JP2009257242A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素センサの加熱開始の遅延中に空燃比制御が開始された場合に、同センサの素子割れ防止を図りつつ空燃比制御を安定化させる。
【解決手段】エンジン10においては、排気管24に設けられたO2センサ32の出力値に基づいて空燃比F/B制御が実施される。ECU40は、O2センサ32を活性状態に維持すべく同センサ32をヒータ33により加熱するとともに、O2センサ32の出力値が空燃比F/B制御の開始可能となる出力判定値になったことを判定する。また、エンジン始動期間にヒータ33による加熱開始を遅延させる。そして、ECU40は、ヒータ33による加熱開始の遅延中において空燃比F/B制御が開始された場合に、同制御の開始からヒータ33による加熱開始までの間、ヒータ33による加熱に比べてO2センサ32の温度上昇を制限して同センサの加熱処理を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン10においては、排気管24に設けられたO2センサ32の出力値に基づいて空燃比F/B制御が実施される。ECU40は、O2センサ32を活性状態に維持すべく同センサ32をヒータ33により加熱するとともに、O2センサ32の出力値が空燃比F/B制御の開始可能となる出力判定値になったことを判定する。また、エンジン始動期間にヒータ33による加熱開始を遅延させる。そして、ECU40は、ヒータ33による加熱開始の遅延中において空燃比F/B制御が開始された場合に、同制御の開始からヒータ33による加熱開始までの間、ヒータ33による加熱に比べてO2センサ32の温度上昇を制限して同センサの加熱処理を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは内燃機関の排気管に設けられる酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック制御を実施する内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、内燃機関においては、排気管に例えばジルコニア固体電解質からなるO2センサなどの酸素センサが設けられ、その酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック(F/B)制御が実施されている。酸素センサは、例えば数100℃まで昇温されることで活性状態となり、この活性状態でセンサ出力が安定化することで酸素濃度を高精度で検出可能になる。そこで、酸素センサにおいては、一般に電気式ヒータが一体に設けられており、同ヒータの発熱によりセンサ素子を活性状態にするとともにその活性状態を保持することでセンサ出力を安定化させている。
このセンサ素子の活性化にあたり、内燃機関の冷間始動時には、排気管内で生じる水が原因となり、ヒータによる加熱開始当初に素子割れが発生するおそれがある。この素子割れを防止するための被水対策として、酸素センサのヒータ通電制御では、内燃機関の始動時に排気管内での水の発生が抑止されるまでヒータ通電開始を遅延させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−10630号公報
ところで、内燃機関の始動時において、ヒータ通電開始の遅延中、つまりヒータ通電のオフ中であるにもかかわらず、排気熱によりセンサ温度が上昇することが考えられる。この温度上昇に伴い酸素センサが出力状態になった場合、その出力状態が空燃比F/B制御を開始可能な程度になると、ヒータ通電のオフ中であっても空燃比F/B制御が開始されることとなる。かかる場合、ヒータ通電前であるためにセンサ出力が不安定になり、これにより空燃比F/B制御が安定しないことが考えられる。このとき、例えば酸素センサの出力値が本来の空燃比(真値)よりもリッチ側の値になると、燃料噴射量がリーン側に制御されてしまい、その結果、燃料不足が原因でドライバビリティが低下してしまうことが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、酸素センサの加熱開始の遅延中に空燃比制御が開始された場合において、同センサの素子割れ防止を図りつつ空燃比制御を安定化させることのできる内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の発明は、排気管に設けられる酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック制御が実施される内燃機関に適用され、前記酸素センサを活性状態に維持すべく同センサを加熱する活性化加熱手段と、前記酸素センサの出力値が前記空燃比フィードバック制御の開始可能となる出力判定値になったことを判定する出力判定手段と、前記内燃機関の始動期間に前記活性化加熱手段による加熱開始を遅延させる加熱遅延手段と、を備え、前記酸素センサの出力値が前記出力判定値になったことを条件として前記空燃比フィードバック制御を開始する内燃機関の制御装置に関するものである。また、前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中において前記空燃比フィードバック制御が開始された場合に、同制御の開始から前記活性化加熱手段による加熱開始までの間、前記活性化加熱手段に比べて前記酸素センサの温度上昇を制限して同センサの加熱処理を実行する。
