JP2009256145A - 炭化珪素単結晶育成用種結晶及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤ遊離砥粒研磨やエッチング手段等の特別な処理を必要とすることなく、良質な単結晶インゴットを育成可能なSiC単結晶育成用種結晶を低コストで製造する方法及びこの方法で得られたSiC単結晶育成用種結晶を提供する。
【解決手段】昇華再結晶法による炭化珪素単結晶の育成に用いる種結晶の製造方法であって、炭化珪素単結晶インゴットから機械加工により作製され、種結晶となる炭化珪素単結晶基板に、非酸化性雰囲気下でアニール処理を施す。前記アニール処理の条件としては、好ましくは、温度1700℃以上2300℃以下、及び圧力133Pa以上133kPa以下で行うのがよく、より好ましくは、温度1900℃以上2100℃以下、及び圧力1kPa以上100kPa以下で行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面変質層の無い良質な表面を有し、良質な炭化珪素インゴットの成長に供することのできる炭化珪素種結晶、及びこれを安価に製造する製造方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、2.2〜3.3eVの広い禁制帯幅を持つワイドバンドギャップ半導体である。従来、SiCについては、その優れた物理的、化学的特性から耐環境性半導体材料としての研究開発が行われてきたが、近年は青色から紫外にかけての短波長光デバイス、高周波高耐圧電子デバイス向けの材料としても注目され、活発に研究開発が行われている。SiC単結晶の半導体分野への応用においては、大面積を有する高品質の単結晶が求められ、特に高周波デバイス用基板等の用途では、結晶の品質に加えて高い電気抵抗率を有することも求められている。
従来、研究室程度の規模では、例えば、昇華再結晶法(レーリー法)で半導体素子の作製が可能なサイズのSiC単結晶を得ていた。しかしながら、この方法では得られる単結晶の面積が小さく、その寸法、形状、さらには結晶多形(ポリタイプ)や不純物キャリア濃度の制御も容易ではない。一方、化学気相成長法(CVD法)を用いて珪素(Si)等の異種基板上にヘテロエピタキシャル成長させることにより、立方晶のSiC単結晶を成長させることも行われている。この方法では大面積の単結晶は得られるが、SiCとSiの格子不整合が約20%もあること等により、多くの欠陥(〜107/cm2)を含むSiC単結晶しか成長させることができず、高品質のSiC単結晶を得るには至っていない。
これらの問題点を解決するために、SiC単結晶ウェハを種結晶として昇華再結晶を行う改良型のレーリー法が提案されている(非特許文献1)。この改良レーリー法を用いれば、SiC単結晶の結晶多形(6H型、4H型、15R型等)及び形状、キャリア型及び濃度を制御しながら、SiC単結晶を成長させることができる。そして、現在、この改良レーリー法で作製したSiC単結晶から、口径51mm(2インチ)から100mmのSiC単結晶ウェハが切り出され、電力エレクトロニクス分野等のデバイス作製等に供されている。
しかし、これらの結晶ににおいても、マイクロパイプと呼ばれる成長方向に貫通した中空ホール状欠陥が20個/cm2〜数10個/cm2程度、転移欠陥が104個/cm2〜105個/cm2程度観察される場合が多い。そして、これらの欠陥は、例えば、非特許文献2に記載されているように、電子デバイスを作製した際に漏れ電流等の問題を引き起こすため、結晶欠陥の低減は、SiCデバイス応用上の最重要課題の一つとされている。
ところで、このようなSiCの結晶欠陥の多くは結晶成長の初期に発生することが知られており、その大きな理由の一つとして種結晶表面の加工変質層の影響が挙げられる。一般に、結晶成長に供する種結晶については、単結晶インゴットから研削、切断等の機械加工工程を経て製造される基板が用いられている。しかし、機械加工により作製された基板の表面には、数100nmから数μmの深さに亘って内部応力やマイクロクラックが残留する加工変質層が存在し、その結晶品質は低く、X線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒を超える値を示す場合もある。そして、このような基板を種結晶として用いた場合、成長結晶にはマイクロパイプや転移欠陥が高い密度で発生し、著しく結晶品質が低下する。
そして、従来においては、前述の加工変質層を除去する手段として、遊離砥粒を用いた遊離砥粒研磨が一般的に行われている。しかし、SiCはモース硬度13を有する超高硬度材料であり、この遊離砥粒研磨のためには高価なダイヤモンド砥粒を使う必要がある。しかるに、通常の遊離砥粒を用いた研磨では加工変質層の除去が完全ではないため、遊離砥粒として平均粒径1μm未満のダイヤモンド微粒子を用いたダイヤ遊離砥粒研磨や、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の電子デバイス向け基板同様の高価かつ高度な技術を要する表面処理が行われる場合もある。
