JP2009256173A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低い合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし
【解決手段】 熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
【選択図】 なし
Description
本発明は、可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低い合わせガラス用中間膜に関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散が少ないため、安全である。合わせガラスは、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラスとして広く使用されている。例えば、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂を含有する合わせガラス用中間膜を、少なくとも一対のガラス間に挟み込んだ合わせガラス等が挙げられる。
このような合わせガラスは、太陽光に含まれる紫外線が照射される環境で使用される。従来の合わせガラス用中間膜は紫外線吸収剤を含有しているため、波長域が380nm以下の紫外線は遮蔽されていた。しかし、従来の合わせガラスは波長域が380nmを超える紫外線を、充分に遮蔽することができなかった。そのため、波長域が380nmを超える紫外線を遮蔽できる合わせガラスが要求されていた。
特許文献1には、合成樹脂と、紫外線吸収剤と、黄色染料とを含有する合わせガラス用中間膜を、ガラス板で挟持させた防虫合わせガラスが開示されている。特許文献1に記載の防虫合わせガラスは、400〜450nmの波長域の可視光線を吸収できるとされている。
特許文献1に記載の合わせガラス用中間膜は、400〜450nmの波長域の可視光線を吸収するために、黄色染料を必須成分として含有している。しかし、合わせガラス用中間膜中に黄色染料を均一に分散させる方法は何ら検討されていなかった。特許文献1に開示された技術情報では、可視光線透過率が高い合わせガラス用中間膜は得られなかった。
また、特許文献2には、有機系光吸収剤が添加された合成樹脂原料を含有する中間膜が開示されている。有機系光吸収剤として、紫外線吸収剤、青色光吸収剤、赤外線吸収剤、赤色光吸収剤が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載されている有機系光吸収剤は、380〜400nmの波長域の紫外線を充分に遮蔽することができないという問題があった。
特開2000−300149号公報
特開2007−290923号公報
しかしながら、特許文献2に記載されている有機系光吸収剤は、380〜400nmの波長域の紫外線を充分に遮蔽することができないという問題があった。
本発明は、可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低い合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有する合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本願発明者らは、熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有する合わせガラス用中間膜は、可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有する。
上記熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂は、可塑剤と併用することにより、ガラスに対する接着性が高い合わせガラス用中間膜が得られる。
上記熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂は、可塑剤と併用することにより、ガラスに対する接着性が高い合わせガラス用中間膜が得られる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより製造できる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより製造できる。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.8モル%が好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。上記重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記重合度が3000を超えると、合わせガラス用中間膜の成形が困難となることがある。上記重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.8モル%が好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。上記重合度が200未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記重合度が3000を超えると、合わせガラス用中間膜の成形が困難となることがある。上記重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記アルデヒドは特に限定されないが、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適である。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチレンブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート等が挙げられる。
上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量の好ましい下限は30重量部、好ましい上限は70重量部である。上記可塑剤の含有量が30重量部未満であると、合わせガラス用中間膜の溶融粘度が高くなるため、合わせガラス製造時の脱気性が低下することがある。上記可塑剤の含有量が70重量部を超えると、合わせガラス用中間膜から可塑剤がブリードアウトを起こすことがある。上記可塑剤の含有量のより好ましい上限は50重量部である。
