JP2009252834A - フレーム付きコイル部材およびその製造方法 - Google Patents

フレーム付きコイル部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リード線をコイルに取り付けることが容易となる、特にコイルをフレームに装着した後にリード線取付けが容易となるフレーム付きコイル部材を提供する。
【解決手段】フレーム付きコイル部材1aは、導線3と、導線3が巻回されるボビン2とから形成されるコイル体と、導線3の端部3a,3bが接続されるリード線6,7と、コイル体の軸方向の両端面に密接してコイル体を支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレーム8と、を備え、ボビン2は、その軸方向の両端面を構成する鍔部2c,2dを有し、鍔部2dの周縁部にはフレーム8の枠の開口部8cから突出しかつフレーム8の端部と平行となるようにリード線6,7が収納される収納部25が備えられ、収納部25には、フレーム8の枠の開口面Mと平行または略平行となる面に沿ってリード線6,7または端子を配置させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、フレーム付きコイル部材およびその製造方法に関する。
従来から、絶縁性を有するボビンに導線が巻回されて形成されたコイルが知られている。この種のコイルの製造方法として、製造工程、特にリード線と導線とを接続する工程を簡素化することが可能なコイルの製造方法が本願発明者によって提案されている(たとえば、特許文献1)。
特許文献1に記載されたコイルの製造方法では、導線とリード線を接続するための固定部材を用い、コイルの製造工程の簡素化を図っている。具体的な製造方法は、導電性の棒状の端子を固定部材に圧入し、その端子に導線を巻回し、端子の圧入方向とは逆側の方向からリード線を固定部材の挿入孔から挿入して、固定部材の中で端子を介して導線とリード線とをはんだ付けする方法である。
特開2007−294647号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなコイルを、磁気回路を形成するフレームに取り付けようとすると、リード線が邪魔して作業性が悪くなると共に工程の自動化が困難となる。しかも特許文献1のコイルの場合、リード線の取り付け構造が複雑で、リード線の取り付け作業そのものも効率が悪くなっている。
そこで、本発明の課題は、リード線をコイルに取り付けることが容易となる、特にコイルをフレームに装着した後にリード線取付けが容易となるフレーム付きコイル部材を提供することである。また、コイル部材の製造の際の作業性が良くなると共に自動化もしやすいフレーム付きコイル部材の製造法を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明のフレーム付きコイル部材は、導線と、導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、導線の端部が接続されるリード線と、コイル体の軸方向の両端面に密接してコイル体を支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、鍔部の周縁部にはフレームの枠の開口部から突出しかつフレームの端部と平行となるようにリード線が収納される収納孔または収納溝(以下、収納部という)が備えられ、収納部には、フレームの枠の開口面と平行または略平行となる面に沿ってリード線または端子を配置させるものである。
本発明のフレーム付きコイル部材では、収納部は、フレームの枠の開口面から突出し、かつ開口面に沿って配置され、しかも開口面に沿ってリード線を配置させる構成であるため、リード線を開口面から突出した収納部に容易に取り付けることができる。しかも収納部とリード線が共に開口面に沿うように配置されるので、コイル部材の扁平化も可能となる。
また、上記の課題を解決するため、本発明のフレーム付きコイル部材は、導線と、導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、導線の端部が接続されるリード線と、コイル体の軸方向の両端面に密接してコイル体を支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、鍔部の周縁部にはフレームの枠の開口部から突出しかつフレームの端部と平行となるようにリード線またはリード線と導線との間の接続に関与する端子が収納される収納部が周縁部と一体化して備えられ、収納部は、フレームの枠の開口部側に位置するフレーム端部に係合している。
本発明のフレーム付きコイル部材では、コイル体は、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、鍔部の周縁部にはフレームの枠の開口部から突出しかつフレームの端部と平行となるようにリード線が収納される収納部が周縁部と一体化して備えられ、収納部は、フレームの枠の開口部側に位置するフレーム端部に係合している。このため、リード線を開口面から突出した収納部に容易に取り付けることができる。しかも、収納部がフレーム端部に係合しているため、ボビンの位置決めが精度良くなされ、ボビンをフレームに取り付けた後にリード線を取り付ける場合、作業性が良くなる。
また、上記の課題を解決するため、本発明のフレーム付きコイル部材は、導線と、導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、導線の端部が接続されるリード線と、コイル体の軸方向の両端面に密接してコイル体を支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、鍔部の周縁部にはフレームの枠の開口部から突出しかつフレームの端部と平行となるようにリード線が収納される収納部が備えられ、コイル体がフレームに支持された状態でリード線または端子を収納部に収納することが可能である。
本発明のフレーム付きコイル部材では、収納部は、フレームの枠の開口面から突出し、かつ開口面に沿って配置され、しかも開口面に沿ってリード線を配置させる構成であるため、リード線を開口面から突出した収納部に容易に取り付けることができる。さらに本発明のフレーム付きコイル部材では、リード線または端子の配置の時期を、コイル体をフレームに装着した後とすることが可能であるから、その配置の工程直前までの仕掛品をストックでき、ユーザのニーズに応じたリード線付きのフレーム付きコイル部材を短期間で製造できる。
他の発明に係るフレーム付きコイル部材は、上述した発明に加え、開口部が四角形状であり、その開口部を形成する一辺のフレームに沿ってリード線の根元部が配置されるように収納部が構成されている。この構成を採用することによって、収納部がコイルの巻線作業の邪魔とならず、また軸方向の大型化を防ぐことができる。
また、他の発明に係るフレーム付きコイル部材は、上述した発明に加え、開口部を形成するフレームの一辺の一部または全部が除去された切り欠き部を設け、切り欠き部に収納部が係合している。この構成を採用することによって、フレーム付きコイル部材の小型化が可能となる。
また、他の発明に係るフレーム付きコイル部材は、上述した発明に加え、収納部は間隔を空けて2つ設けられ、2本のリード線が2つの収納部にそれぞれ収納され、2つの収納部の間からそれぞれ導出されている。この構成を採用することによって、リード線を近接して導出できることから、リード線の取り扱い性を良好にできる。
上記の課題を解決するため、本発明のフレーム付きコイル部材の製造法は、導線と、導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、導線の端部が接続されるリード線と、コイル体の軸方向の両端面に密接してコイル体を支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備えるフレーム付きコイル部材の製造法であって、ボビンに導線を巻回する巻回工程と、コイル体をフレームに支持させる支持工程とを有し、巻回工程および支持工程の後に、導線とリード線または導線が接続される端子とリード線とを接続する接続工程を行う。
本発明のフレーム付きコイル部材の製造法では、リード線の接続時期を、コイル体をフレームに装着した後とすることから、コイル部材の製造の際の作業性が良くなると共に自動化もしやすい。
他の発明に係るフレーム付きコイル部材の製造法は、上述した発明に加え、接続工程では、リード線の先端が収納部からはみ出るまで収納部にリード線を挿入し、はみ出たリード線の先端に導線を巻き付け先端と導線とをはんだ付けし、そのはんだ付け部を接着剤で被覆する。この方法を採用することで、リード線と導線との接続部を接着剤によって保護できる。
