JP2013242283A - センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 センサ素子の感度を向上させる。
【解決手段】 排ガス中の粒子を検出するためのセンサ素子10であって、絶縁性基板2と、絶縁性基板2の上面に設けられた、異なる極性を有する複数の検出電極11が交互に配置されて成る粒子状物質検出部1と、絶縁性基板2の内部に設けられた、一端が上面の検出電極11の直下に導出されて検出電極11に覆われており、他端が表面に露出している複数の引き出し電極3とを備えており、検出電極11が白金を主原料とするとともに、引き出し電極3がモリブデンまたはタングステンを主原料とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、車両用内燃機関の排気浄化システムに利用されるセンサ素子に関するものである。
排気ガスに含まれる粒子状物質を検出するための素子として、抵抗型のセンサ素子が知られている。この抵抗型のセンサ素子としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載のセンサ素子は、絶縁性基板と、絶縁性基板の上面に設けられた複数の検出電極と、絶縁性基板の上面に設けられた、検出電極から引き出された引き出し電極とを備えている。センサ素子は、複数の検出電極間の抵抗を測定することによって、検出電極間に粒子状物質が堆積しているか否かを検出することができる。
特表2008−502892号公報
しかしながら、特許文献1に記載のセンサ素子においては、引き出し電極が検出電極と同一平面上に設けられている。そのため、検出電極だけではなく引き出し電極も排気ガスに触れる可能性があった。これにより、検出電極だけではなく引き出し電極にも耐環境性に優れた材料を用いる必要があった。具体的には、白金等の材料を用いることが必要であった。そのため、引き出し電極に用いる材料を電気伝導性の観点から選択することが困難であり、引き出し電極において不要な抵抗が生じていた。その結果、センサ素子の感度を向上させることが困難であった。
本発明の一実施形態のセンサ素子は、絶縁性基板と、該絶縁性基板の上面に設けられた、異なる極性を有する複数の検出電極が交互に配置されて成る粒子状物質検出部と、前記絶縁性基板の内部に設けられた、一端が前記上面の前記検出電極の直下に導出されて該検出電極に覆われており、他端が表面に露出している複数の引き出し電極とを備えており、前記検出電極が白金を主原料とするとともに、前記引き出し電極がモリブデンまたはタングステンを主原料とする。
本発明の一実施形態のセンサ素子によれば、引き出し電極が絶縁性基板の内部に設けられている。これにより、引き出し電極が排気ガスに触れる可能性を低減できる。さらに、排気ガスに触れる検出電極の主原料を白金にするとともに、排気ガスに触れにくい引き出し電極の主原料をモリブデンまたはタングステンにすることによって、耐環境性を保ったまま、引き出し電極における抵抗を低減できる。その結果、センサ素子の感度を向上させることができる。
本発明の一実施形態のセンサ素子を用いたセンサ全体を示す概略図である。 図1に示したセンサ素子の分解斜視図である。 図1に示したセンサ素子の平面図である。 図1に示したセンサ素子に粒子状物質が堆積した様子を示す模式図である。 図3に示したセンサ素子のX−X’断面の断面図である。 図3に示したセンサ素子のY−Y’断面の断面図である。 センサ素子の排気ガス管への取り付け例を示す断面図である。 図7に示したセンサ素子および圧電素子の斜視図である。 センサ素子の排気ガス管への他の取り付け例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態のセンサ素子10について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態のセンサ素子10を用いたセンサ全体100を示す概略図である。図1に示すように、センサ全体100は、センサ素子10と、センサ素子10に電力を供給する電源部20と、センサ素子10の抵抗を測定するための抵抗測定部30とを備えている。センサ素子10の上面には粒子状物質検出部1が設けられている。センサ素子10は、例えば、車両用内燃機関における排気ガスの配管内に粒子状物質検出部1が露出するように設けられる。粒子状物質検出部1に排気ガス中の粒子状物質が堆積すると、センサ素子10の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を抵抗測定部30で検出することによって、検出電極11間に粒子状物質が堆積しているか否かを検出することができる。
