JP2014009368A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014009368A
JP2014009368A JP2012145311A JP2012145311A JP2014009368A JP 2014009368 A JP2014009368 A JP 2014009368A JP 2012145311 A JP2012145311 A JP 2012145311A JP 2012145311 A JP2012145311 A JP 2012145311A JP 2014009368 A JP2014009368 A JP 2014009368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
aerosol
powder
film
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012145311A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6002888B2 (ja
Inventor
Hidetsugu Fuchida
英嗣 渕田
Yasuhisa Iriyama
恭寿 入山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUCHITA NANO GIKEN KK
Nagoya University NUC
Original Assignee
FUCHITA NANO GIKEN KK
Nagoya University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUCHITA NANO GIKEN KK, Nagoya University NUC filed Critical FUCHITA NANO GIKEN KK
Priority to JP2012145311A priority Critical patent/JP6002888B2/ja
Priority to KR1020130074205A priority patent/KR101497811B1/ko
Priority to US13/930,328 priority patent/US9034438B2/en
Publication of JP2014009368A publication Critical patent/JP2014009368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6002888B2 publication Critical patent/JP6002888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/02Processes for applying liquids or other fluent materials performed by spraying
    • B05D1/12Applying particulate materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C24/00Coating starting from inorganic powder
    • C23C24/02Coating starting from inorganic powder by application of pressure only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C24/00Coating starting from inorganic powder
    • C23C24/02Coating starting from inorganic powder by application of pressure only
    • C23C24/04Impact or kinetic deposition of particles

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】簡素な構成でより容易に、比較的大粒子径の微粒子を基材上に堆積させることができる成膜方法を提供する。
【解決手段】成膜方法は、母材の表面に、前記母材よりも帯電し易い被覆層が形成された微粒子を密閉容器2に収容し、前記密閉容器2にガスを導入することによって、前記微粒子のエアロゾルAを生成し、前記密閉容器2に接続され先端部にノズル18を有する搬送管6を介して、前記微粒子を前記搬送管の内面との摩擦で帯電させつつ、前記密閉容器よりも低圧に維持された成膜室3に前記エアロゾルAを搬送し、前記ノズル18から前記エアロゾルAを噴射し、前記成膜室3に収容された基材S上に、帯電した前記微粒子を堆積させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアロゾル化ガスデポジション法を利用した成膜方法に関する。
エアロゾル化ガスデポジション法は、エアロゾル化容器に収容された原料微粒子(エアロゾル原料)を、ガスによって巻き上げてエアロゾル化し、エアロゾル化容器内と成膜室内との圧力差によるガス流によって搬送して基材に衝突させ、堆積させる成膜方法である。
エアロゾル化ガスデポジション法で成膜が可能な原料微粒子の平均粒子径は、一般的には0.5μm程度が最適と考えられており、この粒径付近の粉を利用して成膜が実施されている。一方、原料微粒子の粒子径がこれよりも大きい場合、膜の緻密性や密着性はさらに高まるものと考えられてはいるが、安定に成膜することが困難であった。
一方、下記特許文献1には、プラズマ照射やマイクロ波照射により表面が活性化した微粒子をエアロゾル化し基材に噴射する方法が記載されている。このように微粒子に何らかのエネルギーを付与することで、微粒子表面への不純物の吸着などによる不活性面の存在をなくすことができ、これにより構造物の形成を助長できるとしている。
また下記特許文献2には、エアロゾルをイオン化する手段と、エアロゾルのイオンとは反対符号のバイアス電圧を基材に印加する手段とを有するエアロゾルデポジション装置が記載されている。エアロゾルをイオン化する手段としては、不平等電界を形成する高電圧装置やマグネトロンが例示されている。上記構成により所定の濃度のエアロゾルが基板に衝突するので、より多くの微粒子を基板に付着できるとしている。
特開2005−36255号公報 特開2005−290462号公報
しかしながら特許文献1及び特許文献2に記載の構成では、ガスデポジション装置にプラズマ発生機構あるいは高電圧発生装置を装備させる必要があるため、装置構成が大型化・複雑化するという問題がある。また装置の制御も複雑となり、制御するべきパラメータが多く、最適な条件で安定して成膜することは困難であることが予想される。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、簡素な構成でより容易に、比較的大粒子径の微粒子を基材上に堆積させることができる成膜方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る成膜方法は、母材の表面に、上記母材よりも搬送経路の材質に対して帯電し易い被覆層が形成された微粒子を密閉容器に収容することを含む。
上記密閉容器にガスを導入することによって、上記微粒子のエアロゾルが生成される。
上記密閉容器に接続され先端部にノズルを有する搬送管を介して、上記微粒子は上記搬送管の内面との摩擦で帯電させられつつ、前記密閉容器よりも低圧に維持された成膜室に前記エアロゾルが搬送される。
上記エアロゾルは上記ノズルから噴射され、上記成膜室に収容された基材上に、帯電した上記微粒子が堆積させられる。
本発明の一実施形態に用いられるエアロゾル化ガスデポジション装置の構成を示す概略図である。 上記エアロゾル化ガスデポジション装置の動作を説明する概略図である。
本発明の一実施形態に係る成膜方法は、母材の表面に、上記母材よりも搬送経路の材質に対して帯電し易い被覆層が形成された微粒子を密閉容器に収容することを含む。
上記密閉容器にガスを導入することによって、上記微粒子のエアロゾルが生成される。
上記密閉容器に接続され先端部にノズルを有する搬送管を介して、上記微粒子は上記搬送管の内面との摩擦で帯電させられつつ、前記密閉容器よりも低圧に維持された成膜室に前記エアロゾルが搬送される。
上記エアロゾルは上記ノズルから噴射され、上記成膜室に収容された基材上に、帯電した上記微粒子が堆積させられる。
上記成膜方法は、搬送管によるエアロゾルの搬送時において、微粒子と、搬送経路(ノズルの内面及び搬送管の内面)との衝突により、微粒子の表面に静電気を発生させ、帯電させた微粒子を基材上へ堆積させる。微粒子の帯電量が大きいほど、膜の緻密性が高まり、成膜速度が向上する。
堆積した微粒子の余剰電荷は成膜室内の空間中に放出され、放出電荷の量によっては顕著な発光を伴う。この発光現象は主にプラズマに由来しており、電気の良導体であるプラズマを介して成膜室側から微粒子へ電子が供給されることで、微粒子間の結合が高まり密着性が向上する。これにより比較的大粒子径の微粒子でも容易に膜形成することができる。
上記成膜方法に使用される微粒子は、母材の表面に、当該母材よりも搬送経路の材質に対して帯電し易い被覆層が形成されている。これにより比較的帯電しにくい母材の微粒子であっても、安定した膜形成が可能となる。
微粒子としては、上記母材がLiCoO2、SrTiO3、ZnO等の金属酸化物で構成される場合、上記被覆層は、例えば、Nb、Ba、Sc、Ca等で構成される。これによりLiCoO2、SrTiO3、ZnO等の金属酸化物薄膜を安定に成膜することができる。
