JP5233762B2 - 濃度センサ装置 - Google Patents

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本発明は、濃度センサ装置に関し、特に液体に含まれる特定成分の混合比を検出する濃度センサ装置に関する。
従来、各種の液体に含まれる特定成分の濃度を検出する濃度センサ装置が広く用いられている。例えば、近年では、石油を由来とするガソリンや軽油にアルコールなどの生物由来の成分を混合したアルコール混合燃料の利用が図られている。内燃機関の性能あるいは制御は、混合燃料における石油由来の成分と生物由来の成分との混合比すなわちアルコール濃度によって変化する。そのため、混合燃料におけるアルコール濃度を高精度に検出することが要求される。このように、アルコール混合燃料に限らず、各種の分野において液体中の特定成分の濃度を高精度に検出することが要求されている。このような濃度センサ装置の例として、例えば混合燃料のアルコール濃度を検出する特許文献1が公知である。
特表平5−507561号公報
特許文献1に開示されているセンサ装置は、燃料が流れる通路を形成するケーシングおよびケーシング内に設けられているセンサ素子を備えている。通路を流れる混合燃料に晒されているセンサ素子は、燃料に直接触れることによりアルコール濃度を検出する。しかしながら、特許文献1の場合、ケーシングが形成している流路は複雑な迷路形状を構成しているとともに、この複雑な流路に大型のセンサ素子が設けられている。そのため、燃料などの液体に含まれる異物、すなわち固形物や気泡は、センサ素子の検出部に付着しやすい。その結果、異物の付着にともなって、液体に含まれる特定成分の濃度の検出精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサ部への異物の付着を低減し、液体に含まれる特性成分の検出精度が高い濃度センサ装置を提供することにある。
請求項1または11記載の発明では、堆積制限部を備えている。堆積制限部は、センサ部への異物の堆積を妨げる。この堆積制限部は、センサ部と一体、または液体の流れ方向においてセンサ部の上流側に設けられている。これにより、液体に含まれる異物は、堆積制限部によってセンサ部への付着および堆積が妨げられる。したがって、センサ部への異物の堆積が妨げられ、液体に含まれる特性成分の濃度の検出精度を高めることができる。
請求項1記載の発明では、通路形成部が形成する液体通路に収容されている堆積制限部は、センサ部とは別体の帯電部および捕捉部を有している。液体通路を流れる液体は、帯電部において電圧が印加されることにより帯電する。液体に含まれる異物は、液体とともに帯電する。そのため、液体が捕捉部を通過することにより、液体に含まれる帯電した異物はセンサ部に至る前に捕捉部で捕捉される。したがって、センサ部への異物の付着および堆積が低減され、液体に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
請求項2記載の発明では、液体通路に壁部を備えている。壁部は、帯電部を通過した液体の流れをセンサ部側と捕捉部側とに分離する。帯電部で帯電した液体に含まれる異物は、捕捉部側へ移動しやすい。そのため、液体の流れを壁部により捕捉部側とセンサ部側とに分離することにより、液体に含まれる異物はセンサ部側へ流入しにくくなる。したがって、センサ部への異物の付着および堆積がより低減され、液体に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
請求項3記載の発明では、堆積制限部はセンサ部の下流側に除電部を有している。これにより、帯電部および捕捉部で帯電した液体は、除電部によって除電される。帯電部および捕捉部において液体に電荷を帯電させることにより、センサ部よりも下流側に設けられている機器や装置に影響を与えるおそれもある。そこで、除電部は、センサ部を通過した液体の電荷を除電する。これにより、帯電した液体がセンサ部よりも下流側に設けられている機器や装置に影響を与えることはない。したがって、外部への影響を低減することができる。
請求項4記載の発明では、帯電部に印加される電圧と捕捉部に印加される電圧とは、それぞれ極性が正(+)または負(−)で異なっている。例えば帯電部で正の電圧を印加するとき、捕捉部では負の電圧が印加される。そして、帯電部および捕捉部では、いずれも一方の極性から他方の極性へ反転することなく一方の極性を維持する。すなわち、帯電部で正の電圧を印加する場合、帯電部は常に正の電圧を維持し、捕捉部は負の電圧を維持する。これにより、帯電部で帯電した異物は、捕捉部によって確実に捕捉され、センサ部側への移動が制限される。したがって、センサ部への異物の付着および堆積が低減され、液体に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
請求項5記載の発明では、帯電部および捕捉部で液体に印加される電圧は1kHz以上の交流電圧である。そして、この電圧は、負側の最大値および正側の最小値が接地電圧に設定されている。液体に直流電圧や低周波の交流を印加すると、液体および液体に含まれる種々の成分が電気化学的な反応を生じるおそれがある。そのため、帯電部および捕捉部では、液体が不可逆的な化学変化を生じないために、1kHz以上の交流電圧を印加している。したがって、液体の変化を低減し、外部への影響を低減することができる。
請求項6記載の発明では、捕捉部は少なくとも一枚以上の板状の電極部材を有している。この板状の電極部材は、液体通路の軸と平行に延び、上流側が液体通路の軸に垂直な断面において任意の位置における弦に対応する板幅を有している。すなわち、電極部材は、液体通路の上流側において、液体通路を形成する通路形成部材の一端から他端側に達する板幅を有している。そして、この電極部材は、下流側ほど板幅が縮小している。すなわち、電極部材は、帯電部側ほど板幅が大きく、センサ部側ほど板幅が小さい。これにより、帯電部を通過した液体は、板幅の大きな上流側で異物が効果的に除去される。また、電極部材は、液体通路と平行に延びることにより、液体通路を流れる液体の圧力損失が低減される。したがって、液体の圧力損失を低減しつつ、液体に含まれる異物をセンサ部の上流側で捕捉することができ、センサ部の濃度検出精度を高めることができる。
請求項7記載の発明では、捕捉部は少なくとも一枚以上の板状の電極部材を有している。この板状の電極部材は、液体通路の軸に対して傾斜して延びている。そして、この電極部材は、液体通路の上流側から下流側へ向けて液体通路の少なくとも一部の幅を狭めている。そのため、液体通路を流れる液体は、徐々に狭まる電極部材の間を流れる。これにより、液体に含まれる異物は、捕捉部に捕捉されやすくなる。したがって、液体に含まれる異物をセンサ部の上流側で捕捉することができ、センサ部の濃度検出精度を高めることができる。
請求項8記載の発明では、捕捉部は少なくとも一枚以上の筒状で錐形状の電極部材を有している。すなわち、捕捉部は、例えば円錐や角錐形状の電極部材を有している。そして、この電極部材は、上流側から下流側へ向けて内径が縮小している。そのため、液体は、徐々に内径が縮小する電極部材を通過する。これにより、液体に含まれる異物は、捕捉部に捕捉されやすくなる。したがって、液体に含まれる異物をセンサ部の上流側で捕捉することができ、センサ部の濃度検出精度を高めることができる。
請求項9記載の発明では、捕捉部は少なくとも一枚以上の筒状で錐形状の電極部材を有している。すなわち、捕捉部は、例えば円錐や角錐形状の電極部材を有している。そして、この電極部材は、上流側から下流側へ向けて液体通路における液体の流れを通路形成部材の内壁側へ案内する形状である。そのため、液体は、徐々に通路形成部材の内壁に近づく電極部材を通過する。これにより、液体に含まれる異物は捕捉部に捕捉されやすくなるとともに、液体の圧力損失が比較的小さくなる。したがって、液体に含まれる異物をセンサ部の上流側で捕捉することができ、センサ部の濃度検出精度を高めることができる。
請求項10記載の発明では、通路形成部材に振動を与える振動付与手段を備えている。液体通路に設けられる帯電部および捕捉部などは、長期間の使用によって異物が堆積するおそれがある。そこで、間欠的に振動付与手段で液体通路を形成する通路形成部材を振動させることにより、通路形成部材とともに帯電部および捕捉部も振動する。したがって、帯電部および捕捉部への異物の堆積を低減することができる。