内燃機関の始動期間には、被水による酸素センサの素子割れの防止を図るべく、酸素センサの加熱の遅延が行われる。そして、その加熱遅延中に酸素センサの出力値が判定値に達し、空燃比フィードバック(F/B)制御が開始された場合、遅延終了後における加熱処理に比べて温度上昇が制限された態様で加熱処理を実施する。そのため、加熱遅延中であっても、センサ出力を安定化させることができ、空燃比F/B制御を適正化することが可能になる。また、加熱開始の遅延終了後に比べて加熱処理が緩慢になるため、素子割れの発生が抑制される。したがって、酸素センサの加熱開始の遅延中に空燃比制御が開始された場合において、同センサの素子割れ防止を図りつつセンサ出力を安定にすることができ、ひいては空燃比制御を安定化させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記加熱処理として前記内燃機関の排気温度を上昇させる排気昇温処理を実行する。この構成によれば、センサ素子の加熱を間接的に行うため、センサ素子の直接的な加熱(ヒータによる加熱)に比べてセンサ温度を緩やかに上昇させることができ、素子割れを好適に抑制することができる。また、酸素センサの周囲環境の温度が上昇することから、内燃機関の結露を抑制する上で好適である。ここで、排気温上昇処理として具体的には、吸入空気量を増量するか又は点火時期を遅角させるのが望ましい。
請求項3に記載の発明は、前記活性化加熱手段は、前記酸素センサが備えるヒータへの通電により前記酸素センサを加熱して活性化するものであり、前記加熱処理として前記活性化加熱手段によるヒータ通電よりも小さい通電量で前記ヒータに通電するヒータ通電処理を実行する。この構成によれば、センサ素子の昇温をヒータ通電により行うため、温度調節が比較的容易であり好適である。
起電力出力タイプのO2センサは、広域検出タイプの空燃比センサ(A/Fセンサ)に比べて活性温度が低く、加熱遅延中でもセンサ出力が出力判定値に達することで空燃比F/B制御が開始されることが考えられる。また、O2センサでは、出力判定値を基に空燃比F/B制御が実施されるため、その判定値近傍の出力領域において、A/Fセンサに比べて誤差が生じやすいことが懸念される。その点に鑑み、請求項4に記載の発明では、排気中の酸素濃度に応じて起電力を発生するO2センサを酸素センサとして用いており、こうしてO2センサを用いたシステムにおいて、空燃比制御の安定化を好適に実現することができる。
請求項5に記載の発明は、前記出力判定手段は、前記出力判定値として、前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中には第1判定値を用い、前記活性化加熱手段による加熱開始後には第2判定値を用いる。また、前記第1判定値を、少なくとも前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延当初において、前記第2判定値よりも高出力側の値とする。この構成によれば、少なくとも加熱遅延当初には出力判定値をより高出力側に設定することで、同期間中において、空燃比F/B制御の開始条件がより厳格になる。したがって、空燃比F/B制御が開始された場合に、同制御をセンサ出力がより安定化した状況下で行うことができ、ひいては空燃比制御を安定化させることができる。
活性化のための加熱遅延中に緩やかな加熱処理を施すことによりセンサ温度が次第に上昇し、その温度上昇に伴いセンサ出力が次第に安定化する。その点に鑑み、請求項6に記載の発明では、時間の経過に伴い前記第1判定値が前記第2判定値に収束するよう前記第1判定値を可変に設定する。これにより、より早期の段階で空燃比F/B制御の開始を許可することができ、ひいては空燃比F/B制御をより早期に開始することができる。
請求項7に記載の発明は、内燃機関の排気管に設けられる酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック制御が実施される内燃機関に適用され、前記酸素センサを活性状態に維持すべく同センサを加熱する活性化加熱手段と、前記酸素センサの出力値が、前記空燃比フィードバック制御が開始可能となる出力判定値になったことを判定する出力判定手段と、前記内燃機関の始動期間に前記活性化加熱手段による加熱開始を遅延させる加熱遅延手段と、を備え、前記酸素センサの出力値が前記出力判定値になったことを条件として前記空燃比フィードバック制御を開始する内燃機関の制御装置に関するものである。また、前記出力判定手段は、前記出力判定値として、前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中には第1判定値を用い、前記活性化加熱手段による加熱開始後には第2判定値を用い、前記第1判定値は、少なくとも前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延当初において、前記第2判定値よりも高出力側の値である。
