JP2009256454A - プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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憲二 増田
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【課題】剛性と実用上の衝撃強度に多くの場合相関性が高い面衝撃強度の物性バランスやウェルド外観に優れるとともに、経済性にも富んだプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の提供。
【解決手段】(A)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(a)60〜95重量%とエチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)5〜40重量%からなり、特定のMFR等を有するプロピレン系ブロック共重合体(I)25〜96重量%、(B)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(c)25〜70重量%とプロピレン・エチレン共重合体成分(d)30〜75重量%からなり、特定のMFR、融点等を有するプロピレン系ブロック共重合体(II)3〜30重量%および(C)無機フィラー成分1〜45重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体に関し、詳しくは、メタロセン系触媒を用いて重合される、異なる2種のプロピレン系ブロック共重合体と、無機フィラーを含む組成物からなる、物性バランスおよびウェルド外観に優れるプロピレン系樹脂組成物およびその成形体に関するものである。
プロピレン系樹脂組成物は、工業部品分野における各種成形体、例えば、バンパー、サイドモール、インストルメントパネルなどの自動車部品、テレビなどの家電機器製品の部品などとして、その優れた成形性、機械的強度、環境問題適応性や経済性の特徴を活かし、多く実用に供されてきている。なかでも自動車分野での成形体は、大型化、デザインの複雑化や無塗装化が進みつつあり、それに伴いプロピレン系樹脂組成物およびその成形体には、高度な物性バランス(剛性と面衝撃強度)の発現に加え、製品価値を一層高めるべく、ウェルド外観(樹脂の流れ突き合わせ部分の線状模様)について、一段と改善させ、目立ち難くすることが求められている。
プロピレン系樹脂組成物の物性バランスの高度化には、剛性と衝撃強度の相反する両特性を共に向上させる必要があり、例えば、プロピレン重合体においては、メタロセン系触媒によって、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造して、剛性と衝撃強度をバランスよく向上させようとする試みも多数なされており、専ら結晶性プロピレン単独重合体または少量のエチレンとの共重合体およびプロピレン−エチレン共重合体を二段重合で製造する手法が用いられる(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
さらに、メタロセン系触媒を用いて、プロピレン−エチレン共重合体の相溶化剤成分を含み、物性バランスに優れたプロピレン系樹脂組成物を、少なくとも三段の重合により製造する試みがなされて提示されている(例えば、特許文献5参照)。
また、組成分布の狭いゴム状共重合体をブレンドすることなくメタロセン系など特定成分含有触媒系を用いて、物性バランスに優れたプロピレン/エチレン・α−オレフィン共重合体を得る手法が用いられている(例えば、特許文献6、7参照)。
一方、剛性水準の向上には、タルクなど無機フィラーを添加する手法が多く用いられる。さらに、衝撃強度水準の向上には、エチレン−プロピレンゴム(EPR)や、エチレン−ブテンゴム(EBR)、ポリスチレン−エチレン/ブテン−ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)、エチレン−オクテンゴム(EOR)などのゴム成分、エラストマーを添加する手法が用いられている(例えば、特許文献8参照。)。
また、メタロセン系媒を用いたプロピレン系重合体に、エラストマーや無機フィラーを添加して剛性と衝撃強度のバランスを向上する手法が用いられている(例えば、特許文献9参照)。
ウェルド外観の向上化に関しては、特定のプロピレン系樹脂に、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(エラストマー)、高密度ポリエチレンなどと、無機フィラーを配合した組成物が開示されている(例えば、特許文献10、11、12、13参照)。
しかしながら、これらのプロピレン系樹脂組成物は、物性バランスやウェルド外観の向上がある程度達成されているものの、成形体の大型化やデザインの複雑化、薄肉化が益々進むに連れ、実用上の衝撃強度に多くの場合、相関性が高い面衝撃強度を含めたこれらの性能バランスを高い水準で発現するには、未だ不充分である。
特開平4−337308号公報 特開平5−202152号公報 特開平6−172414号公報 特開平8−67783号公報 WO95/27741号公報 特開平9−316147号公報 特開平10−158351号公報 特開平11−29669号公報 特開平10−1573号公報 特開平10−7851号公報 特開2000−26697号公報 特開2006−124520号公報 特開2006−193643号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、剛性と実用上の衝撃強度に多くの場合相関性が高い面衝撃強度の物性バランスやウェルド外観に優れるとともに、経済性にも富んだプロピレン系樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、種々の研究を重ねた結果、メタロセン系触媒を用いて重合される、異なる2種のプロピレン系ブロック共重合体と、無機フィラーを、特定の比率で配合することにより得られたプロピレン系樹脂組成物が、剛性と実用上の衝撃強度に多くの場合相関性が高い面衝撃強度の物性バランスに優れるとともに、射出成形や射出圧縮成形などの際のウェルド外観に優れる性能を備え、さらに経済性にも富んでいることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(a)とエチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)からなり、下記の特性1)〜6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体(I)25〜96重量%、(B)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(c)とプロピレン・エチレン共重合体成分(d)からなり、下記の特性7)〜12)を満たすプロピレン系ブロック共重合体(II)3〜30重量%および(C)無機フィラー成分1〜45重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
特性1)結晶性プロピレン重合体成分(a)60〜95重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)5〜40重量%とからなること。
特性2)結晶性プロピレン重合体成分(a)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
特性3)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のα−オレフィン炭素数が4〜20であること。
特性4)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のエチレン含量が50〜95重量%であること。
特性5)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量が10万〜100万であること。
特性6)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
特性7)結晶性プロピレン重合体成分(c)25〜70重量%と、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)30〜75重量%とからなること。
特性8)結晶性プロピレン重合体成分(c)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
特性9)結晶性プロピレン重合体成分(c)の示差走査熱量測定(DSC)によって得られる融点が、156℃以上であること。
特性10)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)のエチレン含量が、15〜30重量%であること。
特性11)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の重量平均分子量が、25万〜100万であること。
特性12)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上記メタロセン系触媒が、成分(i)下記一般式[I]で示されるメタロセン錯体、成分(ii)助触媒(活性化成分)、必要に応じて使用する成分(iii)有機アルミニウム化合物、および成分(iv)担体からなることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
Figure 2009256454
(一般式[I]中において、A及びAは、共役五員環配位子〔同一化合物内ではAおよびAは同一でも異なっていてもよい〕を示し、結合性基Qに結合していない共役五員環の炭素は置換基を有してもよく、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、周期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは、それぞれ独立してMと結合した、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明のプロピレン系樹脂組成物を、射出成形または射出圧縮成形にて成形したことを特徴とする成形体が提供される。
本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いることにより、射出成形や射出圧縮成形などにおいて、高度な物性バランス(剛性と実用上の衝撃強度に多くの場合相関性が高い面衝撃強度)に加え、製品価値を一層高めるウェルド外観も良好な成形体を、より経済的に得ることが出来る。
本発明は、成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)、成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)、および成分(C)無機フィラーの各成分を含有するプロピレン系樹脂組成物およびその成形体である。以下、プロピレン系樹脂組成物の各成分、プロピレン系樹脂組成物の製造、成形体について詳細に説明する。
[I]プロピレン系樹脂組成物の構成成分
1.成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられる成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)は、メタロセン系触媒を用いて重合される、下記の特性1)〜6)を有するプロピレン系ブロック共重合体である。
特性1)結晶性プロピレン重合体成分(a)60〜95重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)5〜40重量%とからなること。
特性2)結晶性プロピレン重合体成分(a)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
特性3)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のα−オレフィン炭素数が4〜20であること。
特性4)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のエチレン含量が50〜95重量%であること。
特性5)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量が10万〜100万であること。
特性6)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
(1)重合触媒
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられる成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の製造に当っては、好ましくは担持型のメタロセン系触媒が用いられる。メタロセン触媒などのシングルサイト触媒は、チーグラー系触媒に比して、触媒活性が高く、生成重合体の分子量分布が狭く、共重合体では組成分布が均一となるなど、プロピレン系ブロック共重合体を製造するには、優れた触媒である。シングルサイト触媒としてのメタロセン系触媒による重合方法を選択するのが好ましい。
また、メタロセン触媒を担持型とすることによって、得られるポリマーが粒子状となり、反応器への付着やポリマー同士での融着が無くなるとともに、重合後の気力移送が可能となるという効果が得られる。また気相重合が可能となる。
すなわち、プロピレン系ブロック共重合体中のゴム成分の分散形態の均一性が高いなどのため、後述の成分(B)〜(C)等の複合成分との混練分散性に優れる。例えば、ペレット化せずにこの重合体と複合成分を直接ブレンドするなどの場合、より分散性を高める為には、重合体の形状や大きさを、粉体や小粒子体で、概ね3mm径以下にするのが好ましく、そのためには、担持型のメタロセン系触媒を用いて重合するのが好ましい。
担持型のメタロセン触媒の種類は、本発明の性能を有する共重合体を生成できる限りは、特に限定はされるものではないが、本発明の要件を満たすために、例えば、下記に説明する、成分(i)メタロセン錯体、成分(ii)助触媒(活性化成分)、必要に応じて使用する成分(iii)有機アルミニウム化合物、成分(iv)担体からなるメタロセン系触媒を用いることが好ましい。
