JP2009256804A - 微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子の表面全体に薄膜を均一に成膜した微粒子を提供する。
【解決手段】本発明に係る微粒子は、表面全体に薄膜35が成膜された微粒子23において、前記微粒子の粒径は10μm以下であり、前記薄膜は、真空チャンバー内にアース電極を配置し、前記真空チャンバー内に前記微粒子を収容し、前記真空チャンバー内に原料ガスを供給し、前記真空チャンバーを回転させることにより前記真空チャンバー内の前記微粒子を動かし、前記真空チャンバーに電力を供給し、前記アース電極と前記真空チャンバーの間に原料ガス系プラズマを発生させることにより、前記微粒子の表面全体にCVD法により成膜されたものであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微粒子に薄膜を成膜するCVD成膜装置及びCVD成膜方法に関する。
従来のCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜装置は、平面状の基板表面や比較的単純な立体形状を持つ物体表面に所定の膜を成膜するものである。硬質炭素膜成膜用のCVD成膜装置についても同様である。
一般的な高周波平行平板プラズマCVD装置は、真空チャンバーを有し、この真空チャンバー内で、高周波電源が接続された平板電極(カソード)と、接地された平板電極(アノード)を平行に対向させた装置である。このCVD装置には真空排気系とガス導入系が組み込まれており、接地されたアノード電極は、表面に無数の穴がシャワー状に分布したガスシャワー電極となって原料ガスを導入する場合もある。カソード電極と高周波電源はマッチングボックスを介して接続されている。
この装置を用いて例えばDLC膜を成膜する場合は次のような手順に従う。
まず、カソード電極上に成膜対象物(例えばSiウェハーやSUS板等)を固定する。次いで、真空チャンバーを真空排気し、所定の真空度に到達させる。次いで、原料ガスを真空チャンバー内に供給する。なお、DLC(Diamond Like Carbon)成膜の場合は炭化水素系ガスを使用する。次いで、高周波電源によってカソード電極にマッチングボックスを介して高周波出力を印加する。これにより、アノード電極とカソード電極との間に原料ガスによるプラズマが発生し、カソード電極上にDLC膜が堆積する。次いで、所定時間成膜後高周波出力を切り、ガス供給を止める。次いで、真空排気を止めてチャンバーを大気開放し、成膜対象物を取り出す。
次に、従来の粉体成膜用スパッタ装置について説明する。
この粉体成膜用スパッタ装置は、粉体表面に膜をつける装置であって、回転可能に構成された回転型真空チャンバーを有し、この真空チャンバーはドラム形状からなり、この真空チャンバー内にターゲット電極を配置し、真空チャンバーを接地し、真空チャンバー中心線上に原料ターゲット電極を配置したスパッタ方式である。このスパッタ装置は、回転型真空チャンバー内に粉体を置き、この粉体表面にターゲットの材質と同様の成分の膜を粉体表面に成膜するものである。
この装置を用いれば一般的なスパッタ装置で成膜可能な膜を粉体表面に成膜する事が可能となる。具体的には、例えばアルミなどの各種金属膜、SiO膜、アルミナなどのセラミック膜などを粉体表面に成膜することが可能である。
ところで、上記従来の高周波平行平板プラズマCVD装置では、あまり複雑な形状のものにはつきまわり良くCVD膜を成膜することができないため、粉体(微粒子)の全表面には均一に成膜することができない。一方、前述したように粉体に成膜する方法としては回転型真空チャンバーを用いた粉体成膜用スパッタ装置があるが、ターゲット材質と同様の成分の膜しか成膜することができない。従って、DLCなどのCVD膜を粉体に成膜することは困難であった。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、微粒子の表面全体に薄膜を均一に成膜できるCVD成膜装置及びCVD成膜方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るCVD成膜装置は、微粒子の表面全体に薄膜を成膜するCVD成膜装置であって、微粒子を収容する真空チャンバーと、この真空チャンバーを回転させる駆動機構と、真空チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構と、真空チャンバーに電力を供給する電力供給機構と、を具備し、上記駆動機構を用いて真空チャンバーを回転させることにより、真空チャンバー内の微粒子を動かしながら該微粒子の表面全体に薄膜を成膜することを特徴とする。
