JP2009255098A - 潤滑剤吹付装置付鍛造プレス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動送り装置と潤滑剤吹付装置10を備えた鍛造プレスであって、潤滑剤を噴射するノズル12と、ノズルを移動させるアーム11と、アーム11とノズル12とを連結する連結部15とを備えており、連結部15は、アーム11の軸まわりに回転可能となるように、アーム11の先端に取り付けられた回転部材16と、回転部材16にノズル12を取り付けるノズル支持部材19と、アーム11の先端に対する回転部材16の回転を固定解放する固定部材18とからなり、ノズル支持部材19は、回転部材16の回転軸AXと直交する方向にずれた位置にノズル12を配置するものである。
【選択図】図1
Description
かかる潤滑剤の塗布は鍛造素材が搬送されているタイミングで行われるため、アームを前進させてノズル部を金型間に位置させるときに、アームやノズル部が鍛造素材を搬送するフィードバーと干渉しないようにノズル部の高さは設定される。
この技術では、ノズル移動装置を潤滑剤吹付装置に設けており、このノズル移動装置によってノズル部の高さを調整することができる。このため、多種類の鍛造製品を生産する鍛造プレスであってもノズル部と両金型表面との距離を適切に設定できるという利点がある。
第2発明の潤滑剤吹付装置付鍛造プレスは、第1発明において、前記アームには、その先端面に、前記回転部材に向けて空気を噴出する複数の空気噴出口が形成されており、該複数の空気噴出口に対してそれぞれ空気を供給する複数の空気通路が設けられており、前記回転部材には、該回転部材が所定の角度まで回転すると、前記複数の空気噴出口のうち、一の空気噴出口に連通される排出通路が形成されており、各空気通路の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサが設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、回転部材を所定の角度に配置してアームに固定すれば、一の空気噴出口と排出通路が連通されるので、この空気噴出口に連通されている空気通路内の圧力だけが低くなる。すると、各空気通路の圧力を圧力センサによって検出しておけば、回転部材の回転角度を把握することができるから、ノズルの高さも把握することができる。すると、ノズルが誤った高さに設置されていても、その誤りを検出できるから、ノズルの誤設置によるノズルと自動送り装置との干渉を未然に防ぐことができる。
図1は本実施形態の潤滑剤吹付装置付鍛造プレス1の概略説明図である。同図に示すように、本実施形態の潤滑剤吹付装置付鍛造プレス1は、上下一対の金型MA ,MB、自動送り装置および潤滑剤吹付装置10を備えており、上型MAを下型MBに接近離間させる方向において、潤滑剤吹付装置10のノズル12と上下一対の金型MA,MBとの相対的な位置を調整することができるようにしたことが特徴である。
図1において、符号HAおよび符号HBは、それぞれ上ダイホルダーおよび下ダイホルダーを示している。この上ダイホルダーHAと下ダイホルダーHBの間には、金型MA,MBが設けられている。金型MA,MBのうち、上型MAは上ダイホルダーHAの下端に取り付けられており、下型MBは下ダイホルダーHBの上端に取り付けられている。
図1に示すように、上ダイホルダーHAと下ダイホルダーHBの間において、上下一対の金型MA,MBの両側方には、自動送り装置の左右一対のフィードバーFB ,FBが設けられている。この左右一対のフィードバーFB ,FBは、上下、左右および前後(図1では紙面に垂直)に移動可能に設けられており、この左右一対のフィードバーFB ,FBの互いに対向する面には、左右一対のフィンガーF ,Fが設けられている。
図1において、符号12は、上下一対の金型MA,MBに潤滑剤を吹き付けるノズルを示している。このノズル12は、その上方および下方に、潤滑剤を同時に噴霧することができるものである。
このノズル12は、連結部15を介してアーム11の先端に連結されている。このアーム11は、その基端部側が図示しない支持フレームによって、水平、つまり、上下一対の金型MA,MBが接近離間する方向に対して直交する方向と平行となるように支持されている。しかも、支持フレームは、アーム11がその軸方向そって前進後退自在となるように支持している。そして、アーム11の基端部は、このアーム11を軸方向に沿って進退させるアーム進退手段に連結されている。
