JP2009255745A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止でき、且つ、電動モータから安定して補助力を付与できる構造を、部品点数を抑えて低コストに構成する。
【解決手段】ウォーム軸7の先端部を支持する為の軸受を滑り軸受22とする。この滑り軸受22は、ハウジング3a内に保持したガイドブロック13aに設けた通孔23に、上記ウォーム軸7の先端部で押圧駒10を支持した部分から外れた部分を、滑り接触可能な状態で挿通する事により構成する。そして、上記ガイドブロック13aに設けたガイド壁部により、上記押圧駒10を介して上記ウォーム軸7を、ウォームホイール4に対する遠近動を可能に案内する。
【選択図】図2

Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。本発明は、この様な電動式パワーステアリング装置を構成するウォーム式減速機部分で、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を抑えられ、しかも、ステアリングホイールの操作感を良好にできる構造を、部品点数が少なく簡素に構成する事を意図して発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。但し、ウォーム減速機の場合、何らの対策も施さないと、上記ウォームと上記ウォームホイールとの噛合部に存在するバックラッシュに基づき、上記回転軸の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する場合がある。
この様な歯打ち音の発生を抑えられる構造として従来から、特許文献1〜2に記載されている様に、ばね等の弾性部材によりウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する事が考えられている。図15〜20は、このうちの特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置の1例を示している。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合し、電動モータ5により回転駆動されるウォーム6は、ウォーム軸7の軸方向中間部にウォーム歯8を設けて成り、このうちのウォーム軸7の両端部を、単列深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持している。更に、上記ウォーム軸7の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に付勢部材10を外嵌し、この付勢部材10と上記ハウジング3との間に、弾性部材であるコイルばね11を設けている。
具体的には、上記ハウジング3内で上記ウォーム軸7の先端部に対向する部分に、保持凹部12を設け、この保持凹部12内にガイドブロック13を保持している。又、上記ウォーム軸7の先端寄り部分はこのガイドブロック13に、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られた弾性リング14と、この弾性リング14の外径側に保持された上記転がり軸受9aとにより、回転及び上記ウォームホイール4に対する遠近動を可能に支持している。上記付勢部材10は、上記ウォーム軸7の先端部で上記転がり軸受9aよりも突出した部分に、この転がり軸受9aに対する相対回転を自在に(実際には付勢部材10の内側での上記ウォーム軸7の回転を自在に)外嵌している。この付勢部材10は、回転はしないが、上記ウォームホイール4に対する遠近動を可能に、上記ガイドブロック13の軸方向外側面(上記保持凹部12の奥側の側面)に保持されている。
この為、このガイドブロック13の軸方向外側面に、それぞれが2分割された1対のガイド壁部15、15を、上記ウォームホイール4の軸方向に離隔し、且つ、上記ガイドブロック13の本体部分16よりも上記ウォーム歯8と反対側に突出した状態で設けている。上記両ガイド壁部15、15同士の間隔D15は、上記付勢部材10の幅Wよりも僅かに大きく(D15>W)して、この付勢部材10を上記両ガイド壁部15、15同士の間に、上記ウォームホイール4に対する遠近動を可能に、且つ、このウォームホイール4の軸方向の変位を抑えた状態で挟持している。
更に、上記付勢部材10に外嵌した、弾性部材であるコイルばね11を構成する線材の両端部で、コイル部17の径方向内方に折り曲げて成る1対の折り曲げ部18、18を、上記両ガイド壁部15、15に形成した係止凹部19、19に係止している。この状態で上記コイルばね11の内周面は、上記付勢部材10のうちの、上記ウォームホイール4から反対側の面に、弾性的に当接した状態となる。そして、上記コイルばね11により、上記付勢部材10を介して、上記ウォーム歯8を上記ウォームホイール4に向け押圧し、これらウォーム歯8とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な従来構造の場合には、ウォーム6をウォームホイール4に向け弾性的に押圧した状態で、ウォーム軸7をこのウォームホイール4に対する遠近動を可能に支持する為に、このウォーム軸7の先端寄り部を、弾性リング14と、転がり軸受9aと、ガイドブロック13と、付勢部材10と、コイルばね11とにより支持している。この様な構造の場合、部品点数が多く、その分、組み付け作業が面倒になると共に、製造コストが増大する可能性がある。