他の発明に係るフレーム付きコイル部材の製造法は、上述した発明に加え、導線とリード線の接続部または導線と端子の接続部を収納部に収納する。この方法を採用することで、リード線と導線との接続部または端子と導線との接続部を収納部によって保護できる。
以上のように、本発明のフレーム付きコイル部材では、リード線をコイルに取り付けることが容易となる。特にコイルをフレームに装着した後にリード線取付けが容易となるフレーム付きコイル部材を提供することできる。また、本発明のフレーム付きコイル部材の製造方法では、コイル部材の製造の際の作業性が良くなると共に自動化もしやすくなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(フレーム付きコイル部材1a,1b,1c,1d,1eに共通する構成)
以下に述べる本発明の実施の形態に係るフレーム付きコイル部材1a,1b,1c,1d,1eは、共通する構成要素として、導線と、導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、導線の端部が接続されるリード線と、ボビンの軸方向の両端面に密接してボビンを支持すると共にコイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、コイル体は、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、鍔部の周縁部にはリード線が収納される収納部が備えられている。なお、以下では、フレーム付きコイル部材を単に「コイル部材」と呼ぶ。
図1(A)は、各コイル部材に共通するフレーム8の斜視図である。なお、以下の説明では、図1の左を「左」、右を「右」、上を「上」、下を「下」、図1の紙面手前を「前」、紙面奥を「後(後ろ)」とする。フレーム8は、磁性材料で形成された薄板状部材であり、図1(A)に示すように、左右から見て凹形状に形成された第1フレーム8aと、平板状に形成された第2フレーム8bとから構成されている。第1フレーム8aと第2フレーム8bとはかしめ部Wをかしめることによりカシメ固定されている。なお、図2以下の図では、このかしめ部Wを含む突出係合部Yと、この突出係合部Yが係合する第2フレーム8bの切り欠き部Zを省略したものを示すが、実際には、突出係合部Yと切り欠き部Zが存在している。
この固定の結果、フレーム8は枠状の形状となり、図1(A)の右側の四角い第1開口部8cと図1(A)の四角い左側の第2開口部8dとが形成される。そして、第1開口部8cの下側のフレーム8の端部には、その端部の一部が除去されているフレーム切り欠き部8eが形成されている。このフレーム切り欠き部8eの存在によって第1開口部8cで形成される開口面は、切り欠かれていない状態の開口面に比べ、フレーム切り欠き部8eの分だけ内方に引っ込んだ面となると共にいびつな開口面となる。図2(A)に第1開口部8cの単純化した開口面Mを1点鎖線で示す。なお、図1(A)に示すフレーム切り欠き部8eの形状は一例に過ぎず、後述のように種々の形状が採択される。第1フレーム8aには、プランジャー本体が挿入できる大径のフレーム穴8fが設けられ、第2フレーム8bの第1フレーム8aと対向する部分には、プランジャーの移動を支持する小径のフレーム穴8gが設けられている。
図1(B)は、コイル部材1aのボビン2の斜視図である。なお、ボビン2は後述する収納部25の形状以外は各コイル部材に共通する構成を有している。ボビン2は、プランジャーが挿通される貫通孔2aが形成された鍔付の円筒状部材である。このボビン2は、円筒状の胴部2bと、胴部2bの軸方向の一端部(上端部)に形成された角板状の第1鍔部2cと、胴部2bの軸方向の他端部(下端部)に形成された角板状の第2鍔部2dを備えている。そして、第2鍔部2dの一辺には、その一辺よりも下側に若干はみ出すように、リード線の一部が収納される収納部25が2つに分離して備えられている。胴部2bと第1鍔部2cと第2鍔部2dと収納部25とは絶縁性の樹脂材料によって一体で形成されている。なお、図1(B)に示す収納部25の形状および構造は一例に過ぎず、後述のように種々の形状および構造が採択される。図1(B)に示す収納部25には、リード線を収納するための収納孔251,252を有している。
図2(A)は、ボビン2に導線3を巻き付け、導線3の外周側を覆う外装テープ10を配置した状態(これがコイル体の状態となる)のものをフレーム8の枠内に収納させたものを図1(A)の前側から見た図(正面図)を示し、図2(B)は、図2(A)の右側面図を示している。なお、図2に示す状態は両端の導線3にリード線または端子が取り付けられておらず、リード線または端子が収納部25の収納孔251,252に収納されていない状態である。この状態の部材を未結線コイル部材1’ということとする。
未結線コイル部材1’に用いられるコイル体は、図2に示すように、絶縁性の樹脂材料で形成されるボビン2に導線3が巻回されて形成されたボビン付のコイル体であり、DCソレノイドやステッピングモータ等の駆動用コイルとして使用されるものである。
未結線コイル部材1’は、ボビン2の第1鍔部2cの端面が第2フレーム8bの内面に密接し、ボビン2の第2鍔部2dの端面が第1フレーム8aの内面に密接して、ボビン2とフレーム8との固定を実現している。このフレーム8によって、第1鍔部2cと第2鍔部2dとの間に磁気回路が形成されている。また、ボビン2の収納部25は、フレーム8のフレーム切り欠き部8eと係合している。さらに、ボビン2の貫通孔2aは、フレーム8のフレーム穴8f、8gのそれぞれと対向する位置に配置されている。また、収納部25は、開口面Mから突出し、かつ開口面Mに沿って配置され、しかも開口面Mに沿ってリード線を配置されている。
また、図2(A)に示すように、未結線コイル部材1’が備える導線3は、銅等の導電性の線材が絶縁被膜で覆われて形成された被覆線である。この導線3は、ボビン2を構成する後述の胴部2bに巻回されている。また、導線3の先端部3a、および、導線3の後端部3bは、第2鍔部2dと外装テープ10の隙間から引き出されている。なお、以下では、先端部3aおよび後端部3bをまとめて表す場合には、「端部3a、3b」と表記する。
外装テープ10は、絶縁性を有する材料(たとえば、絶縁性の布)で形成された薄いテープである。この外装テープ10は、胴部2bに巻回された導線3の全体を覆うように巻回されている。この外装テープ10は、導線3と、コイル体の外部の部材との短絡を防止する機能を果たしている。
以上の未結線コイル部材1’の構成は、以下に説明する各実施の形態1から5のコイル部材1a,1b,1c,1d,1eが共通に有するものである。よって、これらの実施の形態の説明の際には、未結線コイル部材1’の構成の詳細な説明および図示は原則として省略するが、たとえば収納部25、フレーム切り欠き部8eの形状等が図1,図2に示したものと異なる場合は、その異なる点について説明することとする。
(未結線コイル部材1’の製造法)
図3のフローチャートで示すように、まず、図示を省略する自動巻線機の固定治具にボビン2を固定する(ボビン固定工程S1)。
その後、ボビン2の胴部2bに導線3を巻回する(巻線工程S2)。この工程が巻回工程となる。巻線工程S2では、固定治具とともに、ボビン2が回転する。また、巻線工程S2では、胴部2bへの導線3の巻回は自動巻線機によって自動で行われる。
胴部2bへの導線3の巻回が終了すると、仮固定治具が取り付けられた状態のボビン2を自動巻線機の固定治具から取り外す(ボビン取外し工程S3)。その後、胴部2bに巻回された導線3の外周面の全体を覆うように外装テープ10を巻回する(外装テープ巻回工程S4)。この外装テープ巻回工程S4では、導線3の外周面への外装テープ10の巻回は自動機によって自動で行われる。これで、コイル体が製造される。
その後、ボビン2をフレーム8に固定する(フレーム固定工程S5)。この工程が支持工程となる。フレーム固定工程S5では、ボビン2へのフレーム8の固定は、自動機によって行われる。以上の工程を経て未結線コイル部材1’が製造される。
(コイル部材1a,1b,1c,1d,1eに共通する効果)
