JP2010232543A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】モールド樹脂の圧力が巻線コイルに加わることを抑制し、且つ、巻線コイルを形成する導電線の一部が始端部に干渉しないようにすること。
【解決手段】コイル部品1は、巻芯部6及び鍔部7を有するボビン2と、金属端子と、導電線4とを備える。ボビン2の鍔部7は、鍔部本体21と、上鍔片及び下鍔片24と、導入通路25と、導出通路26とを有する。上鍔片及び下鍔片24は、鍔部本体21に略J字形状の溝部36を設けることにより形成され、巻芯部6の軸方向に対向する。導入通路25は、上鍔片に形成され、溝部36の一端に連通する。導出通路26は、下鍔片24の縁部から巻芯部6まで延びる切欠きを設けることにより形成され、溝部36の他端に連通する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車のABSコイルなど用いる場合に好適なコイル部品に関する。
近年は、ABS(Antilock braking system)を搭載した自動車が普及している。ABSは、緊急回避等の操舵性を確保するために、タイヤをロックさせることなく急制動できるシステムである。ABSには、ブレーキオイルを加減圧する油圧バルブを作動させるために、コイル部品(ソレノイドコイル)が用いられている。このコイル部品は、自動車のエンジンルーム内に設置される。
例えば、自動車のエンジンルーム内に設置されたコイル部品は、温度、湿度、衝撃、振動、塵埃等の外的環境による負荷を受ける。このように、過酷な環境で使用されるコイル部品には、防水や防塵を行うことが望まれる。そこで、モールド樹脂を用いてコイル部品を覆うオーバーモールド成形が行われる。
このようなコイル部品は、ボビンと、このボビンに固定される金属端子と、端部が金属端子に接続され、ボビンに巻回された導電線とを備えている。ボビンは、導電線が巻回される巻芯部と、巻芯部の両端に設けられた2つの鍔部を有している。これら2つの鍔部のうちの一方の鍔部には、金属端子が固定される。
導電線の巻始め側(以下、「始端部」という)が一方の鍔部を乗り越えて金属端子から巻芯部まで延びるようにすると、導電線が弛んで巻回部分が乱れてしまう心配がある。そのため、一方の鍔部には、導電線の始端部を通すためのガイド溝が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−324741号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコイル部品のように、一方の鍔部に導電線の始端部を通すためのガイド溝を設けたコイル部品では、オーバーモールド成形を行うと、モールド樹脂がガイド溝に入り込んでしまう。その結果、導電線の始端部が断線するという問題があった。
この導電線の始端部に生じる断線について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、従来のコイル部品の側面図である。図11は、図10に示すコイル部品の平面図である。
図10及び図11に示すコイル部品101は、ボビン102と、一対の金属端子103A,103Bと、導電線104を備えている。ボビン102は、円筒状に形成された巻芯部106と、巻芯部106の両端に形成された鍔部107,108を有している。
巻芯部106には、導電線104が巻回されている。この導電線104は、ボビン102に巻回されることにより巻線コイル109を形成する。鍔部107には、一対の金属端子103A,103Bが固定されている。また、鍔部107には、導電線104の巻始め側である始端部104aを通すためのガイド溝107aが設けられている。導電線104の始端部104aは、金属端子103Aに接続されており、鍔部107のガイド溝107aを通って巻芯部106まで延びている。
このようなコイル部品101に対してオーバーモールド成形を行うと、例えば、モールド樹脂が矢印Y方向に流れ、ガイド溝107aに入り込む。これにより、モールド樹脂が巻線コイル109の端面を押圧して巻線コイル109の形状が崩れてしまう。