本発明の第1参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 濃度センサ装置の配管部材への取り付け状態を示す模式図 本発明の第2参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第3参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第4参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第5参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第6参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第7参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第8参考形態による濃度センサ装置の概略を示す断面図 本発明の第9参考形態による濃度センサ装置を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のA−A線における断面図 本発明の第10参考形態による濃度センサ装置を示す図10(B)に相当する図 本発明の第11参考形態による濃度センサ装置を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のA−A線における断面図 本発明の第12参考形態による濃度センサ装置を示す概略図であり、(A)は図10(B)に相当する図、(B)は(A)の矢印B方向からの矢視図 本発明の第13参考形態による濃度センサ装置の配管部材への取り付け状態を示す模式図 本発明の第1実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 第1実施形態において帯電部および捕捉部へ印加する電圧の変化を示す模式図 本発明の第2実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 (A)は図17のA−A線における断面図、(B)は図17のB−B線における断面図 本発明の第2実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 (A)は本発明の第3実施形態による濃度センサ装置を示す模式図、(B)は(A)のB−B線における断面図 本発明の第3実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第4実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第4実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第5実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第5実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第6実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第6実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第7実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第7実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 本発明の第8実施形態による濃度センサ装置を示す模式図 (A)は本発明の第14参考形態による濃度センサ装置の断面を示す模式図、(B)は(A)の矢印A方向からの矢視図 本発明の第15参考形態による濃度センサ装置を示す図31(A)に相当する図 本発明の第16参考形態による濃度センサ装置を示す図31(A)に相当する図 本発明の第17参考形態による濃度センサ装置を示す図31(A)に相当する図 図34の矢印A方向からの矢視図 本発明の第17参考形態による濃度センサ装置の変形例を示す図35に相当する図 本発明の第18参考形態による濃度センサ装置の図31(A)に相当する図 本発明の第18参考形態による濃度センサ装置の変形例を示す図35に相当する図
以下、濃度センサ装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。以下に説明する濃度センサ装置は、例えば液体としての混合燃料を適用し、この混合燃料に含まれる特定成分である生物由来のアルコールの濃度を検出する。
(第1参考形態)
第1参考形態による濃度センサ装置を図1に示す。第1参考形態の濃度センサ装置10は、図1に示すように基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、例えばシリコンなどの半導体で形成されている。濃度センサ装置10は、図2に示すように混合燃料が流れる配管部材100に取り付けられる。濃度センサ装置10は、配管部材100の内側において図2(A)に示すように天部、図2(B)に示すように底部、あるいは図2(C)に示すように側部などに設けられる。
図1に示すようにセンサ部12は、基板11の一方の面側に設けられている。センサ部12と基板11との間には、絶縁膜14が形成されている。絶縁膜14は、例えばシリコン酸化膜である。センサ部12は、複数の電極15を有している。例えばセンサ部12の各電極15間における誘電率や比誘電率は、混合燃料に含まれるアルコールの濃度によって変化する。センサ部12は、各電極15間における誘電率や比誘電率を検出することにより、混合燃料に含まれるアルコールの濃度すなわち石油由来の燃料と生物由来の燃料との混合比を検出する。センサ部12は、公知の構成と同様であり、詳細な説明を省略する。センサ部12は、保護膜16によって保護されている。保護膜16は、例えばシリコン窒化膜などによって形成されている。なお、センサ部12は、誘電率や比誘電率を用いて濃度を検出するだけでなく、例えば電極15間の静電容量やインピーダンスに基づいて電気的に濃度を検出してもよい。また、液体に含まれる特定成分の濃度は、例えば光の屈折率や特定波長の光の透過性などから光学的に検出する構成としてもよい。本開示では、センサ部12は電極15間の誘電率に基づいて液体に含まれる特定成分の濃度を検出する場合について説明する。
圧電素子部13は、基板11のセンサ部12とは反対の面側に設けられている。圧電素子部13と基板11との間には、絶縁膜17が形成されている。絶縁膜17は、例えばシリコン酸化膜である。圧電素子部13は、例えば図示しない圧電体を電極で挟み込んだ構造を有している。圧電素子部13は、通電することにより振動する。
濃度センサ装置10は、回路部18を備えている。回路部18は、基板11においてセンサ部12と同一の面側に設けられている。回路部18は、例えば図示しない処理回路および接続パッドなどを有している。処理回路は、例えばセンサ部12から出力される信号や圧電素子部13へ入力される信号を処理する回路を構成している。接続パッドは、濃度センサ装置10と外部の接続端子とを接続するボンディングワイヤなどが接続される。回路部18は、センサ部12と同一の面側にセンサ部12と隣接して設けられている。回路部18は、センサ部12と同様にシリコン窒化膜からなる保護膜16で保護されている。
圧電素子部13は、基板11を貫く貫通電極19によって回路部18と電気的に接続している。圧電素子部13は、回路部18からの信号に基づいて振動する。圧電素子部13と回路部18とを貫通電極19で接続することにより、貫通電極19は基板11の外側に露出しない。上述の図2で示したように、濃度センサ装置10は、配管部材100が形成する燃料通路101の内側に設けられる。そのため、濃度センサ装置10は、燃料通路101を流れる混合燃料に晒される。アルコールを含む混合燃料は、水などの金属を腐食させる成分を含みやすい。図1に示すように貫通電極19を基板11の内側に設けることにより、貫通電極19は燃料と接触しにくくなる。その結果、混合燃料に晒される場合でも、貫通電極19の腐食や摩耗が低減され、貫通電極19の耐久性が向上する。
第1参考形態では、通電によって圧電素子部13が振動すると、圧電素子部13と一体の基板11およびセンサ部12も振動する。これにより、混合燃料に晒されるセンサ部12に付着した混合燃料中の異物は、圧電素子部13の振動にともなうセンサ部12の振動によってセンサ部12からの脱離が促進される。したがって、センサ部12への異物の付着が低減され、混合燃料に含まれるアルコール濃度の検出精度を高めることができる。