コイル部材1aは、切り欠き部8eに収納部25が係合するように配置されるため、切り欠き部8eがない場合に比べ収納部25がフレーム8aと第2フレーム8bで形成される高さH(横置き時の高さ)から突出する長さを零または小さくできコイル部材を小型化できる。また収納部25が切り欠き部8eに係合しているためボビン2とフレーム8を正確に位置決めできる。また、収納部25は、開口面Mから突出し、かつ開口面Mに沿って配置され、しかも開口面Mに沿ってリード線を配置させる構成であるため、リード線を開口面Mから突出した収納部25にリード線を容易に取り付けることができる。しかも収納部25とリード線が共に開口面Mに沿うように配置されるので、コイル部材1aの扁平化も可能となる。また、収納部25がフレーム8の外側に位置しているため、リード線の配置に際して周囲に邪魔となるものが少なく、コイル体とフレーム8の装着後に行うリード線の取り付け作業が容易である。そのため、端部3a,3bとリード線(端部3a,3bが接続される端子がある場合は、その端子とリード線についても同様)とを接続する接続工程の直前の状態の仕掛品をストックでき、ユーザのニーズに応じたリード線付きのコイル部材1aを短期間で製造できる。また、コイル部材1aは、収納部25がフレーム切り欠き部8eと係合しているため、ボビン2とフレーム8との相対位置関係を安定的にし、ボビン2をフレーム8に取り付けた後にリード線を取り付ける場合、作業性が良くなる。これらのコイル部材1aにおける効果は、コイル部材1b,1c,1d,1eも同様に有する。
(実施の形態1に係るコイル部材1aにおける結線部9aの構成)
図4(A)はリード線6,7と端部3a、3bが接続されている結線部9aを示している。図4(B)は、図4(A)のB−B断面図である。結線部9aは、図2(B)に示した未結線コイル部材1’の第2鍔部2dと、収納部25と、フレーム8とフレームきり欠き部8eと、リード線6,7および端部3a、3bからなっている。なお、図4(A)では、収納部25のみを縦断面として示し、収納孔251,252の内部でのリード線6,7および端部3a、3bが見えるように図示している。また、図4では、リード線6,7からそれぞれ芯線が露出した部分を導通部6a、7aということとする。この導通部6a,7aに端部3a、3bが巻回され固定されている。その固定を強め両者の導通をも強めるために、リード線6の導通部6aは導線3の先端部3aとはんだ付けによって接続されはんだ付け部12となり、リード線7の導通部7aは導線3の先端部3bとはんだ付けによって接続されはんだ付け部13となっている。また、リード線6,7の固定、端部3a,3bと導通部6a,7aとの固定をさらに強めるため、収納孔251,252の出口には接着剤(図示省略)が配置されている。
はんだ付け部12,13は、それぞれ2つの離隔された収納部25の収納孔251,252に収納されている。導通部6a、7aは、収納孔251,252の中で最も離れた位置に配置され、2本のリード線6,7はその2つの収納部25の間から導出されている。端部3a、3bやはんだ付け部12、13は、収納孔251、252の内部に配置されている。具体的には、リード線6の先端が収納部25の後端面(図4(A)で上側)から突出しないように、はんだ付け部12が収納孔252の内部に配置され、リード線7の先端が収納部25の前端面(図4(A)で下側)から突出しないように、はんだ付け部13が収納孔251の内部に配置されている。収納部25は、フレーム切り欠き部8eの上端面を係合し、載置されるような構成とされる(図4(B)参照)。上述した未結線コイル部材1’に加えて結線部9aが構成されることによって、本発明の第1の実施の形態に係るコイル部材1aが構成される。図2(B)に示した未結線コイル部材1’と同様の方向から見たコイル部材1aを図5(A)に示す。図5(B)は、図5(A)の底面図である。
(結線部9aの製造法)
図6に示すフローチャートを参照しながら結線部9aの製造法を説明する。まず、離隔された2つの収納部25の間の側から収納孔251の中へ、導通部7aをさし入れる。そして、収納部25の逆側から導通部7aが突出するまでリード線7を挿入する。同様に離隔された2つの収納部25の間の側から収納孔252の中へ、導通部6aをさし入れ、収納部25の逆側から導通部6aが突出するまでリード線6を挿入する。以上がリード線挿入工程(S11)である。この工程は手動とされているが、機械によって自動化してもよい。
その後、導線3の先端部3bを導通部7aに巻回し、導線3の先端部3aを導通部6aに巻回して仮固定する(先端部仮固定工程S12)。この工程は接続工程の一部となる。これらの巻回は自動巻線機によって自動で行われる。なお、本形態では、導通部6a、7aには予め、予備はんだがされている。また、この巻回は手動によって行うようにしてもよい。
その後、先端部3aと導通部6a(リード線6の根元部)をはんだ付けするとともに、後端部3bと導通部7a(リード線7の根元部)をはんだ付けする(はんだ付け工程S13)。この工程も接続工程の一部となる。このはんだ付け工程S13で、はんだ付け部12、13が形成される。また、このはんだ付け工程S13で、導線3の絶縁被膜が破れ、導線3と導通部6a、7aとが電気的に導通する。
その後、リード線6、7を図4(A)の右側に引っ張って、はんだ付け部12、13を収納孔251、252に収納する(収納工程S14)。この工程も接続工程の一部となる。具体的には、図4(A)に示すように、導通部6a,7aが収納部25の右端から突出しないように、はんだ付け部12、13を収納孔251、252に収納する。
その後、図示を省略する接着剤を収納孔251、252の中に充填しおよび、出口付近に付着させる。この工程も接続工程の一部となる。そしてその接着剤を硬化させて収納部25とリード線6,7とを固定する(接着工程S15)。以上で結線部9aの製造法が終了する。なお、先端部仮固定工程S12、はんだ付け工程S13、収納工程S14、および接着工程S15が併さって、接続工程となる。また、図3に示す各工程(S1,S2,S3,S4,S5)を実行後、上述した図6に示す各工程(S11,S12,S13,S14,S15)を行うことで、本発明の実施の形態に係るコイル部材1aの製造法が終了する。
(コイル部材1aが有する主な効果)
以上説明したように、コイル部材1aは結線部9aを有している。結線部9aは、枠状のフレーム8の四角形状の第1の開口部8cを形成する第1フレーム8aの一辺に沿って収納部25が構成されているため、その一辺からはみ出した部分(軸方向外方)には収納部25を突出させないまたは突出量を少なくすることが可能となり、コイル部材1aの小型化が可能となる。また、結線部9aは2つに離隔された収納部25を有し、その2つの収納部25の間から導出されているため、リード線6,7を近接して導出でき、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。さらに、接続工程(S12,S13,S14,S15)では、リード線6,7の先端が収納部25からはみ出るまでリード線6,7を挿入し、はみ出たリード線6,7の先端に導線3を巻き付け先端と導線3とをはんだ付けし、そのはんだ付け部12、13を接着剤で被覆するため、リード線6,7と導線3との接続部を接着剤によって保護できる。さらに、はんだ付け部12、13を収納部25に収納するため、リード線6,7と導線3との接続部を収納部25によって保護できる。また、リード線6,7の根元部やその近傍が接着剤によって固定され、また端部3a,3bと導通部6a,7aとの接合部を接着剤で保護するため断線が防止される。
(実施の形態2に係るコイル部材1bにおける結線部9bの構成)
図7(A)はリード線6,7と端部3a、3bが接続されている結線部9bを示している。図7(B)は、図7(A)のB−B断面図である。ここで、結線部9aの構成要素と同様の結線部9bの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。結線部9bは、結線部9aと異なり、収納部26が収納孔251、252のような収納孔を有していない。結線部9bは、ボビン2の軸方向にリード線6,7の一部を平行に収納する収納孔261、262を有し、さらにフレーム8の四角形の第1開口部8cの端部の一辺と沿う部分に収納溝263を有している。そして、リード線6,7からそれぞれ芯線が露出した部分を導通部6a、7aが、収納溝263に配置されている。そして、結線部9bは、収納部26のうち第2鍔部2dと直交する方向に、先端部3aが配置される導線溝265と、先端部3bが配置される導線溝264を有している。
結線部9bのリード線6,7の導通部6a,7aは、結線部9aのそれよりも長くされており、端部3a、3bの巻き数が多い。また、フレーム切り欠き部8eは、図1(A)に示すフレーム8の四角形の第1開口部8cの下側の一辺の大部分に渡り存在している。すなわち、その一辺の大部分が他の三辺よりも凹んでいる。また、収納溝263の全体には、図示を省略する透明な接着剤が充填されている。収納部25は、フレーム切り欠き部8eの上端面を係合し、載置されるような構成とされる(図4(B)参照)。上述した未結線コイル部材1’にさらに結線部9bが構成されることによって、本発明の第2の実施の形態に係るコイル部材1bが構成される。図2(B)に示した未結線コイル部材1’と同様の方向から見たコイル部材1bを図8(A)に示す。図8(B)は、図8(A)の底面図である。