上記CVD成膜装置によれば、電力供給機構によって真空チャンバーに電力を供給し、駆動機構で真空チャンバーを回転させることによって微粒子を動かしながら該微粒子の表面全体に薄膜を成膜している。これにより、微粒子の表面全体に容易に薄膜を成膜することができる。
また、本発明に係るCVD成膜装置においては、上記真空チャンバーは円筒形状部を有しており、上記原料ガス導入機構における原料ガスの導入方向は、重力方向に対して真空チャンバーの回転方向に30°以上90°以下の方向であることが好ましい。
また、本発明に係るCVD成膜装置においては、上記真空チャンバー内に配置され、接地電位に接続された内部電極をさらに含み、この内部電極は真空チャンバーの内径より小さい外径を有し、内部電極と真空チャンバーとの隙間がパッシェンの法則に基づいて成膜時の圧力から放電が発生しないように決定されており、内部電極は放電空間として作用する中空部を有すると共に開口部を有し、この中空部は該開口部を介して真空チャンバーの内面に繋げられていることも可能である。これにより、真空チャンバーを回転させて成膜している時にチャンバー内面にDLC膜が形成されることを抑制することができる
また、本発明に係るCVD成膜装置においては、内部電極における中空部の内表面の面積が該中空部内から該開口部を通して見える真空チャンバーの内表面の面積に比べて大きいことも可能である。このようにする事で成膜時に微粒子表面に負の自己バイアスをかける事が可能となり、微粒子表面に緻密なDLC薄膜を成膜することができる。
また、本発明に係るCVD成膜装置において、上記内部電極における中空部の内表面には、該内部電極に薄膜が成膜されることを抑制する防着板が配置されていることも可能である。また、上記防着板を所定温度に加熱する加熱部をさらに含むことも可能である。
本発明に係るCVD成膜方法は、微粒子の表面全体に薄膜を成膜するCVD成膜方法であって、真空チャンバー内にアース電極を配置し、真空チャンバー内に微粒子を収容し、真空チャンバー内に原料ガスを供給し、真空チャンバーを回転させることにより真空チャンバー内の微粒子を動かし、真空チャンバーに電力を供給し、アース電極と真空チャンバーの間に原料ガス系プラズマを発生させることにより、微粒子の表面全体に薄膜を成膜することを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、電力供給機構によって真空チャンバーに電力を供給し、駆動機構で真空チャンバーを回転させることによって微粒子を動かしながら該微粒子の表面全体に薄膜を成膜している。したがって、微粒子の表面全体に薄膜を均一に成膜できるCVD成膜装置及びCVD成膜方法を提供することができる。
本発明に係る第1の実施の形態によるCVD成膜装置を模式的に示す構成図である。 図1に示す2−2線に沿った断面図である。 図1に示すCVD成膜装置を用いて微粒子に薄膜を被覆した粉体を示す断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態によるCVD成膜装置を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態によるCVD成膜装置を模式的に示す構成図である。図2は、図1に示す2−2線に沿った断面図である。
CVD成膜装置は、ドラム缶のような真空チャンバー11、この真空チャンバー11内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構、真空チャンバー11を回転させる回転駆動機構、真空チャンバー11に高周波電力(RF出力)を供給する電力供給機構、及び、真空チャンバー11内を真空排気する真空排気機構から構成されている。
図1に示すように、真空チャンバー11は、コーティング対象の微粒子23を収容するものであって、円筒形状部11a、一端封止部11b及び他端封止部11cから構成されている。円筒形状部11aは、全体として円筒形状を有する必要は必ずしも無く、円筒形状が部分的に形成されているものであれば良い。円筒形状部11aの一方側は平面が略円形状の一端封止部11bにより封止されており、円筒形状部11aの他方側は平面が略円形状の他端封止部11cにより封止されている。