この構成によれば、少なくとも加熱遅延当初には、出力判定値をより高出力側に設定することで、同期間中において空燃比F/B制御の開始条件がより厳格になる。つまり、酸素センサの加熱遅延中にセンサ出力が出力判定値に達し、これにより空燃比F/B制御が開始されたとしても、その制御は厳格な条件により許可されたものであるため、同制御の開始後にセンサ出力が再び不安定になる事態が生じにくい。また、活性化のための加熱開始を遅延させたままにするため、酸素センサの素子割れの発生も抑制される。したがって、酸素センサの素子割れ防止を図りつつセンサ出力が比較的安定な状態で空燃比制御を実行することができ、ひいては空燃比制御を安定化させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。このエンジン制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。このエンジン制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気管11(吸気通路)の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には、吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。この吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24(排気通路)に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ27が取り付けられている。点火プラグ27には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ27の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管24には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられている。また、触媒31の上流側には、排ガスを検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出するためのO2センサ32が設けられている。
O2センサ32は、ジルコニア(ZrO2)等の固体電解質層や絶縁層を積層してなる積層型のセンサ素子を有している。センサ素子には一対の電極(詳しくは、固体電解質層を挟んで両側に設けた一対の電極)が設けられており、この電極間において大気中と排ガス中との酸素濃度の差により起電力(例えば0〜0.9V)を発生する。また、絶縁層にはヒータ33が埋設されている。ヒータ33は、バッテリ電源からの通電により発熱する線状の発熱体からなり、その発熱により素子全体を加熱する。これにより、センサ素子を所定の活性状態に保持する。
また、エンジン10には、冷却水温を検出する冷却水温センサ34や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ35が取り付けられている。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM、EEPROM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU40のマイコン41は、前述した各種センサのほか、イグニッションスイッチ36などから各々検出信号を入力し、それらの各種検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算して燃料噴射弁19や点火装置の駆動を制御する。
また、ECU40には、O2センサ32の起電力を検出するセンサ制御回路42が設けられている。燃料噴射量の制御として、ECU40のマイコン41は、センサ制御回路42で検出した起電力に基づいて実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に一致するよう空燃比フィードバック制御を実施する。
図2は、空燃比とセンサ起電力との関係を示す図である。図2に示すように、センサ起電力は理論空燃比(14.7)付近で急変する特性を有する。この特性を利用し、センサ制御回路42では、検出した実起電力と、電圧変動の中間付近に予め設定した比較電圧(例えば、理論空燃比値の0.45V又はその付近の電圧値)とを比較することで燃料リッチ/リーンを判定し、その結果を2値の判定信号としてマイコン41に出力する。
空燃比制御としてマイコン41は、エンジン始動直後はオープン制御を実行し、その後、O2センサ32の出力が空燃比F/B制御を実施可能な程度になったことを条件としてF/B制御に移行する。本実施形態においては、センサ出力値(起電力)が出力判定値Vfbに達してから所定時間Tfbが継続し、かつエンジン水温が所定温度(例えば40℃)以上になった場合に空燃比F/B制御を開始する。
