JP2009253041A - コイル部品 - Google Patents

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Masaaki Kusakabe
政明 日下部
Tomomi Ofusa
智巳 大房
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Abstract

【課題】電気特性が安定したコイル部品を提供すること。
【解決手段】コイル部品1は、導線が導入される導線導入部7eを有する芯部7cと、芯部7cに導線が多層巻回されて形成されるコイルと、磁性体で形成され、コイルの周囲を覆うケース部材2と、を備える。そして、芯部7cには、上層と下層の導線が交差する位置に、芯部7cの中心軸に沿って平面部7cが形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル部品に関し、例えば、電磁アクチュエータに使用されるソレノイドコイルに適用して好適なコイル部品に関する。
近年、動力性能を上げたり、燃料消費量等を低減して環境性能を上げたりするため、自動車を軽量化することが重要視されている。したがって、自動車に搭載される機器、部品の個々においても軽量化が要求されている。また、自動車は様々な機能を実現するため、電子制御化が進められている。そして、多くの電子機器を自動車に搭載するために、部品個々の小型化を実現し制御機器の小型化を図る必要がある。
自動車が搭載する機能の一例として、ABS(Antilock braking system)が挙げられる。ABSは、緊急回避等の操舵性を確保するために、タイヤをロックさせることなく急制動できるシステムである。そして、近年は、ABSを搭載した自動車が普及してきている。
ABSには、ブレーキオイルを加減圧する油圧バルブを作動させるために、コイル部品(ソレノイドコイルとも称する。)が用いられている。また、自動車のエンジンルーム内には、多数のコイル部品(通常、1台の自動車には計8〜12個のABSコイルが使用される。)が設置される。ABSには安全性が求められるため、ABSに搭載されるコイル部品についても高い信頼性を確保することが求められる。
ここで、従来のソレノイドコイル100の構成例について、図9を参照して説明する。
図9(a)は、ボビンに巻回されるワイヤ101の正面図である。
図9(b)は、図9(a)に示すソレノイドコイル100の領域103aにおける部分断面図である。
図9(c)は、図9(a)に示すソレノイドコイル100の領域103bにおける部分断面図である。
ソレノイドコイル100は、芯部となるボビン104と、ボビン104に一体形成されるつば部102と、ボビン104に積層して巻回されるワイヤ101と、を備える。ソレノイドコイル100は、図示しない金属製のケース部材に収納される。ここでは、ワイヤ101を下層ワイヤ101a、下層ワイヤ101aの上層に巻回されるワイヤ101を上層ワイヤ101bと呼ぶ。
図9(b)に示すように、領域103aにおいて、上層ワイヤ101bが下層ワイヤ101aの谷間に沿わせてボビン104に巻回される。このため、上層ワイヤ101bが安定する。
図9(c)に示すように、上層ワイヤ101bが下層ワイヤ101aを乗り越える領域103bで、下層ワイヤ101aと上層ワイヤ101bが交差する。その後、再び上層ワイヤ101bは、下層ワイヤ101aの谷間に沿わせて巻回される。
なお、領域103b以外の箇所では、領域103aのように上層ワイヤ101bが下層ワイヤ101aに巻回される。
特許文献1には、油浸型の電磁弁等に広く使用されるソレノイドが開示されている。このソレノイドは、パイプ部とケース部材とを樹脂で一体成形して構成される。
特開平11−067528号公報
ところで、下層ワイヤ101aと上層ワイヤ101bが交差する位置では、上層ワイヤ101bの巻半径がわずかに膨らんでしまう。上層ワイヤ101bの巻半径がわずかに膨らむ状態の例について、図10を参照して説明する。
図10は、ソレノイドコイル100を上面視した例である。
複数層にわたって巻回されるワイヤ101を破線で単純化して示す。