また、ガイド溝107aに入り込んだモールド樹脂は、導電線104と巻芯部106との間に浸入する。そのため、巻線コイル109が半径方向の外側に膨らむように変形してしまう。その結果、始端部104aにおける巻芯部106との接触部T付近が断線してしまうという心配がある。
また、コイル部品101のような構造では、巻芯部106に導電線104を巻回するときに、巻線コイル109の端面を形成する導電線104の一部が始端部104aと干渉してしまう。その結果、巻線コイル109の端面を形成する導電線104の一部と始端部104aとの間に摩擦が生じ、導電線104の絶縁皮膜が破損して短絡するという心配がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、モールド樹脂の圧力が巻線コイルに加わることを抑制し、且つ、巻線コイルを形成する導電線の一部が始端部に干渉しないようにすることを目的とする。
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のコイル部品は、ボビンと、金属端子と、導電線とを備える。ボビンは、巻芯部と、この巻芯部の一端に形成された鍔部とを有する。金属端子は、ボビンの鍔部に固定される。導電線は、ボビンの巻芯部に巻回されて巻線コイルを形成し、金属端子に接続される始端部を有する。
ボビンの鍔部は、鍔部本体と、上鍔片及び下鍔片と、導入通路と、導出通路とを有する。上鍔片及び下鍔片は、鍔部本体に略J字形状の溝部を設けることにより形成され、巻芯部の軸方向に対向する。導入通路は、上鍔片に形成され、溝部の一端に連通する。導出通路は、下鍔片の縁部から巻芯部まで延びる切欠きを設けることにより形成され、溝部の他端に連通する。
本発明のコイル部品では、導電線の始端部が上鍔片と下鍔片との間の溝部を通って巻芯部まで延びる。したがって、巻回コイルの端面と始端部との間には、下鍔部が介在される。そのため、巻回コイルの端面を形成する導電線の一部が始端部と干渉することはない。
本発明のコイル部品に対してオーバーモールド成形を行うと、導入通路に入り込んだモールド樹脂は、下鍔片に当接する。そのため、導入通路に入り込んだモールド樹脂によって巻線コイルの端面が押圧されることはない。また、導入通路に入り込んだモールド樹脂が、巻線コイルと巻芯部との間に浸入することを防ぐことができる。
本発明によれば、モールド樹脂の圧力が巻線コイルに加わることを防止し、且つ、巻線コイルを形成する導電線の一部と始端部との干渉を防ぐことができる。
本発明のコイル部品の第1の実施の形態を示す斜視図である。 本発明のコイル部品の第1の実施の形態を示す側面図である。 本発明のコイル部品の第1の実施の形態に係るボビンを示す斜視図である。 図2に示すコイル部品をA−A′線で断面して示す断面図である。 図2に示すコイル部品のA−A′線で断面した状態を上方から見た斜視図である。 本発明のコイル部品の第2の実施の形態を示す断面図である。 本発明のコイル部品の第2の実施の形態の変形例を示す断面図である。 本発明のコイル部品の第2の実施の形態に係る傾斜面の例を示す説明図である。 本発明のコイル部品の第3の実施の形態を示す断面図である。 従来のコイル部品の側面図である。 図10に示すコイル部品の平面図である。
以下、本発明のコイル部品を実施するための実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。なお、以下の形態は、本発明のコイル部品をABSシステムの一部を構成するABSコイルに適用した例として説明する。
また、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.実施の形態の変形例
〈1.第1の実施の形態の構成〉
[コイル部品]
まず、本発明のコイル部品の第1の実施の形態の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
コイル部品1は、ボビン2と、一対の金属端子3A,3Bと、導電線4と、外部鉄芯5を備えている。