図1の説明に戻り、センサ制御回路42では、センサ素子を活性状態に保持するべくO2センサ32のヒータ通電を制御する。ヒータの通電制御としてセンサ制御回路42は、作動デューティ(例えば100%デューティや30%デューティ)によりヒータ投入電力を可変制御することにより通電制御する。
ヒータ33によりセンサ素子を活性化するのにあたり、例えばエンジンの冷間始動時にセンサ素子が被水している状況下でヒータ通電を行うと、急激な温度上昇に起因して素子割れが発生するおそれがある。そのため、素子割れを防止するための被水対策として、本システムでは、エンジン始動開始時における所定タイミング(イグニッションスイッチ36がオンされた時点、又はエンジン10が回転状態(例えばエンジン回転速度が500rpm以上)になった時点等)を始まりとするエンジン始動期間においてヒータ通電の開始を遅延させるための遅延期間を設定し、その遅延期間ではヒータ通電をオフにする。つまり、エンジン始動期間においては、排気管24内で水が発生しにくい環境になるまでヒータ通電の開始を遅延させる。
ヒータ通電の開始を遅延するための処理手順の一例を示すフローチャートを図3に示す。この処理は、イグニッションオンされてからO2センサ32のヒータ通電が開始されるまでの間、所定時間毎にECU40により実行される。
図3において、まず、ステップS11でヒータ通電の開始を遅延させる遅延時間Tdlを設定する。本実施形態では、エンジン10の始動時水温Twsに応じて遅延時間Tdlを可変に設定する。具体的には、例えば図4に示すように、始動時水温Twsが低いほど遅延時間Tdlが長くなるようにする。なお、ステップS11で一旦遅延時間Tdlを設定した後は、同ステップを実行しないものとする。
続くステップS12では、イグニッションスイッチ36がオンされてから、又はエンジン10が回転状態になってから遅延時間Tdlが経過したか否かを判定する。遅延時間Tdlの経過前であれば、ヒータ通電をオフのままとすることで、ヒータ33によるセンサ素子の加熱を禁止する。一方、遅延時間Tdlの経過後であれば、ステップS13でヒータ通電を開始してセンサ素子の加熱を開始する。これにより、センサ素子温度が上昇して安定化する。
ここで、ヒータ通電の基本制御と空燃比F/B制御との関係を、図5のタイムチャートを用いて説明する。図5において、時刻t1でイグニッションスイッチ36がオンされて燃焼が開始されると、その燃焼に伴う排気熱によりセンサ素子温度が上昇し、センサ出力が徐々に大きくなる。そして、センサ出力が出力判定値Vfb以上となり、更にその時点から所定時間Tfbが経過した時刻t2で、空燃比F/B制御を開始可能な出力と判断される。また、エンジン水温Twがフィードバック開始温度(F/B開始温度)Twfに達すると、その時刻t3で空燃比F/B制御が開始される。一方、ヒータ通電については、時刻t1から遅延時間Tdlが経過するまでの時刻t4の期間で、O2センサ32のヒータ通電のオフ状態が維持される。そして、時刻t4の時点でヒータ通電が開始され、これによりセンサ素子温度が活性温度(例えば350℃)以上に上昇する。
ところで、エンジン始動期間において、排気熱によりセンサ素子が加熱されることで、ヒータ通電の開始前であってもO2センサ32が出力状態となり、その出力値が出力判定値Vfb以上になることが考えられる(図5参照)。その場合、ヒータ通電の開始前に空燃比F/B制御が開始されることとなるが、ヒータ通電前であるためにセンサ温度が安定せず、これに伴いセンサ出力が不安定になりやすい。そのため、空燃比F/B制御が開始されてからヒータ通電がオンされるまでの期間(図5における時刻t3から時刻t4までの期間)において空燃比F/B制御が安定に行われないことが懸念される。このとき、O2センサ32の出力値が真値よりもより燃料リッチ側になると(誤リッチ判定されると)、燃料噴射量がリーン側に制御されてしまい、その結果、エンジン回転速度の低下やエンジンストールの発生等が懸念される。また、空燃比F/B制御が安定に行われないことにより、燃費が悪化することも懸念される。特に、例えば冷却性能を向上させたエンジンでは、排気管24内で水が発生しやすくなり、被水対策のためにヒータ通電開始の遅延時間が比較的長く設定されることに起因して上記事象が生じやすい。
そこで、本実施形態では、ヒータ通電開始前に空燃比F/B制御が開始された場合に、同制御が開始されてからヒータ通電がオンされるまでの期間において、ヒータ通電による加熱よりもセンサ素子の温度上昇を制限した態様での加熱処理(制限加熱処理)を実施する。この制限加熱処理として本実施形態では、排気温度を上昇させる処理を行うものとし、ECU40のマイコン41は、以下に示す処理を実行する。
図6は、制限加熱処理の実行判定に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ECU40のマイコン41により所定の時間周期で繰り返し実行される。まず、ステップS21で、空燃比F/B制御の開始条件が成立したか否かを判定する。ここでは、O2センサ32の出力値が出力判定値Vfb以上の状態が所定時間Tfb継続し、かつエンジン水温TwがF/B開始温度Twf以上である場合に、空燃比F/B制御の開始条件が成立したものと判断する。空燃比F/B制御の開始条件を満たしていなければ、ステップS22へ進み、空燃比制御としてオープン制御を実施する。