他端封止部11cの中央には開口部が形成されており、この開口部を通して筒状のガスシャワー電極12が配置されている。この開口部の内壁面とガスシャワー電極12との間には磁性流体シール部17が配置されている。この磁性流体シール部17は、磁性流体によって真空チャンバー11内の気密を保持するものである。このガスシャワー電極12は接地電位に接続されている。ガスシャワー電極12の内部には冷却水が循環されており、成膜時にガスシャワー電極を一定温度に制御するようになっている。
ガスシャワー電極12の一方側は真空チャンバー11内に配置され、ガスシャワー電極12の他方側は真空チャンバー11外に配置されている。ガスシャワー電極12は、その内部が二重管で構成されており、内側の管が原料ガスを供給するものであり、外側の管が真空チャンバー11内を排気する管として用いられる。
ガスシャワー電極12の一方側には、原料ガスをシャワー状に吹き出すガス吹き出し口12aが複数形成されている。これらのガス吹き出し口12aは、上記内側の管の一方側に繋げられている。ガス吹き出し口12aは、図2に示すように重力方向14に対して真空チャンバーの回転方向13に30°〜90°程度の方向(好ましくは60°程度の方向)に配置されている。
上記内側の管の他方側には真空バルブ18を介してマスフローコントローラー19の一方側に接続されている。マスフローコントローラー19の他方側は真空バルブ20及びフィルター21を介して原料ガス発生源22に接続されている。この原料ガス発生源22は、成膜する薄膜によって発生させる原料ガスの種類が異なるが、例えばDLC膜を成膜する場合は炭化水素ガス等を発生させるものとする。
前記回転駆動機構は、真空チャンバー11を回転させるものであって、円筒形状部11aの外表面に取り付けられたローラー15と、このローラーを回転させるモータ16と、から構成されている。つまり、モータ16によってローラー15を回転させ、この回転力を真空チャンバー11の外表面に伝えることにより、図2に示すように、ガスシャワー電極12を回転中心として真空チャンバー11を矢印13のように回転させるようになっている。真空チャンバー11を回転させると、その内部に収容された微粒子23が真空チャンバー内面を転がる。なお、真空チャンバー11内の気密性は、真空チャンバー11の回転時においても磁性流体シール部17によって保持される。
前記電力供給機構は、真空チャンバー11に高周波電力(RF出力)を供給するものであって、インピーダンス整合器(マッチングボックス)24及び高周波電源25などから構成されている。つまり、真空チャンバー11はマッチングボックス24に接続されており、マッチングボックス24は同軸ケーブルを介して高周波電源(RF電源)25に接続されている。
前記真空排気機構は真空チャンバー11内を真空排気するものである。ガスシャワー電極12には、真空チャンバー11内を排気する排気口12bが複数設けられている。排気口12bはガスシャワー電極の外側の管の一端に繋がっており、該外側の管の他端は配管を介して真空バルブ27、手動バタフライバルブ28及び大気開放用のリーク弁29に接続されている。手動バタフライバルブ28は、メインバルブとして機能するものであって、バルブの開きを手動で調節することによって真空チャンバー11内の圧力を調整するものである。
また、配管は、その内部の圧力を計測するイオンゲージ36及びピラニゲージ37に接続されている。イオンゲージ36は10−6Torr以下の高真空圧力まで計測できるものであり、ピラニゲージ37は10−2Torr以上の低真空圧力を計測するものである。手動バタフライバルブ28は配管を介して高真空引き用のターボ分子ポンプ30に接続されており、ターボ分子ポンプ30は冷却水によって冷却されるように構成されている。ターボ分子ポンプ30は10−6Torr以下の高真空に引くことができるものである。
ターボ分子ポンプ30は配管を介して真空バルブ31に接続されている。この真空バルブ31及び上記真空バルブ27は配管を介して低真空引き用のロータリーポンプ32に接続されており、ロータリーポンプ32は配管を介してオイルミストトラップ33に接続されている。オイルミストトラップ33は、ポンプ32で発生したオイルミストなどが配管を通じて下流側に飛散するのを防止するものである。
