JP2009254158A - スイッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに並列接続された半導体スイッチング素子とフリーホイールダイオードとがバランス良く発熱するように調整することができる、スイッチング装置の提供を目的とする。
【解決手段】半導体スイッチング素子と、前記半導体スイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオードと、パルス幅変調によって前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる制御手段とを備える、スイッチング装置であって、前記半導体スイッチング素子の温度を検出する第1の温度検出手段と、前記フリーホイールダイオードの温度を検出する第2の温度検出手段とを備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の温度検出手段によって検出された両温度に基づいて、前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整することを特徴とする、スイッチング装置。
【選択図】図3
【解決手段】半導体スイッチング素子と、前記半導体スイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオードと、パルス幅変調によって前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる制御手段とを備える、スイッチング装置であって、前記半導体スイッチング素子の温度を検出する第1の温度検出手段と、前記フリーホイールダイオードの温度を検出する第2の温度検出手段とを備え、前記制御手段は、前記第1及び第2の温度検出手段によって検出された両温度に基づいて、前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整することを特徴とする、スイッチング装置。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体スイッチング素子のスイッチング装置に関する。
従来技術として、パルス幅変調により直流電力を交流電力に変換、または、交流電力を直流電力に変換する電力半導体素子を用いて構成した電力変換器の制御装置において、交流電圧基準の周波数が所定値以下のときに、前記交流電圧基準に直流オフセット電圧を加えて、前記電力変換器を構成する電力半導体素子の損失を低減するようにしたことを特徴とする電力変換器の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、三相電圧基準に直流成分を加算することで、三相の線間電圧を一定に保ちながらデューティ比を変え、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)とフリーホイールダイオード(FWD)の発生損失を等しくすることを図っている。
同様に、パルス幅変調を行う制御装置として、複数のパワートランジスタを有するインバータにパルス幅信号を供給しモータを駆動するモータ制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このモータ制御装置は、モータの回転数が低くトルクが大きいときにはキャリア周波数(パワートランジスタのスイッチング周波数)を低くし、モータの回転数が高くトルクが小さいときにはキャリア周波数を高くするように制御することによって、パワートランジスタの発熱による損失の低減を図るものである。
また、特許文献2に開示のモータ制御装置は、モータの回転数が低くない場合でもトルクが高いときにはパワートランジスタの発熱が大きいので、ジャンクション温度を規定の値以下にするために、キャリア周波数を低くする補正を行っている。このように、半導体スイッチング素子のスイッチング制御を行う場合、発熱することが不可避であるため、その発熱低減などを行うに当たり、半導体素子の温度を精度良く検出することが重要である。