一方、空燃比F/B制御の開始条件を満たしていれば、ステップS23へ進み、O2センサ32のヒータ通電開始の遅延中、つまり例えばイグニッションスイッチ36がオンされてから遅延時間Tdlの経過前か否かを判定する。ヒータ通電開始の遅延終了後(遅延時間Tdlの経過後)であれば、ステップS24へ進み、素子温上昇要求フラグFupを値ゼロにリセットする。一方、ヒータ通電開始の遅延中(遅延時間Tdlの経過前)であれば、素子温上昇要求フラグFupに値1をセットする。なお、この素子温上昇要求フラグFupは、後述する制限加熱処理にてセンサ素子の加熱を行うか否かを判断するのに用いる。その後、ステップS26へ進み、空燃比制御としてF/B制御を実施する。
次に、制限加熱処理の具体的態様について図7を用いて説明する。図7は、制限加熱処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ECU40のマイコン41により所定の時間周期で繰り返し実行される。まず、ステップS31で、素子温上昇要求フラグFupに値1がセットされているか否かを判定する。素子温上昇要求フラグFupに値1がセットされていれば、ステップS32へ進み、センサ素子温度を安定化させるための処理として制限加熱処理を実施する。同処理として本実施形態では、スロットルアクチュエータ15を駆動してスロットル開度を増大させることで吸入空気量を増量する。これにより、排気温度が上昇し、その排気熱によりセンサ素子温度が上昇する。
なお、制限加熱処理としては排気温度を上昇させるものであれば特に限定しない。吸入空気量を増量させる処理の他、点火時期を遅角させることで排気温度の上昇を図るのが望ましい。
図8は、本実施形態におけるO2センサ32の出力値等の推移を示すタイムチャートである。なお、図8中の一点鎖線は、ヒータ通電による加熱の遅延中に上記の制限加熱処理を実施しない場合を示し、図5に相当する。図8において、時刻t2でヒータ通電開始の遅延中にO2センサ32の出力が空燃比F/B制御を開始可能な出力と判断され、時刻t3で空燃比フィードバック制御が開始されると、排気温度を上昇させるために吸入空気量が増量される。これにより、センサ素子温度が安定化して空燃比制御が適正に行われる。その結果、エンジン回転速度の低下やエンジンストールが抑制されることとなる。
以上説明した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
O2センサ32のヒータ通電開始の遅延中に空燃比F/B制御が開始された場合、同制御の開始からヒータ通電の開始までの間では、エンジンの排気温度を上昇させることでセンサ素子温度を上昇させるため、センサ出力を安定化することができる。また、センサ素子の昇温を排気温度により行うため、センサ温度を緩やかに上昇させることができ、これにより素子割れの発生を抑制することができる。したがって、O2センサ32のヒータ通電開始の遅延中に空燃比F/B制御が開始された場合に、同センサ32の素子割れ防止を図りつつセンサ出力を安定にすることができ、ひいては空燃比制御を安定化させることができる。
仮に、ヒータ通電が開始された後に空燃比F/B制御を行うものとした場合(すなわち、ヒータ通電が開始されるまで空燃比F/B制御を実施しないものとした場合)、空燃比F/B制御を開始する時期が遅延されるため、始動時のエミッション悪化が懸念されるところ、本実施形態では、ヒータ通電による加熱の遅延中に上記の制限加熱処理を行うため、できるだけ早いタイミングで好適な空燃比F/B制御を実施することができる。これにより、始動時のエミッション悪化を回避することができる。
センサ素子の加熱を排気熱により間接的に行うため、ヒータ通電のようにセンサ素子を直接的に加熱する場合に比べて、センサ素子温度を緩やかに上昇させることができる。これにより、加熱による素子割れを好適に抑制しつつ空燃比制御を安定化させることができる。また、排気温度を上昇させることによりO2センサ32の周囲環境の温度も上昇することから、排気系での結露を抑制する上で好適である。
酸素センサとしてO2センサ32を用いる上で、空燃比制御の安定化を図ることができ好適である。すなわち、O2センサ32は、A/Fセンサに比べて活性温度が低く、加熱遅延中でもセンサ出力が出力判定値Vfbに達することで空燃比F/B制御が開始されることが考えられる。また、O2センサ32では、出力判定値Vfbを基に空燃比F/B制御が実施されるため、その出力判定値Vfb近傍の出力領域において、出力反転により、A/Fセンサに比べて誤差が生じやすいことが考えられる。そのため、O2センサ32に本発明を適用することで、空燃比制御の安定化の効果をA/Fセンサに比べて有意に得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、制限加熱処理として、遅延時間終了後でのヒータへの通電量よりも小さい通電量でヒータ通電を行う。