また、第1参考形態では、基板11においてセンサ部12と反対の面側に圧電素子部13を設けている。そのため、センサ部12が圧電素子部13の配置を妨げたり、圧電素子部13によってセンサ部12の配置が妨げられることはない。その結果、圧電素子部13の設置面積が十分に確保される。したがって、体格の大型化を招くことなく、圧電素子部13の振動面積を確保することができる。さらに、半導体装置の製造プロセスにおいて、センサ部12と圧電素子部13とを別個独立した工程で形成可能である。したがって、製造工程を簡略化することができる。
さらに、第1参考形態では、圧電素子部13と回路部18とを接続する貫通電極19は基板11を貫いている。そのため、貫通電極19は、水分などを含む混合燃料に晒されにくい。したがって、貫通電極19の腐食や損傷を低減することができ、貫通電極19の耐
久性を高めることができる。
(第2、第3参考形態)
第2、第3参考形態による濃度センサ装置をそれぞれ図3または図4に示す。
第2参考形態では、図3に示すようにセンサ部12および圧電素子部13は基板11の同一の面側に設けられている。センサ部12および圧電素子部13を基板11の同一の面側に設けると、センサ部12および圧電素子部13の設置面積を確保すると体格の大型化を招いたり、体格を維持すると圧電素子部13の振動面積の減少を招いたりする。一方、センサ部12および圧電素子部13を基板11の同一の面側に設けることにより、センサ部12と圧電素子部13とが近接して配置される。したがって、圧電素子部13の振動によってセンサ部12が直接振動し、異物の脱離をより促進することができる。
第3参考形態では、図4に示すように濃度センサ装置10は、基板11の一方の面側に絶縁膜17を挟んで絶縁体層21を備えている。絶縁膜17は上述のようにシリコン酸化膜で形成され、絶縁体層21はシリコン窒化膜で形成されている。圧電素子部13は、絶縁膜17の基板11とは反対側の面に設けられている。絶縁体層21は、絶縁膜17に設けられた圧電素子部13を覆っている。この絶縁体層21の基板11とは反対の面側にセンサ部12が設けられている。このような構成により、圧電素子部13は、基板11とセンサ部12との間に配置される。
第3参考形態では、圧電素子部13を基板11とセンサ部12との間に設けることにより、圧電素子部13およびセンサ部12の配置が互いに妨げられない。また、圧電素子部13を基板11とセンサ部12との間に設けることにより、センサ部12と圧電素子部13とは近接して配置される。したがって、センサ部12および圧電素子部13の形成工程は複雑になるものの、圧電素子部13による振動面積の確保とセンサ部12および圧電素子部13の近接した配置とを両立して達成することができる。
(第4参考形態)
第4参考形態による濃度センサ装置を図5に示す。
図5に示すように第4参考形態による濃度センサ装置10は、基板11に設けられている凹部22を備えている。凹部22は、基板11の一方の面側から他方の面側へ窪んだダイアフラム状に形成されている。センサ部12および回路部18は、基板11の平坦な側すなわち凹部22とは反対の面側に設けられている。圧電素子部13は、凹部22の開口側の端面に沿って設けられている。これにより、圧電素子部13は、凹部22を形成する基板11の開口側の面を覆った状態となっている。その結果、圧電素子部13は、基板11を挟んでセンサ部12および回路部18と反対の面側に設けられている。
濃度センサ装置10は、基板11を板厚方向へ貫く貫通電極19を備えている。貫通電
極19は、一方の端部が回路部18に接続され、他方の端部が圧電素子部13に接続して
いる。これにより、圧電素子部13は、貫通電極19を経由して回路部18と電気的に接
続している。
第4参考形態では、凹部22に沿って圧電素子部13を設けることにより、圧電素子部13とセンサ部12との距離が低減される。これに加え、基板11を凹部22によりダイアフラム形状に形成し、この基板11を圧電素子部13によって振動させることにより、基板11に設けられたセンサ部12の振動がより促進される。したがって、センサ部12に付着した異物の脱離をより促進することができる。
(第5参考形態)
第5参考形態による濃度センサ装置を図6に示す。
図6に示すように第5参考形態による濃度センサ装置10は、基板11に設けられている凹部22を備えている。凹部22は、基板11の一方の面側から他方の面側へ窪んだダイアフラム状に形成されている。センサ部12および回路部18は、基板11の平坦な側すなわち凹部22とは反対の面側に設けられている。また、濃度センサ装置10は、凹部22が設けられている基板11の開口側を塞ぐ絶縁膜23を備えている。すなわち、凹部22は、開口側の端部が絶縁膜23で塞がれている。絶縁膜23は、例えばシリコン酸化膜などにより形成されている。
圧電素子部13は、この絶縁膜23の基板11とは反対の面側に設けられている。これにより、圧電素子部13は、基板11を挟んでセンサ部12および回路部18とは反対の面側に設けられている。圧電素子部13は基板11を貫く貫通電極19によって回路部18と接続している。凹部22の開口側を絶縁膜23で塞ぐことにより、基板11と絶縁膜23との間には空間24が形成される。この空間24には、例えば窒素や空気などの気体が充填されている。
第5参考形態では、基板11に設けられている凹部22を絶縁膜23で塞ぐことにより、基板11と絶縁膜23との間には空間24が形成される。この空間24には、窒素や空気などの気体が充填されている。空間24に充填される気体の種類、圧力および量などを調整することにより、空間24における気体の固有振動数が変化する。そのため、空間24に充填された気体の固有振動数と圧電素子部13の振動数とを近似させることにより、空間24に充填された気体は圧電素子部13と共振して振動する。その結果、圧電素子部13の振動は、空間24に充填された気体の共振によって基板11を挟んで反対側のセンサ部12へ伝達される。したがって、圧電素子部13とセンサ部12との間に基板11が介在する場合でも、センサ部12の振動を促進し、センサ部12からの異物の脱離を促進することができる。
(第6、第7、第8参考形態)
第6、第7、第8参考形態による濃度センサ装置をそれぞれ図7、図8または図9に示す。
第6参考形態では、図7に示すように基板11の平坦な面側にセンサ部12および圧電素子部13が設けられている。すなわち、第6参考形態の場合、センサ部12と圧電素子部13とは、基板11の同一の面側に設けられている。基板11とセンサ部12および圧電素子部13との間には、シリコン酸化膜からなる絶縁膜25が設けられている。圧電素子部13が振動すると、その振動は凹部22によって板圧が減少した基板11を通してセンサ部12に伝達される。したがって、センサ部12の振動が促進され、異物の脱離を促進することができる。
第7参考形態では、図8に示すように凹部22を塞ぐシリコン酸化膜からなる絶縁膜26の基板11とは反対側にセンサ部12および圧電素子部13が設けられている。すなわち、第7参考形態でも、センサ部12と圧電素子部13とは基板11の同一の面側に設けられている。これにより、圧電素子部13が振動すると、その振動は絶縁膜26の振動を通してセンサ部12に伝達される。したがって、センサ部12の振動が促進され、異物の脱離を促進することができる。
第8参考形態では、図9に示すように絶縁膜26の基板11とは反対側にシリコン窒化膜からなる絶縁体層27が設けられている。センサ部12は、絶縁体層27の基板11とは反対の面側に設けられている。圧電素子部13は、絶縁膜26の基板11とは反対側に設けられている。すなわち、圧電素子部13は、基板11とセンサ部12との間に設けられている。これにより、圧電素子部13が振動すると、その振動は絶縁膜26に積層された絶縁体層27を通してセンサ部12に伝達される。したがって、センサ部12の振動が促進され、異物の脱離を促進することができる。
(第9参考形態)
第9参考形態による濃度センサ装置を図10に示す。
第9参考形態では、図10に示すように濃度センサ装置10は、基板11およびセンサ部12を備えている。基板11は、図10(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図10(A)に示すように複数の電極パターン41、42を有している。これらの電極パターン41、42は、いずれも互いに対向する櫛歯形状に形成されている。対向する電極パターン41と電極パターン42との間の誘電率や比誘電率を検出することにより、センサ部12は混合燃料に含まれるアルコールの濃度を検出する。センサ部12の電極パターン41および電極パターン42は、保護膜16によって保護されている。