図2はセンサ素子10の分解斜視図である。図2に示すように、センサ素子10は、絶縁性基板2と、絶縁性基板2の上面に設けられた粒子状物質検出部1と、絶縁性基板2の内部に設けられた引き出し電極3とを備えている。絶縁性基板2は、例えばアルミナ等のセラミック材料から成る多層基板である。絶縁性基板2は、上面から第1層21、第2層22、第3層23および第4層24に大別される。以下、順に説明する。
第1層21は、排気ガスに触れる部分である。すなわち、粒子状物質が堆積する部分でもある。第1層21の上面には粒子状物質検出部1が設けられている。粒子状物質検出部1は、異なる極性を有する複数の検出電極11が交互に配置されて成る。粒子状物質検出部1は、さらに補助電極12を有している。補助電極12は、同じ極性を有する検出電極11のそれぞれを接続している。具体的には、図3に示すように、粒子状物質検出部1は、4本の検出電極11と1つの補助電極12とによって形成された2つの櫛型状の電極を有している。2つの櫛型状の電極が、互いの検出電極11を挟み合うように配置されている。検出電極11および補助電極12は、白金を主原料としている。これにより、耐環境性が向上されている。本実施形態においては、検出電極11の厚みおよび補助電極12の厚みは10μmに設定されている。極性の異なる検出電極11間の間隔は50μmに設定されている。第1層21の厚みは、100μmに設定されている。
粒子状物質検出部1は、以下の方法で粒子状物質の堆積を検出する。図4は、センサ素子10に粒子状物質4が堆積した様子を示している。具体的には、2つの極性の異なる検出電極11の間に粒子状物質4が堆積している。粒子状物質4は2つの検出電極11の両方に接触している。これにより、2つの検出電極11の間の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を図1に示した抵抗測定部30で検出することによって、粒子状物質4の堆積を検出することができる。
図5および図6に示すように、第1層21の内部には複数の引き出し電極3が設けられている。引き出し電極3は、粒子状物質検出部1と電源部20および抵抗測定部30とを電気的に接続するための部材である。第1層21における引き出し電極3はそれぞれの検出電極11の直下に導出されるとともに、それぞれ検出電極11に覆われている。第1層21における引き出し電極3は、第1層21の下面にまで導出されている。第1層21における引き出し電極3は、第1層21中に円柱状のビア配線として形成されている。第1層21における引き出し電極3の径は例えば50μmに設定されている。引き出し電極3は、モリブデンまたはタングステンを主原料としている。ここでいう「モリブデンまたは
タングステンを主原料としている」とは、引き出し電極3に含まれるモリブデンの質量およびタングステンの質量の合計が、引き出し電極3を構成する原料の50%以上を占めている状態を意味している。本実施形態においては、引き出し電極3は、モリブデン60%とタングステン40%とからなる混合物を主原料としている。
図5および図6に示すように、第2層22においても、引き出し電極3がビア配線として形成されている。第2層22における引き出し電極3は、第1層21における引き出し電極3と連続している。第2層22における引き出し電極3の径および組成は、第1層21における引き出し電極3の径および組成と同様である。第2層22における引き出し電極3は、第2層22の上面および下面に導出されている。第2層22の厚みは、100μmに設定されている。