次に、本発明の第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、制限加熱処理として、遅延時間終了後でのヒータへの通電量よりも小さい通電量でヒータ通電を行う。
図9は、本実施形態におけるO2センサ32へのヒータ通電量の推移を示すタイムチャートである。なお、図9中の一点鎖線は、ヒータ通電による加熱の遅延中に上記制限加熱処理を実施しない場合を示し、図5に相当する。図9において、時刻t2でヒータ通電開始の遅延中にO2センサ32の出力が空燃比F/B制御を開始可能な出力と判断され、時刻t3で空燃比F/B制御が開始されると、センサ素子を昇温させるために、イグニッションオンから遅延時間Tdl内の時刻t3でヒータ通電を開始する。このとき、遅延時間Tdlの終了後におけるヒータ通電量Qacよりも小さい通電量Qdl(例えばQacの5〜10%)でヒータに通電する。通電量Qdlについて具体的には、センサ素子を活性温度(例えば350℃)で維持するのに要する最小限の通電量とするのが望ましい。このようにして、素子割れを回避しつつ、センサ素子温度を安定化させて空燃比制御が適正に行われるようにする。なお、この通電量Qdlにおいては、時間経過に伴い増加させてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
センサ素子を安定化させるための加熱処理をヒータ通電により行うため、温度調節が比較的容易にかつ適正に行うことができる点で好適である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、O2センサ32における出力判定値Vfbとして、ヒータ33による加熱開始の遅延中(イグニッションオンから遅延時間Tdlの間)では第1判定値V1hiを用い、ヒータ33による加熱開始後(遅延時間Tdl経過後)では第2判定値V2lowを用いる。このとき、少なくとも加熱開始の遅延期間当初において、第1判定値V1hiを第2判定値V2lowよりも高出力側に設定することで、ヒータ通電の開始遅延中における空燃比F/B制御の開始のための判定をより厳格な条件で行う。また、第1判定値V1hiについては、時間の経過に伴い、第1判定値V1hiが第2判定値V2lowに徐々に近付くよう可変に設定する。この処理としてECU40のマイコン41は、以下に示す処理を実行する。
次に、本発明の第3の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、O2センサ32における出力判定値Vfbとして、ヒータ33による加熱開始の遅延中(イグニッションオンから遅延時間Tdlの間)では第1判定値V1hiを用い、ヒータ33による加熱開始後(遅延時間Tdl経過後)では第2判定値V2lowを用いる。このとき、少なくとも加熱開始の遅延期間当初において、第1判定値V1hiを第2判定値V2lowよりも高出力側に設定することで、ヒータ通電の開始遅延中における空燃比F/B制御の開始のための判定をより厳格な条件で行う。また、第1判定値V1hiについては、時間の経過に伴い、第1判定値V1hiが第2判定値V2lowに徐々に近付くよう可変に設定する。この処理としてECU40のマイコン41は、以下に示す処理を実行する。
図10は、本実施形態の加熱遅延のための処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、ECU40のマイコン41により所定の時間周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS31で、O2センサ32のヒータ通電開始の遅延中か、又はヒータ通電開始から所定時間Tst以内か否かを判定する。なお、所定時間Tstは、ヒータ通電が開始された後であってセンサ出力が安定するまでの時間(実験値)とするのが望ましい。そして、ヒータ通電が開始されてから所定時間Tstが経過していればステップS32へ進み、出力判定値Vfbとして第2判定値V2lowを設定する。この第2判定値V2lowは固定値であり、例えばO2センサ32の比較電圧(例えば、理論空燃比値の0.45V又はそれよりもリッチ側の0.55V)とする。
一方、ヒータ通電開始の遅延中か、又はヒータ通電開始から所定時間Tst以内であればステップS33へ進み、出力判定値Vfbとして第1判定値V1hiを設定する。この第1判定値V1hiは可変値であり、例えば始動時のエンジン水温(始動時水温)とヒータ通電の遅延が開始されてからの経過時間とに基づいて設定する。このとき、例えば始動時水温と経過時間と第1判定値V1hiとの関係(マップ又はテーブル)を予めROMに記憶しておき、その関係を用いて第1判定値V1hiを設定する。
図11に、始動時水温と経過時間と第1判定値V1hiとの関係の一例を示す。図11の関係によれば、始動時水温が低いほど第1判定値V1hiが大きい値になっている。また、経過時間が長いほど(つまり遅延終了時刻に近付くほど)第1判定値V1hiが小さい値になっている。このとき、経過時間がゼロの場合には、いずれの始動時水温においても、第1判定値V1hiが第2判定値V2lowよりもリッチ側の値になっており、遅延時間が経過するにつれて徐々に小さくなり、第2判定値V2lowに近付くこととなる。