また、上記以外の方法で基板の加工変質層を除去する技術として、特許文献1には、研磨された基板表面の加工変質層を反応性ガスエッチングにより除去する技術が開示されている。同技術によれば、10nm〜1μmの低い面粗度を有する基板が得られる。しかしながら、反応性ガスとしてCF4、SF4等の環境負荷や毒性の高いガスを使用する必要がある他、反応性ガスにより基板ホルダもエッチングされ、この基板ホルダを構成する物質が基板を汚染するという別の問題があった。
非特許文献3には、昇華再結晶成長の前段階で種結晶の成長面を昇華エッチングして、その後、連続的に結晶成長へと移行する技術が開示されており、部分的にマイクロパイプや転移欠陥の低減された成長結晶が得られている。しかし、この方法では、昇華分解によって種結晶の一部が消失する一方で、エッチングされない部分が生じる等、サイズや形状の制御された良質なインゴットを産業レベルで得ることは容易ではない。
この他、特許文献2には、インゴットから切り出したSiC基板を10Pa〜0.5MPaの加圧下に800℃〜2400℃で加熱し、SiC基板の平面度を改善する技術が開示されている。これは、SiC基板の結晶格子ずれを矯正し、基板のそりを小さくするという技術であるが、格子ずれの矯正によって基板には基底面転移が大量に発生しており、基板の結晶品質は加熱前より低下する。したがって、この技術により得られたSiC基板を種結晶として用いると、良質なSiC単結晶を育成することは困難となる。
一方、特許文献3には、種結晶の表面に矩形の溝を形成し、成長初期段階において溝内で六法晶のc軸に垂直方向の結晶成長を誘起し、マイクロパイプ欠陥の発生及び伝播を抑制する技術が開示されている。この技術は、結晶の高品質化には有効であるが、溝の加工等が必要になってコスト面で不利である。
特開2004-168649号公報 特開2005-93519号公報 特開2002-121099号公報 Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth,vol.52 (1981) pp.146〜150 P. G. Neudeck et al., IEEE Electron Device Letters, vol.15 (1994) pp.63〜65 T. Kato, S. Nishizawa and K. Arai, Journal of Crystal Growth, vol.233 (2001) pp.219〜225
先に述べたように、良質な単結晶インゴットを育成するためには使用する種結晶表面の加工変質層を除去しておく必要があり、従来から、種結晶についてもデバイス向け基板同様の研磨処理、特に高コストのダイヤ遊離砥粒研磨が一般的に行われてきた。また、このような研磨処理以外の手段として、エッチング、インプロセスエッチング等のエッチング手段が提案されてきているものの、従来の技術はコストの削減や工程の短縮を実現できなかった。
そこで、本発明者らは、このような問題を解決するため、鋭意研究開発を進めてきた。その結果、各種の機械加工により作成されて種結晶となる炭化珪素単結晶基板に、非酸化性雰囲気下でアニール処理を行うことにより、従来よりも低コストでかつ高品質なインゴットを育成可能な種結晶を製造できることを見出した。
従って、本発明の目的は、ダイヤ遊離砥粒研磨やエッチング手段等の特別な処理を必要とすることなく、良質な単結晶インゴットを育成可能なSiC単結晶育成用種結晶を低コストで製造することができる方法を提供することにあり、また、この方法によって製造されたSiC単結晶育成用種結晶を提供するものである。
即ち、本発明は、以下の構成よりなるものである。
(1) 昇華再結晶法による炭化珪素単結晶の育成に用いる種結晶の製造方法であって、炭化珪素単結晶インゴットから機械加工により作製され、種結晶となる炭化珪素単結晶基板に、非酸化性雰囲気下でアニール処理を施す工程を包含することを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
(2) 前記アニール処理が、温度1700℃〜2300℃及び圧力133Pa〜133kPaの条件下に不活性ガス雰囲気下で行われる(1)に記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
(3) 前記アニール処理が、温度1500℃〜2000℃及び圧力10Pa〜13.3kPaの条件下に反応性ガス雰囲気下で行われる(1)に記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