第9参考形態の場合、二つの電極パターン41および電極パターン42は、いずれも圧電素子で櫛歯形状に形成されている。すなわち、電極パターン41および電極パターン42は、いずれも例えばPZTなどの圧電材料を蒸着し、AgPdをスパッタリングすることにより櫛歯形状に形成される。電極パターン41および電極パターン42は、図示しない回路部と電気的に接続している。これにより、電極パターン41および電極パターン42には、回路部から所定の電圧が印加される。電極パターン41と電極パターン42との間に電圧を印加することにより、電極パターン41と電極パターン42との間には歪みが生じる。回路部から電極パターン41と電極パターン42との間へ所定の振動パターンを発生する電圧を印加することにより、基板11の板厚方向に対し垂直なセンサ部12のセンサ面に沿った振動が発生する。すなわち、第9参考形態の場合、センサ部12の電極パターン41および電極パターン42は、燃料の誘電率を測定するセンサ部12であるとともに、堆積制限部を構成する圧電素子部13でもある。
回路部は、燃料の誘電率を測定と、センサ部12への通電による振動の発生とを時分割して実施する。すなわち、回路部は、燃料の誘電率を測定するときと、センサ部12を圧電素子部13として振動させるときとで電極パターン41と電極パターン42との間に印加する電圧の印加パターンを切り換える。
第9参考形態では、センサ部12を構成する櫛歯形状の電極パターン41、42は、センサ部12であるとともに圧電素子部13でもある。すなわち、センサ部12および圧電素子部13は、一体となって構成されている。したがって、センサ部12を自身の振動によって自己洗浄することができ、センサ部12、またはこれを保護する保護膜16の表面に付着した異物の除去を促進することができる。保護膜16の表面は、平滑な面として形成されるだけでなく、電極パターン41と電極パターン42との間が窪んだ粗い面として形成される場合がある。このように保護膜16の表面が粗く形成される場合でも、電極パターン41と電極パターン42との間の振動によって、保護膜16に歪みが生じる。その結果、粗い表面の凹部に付着した異物も、保護膜16の歪みによって除去することができる。
(第10参考形態)
第10参考形態による濃度センサ装置を図11に示す。第10参考形態は、図9参考形態の変形であり、相違点を説明する。
第10参考形態では、図11に示すように濃度センサ装置10は、基板11を挟んでセンサ部12と反対側の面に電極部43を備えている。電極部43は、基板11のセンサ部12と反対の端面側とともに絶縁膜14で覆われている。センサ部12を構成する電極パターン41および電極パターン42の構成は、第9参考形態と同様である。
電極部43は、電極パターン41および電極パターン42とともに図示しない回路部と電気的に接続している。そのため、電極パターン41および電極パターン42と電極部との間には、回路部から所定の電圧が印加される。電極パターン41および電極パターン42と電極部43との間に電圧を印加することにより、電極パターン41および電極パターン42と電極部43との間には基板11の板厚方向の粗密波が発生する。回路部から電極パターン41および電極パターン42と電極部43との間へ所定の振動パターンを発生する電圧を印加することにより、基板11の板厚方向に沿った振動が発生する。回路部は、例えば電極部43を極性を負(−)に設定するとともに、電極パターン41および電極パターン42の極性を正(+)または負(−)へ任意に切り換える。これにより、電極パターン41および電極パターン42と電極部43との間には、基板11の板厚方向の振動が発生する。
第10参考形態では、基板11を挟んでセンサ部12と反対側に電極部43を備える。これにより、センサ部12を構成する圧電素子の電極パターン41、42と電極部43との間に電位差を加えることにより、電極パターン41、42すなわちセンサ部12自身が基板11を含めて振動する。したがって、センサ部12を自身の振動によって自己洗浄することができる。また、電極パターン41、42および電極部43への電圧の印加パターンを変更することにより、電極パターン41、42間におけるセンサ部12に沿った振動だけでなく、基板11の板厚方向の振動を組み合わせて発生させることができる。
(第11参考形態)
第11参考形態による濃度センサ装置を図12に示す。
第10参考形態では、図12に示すように濃度センサ装置10は、基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、図12(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図12(A)に示すように複数の電極51、52を有している。これらの電極51、52は、いずれも互いに対向して形成されている。電極51および電極52は、例えば図12(A)に示すように櫛歯形状に形成されている。電極51と電極52との間の誘電率や比誘電率を検出することにより、センサ部12は混合燃料に含まれるアルコールの濃度を検出する。センサ部12の電極51および電極52は、保護膜16によって保護されている。
第11参考形態の場合、堆積制限部である圧電素子部13は、センサ部12を保護する保護膜16の基板11と反対側に積層されている。具体的には、圧電素子部13は、圧電素子で形成されている電極パターン53および電極パターン54を有している。これらの電極パターン53および電極パターン54は、いずれも保護膜16の基板11と反対側に形成されている。そのため、圧電素子部13を構成する電極パターン53および電極パターン54は、センサ部12を保護する保護膜16に積層されている。電極パターン53および電極パターン54は、いずれも保護膜55によって保護されている。
電極パターン53および電極パターン54は、いずれも圧電素子で櫛歯形状に形成されている。電極パターン53および電極パターン54は、図示しない回路部と電気的に接続している。これにより、電極パターン53および電極パターン54には、回路部から所定の電圧が印加される。電極パターン53と電極パターン54との間に電圧を印加することにより、電極パターン53と電極パターン54との間には歪みが生じ、基板11の板厚方向に対し垂直なセンサ部12のセンサ面に沿った振動が発生する。
第11参考形態では、圧電素子部13は、センサ部12の基板11と反対側に積層された電極パターン53、54を有している。すなわち、センサ部12は、基板11と反対側に圧電素子部13の電極パターン53、54が被せられている。そのため、圧電素子部13の電極パターン53、54によって振動が発生すると、センサ部12も振動する。したがって、センサ部12を自身の振動によって自己洗浄することができる。
(第12参考形態)
第12参考形態による濃度センサ装置を図13に示す。
第12参考形態では、図13に示すように濃度センサ装置10は、基板11、センサ部12および圧電素子部13を備えている。基板11は、図13(B)に示すようにセンサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、図13(A)に示すように複数の電極15を有している。電極15は、上述の第1参考形態と同様の構成である。
第12参考形態の場合、圧電素子部13は、基板11を挟んでセンサ部12と反対側の面に形成されている。具体的には、堆積制限部を構成する圧電素子部13は、圧電素子で形成されている電極パターン61および電極パターン62を有している。これらの電極パターン61および電極パターン62は、いずれも基板11においてセンサ部12と反対側の面に形成されている。電極パターン61および電極パターン62は、いずれも保護膜63によって保護されている。
電極パターン61および電極パターン62は、いずれも圧電素子で櫛歯形状に形成されている。電極パターン61および電極パターン62は、図示しない回路部と電気的に接続している。これにより、電極パターン61および電極パターン62には、回路部から所定の電圧が印加される。電極パターン61と電極パターン62との間に電圧を印加することにより、電極パターン61と電極パターン62との間には歪みが生じる。そのため、生じた歪みは、粗密波となって基板11を板厚方向へ伝わり、センサ部12を振動させる。