ボビン2は、可塑性樹脂を用いて成形される。可塑性樹脂は、成形性、量産性、微細加工性に優れており、電気絶縁性が高いという利点がある。また、安価なコストで成形でき、機械的強度が大きいという利点もある。このボビン2は、導電線4が巻回される巻芯部6(図3参照)と、巻芯部6の両端に形成された鍔部7,8を有している。
一対の金属端子3A,3Bは、リン青銅、真鍮等からなる導電性の金属板を打ち抜き加工することによって左右対称に形成されている。第1の金属端子3Aは、固定片11と、この固定片11に連続する接続片12と、固定片11に設けられた絡げ突起13及び係止片14を有している。
固定片11は、鍔部7に設けられた後述する端子固定部22に圧入される。この固定片11を端子固定部22に圧入することにより、第1の金属端子3Aがボビン2の鍔部7に固定される。接続片12は、固定片11の上部に連続し、L字状に折り曲げられている。この接続片12は、外部電源と電気的に接続される。
絡げ突起13及び係止片14は、固定片11の側部から突出している。絡げ突起13には、導電線4の後述する始端部4aが絡げられる。また、係止片14は、固定片11の平面側に折り曲げられ、固定片11と共に導電線4の始端部4aを挟むようになっている。導電線4の始端部4aが固定片11と係止片14に挟まれることにより、導電線4と第1の金属端子3Aが電気的に接続される。
なお、第2の金属端子3Bは、第1の金属端子3Aと同様に、端子固定部22に圧入される固定片16と、外部電源と電気的に接続される接続片17と、絡げ突起18及び係止片(不図示)を有している。絡げ突起18には、導電線4の後述する終端部4bが絡げられる。そして、導電線4の終端部4bが固定片16と係止片に挟まれることにより、導電線4と第2の金属端子3Bが電気的に接続される。
導電線4は、絶縁皮膜によって被覆された銅、アルミニウム等の線材からなる。なお、絶縁皮膜には、加熱や有機溶剤の塗布、紫外線照射などにより融解する材質が用いられている。この導電線4は、所望の電磁気特性が得られるように巻芯部6に巻回され、巻線コイル9を形成する。
また、導電線4は、巻き始め側である始端部4aと、巻き終り側である終端部4bを有している。始端部4aは、第1の金属端子3Aに接続され、鍔部7の後述する溝部36を通って巻芯部6まで延びている。一方、終端部4bは、鍔部7の後述する第2の立上り部32に沿って立ち上り、第2の金属端子3Bに接続される。
導電線4の始端部4a及び終端部4bは、金属端子3A,3Bの絡げ突起13,18に2〜3周だけ巻くようにして絡げることが好ましい。これは、絡げ突起13,18への巻数を多くすると、絡げられた始端部4a及び終端部4bが巻線コイルを形成し、好ましくない電気特性が生じてしまうからである。
外部鉄芯5は、ABSコイルにおける可動鉄心を力強く動作させるために設けられている。この外部鉄芯5は、リング状に形成されており、インサート成形によってボビン2と一体に形成される。
[ボビン]
次に、ボビン2について図3を参照して説明する。
図3は、ボビン2の斜視図である。
上述したように、ボビン2は、巻芯部6と、巻芯部6の両端に形成された鍔部7,8を有している。巻芯部6は、円筒状に形成されている。この巻芯部6の周面には、一巻目の導電線4を案内するガイド溝6aが形成されている。巻芯部6の筒孔6bには、ABSシステムの一部を構成する油圧バルブ(不図示)が移動可能に挿入される。導電線4(巻線コイル9)に電流を流すと、油圧バルブが筒孔6b内を軸方向に移動し、油圧配管(図示せず)が開閉される。
鍔部7,8は、巻芯部6の周面から半径方向外側に突出するリング状に形成されている。鍔部7は、鍔部本体21と、端子固定部22と、上鍔片23と、下鍔片24と、導入通路25と、導出通路26を有している。
鍔部本体21は、巻芯部6に連続するリング状に形成されている。以下、鍔部本体21の鍔部8に対向する面を下面21bとし、この下面21bと反対側の面を上面21aとする。鍔部本体21の上面21aには、第1の立上り部31と、第2の立上り部32(図1参照)が設けられている。