(結線部9bの製造法)
図6に示すフローチャートを参照しながら結線部9bの製造法を説明する。まず、2つの収納部26の収納孔261,262の中へ、導通部6a,7aを先頭に図7(A)の右側から、リード線6,7をそれぞれ挿入する。以上がリード線挿入工程(S21)である。
その後、図6に示す先端部仮固定工程S12およびはんだ付け工程S13と同様に、先端部仮固定工程S22およびはんだ付け工程S23を行う。その後、リード線6、7を図7(A)の右側に引っ張って、さらに導通部6a,7aを収納溝263に倒しこむ。この結果、はんだ付け部12、13は収納溝263に収納される(収納工程S24)。なお、端部3a、3bは、導線溝265,266を経由して収納溝263に収納される。
その後、図示を省略する接着剤を収納溝263および導線溝264,265の中に充填する。そしてその接着剤を硬化させて収納部26とリード線6,7、および端部3a、3bと導線溝264とを固定する(接着工程S25)。以上で結線部9bの製造法が終了する。なお、結線部9aの製造法の場合と同様に、先端部仮固定工程S22、はんだ付け工程S23、収納工程S24、および接着工程S25を併せて、接続工程とする。また、図3に示す各工程(S1,S2,S3,S4,S5)を実行後、上述した図6に示す各工程(S21,S22,S23,S24,S25)を行うことで、本発明の第2の実施の形態に係るコイル部材1bの製造法が終了する。
(コイル部材1bが有する主な効果)
以上説明したように、コイル部材1bは結線部9bを有している。結線部9bは、導通部6a,7aと端部3a、3bとの接続部分が、収納溝263に収納されており、透明な接着剤を通じてその接続部分の接続状態を観察できるため、万が一の断線等を早期に確認し発見し得る。また、結線部9bは、導通部6a,7aへの端部3a、3bの巻き数が結線部9aよりも多いため、接続強度を高くすることができる。また、結線部9bは、端部3a、3bが配置される導線溝264,265を有し、端部3a、3bと導線溝264,265とを接着剤にて固定するため、端部3a,3bが外力によって切断される確率を低めることができる。また、リード線6,7の根元部における固着力を高めることができる。さらに、結線部9bは、ボビン2の軸方向にリード線6,7の一部を平行に収納する収納孔261、262を備えるため、リード線6,7を平行に導出でき、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。
(実施の形態3に係るコイル部材1Cにおける結線部9cの構成)
図9(A)はリード線6,7と端部3a、3bが接続されている結線部9cを示している。図9(B)は、図9(A)のB−B断面図である。ここで、結線部9aの構成要素と同様の結線部9cの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。結線部9cが有する収納部27は、導通部6a,7aを被覆している部分のリード線6,7を孔によって収納せず、被覆部収納溝271によって収納している。そして、導通部6aは、収納孔273および収納溝275に収納され、導通部7aは、収納孔272および収納溝274に収納されている。すなわち、収納溝274,275の部分は、収納孔272,273の図9(A)の手前側を切り取って溝形状としたような形状をしている。この導通部6a,7aは、フレーム切り欠き部8eの長手方向に沿って収納部27に収納されている。また、フレーム切り欠き部8eは、図1(A)に示すフレーム8の四角形の第1開口部8cの下側の一辺の大部分に渡り存在している。すなわち、その一辺の大部分が他の三辺よりも凹んでいる。
端部3a、3bと導通部6a,7aとの接続は、収納溝274,275に収納され露出している導通部6a,7aの部分で行われている。また、導通部6a,7aは、結線部9aのそれよりも長くされており、端部3a、3bの巻き数が多い。そして、収納孔272,273および収納溝271,274,275には、図示を省略した透明な接着剤が充填されている。上述した未結線コイル部材1’にさらに結線部9cが構成されることによって、本発明の第3の実施の形態に係るコイル部材1cが構成される。図2(B)に示した未結線コイル部材1’と同様の方向から見たコイル部材1cを図10(A)に示す。図10(B)は、図10(A)の底面図である。
(結線部9cの製造法)
図6に示すフローチャートを参照しながら結線部9cの製造法を説明する。まず、収納部27の収納孔272,273および収納溝271,274,275の中へ、リード線6,7を挿入する。すなわち導通部6a,7aを先頭にまず収納溝271、次に収納孔272,273、次に収納溝274,275の順番で、リード線6,7をそれぞれ挿入する。以上がリード線挿入工程(S31)である。
その後、収納溝274,275に収納され露出している導通部6a,7aの部分に対して、図6に示す先端部仮固定工程S12およびはんだ付け工程S13と同様に、先端部仮固定工程S32およびはんだ付け工程S33を行う。これらの工程を行う際には、収納溝274,275に収納され露出している導通部6a,7aの部分を図9(A)の手前側に折り曲げる。そして、これらの工程が終了したら、折り曲げた状態から元の状態へと戻す。なお、上述した図6に示す収納工程S14,S24に相当する工程はない。
その後、図示を省略する接着剤を収納孔272,273および収納溝271,274,275の中に充填する。そしてその接着剤を硬化させて収納部27とリード線6,7、および端部3a、3bとを固定する(接着工程S35)。以上で結線部9cの製造法が終了する。なお、結線部9aの製造法の場合と同様に、先端部仮固定工程S32、はんだ付け工程S33、および接着工程S35が併さって、接続工程となる。また、図3に示す各工程(S1,S2,S3,S4,S5)を実行後、上述した図6に示す各工程(S31,S32,S33,S35)を行うことで、本発明の第3の実施の形態に係るコイル部材1cの製造法が終了する。
(コイル部材1cが有する主な効果)
以上説明したように、コイル部材1cは結線部9cを有している。結線部9cは、導通部6a,7aと端部3a、3bとの接続部分が、収納溝274,275に収納されているため、透明な接着剤を通じてその接続部分の接続状態を観察できるため、万が一の断線等を早期に確認し発見し得る。また、結線部9cは、導通部6a,7aへの端部3a、3bの巻き数が結線部9aよりも多いため、接続強度を高くすることができる。また、結線部9cは、端部3a、3bが配置される収納孔272,273および収納溝271,274,275を有し、端部3a、3bと収納孔272,273および収納溝271,274,275とを接着剤にて固定するため、端部3a,3bが外力によって切断される確率を低めることができる。また、リード線6,7の根元部での接着力も強くすることができる。また、結線部9cは、ボビン2の軸方向にリード線6,7の一部を平行に収納する収納溝271を備えるため、リード線6,7を平行に導出でき、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。さらに、結線部9cは、リード線6,7の導通部6a,7aよりも径の大きい被覆部を収納孔に挿入せず収納溝271に配置するため、リード線挿入工程(S31)を容易に行うことができる。また、結線部9cは、結線部9a,9bにおける収納工程S14,S24(図6)に相当する工程を省略できるため、製造を簡略化できる。
(実施の形態4に係るコイル部材1dにおける結線部9dの構成)
図11はリード線6,7と端部3a、3bが接続されている結線部9dを示している。ここで、結線部9aの構成要素と同様の結線部9dの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。結線部9dが有する収納部28は、導通部6a,7aを被覆している部分のリード線6,7をボビン2の軸方向に伸びる収納孔281,282によって収納している。この収納部28は、第2鍔部2dの端部においてボビン2の軸方向に延びている。そして、導通部6a,7aは、収納部28の上側に露出している。また、フレーム切り欠き部8eは、結線部9a,9b,9cに比較して非常に狭い幅となっている。