第12参考形態では、圧電素子部13は基板11を挟んでセンサ部12と反対側の面に電極パターン61、62を有している。すなわち、基板11は、センサ部12と反対側の面に圧電素子部13の電極パターン61、62が形成されている。そのため、圧電素子部13の振動は、基板11を経由してセンサ部12へ伝達される。したがって、センサ部12に付着した異物の脱離を促進することができる。
(変形形態)
以上説明した、上述の第9参考形態と第12参考形態とを組み合わせてもよい。すなわち、第9参考形態による濃度センサ装置10において、基板11の一方の端面に第一電極パターンに相当する櫛歯形状の電極パターン41、42を有するセンサ部12を設け、他方の端面に第二電極パターンに相当する櫛歯形状の電極パターン61、62を設けてもよい。これにより、圧電素子部13は、センサ部12を構成する電極パターン41、42と、基板11のセンサ部12と反対側に設けられた電極パターン61、62とによって構成される。そのため、センサ部12は、電極パターン41、42によって自身が振動するとともに、基板11を経由して伝達された電極パターン61、62の振動によっても振動する。その結果、センサ部12は、複数の方向へ振動する。したがって、センサ部12に付着した異物の脱離を促進することができるとともに、センサ部12を自身の振動によって自己洗浄することができる。
さらに、上述の第11参考形態と第12参考形態とを組み合わせてもよい。すなわち、第11参考形態による濃度センサ装置10において、センサ部12と積層して第一電極パターンに相当する櫛歯形状の電極パターン53、54を設け、基板11のセンサ部12と反対側の端面に第二電極パターンに相当する櫛歯形状の電極パターン61、62を設けてもよい。これにより、圧電素子部13は、センサ部12を覆う電極パターン53、54と、基板11のセンサ部12と反対側に設けられた電極パターン61、62とによって構成される。そのため、センサ部12は、電極パターン53、54によって自身が振動するとともに、基板11を経由して伝達された電極パターン61、62の振動によっても振動する。その結果、センサ部12は、複数の方向へ振動する。したがって、センサ部12に付着した異物の脱離を促進することができるとともに、センサ部12を自身の振動によって自己洗浄することができる。
(第13参考形態)
第13参考形態による濃度センサ装置を図14に示す。
第13参考形態の場合、濃度センサ装置10は、図14に示すように一部が切り欠かれた配管部材100に設けてもよい。この場合、配管部材100の外側には、濃度センサ装置10を取り付けるための実装基板103が設けられる。濃度センサ装置10と実装基板103との間には、リブ31やシール部材32が設けられる。これにより、リブ31やシール部材32の内側への混合燃料の流入が防止される。実装基板103と濃度センサ装置10とは、例えばはんだボール33やボンディングワイヤによって電気的に接続される。また、図14に示す場合、濃度センサ装置10の圧電素子部13は、基板11の回路部を経由することなく例えばはんだボール33により実装基板103と電気的に直接接続される。濃度センサ装置10と実装基板103との間にリブ31やシール部材32を設けることにより、これらはんだボール33やボンディングワイヤが設けられている内側への混合燃料の流入は防止される。したがって、はんだボール33やボンディングワイヤなどの腐食や損傷を防止することができる。
第1実施形態
第1実施形態による濃度センサ装置を図15に示す。
第1実施形態では、図15に示すように濃度センサ装置70は、通路形成部材71、センサ部72および堆積制限部73を備えている。通路形成部材71は、筒状であり、内部に混合燃料が流れる液体通路としての燃料通路74を形成している。混合燃料は、燃料通路74を図15における左方の上流側から右方の下流側へ流れる。センサ部72は、上述した複数の参考形態と同様に図示しない基板、およびこの基板に設けられた図示しない電極などから構成されている。
堆積制限部73は、燃料通路74における燃料の流れ方向においてセンサ部72の上流側に帯電部75および捕捉部76を有している。帯電部75は、燃料通路74を流れる混合燃料に電圧を印加する。帯電部75は、例えば導電性の金属によって網状に形成されている。これにより、帯電部75は、燃料通路74を流れる混合燃料を帯電させる。捕捉部76は、帯電部75とセンサ部72との間に設けられている。すなわち、捕捉部76は、センサ部72の上流側であって、帯電部75の下流側に設けられている。捕捉部76は、帯電部75で帯電した混合燃料に含まれる異物を捕捉する。
帯電部75および捕捉部76には、図16に示すように1kHz以上の交流電圧が印加されている。そして、帯電部75と捕捉部76とでは、印加される電圧の極性が互いに異なっている。例えば、帯電部75が正(+)に帯電しているとき、捕捉部76は負(−)に帯電している。さらに、帯電部75が正に帯電している場合、帯電部75は負の電圧に反転することなく正の電圧を維持する。同様に、捕捉部76が負に帯電している場合、捕捉部76は負の電圧に反転することなく負の電圧を維持する。このように、帯電部75および捕捉部76は、正または負の一方の極性を維持する。帯電部75が正に帯電している場合、その電圧の最小値は接地電圧である0Vである。同様に、捕捉部76が負に帯電している場合、その電圧の最大値は0Vである。
このように、第1実施形態では、センサ部72の上流側において互いに極性の異なる帯電部75および捕捉部76を設けている。これにより、燃料通路74を流れる混合燃料は、帯電部75を通過するとき、正の電圧が印加されるため、正の電荷に帯電する。そのため、混合燃料に含まれる異物も正の電荷に帯電する。この正の電荷に帯電した異物を含む混合燃料は、帯電部75を通過した後、捕捉部76を通過する。捕捉部76は帯電部と逆の極性の電圧すなわち負の電圧が印加されているため、正の電荷に帯電した異物は捕捉部76に捕捉される。その結果、混合燃料に含まれている異物は、捕捉部76によって捕捉され、センサ部72への流入が低減される。
一方、混合燃料は、帯電部75および捕捉部76を通過することにより、正または負の電荷に帯電する。そのため、混合燃料は、濃度センサ装置70よりも下流側に設けられている図示しない各種の機器などに電気的な影響を与えるおそれがある。そこで、堆積制限部73は、図15に示すように混合燃料の流れ方向においてセンサ部72の下流側に除電部77を有している。除電部77は、例えば導電性の金属によって網状に形成されている。そのため、帯電した混合燃料は、除電部77を通過することにより、電荷が除去され、除電される。
以上説明した第1実施形態では、通路形成部材71が形成する燃料通路74に収容されている堆積制限部73は、センサ部72とは別体の帯電部75および捕捉部76を有している。燃料通路74を流れる混合燃料は、帯電部75において電圧が印加されることによりこれに含まれる異物とともに帯電する。そのため、混合燃料が捕捉部76を通過することにより、混合燃料に含まれる異物はセンサ部72に至る前に捕捉される。したがって、センサ部72への異物の付着および堆積が低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
また、第1実施形態では、堆積制限部73はセンサ部72の下流側に除電部77を有している。これにより、帯電部75および捕捉部76で帯電した混合燃料は、除電部77によって除電される。帯電部75および捕捉部76において混合燃料に電荷を帯電させることにより、センサ部72よりも下流側に設けられている機器や装置に影響を与えるおそれもある。そこで、除電部77は、センサ部72を通過した混合燃料の電荷を除電する。これにより、帯電した混合燃料がセンサ部72よりも下流側に設けられている機器や装置に影響を与えることはない。したがって、外部への影響を低減することができる。
第1実施形態では、帯電部75に印加される電圧と捕捉部76に印加される電圧とは、それぞれ極性が異なっている。そして、帯電部75および捕捉部76では、いずれも一方の極性から他方の極性へ反転することなく一方の極性を維持する。これにより、帯電部75で帯電した異物は、捕捉部76によって確実に捕捉され、センサ部72側への移動が制限される。したがって、センサ部72への異物の付着および堆積が低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