この点、パワートランジスタの温度を測定する装置として、半導体スイッチング素子の近傍に設けられた温度測定用ダイオードを設けた半導体素子を備える、半導体装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。この半導体装置は、半導体素子の接合部と温度測定用ダイオードとが離れていることにより接合部と温度測定用ダイオードとの間で温度差が生ずるため、温度測定用ダイオードの位置の温度を基準温度として算出し、半導体スイッチング素子の電流センス用エミッタから流れるセンス電流に基づいて補正温度を算出し、基準温度に補正温度を加算することにより、半導体素子の接合部温度を算出している。そして、この半導体装置の実施形態として、並列接続された複数の半導体スイッチング素子のうち、一の半導体スイッチング素子の接合部温度が他の半導体スイッチング素子の接合部温度よりも低ければ、一の半導体スイッチング素子の駆動割合を他の半導体スイッチング素子よりも高くすることによって、複数の半導体スイッチング素子の温度バランスが均一になるように制御するものが開示されている。
特開2002−272125号公報
特開2002−10668号公報
特開2004−117111号公報
しかしながら、半導体スイッチング素子の温度を測定する温度測定用ダイオードのみによって測定された温度情報に基づいて半導体スイッチング素子の駆動を制御する特許文献3の開示技術では、フリーホイールダイオードが並列接続された半導体スイッチング素子をスイッチング制御する場合、フリーホイールダイオードと半導体スイッチング素子の発熱特性は同じとは限らないため、両者がバランス良く発熱するように調整することができない。
そこで、本発明は、互いに並列接続された半導体スイッチング素子とフリーホイールダイオードとがバランス良く発熱するように調整することができる、スイッチング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチング装置は、
半導体スイッチング素子と、
前記半導体スイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオードと、
パルス幅変調によって前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる制御手段とを備える、スイッチング装置であって、
前記半導体スイッチング素子の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記フリーホイールダイオードの温度を検出する第2の温度検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の温度検出手段によって検出された両温度に基づいて、前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整することを特徴とする。
半導体スイッチング素子と、
前記半導体スイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオードと、
パルス幅変調によって前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる制御手段とを備える、スイッチング装置であって、
前記半導体スイッチング素子の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記フリーホイールダイオードの温度を検出する第2の温度検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の温度検出手段によって検出された両温度に基づいて、前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整することを特徴とする。
ここで、前記制御手段は、キャリア信号と比較される指令信号をオフセットすることにより、前記デューティ比を調整すると好適である。
また、前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子の温度が低くなると共に前記フリーホイールダイオードの温度が高くなる方向に、前記デューティ比を調整すると好適である。
また、前記半導体スイッチング素子は、インバータ回路を構成する素子であると好ましい。例えば、前記インバータ回路は、前記半導体スイッチング素子のスイッチングによりモータを駆動するものであって、前記制御手段は、規定回転数以下且つ規定トルク以上で前記モータを駆動するときの前記デューティ比を、前記半導体スイッチング素子の温度が低くなると共に前記フリーホイールダイオードの温度が高くなる方向に調整すると好適である。
本発明によれば、互いに並列接続された半導体スイッチング素子とフリーホイールダイオードとがバランス良く発熱するように調整することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明に係るスイッチング装置の一実施形態を示したモータ制御システム100の構成図である。モータ制御システム100は、直流電源の車載バッテリ1、車載バッテリ1の出力電圧を昇圧する昇圧コンバータ2、昇圧コンバータ2による昇圧後の出力電圧(以下、「昇圧電圧」という)を安定させる平滑コンデンサ3と、昇圧コンバータ2による昇圧電圧を三相交流に変換してブラシレス直流モータなどの三相モータ5を駆動するモータ駆動装置4とを有している。