(4) (1)〜(3)の何れかに記載の方法で製造された炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の単結晶成長面の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上200μm以下であることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(5) (1)〜(3)の何れかに記載の方法で製造された炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の単結晶成長面の表面粗さ(Ra)が1μm以上100μm以下であることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(6) 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする(4)又は(5)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(7) 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする(4)又は(5)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(8) 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が50秒以下であることを特徴とする(4)又は(5)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(9) (4)〜(8)の何れかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の少なくとも成長面には遊離砥粒として平均粒径1μm未満のダイヤモンド微粒子を用いたダイヤ遊離砥粒研磨が施されていないことを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
(10) (4)〜(9)の何れかに記載の単結晶育成用種結晶を用いて、昇華再結晶法により炭化珪素単結晶インゴットを育成する工程を包含する炭化珪素単結晶の製造方法。
(11) (10)の製造方法により育成された炭化珪素単結晶インゴットを加工してなる炭化珪素単結晶ウェハであり、該ウェハの口径が75mm以上300mm以下であって、マイクロパイプ欠陥密度が10個/cm2以下である炭化珪素単結晶ウェハ。
本発明の種結晶の製造方法よれば、ダイヤ遊離砥粒研磨やエッチング手段等の特別な処理を必要とすることなく、良質な単結晶インゴットを育成可能な炭化珪素単結晶育成用の種結晶を低コストで製造することができる。また、本発明の方法により製造された種結晶を用いて結晶成長を行うと、マイクロパイプ欠陥密度の低い、良質なデバイス向け基板を製造可能な結晶品質の高い単結晶インゴットを製造できる。そして、この高品質のインゴットを加工して得られるウェハにデバイスを形成すると、ウェハ欠陥起因のデバイス不良を大幅に減少することができ、デバイス歩留りが格段に向上する。
本発明の種結晶の製造方法において、種結晶を製造する際に用いられる炭化珪素単結晶基板は、通常は、単結晶インゴットから研削、切断等の機械加工を経て製造される。
このような機械加工により単結晶インゴットから切り出された炭化珪素単結晶基板は、通常その表面がこの機械加工によって生じた加工変質層に覆われているが、本発明においては、これを非酸化性雰囲気下でのアニール処理によって取り除く。このアニール処理によって、炭化珪素単結晶基板の表面で昇華分解や原子再配列等が起こり、これらのプロセスを経て加工変質層が除去される。
本発明において、ワイヤーソー等の機械加工によって切断された炭化珪素単結晶基板をそのままアニール処理してもよいが、より望ましくは、固定砥石研削等の機械加工によりソーマーク等の不均一形状を除去してからアニール処理を行うのがよい。
また、本発明においては、種結晶の少なくとも成長面には平均粒径1μm未満のダイヤモンド微粒子を用いたダイヤ遊離砥粒研磨を行わないのがよい。製造コストの点では、ダイヤ遊離砥粒研磨を全く行わないことが最も望ましいが、種結晶において、成長面の裏面は坩堝蓋に接触して抜熱する面となるので、より良好な熱コンタクトを確保するために、必要によりこの成長面の裏面にダイヤ遊離砥粒研磨を施し、平坦度の良い面に仕上げることもできる。この場合には、これまでは種結晶の成長面とその裏面の両面に高コストのダイヤ遊離砥粒研磨を必要としていたが、本発明の製造方法により、このような研磨コストを半分以下に低減することができる。
本発明において、非酸化性雰囲気下でのアニール処理としては、通常、窒素(N2)やアルゴン(Ar)等の不活性ガスの雰囲気下で行うアニール処理と、水素(H2)等の種結晶の表面(炭化珪素)に対して反応性を有する反応性ガス雰囲気下で行うアニール処理とがあり、種結晶となる炭化珪素単結晶基板の表面に生じた加工変質層の深さや状態等によって、いずれのアニール処理を適用するかを判断するのがよい。例えば、加工変質層の深さが3μm程度を超えない場合には、製造コストの点から不活性ガス雰囲気下でのアニール処理が好ましく、反対に、深さが3μm程度を超えるような場合には、不活性ガス雰囲気下でのアニール処理によって加工変質層を除去しようとすると、アニール処理が高温、長時間化して好ましくないので、この場合は反応性ガス雰囲気下でのアニール処理が好ましい。