一実施形態として、上記ノズルは、金属材料で構成される。この場合、微粒子の被覆層は、ノズルを構成する金属材料よりも仕事関数の小さい金属材料で構成されることにより、微粒子はプラス電荷に帯電する。このように仕事関数の異なる金属材料でノズルおよび被覆層をそれぞれ構成することで、微粒子を安定に帯電させることができる。
微粒子の被覆層の厚みは特に限定されない。被覆層は、母材の全表面を被覆する場合に限られず、母材の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。被覆層は、例えば10nm以上の厚みで形成されることで、微粒子の帯電効果が得られる。また被覆層は、例えば30nm以上の厚みで形成されることで、成膜速度の向上を図りつつ、安定した成膜を確保することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエアロゾル化ガスデポジション装置1(以下、AGD装置1)の概略構成を示す図である。
同図に示すように、AGD装置1は、エアロゾル化容器2(密閉容器)と、成膜チャンバ3(成膜室)と、排気系4と、ガス供給系5と、搬送管6とを具備する。エアロゾル化容器2と成膜チャンバ3はそれぞれ独立した室を形成し、各室の内部空間は搬送管6によって相互に接続されている。排気系4は、エアロゾル化容器2と成膜チャンバ3とに接続され、ガス供給系5は、エアロゾル化容器2に接続されている。また、エアロゾル化容器2にはエアロゾル原料Pが収容され、成膜チャンバ3には基材Sが収容されている。
エアロゾル化容器2は、エアロゾル原料Pを収容し、その内部でエアロゾルが生成される。エアロゾル化容器2は、接地電位に接続され、密閉可能な構造を有し、また、エアロゾル原料Pを出し入れするための図示しない蓋部を有する。エアロゾル化容器2は、排気系4及びガス供給系5に接続されている。AGD装置1は、エアロゾル原料Pを攪拌するためにエアロゾル化容器2を振動させる振動機構、あるいはエアロゾル原料Pを脱気(水分等の除去)させるために加熱する加熱手段が設けられていてもよい。
成膜チャンバ3は、内部に基材Sを収容する。成膜チャンバ3は内部の圧力を維持することが可能に構成されている。成膜チャンバ3は、排気系4に接続されている。また、成膜チャンバ3には、基材Sを保持するためのステージ7と、ステージ7を移動させるためのステージ駆動機構8が設けられている。ステージ7は、成膜前に基材Sを脱気させるために基材Sを加熱する加熱手段を有していてもよい。また、成膜チャンバ3には、内部の圧力を指示する真空計が設けられてもよい。成膜チャンバ3及びステージ7は、接地電位に接続されている。
排気系4は、エアロゾル化容器2及び成膜チャンバ3を真空排気する。排気系4は、真空配管9と、第1バルブ10と、第2バルブ11と、真空ポンプ12とを有する。真空ポンプ12に接続された真空配管9は分岐され、エアロゾル化容器2と成膜チャンバ3に接続されている。
第1バルブ10は真空配管9の分岐点とエアロゾル化容器2の間の真空配管9上に配置され、エアロゾル化容器2の真空排気を遮断することが可能に構成されている。第2バルブ11は真空配管9の分岐点と成膜チャンバ3の間の真空配管9上に配置され、成膜チャンバ3の真空排気を遮断することが可能に構成されている。真空ポンプ12の構成は特に限定されず、複数のポンプユニットからなるものとしてもよい。真空ポンプ12は例えば、直列に接続されたメカニカルブースターポンプとロータリーポンプとすることができる。
ガス供給系5は、エアロゾル化容器2に、エアロゾル化容器2の圧力を規定し、かつ、エアロゾルを形成するためのキャリアガスを供給する。キャリアガスには、例えば、N、Ar、He、O2、乾燥空気(エア)等が用いられる。
ガス供給系5は、ガス配管13と、ガス源14と、第3バルブ15と、ガス流量計16と、ガス噴出体17とを有する。ガス源14とガス噴出体17とはガス配管13によって相互に接続され、ガス配管13上に第3バルブ15及びガス流量計16が配置されている。ガス源14は、例えばガスボンベであり、キャリアガスを供給する。ガス噴出体17は、エアロゾル化容器2内に配置され、ガス配管13から供給されたキャリアガスを均一に噴出させる。ガス噴出体17は、例えば、ガス噴出孔が多数設けられた中空体とすることができ、エアロゾル原料Pに被覆される位置に配置されることによりエアロゾル原料Pを有効に巻き上げ、エアロゾル化させることが可能となる。ガス流量計16は、ガス配管13中を流通するキャリアガスの流量を指示する。第3バルブ15は、ガス配管13中を流通するキャリアガスの流量を調節し、あるいは遮断することが可能に構成されている。
搬送管6は、エアロゾル化容器2内で形成されたエアロゾルを成膜チャンバ3内に搬送する。搬送管6の一端はエアロゾル化容器2に接続される。搬送管6は、他端に設けられたノズル18を有する。
ノズル18は、小径の丸孔あるいはスリット状の開口を有する。例えばノズル18の開口径によってエアロゾルの噴出速度を規定することができる。ノズル18は、基材Sに対向する位置に設けられる。ノズル18はまた、エアロゾルの基材Sに対する噴出距離あるいは噴出角度を規定するためにノズル18の位置及び角度を規定する、図示しないノズル可動機構に接続されている。搬送管6及びノズル18は、接地電位に接続される。
ノズル18は、例えばステンレス鋼等の金属材料で構成される。エアロゾルが通過するノズル18の通路内面は、超硬材料で被覆されてもよく、これによりエアロゾルを構成する微粒子との衝突による摩耗を抑制し、耐久性を高めることができる。上記超硬材料としては、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が挙げられる。
搬送管6の内面は、導電体で形成されている。典型的には、搬送管6はステンレス管等の直線的な金属管が用いられる。搬送管6の長さ、内径は適宜設定可能であり、例えば長さは300mm〜1000mm、内径は4.5mm〜24mmである。
ノズル18の開口形状は、円形でもよいしスロット状でもよい。本実施形態では、ノズル18の開口形状はスロット状であり、その長さが幅の10倍以上1000倍以下の大きさを有する。開口の長さと幅との比が10倍未満の場合、ノズル内部で粒子を効果的に帯電させることが困難である。また開口の長さと幅との比が1000倍を超えると、粒子の帯電効率は高められるが、微粒子の噴射量が制限され成膜レートの低下が顕著となる。ノズル開口部の長さと幅との比は、好ましくは、20倍以上800倍以下、さらに好ましくは、30倍以上400倍以下である。
基材Sは、ガラス、金属、セラミックス、シリコン基板等で構成される。上述のように、AGD法は常温で成膜が可能であり、また、化学的プロセスを経ない物理的成膜法であるため、幅広い材料を基材として選択することが可能である。また、基材Sは平面的なものに限られず、立体的なものであってもよい。
AGD装置1は、以上のように構成される。なお、AGD装置1の構成は上述のものに限られない。例えば、エアロゾル化容器2に接続された、ガス供給系5とは別系統のガス供給機構を設けることも可能である。上述の構成では、ガス供給系5によって供給されるキャリアガスによって、エアロゾル化容器2の圧力が調整されるとともに、エアロゾル原料Pが巻き上げられてエアロゾルが形成される。なお、当該別系統のガス供給手段から圧力調節を担うガスを別途供給することにより、エアロゾルの形成状態(形成量、主に巻き上げられる粒子径等)とは独立にエアロゾル化容器2内の圧力を調節することが可能である。
エアロゾル原料Pは、エアロゾル化容器2内でエアロゾル化され、基材S上に成膜される。エアロゾル原料Pは、成膜すべき材料の微粒子で構成される。エアロゾル原料Pとしては、エアロゾルの搬送経路をそれぞれ構成する搬送管6の内面とノズル18の内面との衝突により帯電する性質を有する微粒子が用いられる。
このような微粒子として本実施形態では、母材の表面に、当該母材よりもエアロゾルの搬送経路の材質に対して帯電し易い被覆層が形成された微粒子が用いられる。上記母材は、例えば、LiCoO2、SrTiO3、LiNiO2、ZnO等の金属酸化物で構成される。上記被覆層は、例えば、Nb、Ba、Sc、Ca等の金属、あるいは、NbOx、BaOx、CaOx、ScOx等の金属酸化物で構成され、母材の種類に応じて選択される。
微粒子に付与される静電気の極性は、帯電列あるいは仕事関数の大きさによって決まる。本実施形態において被覆層は、ノズルを構成する金属材料よりも仕事関数の小さい金属材料で構成される。このため、微粒子(エアロゾル原料P)はプラス電荷に帯電する。このように仕事関数の異なる金属材料でノズルおよび被覆層をそれぞれ構成することで、微粒子を安定に帯電させることができる。
微粒子の被覆層の厚みは特に限定されない。被覆層は、母材の全表面を被覆できる厚みで形成される場合に限られない。被覆層は10nm以上の厚みで形成されることで、微粒子の帯電効果が得られる。また被覆層は、30nm以上の厚みで形成されることで、成膜速度の向上を図りつつ、安定した成膜を確保することができる。
エアロゾル原料Pの粒子径は特に限定されないが、例えば0.5μm以上10μm以下の平均粒子径(D50)を有する微粒子が適用可能である。
続いて、図2を参照して本実施形態の成膜方法について説明する。図2は、AGD装置1の動作を説明する概略図である。以下、AGD装置1を用いたコバルト酸リチウム(LiCoO2)の成膜方法について説明する。
エアロゾル化容器2内に所定量のエアロゾル原料P(LiCoO2粉末)を収容する。なお、事前にエアロゾル原料Pを加熱し、脱気処理をしてもよい。また、エアロゾル原料Pが収容されている状態でエアロゾル原料Pを脱気するために、エアロゾル化容器2を加熱してもよい。エアロゾル原料Pを脱気することにより、LiCoO2微粒子が水分により凝集し、あるいは薄膜に不純物が混入することを防止することが可能である。