ワイヤ101の最外周部と、つば部102の縁部との幅105a,105bは異なる。領域103bの付近の幅105bは、他の領域における幅105aに比べて狭い。このように、領域103aにおいてワイヤ101が複数層にわたって交差すると、ソレノイドコイル101の巻軸に直交する断面形状が楕円状または滴状になる。断面形状が滴状になるとワイヤ101とケース部材の距離が近くなるため、ワイヤとケース部材間における耐電圧が低くなる。
特許文献1に開示されたソレノイドには、ボビンにワイヤを多層巻回する際、2層目以降の導線が下層の導線を乗り越える領域がある。この領域に複数層の導線が重なるため、ソレノイドの巻軸に直交する断面は真円状とならない。このソレノイドに、磁性体からなる中空な円筒状ケース部材を配置すると、下層の導線を乗り越える領域に巻回された導線の一部がケース部材に近づいてしまう。
通常、俊敏かつ確実にバルブを開閉したり、プランジャを動かしたりするためには、ソレノイドコイルに高電圧を印加したり、電流量を増大させたりする必要がある。しかし、電流量が増大するとケース部材の内壁面と距離が近い導線の間で、放電現象が生じやすい。放電現象が生じると、ソレノイドは正常に動作しなくなってしまう。これは、コイル部品の小型化を図ろうとするほど、深刻な問題となってくる。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、電気特性が安定した、高信頼性を有するコイル部品を提供することである。
本発明に係るコイル部品は、導線が導入される導線導入部を有する芯部と、芯部に導線が多層巻回されて形成されるコイルと、磁性体で形成され、コイルの周囲を覆うケース部材と、を備える。芯部には、上層と下層の導線が交差する位置に、芯部の中心軸に沿って平面部が形成される。
また、本発明に係るコイル部品は、導線が導入される導線導入部を有する芯部と、芯部に導線が多層巻回されて形成されるコイルと、磁性体で形成され、コイルの周囲を覆うケース部材と、を備える。芯部は曲率を有しており、芯部には、上層と下層の導線が交差する位置に、芯部の曲率より小さい曲率を有する緩曲面部が芯部の中心軸に沿って形成される。
このようにしたことで、コイルの最外周とケース部材の内壁面の距離がほぼ等しくなる。
本発明によれば、コイルの最外周とケース部材の内壁面の距離がほぼ等しくなるため、コイルとケース部材との間で短絡する可能性が低くなり、コイル部品の電気特性を安定化できるという効果がある。
以下、本発明の第1の実施形態例について、図1〜図4を参照して説明する。ここでは、例えば、電磁弁や電磁アクチュエータに代表されるソレノイドコイルとして用いられるコイル部品1に適用した例として説明する。
まず、コイル部品1の構成例について、図1を参照して説明する。
図1は、コイル部品1の外観斜視図である。コイル部品1は、樹脂で成型された円柱状のボビン7(後述の図2を参照)と、絶縁性の樹脂皮膜で覆われた不図示の導線がボビン7に所定回数だけ螺旋状に巻回されて形成される不図示のソレノイドコイルと、導線の両端部が接続される2つの端子電極4a,4bを備える。さらに、コイル部品1は、端子電極4a,4bが固定される端子電極固定部3を備える。端子電極固定部3には、導線の端部を沿わせるガイド溝を有するガイド部6が形成される。ガイド部6によって導線の位置が好適に保たれる。
ケース部材2には、ソレノイドコイルを封止するカバー部材5が圧入される。ケース部材2とカバー部材5は、金属製の磁性体であり、例えば、絞り加工に適した冷間圧延軟鋼が用いられる。カバー部材5の中心には、所定の半径の透孔9が空けられる。透孔9には、図示しない油圧バルブが設置される。ソレノイドコイルは、円筒形で底部が封止されたケース部材2に収納される。
図2は、導線を取り除いた状態におけるコイル部品1の分解斜視図である。
ボビン7の両端部には、導線が巻回される芯部7cと、芯部7cに巻回された導線が緩んだり、芯部7cから外れたりしないように固定するつば部7a,7bが形成される。つば部7aには、端子電極4a,4bが植設される端子電極固定部3が形成される。芯部7cの中心軸に直交するつば部7a,7bの断面の半径(以下、単に「断面半径」という。)は、芯部7cに導線が巻回されて形成されるソレノイドコイルの断面半径より大きい。