2つの立上り部31,32は、鍔部本体21の上面21aから略垂直に突出しており、鍔部本体21の直径方向に対向している。第1の立上り部31には、巻芯部6の軸方向に対して傾斜する傾斜ガイド面31a(図1参照)が形成されている。第1の金属端子3Aに接続された導電線4の始端部4aは、第1の立上り部31の傾斜ガイド面31aに沿って案内され、導入通路25へ導かれる。
第2の立上り部32には、第1の立上り部31と同様に、巻芯部6の軸方向に対して傾斜する傾斜ガイド面32a(図1参照)が形成されている。また、鍔部本体21には、傾斜ガイド面32aに連続するガイド溝33(図4参照)が設けられている。導電線4の終端部4bは、鍔部本体21のガイド溝33及び第2の立上り部32の傾斜ガイド面32aに沿って案内され、第2の金属端子3Bへ導かれる。
端子固定部22は、2つの立上り部31,32に連続するリング状に形成されており、鍔部本体21に所定の間隔をあけて対向している。この端子固定部22と鍔部本体21との間には、上述した外部鉄芯5が介在される。端子固定部22は、巻芯部6の軸方向に突出する固定突起34を有している。この固定突起34には、金属端子3A,3Bの固定片11,16が圧入される嵌合穴(不図示)が形成されている。
上鍔片23と下鍔片24は、鍔部本体21の周面に溝部36を設けることによって形成されており、巻芯部6の軸方向に対向している。上鍔片23は、鍔部本体21の上面21aの一部を形成している。また、下鍔片24は、鍔部本体21の下面21bの一部を形成している。巻線コイル9の一方の端面は、鍔部本体21の下面21bによって覆われる。
上鍔片23及び下鍔片24の一端は、第1の立上り部31に対向している。一方、上鍔片23及び下鍔片24の他端は、第1の立上り部31と第2の立上り部32との間に配置されている。これら上鍔片23と下鍔片24との間に形成される溝部36には、導電線4の始端部4aが挿通される。
導入通路25は、上鍔片23の一端を切り欠くことにより形成されており、溝部36の一端に連通している。なお、本発明に係る導入通路としては、溝部36の一端に連通していればよく、例えば、上鍔片23に貫通孔を設けることによって形成してもよい。第1の金属端子3Aに接続された導電線4の始端部4aは、第1の立上り部31に案内され、導入通路25を通って溝部36内に導かれる。
また、下鍔片24の一端には、切欠き部37が設けられている。つまり、切欠き部37は、導入通路25に対向している。この切欠き部37は、オーバーモールド成形を行うときに導入通路25に入り込んだモールド樹脂の一部を、鍔部7の外側へ流すために設けられている。
導出通路26は、下鍔片24の他端を切り欠くことにより形成されており、溝部36の他端に連通している。導出通路26を形成する切欠きは、巻芯部6の半径方向に延びており、下鍔片24の縁部から巻芯部6まで設けられている。溝部36内を通る導電線4の始端部4aは、導出通路26を通って巻芯部6に導かれる。
[上鍔片及び下鍔片]
次に、上鍔片23及び下鍔片24の形状について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、図2に示すコイル部品1をA−A´断面して示す断面図である。図5は、図2に示すコイル部品1のA−A′線で断面した状態を上方から見た斜視図である。
上鍔片23及び下鍔片24は、平面形状が略J字状に形成されている。つまり、上鍔片23と下鍔片24に連続する溝部36の側面38は、平面である第1のガイド面38aと、曲面である第2のガイド面38bからなっている。
第1のガイド面38aは、導入通路25に連続して巻芯部6の外周の接線方向に延びている。第2のガイド面38bは、第1のガイド面38aに連続して巻芯部6の外周に沿って湾曲している。つまり、第2のガイド面38bの曲率半径は、巻芯部6の外周の曲率半径と等しくなっている。
溝部36内を通る導電線4の始端部4aは、第1のガイド面38a及び第2のガイド面38bに沿って案内され、導出通路26を通って巻芯部6に導かれる。導電線4の始端部4aは、導出通路26を通る前に巻芯部6の外周と等しい曲率半径の第2のガイド面38bに沿って案内される。そのため、巻芯部6に導電線4を円滑に巻回することができる。