次に、排気系4によりエアロゾル化容器2及び成膜チャンバ3を真空排気する。
真空ポンプ12が運転されている状態で、第1バルブ10及び第2バルブ11を開放し、エアロゾル化容器2及び成膜チャンバ3を十分に圧力が低下するまで真空排気する。エアロゾル化容器2が十分に減圧されたら、第1バルブ10を閉止する。なお、成膜チャンバ3は、成膜中は真空排気されている。
次に、ガス供給系5によりエアロゾル化容器2にキャリアガスを導入する。第3バルブ15を開放し、キャリアガスをガス噴出体17からエアロゾル化容器2内に噴出させる。エアロゾル化容器2内に導入されたキャリアガスにより、エアロゾル化容器2内の圧力は上昇する。また、ガス噴出体17から噴出されたキャリアガスにより、図2に示すようにエアロゾル原料Pが巻き上げられ、エアロゾル化容器内に浮遊し、キャリアガス中にエアロゾル原料Pが分散したエアロゾル(図2にAで示す)が形成される。生成されたエアロゾルは、エアロゾル化容器2と成膜チャンバ3の圧力差により、搬送管6に流入し、ノズル18から噴出される。第3バルブ15の開度を調節することにより、エアロゾル化容器2と成膜チャンバ3の圧力差及び、エアロゾルの形成状態が制御される。
ノズル18から噴出されるエアロゾル(図2にA’で示す)は、エアロゾル化容器2と成膜チャンバの圧力差及びノズル18の開口径によって規定される流速を持って噴出される。このエアロゾルは、基材Sの表面あるいは既成の膜上に到達し、エアロゾルに含まれるエアロゾル原料P、即ち微粒子が基材Sの表面あるいは既成の膜上に衝突する。
基材Sを移動させることにより、基材S上の所定の範囲にLiCoO2薄膜(図2にFで示す)が成膜される。ステージ7をステージ駆動機構8によって移動させることで、ノズル18に対する基材Sの相対位置が変化する。ステージ7を、基材Sの被成膜面に平行な一方向に移動させることにより、ノズル18の開口径と同一の幅を有する線状に薄膜を形成することができる。ステージ7を往復させることにより、既成の膜上にさらに成膜することが可能であり、これにより、所定の膜厚でLiCoO2薄膜を形成することができる。また、ステージ7を2次元的に移動させることにより、所定の領域に薄膜が形成される。ノズル18の基材Sの被成膜面に対する角度は直角でもよく、斜めであってもよい。ノズル18を被成膜面に対して斜向させることにより、成膜品質を低下させる微粒子の凝集体が付着した場合であっても、その付着物を除去することが可能となる。
本実施形態に係る成膜方法は、エアロゾルAの生成時および搬送管6によるエアロゾルAの搬送時において、原料Pを構成する微粒子同士の衝突あるいは微粒子と搬送管6及びノズル18の内面との衝突により、微粒子の表面に静電気を発生させ、帯電させた微粒子を基材S上へ堆積させる。微粒子の帯電量が大きいほど、膜の緻密性が高まり、成膜速度が向上する。堆積した微粒子の余剰電荷は成膜室内の空間中に放出され、放出電荷の量によっては顕著な発光を伴う。これにより比較的大粒子径の微粒子でも容易に膜形成することができる。
エアロゾルの生成過程における微粒子の帯電操作は、エアロゾル化容器2に導入されるキャリアガスの流速で制御される。微粒子は、キャリアガスによって巻き上げられることでエアロゾル化される。このとき、ガスの流速が大きいほど容器内壁あるいは微粒子同士の衝突頻度が高まり、摩擦による帯電量が増加する。本実施形態ではキャリアガスの流量を3[SLM]以上とすることにより微粒子の帯電確率を高めて、安定した成膜を実現する。
(実施例1)
表面の少なくとも一部を厚み38nmのNb膜で被覆した平均粒子径10μmのLiCoO2粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのLiCoO2粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:4(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコートLiCoO2粉末を用いて、SUS薄板上に、以下の条件でLiCoO2膜を形成した(実施例1−1,1−2,1−3)。
(実施例1−1)
上記Nb(38nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約31kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約290Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚5μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例1−2)
上記Nb(38nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、6L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約51kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約410Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚13μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例1−3)
上記Nb(38nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、9L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約70kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約530Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚16μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。巻き上げ流量に比例して膜厚が増加することが確認された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例2)
表面の少なくとも一部を厚み79nmのNb膜で被覆した平均粒子径10μmのLiCoO2粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのLiCoO2粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:4(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコートLiCoO2粉末を用いて、SUS薄板上に、以下の条件でLiCoO2膜を形成した(実施例2−1,2−2,2−3)。
(実施例2−1)
上記Nb(79nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約31kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約290Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚11μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例2−2)
上記Nb(79nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、6L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約53kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約400Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚28μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例2−3)
上記Nb(79nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、9L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約71kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約530Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚35μm、面積10mm×10mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例3)
表面の少なくとも一部を厚み38nmのNb膜で被覆した平均粒子径10μmのLiCoO2粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのLiCoO2粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:8(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコートLiCoO2粉末を用いて、SUS薄板上に、以下の条件でLiCoO2膜を形成した。