次に、上記CVD成膜装置を用いて容器の内部にDLC膜を成膜する方法について説明する。図3は、図1に示すCVD成膜装置を用いて微粒子に薄膜を被覆した粉体を示す断面図である。
まず、図2に示す複数の微粒子23からなる粉体を真空チャンバー11内に収容する。この後、モータ16によってローラー15を回転させ、この回転力を真空チャンバー11の外表面に伝えることにより、ガスシャワー電極12を回転中心として真空チャンバー11を矢印13のように回転させる。真空チャンバー11を回転させると、その内部に収容された微粒子23が真空チャンバー内面において重力方向14とそれに対して回転方向13に90°の間を転がりながら動く。
次に、手動バタフライバルブ28、真空バルブ31及びリーク弁29を閉じ、真空バルブ27を開いて、ロータリーポンプ32を作動させる。これにより、排気口12b、ガスシャワー電極の外側の管、配管を通して真空チャンバー11内が真空排気される。次いで、真空チャンバー11内が所定の圧力となったことをピラニゲージ37によって確認した後、ロータリーポンプ32を停止し、真空バルブ27を閉じ、真空バルブ31を開いて、ターボ分子ポンプ30を作動させる。そして、1Torr未満まで真空引きした後、手動バタフライバルブ28を開く。これにより、排気口12b、ガスシャワー電極の外側の管、配管を通して真空チャンバー11内が真空排気され、真空チャンバー11内を高真空状態まで真空引きされる。この際、イオンゲージ36により計測された真空チャンバー11内の圧力をオペレータが観察しながら、手動バタフライバルブ28の開きを調節して真空チャンバー11内の圧力を所定値になるように調整する。また、このとき、ターボ分子ポンプ30は冷却水により冷却されている。
次に、真空バルブ18,20を開き、原料ガス発生源22において原料ガス(例えば炭化水素ガス)を発生させ、この炭化水素ガスをフィルター21、真空バルブ20を通して配管内に導入し、マスフローコントローラー19によって流量制御された炭化水素ガスを配管及びガスシャワー電極12の内側の管に導入する。そして、この内側の管を通った炭化水素ガスをガス吹き出し口12aから吹き出させる。これにより、真空チャンバー11内を転がりながら動いている微粒子23に炭化水素ガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、DLC薄膜の成膜に適した圧力に保たれる。
この後、真空チャンバー11にマッチングボックス24を介して高周波電源(RF電源)25から例えば13.56MHzのRF出力が供給される。これにより、真空チャンバー11とガスシャワー電極12との間にプラズマを着火する。このとき、マッチングボックス24は、真空チャンバー11とガスシャワー電極12のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、真空チャンバー11内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が微粒子23の表面全体に成膜される。つまり、真空チャンバー11を回転させることによって微粒子23を転がしているため、図3に示すように、微粒子23の表面全体にDLC膜35を均一に成膜することが容易にできる。
ここで、微粒子23を構成する母材は、金属でもセラミックでも良く、種々の材料を用いることが可能である。また、微粒子23は、単一の物質から構成されている必要は必ずしも無く、複数の物質を混合したものから構成されていることも可能である。また、微粒子23の形状は、種々の形状を用いることが可能であり、例えば球又は球に近い形状とすることが好ましい。また、微粒子23の粒径23aは10μm以下であることが好ましい。また、DLC膜35は、炭素を主成分とする非晶質炭素系薄膜であって、種々の硬質炭素膜を含むものである。
上記第1の実施の形態によれば、真空チャンバー11にRF出力を供給し、真空チャンバー11を回転させることによって微粒子23を転がしながら該微粒子の表面全体に薄膜(DLC膜)を被覆している。これにより、微粒子23の表面全体に容易にDLC膜35を均一に成膜することができる。