このようなコイル部品1に対してオーバーモールドオーバーモールド成形を行う場合は、鍔部7を上方に向けた姿勢(図2参照)で図示しない金型に収納し、モールド樹脂を矢印Y方向に流す。これにより、ボビン2及び巻線コイル9等がモールド樹脂によって封止される。
モールド樹脂は、温度、湿度、衝撃、振動、塵埃等の外的な環境条件からコイル部品1を保護するための耐性を有する。このモールド樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂を適用することができる。
[第1の実施の形態の効果]
本実施の形態のコイル部品1によれば、鍔部本体21の下面21b(下鍔片24)によって巻線コイル9の一方の端面が覆われている。そのため、コイル部品1に対してオーバーモールド成形を行ったときに、第1の立上り部31側から導入通路25にモールド樹脂が入り込んでも、下鍔片24によってモールド樹脂の進行が遮られる。
したがって、導入通路25に入り込んだモールド樹脂が巻線コイル9の端面を押圧すること防ぐことができる。その結果、導電線4の始端部4aに応力が生じないようすることができ、導電線4の始端部4aが断線することを抑制することができる。
また、上鍔片23及び下鍔片24は、略J字形状に形成されている。つまり、溝部36の側面38は、巻芯部6の外周の接線方向に延びる第1のガイド面38aと、巻芯部6の外周に沿って湾曲する第2のガイド面38bからなっている。そのため、導入通路25に入り込んだモールド樹脂は、第1のガイド面38aに沿って進行し、鍔部7の外側に流れ出る。
なお、導入通路25から溝部36に入り込んだモールド樹脂が導出通路26に到達することがあったとしても、その量は僅かである。そのため、巻線コイル9と巻芯部6との間にモールド樹脂が浸入し、巻線コイル9が半径方向の外側に膨らむように変形する心配はない。その結果、導電線4の始端部4aに応力が生じないようすることができ、導電線4の始端部4aが断線することを抑制することができる。
また、導入通路25から溝部36に入り込んだモールド樹脂が溝部36の側面38と導電線4の始端部4aとの間に浸入する場合が考えられる。このような場合であっても、側面38と始端部4aとの間に浸入したモールド樹脂によって生じる応力は、始端部4a全体に分散される。そのため、始端部4aの一部に応力が集中することがなく、導電線4の始端部4aが断線する心配はない。
本実施の形態のコイル部品1の下鍔片24には、導入通路25に対向する切欠き部37が設けられている。そのため、導入通路25に入り込んだモールド樹脂の一部が、切欠き部37を通って鍔部7の外側に抜け出る。これにより、導入通路25から溝部36に入り込むモールド樹脂の量を低減させることができる。
本実施の形態のコイル部品1によれば、第1の金属端子3Aに接続された導電線4の始端部4aは、溝部36を通って巻芯部6へ導かれる。そのため、始端部4aと巻線コイル9の一方の端面との接触を確実に防ぐことができる。その結果、始端部4a及び巻線コイル9の一方の端面の絶縁皮膜が傷ついて短絡が生じることを防止することができる。
〈2.第2の実施の形態〉
[コイル部品]
次に、本発明のコイル部品の第2の実施の形態の構成について、図6を参照して説明する。
図6(a)は、本発明のコイル部品の第2の実施の形態を示す断面図である。図6(b)は、図6(a)に示すコイル部品をB−B´線で断面して示す断面図である。
第2の実施の形態を示すコイル部品51は、第1の実施の形態のコイル部品1と同様な構成を有しており、異なるところは、下鍔片54のみである。そのため、ここでは、下鍔片54について説明し、コイル部品1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
コイル部品51の下鍔片54は、第1の実施の形態に係る下鍔片24と同様に、略J字状に形成されている。この下鍔片54の一端には、流出用傾斜面57が設けられている。流出用傾斜面57は、導入通路25(図2参照)に対向している。