上記Nb(38nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用のアルゴン(Ar)ガスを流量計で調節し、5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約46kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口10mm×0.23mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約280Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×8mmの面積を20層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは15度、成膜時間は約3分とした。
その結果、膜厚3μm、面積10mm×8mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に青白い放電が確認された。
(実施例4)
表面の少なくとも一部を厚み20nmのNb膜で被覆した平均粒子径10μmのLiCoO2粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのLiCoO2粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:8(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコートLiCoO2粉末を用いて、SUS薄板上に、以下の条件でLiCoO2膜を形成した。
上記Nb(20nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用のアルゴン(Ar)ガスを流量計で調節し、5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約46kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口10mm×0.23mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約280Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×8mmの面積を40層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは15度、成膜時間は約6分とした。
その結果、膜厚0.9μm、面積10mm×8mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に青白い放電が確認された。
(実施例5)
表面の少なくとも一部を厚み10nmのNb膜で被覆した平均粒子径10μmのLiCoO2粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのLiCoO2粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:8(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコートLiCoO2粉末を用いて、SUS薄板上に、以下の条件でLiCoO2膜を形成した。
上記Nb(10nm)コートLiCoO2粉末20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用のアルゴン(Ar)ガスを流量計で調節し、5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約46kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口10mm×0.23mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約280Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×8mmの面積を40層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは15度、成膜時間は約6分とした。
その結果、膜厚0.3μm、面積10mm×8mmの黒褐色系のLiCoO2膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に青白い放電がかすかに確認された。
実施例1〜5の成膜条件および結果を表1にまとめて示す。
Figure 2014009368
実施例1,2に示したように、エアロゾル化容器内に導入される巻き上げ用のガスの流量の増加に従って、成膜されるLiCoO2膜の膜厚が増加することが確認された。また、実施例1,2あるいは実施例3〜5に示すように、LiCoO2粉末の表面に形成されるNb膜の厚みを大きくすることによっても成膜されるLiCoO2膜の膜厚が増加することが確認された。
以上のことから、巻き上げガス流量およびNbコート厚みは、搬送管およびノズルを通過する過程で微粒子粉末の帯電を促進し、その結果、成膜されるLiCoO2の厚膜化を実現することが可能となった。また、Nbコートの厚みを20nm以上とすることで、安定した成膜を実現できることが確認された。
(比較例1−1)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径10μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約82kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約290Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を4mm/sとして、10mm×10mmの面積を200層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は12mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例1−2)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径10μm)50gをガラス製エアロゾル化容器に入れ、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約98kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約240Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を5mm/sとして、5mm×15mmの面積を900層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約45分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は約20μm削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例1−3)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径10μm)20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約82kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約290Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例2−1)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)60gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、2L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約24kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約170Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例2−2)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)60gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約31kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約230Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例2−3)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)60gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、4L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約38kPa)のLiCoO2粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約270Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例3−1)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)を3時間ミル処理して得られた粉砕粉20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、2L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約24kPa)のLiCoO2粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約170Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例3−2)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)を3時間ミル処理して得られた粉砕粉20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約30kPa)のLiCoO2粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約230Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例3−3)