ここで、Ar等の不活性ガス雰囲気下でアニール処理を行う場合、このアニール処理の条件としては、好ましくは、温度1700℃以上2300℃以下、及び圧力133Pa以上133kPa以下で行うのがよく、より好ましくは、温度1900℃以上2100℃以下、及び圧力1kPa以上100kPa以下である。温度が1700℃未満では、物質移動の速度が極端に低いので、アニールが長時間化し、効率的でない。一方、本発明の目的においては、温度が2300℃を超えても効率は上がらないので、経済的でない。また、133Pa未満の圧力では昇華分解速度が大きいため制御が困難であり、反対に、圧力が133kPaを超えると必要な昇華分解も極めて起こり難くなる。
また、水素等の反応性ガス雰囲気下でアニール処理を行うことにより、加工変質層の深さが3μm程度を超えて深い場合にも、この加工変質層を容易に除去することが可能となる。この場合の反応性ガスとしては、水素が好ましい。水素を使用する場合は、アニール処理後の排出ガスについて燃焼処理等が必要となるが、水素は、一般的にSiCのエッチングガスとして用いられているフッ素系あるいは塩素系ガスと比較して、毒性等の観点からはるかに扱い易いガスであり、価格も低い。また、水素のエッチング性は、強い反応性を有するフッ素系あるいは塩素系ガスと比較して緩やかであって、表面の平坦化が進みにくいことから、この点でも本発明の目的に適している。
そして、水素等の反応性ガス雰囲気下でアニール処理を行う場合、好ましくは、種結晶となる炭化水素単結晶基板の加工変質層の深さや表面の状態等に応じて、使用する反応性ガス中に不活性ガスを一部混合してそのエッチング性を制御するのがよい。この目的で、例えば水素と混合して雰囲気ガスとするための不活性ガスとしては、特に制限されるものではないが、価格等の点からArが良い。この結果、反応性ガス雰囲気を構成する雰囲気ガス中の水素ガスの濃度は50体積%以上100体積%以下となり、好ましく70体積%以上99体積%以下であるのがよく、最適な混合比はアニール処理の条件、基板の表面状態等により選択することができる。
反応性ガス雰囲気下でのアニール処理を行う場合は、不活性ガス雰囲気下でのアニール処理よりも、より低い温度及び/又は圧力で加工表面層が除去されるので、好ましくは温度1500℃以上2000℃以下、及び圧力10Pa以上13.3kPa以下であり、より好ましくは、1600℃以上1900℃以下、及び圧力100Pa以上7kPaである。1500℃未満では、反応性ガスとして水素を用いた場合、そのエッチング反応の進行が遅く、雰囲気ガスとして水素を用いる効果が小さく、反対に、不必要に2000℃を超える高い温度にする必要はない。圧力についても、10Pa未満では表面の分解が著しいので避けるべきであり、反対に、13.3kPaを超えて高い圧力をかける必要はない。
不活性ガス雰囲気下でのアニール処理の場合も、また、反応性ガス雰囲気下でのアニール処理の場合も、アニール処理の処理時間については、特に制限はないが、24時間を超えるような条件は経済的ではないので、好ましくは24時間以下となるよう、アニール処理の雰囲気、圧力、温度を選択するのが望ましい。
本発明において、不活性ガス雰囲気下又は反応性ガス雰囲気下で行うアニール処理は、セラミックス焼成用の抵抗加熱炉等の一般的な加熱設備を用いて実施できるほか、結晶成長用の誘導加熱炉を用いても実施できるが、炉内温度の均一性という観点から、抵抗加熱炉がより好ましい。
本発明の方法によって得られる種結晶については、その表面粗さ(Ra)が、通常、0.1μm以上200μm以下、望ましくは1μm以上100μm以下であって、比較的粗い面を有する。これは、種結晶となる炭化水素単結晶基板にダイヤ遊離砥粒研磨等の高平坦度仕上げを施さないままアニール処理を施していることや、アニール処理の条件が極端な昇華分解やエッチング作用の発生しない緩やかな条件であること等に起因するものであり、得られた種結晶は、その表面の結晶品質は改善されても、機械加工後の表面粗さ(Ra)はほぼそのまま維持される。この種結晶の表面粗さ(Ra)に関して、0.1μm未満では結晶成長の初期段階でc軸に垂直方向の結晶成長が起こり難く、反対に、200μmを越えるような場合は、機械加工による表面層ダメージが過大であり、アニール処理のみで加工変質層を除去するのが難しくなるほか、良質な結晶育成を行うことができなくなる。