図10の説明に戻り、続いてステップS34で、空燃比F/B制御の開始条件が成立したか否かを判定する。ここでは、O2センサ32の出力値が出力判定値Vfb以上となってから所定時間Tfbが継続し、かつエンジン水温が所定温度(例えば40℃)以上となった場合に、空燃比F/B制御の開始条件が成立したものと判断する。そして、空燃比F/B制御の開始条件が成立していなければ、ステップS35へ進み、空燃比制御としてオープン制御を実行する。一方、空燃比F/B制御の開始条件が成立していれば、ステップS36へ進み、空燃比制御としてF/B制御に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
ヒータ通電開始の遅延中では、その遅延後に比べて出力判定値Vfbを高出力側の第1判定値V1hiに設定するため、空燃比F/B制御を開始するための判定がより厳格な条件下で行われる。これにより、空燃比F/B制御が開始された場合に、同制御をセンサ出力がより安定した状況下で行うことができ、ひいては空燃比制御を安定化させることができる。
ヒータ通電開始の遅延中及びヒータ通電開始から所定時間Tst内では、その遅延時間の経過に伴い第1判定値V1hiを第2判定値に収束させることで、空燃比F/B制御の開始条件を次第に緩和させるため、空燃比F/B制御をより早期に開始することができ、ひいてはエミッションの悪化を好適に抑制することができる。特に、上記第1の実施形態のように、ヒータ通電遅延中であって、かつ空燃比フィードバック制御の実行中に加熱制限処理を実行する場合、その緩やかな加熱処理に伴いセンサ温度が次第に上昇し、その温度上昇に伴いセンサ出力が次第に安定化する。そのため、ヒータ通電開始の遅延中に第1判定値V1hiを徐々に低出力側に移行させたとしても、空燃比F/B制御を安定化させることができ好適である。
ヒータ通電の開始から所定時間Tstが経過した時点で出力判定値Vfbを第2判定値V2lowにするため、センサ素子が確実に安定化するまで空燃比F/B制御が開始されるのを抑制するとともに、センサ素子が安定化した際には速やかに空燃比F/B制御を開始することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記第1の実施形態では、ヒータ通電の開始を遅延させる遅延期間をエンジン始動時からの経過時間(遅延時間Tdl)により設定したが、これを変更し、エンジン始動時からの積算空気量により設定してもよい。具体的には、エンジン10の始動時水温と積算空気量との関係を予め記憶しておき、始動時水温に応じて積算空気量の判定値を設定する。そして、エンジン始動時からの積算空気量がその判定値になるまでヒータ32の通電開始を遅延させる。このとき、始動時水温が低いほど積算空気量の判定値を大きい値にするのが好ましい。積算空気量に基づいてヒータ通電開始の遅延期間を設定する場合、排気管24内の温度状態(すなわち水の発生状況)をより的確に反映させることができ、より好ましい。あるいは、遅延時間Tdlを、始動時水温に応じた可変値ではなく固定値としてもよい。
・上記第1〜第3の実施形態では、センサ制御回路42で検出したセンサ出力値が出力判定値Vfb以上であることを検出し、その検出結果に基づいて空燃比F/B制御の開始を判断する構成としたが、センサ素子温度を検出する温度検出手段を備える構成のエンジン制御システムにおいて、同手段により検出したセンサ素子温度に基づいて空燃比F/B制御の開始を判断してもよい。すなわち、上記実施形態では、センサ素子温度を検出するための手段を備えていないため、センサ出力が出力判定値Vfbになったことを検出する構成としたが、同手段を備えるものの場合、出力判定値Vfb相当の素子温になったことを検出することにより、センサ出力値が、空燃比F/B制御の開始可能となる出力判定値になったことを判定する。これにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。その場合、出力判定値Vfb相当の素子温になったことを検出するための温度判定値として、活性温度(例えば350℃)よりも低い値を用いるのが望ましい。
・上記第1〜3の実施形態では、センサ出力において出力判定値Vfb以上の状態が所定時間Tfb継続した場合であって、かつエンジン水温がF/B開始温度Twf以上になった場合に空燃比F/B制御を開始する構成としたが、空燃比F/B制御の開始のための条件はこれに限定しない。例えば、センサ出力が出力判定値Vfbに達した時点で開始してもよいし、エンジン水温とは無関係に出力判定値Vfbとなってから所定時間が経過した時点で開始してもよい。あるいはセンサ出力値と他の要素とを組み合わせてもよい。
・上記第3の実施形態では、ヒータ通電の開始から所定時間Tstが経過した時点で出力判定値Vfbを第2判定値V2lowに変更する構成としたが、ヒータ通電を開始した時点で速やかに出力判定値Vfbを第1判定値V1hiから第2判定値V2lowに変更してもよい。この構成によれば、ヒータ通電開始により空燃比F/B制御の開始条件が緩和されるため、ヒータ通電による加熱の遅延終了後に空燃比F/B制御を速やかに開始することができる。なお、出力判定値Vfbを変更するには、第1判定値V1hiから第2判定値V2lowに直ちに切り替えてもよいし、第1判定値V1hiを徐々に減算することで段階的に切り替えてもよい。