以下に連結部15の構成を説明する。
なお、ノズル12には、このノズル支持部材19を通して潤滑剤および加圧空気が供給されており、潤滑剤が空気圧によってノズル12から噴出するようになっている。
同図に示すように、前記回転部材16の外周面には、中心軸AXまわりに等角度間隔(例えば、90度間隔)で複数の切欠き部16hが形成されている。
一方、アーム11の先端部には、アーム11の中心軸まわりに複数の切欠き部16hと同じ間隔で、複数の固定部材18が設けられている。この複数の固定部材18は、軸部材18aと、その軸部材18aの先端に螺合したナット部材18bとからなり、軸部材18aの基端部がアーム11の先端部に揺動可能に取り付けられている。そして、この軸部材18aは、前方(図4(B)では下方)に揺動させると、切欠き部16hに掛合させることができるようになっている。
例えば、ノズル12が図3(A)の位置(下方位置)にある状態(図1参照)から回転部材16を180度回転させれば、ノズル12を下方位置から距離Lの2倍だけ上方の位置(上方位置、図2参照)に配置することができる。
しかも、ノズル12の高さを調整する機構として、アーム11に対して回転する回転部材16と、この回転部材16の回転を固定する固定部材18と、ノズル12を回転部材16の中心軸AXからオフセットさせるノズル支持部材19とを有する連結部15を設けるだけでよいから、潤滑剤吹付装置10の構造が複雑化することも防ぐことができる。
しかし、以下のごときノズル12の高さを検出する構成を設けておけば、かかる干渉を未然に防ぐことができる。
逆に、ノズル12を上方位置に配置すれば、空気通路a2が排出通路E1と連通されるから、空気通路a2に供給された空気は排出通路E1を通って外部に排出される一方、空気噴出口ah1が回転部材16とパッキンPaによって外部と気密に保たれ空気通路a1内の圧力が上昇する。このため、この空気通路a1内の圧力上昇を圧力センサPgが検出できるので、ノズル12が上方位置に配置されていることを検出することができる。
つまり、各2本の空気通路a1,a2の圧力を圧力センサPgによって検出しておけば、回転部材16の回転角度、つまり、ノズル12の高さを把握することができる。すると、ノズル12が誤った高さに設置されていても、その誤りを検出できるから、ノズル12の誤設置によるノズル12とフィードバーFとの干渉を未然に防ぐことができる。
しかし、以下のごとき方法により、アーム11を介してノズル支持部材19に潤滑剤および加圧空気を供給するようにすれば、回転部材16を回転させるときに配管が邪魔になることがないので、好適である。
一方、アーム11内において、その中心軸よりも上方には、潤滑剤を供給する潤滑剤通路O2および加圧空気を供給する加圧空気通路A2が設けられており、各通路の一端がアーム11の先端面で開口している。この潤滑剤通路O2および加圧空気通路A2は、ノズル12が上方位置に配置されると、その開口が回転部材16を介してノズル支持部材19における前記供給通路に連通される位置に配設されている。
そして、アーム11の先端面には、各潤滑剤通路O1,O2および各加圧空気通路A1,A2の周囲に、Oリング等のパッキンPaが配設されており、固定部材18によって回転部材16とアーム11の先端とを固定したときに、各潤滑剤通路O1,O2および各加圧空気通路A1,A2を周囲から液密または気密にシールすることができるようになっている(図7(A)(a)参照)。
このとき、ノズル支持部材19に接続されていない潤滑剤通路O2および加圧空気通路A2は回転部材16とパッキンPaによって外部から液密または気密にそれぞれ保たれているから、潤滑剤通路O2および加圧空気通路A2から潤滑剤および加圧空気が外部に漏れることもない。
同図に示すように、アーム11と回転部材16とを、連結軸17によって、回転部材16がアーム11から一定の距離以上離間できないように連結する。
具体的には、連結軸17にその軸部よりも外径が大きい頭部17aを設けておく。そして、回転部材16に、連結軸17の頭部17aを収容できる程度の大きさを有するザグリ孔を形成し、このザグリ孔の内底面と回転部材16の裏面との間を貫通する貫通孔16aを形成する。しかも、この貫通孔16aの内径を、連結軸17の軸部は挿通させることができるが、頭部17aは挿通できない程度の大きさに形成する。