Nbコートを施していないLiCoO2粉末(平均粒子径5μm)を3時間ミル処理して得られた粉砕粉20gをアルミナトレーに入れ、大気中300℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのLiCoO2粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、4L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約38kPa)のLiCoO2粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口5mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約270Pa)内のステージに取り付けられた基材(SUS薄板、厚み0.1mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、10mm×10mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では基材上に成膜できないことが確認された。また基材表面は削れており、エアロゾルとの衝突によるものと考えられる。成膜中、放電は確認できなかった。
上記各比較例の成膜条件および結果を表2にまとめて示す。
Figure 2014009368
表2に示したように、上記各比較例の条件では、NbコートのないLiCoO2粉末では成膜が不可能であった。またLiCoO2粉末を微細化しても成膜は不可能であった。その理由は、Nbコートのない微粒子粉末では搬送管およびノズル内を通過する過程で帯電が生じなかったからであると推認される。
(実施例6)
表面の少なくとも一部を厚み20nmのNb膜で被覆した平均粒子径0.8μmのSrTiO3粉をエアロゾル原料を作製した。
NbコートのSrTiO3粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:ニオブ(V)ペンタエトキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:8(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたNbコート SrTiO3粉末を用いて、基材(石英、シリコンウェーハ)上に、以下の条件でSrTiO3膜を形成した(実施例6−1,6−2,6−3,6−4)。
(実施例6−1)
上記Nb(20nm)コートSrTiO3粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約23kPa)のNbコートSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(石英板、厚み0.5mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を6層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約5分とした。
その結果、膜厚3μm、面積30mm×50mmのSrTiO3膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例6−2)
上記Nb(20nm)コートSrTiO3粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約23kPa)のNbコートSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を6層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約5分とした。
その結果、膜厚2μm、面積30mm×50mmのSrTiO3膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例6−3)
上記Nb(20nm)コートSrTiO3粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約23kPa)のNbコートSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を12層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約10分とした。
その結果、膜厚4μm、面積30mm×50mmのSrTiO3膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例6−4)
上記Nb(20nm)コートSrTiO3粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのNbコートのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約23kPa)のNbコートSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を20層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚5μm、面積30mm×50mmのSrTiO3膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
実施例(6−1)〜(6−4)の成膜条件および結果を表3にまとめて示す。
Figure 2014009368
表3に示したように、NbコートSrTiO3粉末を用いてSrTiO3膜を安定に成膜できることが確認された。また、実施例(6−2)〜(6−4)に示すように、積層回数を増加させるに従ってSrTiO3膜の厚みが増加することが確認された。
(比較例4−1)
Nbコートを施していないSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約29kPa)のSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約410Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×30mmの面積を60層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約30分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができず、その厚みは0.1μm未満であることが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例4−2)
Nbコートを施していないSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約29kPa)のSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約410Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×30mmの面積を60層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約30分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例4−3)
Nbコートを施していないSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのSrTiO3粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のSrTiO3粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×30mmの面積を600層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約300分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例5−1)
Nbコートを施していないSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)を3時間ミル処理して得られた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのSrTiO3粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約29kPa)のSrTiO3粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約410Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×30mmの面積を60層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約30分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例5−2)