昇圧コンバータ2は、トランスやスイッチングレギュレータ等の昇圧コンバータ2内部にある電圧変換制御回路部2aによって、車載バッテリ1側の電圧を昇圧変換してモータ駆動回路4側に昇圧電圧を出力する。昇圧電圧は、昇圧コンバータ2内部にある電圧変換制御回路部2aなどによって監視され、所定の値となるように制御される。この昇圧電圧が、モータ駆動装置4内のスイッチング素子SW1〜6の電源電圧(ドレイン−ソース間電圧もしくはコレクタ−エミッタ間の電圧)に相当する。
モータ駆動装置4は、IGBT,MOSFET,バイポーラトランジスタ等の半導体から構成されるスイッチング素子SW1〜6を有する駆動素子部(インバータ回路)4aと、駆動素子部4aの各スイッチング素子を駆動する制御回路部10を備えるインバータである。モータ駆動装置4は、制御回路部10が出力する三相(U,V,W)の駆動信号(例えば、PWM信号)に従い各スイッチング素子のオン/オフを制御することによって、昇圧コンバータ2による昇圧後の直流電力を交流電力に変換してモータ5を駆動する。すなわち、モータ5の三相巻線に駆動素子部4aによって三相交流電流を流すと回転磁界が発生することを利用して、モータ5の回転が制御される。
スイッチング素子SW1,3,5は、電源電圧に短絡するハイサイドのスイッチング素子であり、スイッチング素子SW2,4,6は、グランド(基準電位)に短絡するローサイドのスイッチング素子である。各スイッチング素子SW1〜6には、ダイオードが並列に接続される。各ダイオードD1〜6は、グランドから電源電圧への方向(エミッタからコレクタへの方向)を順方向とするフリーホイールダイオードである(電源電圧側がカソードとなる)。
スイッチング素子SW1とSW2との接続点は、ハーネス22uを介して、モータ5のU相コイルに接続される。スイッチング素子SW3とSW4との接続点は、ハーネス22vを介して、モータ5のV相コイルに接続される。スイッチング素子SW5とSW6との接続点は、ハーネス22wを介して、モータ5のW相コイルに接続される。
スイッチング素子SW1とSW2との接続点とU相コイルとを結ぶハーネス22uに流れる電流の電流値とその方向を検出する電流検出手段として、電流センサ24uが設けられる。また、スイッチング素子SW3とSW4との接続点とV相コイルとを結ぶハーネス22vに流れる電流の電流値とその方向を検出する電流検出手段として、電流センサ24vが設けられる。
制御回路部10は、パルス幅変調(PWM)制御により三相の駆動信号を生成するマイクロコンピュータや、マイクロコンピュータから送出される駆動信号に従って、駆動素子部4a内の各スイッチング素子をスイッチング駆動させるプリドライブ回路などを備える。制御回路部10のマイクロコンピュータは、モータ5の三相の状態を取得し、駆動素子部4aの6つのスイッチング素子SW1〜6の通電パターンを決める。制御回路部10のプリドライブ回路は、三相の駆動信号に従って6つのスイッチング素子SW1〜6を駆動し、モータ5を回転させる。制御回路部10のマイクロコンピュータは、電流センサ24u,24wの電流検出信号に基づいて、検出された電流値とその電流方向を取得することによって、モータ5のロータの電気的な位置(電気角)を検出し、その電気角に基づいて三相の駆動信号を出力する。
図2は、制御回路部10のPWM制御部の構成を示した図である。PWM制御部は、キャリア信号発生器11と、指令信号発生器12と、PWM信号発生器13とを備え、例えばマイクロコンピュータによって実現され得る。キャリア信号発生器11は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を生成し、PWM信号発生器13に出力する。キャリア信号は、例えば、三角波やノコギリ波である。指令信号発生器12は、モータ5の電流や回転数、アクセル操作情報、ブレーキ操作情報及び後述の温度情報などに基づいて、モータ駆動回路4の出力電圧を決定するための指令信号を生成し、PWM信号発生器13に出力する。指令信号は、駆動素子部4a内のスイッチング素子を駆動する三相の駆動信号を生成するため、例えば、互いに120°位相が異なる3つの正弦波信号である。
PWM信号発生器13は、キャリア信号発生器11から出力されたキャリア信号と指令信号発生器12から出力された指令信号とを比較器などによって比較することによって三相の駆動信号(PWM信号)を生成し、インバータ回路である駆動素子部4aに出力する。このような比較を行うことによって、三相の駆動信号のデューティ比(駆動信号のパルス波の一周期に対するHiレベル時間の割合)を調整することができる。