・上記実施形態では、酸素センサとして積層型のO2センサ32を用いたが、コップ型のO2センサを用いてもよい。また、O2センサ32の代わりに、一対の電極に電圧が印加された状態で排ガス中の酸素濃度に応じた電流を流す広域検出タイプのA/Fセンサを用いてもよい。
10…エンジン、24…排気管、32…O2センサ、33…ヒータ、40…電子制御ユニット(ECU)、42…センサ制御回路。
Claims (7)
- 排気管に設けられる酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック制御が実施される内燃機関に適用され、
前記酸素センサを活性状態に維持すべく同センサを加熱する活性化加熱手段と、前記酸素センサの出力値が前記空燃比フィードバック制御の開始可能となる出力判定値になったことを判定する出力判定手段と、前記内燃機関の始動期間に前記活性化加熱手段による加熱開始を遅延させる加熱遅延手段と、を備え、前記酸素センサの出力値が前記出力判定値になったことを条件として前記空燃比フィードバック制御を開始する内燃機関の制御装置であって、
前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中において前記空燃比フィードバック制御が開始された場合に、同制御の開始から前記活性化加熱手段による加熱開始までの間、前記活性化加熱手段に比べて前記酸素センサの温度上昇を制限して同センサの加熱処理を実行する制限加熱手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記制限加熱手段は、前記加熱処理として前記内燃機関の排気温度を上昇させる排気昇温処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記活性化加熱手段は、前記酸素センサが備えるヒータへの通電により前記酸素センサを加熱して活性化するものであり、
前記制限加熱手段は、前記加熱処理として前記活性化加熱手段によるヒータ通電よりも小さい通電量で前記ヒータに通電するヒータ通電処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記酸素センサは、排気中の酸素濃度に応じて起電力を発生するO2センサであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記出力判定手段は、前記出力判定値として、前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中には第1判定値を用い、前記活性化加熱手段による加熱開始後には第2判定値を用い、
前記第1判定値は、少なくとも前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延当初において、前記第2判定値よりも高出力側の値であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 時間の経過に伴い前記第1判定値が前記第2判定値に収束するよう前記第1判定値を可変に設定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の排気管に設けられる酸素センサの出力値に基づいて空燃比フィードバック制御が実施される内燃機関に適用され、
前記酸素センサを活性状態に維持すべく同センサを加熱する活性化加熱手段と、前記酸素センサの出力値が、前記空燃比フィードバック制御が開始可能となる出力判定値になったことを判定する出力判定手段と、前記内燃機関の始動期間に前記活性化加熱手段による加熱開始を遅延させる加熱遅延手段と、を備え、前記酸素センサの出力値が前記出力判定値になったことを条件として前記空燃比フィードバック制御を開始する内燃機関の制御装置において、
前記出力判定手段は、前記出力判定値として、前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延中には第1判定値を用い、前記活性化加熱手段による加熱開始後には第2判定値を用い、
前記第1判定値は、少なくとも前記加熱遅延手段による加熱開始の遅延当初において、前記第2判定値よりも高出力側の値であることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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JP2014111918A (ja) * | 2012-12-05 | 2014-06-19 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
KR20180068491A (ko) * | 2016-12-14 | 2018-06-22 | 현대자동차주식회사 | 산소센서 제어 장치 및 방법 |
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