成分(i)メタロセン錯体
本発明において主として使用されるメタロセン錯体は、次式で示されるものである。
Figure 2009256454
一般式[I]中において、A及びAは、共役五員環配位子〔同一化合物内ではAおよびAは同一でも異なっていてもよい〕を示し、結合性基Qに結合していない共役五員環の炭素は置換基を有してもよく、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、周期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは、それぞれ独立してMと結合した、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。
上記の共役五員環配位子の典型例としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることができる。このシクロペンタジエニル基は、水素原子を4個有するものであってもよく、また、上記した通り、その水素原子の幾つかが置換基で置換されているものであってもよい。上記の置換基の1つの具体例は、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15の炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニルカルビル基などが挙げられる。上記の炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、その置換基の末端で2種が結合して縮合環を形成してもよい。縮合環を形成したシクロペンタジエニル基の典型例としては、インデン、フルオレン、アズレンなどの化合物やその誘導体である。これらの中でも、インデン、アズレンやその誘導体がさらに好ましい。
上記の炭化水素基以外の置換基としては、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素基が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニル硼素基、ジメトキシ硼素基、チエニル基などが挙げられる。その他の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型的例としては、塩素、臭素、沃素、フッ素、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわち、Qは2価の結合性基であり、A及びAとを架橋する。
Qの種類は、特に制限されないが、その具体例としては、(a)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレンなどの不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、(b)シリレン基又はオリゴシリレン基、(c)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を置換基として有するシリレン基又はオリゴシリレン基、(d)ゲルミレン基、(e)炭素数が通常1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基などが挙げられる。
これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
Mは、周期律表(短周期型)4〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの4族遷移金属、さらに好ましくは、ジルコニウム又はハフニウムである。
X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。
上記の各炭化水素基における炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好ましい。
上記のような化合物におけるX及びY部分をなすジクロリドの一方または双方が、水素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、フルオロフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などに代わった化合物も例示することができる。また、先に例示した化合物の中心金属がジルコニウムやハフニウムの代わりに、チタン、タンタル、ニオブ、バナジウム、タングステン、モリブデンなどに代わった化合物も例示することができる。
これらの中では、ジルコニウム、チタン、ハフニウムの4族遷移金属化合物が好ましい。
これら(i)成分は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、重合の第一段階終了時や第二段階の重合開始前に、新たに(i)成分を追加してもよい。
さらに、成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の製造に際しては、プロピレン重合において、ある程度以上の立体規則性重合が可能なものが必要とされる。また、その第2工程で、エチレンに対して高い活性を示すことに加えて、炭素数4以上のα−オレフィンとの高い共重合性を示すものが好ましい。
以上の観点で、二つのシクロペンタジエニル誘導体部分を架橋した構造を有しているものが好ましく、さらに、好ましくは下記一般式で表される成分(i−1)架橋ビスインデニル錯体、下記一般式で表される成分(i−2)架橋シクロペンタジエニル−インデニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−フルオレニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−ヒドロアズレニル錯体、さらに、下記一般式で表される成分(i−3)架橋ビスヒドロアズレニル錯体、架橋ヒドロアズレニル−インデニル錯体等が挙げられる。
成分(i−1):下記一般式(II)で表される架橋ビスインデニル錯体
Figure 2009256454
式(II)中、R11及びR12は同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基を表す。但し、R11及びR12のうち少なくとも1つは、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基である。R13及びR14は同じでも異なってもよく、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン含有アリール基又は炭素数6〜20のケイ素含有アリール基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYはそれぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。また、Mは周期律表第4族の遷移金属を表す。
これらのメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(2)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(3)ジクロロ ジフェニルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(4)ジクロロ ジメチルゲルミレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(5)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(6)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(7)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(8)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(9)ジクロロ ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(10)ジクロロ ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(11)ジクロロ ジフェニルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
(12)ジクロロ ジメチルゲルミレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム
成分(i−2):下記一般式(III)で表される架橋シクロペンタジエニル−インデニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−フルオレニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−ヒドロアズレニル錯体
Figure 2009256454
式(III)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を表す。ただし、R21、R22、R23及びR24のいずれか1つ以上は、水素原子以外の置換基であり、かつ、隣接するR21、R22、R23及びR24は、互いに環を形成しない構造であり、R25及びR26は、環を形成してもよい構造である。nは0〜3であり、R28は、炭素数3〜6の二価の炭化水素基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
これらのメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(2)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(3)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(4)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(5)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(6)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(7)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(8)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(9)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(10)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(11)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(12)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(13)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(4−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}ハフニウム
(14)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウム
(15)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウム
(16)ジクロロ{ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニル}ハフニウム
(17)ジクロロ{ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニル}ハフニウム
(18)ジクロロ{ジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)}ハフニウム
成分(i−3):下記一般式(IV)で表される架橋ビスヒドロアズレニル錯体、架橋ヒドロアズレニル−インデニル錯体
Figure 2009256454
式(IV)中、R31、R32、R34及びR35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。R33及びR36は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R33及びR36の少なくとも一方の炭素数は、5〜8であり、R33又はR36由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R37同士またはR38同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を示し、X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期表4族の遷移金属を示す。
これらのメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(7)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(9)ジクロロ{1,1’−シラフルオレンビス(2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(10)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(11)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の製造に際しては、以上の中でも、(i−1)架橋ビスインデニル錯体が特に好ましい。
成分(ii)助触媒(活性化剤成分)
本発明において用いられる助触媒は、メタロセン錯体を活性化する成分で、メタロセン錯体の補助配位子と反応して当該錯体を、オレフィン重合能を有する活性種に変換させ得る化合物であり、具体的には、下記成分(ii−1)〜(ii−4)のものが挙げられる。