本発明の種結晶においては、前述のように、少なくともその成長面が比較的粗い面となっており、この粗い成長面には、成長方向に垂直な面(六法晶のc軸にほぼ垂直な面)以外に、六法晶のc軸にほぼ平行な微小な面も数多く存在することになり、従って、結晶成長の初期段階においてはc軸に垂直方向の成長が誘起され、その後にc軸方向の成長が主となってインゴットが育成される。そして、多くの研究報告等で明らかにされている通り、c軸方向に垂直な成長では、マイクロパイプを初めとしたc軸に平行な結晶欠陥が引き継がれることがない。このため、本発明の製造方法で製造された種結晶を用いて昇華再結晶法によりSiC単結晶の育成を行うと、成長面の加工変質層が除去されているので、成長初期にこの加工変質層に起因する結晶欠陥の発生が無く、加えて、成長初期に誘起されるc軸垂直方向の結晶成長により、種結晶に残存した結晶欠陥の一部が消滅し、育成された結晶に引き継がれなくなり、結果として、結晶品質の高い良質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
機械加工により作製された種結晶用の炭化水素単結晶基板は、加工変質層の影響により、X線ロッキングカーブの半値幅が150秒超を示す場合もある。本発明の製造方法によれば、得られた種結晶は、その成長面の90%以上の領域において、X線ロッキングカーブの半値幅が150秒以下、好ましくは100秒以下、さらに好ましくは50秒以下であって、結晶品質に優れている。SiC単結晶は、マイクロパイプ等の局所的な結晶欠陥が存在すると、基板全面を高品質化することは困難であり、また、デバイス化可能領域(ユーザブル・エリア)の観点からも、基板の全面ではなくても90%以上が良質結晶であればよい。
種結晶の面積が大きくなるほど研磨のコストも大きくなり、さらに通常は結晶サイズが大きくなるほど成長初期の欠陥発生のリスクも高くなり、良質なインゴットを得るのがより難しくなるので、本発明は口径の大きな種結晶を製造する場合により有効である。口径について具体的には、デバイスの生産性を考慮すると75mm(3インチ)以上でより大きいほど好ましいが、300mmを超える結晶口径になると昇華再結晶中の結晶内部の温度分布が大きくなり、種結晶の物性値のばらつきが著しいので好ましくない。
望ましい結晶成長プロセスにおいて、本発明の方法で製造された種結晶を使用すれば、育成された単結晶インゴットから加工されたウェハのマイクロパイプ欠陥密度を10個/cm2以下とすることができ、本発明のウェハを用いるとデバイス歩留りが格段に向上する。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例においては、種結晶の製造プロセスのみが異なり、それぞれの方法で作製した種結晶を用いて単結晶インゴットの成長を行い、成長結晶を評価した。
[種結晶作製用の炭化水素単結晶基板の調製]
口径約77mmの4Hポリタイプで構成された単結晶インゴットを準備し、その外形を平面研削機、円筒研削機を用いてc軸にほぼ平行な円筒形に加工した。加工後の寸法は、口径76.5mm、高さ17.5mmであった。次に、マルチワイヤーソーを用いてこのインゴットをスライスし、以下の実施例及び比較例の種結晶作製用の炭化珪素単結晶基板に加工した。これらの基板の切り出し厚さは0.8mmであり、17枚の基板が得られた。各基板について、その表面粗さ(Ra)を蝕針式の粗さ測定器を用いて測定した結果、そのいずれもおよそ1μm〜100μmの範囲にあった。
前述した17枚の炭化珪素単結晶基板の内の1枚の基板について、その両面に平均粒径1μm未満のダイヤモンド微粒子を遊離砥粒とするダイヤ遊離砥粒研磨を施し、マイクロパイプをCandela社製のCS10 Optical Surface Analyzerを用いてカウントし、上で作製された基板のマイクロパイプを評価した。マイクロパイプ密度は16.5個/cm2であり、17枚全ての基板が同等のマイクロパイプ密度を有すると考えられる。
[18/20サイトのX線半値幅最大値の測定]
上記のダイヤ遊離砥粒研磨が施されていない残りの16枚の炭化珪素単結晶基板について、X線回折装置(PHILIPS社製MPD1880HRD)を用い、X線回折測定を行い、ロッキングカーブの半値幅を評価した。このX線回折測定において、X線照射スポットは約8×3.3mmであり、各基板全面に分散させた20サイトで0004反射を測定した。この基板全面に分散させた20サイトでの測定データにより、基板全面の特性をほぼ把握できると考えられる。
次に、得られた20のデータから半値幅の最も大きい2データを除外し、残りの18データの中で最大の半値幅(以降、「18/20サイトのX線半値幅最大値」という。)を用いて、基板の表面品質を評価した。18サイト/20サイト=90%であるので、測定された各炭化珪素単結晶基板の90面積%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅の最大値は “18/20サイトのX線半値幅最大値”以下であると考えることができる。