図6(b)に示すように、流出用傾斜面57は、下鍔片54の縁部に近づくにつれて低くなるように傾斜している。また、流出用傾斜面57は、下鍔片54の縁部に近づくにつれて広がるような略台形に形成されている。
[第2の実施の形態の効果]
本実施の形態のコイル部品51によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。つまり、コイル部品51に対してオーバーモールド成形を行っても、導電線4の始端部4aに応力が生じないようすることができ、導電線4の始端部4aが断線することを抑制することができる。また、始端部4a及び巻線コイル9の一方の端面の絶縁皮膜が傷ついて短絡が生じることを防止することができる。
さらに、本実施の形態のコイル部品51では、導入通路25に入り込んだモールド樹脂が下鍔片54に接触し、流出用傾斜面57に沿って進行する。その結果、導入通路25に入り込んだモールド樹脂は、鍔部本体21の外側に抜け出る。これにより、導入通路25から溝部36にモールド樹脂が入り込むことを防ぐことができる。したがって、モールド樹脂が溝部36の他端に連通する導出通路26に達することを防止或いは抑制することができる。
[第2の実施の形態の変形例]
次に、本発明のコイル部品の第2の実施の形態の変形例について、図7を参照して説明する。
図7(a)は、本発明のコイル部品の第2の実施の形態の変形例を示す断面図である。図7(b)は、図7(a)に示すコイル部品をC−C´線で断面して示す断面図である。
第2の実施の形態の変形例を示すコイル部品61は、第2の実施の形態のコイル部品51に係る流出用傾斜面57に切欠き57aを設けたものである。
切欠き57aは、巻芯部6の軸方向から見て円弧状に形成されている。この切欠き57aは、巻芯部6に巻回された巻線コイル9が露出しない範囲に形成されている。なお、本発明に係る流出用傾斜面に形成する切欠きは、円弧状に限定されるものではなく、任意の形状に形成することができる。
第2の実施の形態の変形例であるコイル部品61によれば、導入通路25に入り込んだモールド樹脂を効率よく鍔部本体21の外側に流出させることができる。また、導入通路25に入り込んだモールド樹脂を効率よく鍔部本体21の外側に流出させことにより、コイル部品61の周囲にモールド樹脂を早く流すことができ、オーバーモールド成形の作業時間を短縮することができる。
[流出用傾斜面の変形例]
次に、流出用傾斜面の変形例について、図8を参照して説明する。
図8(a)は、図6に示すコイル部品51に係る流出用傾斜面の変形例を示す断面図である。
図8(a)に示すように、流出用傾斜面58は、下鍔片54の中間部から縁部に近づくにつれて低くなるように傾斜している。このように形成された流出用傾斜面58によっても、導入通路25に入り込んだモールド樹脂を鍔部本体21の外側に流出させることができる。
図8(b)は、図7に示すコイル部品61に係る流出用傾斜面の変形例を示す断面図である。図8(b)に示すように、流出用傾斜面59は、下鍔片54の中間部から縁部に近づくにつれて低くなるように傾斜している。この流出用傾斜面59には、切欠き59aが設けられている。このように形成された流出用傾斜面59によっても、導入通路25に入り込んだモールド樹脂を効率よく鍔部本体21の外側に流出させることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[コイル部品]
次に、本発明のコイル部品の第3の実施の形態の構成について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明のコイル部品の第3の実施の形態を示す断面図である。
第3の実施の形態を示すコイル部品81は、第1の実施の形態のコイル部品1と同様な構成を有しており、異なるところは、導出通路86のみである。そのため、ここでは、導出通路86について説明し、コイル部品1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