上記金属コロイド粒子は、380〜400nmの波長域の紫外線を吸収する。
上記金属コロイド粒子が、380〜400nmの波長域の紫外線を吸収するため、400nm以下の波長域の紫外線を充分に遮蔽できる。
上記金属コロイド粒子が、380〜400nmの波長域の紫外線を吸収するため、400nm以下の波長域の紫外線を充分に遮蔽できる。
上記金属コロイド粒子は、特に限定されないが、銀コロイド粒子等が挙げられる。
上記金属コロイド粒子の平均粒子径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は40nmである。上記金属コロイド粒子の平均粒子径が1nm未満であると、金属コロイド粒子が凝集することがある。上記金属コロイド粒子の平均粒子径が40nmを超えると、合わせガラス用中間膜の可視光線透過率が低下することがある。上記金属コロイド粒子の平均粒子径のより好ましい上限は30nmであり、さらに好ましい上限は20nmである。
なお、本明細書において平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡等を用いて測定した各金属コロイド粒子の最も長い径を、個数平均して算出した値(個数平均粒子径)を意味する。
本発明における平均粒子径(個数平均粒子径)の具体的な測定方法について説明する。まず、得られた合わせガラス用中間膜を、クライオトーム(例えば、ライカ社製)を用いて、合わせガラス用中間膜の厚さ方向に厚さ200nmとなるよう切断して、薄膜切片を作製する。次いで、得られた薄膜切片をヘキサンに12時間浸漬することによって可塑剤を除去した後、透過型電子顕微鏡(TEM、例えば、日立製作所社製H−7100FA型を用い倍率5000倍)を用いて撮影を行う。無作為に選択した50個の金属コロイド粒子を観察し、観察した金属コロイド粒子の最も長い径を測定する。最後に、得られた長径を個数平均することにより平均粒子径(個数平均粒子径)を求める。
本発明における平均粒子径(個数平均粒子径)の具体的な測定方法について説明する。まず、得られた合わせガラス用中間膜を、クライオトーム(例えば、ライカ社製)を用いて、合わせガラス用中間膜の厚さ方向に厚さ200nmとなるよう切断して、薄膜切片を作製する。次いで、得られた薄膜切片をヘキサンに12時間浸漬することによって可塑剤を除去した後、透過型電子顕微鏡(TEM、例えば、日立製作所社製H−7100FA型を用い倍率5000倍)を用いて撮影を行う。無作為に選択した50個の金属コロイド粒子を観察し、観察した金属コロイド粒子の最も長い径を測定する。最後に、得られた長径を個数平均することにより平均粒子径(個数平均粒子径)を求める。
上記金属コロイド粒子は、合わせガラス用中間膜中に40nm以下の平均粒子径で均一に分散していることが好ましい。上記金属コロイド粒子が、合わせガラス用中間膜中に40nm以下の平均粒子径で均一に分散していると、可視光線透過率が高い合わせガラスが得られる。
なお、上記金属コロイド粒子を合わせガラス用中間膜中に40nm以下の平均粒子径で均一に分散させる方法は特に限定されない。例えば、上記金属コロイド粒子を有機溶媒に分散させた金属コロイド粒子溶液と可塑剤とを混合して、上記金属コロイド粒子が40nm以下の平均粒子径で均一に分散された分散溶液を調製する。押出機やプラスト成型機等を用いて、上記分散溶液と上記熱可塑性樹脂とを混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。
また、上記金属コロイド粒子を直接、可塑剤と混合してもよい。例えば、上記金属コロイド粒子が40nm以下の平均粒子径で可塑剤に均一に分散された分散溶液を調製する。押出機やプラスト成型機等を用いて、上記分散溶液と上記熱可塑性樹脂とを混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等を用いてもよい。なお、上記分散溶液は、分散剤を含有してもよい。
上記金属コロイド粒子は、上記分散溶液中に、40nm以下の平均粒子径で均一に分散していることが好ましく、20nm以下の平均粒子径で均一に分散していることがより好ましい。なお、上記分散溶液中の金属コロイド粒子の平均粒子径は、マイクロトラック、透過型電子顕微鏡等を用いて測定することができる。
なお、上記金属コロイド粒子を合わせガラス用中間膜中に40nm以下の平均粒子径で均一に分散させる方法は特に限定されない。例えば、上記金属コロイド粒子を有機溶媒に分散させた金属コロイド粒子溶液と可塑剤とを混合して、上記金属コロイド粒子が40nm以下の平均粒子径で均一に分散された分散溶液を調製する。押出機やプラスト成型機等を用いて、上記分散溶液と上記熱可塑性樹脂とを混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。
また、上記金属コロイド粒子を直接、可塑剤と混合してもよい。例えば、上記金属コロイド粒子が40nm以下の平均粒子径で可塑剤に均一に分散された分散溶液を調製する。押出機やプラスト成型機等を用いて、上記分散溶液と上記熱可塑性樹脂とを混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等を用いてもよい。なお、上記分散溶液は、分散剤を含有してもよい。
上記金属コロイド粒子は、上記分散溶液中に、40nm以下の平均粒子径で均一に分散していることが好ましく、20nm以下の平均粒子径で均一に分散していることがより好ましい。なお、上記分散溶液中の金属コロイド粒子の平均粒子径は、マイクロトラック、透過型電子顕微鏡等を用いて測定することができる。
上記有機溶媒は特に限定されず、エタノール等のアルコール、ケトン溶剤、トルエン、キシレン、炭化水素溶剤等が挙げられる。また、上記金属コロイド粒子の分散性を高めるために、分散剤を使用してもよい。