Nbコートを施していないSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)を3時間ミル処理して得られた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのSrTiO3粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約29kPa)のSrTiO3粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約410Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×30mmの面積を180層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約90分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例6−1)
Nb(20nm)コートSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)3時間ミル処理して得られた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、その粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約22kPa)のSrTiO3粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を10層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約9分とした。
その結果、膜厚6μmのSrTiO3膜が形成されたが、基材との密着力が弱く、基材から膜が剥離しやすかった。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例6−2)
Nb(20nm)コートSrTiO3粉末(平均粒子径0.8μm)3時間ミル処理して得られた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中500℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、その粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のSrTiO3粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×50mmの面積を4層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は15mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約4分とした。
その結果、上記条件では安定した成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。また、膜の密度は低く、圧粉体であった。成膜中、放電は確認できなかった。
上記各比較例の成膜条件および結果を表4にまとめて示す。
Figure 2014009368
表4に示したように、上記各比較例の条件では、NbコートのないSrTiO3粉末では安定した成膜が不可能であった。またNbコート SrTiO3粉末を微細化しても、密着力が高く緻密な膜は得られなかった。その理由は、Nbコートのない(あるいは殆どない)微粒子粉末では搬送管およびノズル内を通過する過程で帯電が生じなかったからであると推認される。
(実施例7)
表面の少なくとも一部を厚み30nmのBa膜で被覆した平均粒子径11.7μmのZnO粉をエアロゾル原料を作製した。
BaコートのZnO粉は、株式会社パウレック製の微粒子コーティング装置「MP-01mini」を使用し、コーティング厚みをコントロールして作製した。コーティング条件は以下のとおりとした。
[コーティング条件]
母液:バリウムイソプロポキシド(アルドリッチ社製)
希釈液:無水エタノール(和光純薬あるいは関東化学社製99%)
母液:希釈液=1:8(重量比)
噴霧速度:2g/min
以上のようにして作製されたBaコートZnO粉末を用いて、シリコンウェーハ上に、以下の条件でZnO膜を形成した(実施例7−1,7−2,7−3)。
(実施例7−1)
上記Ba(30nm)コートZnO粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのBaコートのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約22kPa)のBaコートZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約320Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚2μm、面積30mm×20mmのZnO膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例7−2)
上記Ba(30nm)コートZnO粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのBaコートのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のBaコートZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚2.5μm、面積30mm×20mmのZnO膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
(実施例7−3)
上記Ba(30nm)コートZnO粉末50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのBaコートのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約29kPa)のBaコートZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、膜厚3μm、面積30mm×20mmのZnO膜が形成された。膜質は緻密で、基材との密着力の強い膜(鋭利な金属針で擦っても剥がれない膜)が得られた。また成膜中に赤紫色の放電が確認された。
実施例(7−1)〜(7−3)の成膜条件および結果を表5にまとめて示す。
Figure 2014009368
表5に示したように、BaコートZnO粉末を用いてZnO膜を安定に成膜できることが確認された。また、実施例(7−1)〜(7−3)に示すように、巻き上げ用のガス流量を増加させるに従ってZnO膜の厚みが増加することが確認された。
(比較例7)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径0.6μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、8L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約40kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を5mm/sとして、30mm×8mmの面積を300層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は12mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約8分とした。
その結果、上記条件では成膜ができず、基材が削れることが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例8−1)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径0.6μm)を3時間ミル処理して得られた処理粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、3L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約16kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約170Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を5m/sとして、30mm×8mmの面積を300層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は12mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約8分とした。