第1実施形態では、帯電部75および捕捉部76で混合燃料に印加される電圧は1kHz以上の交流電圧である。そして、この電圧は、負側の最大値および正側の最小値が接地電圧に設定されている。混合燃料に直流電圧や低周波の交流を印加すると、混合燃料および混合燃料に含まれる種々の成分が電気化学的な反応を生じるおそれがある。そのため、帯電部75および捕捉部76では、混合燃料が不可逆的な化学変化を生じないために、1kHz以上の交流電圧を印加している。したがって、混合燃料の変化を低減し、外部への影響を低減することができる。
なお、帯電部75と捕捉部76とは極性が異なっていればよく、帯電部75を負に帯電させ、捕捉部76を正に帯電させてもよい。
第2実施形態
第2実施形態による濃度センサ装置を図17に示す。
第2実施形態では、図17に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、燃料通路74の軸と平行に延びる電極部材81を有している。電極部材81は、板状に形成され、燃料通路74に少なくとも一枚以上設けられている。電極部材81は、燃料通路74における燃料の流れ方向において上流側から下流側へかけて板幅が縮小している。ここで、電極部材81の板幅とは、燃料通路74を形成する通路形成部材71の弦に沿った長さである。
図18(A)に示すように、電極部材81は、燃料通路74の上流側において通路形成部材71の任意の位置における弦に対応する板幅を有している。すなわち、電極部材81は、通路形成部材71の内壁から燃料の流れ方向に対し垂直に立ち上がり、対向する通路形成部材71の内壁まで延びている。これにより、電極部材81は、燃料通路74の上流側において通路形成部材71の弦に対応する板幅を有している。これに対し、図18(B)に示すように、電極部材81は、燃料通路74の下流側において板幅が縮小している。すなわち、電極部材81は、通路形成部材71の内壁から燃料の流れ方向に対し垂直に立ち上がっているものの、端部が通路形成部材71の対向する内壁までに延びていない。このように、電極部材81は、燃料通路74において上流側ほど板幅が大きく、下流側ほど板幅が小さく設定されている。
図19に示すように、濃度センサ装置70は、壁部82を設けてもよい。壁部82は、帯電部75を通過した混合燃料の流れをセンサ部72側と捕捉部76側とに分離する。すなわち、壁部82は、燃料通路74においてセンサ部72と捕捉部76との間に設けられており、混合燃料の流れを分流する。帯電部75を通過することにより帯電した混合燃料に含まれる異物は、捕捉部76の電極部材81に捕捉される。電極部材81は、上述の通り下流側ほど板幅が小さく設定されている。そのため、図19に示すような電極部材81を用いる場合、混合燃料に含まれる異物は電極部材81に沿って図19の下側へ移動しやすい。そこで、図19において電極部材81の下流側の端部の上側に壁部82を配置することにより、異物をより多く含む混合燃料は壁部82の下側を流れる。その結果、センサ部72が設けられている壁部82の上側には、含まれる異物が少ない混合燃料が流入する。これにより、センサ部72側への異物の流入が低減される。
第2実施形態では、捕捉部76は少なくとも一枚以上の板状の電極部材81を有している。この板状の電極部材81は、燃料通路74の軸と平行に延び、上流側から下流側にかけて板幅が縮小している。これにより、帯電部75を通過した混合燃料は、含まれる異物が板幅の大きな上流側で効果的に除去される。また、電極部材81は燃料通路74と平行に延びているため、燃料通路74を流れる混合燃料の圧力損失は低減される。したがって、混合燃料の圧力損失を低減しつつ、混合燃料に含まれる異物をセンサ部72の上流側で捕捉することができ、センサ部72の濃度検出精度を高めることができる。
また、第2実施形態では、燃料通路74に壁部82を備えている。混合燃料の流れを壁部82により捕捉部76の電極部材81側とセンサ部72側とに分離することにより、混合燃料に含まれる異物はセンサ部72側へ流入しにくくなる。したがって、センサ部72への異物の付着および堆積がより低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
第3、第4、第5実施形態
第3、第4、第5実施形態による濃度センサ装置をそれぞれ図20、図22または図24に示す。
第3実施形態の場合、図20に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、燃料通路74の軸に対し傾斜して延びる電極部材83を有している。電極部材83は、板状に形成され、燃料通路74に少なくとも一枚以上設けられている。電極部材83は、燃料通路74における燃料の流れ方向において上流側から下流側へかけて一定の板幅に設定されている。このように電極部材83を配置することにより、燃料通路74は少なくとも一部の幅が上流側から下流側へかけて狭められる。
図21に示すように、濃度センサ装置70は、壁部84を設けてもよい。壁部84は、帯電部75を通過した混合燃料の流れをセンサ部72側と捕捉部76側とに分離する。帯電部75を通過することにより帯電した混合燃料に含まれる異物は、捕捉部76の電極部材83に捕捉される。電極部材83は、燃料通路74の一部を上流側から下流側へかけて狭めている。壁部82は、この狭められた電極部材83に沿った燃料通路74とセンサ部72側とを分離している。そのため、混合燃料に含まれる異物は電極部材83に沿って図21の下側へ移動しやすくなり、センサ部72が設けられている壁部84の上側には含まれる異物が少ない混合燃料が流入する。
第4実施形態の場合、図22に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、燃料通路74の軸に対して傾斜して延びる電極部材83を有している。電極部材83は、板状に形成され、燃料通路74に少なくとも一枚以上設けられている。電極部材83は、燃料通路74の上流側ほど対向する間隔が広く、下流側ほど対向する間隔が狭く設定され、かつ多段に配置されている。これにより、電極部材83は、燃料通路74の中心部において上流側から下流側へ向けて燃料通路74の幅を狭めている。
図23に示すように、濃度センサ装置70は、壁部84を設けてもよい。第17実施形態の場合、壁部84は、中心付近において燃料通路74を狭めた最下流側の電極部材83の下流側において、燃料通路74の軸方向に延びている。センサ部72は、通路形成部材71の径方向において壁部84の外周側に配置される。帯電部75を通過し帯電した異物を含む混合燃料は、捕捉部76の電極部材83の間を流れつつ壁部84へ到達する。このとき、電極部材83を通過したものの混合燃料に残留する異物は、電極部材83によって混合燃料とともに燃料通路74の中心側へ案内されながら、一対の壁部84の間を通過する。そのため、混合燃料に含まれる異物は、センサ部72側へ流入しにくくなる。
第5実施形態の場合、図24に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、燃料通路74の軸に対して傾斜して延びる電極部材83を有している。電極部材83は、板状に形成され、燃料通路74に少なくとも一枚以上設けられている。電極部材83は、燃料通路74の上流側ほど対向する間隔が狭く、下流側ほど対向する間隔が広く設定され、かつ多段に配置されている。これにより、電極部材83は、燃料通路74の外周側において上流側から下流側へ向けて燃料通路の幅を狭めている。
図25に示すように、濃度センサ装置70は、壁部84を設けてもよい。第18実施形態の場合、壁部84は、外周側において燃料通路74を狭めた最下流側の電極部材83の下流側において、燃料通路74の軸方向に延びている。センサ部72は、通路形成部材71の径方向において壁部84の内周側、すなわち一対の壁部84の間に配置される。帯電部75を通過し帯電した異物を含む混合燃料は、捕捉部76の電極部材83の間を流れつつ壁部84へ到達する。このとき、電極部材83を通過したものの混合燃料に残留する異物は、電極部材83によって混合燃料とともに燃料通路74の外周側へ案内されながら、一対の壁部84の外周側を通過する。そのため、混合燃料に含まれる異物は、センサ部72側へ流入しにくくなる。
第3、第4、第5実施形態では、捕捉部76は少なくとも一枚以上の板状の電極部材83を有している。この板状の電極部材83は、燃料通路74の軸に対して傾斜して延びている。そして、この電極部材83は、燃料通路74の上流側から下流側へ向けて燃料通路74の少なくとも一部の幅を狭めている。そのため、燃料通路74を流れる液体は、徐々に狭まる電極部材83の間を流れる。これにより、混合燃料に含まれる異物は、捕捉部76に捕捉されやすくなる。また、壁部84は、混合燃料のうち、より含まれる異物が少ない混合燃料を、センサ部72側へ案内する。したがって、混合に含まれる異物をセンサ部72の上流側で捕捉することができ、センサ部72の濃度検出精度を高めることができる。