また、アニール処理を行った場合にはこのアニール処理後に、また、ダイヤ遊離砥粒研磨を行った場合にはこのダイヤ遊離砥粒研磨後に、それぞれ同様のX線回折測定を行い、“18/20サイトのX線半値幅最大値”を求めて評価した。ここで、上記の16枚の炭化珪素単結晶基板における“18/20サイトのX線半値幅最大値”を「機械加工後」のデータとし、また、アニール処理後の“18/20サイトのX線半値幅最大値”を「アニール処理後」のデータとし、更に、ダイヤ遊離砥粒研磨後の“18/20サイトのX線半値幅最大値”を「研磨後」のデータとした。
[単結晶成長試験]
図1は、本発明の各実施例及び比較例において、単結晶成長試験で用いた改良型レーリー法による単結晶成長装置を示すものである。結晶成長は、昇華原料2を誘導加熱により昇華させ、各実施例及び比較例で作製された種結晶1上に再結晶させることにより行われた。種結晶1は、カーボン面を成長面として黒鉛蓋4の内面に取り付けられた。昇華原料2は黒鉛坩堝3の内部に充填された。この黒鉛坩堝3及び黒鉛蓋4は、熱シールドのために黒鉛製フェルト7で被膜され、二重石英管5内部の黒鉛支持棒6の上に設置された。
単結晶成長試験に際して、真空排気装置11を用いて石英管5の内部を1.0×10-4Pa未満まで真空排気した後、この石英管5内には配管9を介してArガス用マスフローコントローラ10で制御しながら純度99.9999%以上の高純度Arガスを流入させ、石英管内圧力を8.0×104Paに保ちながらワークコイル8に高周波電流を流し、黒鉛坩堝下部を目標温度である2400℃まで上昇させた。この際の坩堝温度の計測は、坩堝上部及び下部の黒鉛製フェルト7に直径2〜15mmの光路を設けて二色温度計により行った。坩堝上部温度を種結晶温度とし、坩堝下部温度を原料温度とした。
その後、石英管内圧力を成長圧力である1.3×103Paまで約15分かけて減圧し、この状態を60時間維持して結晶成長を実施した。この成長プロセスにより、直径約77mm、高さ約30mmの炭化珪素単結晶インゴットを製造し、得られたインゴットから口径76.5mm(3インチ)の炭化珪素単結晶基板を切り出し、Candela社製のCS10 Optical Surface Analyzerを用いてマイクロパイプをカウントし、製造された炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めて評価した。
(実施例1)
前述の研磨されていない炭化珪素単結晶基板の内、2枚についてアニール処理を行った(実験番号11及び12)。処理方法は以下に示す通りである。
2枚の基板を、タンタルカーバイドでコーティングされた黒鉛製の基板ホルダで保持し、ホルダごとタングステン製の坩堝に収納した。この坩堝をタングステンメッシュヒーターとタングステンとモリブデンから構成されたヒートシールドを有するアニール炉に納め、ロータリーポンプとターボ分子ポンプを用いて1.0×10-4Paまで真空排気した。その後、不活性ガスの窒素(N2)を炉内に導入し、この不活性ガス雰囲気下に圧力を100kPaに制御しながら温度を1550℃に上昇させ、18時間のアニール処理を行った。
アニール処理して得られた基板(種結晶)について、その表面粗さ(Ra)を測定した結果、このRaの値は、ほぼアニール処理前の値が維持されており、1μm〜200μmの範囲にあった。
また、2枚の炭化珪素単結晶基板から得られた各基板(種結晶)について、そのロッキングカーブを測定し、アニール処理後の18/20サイトのX線半値幅最大値を求めた。先に測定した機械加工後の18/20サイトのX線半値幅最大値と共に表1に示す。
次に、このようにして得られた実施例1のアニール処理後の基板(種結晶)について、その種結晶1枚につき1回の結晶成長を行い、単結晶インゴットを育成した。得られた2個の単結晶インゴットについて、上記の単結晶成長試験を実施し、マイクロパイプのカウントを行って炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
前述の研磨されていない炭化珪素単結晶基板の内、実施例1とは異なる2枚について、アニール処理を行った(実験番号21及び22)。実施例2についても、実施例1と同じアニール炉を用い、同様に準備を行った。
アニール処理の雰囲気はArからなる不活性ガス雰囲気であり、真空引き後にArガスを炉内に導入し、圧力を113kPaに制御しながら温度を1850℃に上昇させ、12時間のアニール処理を行った。
アニール処理後の基板(種結晶)のRa値は、ほぼアニール処理前の値が維持されており、1μm〜200μmの範囲にあった。
また、各基板(種結晶)のロッキングカーブを測定し、アニール処理後の18/20サイトのX線半値幅最大値を求めた。先に測定した機械加工後の18/20サイトのX線半値幅最大値と共に表1に示す。
更に、実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
前述の研磨されていない炭化珪素単結晶基板の内、実施例1及び2とは異なる3枚について、80番手の固定ダイヤ砥石を備えたロータリーグラインダーを用いてソーマークを除去した後、アニール処理を行った(実験番号31、32及び33)。実施例3についても、実施例1と同じアニール炉を用い、同様に準備を行った。