図4は、PWMセンター位置が0.5のときの、キャリア信号と指令信号との関係を表す波形(a)と、三相の駆動信号を表す波形(b)である。PWMセンターとは、指令信号の振幅中心(正弦波の振幅中心)を示す。PWMセンターの位置とは、キャリア信号の振幅に対する指令信号の振幅中心の位置を示す。したがって、PWMセンター位置が0.5のときに、指令信号の振幅中心がキャリア信号の振幅中心に一致する。
図4(a)に示されるキャリア信号と指令信号との大小関係によって、図4(b)の駆動信号が生成される。図1の場合、図4(b)に示されるU相の駆動信号は、スイッチング素子SW1の駆動信号に相当し、図4(b)に示されるU相の駆動信号の反転信号が、スイッチング素子SW2の駆動信号に相当する。なお、スイッチング素子SW1とSW2が同時オンすることにより流れる貫通電流を制限するためにデッドタイムが設けられる。V相、W相についても同様である。また、図4(a)の三相のパルス状の駆動信号において、Hiレベル時間TAがスイッチング素子(例えば、SW1)のオン時間(導通時間)に相当し、Loレベル時間TBがそのスイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオード(例えば、D1)の導通時間に相当する。ただし、モータ駆動装置4の出力電圧として実際にモータ5に印加される電圧は、三相の線間電圧である。そのため、例えば、U−V間の線間電圧は、U相の駆動信号とV相の駆動信号との差分を取ったパルス状の電圧指令信号(図4(b)最下段参照)に応じて決まる。V−W間の線間電圧やW−U間の線間電圧についても、同様である。また、指令信号の振幅等を変更することによってスイッチング素子のオン時間を長くして、モータ5に発生させるトルクを大きくすることができる。
ところで、図1のモータ制御システム100を搭載するハイブリッド車において、例えば、登坂時でのアクセルホールドは、平坦路走行時でのアクセルホールドに比べ、モータ5の回転数が低い状態で大きなトルクの発生が要求される。このようにモータ5の回転数が低い状態で大きなトルクを発生させようとする場合、モータ5の回転数が低い状態ではモータ5の逆起電力は小さいにもかかわらず、大きなトルクを発生させるためにスイッチング素子SWのオン時間を長くするため、モータ5と駆動素子部4aのインバータ回路との間で大電流が流れることになる。この状態での使用が、スイッチング素子SWにとって発熱が大きい過酷な条件となる。
そこで、例えば、過熱保護の設定温度までのスイッチング素子の発熱が上昇すると(もしくは、アクセルホールド状態であると認識されてから所定の一定時間継続すると)、車載コンピュータは、アクセルホールド状態を僅かな時間強制的に解除し、スイッチング素子への通電を停止しトルクを抜くことによって、過熱防止の制御を行う。しかしながら、トルクが要求されている状態でこのように一時的にスイッチング素子への通電を停止すると、車両にはゆらゆらと前進後退する挙動が生じ、快適性が損なわれてしまう。
一方、モータ駆動回路4の出力電圧を決定するための正弦波の指令信号の振幅がキャリア信号の振幅に対して十分小さい場合、指令信号の振幅中心(PWMセンター)をキャリア信号の振幅内でずらしても、モータ5への出力作用は同等の効果が得られることが知られている。図4,5に示されるように、指令信号の振幅がキャリア信号に対して相対的に小さければ、PWMセンターの位置をずらしても、線間電圧は殆ど変化しないからである。図5は、PWMセンターの位置が0.25のときの、キャリア信号と指令信号との関係を表す波形(a)と、三相の駆動信号を表す波形(b)である。例えば、U−V間の線間電圧を決定するための、図4(b)と図5(b)に示されるU相の駆動信号とV相の駆動信号との差分を取ったパルス状の電圧指令信号において、その積分値は互いに同等であるため、U−V間の線間電圧はPWMセンターの位置をずらす前後で殆どかわらない。以下、PWMセンターの位置をずらすことを「PWMセンターずらし」という。
PWMセンターずらしを行うメリットは、モータ5への作用効果は同等のままスイッチング素子とフリーホイールダイオードへの通電時間割合を変化させることができる。図5(b)に示されるように、図4(b)に比べ、スイッチング素子のオン時間TAが短くなりフリーホイールダイオードの導通時間TBは長くなる。