導通部6a,7aは、収納部28から左側に突き出た後、図11に示すように右向きに折り返されている。また、導通部6a,7aは、結線部9aのそれよりも長くされており、端部3a、3bの巻き数が多い。そして、端部3a、3bおよび導通部6a,7aは、図示を省略した透明な接着剤によって外装テープ10に固定されている。このコイル部材1dも、コイル部材1a,1b,1cと同様に収納部28がフレーム切り欠き部8eに当接しかつ係合している。上述した未結線コイル部材1’にさらに結線部9dが構成されることによって、本発明の第4の実施の形態に係るコイル部材1dが構成される。図2(B)に示した未結線コイル部材1’と同様の方向から見たコイル部材1dを図12(A)に示す。図12(B)は、図12(A)の底面図である。
(結線部9dの製造法)
図6に示すフローチャートを参照しながら結線部9dの製造法を説明する。まず、収納部28の収納孔281,282の中へ、導通部6a,7aを先頭に、図11に示すリード線6,7を、右側から収納部28の左側へ導通部6a,7aが出るまでそれぞれ挿入する。以上がリード線挿入工程(S41)である。
その後、導通部6a,7aの部分に対して、図6に示す先端部仮固定工程S12およびはんだ付け工程S13と同様に、先端部仮固定工程S42およびはんだ付け工程S43を行う。はんだ付け工程S43では、最後に導通部6a,7aを図11の右側に折り曲げ、かつ外装テープ10の表面に沿うようにする。なお、上述した図6に示す収納工程S14,S24に相当する工程はない。
その後、図示を省略する接着剤を収納部28と端部3a、3bと導通部6a,7aおよび外装テープ10が一体となるよう供給する。そしてその接着剤を硬化させて導通部6a,7aと端部3a,3bを、収納部28および外装テープ10に対して固定する(接着工程S45)。以上で結線部9dの製造法が終了する。なお、結線部9aの製造法の場合と同様に、先端部仮固定工程S42、はんだ付け工程S43、および接着工程S45を併せて、接続工程とする。また、図3に示す各工程(S1,S2,S3,S4,S5)を実行後、上述した図6に示す各工程(S41,S42,S43,S45)を行うことで、本発明の第4の実施の形態に係るコイル部材1dの製造法が終了する。
(コイル部材1dが有する主な効果)
以上説明したように、コイル部材1dは結線部9dを有している。結線部9dは、導通部6a,7aと端部3a、3bとの接続部分が露出し、透明な接着剤を通じてその接続部分の接続状態を観察できるため、万が一の断線等を早期に確認し発見し得る。また、結線部9dは、導通部6a,7aへの端部3a、3bの巻き数が結線部9aよりも多いため、接続強度を高くすることができる。また、結線部9dは、収納部28と端部3a、3bと導通部6a,7aおよび外装テープ10を接着剤にて一体化させるため、端部3a,3bが外力によって切断される確率を低めることができる。また、リード線6,7は外部からの引っ張り力にも耐えてその位置保持が可能となる。また、結線部9dの収納部28は、ボビン2の軸方向にリード線6,7の一部を平行に収納する収納孔281,282を備えるため、リード線6,7を平行に導出でき、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。また、結線部9cは、結線部9a,9bにおける収納工程S14,S24(図6)に相当する工程を省略できるため、製造を簡略化できる。さらに、収納部28は、図12に示すようにコイル部材1dの、フレーム切り欠き部8eの長さ方向に場所をとらない構成となっているため、コイル部材をその方向にコンパクト化したい場合に有利となる。
(実施の形態5に係るコイル部材1eにおける結線部9eの構成)
図13はリード線6,7と端部3a、3bが接続されている結線部9eを示している。ここで、結線部9aの構成要素と同様の結線部9eの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。結線部9eが有する収納部29は、図4に示した結線部9aが有する収納部25と略同一の構成である。なお、図13では、収納部29のみを縦断面として示し、収納孔291,292の内部が見えるようにしている。収納孔291,292の内部には、リード線6,7と端部3a,3bとの接続に関与し、径が1mmの針金状の端子14が、フレーム切り欠き部8eの長手方向に配置されている。その端子14は、収納孔291,292の間から突出した部分が約90°右側に折り曲げられている。その折曲げられた部分の先端には、端部3a,3bが巻かれている。そして、その端部3a,3bに接続するようにリード線6,7の導通部6a,7aが配置されている。上述した未結線コイル部材1’にさらに結線部9eが構成されることによって、本発明の第5の実施の形態に係るコイル部材1eが構成される。図2(B)に示した未結線コイル部材1’と同様の方向から見たコイル部材1eを図14に示す。
(結線部9eの製造法)
図15に示すフローチャートを参照しながら結線部9eの製造法を説明する。まず、図13の下側から収納孔291の中へ、端子14が収納孔291の図13で上側へと突出するまで端子14を圧入しその突出部分を図13で紙面側に折り曲げる。同様に図13の上側から収納孔292の中へ、端子14が収納孔292の図13で下側へと突出するまで端子14を圧入しその突出部分を図13で紙面側に折り曲げる。以上が端子挿入工程(S51)である。
その後、端子14の収納孔291,292から突出した部分の先端部分を端部3a,3bで巻回し、仮固定する(先端部仮固定工程S52)。これらの巻回は自動巻線機によって自動で行われる。この工程は接続工程の一部となる。なお、本形態では、端子14には予め、予備はんだがされている。
その後、端子14の収納孔291,292から突出した部分の先端部分と導通部6a,6bおよび端部3a,3bとを同時にはんだ付けする(はんだ付け工程S53)。この工程も接続工程の一部となる。このはんだ付け工程S53で、はんだ付け部12、13が形成される。また、このはんだ付け工程S53で、導線3の絶縁被膜が破れ、導線3と導通部6a、7aと端子14とが電気的に導通する。
その後、端子14の折り曲げた部分を図13で右側に倒す。そして、図示を省略する接着剤を収納孔291、292の中に充填し、また、はんだ付け部12、13にも供給する。この工程も接続工程の一部となる。そしてその接着剤を硬化させて収納部29とリード線6,7とを固定する(接着工程S54)。以上で結線部9eの製造法が終了する。なお、先端部仮固定工程S52、はんだ付け工程S53、および接着工程S54が併さって、接続工程となる。また、図3に示す各工程(S1,S2,S3,S4,S5)を実行後、上述した図15に示す各工程(S51,S52,S53,S54)を行うことで、本発明の第5の実施の形態に係るコイル部材1eの製造法が終了する。
(コイル部材1eが有する主な効果)
以上説明したように、コイル部材1eは結線部9eを有している。結線部9eは、導通部6a,7aと端部3a、3bとの接続部分が露出し、透明な接着剤を通じてその接続部分の接続状態を観察できるため、万が一の断線等を早期に確認し発見し得る。また、結線部9eは、収納部29に対して端子14と端部3a、3bと導通部6a,7aを接着剤にて固定するため、端部3a,3bが外力によって切断される確率を低めることができる。また、結線部9eの収納部29は、ボビン2の軸方向にリード線6,7を配置できるため、リード線6,7を平行に導出でき、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。また、結線部9eは、結線部9a,9bにおける収納工程S14,S24(図6)に相当する工程を省略できるため、製造を簡略化できる。
(実施の形態6に係るコイル部材1fの構成)
図16は、コイル部材1fからフレームを省略したコイル体11Aの図である。図17は、図16に示すコイル部材1fの平面図である。図18は、図16のE−E方向からボビン2を示す図である。図19は、図16のF−F断面を説明するための図である。ここで、コイル部材1aの構成要素と同様のコイル部材1fの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。
コイル部材1fは、図16、図17に示すように、絶縁性の樹脂材料で形成されるボビン2に導線3が巻回されて形成されたボビン付のコイル部材1fであり、DCソレノイドやステッピングモータ等の駆動用部品として使用される。このコイル部材1fは、ボビン2および導線3の他に、図16〜図19に示すように、導線3の先端部3aが接続されるリード線6と、導線3の後端部3bが接続されるリード線7と、コイル体11Aの磁気回路を形成するためのフレーム8と、導線3の外周側を覆う外装テープ10とを備えている。なお、この第6の実施の形態に係るコイル部材1fのフレーム8にはフレーム切り欠き部8eが設けられていないが、フレーム8の端面に係合している。なお、他の形態と同様にフレーム切り欠き部8eを設けたフレーム8としてもよい。