芯部7cは円柱状であり、コイルの巻軸方向と平行な空芯が形成される。この空芯の断面半径は、カバー部材5に形成された透孔9の断面半径にほぼ等しい。芯部7cの一部には、平坦面である平面部7dが形成される。また、つば部7aには、芯部7cに巻回される導線を導入するための導線導入部7eが形成される。導線導入部7eは、つば部7aの下面に凹部として形成され、端子電極4a,4bに接続された導線の始線をつば部7aの裏側に収容する機能を有する。なお、ボビン7は樹脂で成型される部材であり、空芯や、つば部7a,7b、芯部7c、平面部7d及び導線導入部7eを形成することは容易である。
端子電極固定部3は、つば部7aの一部が突出して形成される部材である。このように端子電極固定部3を形成することで、植設される端子電極4a,4bの固定強度を高めている。そして、端子電極固定部3には、つば部7aの一部を欠いたガイド部6が形成される。
端子電極4a,4bには、錫又は銅によるめっき処理が施される。そして、導線と端子電極4a,4bは、拡散接合による処理が施され、機械的/電気的な接続の信頼性を高めた係止部として形成される。ここで、拡散接合とは母材を密着させ、被接合部材の融点以下の温度条件で、塑性変形を出来るだけ生じない程度に加圧して、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する技術である。拡散接合時には、導線が絡げられた端子電極4a,4bに電極が当てられ、電圧が加えられる。加熱部位は、導線と端子電極4a,4bの界面に限られており、導線の芯材が溶け出さないため、接合時に導線が切断されない。
次に、芯部7cに巻回される導線8の例について、図3と図4を参照して説明する。
図3は、端子電極4aに絡げられた導線8が芯部7cに巻回されるコイル部品1を下面視した例である。
導線導入部7eから導入された導線8が芯部7cに最初に接する位置を接触点11とする。導線8の巻方向は、矢印A方向(時計回り)である。ここで、導線導入部7eと芯部7cの中心点12を結ぶ基準線を想定する。この基準線と芯部7cの交点のうち、端子電極4a,4bが設置される側の交点を始点13aとする。また、芯部7cの中心軸に対して始点13aの点対称となる位置を対称点13bとする。この基準線に向かって左側の芯部7cの厚み10aと、右側の厚み10bは異なる。本例において、厚み10bは、厚み10aより薄い。なお、芯部7cを設計する際には、厚み10bを基準として、厚み10aを求める。厚み10bが所定の強度を有するならば、芯部7cは十分に強度を有すると言える。
平面部7dは、始点13aと対称点13bまでの範囲であって、接触点11が含まれる側(矢印Bの範囲)に形成される。言い換えれば、平面部7dは、導線導入部7eと芯部7cの中心点とを結んだ基準線に対して接触点11が含まれる側、つまり、導線8の巻き方向の半周内に形成される。一般に芯部7cに導線8を巻回すると、この付近で上層と下層の導線8が交差する。そして、複数層にわたって導線8が巻回されると、導線8の最外周が膨らみやすい。平面部7dをこの導線8が交差する位置に芯部7cの中心軸に沿って形成しておくと、複数層の導線8の膨らみを抑えることができる。
図4は、芯部7cに導線8が複数層にわたって巻回されたコイル部品1を下面視した例である。
本例において、芯部7cに平面部7dが形成される。このため、平面部7dの位置で下層のワイヤの山部を上層のワイヤが乗り越え、上層と下層の導線8が交差する(このような状態を「ターン替え」ともいう。)。このターン替えが集中する箇所を、領域15とする。
このとき、領域15におけるつば部7aの縁部と最外周の導線8の幅13aと、端子電極4a,4b付近におけるつば部7aの縁部と最外周の導線8の幅13bについて検討すると、図4より、幅13a,13bがほぼ等しくなることが示される。このとき、芯部7cに巻回された導線8の断面は、ほぼ真円状となる。
このため、導線8が巻回されたボビン7をケース部材2に収納した場合、最外周の導線8とケース部材2の内壁面との幅はほぼ等しくなる。このため、コイル部品1に大電流が流されても、放電等を起こすことなくコイル部品1の動作に不具合が生じない。
以上説明した第1の実施の形態例によれば、芯部7cの中心軸に沿って平面部7dを形成する。平面部7dが形成されると、芯部7cの肉厚は薄くなる。そして、領域15には、下層の導線8の山部を乗り越えて上層の導線8が巻回されており、この位置で上層と下層の導線が交差する。すなわち、この領域15に平面部7dが形成されていれば、導線8が膨らまないため、コイルの外形が楕円にならない。このため、最外周の導線8とケース部材2の内壁面との距離は、どの部位であってもほぼ一定に保たれる。