その結果、上記条件では成膜ができず、基材が削れる(マイナス1μm)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例8−2)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径0.6μm)を3時間ミル処理して得られた処理粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのZnO粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、2.5L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約72kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約930Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を5mm/sとして、30mm×8mmの面積を1200層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は12mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約32分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例8−3)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径0.6μm)を5時間ミル処理して得られた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのZnO粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のZnO粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約370Pa)内のステージに取り付けられた基材(スライドガラス、厚み1.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を300層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は16mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約100分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例8−4)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径0.6μm)を10時間ミル処理して得れた粉砕粉50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、そのZnO粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のZnO粉砕粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を5mm/sとして、30mm×30mmの面積を1200層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は12mm、基材に対するノズルの傾きは30度、成膜時間は約120分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例9)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径2.2μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、その粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例10)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径5.9μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、その粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
(比較例11)
Baコートを施していないZnO粉末(平均粒子径11.7μm)50gをアルミナトレーに入れ、大気中350℃の温度で1時間以上加熱処理を施した。その後、素早くガラス製エアロゾル化容器に、その粉砕粉を移し替え、10Pa以下まで真空排気した。粉の脱気を促進する目的で、エアロゾル化容器をマントルヒータにより150℃加熱した。
エアロゾル化容器の排気バルブを閉じ、巻き上げ用の窒素(N2)ガスを流量計で調節し、7L/min供給した。エアロゾル化容器内(圧力約27kPa)のZnO粉をエアロゾル化し、搬送管及びノズル(開口30mm×0.3mm)を通して、成膜チャンバ(圧力約360Pa)内のステージに取り付けられた基材(シリコンウェーハ、厚み0.4mm)上に噴射、堆積させた。基材の移動速度を1mm/sとして、30mm×20mmの面積を50層積層成膜した。ノズルギャップ(ノズル−基材間距離)は10mm、基材に対するノズルの傾きは30度、基材成膜時間は約17分とした。
その結果、上記条件では成膜ができない(膜厚0.1μm未満)ことが確認された。成膜中、放電は確認できなかった。
上記各比較例の成膜条件および結果を表6にまとめて示す。
Figure 2014009368
表6に示したように、上記各比較例の条件では、BaコートのないZnO粉末では安定した成膜が不可能であった。その理由は、Baコートのない(あるいは殆どない)微粒子粉末では搬送管およびノズル内を通過する過程で帯電が生じなかったからであると推認される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変更が可能である。
例えば以上の実施形態では、原料微粒子粉末の母材としてLiCoO2、SrTiO3、ZnO粉末を例に挙げて説明したが、これに限られず、例えばLiNiO2粉末等が用いられてもよい。この場合、NB、Ba、Ca、Sc等の金属あるいはそれらの酸化物をコートした原料粉末を用いて、成膜を行ってもよい。
1 エアロゾル化ガスデポジション装置(AGD装置)
2 エアロゾル化容器
3 成膜チャンバ
6 搬送管
18 ノズル
S 基材

Claims (5)

  1. 母材の表面に、前記母材よりも搬送経路の材質に対して帯電し易い被覆層が形成された微粒子を密閉容器に収容し、
    前記密閉容器にガスを導入することによって、前記微粒子のエアロゾルを生成し、
    前記密閉容器に接続され先端部にノズルを有する搬送管を介して、前記微粒子を前記搬送管の内面との摩擦で帯電させつつ、前記密閉容器よりも低圧に維持された成膜室に前記エアロゾルを搬送し、
    前記ノズルから前記エアロゾルを噴射し、前記成膜室に収容された基材上に、帯電した前記微粒子を堆積させる
    成膜方法。
  2. 請求項1に記載の成膜方法であって、
    前記母材は金属酸化物で構成され、
    前記被覆層は金属材料で構成される
    成膜方法。
  3. 請求項1又は2に記載の成膜方法であって、
    前記ノズルは金属材料で構成され、
    前記被覆層は、前記ノズルよりも仕事関数の小さい金属材料で構成される
    成膜方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の成膜方法であって、
    前記母材は、LiCoO2、SrTiO3およびZnOのいずれか1つで構成され、
    前記被覆層は、Nb、Ba、CaおよびScのいずれか1つで構成される
    成膜方法。
  5. 請求項4に記載の成膜方法であって、
    前記被覆層は、10nm以上の厚みで形成される
    成膜方法。
JP2012145311A 2012-06-28 2012-06-28 成膜方法 Active JP6002888B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145311A JP6002888B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 成膜方法
KR1020130074205A KR101497811B1 (ko) 2012-06-28 2013-06-27 성막 방법
US13/930,328 US9034438B2 (en) 2012-06-28 2013-06-28 Deposition method using an aerosol gas deposition for depositing particles on a substrate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145311A JP6002888B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 成膜方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014009368A true JP2014009368A (ja) 2014-01-20
JP6002888B2 JP6002888B2 (ja) 2016-10-05

Family

ID=49778435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012145311A Active JP6002888B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 成膜方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9034438B2 (ja)
JP (1) JP6002888B2 (ja)
KR (1) KR101497811B1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2960359A1 (en) 2014-06-25 2015-12-30 Fuchita Nanotechnology Ltd. Deposition method, deposition apparatus, and structure