上記金属コロイド粒子の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する金属コロイド粒子の含有量の好ましい下限が0.00005重量部、好ましい上限が0.05重量部である。上記金属コロイド粒子の含有量が0.00005重量部未満であると、380〜400nmの波長域の紫外線を遮蔽できないことがある。上記金属コロイド粒子の含有量が0.05重量部を超えると、合わせガラスの可視光線透過率が低下することがある。上記金属コロイド粒子の含有量のより好ましい下限は0.0005重量部、より好ましい上限は0.04重量部である。さらに、上記金属コロイド粒子の含有量のより好ましい下限は0.004重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス用中間膜の厚さを760μmとし、厚さ2.5mmの2枚のクリアガラスで挟持して、JIS R 3106に準拠した方法で測定した可視光線透過率Tvが60%以上であることが好ましい。上記可視光線透過率Tvが60%未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜を用いて得られた合わせガラスの可視光線透過率が低く、車両用ガラスとして使用できないことがある。上記可視光線透過率Tvは70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
なお、上記可視光線透過率Tvを測定する装置は特に限定されず、例えば、分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)等が挙げられる。
なお、上記可視光線透過率Tvを測定する装置は特に限定されず、例えば、分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、380〜400nmの波長域の紫外線透過率を低下することができる。上記380〜400nmの波長域の紫外線透過率は、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、更に1%以下であることがより好ましい。上記380〜400nmの波長域の紫外線透過率は、380nm、390nm及び400nmの各波長の紫外線透過率の平均値を意味する。
なお、上記380〜400nmの波長域の紫外線透過率を測定する装置は特に限定されず、例えば、分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)等が挙げられる。
なお、上記380〜400nmの波長域の紫外線透過率を測定する装置は特に限定されず、例えば、分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、酸化防止剤を含有してもよい。上記酸化防止剤は、上記熱可塑性樹脂の耐熱性及び耐候性を向上させる。
上記酸化防止剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記酸化防止剤の含有量の好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。上記酸化防止剤の含有量が0.01重量部未満であると、上記熱可塑性樹脂の耐熱性や耐候性が低下することがある。上記酸化防止剤の含有量が5重量部を超えると、合わせガラス用中間膜の可視光線透過率が低下することがある。上記酸化防止剤の含有量のより好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は1重量部である。
上記酸化防止剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記酸化防止剤の含有量の好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。上記酸化防止剤の含有量が0.01重量部未満であると、上記熱可塑性樹脂の耐熱性や耐候性が低下することがある。上記酸化防止剤の含有量が5重量部を超えると、合わせガラス用中間膜の可視光線透過率が低下することがある。上記酸化防止剤の含有量のより好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、遮熱微粒子を含有してもよい。
上記遮熱微粒子は、赤外線を遮蔽する粒子であれば特に限定されないが、例えば、錫ドープ酸化インジウム微粒子、アンチモンドープ酸化インジウム微粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛微粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子、インジウムドープ酸化亜鉛微粒子、及び、6ホウ化ランタン微粒子からなる群から選択される1以上の遮熱微粒子が挙げられる。
上記遮熱微粒子は、赤外線を遮蔽する粒子であれば特に限定されないが、例えば、錫ドープ酸化インジウム微粒子、アンチモンドープ酸化インジウム微粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛微粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛微粒子、インジウムドープ酸化亜鉛微粒子、及び、6ホウ化ランタン微粒子からなる群から選択される1以上の遮熱微粒子が挙げられる。
上記遮熱微粒子の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記遮熱微粒子の含有量の好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は5重量部である。上記遮熱微粒子の含有量が0.001重量部未満であると、合わせガラス用中間膜が赤外線を遮蔽できないことがある。上記遮熱微粒子の含有量が5重量部を超えると、合わせガラスの可視光線透過率が低下することがある。
本発明の合わせガラス用中間膜は、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、接着力調整剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、蛍光増白剤、青色顔料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は3mmである。合わせガラス用中間膜の厚さが0.1mm未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さが3mmを超えると、合わせガラスの可視光線透過率が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.25mm、より好ましい上限は1.5mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は、可塑剤と金属コロイド粒子とを含有する分散溶液を調製する工程、及び、上記分散溶液と熱可塑性樹脂とを混合し、合わせガラス用中間膜を成形する工程を有する方法が好ましい。