また、端子電極4a,4bと導線8の端部は拡散接合される。このため、コイル部品1が振動を受ける環境下で使用される場合であっても接合状態が好適に保たれる。
また、ケース部材2は金属製であるため、コイルで励磁された磁束を通しやすい。このため、透孔9に挿入されるプランジャ等は、ソレノイドコイルによって発生された磁気エネルギーを有効に使うことができる。
なお、上述した第1の実施の形態例に係るコイル部品1において、芯部7cに平面部7dを形成した例について説明したが、平面の代わりに緩曲面を形成してもよい。
図5は、芯部7cの一部に緩曲面を有する緩曲面部17を形成したコイル部品16の例を示す。
芯部7cは所定の曲率を有する円柱状の部材である。そして、芯部7cには、上層と下層の導線が交差する位置に、芯部7cの曲率より小さい曲率を有する緩曲面部17が芯部7cの中心軸に沿って形成される。このため、コイル部品1と同様に、導線8が複数層にわたって巻回されてもソレノイドコイルの外形が膨らまない。また、芯部7cに緩曲面部17を形成する代わりに、該当箇所を凹ませたり切り欠いたりしてもよい。この場合であっても、複数層にわたって巻回される導線8が膨らまない。
また、芯部7cに平面部7dや緩曲面部17を形成することは、極めて簡素かつ容易な構造であると言える。このため、コイルの周囲を覆うように配置されるケース部材2や磁性体との間隔が極度に近づくことを防止できる。また、コイル部品1は、安定した耐電圧を確保されるという効果がある。
次に、本発明の第2の実施の形態例に係るコイル部品21について、図6と図7を参照して説明する。コイル部品21は、2つのソレノイドコイルが1次コイルと2次コイルとして含まれるトランスである。
図6(a)は、コイル部品21の斜視図である。
コイル部品21は、樹脂製のベース24と、ベース24に形成されたトランスを覆うケース部材として、磁性体からなるポットコア22を備える。ベース24の下面には、4本の金属製の端子23が植設される。ポットコア22は、例えば、Mn系フェライト磁性コア、または金属系磁性圧粉コアを用いて形成される。ポットコア22の抵抗は低いため、ポットコア22の表面に絶縁層が被覆される。
図6(b)は、コイル部品21の分解斜視図である。
ベース24の上面には、芯部と1つのつば部を備える片つばコア25が設置される。片つばコア25は、例えば、Ni系フェライト又はMn系フェライトで形成される。片つばコア25の芯部に組み合わされるボビン27は、導線が巻回されて1次コイルと2次コイルが形成される芯部27a,27bを備える。芯部27a,27bには、それぞれ平面部26a,26bが形成される。また、ボビン27には、芯部27a,27bに巻回される導線を固定し、1次コイルと2次コイルを隔てるため、つば部28a〜28cが形成される。芯部27a,27bの中心軸に沿って形成された空芯には、片つばコア25の芯部が挿入される。
図7は、つば部28aを下面視した例である。
つば部28aには、1次コイルを形成する導線30の始線を芯部27aに導入する導線導入部29aが形成される。同様に、つば部28aには、2次コイルを形成する導線の始線を芯部27bに導入する導線導入部29bが形成される。導線導入部29a,29bは、互いに対向する位置に、つば部28aを切欠いて形成される部位である。また、ベース24,片つばコア25にも、導線を導入するための切欠き部がつば部28a,28bと同じ位置に形成される。なお、ベース24に形成される切欠き部の深さは、つば部28a,28bに形成される切欠き部より浅く形成される。
導線導入部29aから導入された導線30が芯部27aに最初に接する位置を接触点31とする。導線30の巻方向は、矢印C方向(時計回り)である。ここで、導線導入部29aと芯部27aの中心点34を結ぶ基準線を想定する。この基準線と芯部27aの交点のうち、導線導入部29aが設置される側の交点を始点33aとする。また、芯部27aの中心軸に対して始点33aの点対称となる位置を対称点33bとする。この基準線に向かって左側の芯部27aの厚み32aと、右側の厚み32bは異なる。本例において、厚み32bは、厚み32aより薄い。なお、芯部27aを設計する際には、厚み32bを基準として、厚み32aを求める。厚み32bが所定の強度を有するならば、芯部27aは十分に強度を有すると言える。