第6、第7実施形態
第6、第7実施形態による濃度センサ装置をそれぞれ図26または図28に示す。
第6実施形態の場合、図26に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、少なくとも一枚以上の電極部材85を有している。電極部材85は、両端が開口した筒状の円錐もしくは角錐などの錐形状または錐台形状に形成され、多段状に設けられている。第6実施形態の場合、電極部材85は、燃料通路74の上流側から下流側へ向けて内径が縮小する円錐筒形状である。電極部材85を例えば網状または多孔状に形成し、電極部材85を通過する混合燃料の圧力損失を低減する構造でもよい。
また、図27に示すように、濃度センサ装置70は、壁部86を設けてもよい。第6実施形態の場合、壁部86は、内径が縮小した最下流側の電極部材85の下流側において、燃料通路74の軸方向に延びている。センサ部72は、通路形成部材71の径方向において壁部86の外周側に配置される。帯電部75を通過し帯電した異物を含む混合燃料は、捕捉部76の電極部材85に案内されて流れつつ壁部86へ到達する。このとき、電極部材85を通過したものの混合燃料に残留する異物は、電極部材85によって混合燃料とともに燃料通路74の中心側へ案内されながら、一対の壁部86の間を通過する。そのため、混合燃料に含まれる異物は、センサ部72側へ流入しにくくなる。
第7実施形態の場合、図28に示すように濃度センサ装置70の捕捉部76は、少なくとも一枚以上の電極部材85を有している。電極部材85は、両端が開口した筒状の円錐または角錐などの錐形状または錐台形状に形成され、多段状に設けられている。第7実施形態の場合、電極部材85は、燃料通路74の上流側から下流側へ向けて内径が拡大する円錐筒形状である。そのため、電極部材85は、燃料通路74における燃料の流れを通路形成部材71の中心側から外周の内壁側へ案内する形状である。電極部材85を例えば網状または多孔状に形成し、電極部材85を通過する混合燃料の圧力損失を低減する構造でもよい。
また、図29に示すように、濃度センサ装置70は、壁部86を設けてもよい。第7実施形態の場合、壁部86は、内径が拡大した最下流側の電極部材85の下流側において、燃料通路74の軸方向へ延びている。センサ部72は、通路形成部材71の径方向において壁部86の内周側、すなわち一対の壁部86の間に配置される。帯電部75を通過し帯電した異物を含む混合燃料は、捕捉部76の電極部材85によって混合燃料とともに燃料通路74の外周側へ案内されながら、一対の壁部86の外周側を通過する。そのため、混合燃料に含まれる異物は、センサ部72側へ流入しにくくなる。
第6実施形態では、捕捉部76は少なくとも一枚以上の電極部材85を有している。この電極部材85は、上流側から下流側へ向けて内径が縮小している。そのため、混合燃料は、徐々に内径が縮小する電極部材85を通過する。これにより、混合燃料に含まれる異物は、捕捉部76に捕捉されやすくなる。
また、第7実施形態では、捕捉部76は少なくとも一枚以上の電極部材85を有している。この電極部材85は、上流側から下流側へ向けて燃料通路74における混合燃料の流れを通路形成部材71の内壁側へ案内する形状である。そのため、混合燃料は、徐々に通路形成部材71の内壁に近づく電極部材85を通過する。これにより、混合燃料に含まれる異物は捕捉部76に捕捉されやすくなるとともに、混合燃料の圧力損失が比較的小さくなる。
さらに、第6、第7実施形態では、壁部86は、捕捉部76を通過する混合燃料のうち、より含まれる異物が少ない混合燃料をセンサ部72側へ案内する。したがって、混合燃料に含まれる異物をセンサ部72の上流側で捕捉することができ、センサ部72の濃度検出精度を高めることができる。
第8実施形態
第8実施形態による濃度センサ装置を図30に示す。
第8実施形態の場合、図30に示すように濃度センサ装置70は、振動付与手段としての振動発生部87を備えている。振動発生部87は、通路形成部材71の外側に設けられており、通路形成部材71に振動を与える。燃料通路74に設けられる帯電部75および捕捉部76などは、長期間の使用によって異物が堆積するおそれがある。そこで、振動発生部87は、燃料通路74を形成する通路形成部材71を間欠的に振動させる。これにより、帯電部75および捕捉部76は、通路形成部材71とともに振動する。特に、振動発生部87を帯電部75および捕捉部76の近傍に配置することにより、帯電部75および捕捉部76の振動が促進される。したがって、帯電部75および捕捉部76への異物の堆積を低減することができ、帯電部75および捕捉部76の機能を長期間維持することができる。
第14、第15、第16参考形態
第14、第15、第16参考形態による濃度センサ装置をそれぞれ図31、図32または図33に示す。
第14参考形態では、図31に示すように濃度センサ装置10は、基板11およびセンサ部12を備えている。基板11は、センサ部12と反対の端面側に絶縁膜14、およびセンサ部12との間に絶縁膜17が形成されている。センサ部12は、第1参考形態などと同様に複数の電極15を有している。センサ部12の電極15は、保護膜16によって保護されている。
第14参考形態の場合、濃度センサ装置10は、保護膜16の基板11と反対側に第二保護膜92を有している。第二保護膜92は、センサ部12と反対側すなわち混合燃料に晒される面側が粗面状に形成されている。具体的には、図31に示す濃度センサ装置10の場合、第二保護膜92は、センサ部12と反対側に凸部93を有する粗面状に形成されている。第二保護膜92は、特許請求の範囲の保護膜部に相当する。
第15参考形態の場合、図32に示すように濃度センサ装置10は、保護膜16の基板11と反対側に第二保護膜92を有している。第二保護膜92は、センサ部12と反対側すなわち混合燃料に晒される面側が粗面状に形成されている。具体的には、図32に示す濃度センサ装置10の場合、第二保護膜92は、センサ部12と反対側に先鋭な突起94を有する粗面状に形成されている。なお、第二保護膜92は、先鋭な突起94に限らず、例えばサンドブラストなどによる傷を形成することにより、粗面状としてもよい。
第16参考形態の場合、図33に示すように濃度センサ装置10は、保護膜16の基板11と反対側に第二保護膜92を有している。第二保護膜92は、センサ部12と反対側すなわち混合燃料に晒される面側が凸面状に形成されている。具体的には、図33に示す濃度センサ装置10の場合、第二保護膜92は、センサ部12と反対側が内側へかけてセンサ部12と反対側へ突出する凸面状に形成されている。
第14、第15、第16参考形態では、センサ部12を覆う第二保護膜92を備えている。第二保護膜92は、センサ部12と反対側の端部に一体の堆積制限部を有している。第14参考形態の場合、第二保護膜92はセンサ部12と反対側に堆積制限部を有しており、この堆積制限部は凸部93を有する粗面状に形成されている。また、第15参考形態の場合、第二保護膜92はセンサ部12と反対側に堆積制限部を有しており、この堆積制限部は突起94を有する粗面状に形成されている。さらに、第16参考形態の場合、第二保護膜92はセンサ部12と反対側に堆積制限部を有しており、この堆積制限部は凸面状に形成されている。そのため、第14、第15、第16参考形態では、第二保護膜92のセンサ部12と反対側の面への異物の付着が低減される。したがって、センサ部12への異物の付着および堆積が低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
第17参考形態
第17参考形態による濃度センサ装置10を図34および図35に示す。
第17参考形態では、濃度センサ装置10は、保護膜16のセンサ部12と反対側に流路形成部95を有している。流路形成部95は、保護膜16のセンサ部12と反対側の端面に形成されている。流路形成部95は、図35に示すようにセンサ部12に向けて混合燃料の流れを形成するように設けられている。燃料通路を流れる混合燃料は、流路形成部95によって保護膜16によって覆われているセンサ部12の基板11と反対側へ案内される。そのため、混合燃料は、センサ部12の基板11と反対側を積極的に流れる。その結果、保護膜16に異物が付着しても、付着した異物は流路形成部95によって形成された混合燃料の流れによって除去される。なお、図36に示すように、流路形成部96は、センサ部12へ向けて湾曲する形状であってもよい。このような流路形成部96であっても、センサ部12側へ混合燃料の流れを案内することができる。