特に、可塑剤と有機溶媒に分散させた金属コロイド粒子溶液とを混合して、可塑剤及び金属コロイド粒子を含有する分散溶液を調製し、分散溶液とポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂と混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法が好ましい。
特に、可塑剤と有機溶媒に分散させた金属コロイド粒子溶液とを混合して、可塑剤及び金属コロイド粒子を含有する分散溶液を調製し、分散溶液とポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂と混合し、合わせガラス用中間膜を成形する方法が好ましい。
上記分散溶液と熱可塑性樹脂とを混合する方法は特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続生産に適することから、押出機を用いる方法が好適であり、二軸押出機を用いる方法がより好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造することができる。
合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラス板が挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラス板が挙げられる。また、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明は、可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低い合わせガラス用中間膜を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)合わせガラス用中間膜の作製
可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.4重量部と、紫外線吸収剤(共同薬品社製「バイオソーブ」)0.4重量部とを混合し、攪拌機を用いて30分間攪拌した。得られた可塑剤溶液40.8重量部に、銀コロイド粒子のエタノール溶液(銀コロイド粒子濃度10重量%、平均粒子径15nm)(日本ペイント社製「ファインスフェアSVW001」)を、銀コロイド粒子が0.04重量部となるように添加し、攪拌機を用いて10分間攪拌し、分散溶液を得た。
得られた分散溶液をポリビニルブチラール樹脂(PVB)100重量部と充分に混合し、二軸押出機を用いて成形し、膜厚が760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(1)合わせガラス用中間膜の作製
可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部と、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.4重量部と、紫外線吸収剤(共同薬品社製「バイオソーブ」)0.4重量部とを混合し、攪拌機を用いて30分間攪拌した。得られた可塑剤溶液40.8重量部に、銀コロイド粒子のエタノール溶液(銀コロイド粒子濃度10重量%、平均粒子径15nm)(日本ペイント社製「ファインスフェアSVW001」)を、銀コロイド粒子が0.04重量部となるように添加し、攪拌機を用いて10分間攪拌し、分散溶液を得た。
得られた分散溶液をポリビニルブチラール樹脂(PVB)100重量部と充分に混合し、二軸押出機を用いて成形し、膜厚が760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(2)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、真空バッグに設置し、933.2hPaの減圧度まで真空バッグ内を脱気した。次いで、真空バッグを加熱し、真空バッグの内部が100℃に達した後、20分間その温度を保持した。真空バッグを自然冷却させ、仮圧着された合わせガラスを得た。
上記真空バッグ法により仮圧着された合わせガラスを、135℃、圧力1.2MPaで20分間オートクレーブし、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)で挟み込み積層体とした。得られた積層体を、真空バッグに設置し、933.2hPaの減圧度まで真空バッグ内を脱気した。次いで、真空バッグを加熱し、真空バッグの内部が100℃に達した後、20分間その温度を保持した。真空バッグを自然冷却させ、仮圧着された合わせガラスを得た。
上記真空バッグ法により仮圧着された合わせガラスを、135℃、圧力1.2MPaで20分間オートクレーブし、合わせガラスを得た。
(実施例2)
銀コロイド粒子の含有量を0.004重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
銀コロイド粒子の含有量を0.004重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(実施例3)
銀コロイド粒子の含有量を0.0001重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
銀コロイド粒子の含有量を0.0001重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(実施例4)
銀コロイド粒子の含有量を0.05重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
銀コロイド粒子の含有量を0.05重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(実施例5)
銀コロイド粒子の含有量を0.06重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
銀コロイド粒子の含有量を0.06重量部としたこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
(比較例1)
銀コロイド粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
銀コロイド粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、比較例で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)可視光線透過率