特に好ましいのは成分(ii−4)のイオン交換性層状珪酸塩である。
成分(ii−1):アルミニウムオキシ化合物
成分(ii−2):成分(i)と反応して、成分(i)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸
成分(ii−3):固体酸
成分(ii−4):イオン交換性層状珪酸塩
成分(ii−1)のアルミニウムオキシ化合物がメタロセン錯体を活性化できることは、周知であり、そのような化合物としては、具体的には次の一般式(V)〜(VII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009256454
上記の一般式(V)〜(VII)中、Rは、水素原子または炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、中でも炭素数1〜6の炭化水素基を示す。また、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
上記一般式のうち、一般式(V)、一般式(VI)で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
上記一般式のうち、式(VII)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。
一般式中、R及びRは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
成分(ii−2)の化合物は、成分(i)と反応して、成分(i)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などの有機ホウ素化合物との錯化物などが挙げられる。また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物などが例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(i)と反応して、成分(i)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
ここで、成分(ii−1)、成分(ii−2)を担持する微粒子状担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシアなどの無機酸化物、塩化マグネシウム、オキシ塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ランタンなどの無機ハロゲン化物、さらには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体を挙げることができる。
成分(ii−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどが挙げられる。
成分(ii−4)のイオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
珪酸塩は、各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
(1)2:1型鉱物類:モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族;バーミキュライトなどのバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族;Mg緑泥石などの緑泥石族(2)2:1リボン型鉱物類:セピオライト、パリゴルスカイトなど
珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であるのが好ましく、スメクタイト族であることがより好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。珪酸塩については、天然品または工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すのが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水および層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。なおこれらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば、特に問題ない。
成分(iii)有機アルミニウム化合物
メタロセン触媒系に、必用に応じて使用される有機アルミニウム化合物としては、ハロゲンを含有しないものが使用され、具体的には一般式:
AlR3−i
(式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素、アルコキシ基、iは、0≦i≦3の数を示す。但し、Xが水素の場合は、iは0≦i<3とする。)
で示される化合物が使用される。
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、またはジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルコキシ含有アルキルアルミニウム、さらにはジエチルアルミニウムハライドなどのハライド含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらのうち、特にトリアルキルアルミニウム、中でもトリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましい。
成分(iv)担体
メタロセン系触媒において、必要に応じ適宜用いられる担体としては、各種公知の無機或いは有機の微粒子状固体を挙げることができる。担体の平均粒径は、通常5〜300μm、好ましくは10〜200μmである。
無機固体の例示としては、多孔質酸化物が挙げられ、必要に応じて100〜1,000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらの混合物、例えば、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどが挙げられる。これらのうち、SiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。
また、上記成分(ii)助触媒のうち固体のものであれば、担体兼助触媒として使用することが可能であり、かつ好ましい。具体例としては、成分(ii−3)固体酸や成分(ii−4)イオン交換性層状珪酸塩などが挙げられる。特に成分(ii−4)イオン交換性層状珪酸塩を担体兼助触媒として使用するのが好ましい。ブロック共重合体の粒子性状を向上させるためには、各種公知の造粒を行うのが好ましい。
有機固体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体或いはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体の固体を例示することができる。
触媒成分の接触は、成分(i)と成分(ii)、及び必要に応じて成分(iii)を接触させて触媒とする。その接触方法は、特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
(ア)成分(i)と成分(ii)を接触させる。
(イ)成分(i)と成分(ii)を接触させた後に、成分(iii)を添加する。
(ウ)成分(i)と成分(iii)を接触させた後に、成分(ii)を添加する。
(エ)成分(ii)と成分(iii)を接触させた後に、成分(i)を添加する。
(オ)その他、三成分を同時に接触させてもよい。
好ましい接触方法は、成分(ii)と成分(iii)を接触させた後、未反応の成分(iii)を洗浄等で除去し、その後、再度必要最小限の成分(iii)を成分(ii)に接触させ、その後成分(i)を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜6の範囲である。
成分(i)と成分(iii)を接触させる(その場合成分(ii)が存在していてもよい)温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜80℃、特に好ましくは30〜60℃である。この温度範囲より低い場合は、反応が遅くなるし、また、高い場合は、成分(i)の分解反応が進行する。
また、成分(i)と成分(iii)を接触させる(その場合成分(ii)が存在していてもよい)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させるのが好ましい。この場合の成分(i)の有機溶媒中での濃度は、高い方が良く、好ましくは3mM以上,より好ましくは4mM以上、特に好ましくは6mM以上である。
上記の触媒成分のうち成分(i)と成分(ii)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
成分(ii)がアルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、さらに100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(ii)としてイオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜10の範囲である。
成分(ii)として、固体酸或いはイオン交換性層状珪酸塩を用いる場合は、成分(ii)1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲である。また、その場合成分(ii)は、酸点を持つのが好ましい。酸点の量の下限については、成分(ii)1gにつきpKa<−8.2以下の強酸点において、好ましくは30μモル、より好ましくは50μモル、特に好ましくは100μモルである。酸点の量は、特開2000−158707号公報の記載に従い、測定される。
また、メタロセン錯体と助触媒からなるポリオレフィン製造用触媒をオレフィン重合用(本重合)の触媒として使用する前に必要に応じて、担体に担持させた後、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどのオレフィンを予備的に少量重合する予備重合処理を施してもよい。予備重合方法は、公知の方法が使用できる。
(2)製造方法
本発明で用いる成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の製造方法は、結晶性プロピレン重合体成分(a)を製造する前段工程、引き続き、エチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分(b)を製造する後段工程から構成される。
また、前段工程は、バルク重合法、気相重合法どちらの重合法も採用可能である。後段工程は、製造するエチレン・α−オレフィン共重合体部分がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいため、気相重合法を採用する。
また、重合形式は、それぞれ前段工程、後段工程とも回分法、および連続法どちらの方式も採用できる。本発明においては、前段と後段からなる2段重合が行われるが、場合によっては、それぞれの段階を更に分割することができる。特に、後段工程を2段以上に分割して多種類のゴム成分を作る方法も物性改良法の一つである。
(i)結晶性プロピレン重合体成分(a)の製造
前段の重合工程では、メタロセン触媒を使用して、結晶性プロピレン重合体成分(a)を製造する。すなわち、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン・α−オレフィン共重合体)を、一段もしくは多段に、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体の全体)の60〜95重量%、好ましくは60〜90重量%に相当するように形成させる工程である。ここでα−オレフィンとしては、エチレンを含みプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、エチレンが最も好ましい。α−オレフィンを使用する場合の使用量は、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
前段の重合工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜90℃程度である。重合圧力は、0.1〜6MPa、好ましくは0.1〜4MPaである。また、重合体の流動性が適当なものとなるように分子量(MFR)調整剤を使用することが好ましく、調整剤としては水素が好ましい。
MFR(230℃、2.16kg荷重)の範囲は、40〜350g/10分、好ましくは50〜350g/10分、さらに好ましくは50〜300g/10分である。MFRが40g/10分未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体のウェルド外観が低下し、350g/10分を超えると、面衝撃強度が低下する。
なお、MFRは、JIS K7210(A法・条件M;230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定する値である。
(ii)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の製造
後段の重合工程は、この工程で製造するエチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいことから、気相重合で行なう必要がある。気相重合プロセスとしては、公知の気相重合プロセスを用いることができるが、機械的に攪拌される縦型あるいは横型の気相重合プロセスが好ましい。
本発明の後段工程においては、エチレン含量が50〜95重量%、好ましくは60〜95重量%の範囲である、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)を生成させる。