そして、連結軸17の長さを、固定部材18によって回転部材16をアーム11に固定したときに、頭部17aと回転部材16との間に隙間αが形成されるような長さとする(図7(B)(a))。具体的には、この隙間αが、回転部材16をアーム11の先端面から離間させたときに、図7(A)(b)のごとく回転部材16の裏面がパッキンPaと接触した状態を保つことができるように、連結軸17の長さを調整する。
よって、各潤滑剤通路O1,O2を回転部材16とパッキンPaによって外部から液密に保ったまま回転部材16を回転させることができるので、ノズル12の高さを調整するときに、各潤滑剤通路O1,O2から潤滑剤が漏れることを防ぐことができ、潤滑剤によって周囲が汚損することも防ぐことができる。
かかる機能を実現する方法はとくに限定されないが、以下の構成を採用することができる。
すると、バネ16bの力によって回転部材16がアーム11から離間する方向に常時付勢された状態となるから、固定部材18による回転部材16とアーム11の先端との固定を解放するだけで、バネ16bの力によって回転部材16をアーム11の先端から離間させることができる。
また、回転部材16の挿入部16aを設けた場合、挿入部16a内に空間11hの内面側に開口を有する中空空間を設けて、この中空空間内にバネ16bを配設することが好ましい(図5)。すると、回転部材16がアーム11の軸方向に移動したり、回転部材16が中心軸AXまわりに回転したりしても、挿入部16aがバネ16bと干渉して回転部材16の移動回転の抵抗となる可能性を低くなる。
図1に示すように、鍛造が終了すると、上型MAが、上ダイホルダーHAとともに上昇し、上下一対の金型MA,MBが離間するので、左右一対のフィンガーF ,Fを、鍛造素材Bに接近させる。すると、左右一対のフィンガーF ,Fによって成型された鍛造素材Bを支持することができる。
そして、ノズル12がフィードバーFBと上型MAとの間から上下一対の金型MA,MBの間に挿入され、かつ、鍛造素材Bが上下一対の金型MA,MB間にない状態において、ノズル12から潤滑剤を噴霧すれば、上下一対の金型MA,MBの型穴全面に潤滑剤を吹き付けることができる。
なお、軸物製品とは、例えば、等速ジョイントやピニオンシャフト等のように、本体部より下方に伸びた長尺な軸部を有するような鍛造品などである。
ついで、回転部材16をその中心軸AXまわりに回転させると、ノズル12は中心軸AXの周囲を公転する。そして、下方位置からノズル12を180度回転させれば、ノズル12は上方位置まで移動する。
最後に、固定部材18によって回転部材16とアーム11の先端との固定すれば、ノズル12の高さ調整が終了し、ノズル12は、下方位置に対してオフセット量Lの2倍だけ上方の上方位置で固定される(図2)。
10 潤滑剤吹付装置
11 アーム
12 ノズル
15 連結部
16 回転部材
17 連結軸
18 固定部材
19 ノズル支持部材
a 空気通路
ah 空気噴出口
E1 排出通路
AX 回転軸
NC ノズル軸
MA 上型
MB 下型
Claims (2)
- 鍛造素材を挟んで成型するための上型および下型と、該上下一対の金型に鍛造素材を供給搬出するための自動送り装置と、前記上下一対の金型の表面に潤滑剤を吹き付けるための潤滑剤吹付装置を備えた鍛造プレスであって、
前記潤滑剤吹付装置が、
前記上下一対の金型の表面に向けて潤滑剤を噴射するノズルと、
該ノズルを、前記上型と前記フィードバーとの間から前記一対の金型間に挿入離脱させるアームと、
該アームの先端に前記ノズルを連結する連結部とを備えており、
該連結部は、
前記一対の金型が接近離間する方向と直交する軸まわりに回転可能となるように、前記アームの先端に取り付けられた回転部材と、
該回転部材に前記ノズルを取り付けるノズル支持部材と、
前記アームの先端に対する前記回転部材の回転を固定解放する固定部材とからなり、
前記ノズル支持部材は、
前記回転部材の回転軸に対して、該回転軸と直交する方向にずれた位置に前記ノズルを配置するものである
ことを特徴とする潤滑剤吹付装置付鍛造プレス。 - 前記アームには、
その先端面に、前記回転部材に向けて空気を噴出する複数の空気噴出口が形成されており、
該複数の空気噴出口に対してそれぞれ空気を供給する複数の空気通路が設けられており、
前記回転部材には、
該回転部材が所定の角度まで回転すると、前記複数の空気噴出口のうち、一の空気噴出口に連通される排出通路が形成されており、
各空気通路の圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の潤滑剤吹付装置付鍛造プレス。
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