ボビン2は、図18等に示すように、リード線6、7の一部が収納されるリード線収納部2eを備えている。収納部となるリード線収納部2eは、第2鍔部2dの外周面に一体で形成されている。具体的には、角板状の第2鍔部2dの上辺部分の略中心部分に、略直方体状のリード線収納部2eが樹脂成型で一体に形成されている。また、リード線収納部2eは、第2鍔部2dの上面からわずかに突出するように、かつ、胴部2bの反対側(右側)へ突出するように、第2鍔部2dの上辺部分に形成されている。
リード線収納部2eには、リード線6の導通部6a側が収納されるリード線収納孔2fと、リード線7の導通部7a側が収納されるリード線収納孔2gと、導線3の先端部3a側を引き回すための案内溝2hと、導線3の後端部3b側を引き回すための案内溝2jと、後述のコイル体11Aの製造工程において、導線3の端部3a、3bを仮固定するための仮固定治具16(図21参照)が取り付けられる治具取付部2kが形成されている。
リード線収納孔2f、2gは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。また、リード線収納孔2f、2gは、左右方向でリード線収納部2eを貫通するように形成されている。すなわち、リード線収納孔2f、2gは、ボビン2の軸方向でリード線収納部2eを貫通するように直線状に形成されている。本形態では、図19に示すように、リード線収納孔2f、2gは、リード線6、7の、絶縁被膜で覆われた部分の径より若干大きな径の円形孔であり、左方向および右方向の両方向に向かってリード線6、7が挿通可能となるように形成されている。
なお、リード線収納孔2f、2gは、左方向または右方向の一方向のみに向かってリード線6、7が挿通可能となるように形成されても良い。この場合には、リード線収納孔2f、2gに、たとえば、絶縁被膜の端部が当接する段部が形成されれば良い。
コイル部材1fは、図17等に示すように、右方向に向かって、リード線6、7の先端部がリード線収納孔2f、2gに挿入されている。すなわち、導通部6a、7aがリード線収納部2eの右端面側に配置されるように、リード線6、7がリード線収納孔2f、2gに挿入されている。なお、左方向に向かって、リード線6、7の先端部がリード線収納孔2f、2gに挿入されても良い。すなわち、導通部6a、7aがリード線収納部2eの左端面側に配置されるように、リード線6、7がリード線収納孔2f、2gに挿入されても良い。
また、図19に示すように、はんだ付け部12、13は、リード線収納孔2f、2gの内部に配置されている。具体的には、リード線6、7の先端がリード線収納部2eの右端面から突出しないように、はんだ付け部12、13がリード線収納孔2f、2gの内部に配置されている。
案内溝2h、2jは、図3に示すように、リード線収納部2eの上面から窪むように形成されている。この案内溝2h、2jは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。具体的には、リード線収納孔2f、2gよりも前後方向の外側に形成されている。また、案内溝2h、2jは、左右方向の全域にわたって、リード線収納部2eの上面側に形成されている。
なお、第2鍔部2dの左側面には、導線3の先端部3aを引き回すための案内溝2mが形成されている。具体的には、案内溝2mは、図18等に示すように、胴部2bの側方から上方向に向かって、かつ、第2鍔部2dの左側面から窪むように形成されている。また、案内溝2mは、案内溝2hに連なるように形成されている。
治具取付部2kは、リード線収納部2eの上面から窪むように形成された治具取付溝2nと、治具取付溝2nの上方に突出するように形成された2個の治具取付片2pとから構成されている。
治具取付溝2nは、前後方向では、リード線収納孔2f、2gの間に形成されている。具体的には、リード線収納部2eの前後方向の略中心位置に、治具取付溝2nが形成されている。また、治具取付溝2nは、左右方向の全域にわたって、リード線収納部2eの上面側に形成されている。さらに、治具取付溝2nは、上下方向では、リード線収納孔2f、2gよりも若干上側に形成されている。この治具取付溝2nには、コイル部材1fの製造工程で、ボビン2に導線3を巻回する際に、後述の仮固定治具16が挿入される。
2個の治具取付片2pはそれぞれ、治具取付溝2nの開口部の縁から前後方向の内側へ突出するように形成されている。この治具取付片2pは、治具取付溝2nに挿入された仮固定治具16の上面を押さえる機能を果たしている。
上述のように、コイル部材1fの製造工程でボビン2に導線3を巻回する際には、治具取付溝2nに仮固定治具16が挿入される。また、コイル部材1fが完成した状態では、図17等に示すように、リード線6、7を引き回すために、治具取付溝2nにリード線6、7の一部が配置されている。すなわち、コイル部材1fが完成した状態では、治具取付溝2nは、リード線6、7の引き回しに利用されている。
コイル部材1fでは、リード線収納孔2f、2gから左方向に向かって引き出されたリード線6、7がリード線収納部2eの左方で折り返されている。リード線収納部2eの左方で折り返されたリード線6、7は、治具取付溝2n内を引き回されて(通過して)右方向へ引き出されている。また、リード線収納部2eの周囲には絶縁性の布テープ(図示省略)が巻回されている。この布テープによって、治具取付溝2nを通過したリード線6、7がリード線収納部2eに確実に固定されている。
なお、左方向に向かって、リード線6、7の先端部がリード線収納孔2f、2gに挿入される場合には、リード線6、7は、リード線収納孔2f、2gから右方向に向かって引き出され、リード線収納部2eの右方で折り返される。また、この場合には、リード線収納部2eの右方で折り返されたリード線6、7は、治具取付溝2n内を引き回されて左方向へ引き出される。また、この場合には、リード線収納部2eから左方向へ引き出されたリード線6、7は、絶縁性の布テープ等によって、外装テープ10の表面に固定される。
(コイル部材1fの製造方法)
図20は、図1に示すコイル部材1fの製造工程を示すフローチャートである。図21は、図20に示す治具取付工程S61でボビン2に取り付けられる仮固定治具16を説明するための斜視図である。図22は、図20に示す先端部仮固定工程S63後の状態を示す部分平面図である。図23は、図20に示すリード線挿通工程S69後の状態を示す図である。図24は、図20に示すはんだ付け工程S71前の状態を示す図である。なお、図23および図24では、図19に図示されたリード線収納部2eの断面に対応する断面が図示されている。
本形態のコイル部材1fの製造工程では、ボビン2に導線3を巻回する際に、仮固定治具16を利用する。この仮固定治具16は、図21に示すように、リード線収納部2eに固定される固定部17と、固定部17に回動可能に保持されるとともに導線3の端部3a、3bが巻回されて仮固定される巻回ピン18とを備えている。
固定部17は、扁平な直方体状の部材である。この固定部17は、治具取付溝2nに挿入可能となるように形成されている。巻回ピン18は、棒状の部材である。この巻回ピン18は、固定部17に保持される保持部18aと、保持部18aの一端から略90°折れ曲がるように形成され導線3の先端部3aが巻回される先端巻回部18bと、保持部18aの他端から先端巻回部18bと同方向へ略90°折れ曲がるように形成され導線3の後端部3bが巻回される後端巻回部18cとから構成されている。この巻回ピン18は、保持部18aを回転軸として、固定部17に対して回動する。具体的には、図22等に示すように、治具取付溝2nに固定部17が挿入された状態では、前後方向を回転軸の方向として、巻回ピン18は固定部17に対して回動する。
以下、コイル部材1fの製造工程を説明する。
図20のフローチャートで示すように、まず、仮固定治具16をリード線収納部2eに取り付ける(治具取付工程S61)。具体的には、図22に示すように、巻回ピン18がリード線収納部2eの右方に配置されるように、右方から治具取付溝2nに固定部17を挿入する。また、先端巻回部18bと後端巻回部18cとが上方向を向くように、巻回ピン18を回動させる。なお、治具取付工程S61後には、図22に示すように、先端巻回部18bが案内溝2hの右方に配置され、後端巻回部18cが案内溝2jの右方に配置される。
その後、図示を省略する自動巻線機の固定治具にボビン2を固定する(ボビン固定工程S62)。具体的には、ボビン2の軸方向が水平状態とされ、かつリード線収納部2eが上側に配置されるように、ボビン2を固定する。その後、図22に示すように、先端巻回部18bに導線3の先端部3aを巻回して仮固定する(先端部仮固定工程S63)。先端巻回部18bへの先端部3aの巻回は自動巻線機によって自動で行われる。