分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)を用いて、JIS R 3106(1998)に準拠した方法により、合わせガラスの可視光線透過率Tvを求めた。また、300〜2500nmの波長域の日射透過率Tsを求めた。
分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)を用いて、JIS R 3106(1998)に準拠した方法により、合わせガラスの可視光線透過率Tvを求めた。また、300〜2500nmの波長域の日射透過率Tsを求めた。
(2)380〜410nmの光線透過率
分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)を用いて、JIS R 3106(1998)に準拠した方法により、380nm、390nm、400nm及び410nmの各波長の合わせガラスの光線透過率(T(380nm)、T(390nm)、T(400nm)、T(410nm))を測定した。更に、T(380nm)、T(390nm)及びT(400nm)の各波長の紫外線透過率の平均値を求めた。
分光光度計(日立製作所社製「U−4000」)を用いて、JIS R 3106(1998)に準拠した方法により、380nm、390nm、400nm及び410nmの各波長の合わせガラスの光線透過率(T(380nm)、T(390nm)、T(400nm)、T(410nm))を測定した。更に、T(380nm)、T(390nm)及びT(400nm)の各波長の紫外線透過率の平均値を求めた。
(3)ヘーズ
合わせガラス(縦30cm×横30cm)を、縦5cm、横5cmの大きさに切断した。
合わせガラス(縦5cm×横5cm)をヘーズメーター(東京電色社製「TC−H3PP型」)を用いて、JIS K 7015(1981)「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、合わせガラスのヘーズを測定した。
合わせガラス(縦30cm×横30cm)を、縦5cm、横5cmの大きさに切断した。
合わせガラス(縦5cm×横5cm)をヘーズメーター(東京電色社製「TC−H3PP型」)を用いて、JIS K 7015(1981)「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、合わせガラスのヘーズを測定した。
(4)金属コロイド粒子の平均粒子径
得られた合わせガラス用中間膜を、クライオトーム(ライカ社製)を用いて、合わせガラス用中間膜の厚さ方向に厚さ200nmとなるよう切断して、薄膜切片を作製した。次いで、得られた薄膜切片をヘキサンに12時間浸漬した。薄膜切片を乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製「H−7100FA型」)を用いて倍率5000倍にて撮影した。無作為に選択した50個の銀コロイド粒子を観察し、観察した銀コロイド粒子の最も長い径を測定した。得られた長径を個数平均することにより平均粒子径(個数平均粒子径)を求めた。
得られた合わせガラス用中間膜を、クライオトーム(ライカ社製)を用いて、合わせガラス用中間膜の厚さ方向に厚さ200nmとなるよう切断して、薄膜切片を作製した。次いで、得られた薄膜切片をヘキサンに12時間浸漬した。薄膜切片を乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製「H−7100FA型」)を用いて倍率5000倍にて撮影した。無作為に選択した50個の銀コロイド粒子を観察し、観察した銀コロイド粒子の最も長い径を測定した。得られた長径を個数平均することにより平均粒子径(個数平均粒子径)を求めた。
本発明は、可視光線透過率が高く、380〜400nmの波長域の紫外線透過率が低い合わせガラス用中間膜を提供することを目的とする。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂と、可塑剤と、金属コロイド粒子とを含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
- 金属コロイド粒子は、銀コロイド粒子であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 金属コロイド粒子の平均粒子径が40nm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
- 熱可塑性樹脂100重量部に対して、金属コロイド粒子を0.00005〜0.05重量部含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017154510A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
WO2017155066A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
-
2008
- 2008-10-15 JP JP2008266263A patent/JP2009256173A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017154510A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
WO2017155066A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
JPWO2017155066A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2019-01-10 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
JP2019059246A (ja) * | 2016-03-11 | 2019-04-18 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
JPWO2017154510A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2019-04-25 | 日本板硝子株式会社 | ウインドシールド |
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