一方、特許文献3には、ウォーム軸の先端部を滑り軸受により支持すると共に、この滑り軸受を構成する保持筒を、円環状のコイルばねを介してガイドブロックに支持する構造が記載されている。又、特許文献4には、ガイドブロックを撓ませた(弾性変形させた)状態でハウジング内に支持する事により、この撓みに基づくガイドブロック自身の弾性力により、ウォームをウォームホイールに向け弾性的に押圧する構造が記載されている。
これら特許文献3、4に記載された構造の場合は、転がり軸受に代えて、滑り軸受を用いている分、部品点数の低減、延いては、コストの低減を図れる。但し、上記特許文献3、4に記載された構造の場合、円環状のコイルばねやガイドブロック自身により弾性力を付与する(弾性的に押圧する)為、この弾性力の設定が面倒になり、ウォーム軸に所望の弾性力を付与しにくくなる可能性がある。この為、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生するのを十分に防止できない可能性がある。しかも、上記特許文献3、4に記載された構造の場合、上記ウォーム軸の変位を所望の方向に規制する(ウォーム軸を案内する)為の機構が設けられていない為、このウォーム軸が、上記ウォームホイールに近付く方向以外、具体的には、このウォームホイールの軸方向にも変位する可能性がある。この様なウォーム軸の変位は、上記ウォームホイールとウォーム歯との噛合部でずれを生じさせ、電動モータから付与される補助力が不安定になり(補助トルクが変動し易くなり)、ステアリングホイールの操作に違和感を与える可能性がある。
尚、特許文献5には、ウォーム軸の先端部を支持する転がり軸受を、ガイドブロックに設けた案内部で案内する事により、このウォーム軸の変位方向を規制する構造が記載されている。但し、この様な特許文献5に記載された構造の場合には、転がり軸受によりウォーム軸の先端部を支持する為、その分、部品点数が多くなり、組み付け作業が面倒になると共に、製造コストが増大する可能性がある。
特開2004−306898号公報 特開2007−321846号公報 特開2001−233225号公報 特開2001−270448号公報 特開2002−67992号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、部品点数を抑える事により低コストで、しかも、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止でき、且つ、電動モータから安定して補助力を付与できる、電動式パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は何れも、前述した従来から知られている電動式パワーステアリング装置と同様に、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、付勢部材と、弾性部材とを備える。
このうちのハウジングは、車体等の固定の部分に支持されて、操舵時にも回転する事はない。
又、上記回転軸は、上記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。この様な回転軸としては、例えば前述の図15に示した構造でのステアリングシャフト2、或いは、中間シャフト20、更には、ステアリングギヤユニット21の入力軸(ピニオン軸)が採用可能である。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に(締り嵌めによる外嵌固定、キー係合、スプライン係合等により相対回転を阻止された状態で)支持されて、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成る。そして、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により、上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
又、上記電動モータは、上記ウォーム軸の基端部と出力軸の先端部とを回転力の伝達を自在に係合させて、このウォーム軸を両方向に回転駆動自在としている。
又、上記付勢部材は、上記ウォーム軸の先端部を回転自在に支持している。
又、上記弾性部材(例えばコイルばね)は、上記付勢部材を介して上記ウォーム歯を、上記ウォームホイールに向け押圧している。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては何れも、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ支持する上記各軸受のうち、少なくとも上記電動モータから遠い側の軸受を滑り軸受としている。
又、この滑り軸受を、上記ハウジング内に保持したガイドブロックに設けた通孔に、上記ウォーム軸の先端部で上記付勢部材を支持した部分から外れた部分を、滑り接触可能な状態で挿通する事により構成している。
そして、請求項1に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、上記ガイドブロックに上記付勢部材の変位を規制する為のガイド部を、このガイドブロックと一体に設け、このガイド部により上記付勢部材を介して上記ウォーム軸を、上記ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に(ウォームホイールの軸方向の変位を阻止した状態で)案内する。
一方、請求項2に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、上記通孔の内周面により直接上記ウォーム軸を、上記ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に(ウォームホイールの軸方向の変位を阻止した状態で)案内する。