ここで、α−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン−1、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、1−ブテン、1−ヘキセンが最も好ましい。この共重合体部分は、第三成分として、例えば、プロピレンやジエン系モノマー等をさらに含有することができる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20重量%以下が好ましい。
ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)は、後述するCFC分析装置による測定における溶出成分が、40℃以下に加え、40〜100℃においても、殆どの場合認められる特徴を有する。具体的なその40〜100℃における溶出成分量は、多くの場合、全溶出成分量の5〜95重量%である。
該エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)におけるエチレン含量が、50重量%未満であったり、同エチレン含量が、95重量%を超えると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の面衝撃強度やウェルド外観が低下する。
また、後段工程では、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)を、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体の全体)の5〜40重量%、好ましくは10〜40重量%に相当する量を形成させる。
後段工程(エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b))の、全重合量に対する形成量が、全重合量の5重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の面衝撃強度が低下し、40重量%を超えると、剛性およびウェルド外観が低下する。
後段の重合工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜80℃程度である。重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは0.5〜4MPaである。重合圧力があまり高くなると、超臨界状態となってしまうことが知られているが、本発明における気相重合は、このような超臨界状態を含まない。
重合時には、得られる重合体の流動性が適当なものとなるように分子量調整剤を使用することが好ましく、分子量調整剤としては、水素が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量の範囲は、10万〜100万、好ましくは10万〜80万、さらに好ましくは12万〜70万である。成形時のゲルの発生を抑え、線膨張率を低くするなどのためには、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量と、前段で重合した重合体成分の重量平均分子量との差を大きくならない様にすることが有効であり、好ましくは両者の重量平均分子量の差は50万以下である。
エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量が、10万未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の面衝撃強度が低下し、100万を超えると、ウェルド外観や面衝撃強度が低下し、且つ輝点発生などの成形外観不良が発生する。
また、重合体の性状を考慮すると、べとつきや粒子の付着などの原因とされるゴム成分の低分子量成分の生成が極力少ない方が望ましい。具体的には、ゴム成分中の分子量5000以下の成分がゴム全体に対して0.8重量%以下であることが好ましい。そのためには、ゴム成分の重量平均分子量を低くしないような重合条件をとることや、重合終了後に速やかに残モノマーを放出するか触媒を失活させるなどして後段の重合工程と異なる条件下での重合反応が起きることを避けることが必要である。
なお、ゴム中の低分子量成分量は、後述するCFC分析装置による測定における、40℃以下の溶出成分中の分子量5000以下の成分量のことをいう。
成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)の範囲は、5〜200g/10分、好ましくは10〜200g/10分、さらに好ましくは14〜150g/10分である。MFRが5g/10分未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体のウェルド外観が低下し、200g/10分を超えると、面衝撃強度が低下する。
また、この成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)は、本発明の本質を著しく損なわない範囲内で他の不飽和化合物、例えば、α−オレフィン、酢酸ビニルの如きビニルエステル、無水マレイン酸などの不飽和有機酸又はその誘導体等を含有する多元共重合体であってもよく、これらの混合物であってもよい。
なお、MFR、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の含量、エチレン含量、重量平均分子量は、MFR計、CFC分別装置、フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する値である。測定条件は後述の実施例と同様に条件である。
(3)配合量比
本発明のプロピレン系樹脂組成物における成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の配合割合は、25〜96重量%、好ましくは35〜93重量%、特に好ましくは55〜91重量%である。成分(A)の配合割合が、25重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性が低下し、96重量%を超えると、ウェルド外観や面衝撃強度が低下する。
なお、成分(A)は、前述の特性の範囲内であれば、二種以上併用してもよい。
2.成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられる成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)は、メタロセン系触媒を用いて重合されるプロピレン系ブロック共重合体であって、下記の特性7)〜12)を満たすものである。
特性7)結晶性プロピレン重合体成分(c)25〜70重量%と、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)30〜75重量%とからなること。
特性8)結晶性プロピレン重合体成分(c)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
特性9)結晶性プロピレン重合体成分(c)の示差走査熱量測定(DSC)によって得られる融点が、156℃以上であること。
特性10)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)のエチレン含量が、15〜30重量%であること。
特性11)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の重量平均分子量が、25万〜100万であること。
特性12)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
この成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)は、本発明のプロピレン系樹脂組成物において、主に成分(A)と適度に相溶して、ウェルド外観を中心とした成形品外観や、衝撃強度を中心とした物性バランスをより向上させることなどの目的に用いられる。
(1)重合触媒
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられる成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)の製造には、精密なインデックスの制御が必要なため、重合体の分子量分布や共重合体組成が狭く均一となるメタロセン系触媒が用いられる。
具体的には、(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)の製造に用いられるものと同様の触媒を用いることができる。成分(i)メタロセン錯体に関しては、その中でも、(i−3)架橋ビスヒドロアズレニル錯体、架橋ヒドロアズレニル−インデニル錯体が、特に好ましい。
(2)製造方法
本発明で用いる成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)の製造方法は、特に限定されないが、結晶性プロピレン重合体成分(c)を製造する前段工程、引き続き、プロピレンとエチレンとの共重合体成分(d)を製造する後段工程から構成される重合方法が好ましい。
重合プロセスは、スラリー法、バルク法、気相法、溶液法などを任意に用いることができるが、その中でも、前段の結晶性プロピレン重合体成分(c)の製造を、バルク法または気相法で行い、後段のプロピレンとエチレンとの共重合体成分(d)の製造を気相法で行うことが最も好ましい。重合方式については、バッチ重合法、連続重合法のいずれを採用することも可能である。
重合温度は、通常用いられている温度範囲であれば特に問題なく用いることができる。具体的には、0℃〜200℃、好ましくは、40℃〜100℃の範囲を用いることができる。重合圧力は、選択するプロセスによって差異が生じるが、通常用いられている圧力範囲であれば、特に問題なく用いることができる。具体的には、0より大きく200Ma、好ましくは、0.1〜50MPaの範囲を用いることができる。この際に、窒素などの不活性ガスを共存させることも可能である。
また、成分(c)、(d)の成分比については、各成分の製造量比を制御することで調整できる。また、重合体の流動性が適当なものとなるように分子量(MFR)調整剤を使用することが好ましく、調整剤としては水素が好ましい。
(i)結晶性プロピレン重合体成分(c)の製造
結晶性プロピレン重合体成分(c)の製造を行う前段の重合工程では、メタロセン触媒を使用して製造する。すなわち、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン・α−オレフィン共重合体)を、一段もしくは多段に、全重合量(プロピレン系のブロック共重合体全体)の25〜70重量%、好ましくは30〜65重量%、さらに好ましくは30〜55重量%に相当するように形成させる工程である。ここでα−オレフィンとしては、エチレンを含みプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、エチレンが最も好ましい。α−オレフィンを使用する場合の使用量は、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
結晶性プロピレン重合体成分(c)の、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体全体)に対する形成量が、25重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性およびウェルド外観が低下し、70重量%を超えると、面衝撃強度が低下する。
結晶性プロピレン重合体成分(c)のMFR(230℃、2.16kg荷重)の範囲は、40〜350g/10分、好ましくは50〜300g/10分、さらに好ましくは60〜250g/10分である。MFRが40g/10分未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体のウェルド外観が低下し、350g/10分を超えると、面衝撃強度が低下する。
結晶性プロピレン重合体成分(c)の示差走査熱量測定(DSC)によって得られる融点は、156℃以上、好ましくは157℃以上、さらに好ましくは158℃以上である。
融点が156℃未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性が低下する。融点の上限を規定する必要は特に無いが、180℃を上回るものは事実上製造が困難である。
(ii)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の製造
後段の重合工程は、この工程で製造するプロピレン・エチレン共重合体成分(d)がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいことから、気相重合で行なうことが好ましい。気相重合プロセスとしては、公知の気相重合プロセスを用いることができるが、機械的に攪拌される縦型あるいは横型の気相重合プロセスが好ましい。
後段工程では、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)を、全重合量(プロピレン系ブロック共重合体全体)の30〜75重量%、好ましくは35〜70重量%、さらに好ましくは45〜70重量%に相当する量を形成させる。プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の全重合量に対する形成量が、30重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の面衝撃強度が低下し、75重量%を超えると、剛性およびウェルド外観が低下する。ここで、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の全重合量に対する形成量が多いほど、衝撃強度の向上などを目的とする、一般的にプロピレン系樹脂に較べ高価なエラストマーの配合量を、低減出来る場合が多くなり、経済的にも好ましい。
なお、この共重合体成分は、第三成分として、例えば、炭素数4〜20のα−オレフィンやジエン系モノマー等をさらに含有することもできる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20重量%以下が好ましい。