アニール処理の雰囲気はArからなる不活性ガス雰囲気であり、真空引き後にArガスを炉内に導入し、圧力を50kPaに制御しながら温度を1950℃に上昇させ、10時間のアニール処理を行った。
アニール処理後の基板(種結晶)のRa値は、ほぼアニール処理前の値が維持されており、1μm〜100μmの範囲にあった。
また、各基板(種結晶)のロッキングカーブを測定し、アニール処理後の18/20サイトのX線半値幅最大値を求めた。先に測定した機械加工後の18/20サイトのX線半値幅最大値と共に表1に示す。
更に、実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例4)
前述の炭化珪素単結晶基板の中で実施例1〜3とは異なる2枚に水素ガスを含む雰囲気でのアニール処理を行った(実験番号41及び42)。実施例1と同じアニール炉を用い、同様に準備を行った。
アニール処理の雰囲気は、水素ガス65体積%及びAr35体積%で構成される混合ガスからなる反応ガス雰囲気とし、圧力は10kPaに制御した。アニール温度は1550℃、アニール時間は10時間とした。
実施例1と同様に、アニール処理後の基板(種結晶)のRa値は、ほぼアニール処理前の値が維持されており、1μm〜200μmの範囲であった。
また、取り出した各基板(種結晶)のロッキングカーブを測定し、アニール処理後の18/20サイトのX線半値幅最大値を求めた。先に測定した機械加工後の18/20サイトのX線半値幅最大値と共に表1に示す。
更に、実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例5)
前述の炭化珪素単結晶基板の中で実施例1〜4とは異なる3枚に、80番手の固定ダイヤ砥石を備えたロータリーグラインダーを用いてソーマークを除去した後、水素ガスを含む雰囲気でのアニール処理を行った(実験番号41及び42)。実施例1と同じアニール炉を用い、同様に準備を行った。
アニール処理の雰囲気は、水素ガス95体積%及びAr5体積%で構成される混合ガスからなる反応ガス雰囲気とし、圧力は1.3kPaに制御した。アニール温度は1800℃、アニール時間は8時間とした。
実施例1と同様に、アニール処理後の基板(種結晶)のRa値は、ほぼアニール処理前の値が維持されており、1μm〜200μmの範囲であった。
また、取り出した各基板(種結晶)のロッキングカーブを測定し、アニール処理後の18/20サイトのX線半値幅最大値を求めた。先に測定した機械加工後の18/20サイトのX線半値幅最大値と共に表1に示す。
更に、実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2009256145
(比較例1)
前述の炭化珪素単結晶基板の中で、実施例1〜5とは異なる2枚(実験番号61及び62)に、ダイヤモンドスラリーを用いたダイヤ遊離砥粒研磨を行い、加工異変質層を除去した。用いたダイヤ遊離砥粒の平均粒径は段階的に小さくしていき、最終工程では0.25μmとした。このダイヤ遊離砥粒研磨完了後の表面粗さRaは1nm〜10nmと低い値を示した。
実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表2のに示す。
(比較例2)
前述の炭化珪素単結晶基板の中で、実施例1〜5及び比較例1とは異なる2枚について、アニール処理を行わず、機械加工の表面のままで比較例2の種結晶とした(実験番号61及び62)。
実施例1と同様にして単結晶成長試験を行い、得られた各炭化珪素単結晶インゴット(成長結晶)のマイクロパイプ密度を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2009256145
表1に示すように、本発明の各実施例の種結晶は、アニール処理によって表面の加工変質層が取り除かれ、X線ロッキングカーブの半値幅が150秒以下となっており、これらの種結晶を用いて炭化珪素単結晶インゴットを育成した単結晶成長試験では、結晶欠陥の発生が抑制され、良質な単結晶インゴットを製造することができた。
また、特に好ましい不活性ガス(Ar)雰囲気下のアニール処理を行った実施例3の場合には、マイクロパイプ密度は、種結晶よりも小さく、10個/cm2以下となり、品質の非常に高い結晶を製造することができた。これは、単に表面変質層が取り除かれただけではなく、c軸垂直方向の成長が誘起されたことによってマイクロパイプの閉塞が加速されたことによる。
同様に、特に好ましい反応性ガス(水素含有混合ガス)雰囲気下のアニール処理を行った実施例5においても、X線ロッキングカーブの半値幅が50秒以下となっており、得られた結晶のマイクロパイプ密度も10個/cm2以下であった。
一方、表2に示す比較例1の種結晶は、ダイヤ遊離砥粒研磨によって表面変質層が取り除かれており、これを種結晶として育成された結晶はほぼ種結晶の品質を維持しているものの、種結晶よりも大幅にマイクロパイプが減ることは無かった。これは成長表面が平坦化され、成長初期にc軸垂直の結晶成長が起こり難かったことによる。