尚、必要に応じて、上記ウォーム軸を、上記ガイド部により上記付勢部材を介して案内し、且つ、上記通孔の内周面により直接案内する事もできる(請求項1に記載した構成と請求項2記載した構成との両方の構成を採用する事もできる)。
何れにしても、上述の様な請求項2に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記通孔の内周面に、互いに対向する状態で平行な1対の平坦面を設ける。そして、これら両平坦面同士の間でこれら両平坦面に沿ってウォーム軸の変位を許容する事により、このウォーム軸を、上記ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に案内する。この場合により好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、互いに対向する上記平坦面同士の間隔をAとし、上記ウォーム軸の外周面のうちで上記通孔と径方向に重畳する部分の外径をBとした場合に、A≧Bとする。
又、上述の様な請求項2に記載した、並びに、前述の様な請求項1に記載した、本発明の電動式パワーステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、上記ガイドブロックと上記付勢部材との間に上記弾性部材を設ける。又、請求項6に記載した発明の様に、上記ガイドブロックの少なくとも一部を(例えば径方向内方に)弾性変形させた状態で(締り嵌めにより)、このガイドブロックを上記ハウジング内に保持する。又、請求項7に記載した様に、上記ガイドブロックに装着した第二の弾性部材(例えば板ばね)を弾性変形させた状態で、このガイドブロックを上記ハウジング内に保持する。又、請求項8に記載した発明の様に、上記ハウジングと上記ガイドブロックとに設けた凹部と凸部とを凹凸係合させた状態で、このガイドブロックを上記ハウジング内に保持する。尚、これら凹部と凸部とは、上記ハウジングと上記ガイドブロックとの何れに設けても良い。但し、より好ましくは、請求項9に記載した発明の様に、このハウジングの内面で、断面円形の外周面を有するガイドブロックを内嵌する部分(円筒状の保持凹部)に、凹部となる凹溝を、この内面から凹入する状態で全周に亙り設け、この凹溝に、上記ガイドブロックの外周面に設けた凸部を凹凸係合させる。
上述の様な構成を有する本発明の電動式パワーステアリング装置によれば、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止でき、且つ、電動モータから安定して補助力を付与できる構造を、部品点数を少なく抑えて、低コストに構成できる。
即ち、本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、電動モータから遠い側の軸受を滑り軸受としており、この滑り軸受を、ハウジング内に保持したガイドブロックに設けた通孔に、ウォーム軸の先端部で付勢部材を支持した部分から外れた部分を滑り接触可能な状態で挿通する事により構成している。この為、上記ウォーム軸の先端部を転がり軸受により支持する場合に比べて、部品点数を少なくして、簡素、且つ、低コストに構成できる。しかも、上記滑り軸受を上記ガイドブロックに設けた上記通孔により構成すると共に、上記付勢部材を介して上記ウォーム軸に弾性力を付与する為、滑り軸受をガイドブロックに弾性部材を介して支持する構造に比べ、ウォーム軸に所望の弾性力を付与し易くできる(所望の弾性力を正確に付与できると共に、この弾性力の設定、調節を容易に行える)。そして、この様な弾性力に基づき、ウォーム歯をウォームホイールに向け適切に押圧する事ができ、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を十分に防止できる。
更に、請求項1に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、上記ガイドブロックに一体に設けたガイド部により上記付勢部材を案内する為、この付勢部材を介して上記ウォーム軸の変位を所定の方向に厳密に規制できる。この為、このウォーム軸が所定の方向以外に変位する事に基づき電動モータから付与される補助力が不安定になる(補助トルクが変動し易くなる)事を確実に防止できる。
又、請求項2に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、上記ガイドブロックに設けた、滑り軸受を構成する通孔の内周面により直接上記ウォーム軸を案内する為、上記請求項1に記載した発明と同様に、このウォーム軸の変位を所定の方向に厳密に規制できる。この為、このウォーム軸が所定の方向以外に変位する事に基づき電動モータから付与される補助力が不安定になる(補助トルクが変動し易くなる)事を確実に防止できる。しかも、請求項2に記載した発明を採用した場合には、滑り軸受を構成する通孔が上記ウォーム軸の案内をする為、請求項1に記載した発明を採用した場合に比べ、ガイド部を別に設けなくて済む分、より簡素に構成できる。この場合に、請求項3、4に記載した発明の様に、上記通孔の内周面に、互いに対向する状態で平行な1対の平坦面を設け、これら両平坦面により上記ウォーム軸を案内すれば、このウォーム軸の変位を、簡素な構成で、より厳密に規制できる。
又、請求項5に記載した発明の様に、上記ガイドブロックと上記付勢部材との間に弾性部材を設ければ、この弾性部材をハウジングとの間に設ける場合に比べ、ウォーム歯をウォームホイールに向け押圧する力の設定をより微細に行う事ができ、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事をより確実に防止できる。しかも、上記ガイドブロックと付勢部材と弾性部材とを互いに組み合わせた組立体(サブアッセンブリ)として取り扱える為、これらの部材をハウジング並びにウォーム軸に組み付ける作業を容易に行える。