図4は、本発明に係る第2の実施の形態によるCVD成膜装置を模式的に示す断面図であり、図1及び図2と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
真空チャンバー11内には内部電極42が配置されている。この内部電極(アノード電極)42は、冷却板38、断熱材39、ヒーターユニット40及び防着板41から構成されている。冷却板38の内側には断熱材39が形成されており、この断熱材39の内側にはヒーターユニット40が形成されている。このヒーターユニット40の内側には防着板41が形成されている。
内部電極42は、図1に示すガスシャワー電極12と同様に他端封止部11cの開口部を通して真空チャンバー内に挿入して配置されている。また、内部電極42は、図4に示すように真空チャンバー11の内径より少し小さい外径を有する。内部電極42と真空チャンバー11の内面との隙間(即ち、冷却板38と真空チャンバー11の内面との隙間)は、パッシェンの法則に基づいて成膜時の圧力から放電が発生しないように決定され、通常は3mm〜3cm程度である。
内部電極42の断面は図4に示すように馬蹄形状からなり、内部電極42には開口部44が設けられている。内部電極42は、放電空間43として作用する中空部を持つシリンダのような形状となっている。プラズマはシリンダの中空部(放電空間43)に発生するように構成されている。この中空部の形状は、内部電極42における中空部の内表面の面積が、中空部内から開口部44を通して見える真空チャンバー11の内表面の面積に比べて十分大きくなるように決定される。このようにする事で成膜時に粉体表面に負の自己バイアスをかける事が可能となり、粉体表面に緻密なDLC薄膜を堆積させる事が可能となる。
内部電極42の中空部の内表面には原料ガスをシャワー状に供給するガス吹き出し口(図示せず)が複数設けられている。これらガス吹き出し口は、第1の実施の形態と同様に真空バルブ18を介してマスフローコントローラー19の一方側に接続されている。また、内部電極の開口部44の角度(開口部44の開き具合)は一度に処理する粉体の量に応じて決定されるが、上述したようにシリンダ中空部の表面積に比べて小さくなるように設計される。
上述したように内部電極42における最内側には防着板41が形成されており、この防着板41は中空部内であって該内部電極においてプラズマが発生する放電空間43に接する部分に位置している。防着板41は、内部電極42に薄膜が成膜されることを抑制するためのものである。防着板41はヒーターユニット40によって加熱されて所定温度に保持されるようになっている。防着板41の保持温度は、成膜条件などによって適切な温度を適宜採用すれば良いが、好ましい一例としては350℃以上である。
このようにヒーターによって防着板を所定温度(例えば350℃以上)に加熱して保持した状態で、粉体(微粒子)23に薄膜を成膜すると、内部電極42に薄膜が付着するのを抑制することができる。即ち、内部電極のプラズマに接する部分に薄膜が付着することを抑制できるので、内部電極に付着した薄膜が剥離されることもない。
防着板41の材質としては、防着板を使用する際の温度に耐える金属であれば、種々の金属を用いることも可能であり、例えばSi、Si化合物(例えばSiC、SiOなど)、Cr、Tiなどが好ましく、具体的にはブラスト処理したクロム板、表面をSiO処理したアルミ板などが好ましい。
ヒーターユニット40と冷却板38との間には断熱材39が配置されており、冷却板38は冷却手段(図示せず)によって冷却されて所定温度に保持されるようになっている。
上記第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、真空チャンバー11にRF出力を供給し、真空チャンバー11を回転させることによって微粒子23を転がしながら該微粒子の表面全体に薄膜(DLC膜)を被覆している。これにより、微粒子23の表面全体に容易にDLC膜35を均一に成膜することができる。
また、第2の実施の形態では、成膜時には、プラズマの発生する場所である内部電極42の開口部44の近傍における真空チャンバー11の内表面が粉体23によって覆われているので、真空チャンバー11の内表面にDLC膜が形成される事はない。そのため、真空チャンバーからの膜剥離、異常放電、放電不安定等の問題が生じることがなく、安定して粉体表面に均一にDLC膜を形成させる事が可能となる。