スイッチング素子とフリーホイールダイオードの特性において、一般に、同一の電流を流した場合、スイッチング素子とフリーホイールダイオードの損失はスイッチング素子のほうが大きい(例えば、雰囲気温度Ta=150°で200A流した場合のIGBTの損失は、フリーホイールダイオードの損失の約1.4倍)。このため、フリーホイールダイオードに熱的な余裕があっても、スイッチング素子の過熱保護が最初に働くことになる。
そこで、PWMセンターずらしを行うことによって、スイッチング素子とそれに並列接続されるフリーホイールダイオードへの通電時間割合を調整する。フリーホイールダイオードへの通電時間を長くすることで、スイッチング素子とフリーホイールダイオードの両方の素子特性限界(例えば、温度定格、電流定格、電圧定格、電力定格などの最大定格)まで使い切ることができる。これにより、モータ制御システムや車両の商品性やドライバビリティを一層向上させることができる。
モータ制御システム100は、互いに並列接続されたスイッチング素子とフリーホイールダイオードの素子特性限界まで使い切ることにより両者がバランス良く発熱するように、両者の温度を実測する。
図3は、スイッチング素子の一例であるIGBTとそれに並列接続されるフリーホイールダイオード(FWD)の両者の温度の検出回路を示した図である。図3に示されるIGBTとFWDは互いに間隔を空けて互いに同一の基板30上に実装されている。IGBTには、第1の温度検出素子として、IGBTの接合部の温度を精度良く検出するためにセンスダイオードDsが取り付けられる。FWDには、FWDの接合部の温度を精度良く検出するために、第2の温度検出素子として、センスダイオードDfが取り付けられる。更に温度検出精度を高めるため、センスダイオードDsはIGBTに内蔵又はその中央部に配置されると好適であり、センスダイオードDfはFWDに内蔵又はその中央部に配置されると好適である。
IGBT温度検出回路31は、センスダイオードDsの順方向電圧を検出することによって、IGBTの温度を実測し、その実測値を制御回路部10に出力する。FWD温度検出回路32は、センスダイオードDfの順方向電圧を検出することによって、FWDの温度を実測し、その実測値を制御回路部10に出力する。
制御回路部10(マイクロコンピュータ等の演算装置)は、両者の温度の実測値に基づいて、指令信号発生器12によって生成される指令信号のPWMセンターの位置を可変させることによってスイッチング素子とフリーホイールダイオードの両者の通電時間を制御し、スイッチング素子とフリーホイールダイオードの両者の温度を適正値に精度良く調整することができる。すなわち、制御回路部10は、スイッチング素子とフリーホイールダイオードの両者の実測温度に基づいてPWMセンターの位置を調整することによって、スイッチング素子の温度定格の範囲内で正確にスイッチング素子の接合部の温度を調整でき、フリーホイールダイオードの温度定格の範囲内で正確にスイッチング素子の接合部の温度を調整することができる。なお、スイッチング素子の温度の適正値とフリーホイールダイオードの温度の適正値は、必ずしも等しいとは限らない。スイッチング素子の温度定格等の最大定格とフリーホイールダイオードの温度定格等の最大定格が必ずしも同じとは限らないからである。
図6は、PWMセンターの位置を決定する制御回路部10(マイクロコンピュータ)の動作フローである。制御回路部10は、現在のモータ5の状態がロックしているか否かを判断する(ステップ10)。すなわち、モータ5が所定の規定回転数以下であり且つ必要トルクが所定の規定トルク以上である場合にはモータ5がロック状態であると判断し、モータ5の回転数が所定の規定回転数を超えている又は必要トルクが所定の規定トルク未満の場合には、モータ5がロック状態ではないと判断する。制御回路部10は、ロック状態ではないと判断した場合には、モータ5を通常に回転させる制御を実行する(ステップ20)。一方、制御回路部10は、ロック状態であると判断した場合には、ロック相に合わせてPWMセンターを変位させてIGBTとFWDをバランス良く発熱させるため、IGBTとFWDの温度を実測する(ステップ30)。そして、制御回路部10は、IGBTとFWDの実測温度を比較しながら、IGBTとFWDの両者の発熱温度がそれぞれの適正値になるように、PWMセンターの位置を決定する(ステップ40)。