更に、請求項6、7に記載した発明の様に、ガイドブロックの少なくとも一部(請求項6)、乃至は、このガイドブロックに装着した板ばね等の第二の弾性部材(請求項7)を弾性変形させた状態で、このガイドブロックをハウジング内に保持すれば、このガイドブロック自身の弾性力、乃至は、上記第二の弾性部材(板ばね等)の弾性力(必要に応じてガイドブロック自身の弾性力と第二の弾性部材の弾性力との両方の弾性力)に基づいて、このガイドブロックがハウジング内でがたつく事(例えばウォーム軸と共に回転したり、軸方向に変位する事)を防止できる。特に、温度変化に伴って、上記ハウジングの内面と上記ガイドブロックの外周面との間に(熱膨張率の相違等に基づいて)隙間ができる方向に、上記ハウジングの内面やガイドブロックの外周面が変形(熱膨張)した場合でも、このガイドブロックがハウジング内でがたつく事を防止して、このがたつきに伴う振動や異音を防止できる。
又、請求項8に記載した発明の様に、ハウジングとガイドブロックとに設けた凹部と凸部とを凹凸係合させた状態で、このガイドブロックを上記ハウジング内に保持した場合には、この凹凸係合に基づいて、このガイドブロックが上記ハウジング内でがたつく事(例えばウォーム軸と共に回転したり、軸方向に変位する事)を防止できる。
又、請求項9に記載した発明の様に、ハウジングの内面に凹部となる凹溝を全周に亙り設け、この凹溝にガイドブロックの外周面に設けた凸部を凹凸係合させた場合には、このガイドブロックが軸方向に変位する事をより確実に防止できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜5は、請求項1、5、6、8、9に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止でき、且つ、電動モータ5(図15、16)から安定して補助力を付与できる構造を、部品点数を少なく抑えて低コストに構成すべく、ウォーム軸4の先端部(図1、2の右端部)を支持する部分の構造を工夫した点にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、前述の図15〜20に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
ウォーム6は、ウォーム軸7の軸方向中間部にウォーム歯8を設けて成る。そして、このウォーム歯8をウォームホイール4と噛合させた状態で、上記ウォーム軸7の軸方向両端部のうち、電動モータ5から近い側の基端部を、単列深溝型の玉軸受である転がり軸受9により、同じく電動モータ5から遠い側の先端部を滑り軸受22により、それぞれハウジング3aに対し回転自在に支持している。本例の場合、上記転がり軸受9は、前述した従来構造と同様に、上記ハウジング3aに対し上記ウォーム軸7を、若干の揺動変位を可能に支持している。この揺動変位の角度は僅少であるから、単列深溝型の玉軸受のモーメント剛性が低い事により、容易に吸収できる。この点は、上記従来構造の場合と同様である。
一方、上記滑り軸受22は、上記ハウジング3a内に保持したガイドブロック13aに設けた通孔23に、上記ウォーム軸7の先端部で付勢部材10を支持した部分から外れた部分(先端寄り部)を、滑り接触可能な状態で挿通する事により構成している。この為に本例の場合は、上記ハウジング3a内で上記ウォーム軸7の先端部に対向する部分に保持凹部12aを設け、この保持凹部12a内に上記ガイドブロック13aを保持している。このうちの保持凹部12aは、上記ハウジング3aの内側に開口した、軸方向に亙り内径が変化しない(内径が一定の)有底円筒面状の凹部としている。又、上記ガイドブロック13aは、ポリアミド樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の滑り易い(摺動抵抗の小さい)合成樹脂、或いは銅若しくは銅系合金の様に、自己潤滑性を有する代わりに比較的軟らかい金属により、一体に造られている。尚、この様な金属又は合成樹脂の単一材料構造に代えて、上記ウォーム軸7の外周面と滑り接触する部分を、上述の合成樹脂と金属との複層構造とし、この様な合成樹脂層と金属層とにより構成される滑り軸受22を上記ガイドブロック13aに設ける事もできる。
この様なガイドブロック13aは、本体部24と、円筒部25と、それぞれがガイド部である1対のガイド壁部15、15とを備える。このうちの本体部24は、断面円形の外周面を有し、中心部に上記通孔23を形成している。又、上記円筒部25は、上記本体部24の外周面と連続する(同じ外径の)外周面を有し、上記本体部24の軸方向外側面(保持凹部12aの奥面に対向する側面)から軸方向外側に突出する状態で、この本体部24と一体に設けられている。又、上記両ガイド壁部15、15は、上記円筒部25の内径側に、上記本体部24の軸方向外側面から軸方向外側に突出する状態で、この本体部24と一体に設けられている。尚、上記両ガイド壁部15、15の内側面は、互いに平行な平面とし、これら両内側面同士の間に、上記ウォーム軸7の先端部に外嵌した付勢部材10を挟持している。