第17参考形態では、保護膜16は流路形成部95、96を有する。流路形成部95、96は、保護膜16の表面にセンサ部12へ向けた混合燃料の流れを形成する。これにより、保護膜16に付着する異物は、混合燃料の流れによって除去される。そのため、保護膜16への異物の付着が低減される。したがって、センサ部12への異物の付着および堆積が低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
第18参考形態
第18参考形態による濃度センサ装置10を図37に示す。
第18参考形態では、濃度センサ装置10は、保護膜16のセンサ部12と反対側に多孔質部材97を有している。多孔質部材97は、保護膜16を覆う保護膜部でもある。多孔質部材97は、混合燃料の通過を許容しつつ、混合燃料に含まれる異物の通過を制限する複数の孔を有している。多孔質部材97は異物の通過を制限するため、混合燃料に含まれる異物はセンサ部12側へ到達しない。
このようにセンサ部12を多孔質部材97で覆うことにより、混合燃料に含まれる異物は多孔質部材97のセンサ部12と反対側の端面に付着および堆積しやすくなる。そこで、濃度センサ装置10は、多孔質部材97に振動を与える振動発生部98を設けてもよい。振動発生部98は、例えば圧電素子などで形成されており、通電することにより振動を発生する。振動発生部98で発生した振動は、多孔質部材97を振動させる。これにより、多孔質部材97に付着あるいは堆積した異物は、振動によって多孔質部材97からの除去が促進される。
また、振動発生部98は、上記のような圧電素子に代えて図38に示すように振動体99であってもよい。振動体99は、膜状に形成されており、多孔質部材97のセンサ部12と反対側に設けられている。振動体99は、多孔質部材97のセンサ部12と反対側を混合燃料が流れると、その混合燃料の流れによって振動し、多孔質部材97に振動を与える。すなわち、振動体99は、特許請求の範囲の振動付与手段に相当する。この振動体99を利用することにより、電力などを必要とすることなく、混合燃料の流れによって多孔質部材97に振動を与えることができる。
第18参考形態では、多孔質部材97からなる保護膜を備えている。多孔質部材97の孔は、混合燃料の流れを許容しつつ、混合燃料に含まれる異物の通過を制限する。そのため、異物は多孔質部材97に堆積し、センサ部12には付着しない。したがって、センサ部12への異物の付着および堆積が低減され、混合燃料に含まれる特定成分の検出精度を高めることができる。
また、第18参考形態では、多孔質部材97に振動を与える振動発生部98を備える。多孔質部材97を用いることにより、混合燃料に含まれる異物は多孔質部材97の表面に堆積しやすくなる。そのため、多孔質部材97を振動発生部98で振動させることにより、多孔質部材97に堆積した異物の除去を促進することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、圧電素子部13と回路部18とを主に貫通電極19で電気的に接続する例について説明した。しかし、圧電素子部13と回路部18とは貫通電極19に限らず、例えばボンディングワイヤやバンプなどで電気的に接続してもよい。また、図14で説明したように、例えば圧電素子部13などの濃度センサ装置10の一部の素子を外部の実装基板103とボンディングワイヤやはんだボール33などによって電気的に接続してもよい。
また、上述の複数の実施形態では、特定成分として生物由来のアルコールを含む混合燃料を液体として適用する例について説明した。しかし、液体は、例えば潤滑油、アルコール、あるいは水など、混合燃料に限らず任意に選択することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、10は濃度センサ装置、11は基板、12はセンサ部、13は圧電素子部(堆積制限部)、18は回路部、19は貫通電極、22は凹部、23、26は絶縁膜、27は絶縁体層、41、42は電極パターン(堆積制限部、圧電素子)、43は電極部、53、54は電極パターン(堆積制限部、圧電素子)、61、62は電極パターン(堆積制限部、圧電素子)、70は濃度センサ装置、71は通路形成部材、72はセンサ部、73は堆積制限部、74は燃料通路(液体通路)、75は帯電部、76は捕捉部、77は除電部、81、83、85は電極部材、82、84、86は壁部、87は振動発生部(振動付与手段)、92は第二保護膜(保護膜部)、95、96は流路形成部、97は多孔質部材(保護膜部)、98は振動発生部(振動付与手段)、99は振動体(振動付与手段)を示す。

Claims (10)

  1. 液体に含まれる特定成分の濃度を検出するセンサ部と、
    前記センサ部と一体、または前記液体の流れ方向において前記センサ部の上流側に設けられ、前記センサ部への異物の堆積を妨げる堆積制限部と、
    前記センサ部および前記堆積制限部を収容し、前記液体が流れる液体通路を形成する通路形成部材と、を備え、
    前記堆積制限部は、
    前記液体通路における前記液体の流れ方向において前記センサ部の上流側に設けられ、前記液体通路を流れる前記液体に電圧を印加して前記液体を帯電させる帯電部と、
    前記液体通路の前記帯電部と前記センサ部との間に設けられ、前記帯電部で帯電した異物を捕捉する捕捉部と、
    を有することを特徴とする濃度センサ装置。
  2. 前記液体通路に設けられ、前記帯電部を通過した前記液体の流れを前記センサ部側と前記捕捉部側とに分離する壁部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の濃度センサ装置。
  3. 前記堆積制限部は、前記液体通路の前記センサ部より下流側に設けられ、前記液体通路を流れる前記液体に電圧を印加して、前記帯電部で帯電した前記液体の電荷を除去する除電部を有することを特徴とする請求項1または2記載の濃度センサ装置。
  4. 前記帯電部に印加される電圧と前記捕捉部に印加される電圧とは、それぞれ極性が正または負で異なり、かつ一方の極性から他方の極性へ反転することなく一方の極性を維持することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
  5. 前記帯電部および前記捕捉部で前記液体に印加される電圧は、1kHz以上の交流電圧であり、一方の極性の最大値および他方の極性の最小値は接地電圧であることを特徴とする請求項4記載の濃度センサ装置。
  6. 前記捕捉部は、前記液体通路の軸と平行に延びる少なくとも一枚以上の板状の電極部材を有し、
    前記電極部材は、上流側の端部が前記液体通路の軸に垂直な断面において任意の位置における弦に対応する板幅を有し、下流側の端部に向けて前記板幅が縮小することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
  7. 前記捕捉部は、前記液体通路の軸に対し傾斜して延びる少なくとも一枚以上の板状の電極部材を有し、
    前記電極部材は、前記液体通路の上流側から下流側へ向けて前記液体通路の少なくとも一部の幅を狭めていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
  8. 前記捕捉部は、少なくとも一枚以上の筒状の錐形状の電極部材を有し、
    前記電極部材は、前記液体通路の上流側から下流側へ向けて内径が縮小していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
  9. 前記捕捉部は、少なくとも一枚以上の筒状の錐形状の電極部材を有し、
    前記電極部材は、前記液体通路の上流側から下流側へ向けて前記液体通路における前記液体の流れを前記通路形成部材の内壁へ案内する形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の濃度センサ装置。
  10. 前記通路形成部材に振動を与える振動付与手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の濃度センサ装置
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