さらに、後段工程においては、エチレン含量が15〜30重量%、好ましくは15〜28重量%、さらに好ましくは15〜25重量%の範囲である、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)を生成させる。プロピレン・エチレン共重合体成分(d)におけるエチレン含量が、15重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性が低下し、30重量%を超えると、ウェルド外観が著しく悪化する。
また、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の重量平均分子量の範囲は、25万〜100万、好ましくは25万〜80万、さらに好ましくは30万〜50万である。プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の重量平均分子量が、25万未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の面衝撃強度が低下し、100万を超えると、ウェルド外観や、輝点発生などでの成形外観が低下する。
成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)の範囲は、5〜200g/10分、好ましくは6〜100g/10分、さらに好ましくは8〜50g/10分である。MFRが5g/10分未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体のウェルド外観が低下し、200g/10分を超えると、面衝撃強度が低下する。
なお、MFR、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の含量、エチレン含量、重量平均分子量、結晶性プロピレン重合体成分(c)の融点は、MFR計、CFC分別装置、フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、示差走査熱量計(DSC)で測定する値である。測定条件は後述の実施例と同様である。
(3)配合量比
本発明のプロピレン系樹脂組成物における成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)の配合割合は、3〜30重量%、好ましくは4〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量%である。成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)の配合割合が、3重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体のウェルド外観が低下し、30重量%を超えると、剛性および面衝撃強度が低下する。なお、成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)は、前述の特性の範囲内であれば、二種以上併用してもよい。
3.成分(C)無機フィラー
本発明のプロピレン系樹脂組成物で用いられる成分(C)無機フィラーは、タルク、ワラストナイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、カーボンファイバー、クレイ、有機化クレイ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが例として挙げられ、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性を中心とした物性バランスの向上、寸法特性などを発現させる目的で用いられる。これらの無機フィラーは、表面処理されたものでもよく、また、二種以上併用してもよい。
なかでもタルクが好ましく、タルクは、剛性の向上、成形体の寸法安定性およびその調整等に有効である。そのタルクは、平均粒径が1.5〜15μmのものが好ましく、2〜8μmのものが特に好ましい。タルクの平均粒径が1.5μm未満であると凝集して成形体外観が低下し、15μmを超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。
該タルクは、例えばタルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、更にジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造する。
該タルクは、各種金属石鹸や界面活性剤などで化学的または物理的に表面処理したものでもよく、さらに、見かけ比容を2.50ml/g以下にした、いわゆる圧縮タルクを用いてもよい。上記タルクの平均粒径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、測定装置としては、例えば、堀場製作所LA−920型が挙げられる。
該タルクは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものがより好ましい。該タルクのアスペクト比の測定は、顕微鏡等により測定された値より求められる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物における成分(C)無機フィラーの配合割合は、1〜45重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは4〜30重量%である。無機フィラーの配合割合が1重量%未満であると、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性が不足し、45重量%を超えると、面衝撃強度やウェルド外観が低下する。
4.他の成分(D)
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、上記成分(A)、(B)および(C)以外に、必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、たとえば発明効果をさらに向上させたり、他の効果を付与するなどのため、他の成分(D)を配合することが出来る。
具体的には、エチレン・α−オレフィン系エラストマーなどのエラストマー(ゴム)、非イオン系などの帯電防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、物理発泡剤などの発泡剤、有機金属塩系などの分散剤、顔料などの着色剤、フェノール系などの酸化防止剤、無機化合物などの中和剤、脂肪酸アミド系などの滑剤、窒素化合物などの金属不活性剤、非イオン系などの界面活性剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、ハロゲン化合物などの難燃剤、蛍光増白剤、気泡防止(消泡)剤、架橋剤、過酸化物、プロセスオイル(配合油)、ブロッキング防止剤、可塑剤、上記成分(A)〜(C)以外のポリオレフィン、ポリアミドやポリエステルなどの熱可塑性樹脂、無機(有機)フィラーなどを挙げることが出来る。これらの成分は、組成物に添加しても良いし、各成分に添加されていても良く、それぞれの成分において二種以上併用しても良い。
エラストマー(ゴム)として、例えばエチレン・α−オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーは、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の衝撃強度を中心とした物性バランス、成形性や寸法特性などの付与、向上に有効である。具体例としては、エチレン・プロピレンランダム共重合体などのエチレン系エラストマー(ゴム)…三井化学社製タフマー、EBMや、ダウケミカル日本社製エンゲージなど;スチレンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、ブタジエン、イソプレンなどとのブロックないしはランダム共重合体もしくはその水添物などが挙げられる。
帯電防止剤として、例えば非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の帯電防止性の付与、向上に有効である。具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレンアルキルアミド;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ステアリン酸モノグリセリド;アルキルジエタノールアミン;アルキルジエタノールアミド;アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル;テトラアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
光安定剤や紫外線吸収剤として、例えばヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐候性や耐久性などの付与、向上に有効である。具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
造核剤として、例えば無機系、ソルビトール系、カルボン酸金属塩系や有機リン酸塩系などは、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性、耐熱性や硬度などの付与、向上などに有効である。具体例としては、無機系としてタルク;シリカなどが挙げられ、ソルビトール系として、1,3,2,4−ジベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチル−ベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−プロピルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられ、カルボン酸金属塩系として、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート;安息香酸ナトリウム;モンタン酸カルシウムなどが挙げられ、さらに有機リン酸塩系として、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート;リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどが挙げられる。
発泡剤として、例えば物理発泡剤や化学発泡剤は、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の軽量化、剛性や寸法特性などの付与、向上などに有効である。具体的には、物理発泡剤として、炭酸ガス;窒素ガス;空気;プロパン;ブタン;ジクロロジフルオロメタンなどが挙げられ、化学発泡剤として、クエン酸;重曹;アゾジカルボンアミド;ベンゼンスルホニルヒドラジド;トルエンスルホニルヒドラジド;N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド;P−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられる。
分散剤として、例えば有機金属塩などは、無機フィラーや着色顔料などの分散性を高め、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性、耐熱性、ウェルド外観、フローマーク外観、風合いなどの付与、向上などに有効である。具体例としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;ベヘン酸カルシウム;ベヘン酸マグネシウム;ベヘン酸亜鉛;モンタン酸亜鉛;モンタン酸カルシウム;モンタン酸マグネシウムなどが挙げられる。
着色剤として、例えば無機系や有機系の顔料などは、プロピレン系樹脂組成物およびその成形体の、着色外観、見映え、風合い、商品価値、耐候性や耐久性などの付与、向上などに有効である。具体例としては、無機系顔料としては、酸化チタン;酸化鉄(ベンガラ等);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物およびカーボンブラックなどが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。また、メタリック調やパール調にするには、アルミフレーク;パール顔料を含有させることができる。また、染料を含有させることもできる。
[II]プロピレン系樹脂組成物の製造、成形
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、必要に応じ、他の成分(D)を、上記配合割合で配合して単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダ−プラストグラフ、ニーダーなど通常の混練機を用いて混練・造粒することによって製造する。
この場合、各成分の分散を良好にすることが出来る混練・造粒方法を選択することが望ましく、通常は二軸押出機を用いて混練・造粒する。この混練・造粒の際には、上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、必要に応じ、他の成分(D)の配合物を同時に混練しても良く、また性能向上を図るべく各成分を分割、例えば先ず成分(A)と成分(C)の一部または全部を混練し、その後に残りの成分を混練・造粒することも出来る。
プロピレン系樹脂組成物の成形は、射出成形(ガス射出成形も含む)または射出圧縮成形(プレスインジェクション、ホットフロースタンピング成形、ガス射出圧縮成形も含む)にて成形することによってそれらの成形体を得ることが出来る。
この場合、上記射出成形関連技術と、いわゆる発泡成形技術や膨張成形技術との組合せで所望の成形体を得ることも出来る。
また、必要に応じて、中空成形、押出成形、圧縮(プレス)成形、発泡(膨張)成形、シート成形、カレンダー成形、フィルム成形、熱成形、スタンピング成形、粉末成形など種々の成形方法にて、各成形体を得ることも出来る。