又、本例の場合、図5に詳示する様に、上記本体部24の外周面に、この外周面から径方向外方に突出する状態で、少なくとも1対の凸部26、26を設けている。又、これと共に、上記保持凹部12aの内面のうち、上記ガイドブロック13aをこの保持凹部12aに内嵌した状態で上記各凸部26、26と整合する部分に、上記内面から径方向外方に凹入する凹溝27を、全周に亙り設けている。そして、上記保持凹部12aに上記ガイドブロック13aを保持した状態で、上記各凸部26、26と上記凹溝27とを凹凸係合させている。又、本例の場合は、上記ガイドブロック13aを上記保持凹部12aに、(締り嵌めにより)弾性変形させた状態で、がたつきなく内嵌している。この為に本例の場合は、上記本体部24の自由状態での外径(例えば、図5に示す様に、本体部分の外径をD24とし、凸部26の高さhとした場合の、この凸部26の高さhも含んだ外径D=D24+h)を、上記保持凹部12aの内径(例えば、図2に示す様に、保持凹部12aの内径をd12とし、凹溝27の深さをfとした場合の、この凹溝27の深さfも含んだ内径d=d12+f)よりも大きく(D>d)としている。又、これと共に、上記本体部24の軸方向内側面(保持凹部12aの奥面と反対側の側面)で、上記各凸部26、26の内径側部分に、この内側面から軸方向外側に凹入する弾性変形許容凹部28を設けている。
上記ガイドブロック13aを上記保持凹部12aに保持した状態で、このガイドブロック13aの一部、即ち、上記弾性変形許容凹部28の周囲部分が、上記本体部24の径方向内方に弾性変形する。そして、この弾性変形に基づく上記ガイドブロック13a自身の弾性力に基づいて、上記各凸部26、26が上記凹溝27の底部に向けて押圧され、上記ガイドブロック13aが上記保持凹部12a内にがたつきなく保持(内嵌)される。この様な弾性変形許容凹部28を設けた本例の場合には、この弾性変形許容凹部28により上記ガイドブロック13aを所定方向に弾性変形させ易くできる為、このガイドブロック13aを弾性変形させた状態で上記保持凹部12aに組み込む作業を容易に行える(組み込み作業性の向上を図れる)。又、上記ガイドブロック13aが軸方向に変位するのは、上記各凸部26、26と上記凹溝27との凹凸係合に基づいて阻止される。尚、これら1対の凸部26、26に代えて、図3に示す様に、ガイドブロック13aの本体部24の外周面に、全周に亙り凸部26aを設ける事もできる。
又、上述の様にガイドブロック13aを保持凹部12aに保持した(組み付けた)状態で、前記両ガイド壁部15、15の内側面(互いに対向する側面)が、それぞれウォームホイール4の中心軸に対し直角方向に配置される。そして、この様な両ガイド壁部15、15の内側面同士の間に、上記ウォーム軸7の先端部に外嵌した上記付勢部材10を挟持して、この付勢部材10を、上記両ガイド壁部15、15の内側面に沿った変位を可能に、且つ、上記ウォームホイール4の中心軸の方向の変位を抑えた状態で支持する。従って、上記ウォーム7軸は、上記両ガイド壁部15、15により上記付勢部材10を介して、上記ウォームホイール4に対する遠近動のみを可能に案内される。又、この付勢部材10に外嵌した、弾性部材であるコイルばね11の折り曲げ部18、18を、上記両ガイド壁部15、15に形成した係止凹部19、19に係止している。そして、この様に付勢部材10と両ガイド壁部15、15との間に掛け渡した(設けた)上記コイルばね11の弾力に基づいて、ウォーム6のウォーム歯8を上記ウォームホイール4に向け押圧している。
又、上記ウォーム軸7の先端部で、上記付勢部材10を外嵌した部分よりも基端側部分を、上記ガイドブロック13aの本体部24に設けた、前記滑り軸受22を構成する通孔23に挿通している。本例の場合、上記通孔23の内径を、上記ウォーム軸7の先端部でこの通孔23と径方向に重畳する部分(通孔23に挿通する部分)の外径よりも大きくし、上記ウォーム軸6がこの通孔23内で(径方向に)変位する事を許容している。より具体的には、上記通孔23の断面形状を小判型の長円形とし、上記ガイドブロック13aを上記保持凹部12aに保持した状態で、上記通孔23の短径が上記ウォームホイール4の中心軸と平行な方向に、且つ、この通孔23の長径がこのウォームホイール4の中心軸に対し直角の方向に、それぞれ向く様に配置している。従って、上記ウォーム軸7の先端部は、上記ウォームホイール4の中心軸と平行な方向の変位許容量に比べ、このウォームホイール4の中心軸に対し直角の方向の変位許容量が大きい。
上述の様な本例の場合には、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止でき、且つ、電動モータ5から安定して補助力を付与できる構造を、部品点数を少なく抑えて、低コストに構成できる。
即ち、本例の場合は、上述した様に、電動モータ5から遠い側の軸受を滑り軸受22としており、この滑り軸受22を、ハウジング3aの保持凹部12a内に保持したガイドブロック13aに設けた通孔23に、ウォーム軸7の先端部で付勢部材10を支持した部分から外れた部分を滑り接触可能な状態で挿通する事により構成している。この為、上記ウォーム軸7の先端部を、例えば前述した従来構造や特許文献5に記載された構造の様な、転がり軸受により支持する場合に比べて、部品点数を少なくして、簡素、且つ、低コストに構成できる。しかも、上記滑り軸受22を上記ガイドブロック13aに設けた上記通孔23により構成すると共に、上記付勢部材10を介して上記ウォーム軸7に弾性力を付与する為、前述の特許文献3に記載された構造の様な、滑り軸受をガイドブロックに弾性部材を介して支持する構造に比べ、ウォーム軸7に所望の弾性力を付与し易くできる(所望の弾性力を正確に付与できると共に、この弾性力の設定、調節を容易に行える)。そして、この様な弾性力に基づき、ウォーム6のウォーム歯8をウォームホイール4に向け適切に押圧する事ができ、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事を防止できる。