その後、ボビン2の胴部2bに導線3を巻回する(巻線工程S64)。この工程が巻回工程となる。巻線工程S64では、固定治具とともに、ボビン2が回転する。また、巻線工程S64では、胴部2bへの導線3の巻回は自動巻線機によって自動で行われる。なお、胴部2bに導線3を巻回する際には、案内溝2h、2mを利用して導線3を先端巻回部18bから胴部2bへ案内する。
胴部2bへの導線3の巻回が終了すると、後端巻回部18cに導線3の後端部3bを巻回して仮固定する(後端部仮固定工程S65)。後端巻回部18cへの後端部3bの巻回も、自動巻線機によって自動で行われる。なお、後端巻回部18cに後端部3bを巻回する際には、案内溝2jを利用して後端部3bを胴部2bから後端巻回部18cへ案内する。
その後、仮固定治具16が取り付けられた状態のボビン2を自動巻線機の固定治具から取り外す(ボビン取外し工程S66)。その後、胴部2bに巻回された導線3の外周面の全体を覆うように外装テープ10を巻回する(外装テープ巻回工程S67)。この外装テープ巻回工程S67では、導線3の外周面への外装テープ10の巻回は自動機によって自動で行われる。
その後、フレーム8をボビン2に固定する(フレーム固定工程S68)。この工程が支持工程となる。具体的には、第2鍔部2dの右側面に第1フレーム8aが当接するまで、第1フレーム8aを右方からボビン2に嵌め込み、その後、第1鍔部2cの左側面に第2フレーム8bを当接させた状態で、第1フレーム8aと第2フレーム8bとをカシメ固定する。フレーム固定工程S68では、ボビン2へのフレーム8の固定は、自動機によって行われる。
その後、リード線6、7をリード線収納孔2f、2gに挿通する(リード線挿通工程S69)。具体的には、図23に示すように、導通部6a、7aがリード線収納部2eの右端面から突出するように、右方向に向かって、リード線6、7の先端部をリード線収納孔2f、2gに挿通する。
その後、図24に示すように、先端巻回部18bに巻回された先端部3aを先端巻回部18bから取り外してリード線6の導通部6aに取り付けるとともに、後端巻回部18cに巻回された後端部3bを後端巻回部18cから取り外してリード線7の導通部7aに取り付ける(導線端部取付工程S70)。この導線端部取付工程S70では、治具取付溝2nに挿入された固定部17を右方向へ抜き取りながら、かつ、巻回ピン18を図21の反時計方向へ回動させながら(すなわち、先端巻回部18bおよび後端巻回部18cを左側に倒しながら)、先端部3aを先端巻回部18bから抜き取り、後端部3bを後端巻回部18cから抜き取る。また、その後、先端部3aを導通部6aに挿通し、後端部3bを導通部6aに挿通する。なお、導線端部取付工程S70での作業は人手によって行われる。また、本形態では、導通部6a、7aには予め、予備はんだがされている。
その後、先端部3aと導通部6aをはんだ付けするとともに、後端部3bと導通部7aをはんだ付けする(はんだ付け工程S71)。このはんだ付け工程S71が接続工程となる。このはんだ付け工程S71で、はんだ付け部12、13が形成される。また、このはんだ付け工程S71で、導線3の絶縁被膜が破れ、導線3と導通部6a、7aとが電気的に導通する。
その後、リード線6、7を左側に引っ張って、はんだ付け部12、13をリード線収納孔2f、2gに収納する(収納工程S72)。具体的には、図19に示すように、リード線6、7の右端がリード線収納部2eの右端から突出しないように、はんだ付け部12、13をリード線収納孔2f、2gに収納する。
その後、リード線6、7の引き回しを行う(リード線引き回し工程S73)。具体的には、リード線収納孔2f、2gから左方向に向かって引き出されたリード線6、7を、リード線収納部2eの左方で折り返し、その後、治具取付溝2n内に配置して右方向へ引き出す。また、リード線引き回し工程S73では、リード線6、7の引き回しを行った後に、リード線収納部2eの周囲に絶縁性の布テープを巻回する。この布テープの巻回が終わると、コイル部材1fの製造工程が終了する。
(コイル部材1fの主な効果)
以上説明したように、コイル部材1fは、リード線収納部2eがフレーム8の外側に位置しているため、リード線6,7の配置に際して周囲に邪魔となるものが少なく、コイル体11Aとフレーム8の装着後に行うリード線6、7の収納作業が容易である。よってコイル部材1fは、コイル部材の製造負担を低減できる。また、コイル部材1fは、ボビン2をフレーム8の枠内に配置した後にリード線6,7等の収納作業を行うことができる。また、リード線収納部2eはフレーム8と係合するように配置されているため、ボビン2とフレーム8との相対位置関係を安定的にする。第2鍔部2dの外周面に一体で形成されたリード線収納部2eのリード線収納孔2f、2gに、リード線6、7の導通部6a、7a側が収納されている。そのため、リード線収納部2eにおいて、ボビン2に対して、リード線6、7の導通部6a、7a側を容易に位置決めし、固定することができる。その結果、コイル部材1fの製造工程を簡素化することが可能になる。また、リード線6,7は近接して導出されているため、リード線6,7の取り扱い性を良好にできる。
また、コイル部材1fは、リード線収納孔2f、2gが、ボビン2の軸方向(すなわち、左右方向)に形成されており、リード線6、7が、ボビン2の軸方向に向かってリード線収納孔2f、2gに挿入されている。そのため、上下方向でリード線収納部2eを小型化することができる。
コイル部材1fは、リード線収納部2eに形成された治具取付溝2nに、リード線6、7を引き回すために、リード線6、7の一部が配置されている。そのため、別途、リード線6、7を引き回すための構成を設けることなく、治具取付溝2nを用いてリード線6、7を引き回すことができるため、コイル部材1fの構成を簡素化することができる。
コイル部材1fは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成されたリード線収納孔2f、2gに、はんだ付け部12、13が収納されている。すなわち、はんだ付け部12、13は、絶縁性の樹脂材料で形成されたリード線収納部2eの内部に配置されている。そのため、はんだ付け部12とはんだ付け部13との間の絶縁、および、はんだ付け部12、13と導線3との間の絶縁を確実に行うことができる。すなわち、はんだ付け部12とはんだ付け部13との短絡、および、はんだ付け部12、13と導線3との短絡を防止することができる。また、リード線収納部2eによって、はんだ付け部12、13を外部の衝撃から保護することが可能になる。
コイル部材1fは、リード線収納部2eに、導通部6a、7aに接続される前の導線3の端部3a、3bを仮固定するための仮固定治具16が取り付けられる治具取付部2kが形成されている。また、先端部仮固定工程S63で、導線3の先端部3aを仮固定治具16に仮固定するとともに、後端部仮固定工程S65で、導線3の後端部3bを仮固定治具16に仮固定している。そのため、短納期で、ユーザのニーズに応じた柔軟な対応が可能になる。すなわち、フレーム固定工程S68後のものを在庫として保管し、その後、ユーザからの注文に応じたリード線6、7を選択して、リード線挿通工程S69以降の工程を行うことができる。その結果、ユーザからの注文後には、リード線挿通工程S69以降の工程を行えば良いため、短納期で、ユーザのニーズに応じた柔軟な対応が可能になる。
また、コイル部材1fにおけるリード線収納孔2f、2gは、左右方向でリード線収納部2eを貫通するように形成されるとともに、左右方向の両方向に向かってリード線6、7が挿通可能となるように形成されている。そのため、本形態のように、リード線6、7を右方向に向かって引き出すことができるとともに、リード線6、7を左方向に向かって引き出すこともできる。したがって、短納期で、ユーザのニーズに応じた柔軟な対応が可能になる。すなわち、フレーム固定工程S68後のものを在庫として保管し、その後、ユーザからの注文に応じて、リード線6、7を右方向へ引き出すか左方向へ引き出すかを決定して、リード線挿通工程S69以降の工程を行うことができる。その結果、ユーザからの注文後には、リード線挿通工程S69以降の工程を行えば良いため、コイル部材1fを短納期で納入することが可能となる。
また、本形態では、リード線挿通工程S69よりも前の工程である外装テープ巻回工程S67で、仮固定治具16に導線3の端部3a、3bを仮固定した状態で、外装テープ10を巻回している。すなわち、リード線6、7が取り付けられていない状態で、外装テープ10を巻回している。そのため、リード線6、7が外装テープ10の巻回作業の支障にならない。したがって、外装テープ10の巻回作業を自動で行うことができ、外装テープ10の巻回作業の作業効率を上げることができる。また、フレーム固定工程S68において、リード線6、7が取り付けられていない状態で、フレーム8をボビン2に固定している。そのため、ボビン2へのフレーム8の固定を自動で行うことができ、フレーム8の固定作業の作業効率を上げることができる。