コイル部品81の導出通路86は、下鍔片24の他端を切り欠くことにより形成されており、溝部36の他端に連通している。この導出通路86を形成する切欠きは、巻芯部6の半径方向と交差する方向に延びており、下鍔片24の縁部から巻芯部6まで設けられている。
導出通路86と巻芯部6が交わる点Pの接線方向Lと、導出通路86が交わる角度θは、鋭角になっている。したがって、下鍔片24の他端と巻芯部6の外周によって形成される導出通路86の角部が鋭角に形成されている。
[第3の実施の形態の効果]
本実施の形態のコイル部品81によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、コイル部品81では、下鍔片24の他端と巻芯部6の外周によって形成される導出通路86の角部が鋭角に形成されている。そのため、導出通路86の角部に導電線4の始端部4aを挟んでから、導電線4を巻芯部6に密着させて巻回することができる。その結果、始端部4aが弛むことを防ぐ頃ができ、モールド樹脂の圧力による始端部4aの断線を抑制することができる。
また、導電線4を巻芯部6に巻回する方向と、導電線4の始端部4aが溝部36の側面38に沿って延びる方向とを反対すると、導出通路86の角部に挟まれた導電線4の始端部4aを外れ難くすることができる。
〈4.実施の形態の変形例〉
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した第1〜第3の実施形態では、溝部36の第1のガイド面38aを巻芯部6の外周の接線方向に延ばすと共に、第2のガイド面38bを巻芯部6の外周(円弧方向)に沿って湾曲させた。しかしながら、本発明に係る溝部の第1のガイド面及び第2のガイド面としては、略J字状に形成されていればよく、接線方向及び円弧方向に沿っていなくてもよい。
つまり、本発明に係る溝部の側面は、導入通路25に連続する平面状の第1のガイド面と、この第1のガイド面に連続する円弧状の第2のガイド面から形成されていればよい。このように構成することにより、導入通路25から溝部に入り込んだモールド樹脂の大部分は、第1のガイド面に沿って進み、鍔部7の外側に流出する。
1,51,61,81…コイル部品、 2…ボビン、 3A…第1の金属端子、 3B…第2の金属端子、 4…導電線、 4a…始端部、 4b…終端部、 5…外部鉄芯、 6…巻芯部、 7,8…鍔部、 9…巻線コイル、 21…鍔部本体、 22…端子固定部、 23…上鍔片、 24…下鍔片、 25…導入通路、 26…導出通路、 34…固定突起、 36…溝部、 37…切欠き部、 38…側面、 38a…第1のガイド面、 38b… 第2のガイド面、 57,58,59…流出用傾斜面、 57a,59a…切欠き

Claims (3)

  1. 巻芯部と、前記巻芯部の一端に形成された鍔部とを有するボビンと、
    前記ボビンの前記鍔部に固定される金属端子と、
    前記ボビンの前記巻芯部に巻回されて巻線コイルを形成し、前記金属端子に接続される始端部を有する導電線と、を備え、
    前記ボビンの前記鍔部は、
    鍔部本体と、
    前記鍔部本体に略J字形状の溝部を設けることにより形成され、前記巻芯部の軸方向に対向する上鍔片及び下鍔片と、
    前記上鍔片に形成され、前記溝部の一端に連通する導入通路と、
    前記下鍔片の縁部から前記巻芯部まで延びる切欠きを設けることにより形成され、前記溝部の他端に連通する導出通路と、
    を有するコイル部品。
  2. 前記上鍔片と前記下鍔片に連続する前記溝部の側面は、前記導入通路に連続して前記巻芯部の外周の接線方向に延びる第1ガイド面と、前記第1ガイド面に連続して前記巻芯部の外周に沿って湾曲する第2ガイド面からなる
    請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記下鍔片は、前記導入通路に対向する切欠き部を有する
    請求項1記載のコイル部品。
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