51、52を有している。これらの電極51、52は、いずれも互いに対向して形成されている。電極51および電極52は、例えば図12(A)に示すように櫛歯形状に形成されている。電極51と電極52との間の誘電率や比誘電率を検出することにより、センサ部12は混合燃料に含まれるアルコールの濃度を検出する。センサ部12の電極51および電極52は、保護膜16によって保護されている。
本発明の第12実施形態による濃度センサ装置を図13に示す。
第12実施形態では、図13に示すように濃度センサ装置10は、基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、図13(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図13(A)に示すように複数の電極15を有している。電極15は、上述の第1実施形態と同様の構成である。
濃度センサ装置10は、図14に示すように一部が切り欠かれた配管部材100に設けてもよい。この場合、配管部材100の外側には、濃度センサ装置10を取り付けるための実装基板103が設けられる。濃度センサ装置10と実装基板103との間には、リブ31やシール部材32が設けられる。これにより、リブ31やシール部材32の内側への混合燃料の流入が防止される。実装基板103と濃度センサ装置10とは、例えばはんだボール33やボンディングワイヤによって電気的に接続される。また、図14に示す場合、濃度センサ装置10の圧電素子部13は、基板11の回路部を経由することなく例えばはんだボール33により実装基板103と電気的に直接接続される。濃度センサ装置10と実装基板103との間にリブ31やシール部材32を設けることにより、これらはんだボール33やボンディングワイヤが設けられている内側への混合燃料の流入は防止される。したがって、はんだボール33やボンディングワイヤなどの腐食や損傷を防止することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (19)
- 基板と、
前記基板の一方の面側に設けられているセンサ部と、
通電することにより振動して前記センサ部に付着した異物の脱離を促す圧電素子部と、
を備えることを特徴とする濃度センサ装置。 - 前記圧電素子部は、前記基板を挟んで前記センサ部と反対の面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記基板の前記センサ部と同一の面側に設けられている回路部と、
前記基板を貫いて前記圧電素子部と前記回路部とを接続する貫通電極と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の濃度センサ装置。 - 前記圧電素子部は、前記基板において前記センサ部と同一の面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記圧電素子部は、前記基板と前記センサ部との間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記基板に設けられ、板厚方向に窪んでいる凹部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記センサ部は、前記凹部を形成する前記基板の平坦な面側に設けられ、
前記圧電素子部は、前記凹部を形成する前記基板の開口側に沿って設けられていることを特徴とする請求項6記載の濃度センサ装置。 - 前記凹部を形成する前記基板の開口側を塞ぐ絶縁膜をさらに備え、
前記センサ部は、前記凹部を形成する前記基板の平坦な面側に設けられ、
前記圧電素子部は、前記絶縁膜の前記基板とは反対の面側に設けられていることを特徴とする請求項6記載の濃度センサ装置。 - 前記基板の前記センサ部と同一の面側に設けられている回路部と、
前記基板を貫いて前記圧電素子部と前記回路部とを接続する貫通電極と、
をさらに備えることを特徴とする請求項8記載の濃度センサ装置。 - 前記凹部を形成する前記基板の開口側を塞ぐ絶縁膜をさらに備え、
前記センサ部および前記圧電素子部は、前記絶縁膜の前記凹部とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項6記載の濃度センサ装置。 - 前記凹部を形成する前記基板の開口側を塞ぐ絶縁膜と、
前記絶縁膜の前記基板とは反対側に設けられている絶縁体と、をさらに備え、
前記圧電素子部は、前記絶縁膜を挟んで前記凹部の反対側に設けられ、
前記センサ部は、前記絶縁体を挟んで前記圧電素子部と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項6記載の濃度センサ装置。 - 前記基板と前記絶縁膜とに囲まれた前記凹部には、気体が封入されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
- 混合燃料の混合比を検出するために用いることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
- 前記センサ部は、圧電素子で形成されている櫛歯形状の電極パターンを有し、
前記電極パターンは、前記圧電素子部を構成していることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。 - 前記基板を挟んで前記センサ部と反対側の面に、前記電極パターンとの間に電位差を形成する電極部をさらに備える請求項14記載の濃度センサ装置。
- 前記圧電素子部は、前記センサ部の前記基板と反対側に積層され、圧電素子で形成されている櫛歯形状の電極パターンを有することを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記圧電素子部は、前記基板を挟んで前記センサ部と反対側の面に、圧電素子で形成されている櫛歯形状の電極パターンを有することを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
- 前記センサ部は、圧電素子で形成されている櫛歯形状の第一電極パターンを有し、
前記圧電素子部は、前記第一電極パターンと、前記基板を挟んで前記センサ部と反対側の面に圧電素子で形成されている櫛歯形状の第二電極パターンと、を有することを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。 - 前記圧電素子部は、前記センサ部の前記基板と反対側に積層され圧電素子で形成されている櫛歯形状の第一電極パターンと、前記基板を挟んで前記センサ部と反対側の面に圧電素子で形成されている櫛歯形状の第二電極パターンと、を有することを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
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