つまり、第2の実施の形態では、アース電極である内部電極42に比してカソード電極を兼ねる真空チャンバー11の内面の面積が大きいので、プラズマ発生時に粉体表面にマイナス(−)の自己バイアスをかける事が可能となり、プラス(+)の自己バイアス電圧が粉体表面に生じることを抑制できる。これにより、十分に緻密なDLC膜を形成することができる。
また、第2の実施の形態では、内部電極42を真空チャンバー11の内径より少し小さい外径を有するように形成し、内部電極42と真空チャンバー11の内面との隙間を、パッシェンの法則に基づいて成膜時の圧力から放電が発生しないように決定している。このため、粉体23で覆っているチャンバー内面にのみプラズマを発生させ、粉体23で覆っていないチャンバー内面にプラズマが接しないようにすることができる。これにより、真空チャンバー11を回転させて成膜している時にチャンバー内面にDLC膜が形成されることを抑制することができる。従って、長時間成膜を行っても、チャンバー内面にDLC膜が形成され厚膜化する事に起因する放電条件の変化を防止でき、異常放電を防止し、安定放電を持続することが可能となる。よって、CVD成膜装置を長時間運転しても安定成膜が実現できる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、微粒子23に薄膜を成膜する成膜条件を適宜変更することも可能である。また例えば、原料ガス発生源としては、炭化水素ガスの発生源に限られず、種々の発生源を用いることも可能であり、それにより、微粒子23にDLC膜以外の薄膜を成膜することが可能となる。つまり、上記実施の形態では、CVD成膜装置で成膜する薄膜としてDLC膜を挙げているが、微粒子23の表面全体に他の薄膜を被覆する際に上記CVD成膜装置を用いることも可能である。
また、上記実施の形態では、前述した真空排気機構を用いているが、これに限定されるものではなく、全自動化した真空排気機構を用いることも可能である。
11…真空チャンバー
11a…円筒形状部
11b…一端封止部
11c…他端封止部
12…ガスシャワー電極
12a…ガス吹き出し口
12b…排気口
13…矢印(回転方向)
14…重力方向
15…ローラー
16…モータ
17…磁性流体シール部
18,20,27,31…真空バルブ
19…マスフローコントローラー
21…フィルター
22…原料ガス発生源
23…微粒子(粉体)
24…マッチングボックス(インピーダンス整合器)
25…高周波電源(RF電源)
28…手動バタフライバルブ
29…リーク弁
30…ターボ分子ポンプ
32…ロータリーポンプ
33…オイルミストトラップ
35…DLC膜
36…イオンゲージ
37…ピラニゲージ
38…冷却板
39…断熱材
40…ヒーターユニット
41…防着板
42…内部電極(アノード電極)
43…放電空間
44…開口部

Claims (3)

  1. 表面全体に薄膜が成膜された微粒子において、
    前記微粒子の粒径は10μm以下であり、
    前記薄膜は、真空チャンバー内にアース電極を配置し、前記真空チャンバー内に前記微粒子を収容し、前記真空チャンバー内に原料ガスを供給し、前記真空チャンバーを回転させることにより前記真空チャンバー内の前記微粒子を動かし、前記真空チャンバーに電力を供給し、前記アース電極と前記真空チャンバーの間に原料ガス系プラズマを発生させることにより、前記微粒子の表面全体にCVD法により成膜されたものであることを特徴とする微粒子。
  2. 表面全体に薄膜が成膜された微粒子において、
    前記微粒子の粒径は10μm以下であり、
    前記薄膜は、円筒形状部を有する真空チャンバー内にアース電極を配置し、前記真空チャンバー内に前記微粒子を収容し、前記真空チャンバー内に原料ガスを、重力方向に対して真空チャンバーの回転方向に30°以上90°以下の方向で供給し、前記真空チャンバーを回転させることにより前記真空チャンバー内の前記微粒子を動かし、前記真空チャンバーに電力を供給し、前記アース電極と前記真空チャンバーの間に原料ガス系プラズマを発生させることにより、前記微粒子の表面全体にCVD法により成膜されたものであることを特徴とする微粒子。
  3. 請求項1又は2において、前記薄膜がDLC膜であることを特徴とする微粒子。
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