例えば、制御回路部10は、FWDの温度の適正値が所定の設定温度T1に設定されている場合、FWD温度検出回路32によって実測された温度が設定温度T1に等しくなるまでIGBTをスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整する。すなわち、FWD温度検出回路32によって実測された温度が設定温度T1に等しくなるまでPWMセンターを変位させることによりIGBTとFWDの通電時間を調整する。また、例えば、設定温度T1が現在の実測温度より高ければ、IGBTの通電時間が短くなりFWDの通電時間が長くなる方向にPWMセンターを変位させることによりIGBTをスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整する。設定温度T1が現在の実測温度より低ければ、IGBTの通電時間が長くなりFWDの通電時間が短くなる方向にPWMセンターを変位させることによりIGBTをスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整する。
したがって、上述の実施例によれば、制御回路部10は、両者の温度の実測値に基づいて、最適なPWMセンターの位置を算出することによって、スイッチング素子とフリーホイールダイオードをそれらの素子限界まで最大限に使用することができ、過熱保護が働かない範囲内で、スイッチング素子とフリーホイールダイオードをバランス良く発熱させることができる。
また、高精度にスイッチング素子とフリーホイールダイオードの発熱状態をモニタし比較することができ、適切なPWMセンター変位の指令を行うことができる。そして、モータロック時の通電時間を従来よりも格段に長くなり、インバータの効率を上げることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図3において、同一基板上に互いに並列接続された一組のスイッチング素子とフリーホイールダイオードとが実装されていたが(図1に示したインバータ回路の場合、互いに並列接続された一組のスイッチング素子とフリーホイールダイオードとを実装する基板が6つ存在)、複数組のスイッチング素子とフリーホイールダイオードとが同一基板上に実装されていてもよい。
例えば、上述の実施例では、車載の制御システムを例に挙げて本発明に係るスイッチング装置について説明したが、車両用に限定することなく、ロボット用などの他の用途に適用することも可能である。
4 モータ駆動装置(インバータ)
5 モータ
10 制御回路部
11 キャリア信号発生器
12 指令信号発生器
13 PWM信号発生器
Ds,Df センスダイオード
31 IGBT温度検出回路
32 FWD温度検出回路
SW1〜6 スイッチング素子
D1〜D6 フリーホイールダイオード
5 モータ
10 制御回路部
11 キャリア信号発生器
12 指令信号発生器
13 PWM信号発生器
Ds,Df センスダイオード
31 IGBT温度検出回路
32 FWD温度検出回路
SW1〜6 スイッチング素子
D1〜D6 フリーホイールダイオード
Claims (5)
- 半導体スイッチング素子と、
前記半導体スイッチング素子に並列接続されたフリーホイールダイオードと、
パルス幅変調によって前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる制御手段とを備える、スイッチング装置であって、
前記半導体スイッチング素子の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記フリーホイールダイオードの温度を検出する第2の温度検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の温度検出手段によって検出された両温度に基づいて、前記半導体スイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号のデューティ比を調整することを特徴とする、スイッチング装置。 - 前記制御手段は、キャリア信号と比較される指令信号をオフセットすることにより、前記デューティ比を調整する、請求項1に記載のスイッチング装置。
- 前記制御手段は、前記半導体スイッチング素子の温度が低くなると共に前記フリーホイールダイオードの温度が高くなる方向に、前記デューティ比を調整する、請求項1又は2に記載のスイッチング装置。
- 前記半導体スイッチング素子は、インバータ回路を構成する素子である、請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチング装置。
- 前記インバータ回路は、前記半導体スイッチング素子のスイッチングによりモータを駆動するものであって、
前記制御手段は、規定回転数以下且つ規定トルク以上で前記モータを駆動するときの前記デューティ比を、前記半導体スイッチング素子の温度が低くなると共に前記フリーホイールダイオードの温度が高くなる方向に調整する、請求項4に記載のスイッチング装置。
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