平面部26aは、始点33aと対称点33bまでの範囲であって、接触点31が含まれる側に形成される。言い換えれば、平面部26aは、導線導入部29aと芯部27aの中心点とを結んだ基準線に対して接触点31が含まれる側、つまり、導線30の巻き方向の半周内に形成される。ここでは、平面部26aの形成位置について説明したが、平面部26bの形成位置についても同様に定まる。
一般に芯部27a,27bに導線30が巻回されると、ある範囲で上層と下層の導線30が交差する。そして、複数層にわたって導線30が交差される付近で導線30の最外周が膨らみやすい。平面部26a,26bを導線30が交差する位置における芯部27a,27bの中心軸に沿って形成しておくと、複数層にわたって巻回された導線30の膨らみを抑えることができる。そして、1次コイルと2次コイルの最外周とポットコア22の内壁面の距離はほぼ等しくなる。
以上説明した第2の実施の形態例によれば、コイル部品21を構成する芯部27a,27bに複数層にわたって巻回された導線の最外周が膨らまないという効果がある。このため、最外周に位置する導線とポットコア22の内壁面との間で短絡、放電現象が生じにくくなる。この結果、コイル部品21に流す電流量を多くした場合であっても、特定の部位で放電することなく、安定した電気特性を得られるという効果がある。
また、ポットコア22を形成する磁性体は、Mn系フェライトコア、または金属系磁性圧粉コアである。このため、ポットコア22は、コイルで励磁された磁束を通しやすい。このため、トランス等に好適である閉磁路構造を容易に構成することができ、電圧変換効率が向上するという効果を有している。
なお、芯部27a,27bには、平面部26a,26bを形成したが、ターン替えの箇所における芯部7cの曲率が、この箇所以外の曲率よりも低い緩曲面部を形成してもよい。また、芯部27a,27bの強度が保たれるのであれば、この箇所の一部に凹部を形成したり、切り込みを入れたりしてもよい。この場合であっても、複数層にわたって巻回された導線の最外周は膨らまない。
以上説明した第1及び第2の実施の形態例に係るコイル部品によれば、簡素な構造でありながら優れた電気特性を維持できる。また、コイルの最外周とケース部材の内壁面の距離がほぼ等しくなるため、コイルとケース部材との間で短絡する可能性が低くなり、コイル部品の電気特性を安定化できるという効果がある。
昨今、部品を小型化し、軽量化する要求に対応するためには、コイル部品を構成する各部材の大きさを制限した上でこれまで以上の特性を有することが求められる。第1及び第2の実施の形態例に係るコイル部品は、最低限の部品点数で構成されるので、コイル部品の重量を軽量化できる。また、ソレノイドコイルの周囲を覆うように配置される磁性体と導線の距離が極度に近づかないため、安定した耐電圧を確保することができ、信頼性に優れるという効果がある。
また、コイル部品の構造が簡素であるため、コイル部品の組立てが容易となる。また、ボビンの材質を樹脂とするため加工しやすい。また、最低限の部品点数でコイル部品を組立てられるため、コイル部品の電気特性が安定する。このため、温度や湿度,振動等、過酷な使用環境に十分に耐用し得るコイル部品の信頼性を確保できる。
なお、上述した第1の実施の形態の説明では、電磁弁や電磁アクチュエータに代表されるソレノイドコイルに適用した例として説明を行ったが、用途としてはソレノイドコイルに限定されない。例えば、自動車用のABSコイルや他の用途(家電製品や工業用電子機器等)においても、本発明に係るコイル部品を好適に使用できることは言うまでもない。
また、上述した第1及び第2の実施の形態例では、芯部に平面部、緩曲面部を形成した構成について説明したが、芯部に形成する空芯を芯部の中心軸に対して偏心させてもよい。このように形成すると、芯部の厚みには偏りができる。そして、厚みが薄い部分をターン替えの箇所としてもよい。
ところで、コイルの巻き条件によっては、下層ワイヤと上層ワイヤの交差部(ターン替え部)は、接触点11aを始めとして、徐々に巻き方向へ向ってずれていくことがある。このため、上述した第1及び第2の実施の形態例に示したように、芯部に1つの平面部、緩曲面部を形成する代わりに、芯部に2つ以上の平面部や緩曲面部を形成してもよい。