第3層23は、一方の極性を有する検出電極11から引き出された引き出し電極3(以下、「一方の極性を有する引き出し電極3」という)と電源部20および抵抗測定部30とを接続するための部分である。また、第3層23は、他方の極性を有する検出電極11から引き出された引き出し電極3(以下、「他方の極性を有する引き出し電極3」という)を第4層24における引き出し電極3に接続するための部分でもある。第3層23は、第1層21および第2層22と比較して主面の面積が大きい。そして、第3層23の上面には、一方の極性を有する引き出し電極3が、他方の極性を有する引き出し電極3と離れて、周縁付近を除くほぼ全面に形成されている。引き出し電極3が、第3層23の上面のうち周縁付近を除いて形成されていることによって、引き出し電極3が外部に露出することを抑制できる。その結果、引き出し電極3と排気ガスとを触れにくくすることができる。第3層23は、第1層21および第2層22と比較して側方に突出している。この突出している部分において、一方の極性を有する引き出し電極3と電源部20および抵抗測定部30との接続が行われる。一方の極性を有する引き出し電極3がほぼ全面に形成されていることによって、一方の極性を有する引き出し電極3の抵抗を低減することができる。一方の極性を有する引き出し電極3の厚みは、15μmに設定されている。
第3層23の内部には、他方の極性を有する引き出し電極3がビア配線として形成されている。第3層23における他方の極性を有する引き出し電極3は、第2層22における他方の極性を有する引き出し電極3と連続している。第3層23における引き出し電極3の径および組成は、第1層21および第2層22における引き出し電極3の径および組成と同様である。第3層23における引き出し電極3は、第3層23の上面および下面に導出されている。第3層23の厚みは、100μmに設定されている。
第4層24は、他方の極性を有する引き出し電極3と電源部20および抵抗測定部30とを接続するための部分である。第4層24は、第3層23と比較して主面の面積が大きい。そして、第4層24の上面には、他方の極性を有する引き出し電極3が、周縁付近を除くほぼ全面に形成されている。具体的には、第4層24は、第3層23と比較して側方に突出している。この突出している部分において、他方の極性を有する引き出し電極3と電源部20および抵抗測定部30との接続が行われる。他方の極性を有する引き出し電極3がほぼ全面に形成されていることによって、他方の極性を有する引き出し電極3の抵抗を低減することができる。引き出し電極3が、第4層24の上面のうち周縁付近を除いて形成されていることによって、引き出し電極3が外部に露出することを抑制できる。その結果、引き出し電極3と排気ガスとを触れにくくすることができる。他方の極性を有する引き出し電極3の厚みは、15μmに設定されている。第4層24の厚みは、200μmに設定されている。
本実施形態のセンサ素子10は、引き出し電極3が絶縁性基板2の内部に設けられている。これにより、引き出し電極3が排気ガスに触れる可能性を低減できる。さらに、排気
ガスに触れる検出電極11の主原料を白金にするとともに、排気ガスに触れにくい引き出し電極3の主原料をモリブデンまたはタングステンにすることによって、耐環境性を保ったまま、引き出し電極3における抵抗を低減できる。その結果、センサ素子10の感度を向上させることができる。
さらに、一方の引き出し電極3が第3層23の上面のほぼ全面に形成されているとともに、他方の引き出し電極3が第4層24の上面のほぼ全面に形成されている。このように、異なる極性を有する引き出し電極3を異なる層において水平方向に引き出すことによって、それぞれの引き出し電極3をそれぞれの層のほぼ全面に形成することができる。その結果、引き出し電極3における抵抗をさらに低減することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、本実施形態においては、引き出し電極3が第3層23の上面および第4層24の上面に引き出されていたが、これに限られない。具体的には、絶縁性基板2の下面に引き出されていてもよい。
また、本実施形態においては、引き出し電極3のうちビア配線の部分が円柱状に形成されていたが、これに限られない。具体的には、四角柱状であってもよい。特に、検出電極11の長さ方向に沿うように直方体形状に引き出し電極3のうちビア配線の部分が形成されてもよい。これにより、引き出し電極3の抵抗値を小さくすることができる。その結果、センサ素子10の感度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、1つの検出電極11に対して2つの引き出し電極3のビア配線が設けられていたが、これに限られない。具体的には、1つまたは3つ以上のビア配線が設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、補助電極12が設けられることによって粒子状物質検出部1が、櫛型状に形成されていたが、これに限られない。具体的には、補助電極12を有していない構成であってもよい。補助電極12を有していない構成にすることによって、センサ素子10を小型化することができる。