本発明のプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の用途としては、自動車部品、テレビなどの家電機器製品の部品などの工業部品分野などに於ける各種成形体、好ましくは自動車部品、例えばバンパー、ドアプロテクター、サイドプロテクター、サイドモール、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラー等が挙げられる。
本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた分析法、物性測定法、評価法および用いた樹脂などは以下の通りである。
1.分析法、物性測定法、評価法
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の含量、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の含量、エチレン含量、重量平均分子量:下記条件で測定する。
(i)使用する分析装置
(i−1)クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100(CFCと略す)
(i−2)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR、パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは光路長1mm、光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(i−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFC後段部分のGPCカラムは、昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用する。
(ii)CFCの測定条件
(ii−1)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii−2)サンプル濃度:4mg/mL
(ii−3)注入量:0.4mL
(ii−4)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(ii−5)分別方法:分別温度は、40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(ii−6)溶出時溶媒流速:1mL/分
(iii)FT−IRの測定条件
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(iii−1)検出器:MCT
(iii−2)分解能:8cm−1
(iii−3)測定間隔:0.2分(12秒)
(iii−4)一測定当たりの積算回数:15回
(iv)プロピレン・エチレン共重合体成分の性状の算出法
分別温度は、40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。プロピレン・エチレン共重合体成分は、100℃フラクションのエチレン成分および40℃フラクション成分とする。つまり、40、100、140℃フラクションの含量をそれぞれF40、F100、F140(F40+F100+F140=100重量%)とする。100℃フラクションにおけるエチレン成分量をF100E、それ以外の成分量をF100F(F100E+F100F=F100)とする。プロピレン・エチレン共重合体成分の含量は、F40+F100Eで表せる。
プロピレン・エチレン共重合体成分中のエチレン含量は、40℃および100℃フラクション中のエチレン含量をプロピレン・エチレン共重合体成分量で除した値である。つまり、40℃フラクションにおけるエチレン量をF40E、それ以外の成分をF40F(F40E+F40F=F40)とすると、100×(F40E+F100E)/(F40+F100E)の式で表される。
プロピレン・エチレン共重合体成分の重量平均分子量は、100℃フラクションのエチレン成分および40℃フラクション成分の重量平均分子量である。
(2)MFR:JIS K7210 A法・条件M…試験温度:230℃、荷重:2.16kgに準拠して測定した。
(3)融点:示差走査型熱量計を用い、サンプル約5mgを採り、200℃で5分間保持した後に40℃まで10℃/分の降温スピードで冷却して結晶化させてその熱履歴を消去し、さらに10℃/分で昇温させた時の融解熱量曲線の最大ピーク温度を融点とする。複数の融点が観測される場合には最も高い温度で観測されるものを融点とした。
(4)曲げ弾性率:JIS K−7171(ISO178)に準拠して、下記要領で測定した。
試験機;精密万能試験機オートグラフAG−20KNG(島津製作所製)
試験片;作成方法=射出成形、採取方向=流れ方向、形状=厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm、状態調節=室温23℃・湿度50%の恒温室内に24時間以上放置 試験条件;試験温度=23℃、試験湿度=50%、試験片数=5、支点間距離=32.0mm、試験速度=1.0mm/分
(5)面衝撃強度:射出成形で得られた120mm×120mm×2mmの平板シートを、計装化落錘衝撃試験機にセットし、荷重〜たわみ曲線を測定し、この曲線から破壊エネルギーを求めた。
受け台径=40mm ダート径=20mm ダート先端形状=フラット
落錘荷重=4kg 落下高さ=2m 試験温度=23℃
本試験法は、各種成形体の実用上の衝撃強度に、相関性が高い場合が多く、実用衝撃強度の指標として重要である。
(6)ウェルド消失距離:型締め圧170トンの射出成形機で、図1に示す、ゲートから7mmのところに、20mm×3mm×1mmの開口部を有する、350mm×100mm×3mmtのシートを、該シート成形用金型(100mm幅ゲート)を用いて、成形温度210℃にて射出成形する。このシート状評価用成形体の上面に生じたウェルドラインを目視で観察し、開口部端部からのウェルドラインが消失するまでの距離(長さ)を測定した。この距離が短いほどウェルド外観は良好である。
2.原材料の製造
(1)成分(A)プロピレン系ブロック共重合体(I)
下記製造例1〜9で得られたポリマーを用いた。
(製造例1)
(i)メタロセン錯体
ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
(i−1)4−(4−t−ブチルフェニル)−インデンの合成
1000mlのガラス製反応容器に、1−ブロモ−4−t−ブチル−ベンゼン(40g、0.19mol)、ジメトキシエタン(400ml)を加え、−70℃まで冷却した。ここにt−ブチルリチウム−ペンタン溶液(260ml、0.38mol、1.46mol/L)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら5時間攪拌した。再び−70℃まで冷却し、そこにトリイソプロピルボレート(46ml、0.20mol)のジメトキシエタン溶液(100ml)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水(100ml)を加え、30分間攪拌した後、炭酸ナトリウム50gの水溶液(150ml)、4−ブロモインデン(30g、0.15mol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィノ)パラジウム(5g、4.3mmol)を順に加え、その後、低沸成分を除去し80℃で5時間加熱した。
反応液を氷水(1L)中に注ぎ、そこから3回エーテル抽出を行い、エーテル層を飽和食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン(37g、収率98%)を淡黄色液体として得た。
(i−2)2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデンの合成
1000mlのガラス製反応容器に、4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン(37g、0.15mol)、ジメチルスルホキシド(400ml)、蒸留水(11ml)を加え、そこにN−ブロモスクシンイミド(35g、0.20mol)を徐々に加え、そのまま室温で1時間攪拌した。
反応液を氷水(1L)中に注ぎ、そこから3回トルエンで抽出を行った。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、p−トルエンスルホン酸(4.3g、22mmol)を加え、水分を除去しながら2時間加熱還流させた。
反応液を分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン(46g、収率95%)を淡黄色固体として得た。
(i−3)4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(5−メチル−2−フリル)−インデンの合成
1000mlのガラス製反応容器に、メチルフラン(13.8g、0.17mol)、ジメトキシエタン(400ml)を加え、−70℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(111ml、0.17mol、1.52mol/L)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら3時間攪拌した。再び70℃まで冷却し、そこにトリイソプロピルボレート(41ml、0.18mol)を含むジメトキシエタン溶液(100ml)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水(50ml)を加え、30分間攪拌した後、炭酸ナトリウム54gの水溶液(100ml)、2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン(46g、0.14mol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィノ)パラジウム(5g、4.3mmol)を順に加え、その後、低沸成分を除去しながら加熱し80℃で3時間加熱した。
反応液を氷水(1L)中に注ぎ、そこから3回エーテル抽出を行い、エーテル層を飽和食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ヘキサンで再結晶を行い4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(5−メチル−2−フリル)−インデン(30.7g、収率66%)を無色結晶として得た。
(i−4)ジメチルビス(4−(4−t−ブチルフェニル)2−(5−メチル−2−フリル)−インデニル)シランの合成
1000mlのガラス製反応容器に、4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(5−メチル−2−フリル)インデン(22g、66mmol)、THF(200ml)を加え、−70℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(42ml、67mmol、1.60mol/L)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら3時間攪拌した。再び−70℃まで冷却し、1−メチルイミダゾール(0.3ml、3.8mmol)を加え、ジメチルジクロロシラン(4.3g、33mmol)を含むTHF溶液(100ml)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ジメチルビス(4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(5−メチル−2−フリル)インデニル)シランの淡黄色固体(22g、収率92%)を得た。
(i−5)ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
100mlのガラス製反応容器に、ジメチルビス(4−(4−t−ブチルフェニル)−2−(5−メチル−2−フリル)インデニル)シラン(11g、16mmol)、ジエチルエーテル(200ml)を加え、−70℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(20ml、32mmol、1.60mol/L)を滴下した。滴下後、室温に戻し3時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧で留去し、トルエン(200ml)、ジエチルエーテル(10ml)を加え、−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ジルコニウム(3.7g、16mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶を行い、ジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドのラセミ体を黄橙色結晶(1.3g、収率9%)として得た。
(ii)触媒調製
(ii−1)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた3Lセパラブルフラスコに、純水2250gを投入し、98%硫酸665gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:47.1μm)を400g添加後撹拌した。その後90℃で3時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、2Lの純水で5回洗浄した。
このようにして回収されたケーキを、5Lビーカー内において硫酸亜鉛7水和物423gを純水1523mlに溶解させた水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、2Lの純水で5回洗浄してケーキを回収し、これを120℃で終夜乾燥して296gの化学処理モンモリロナイトを得た。これを目開き74μmの篩にて篩い分けし篩上分を除去した。
(ii−2)乾燥工程
上記(a)で得た化学処理モンモリロナイトを容積1Lのフラスコに入れ、200℃で3時間減圧乾燥させたところガスの発生が収まった。その後さらに2時間減圧乾燥して被処理モンモリロナイトを得た。
(ii−3)被処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