更に、本例の場合は、上記ガイドブロック13aに一体に設けたガイド壁部15、15により付勢部材10を案内する為、この付勢部材10を介して上記ウォーム軸7の変位を所定の方向に厳密に規制できる。この為、このウォーム軸7が所定の方向以外に変位する事に基づき電動モータ5から付与される補助力が不安定になる(補助トルクが変動し易くなる)事を確実に防止できる。又、上記ガイドブロック13aと上記付勢部材10との間にコイルばね11を設けている為、例えば前述した特許文献4、5に記載された構造の様な、弾性部材をハウジングとの間に設ける場合に比べ、ウォーム歯8をウォームホイール4に向け押圧する力の設定をより微細に行う事ができ、歯打ち音の如き不快な異音や振動が発生する事をより確実に防止できる。しかも、上記ガイドブロック13aと付勢部材10とコイルばね11とを互いに組み付けた組立体として一体的に取り扱える為、これらの部材13a、10、11をハウジング3a並びにウォーム軸7に組み付ける作業を容易に行える。
又、本例の場合は、上記ガイドブロック13aの本体部24のうちで、少なくとも弾性変形許容凹部28よりも径方向外側部分を径方向内方に弾性変形させた状態で、このガイドブロック13aをハウジング3aの保持凹部12a内に保持している。この為、このガイドブロック13a自身の弾性力に基づいて、より具体的には、この弾性力に基づき各凸部26、26が凹溝27に押圧される事に基づいて、上記ガイドブロック13aが上記保持凹部12a内でがたつく事(例えばウォーム軸7と共に回転したり、軸方向に変位する事)を確実に防止できる。特に、温度変化に伴って、上記保持凹部12aの内周面と上記本体部24の外周面との間に(熱膨張率の相違等に基づいて)隙間ができる方向に、これら保持凹部12aや本体部24変形(熱膨張)しても、上記ガイドブロック13aが上記保持凹部12a内でがたつく事を防止して、このがたつきに伴う振動や異音を防止できる。
[実施の形態の第2例]
図6は、請求項1、5、6、8、9に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合は、ガイドブロック13bの外周面に、このガイドブロック13bの軸方向に亙り、この外周面から径方向内方に凹入する状態で、1対の切り欠き29a、29bを設けている。これら両切り欠き29a、29bのうちの、上記ガイドブロック13bの本体部24の外周面に設けた各凸部26、26に近い側{組み付け状態でウォームホイール4(図1参照)に近い側}の一方の切り欠き29aは、この本体部24の中心に設けた通孔23にまで達する(通孔23と連通する)ものとしている。これに対して、上記各凸部26、26から遠い側{組み付け状態でウォームホイール4から遠い側}の他方の切り欠き29bは、上記通孔23にまで達しない(通孔23と連通しない)有底状のものとしている。本例の場合、上記ガイドブロック13bを保持凹部12a(図1、2参照)に保持した状態で、このガイドブロック13bが(縮径する方向に)弾性変形する。より具体的には、上記一方の切り欠き29aの互いに対向する内面同士が近付く方向に弾性変形すると共に、上記他方の切り欠き29bの互いに対向する内面同士が離れる方向に弾性変形する。そして、この様な弾性変形に基づく上記ガイドブロック13b自身の弾性力に基づいて、上記各凸部26、26が凹溝27(図1、2参照)の底部に向けて押圧され、上記ガイドブロック13bが上記保持凹部12a内にがたつきなく保持(内嵌)される。
その他の構成及び作用は、上述した第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図7は、請求項1、5〜9に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合は、ガイドブロック13eの軸方向内側面{組み付け状態で保持凹部12a(図1、2参照)の奥面から遠い側の側面}の径方向中間部に、この内側面から凹入する状態で、1対の係止溝37、37を設けている。これら各係止溝37、37は、上記ガイドブロック13eの軸方向内側面を軸方向から見た状態で、一方の切り欠き23aを挟んで互いに対称の部分円弧状の溝経路を有する。そして、この様な1対の係止溝37、37に、これら両係止溝37、37を掛け渡す状態で、部分円弧状に湾曲した、第二の弾性部材である板ばね38を係止している。この板ばね38は、凸曲面側の周面の自由状態での曲率半径を、上記各係止溝37、37の内面のうち、上記ガイドブロック13eの径方向に関して外側の内側面の自由状態での曲率半径と略同じにしている。本例の場合、この様な板ばね38を上記両係止溝37、37に係止する事により、この板ばね38を上記ガイドブロック13eに装着する。
この様に板ばね38を装着したガイドブロック13eを、保持凹部12a内に保持(内嵌)した状態で、上記板ばね38は、上記各係止溝37、37内で縮径する方向(ガイドブロック13eの径方向内方)に弾性変形する。そして、この様な板ばね38の弾性変形とガイドブロック13e自身の弾性変形とに基づく弾性力(径方向外側に向かう方向の弾性力)に基づいて、各凸部26、26が凹溝27(図1、2参照)の底部に向けて押圧され、上記ガイドブロック13eが上記保持凹部12a内にがたつきなく保持(内嵌)される。尚、本例の場合には、上記板ばね38と上記ガイドブロック13e自身との両方の部材から必要な弾性力を得られる様に構成しているが、例えばガイドブロックの弾性力が得られない場合等には、上記板ばね38の弾性力のみに基づいて、上記ガイドブロック13eががたつくのを防止する様にする事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した第2例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図8〜11は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。