また、本実施形態においては、引き出し電極3がモリブデンとタングステンのみによって形成されていたが、これに限られない。具体的には、レニウムなどを含んでいてもよい。
また、引き出し電極3の抵抗温度係数は、検出電極11の抵抗温度係数に比べて小さいことが好ましい。これにより、高温環境下において、引き出し電極3の抵抗の影響を受けにくくすることができる。その結果、センサ素子10の感度が低下することを抑制できる。
また、本実施形態においては、引き出し電極3が第3層23および第4層24の周縁付近を除いて設けられていたが、これに限られない。具体的には、引き出し電極3が第3層23および第4層24の周縁付近にまで設けられていてもよい。ただし、この場合には、引き出し電極3がセンサ素子10の側面に露出することになるので、引き出し電極3が排気ガスに触れないようにセンサ素子10を設置することが求められる。
以下、本発明のセンサ素子10の取り付け例に関して説明する。図7はセンサ素子10を排気ガス管4に取り付けた構造を示す断面図である。図7は、排気ガス管4のガスの流動方向に対して垂直な面で切った断面図である。図7においては、センサ素子10は、一端に粒子状物質検出部1が設けられた帯状の構造になっている。具体的には、図8に示す
ように第2層22、第3層23および第4層24が帯状に形成されている。第1層21は、第2層22の一端上に形成されている。センサ素子10の一端は、排気ガス管4の内部に位置している。すなわち、粒子状物質検出部1は、排気ガス管4の内側に露出している。センサ素子10の他端は、排気ガス管4の外部に位置している。センサ素子10の他端において、センサ素子10と、電源部20および抵抗測定部30とが電気的に接続されている。センサ素子10は、一端と他端との間の領域が排気ガス管4に設けられた貫通孔にはめ込まれることによって、排気ガス管4に取り付けられている。排気ガス管4の貫通孔とセンサ素子10との間は、接合剤等によって気密に封止されている。接合剤としては例えばろう材等が用いられる。
センサ素子10の他端には圧電素子5が設けられている。圧電素子5を振動させることによって、センサ素子10を振動させることができる。粒子状物質検出部1に過度に粒子状物質が付着すると、センサ素子10の感度が低下する。このとき、センサ素子10を振動させることによって、粒子状物質検出部1に付着した粒子状物質の一部を粒子状物質検出部1から取り除くことができる。これにより、センサ素子10の感度の低下を抑制できる。圧電素子5としては、例えば鉛系のPZTや非鉛系圧電素子等を用いることができる。
また、図9に示すように、圧電素子5を排気ガス管4の外周面に設けてもよい。これにより、排気ガス管4を介して、圧電素子5の振動を粒子状物質検出部1に伝達することができる。この場合、センサ素子10に圧電素子5が実装されるためのスペースが必要なくなることから、センサ素子10を小型化することができる。
なお、排気ガス管4が低温度の環境下で用いられる場合であれば、排気ガス管4の内部においてセンサ素子10の表面または排気ガス管4の内周面に圧電素子5を設けてもよい。
100:センサ全体
10:センサ素子
20:電源部
30:抵抗測定部
1:粒子状物質検出部
11:検出電極
12:補助電極
2:絶縁性基板
21:第1層
22:第2層
23:第3層
24:第4層
3:引き出し電極
4:排気ガス管
5:圧電素子

Claims (2)

  1. 排ガス中の粒子を検出するためのセンサ素子であって、
    絶縁性基板と、
    該絶縁性基板の上面に設けられた、異なる極性を有する複数の検出電極が交互に配置されて成る粒子状物質検出部と、
    前記絶縁性基板の内部に設けられた、一端が前記上面の前記検出電極の直下に導出されて該検出電極に覆われており、他端が表面に露出している複数の引き出し電極とを備えており、
    前記検出電極が白金を主原料とするとともに、前記引き出し電極がモリブデンまたはタングステンを主原料とするセンサ素子。
  2. 前記粒子状物質検出部は、同じ極性を有する前記検出電極のそれぞれを接続する補助電極を有する請求項1に記載のセンサ素子。
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