内容積1Lのフラスコに上記b.で得た被処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン65ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35ml(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄したのち、溶媒量が100ml量に調整されたスラリーを得た。
(iii)プロピレンによる予備重合
上記で調製し、トリイソブチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.7mLを加えて10分間、室温で撹拌した。
また、(i)で合成したジクロロ ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン(60mL)溶液を、上記の1Lフラスコに加えて室温で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入し、40℃でプロピレンを238.1mmol/hr(10g/hr)の一定速度で120分間にて供給した。プロピレン供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持し、その後残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5mL(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、1.89であった。
(iv)ブロック重合
内容積3Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素(300mL)、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温し、その温度を維持した。上記(iii)で調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)50mgを圧入し、重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、触媒投入30分間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。90℃窒素気流下で30分間乾燥後に測定した結果、抜き出し量は4gであった。
一方、内容積14Lの撹拌式オートクレーブを、内温を90℃に調整し、1−ブテン(300mL)と水素(100mL)を導入した。さらにエチレンを圧入して3.5MPaとして、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製した。
上記プロピレン重合を行った3Lのオートクレーブを80℃に昇温し、予め調製しておいた1−ブテンとエチレンの混合ガスを導入した。内圧が2.0MPaで重合中に圧力が変化しないように、混合ガスを供給しながら、22分間重合反応を制御した。
その結果、粒子性状の良いプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体(成分(I)−1)が得られた。得られたブロック共重合体の物性値を表1に示す。
(製造例2)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を180mL用い、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製する際に、1−ブテン(450mL)と水素(50mL)を用い、後段重合を28分間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−2)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例3)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を400mL用い、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製する際に、1−ブテン(150mL)と水素(25mL)を用い。後段重合を35分間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−3)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例4)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を350mL用い、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製する際に、1−ブテン(150mL)と水素(25mL)を用い、後段重合を37分間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−4)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例5)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を300mL用い、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製する際に、1−ブテン(300mL)を用いかつ水素を添加せずに調製し、後段重合を2.6時間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−5)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例6)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を200mL用い、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製する際に、1−ブテン(300mL)と水素(300mL)を用い、後段重合を15分間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−6)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例7)
製造例1の(iv)において、前段重合における水素量を250mL用い、プロピレンとエチレンの混合ガス(ガス組成比=3:7)を用い、後段重合を50分間行う以外は、製造例1の(iv)と同様に行い、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−7)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例8)
(i)固体触媒成分(a)の製造 窒素置換した内容積50リットルの撹拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで、塩化マグネシウム10モルとテトラブトキシチタン20モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)12リットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、上記で合成した固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入した。ついで、n−ヘプタン2.5リットルに、四塩化珪素5モルを混合して30℃、30分間かけて導入して、温度を70℃に上げ、3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン2.5リットルを導入し、フタル酸クロライド0.3モルを混合して90℃、30分間で導入し、95℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、室温下四塩化チタン2リットルを追加し、100℃に昇温した後2時間反応した。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化珪素0.6リットル、n−ヘプタン8リットルを導入し90℃で1時間反応し、n−ヘプタンで十分洗浄し、固体成分を得た。この固体成分中にはチタンが1.30重量%含まれていた。
次に、窒素置換した前記撹拌機付槽にn−ヘプタン8リットル、上記で得た固体成分を400gと、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン0.27モル、ビニルトリメチルシラン0.27モルを導入し、30℃で1時間接触させた。次いで15℃に冷却し、n−ヘプタンに希釈したトリエチルアルミニウム1.5モルを15℃条件下30分かけて導入、導入後30℃に昇温し2時間反応させ、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体触媒成分(a)390gを得た。
得られた固体触媒成分(a)中には、チタンが1.22重量%含まれていた。
更に、n−ヘプタンを6リットル、n−ヘプタンに希釈したトリイソブチルアルミニウム1モルを15℃条件下30分かけて導入し、次いでプロピレンを20℃を越えないように制御しつつ約0.4kg/時間で1時間導入して予備重合した。その結果、固体1g当たり0.9gのプロピレンが重合したポリプロピレン含有の固体触媒成分(a)が得られた。
(ii)プロピレン系ブロック共重合体の製造
(ii−1)前段重合工程:結晶性プロピレン重合体成分の製造
内容積230リットルの流動床式反応器を2個連結してなる連続反応装置を用いて重合を行った。まず第1反応器で、重合温度65℃、プロピレン分圧18kg/cm(絶対圧)、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.060となるように連続的に供給するとともに、トリエチルアルミニウムを5.25g/hrで、固体触媒成分(a)として、上記記載の触媒をポリマー重合速度が20kg/hrになるように供給し、結晶性プロピレン重合体成分を製造した。第1反応器で重合したパウダー(結晶性プロピレン重合体成分)は、反応器内のパウダー保有量を40kgとなるように連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に移送した。
(ii−2)後段重合工程:プロピレン・エチレン共重合体成分の製造
続いて、第2反応器内が、重合温度60℃、圧力2.0MPaになるように、プロピレンとエチレンをエチレン/(プロピレン+エチレン)のモル比で0.36となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、水素/(プロピレン+エチレン)のモル比で0.055となるように連続的に供給すると共に、活性水素化合物としてエチルアルコールを、トリエチルアルミニウムに対して1.5倍モルになるように供給し、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分を製造した。第2反応器で重合が終了したパウダー(結晶性プロピレン重合体成分とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分とからなるプロピレン系ブロック共重合体)は、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように連続的にベッセルに抜き出した。水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、プロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−8)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
(製造例9)
製造例8で使用した触媒並び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.054、後段重合工程におけるエチレン/(プロピレン+エチレン)のモル比で0.42に、水素/(プロピレン+エチレン)のモル比で0.050、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.3倍モルになるように変更した以外は製造例8と同様にしてプロピレン系ブロック共重合体(成分(I)−9)を製造した。得られたブロック共重合体物性値を表1に示す。
Figure 2009256454
(2)成分(B)プロピレン系ブロック共重合体(II)
下記製造例10〜14で得られたポリマーを用いた。
(製造例10)
(i)メタロセン錯体
ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムは、特開2000−95791号公報に従って合成した。
(ii)触媒調製
撹拌翼と還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、純水1,698gを投入し、98%硫酸501gを滴下した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:19.5μm)を300g添加後撹拌した。その後90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、洗浄した。回収したケーキに硫酸リチウム1水和物324gの水900mL水溶液を加え90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、pH>4まで洗浄した。回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。
内容積1Lのフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン65mL、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35.4mL(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。
(iii)プロピレンによる予備重合