また、比較例2は、機械加工した基板をそのまま種結晶として使用した場合の例であるが、表面の加工変質層に起因して異種ポリタイプ(6Hタイプ)が発生し、4Hタイプと混在して界面からマイクロパイプが発生した他、加工変質層を直接の起点として種結晶の直上からマイクロパイプが発生する等して、成長結晶の品質は著しく劣るものであった。
[ホモ・エピタキシャル薄膜成長試験]
さらに、上記実施例3の実験番号31の単結晶インゴットから、口径76.5mmの(0001)Si面で[11-20]方向に4°傾いた面方位を有する単結晶基板を加工し、研磨して鏡面基板とした。この基板を用いて、SiCのホモ・エピタキシャル成長を行った。エピタキシャル薄膜の成長条件は、成長温度が1550℃であり、原料ガス及びキャリアガスがそれぞれSiH4、C3H8、H2であって、その流量がそれぞれ、5.0×10-9m3/sec、3.3×10-9m3/sec、5.0×10-9m3/secであった。成長圧力は大気圧とした。2時間の成長により、5μmの薄膜が形成された。
ノルマルスキー光学顕微鏡により、得られたエピタキシャル薄膜のモフォロジーを観察したところ、ウェハ全面に渡って非常に平坦で、キャロット等のエピ欠陥も少ない、良好なエピ薄膜が形成されていることが分かった。
図1は、本発明の種結晶の単結晶成長試験に用いた単結晶製造装置を模式的に示す構成説明図である。
符号の説明
1 種結晶(SiC単結晶)
2 昇華原料
3 黒鉛坩堝
4 黒鉛蓋
5 二重石英管
6 支持棒
7 黒鉛製フェルト
8 ワークコイル
9 高純度Arガス配管
10 高純度Arガス用マスフローコントローラ
11 真空排気装置

Claims (11)

  1. 昇華再結晶法による炭化珪素単結晶の育成に用いる種結晶の製造方法であって、炭化珪素単結晶インゴットから機械加工により作製され、種結晶となる炭化珪素単結晶基板に、非酸化性雰囲気下でアニール処理を施す工程を包含することを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
  2. 前記アニール処理が、温度1700℃〜2300℃及び圧力133Pa〜133kPaの条件下に不活性ガス雰囲気下で行われる請求項1に記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
  3. 前記アニール処理が、温度1500℃〜2000℃及び圧力10Pa〜13.3kPaの条件下に反応性ガス雰囲気下で行われる請求項1に記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法で製造された炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の単結晶成長面の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上200μm以下であることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の方法で製造された炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の単結晶成長面の表面粗さ(Ra)が1μm以上100μm以下であることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  6. 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  7. 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  8. 前記種結晶の単結晶成長面の90%以上において、X線ロッキングカーブの半値幅が50秒以下であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  9. 請求項4〜8の何れかに記載の炭化珪素単結晶育成用種結晶であって、該種結晶の少なくとも成長面には遊離砥粒として平均粒径1μm未満のダイヤモンド微粒子を用いたダイヤ遊離砥粒研磨が施されていないことを特徴とする炭化珪素単結晶育成用種結晶。
  10. 請求項4〜9の何れかに記載の単結晶育成用種結晶を用いて、昇華再結晶法により炭化珪素単結晶インゴットを育成する工程を包含する炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 請求項10の製造方法により育成された炭化珪素単結晶インゴットを加工してなる炭化珪素単結晶ウェハであり、該ウェハの口径が75mm以上300mm以下であって、マイクロパイプ欠陥密度が10個/cm2以下である炭化珪素単結晶ウェハ。
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