ここで、芯部の肉厚を薄くした例について、図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施の形態例に係る芯部7cを下面視した例である。この例では、芯部7cの基準線に対して接触点11が含まれる側に、2つの平面部7f,7gが形成される。そして、平面部7f,7gで挟まれる付近における芯部7cの厚み10cは、他の部分の厚み10aに比べて薄く形成される。このような構成としても、巻方向に向かって交差部がずれた場合に、コイルの局部的な巻き太りを抑制することが可能になる。また、芯部7cには、3つ以上の平面部を形成してもよく、平面部と緩曲面部を組み合わせて形成してもよい。また、第2の実施の形態例に係る芯部27a,27bに対しても2つ以上の平面部や緩曲面部を形成してもよい。
本発明の第1の実施の形態例におけるコイル部品の外観構成例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例におけるコイル部品の構成要素の例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態例におけるコイル部品を下面視した例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例におけるコイル部品を下面視した例を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態例におけるコイル部品の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態例におけるコイル部品の例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態例におけるコイル部品を下面視した例を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態例におけるコイル部品を下面視した例を示す説明図である。 従来のソレノイドコイルの構成例を示す説明図である。 従来のソレノイドコイルを下面視した例を示す説明図である。
符号の説明
1…コイル部品、2…ケース部材、3…端子電極固定部、4a,4b…端子電極、5…カバー部材、6…ガイド部、7…ボビン、7a,7b…つば部、7c…芯部、7d…平面部、7e…導線導入部、8…導線、9…透孔、16,21…コイル部品

Claims (3)

  1. 導線が導入される導線導入部を有する芯部と、
    前記芯部に前記導線が多層巻回されて形成されるコイルと、
    磁性体で形成され、前記コイルの周囲を覆うケース部材と、を備え、
    前記芯部には、上層と下層の前記導線が交差する位置に、前記芯部の中心軸に沿って平面部が形成される
    コイル部品。
  2. 導線が導入される導線導入部を有する芯部と、
    前記芯部に前記導線が多層巻回されて形成されるコイルと、
    磁性体で形成され、前記コイルの周囲を覆うケース部材と、を備え、
    前記芯部は曲率を有しており、前記芯部には、上層と下層の前記導線が交差する位置に、前記芯部の曲率より小さい曲率を有する緩曲面部が前記芯部の中心軸に沿って形成される
    コイル部品。
  3. 請求項1または2に記載のコイル部品において、
    前記導線導入部から導入された前記導線が前記芯部に最初に接する位置を接触点とする場合に、前記導線導入部と前記芯部の中心点とを結んだ線と、前記芯部が交わる点を始点とし、前記芯部の中心軸に対して前記始点が点対称となる対称点までの範囲であって、前記接触点が含まれる側に、前記平面部または前記緩曲面部が形成される
    コイル部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011211005A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nohmi Bosai Ltd ソレノイド
JP2013239553A (ja) * 2012-05-15 2013-11-28 Tamura Seisakusho Co Ltd アルミ電線接続端子ユニット
JP2018137291A (ja) * 2017-02-20 2018-08-30 日本電気株式会社 部材及び取付け方法

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