前述の図1〜5に示した実施の形態の第1例の場合には、ガイドブロック13aに付勢部材10の変位を規制する為のガイド壁部15、15を、このガイドブロック13aと一体に設け、このガイド壁部15、15により上記付勢部材10を介してウォーム軸7を、ウォームホイール4(図1〜5参照)に対する遠近動のみを可能に案内している。これに対して、本例の場合には、この様にガイド壁部15、15により付勢部材10を介してウォーム軸7を案内すると共に、ガイドブロック13cに設けた通孔23aの内周面によっても、上記ウォーム軸7を直接案内する様にしている。この為に本例の場合は、上記通孔23aの内周面に、互いに対向する状態で平行な1対の平坦面30、30を設けている。本例の場合、この様な両平坦面30、30同士の間隔をAとし、上記ウォーム軸7の外周面のうちで上記通孔23aと径方向に重畳する部分の外径をBとした場合に、A≧B(但し、「A−B」は0.1mm以下の僅小値)としている。そして、上記両平坦面30、30同士の間で、これら両平坦面30、30に沿って上記ウォーム軸7の変位を許容する事により、このウォーム軸7を、ウォームホイール4に対する遠近動のみを可能に案内している。
尚、本例の場合は、上記付勢部材10を案内する為のガイド壁部15、15を設けているが、この様なガイド壁部15、15を省略する事もできる。即ち、上記ガイドブロック13cに設けた上記通孔23aの内周面だけで、上記ウォーム軸7を案内する様にする事もできる。この様な場合には、上記ガイド壁部15、15を設けなくて済む分、上記ガイドブロック13cの形状をより簡素に構成できる。何れにしても、このガイドブロック13cに設けた、滑り軸受22を構成する上記通孔23aの内周面により、直接上記ウォーム軸7を案内すれば、このウォーム軸7の変位を所定の方向に厳密に規制できる。しかも、上記ガイド壁部15、15と通孔23aとの両方で上記ウォーム軸7を案内すれば、このウォーム軸7の変位をより厳密に規制できる。この為、このウォーム軸7が所定の方向以外に変位する事に基づき、電動モータ5から付与される補助力が不安定になる(補助トルクが変動し易くなる)事を確実に防止できる。
尚、本例の場合は、保持凹部12bを、ハウジング3bの内側に開口した大径部31と、この大径部31と同心でこの大径部31よりも内径が小さい小径部32とにより構成している。そして、このうちの大径部31に、上記ガイドブロック13cの本体部24aをがたつきなく内嵌する事により、このガイドブロック13cを上記保持凹部12bに保持している。これに伴って本例の場合には、前述した実施の形態の第1例のガイドブロック13aの様な円筒部25(例えば図1〜4参照)を設けていない。又、上記保持凹部12bに上記ガイドブロック13cを保持した状態で、このガイドブロック13cが上記保持凹部12b内でがたつくのを防止する為に、例えば上記本体部24aを上記大径部31に締り嵌めにより、この本体部31を弾性変形させた状態で保持する事が好ましい。
その他の構成及び作用は、前述した第1〜3例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図12〜14は、請求項1〜5、8、9に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合は、ガイドブロック13dの本体部24bの外周面中間部に、この外周面から径方向外方に突出する状態で凸部33を設けている。又、これと共に、ハウジング3bの保持凹部12cの内面のうち、上記ガイドブロック13dをこの保持凹部12cに内嵌した状態で上記凸部33と整合する部分に、上記内面から径方向外方に凹入する凹溝34を、全周に亙り設けている。そして、上記保持凹部12cに上記ガイドブロック13dを保持した状態(大径部31に本体部24bを内嵌した状態)で、上記凸部33と上記凹溝34とを凹凸係合させている。本例の場合、この様な凸部33と凹溝34との凹凸係合に基づいて、上記ガイドブロック13dが軸方向にがたつく(変位する)のを阻止している(抜け止めを図っている)。又、本例の場合は、上記本体部24bの外周面のうち、上記凸部33を設けた部分から軸方向外側(保持凹部12cの奥面と反対側)に外れた部分で、且つ、上記凸部33と径方向に関して反対側部分に、この凸部33とは別の凸部35を、上記外周面から径方向外方に突出する状態で設けている。本例の場合、この別の凸部35を、上記保持凹部12cの大径部31の内面でこの別の凸部35と整合する位置に設けた、軸方向に長い凹溝36に、凹凸係合させている。そして、これら別の凸部35と凹溝36との凹凸係合に基づいて、上記ガイドブロック13dが円周方向にがたつく(回転する)のを阻止する(回り止めを図る)と共に、このガイドブロック13dの円周方向に関する位置決めを図っている。
その他の構成及び作用は、上述した第4例と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図17と同様の断面図。 図1のA部拡大図。 図2のB矢視図。 付勢部材とガイドブロックとコイルばねとを取り出して、それぞれ組み合わせる前の状態で示す斜視図。 ガイドブロックを取り出して、図2の左側から見た図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同様の図。 同第3例を示す、図5と同様の断面図。 同第4例を示す、図1と同様の断面図。 図8のC部拡大図。 図9のD−D断面図。 一部を省略して示す、図9のE−E断面に相当する図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図9と同様の断面図。 図12のF−F断面図。 同G−G断面図。 従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 図15の拡大H−H断面図。 図16の右下部の拡大断面図。 図17のI−I断面図。 付勢部材とガイドブロックとコイルばねとを取り出して、組み合わせた状態で示す斜視図。 同じく分解斜視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3、3a、3b ハウジング