JP2016130350A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コーティング膜を備える構造体およびその製造方法
JP2020131163A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 有限会社 渕田ナノ技研 エアロゾル生成装置及びこれを備えた成膜装置
KR20210127066A (ko) 2020-04-13 2021-10-21 유겐가이샤 후치타 나노 기켄 성막 장치

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014110008A1 (de) * 2014-07-16 2016-01-21 Infineon Technologies Ag Träger, Halbleitermodul und Verfahren zu deren Herstellung
BR112018074918A2 (pt) 2016-06-01 2019-03-12 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University sistema e métodos para deposição por spray de revestimentos particulados
CN108170949B (zh) * 2017-12-27 2020-09-01 西安电子科技大学 流场模型中不同温度下碰撞频率的计算方法
CN108355855B (zh) * 2018-03-23 2020-05-29 德淮半导体有限公司 增粘剂涂布装置
EP3899137A1 (en) * 2018-12-17 2021-10-27 Borregaard AS Spraying of microfibrillated cellulose
WO2023042977A1 (ko) * 2021-09-17 2023-03-23 아이원스 주식회사 플라즈마 분말 증착 장치 및 그를 이용한 증착 방법
CN114603764B (zh) * 2022-03-11 2024-06-04 深圳市建泰盛硅橡胶有限公司 一种生产橡胶锤的加工设备

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5834218B2 (ja) * 1979-02-15 1983-07-25 フオセコ・インタ−ナシヨナル・リミテツド 溶融金属と接触する消耗性基質の被覆
JPH08170032A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Tomoegawa Paper Co Ltd 粉体塗料、その製造方法、およびそれを使用した粉体塗装方法
WO2012081053A1 (ja) * 2010-12-15 2012-06-21 有限会社渕田ナノ技研 成膜方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1069423A (en) * 1963-04-29 1967-05-17 Aerostyle Ltd Method and apparatus for electrostatically coating articles with powder
JP4075716B2 (ja) 2003-07-16 2008-04-16 Toto株式会社 複合構造物作製装置
JP4371884B2 (ja) 2004-03-31 2009-11-25 富士通株式会社 エアロゾルデポジション装置
JP5057457B2 (ja) * 2007-01-05 2012-10-24 独立行政法人産業技術総合研究所 磁気光学材料及びその製造方法
WO2009028569A1 (ja) * 2007-08-29 2009-03-05 Asahi Glass Company, Limited 導電体層の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5834218B2 (ja) * 1979-02-15 1983-07-25 フオセコ・インタ−ナシヨナル・リミテツド 溶融金属と接触する消耗性基質の被覆
JPH08170032A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Tomoegawa Paper Co Ltd 粉体塗料、その製造方法、およびそれを使用した粉体塗装方法
WO2012081053A1 (ja) * 2010-12-15 2012-06-21 有限会社渕田ナノ技研 成膜方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2960359A1 (en) 2014-06-25 2015-12-30 Fuchita Nanotechnology Ltd. Deposition method, deposition apparatus, and structure
KR20160000825A (ko) 2014-06-25 2016-01-05 유겐가이샤 후치타 나노 기켄 성막 방법, 성막 장치 및 구조체
US9752227B2 (en) 2014-06-25 2017-09-05 Fuchita Nanotechnology Ltd. Deposition method
US10266938B2 (en) 2014-06-25 2019-04-23 Fuchita Nanotechnology Ltd. Deposition method, deposition apparatus, and structure
JP2016130350A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コーティング膜を備える構造体およびその製造方法
JP2020131163A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 有限会社 渕田ナノ技研 エアロゾル生成装置及びこれを備えた成膜装置
JP7161197B2 (ja) 2019-02-25 2022-10-26 有限会社 渕田ナノ技研 エアロゾル生成装置及びこれを備えた成膜装置
KR20210127066A (ko) 2020-04-13 2021-10-21 유겐가이샤 후치타 나노 기켄 성막 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6002888B2 (ja) 2016-10-05
US20140004260A1 (en) 2014-01-02
KR20140003336A (ko) 2014-01-09
US9034438B2 (en) 2015-05-19
KR101497811B1 (ko) 2015-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6002888B2 (ja) 成膜方法
JP5669328B2 (ja) 成膜方法
CN109256326B (zh) 等离子体处理装置用部件及其喷镀方法
WO2010128572A1 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
US10266938B2 (en) Deposition method, deposition apparatus, and structure
KR20170004519A (ko) 나노구조 형성장치
JP5649026B2 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP5649023B2 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP4613048B2 (ja) 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置
JP5242062B2 (ja) ハイドロキシアパタイト粒子分散金属膜及びその形成方法
JP4613056B2 (ja) 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置および成膜方法
JP2006131929A (ja) 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置および成膜方法
JP2024077127A (ja) 成膜方法
US20210316330A1 (en) Deposition device
JP7161197B2 (ja) エアロゾル生成装置及びこれを備えた成膜装置
KR20130041415A (ko) 관형의 수소분리막모듈 및 그 제조방법
JP2000256830A (ja) ガスデポジション装置および方法
JP2011102428A (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP2000256834A (ja) ガスデポジション装置および方法
KR20150146160A (ko) 균일 미세분말 연속 공급장치
JP2000256828A (ja) ガスデポジション装置および方法
KR20130075508A (ko) Rf 플라즈마를 이용한 몰리브덴 금속타겟 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6002888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250