上記で調製し、トリイソブチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.85mLを加えて10分間、室温で撹拌した。
また、(i)で合成したジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのトルエン(60mL)溶液を、上記の1Lフラスコに加えて室温で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入し、40℃でプロピレンを238.1mmol/hr(10g/hr)の一定速度で120分間にて供給した。プロピレン供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持し、その後残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5mL(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、1.55であった。
(iv)ブロック重合
内容積3Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76mL(2.02mmol)を加え、水素180mL、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温しその温度を維持した。
上記(iii)で調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)50mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。90℃窒素気流下で30分間乾燥後に測定した結果、抜き出し量は10gであった。
その後、プロピレンを0.9MPa、続いてエチレンを1.1MPa導入し、内温を80℃に昇温した。その後、予め調製しておいたプロピレンとエチレンの混合ガスを導入し、内圧が2.0MPaで重合中にモノマー組成比が変化しないように調整しながら、50分間重合反応を制御した。その結果、粒子性状の良い250gのプロピレン系ブロック重合体(成分(II)−1)が得られた。得られたブロック共重合体物性値を表2に示す。
(製造例11)
2段目重合でのプロピレンとエチレンの混合ガスの比率を40/60にする以外は、製造例10と同様に重合し、プロピレン系ブロック重合体(成分(II)−2)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表2に示した。
(製造例12)
2段目重合でのプロピレンとエチレンの混合ガスの比率を60/40にする以外は、製造例10と同様に重合し、プロピレン系ブロック重合体(成分(II)−3)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表2に示した。
(製造例13)
2段目重合でのプロピレンとエチレンの混合ガスの比率を30/70にする以外は、製造例10と同様に重合し、プロピレン系ブロック重合体(成分(II)−4)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表2に示した。
(製造例14)
2段目重合でのプロピレンとエチレンの混合ガスの比率を20/80にし、且つ2段目重合時間を15分間にする以外は、製造例10と同様に重合し、プロピレン系ブロック重合体(成分(II)−5)を得た。得られたブロック共重合体物性値を表2に示した。
Figure 2009256454
(3)成分(C)無機フィラー
平均粒径=5.4μm、平均アスペクト比=6の微粉タルク(成分タルク−1)を用いた。
(実施例1〜5)
各成分(A)〜(C)を表3に示す割合で配合し、下記の条件で造粒し、成形したものについて性能評価を行った。評価結果を表4に示す。なお、ウェルド消失距離の成形、評価は、実施例項に述べた方法にて行った。
(1)添加剤配合
(i)酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン500ppm、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト500ppm
(ii)中和剤:ステアリン酸カルシウム500ppm
(2)造粒
(i)押出機:テクノベル社製KZW−15−45MG2軸押出機
(ii)スクリュー:口径15mm L/D=45
(iii)押出機設定温度:(ホッパ下から)40,80,160,200,200,200(ダイ℃)
(iv)スクリュー回転数:400rpm
(v)吐出量:スクリューフィーダーにて約1.5kg/hrに調整
(vi)ダイ:口径3mm ストランドダイ 穴数2個
(3)成形
得られた原料ペレットを、以下の条件により射出成形し、物性評価用平板試験片を得た。
(i)規格番号:JIS K−7152(ISO 294−1)
(ii)成形機:東芝機械社製EC20P射出成形機
(iii)成形機設定温度:(ホッパ下から)80,210,210,200,200℃
(iv)金型温度:40℃
(v)射出速度:52mm/s(スクリューの速度)
(vi)保持圧力:30MPa
(vii)保圧時間:8秒
(viii)金型形状:平板(厚さ4mm 幅10mm 長さ80mm)2個取り
(比較例1〜11)
各成分(A)〜(C)を表3に示す割合で配合し、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表4に示す。
Figure 2009256454
Figure 2009256454
表3および表4に示す様に、本発明の必須構成要件における各規定を満たす、実施例1〜5に示す組成を持ったプロピレン系樹脂組成物およびその成形体は、何れも良好な物性バランス(流動性、剛性、面衝撃強度)およびウェルド外観を有し、工業部品部材、例えばバンパー、サイドモール等の自動車部品等に適する性能を有していることが明白になっている。
一方、比較例1〜11に示す組成を持ったプロピレン系樹脂組成物およびその成形体は、これらの性能バランスが不良で見劣りしている。
例えば、比較例1においては、成分(B)を全く配合しなかったため、その外観改良効果が発現されず、実施例1に比し、ウェルド消失距離に著しい差異が生じた。
また、比較例2において、実施例1と、各成分の配合量比および成分(B)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、曲げ弾性率に著しい差異が生じた。これは比較例2において、成分(A)への成分(B)の相溶が、実施例1の場合に比し、本発明規定の特性を満たさない成分(B)により過剰に促進されたためと考えられる。
一方、比較例3においては、実施例1と、各成分の配合量比および成分(B)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、面衝撃強度およびウェルド消失距離に著しい差異が生じた。これは比較例3において、成分(A)への成分(B)の相溶が、実施例1の場合に比し、本発明規定の特性を満たさない成分(B)により促進され得ず、その結果、主に成分(B)の均一分散状態の発現が不充分となったためと考えられる。
また、比較例4においては、実施例1に比し、曲げ弾性率に著しい差異が生じた。これは成分(B)が過剰であるため、成分(A)の特性の発現度合が低減したためと考えられる。
また、比較例5においては、実施例1と、各成分の配合量比および成分(B)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、実施例1に比し、面衝撃強度およびウェルド消失距離に著しい差異が生じた。これは本発明規定の特性を満たさない成分(B)のゴム的性状を示す成分の含量や分散状態が、不充分であるためと考えられる。
また、比較例6においては、成分(C)を全く配合しなかったため、その補強効果が発現されず、実施例1に比し曲げ弾性率に著しい差異が生じた。
また、比較例7においては、実施例1と、各成分の配合量比および成分(A)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、面衝撃強度、成形外観(輝点…微細な点模様…が成形体表面に認められる外観不良現象)に著しい差異が生じた。これは比較例7において、本発明規定の特性を満たさない成分(A)におけるゴム的性状を示す成分の分散状態が、実施例1に比し不充分であるためと考えられる。
また、比較例8においては、実施例1と、各成分の配合量比および成分(A)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、面衝撃強度に著しい差異が生じた。これは比較例8において、本発明規定の特性を満たさない成分(A)の衝撃吸収特性が、実施例1に比し不充分であるためと考えられる。
また、比較例9においては、実施例1と、各成分の配合量比および成分(A)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、曲げ弾性率や面衝撃強度に差異が生じた。これは比較例9において、本発明規定の特性を満たさない成分(A)の特性発現度合が不充分であるためと考えられる。
また、比較例10および比較例11においては、各々実施例1と、各成分の配合量比および成分(A)以外の各成分の種類が同じであるにもかかわらず、ウェルド消失距離に著しい差異が生じた。これは比較例10および比較例11において、本発明規定の特性を満たさない成分(A)の分子量分布の相違などのため、成分(A)と成分(B)の相溶が、実施例1に比し不充分であるためと考えられる。
以上における、各実施例と各比較例の結果からして、本発明の構成と各要件の合理性と
有意性が実証され、さらに本発明の従来技術に対する優位性も明らかにされている。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物およびその成形体は、良好な物性バランス(流動性、剛性、面衝撃強度)およびウェルド外観を有し、工業部品部材、例えばバンパー、サイドモールなどの自動車部品などに適する性能を有している。
外観についての評価用成形体を示す模式図である。

Claims (3)

  1. (A)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(a)とエチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)からなり、下記の特性1)〜6)を満たすプロピレン系ブロック共重合体(I)25〜96重量%、(B)メタロセン系触媒を用いて重合される、結晶性プロピレン重合体成分(c)とプロピレン・エチレン共重合体成分(d)からなり、下記の特性7)〜12)を満たすプロピレン系ブロック共重合体(II)3〜30重量%および(C)無機フィラー成分1〜45重量%を含有することを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
    特性1)結晶性プロピレン重合体成分(a)60〜95重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)5〜40重量%とからなること。
    特性2)結晶性プロピレン重合体成分(a)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
    特性3)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のα−オレフィン炭素数が4〜20であること。
    特性4)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)のエチレン含量が50〜95重量%であること。
    特性5)エチレン・α−オレフィン共重合体成分(b)の重量平均分子量が10万〜100万であること。
    特性6)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
    特性7)結晶性プロピレン重合体成分(c)25〜70重量%と、プロピレン・エチレン共重合体成分(d)30〜75重量%とからなること。
    特性8)結晶性プロピレン重合体成分(c)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、40〜350g/10分であること。
    特性9)結晶性プロピレン重合体成分(c)の示差走査熱量測定(DSC)によって得られる融点が、156℃以上であること。
    特性10)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)のエチレン含量が、15〜30重量%であること。
    特性11)プロピレン・エチレン共重合体成分(d)の重量平均分子量が、25万〜100万であること。
    特性12)成分全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が、5〜200g/10分であること。
  2. 上記メタロセン系触媒が、成分(i)下記一般式[I]で示されるメタロセン錯体、成分(ii)助触媒(活性化成分)、必要に応じて使用する成分(iii)有機アルミニウム化合物、および成分(iv)担体からなることを特徴とする、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2009256454
    (一般式[I]中において、A及びAは、共役五員環配位子〔同一化合物内ではAおよびAは同一でも異なっていてもよい〕を示し、結合性基Qに結合していない共役五員環の炭素は置換基を有してもよく、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、周期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは、それぞれ独立してMと結合した、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。)
  3. 請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物を、射出成形または射出圧縮成形にて成形したことを特徴とする成形体。
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