4 ウォームホイール
5 電動モータ
6 ウォーム
7 ウォーム軸
8 ウォーム歯
9、9a、9b 転がり軸受
10 付勢部材
11 コイルばね
12、12a、12b、12c 保持凹部
13、13a、13b、13c、13d、13e ガイドブロック
14 弾性リング
15 ガイド壁部
16 本体部分
17 コイル部
18 折り曲げ部
19 係止凹部
20 中間シャフト
21 ステアリングギヤユニット
22 滑り軸受
23、23a 通孔
24、24a、24b 本体部
25 円筒部
26、26a 凸部
27 凹溝
28 弾性変形許容凹部
29a、29b 切り欠き
30 平坦面
31 大径部
32 小径部
33 凸部
34 凹溝
35 凸部
36 凹溝
37 係止溝
38 板ばね

Claims (9)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持したウォームと、上記ウォーム軸の基端部と出力軸の先端部とを回転力の伝達を自在に係合させた電動モータと、上記ウォーム軸の先端部を回転自在に支持した付勢部材と、この付勢部材を介して上記ウォーム歯を上記ウォームホイールに向け押圧する弾性部材とを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、
    上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ支持する上記各軸受のうち、少なくとも上記電動モータから遠い側の軸受を滑り軸受としており、
    この滑り軸受を、上記ハウジング内に保持したガイドブロックに設けた通孔に、上記ウォーム軸の先端部で上記付勢部材を支持した部分から外れた部分を滑り接触可能な状態で挿通する事により構成しており、
    上記ガイドブロックに上記付勢部材の変位を規制する為のガイド部を、このガイドブロックと一体に設け、このガイド部により上記付勢部材を介して上記ウォーム軸を、上記ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に案内する
    事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持したウォームと、上記ウォーム軸の基端部と出力軸の先端部とを回転力の伝達を自在に係合させた電動モータと、上記ウォーム軸の先端部を回転自在に支持した付勢部材と、この付勢部材を介して上記ウォーム歯を上記ウォームホイールに向け押圧する弾性部材とを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、
    上記ウォーム軸の軸方向両端部をそれぞれ支持する上記各軸受のうち、少なくとも上記電動モータから遠い側の軸受を滑り軸受としており、
    この滑り軸受を、上記ハウジング内に保持したガイドブロックに設けた通孔に、上記ウォーム軸の先端部で上記付勢部材を支持した部分から外れた部分を滑り接触可能な状態で挿通する事により構成しており、
    上記通孔の内周面により直接上記ウォーム軸を、上記ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に案内する
    事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  3. 通孔の内周面に、互いに対向する状態で平行な1対の平坦面を設け、これら両平坦面同士の間でこれら両平坦面に沿ってウォーム軸の変位を許容する事により、このウォーム軸を、ウォームホイールに対する遠近動のみを可能に案内する、
    請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
  4. 互いに対向する平坦面同士の間隔をAとし、ウォーム軸の外周面のうちで通孔と径方向に重畳する部分の外径をBとした場合に、A≧Bとした、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置。
  5. ガイドブロックと付勢部材との間に弾性部材を設けた、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  6. ガイドブロックの少なくとも一部を弾性変形させた状態で、このガイドブロックをハウジング内に保持した、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  7. ガイドブロックに装着した第二の弾性部材を弾性変形させた状態で、このガイドブロックをハウジング内に保持した、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  8. ハウジングとガイドブロックとに設けた凹部と凸部とを凹凸係合させた状態で、このガイドブロックを上記ハウジング内に保持した、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  9. ハウジングの内面で、断面円形の外周面を有するガイドブロックを内嵌する部分に、凹部となる凹溝を、この内面から凹入する状態で全周に亙り設け、この凹溝に、上記ガイドブロックの外周面に設けた凸部を凹凸係合させた、請求項8に記載した電動式パワーステアリング装置。
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