コイル部材1fの製造法は、導線端部取付工程S70で、治具取付溝2nに挿入された固定部17を右方向へ抜き取りながら、かつ、巻回ピン18を回動させながら、先端部3aを先端巻回部18bから抜き取り、後端部3bを後端巻回部18cから抜き取っている。そのため、仮固定された導線3の端部3a、3bの取り外しが容易になる。すなわち、導線端部取付工程S70での作業を簡素化することができる。
また、また、コイル部材1eは、収納部25がフレーム8と係合しているため、ボビン2とフレーム8との相対位置関係を安定的にし、ボビン2をフレーム8に取り付けた後にリード線6,7を取り付ける場合、作業性が良くなる。
(実施の形態7に係るコイル部材1gの構成)
図25は、コイル部材1gからフレーム8を省略したコイル体11Bの側面図である。図26は、図25に示すコイル体11Bを用いたコイル部材1gの平面図である。図27は、図25のG−G方向からボビン2を示す図である。図28は、図25のH−H断面を説明するための図である。図29は、図25に示すコイル体11Bの製造工程の一部を説明するための図である。ここで、コイル部材1aの構成要素と同様のコイル部材1gの構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の詳細な説明は省略する。
コイル部材1gは、収納部となるリード線収納部22eの構成が上述のリード線収納部2eの構成と相違する。したがって、以下では、この相違点を中心にコイル部材1gの構成およびその製造方法を説明する。なお、図25〜図29では、コイル部材1fと共通する構成については、同一の符号を付している。また、以下の説明では、コイル部材1fと共通する構成については、その説明を簡略化または省略する。なお、この第7の実施の形態に係るコイル部材1gのフレーム8にはフレーム切り欠き部8eが設けられていないが、フレーム8の端面に係合している。なお、他の形態と同様にフレーム切り欠き部8eを設けたフレーム8としてもよい。
リード線収納部22eは、第2鍔部2dの外周面に一体で形成されている。具体的には、第2鍔部2dの上辺部分の略中心部分に、ブロック状のリード線収納部22eが樹脂成型で一体に形成されている。本形態のリード線収納部22eは、図26に示すように、上下方向から見た形状が略T形状となるように形成されている。また、リード線収納部22eは、第2鍔部2dの上面からわずかに突出するように、かつ、胴部2bの反対側(右側)へ突出するように、第2鍔部2dの上辺部分に形成されている。
リード線収納部22eには、リード線6の導通部6a側が収納されるリード線収納孔22fと、リード線7の導通部7a側が収納されるリード線収納孔22gと、導線3の先端部3a側を引き回すための案内溝22hと、導線3の後端部3b側を引き回すための案内溝22jと、仮固定治具16が取り付けられる治具取付部22kが形成されている。なお、治具取付部22kは、上述の治具取付溝2nと同様に形成された治具取付溝22nと、上述の治具取付片2pと同様に形成された治具取付片22pとから構成されている。
リード線収納孔22fは、図27等に示すように、治具取付溝22nからリード線収納部22eの後端面に向かってリード線収納部22eを貫通するように形成されている。リード線収納孔22gは、治具取付溝22nからリード線収納部22eの前端面に向かってリード線収納部22eを貫通するように形成されている。すなわち、リード線収納孔22f、22gは、ボビン2の軸中心から外周面に向かう方向(すなわち、ボビン2の径方向)とボビン2の軸方向とに直交する方向である前後方向に直線状に形成されている。また、リード線収納孔22f、22gは、リード線収納部22eの左端側に形成されている。リード線収納孔2f、2gと同様に、リード線収納孔22f、22gは、リード線6、7の、絶縁被膜で覆われた部分の径より若干大きな径の円形孔である。
コイル部材1gは、図26等に示すように、治具取付溝22nからリード線収納部22eの後端面に向かって、リード線6の先端部がリード線収納孔22fに挿入されている。すなわち、導通部6aがリード線収納部22eの後端面側に配置されるように、リード線6がリード線収納孔22fに挿入されている。また、治具取付溝22nからリード線収納部22eの前端面に向かって、リード線7の先端部がリード線収納孔22gに挿入されている。すなわち、導通部7aがリード線収納部22eの前端面側に配置されるように、リード線7がリード線収納孔22gに挿入されている。また、フレーム8には、コイル部材1a等が有するフレーム切り欠き部8eはない。そして、リード線収納部22eはフレーム8と係合するように配置されている
また、図28に示すように、はんだ付け部12、13は、リード線収納孔22f、22gの内部に配置されている。具体的には、リード線6の先端がリード線収納部22eの後端面から突出しないように、はんだ付け部12がリード線収納孔22fの内部に配置され、リード線7の先端がリード線収納部22eの前端面から突出しないように、はんだ付け部13がリード線収納孔22gの内部に配置されている。
案内溝22h、22jは、リード線収納部22eの左端面から窪むように形成されている。この案内溝22h、22jは、リード線収納孔22f、22gよりも下側に形成されている。また、案内溝22h、22jは、リード線収納部22eの前後方向の端部にそれぞれ形成されている。なお、第2鍔部2dの左側面には、上述の案内溝2mに相当する案内溝22mが形成されている。この案内溝22mは、案内溝22hに連なるように形成されている。
コイル部材1fと同様に、コイル部材1gが完成した状態では、図26等に示すように、リード線6、7を引き回すために、治具取付溝22nにリード線6、7の一部が配置されている。コイル部材1gは、リード線収納孔22fから前方向に向かって引き出されたリード線6は、治具取付溝22n内で右方向に向かって略90°に折り曲げられている。また、リード線収納孔22gから後ろ方向に向かって引き出されたリード線7は、治具取付溝22n内で右方向に向かって略90°に折り曲げられている。治具取付溝22n内で略90°に折り曲げられたリード線6、7は、治具取付溝2n内を引き回されて右方向へ引き出されている。
なお、リード線収納孔22f、22gから引き出されたリード線6、7は、治具取付溝22n内で左方向に向かって略90°に折り曲げられ、左方向へ引き出されても良い。この場合には、リード線収納孔22f、22gは、リード線収納部22eの右端側に形成されることが好ましい。また、コイル部材1fと同様に、リード線収納部22eの周囲には絶縁性の布テープ(図示省略)が巻回されており、この布テープによって、治具取付溝22nを通過したリード線6、7がリード線収納部22eに確実に固定されている。
(コイル部材1gの製造法)
以上のように構成されたコイル部材1gは、図20に示すコイル部材1fの製造工程と同様の製造工程を経て製造される。
すなわち、まず、コイル部材1fと同様に、仮固定治具16をリード線収納部22eに取り付ける(治具取付工程S81)。この治具取付工程S81後には、図29に示すように、先端巻回部18bがリード線収納部22eの後端面の右方に配置され、後端巻回部18cがリード線収納部22eの前端面の右方に配置される。なお、図29に示すように、第8の実施の形態では、固定部17がリード線収納孔22f、22gを塞がないように、固定部17を治具取付溝22nに挿入する。
その後、コイル部材1fと同様に、自動巻線機の固定治具にボビン2を固定する(ボビン固定工程S82)。その後、先端巻回部18bに先端部3aを巻回して仮固定し(先端部仮固定工程S83)、胴部2bに導線3を巻回する(巻線工程S84)。この工程が巻回工程となる。胴部2bに導線3を巻回する際には、案内溝22h、22mを利用して導線3を先端巻回部18bから胴部2bへ案内する。胴部2bへの導線3の巻回が終了すると、後端巻回部18cに後端部3bを巻回して仮固定する(後端部仮固定工程S85)。後端巻回部18cに後端部3bを巻回する際には、案内溝22jを利用して後端部3bを胴部2bから後端巻回部18cへ案内する。
その後、仮固定治具16が取り付けられた状態のボビン2を自動巻線機の固定治具から取り外し(ボビン取外し工程S86)、胴部2bに巻回された導線3の外周面の全体を覆うように外装テープ10を巻回する(外装テープ巻回工程S87)。その後、フレーム8をボビン2に固定する(フレーム固定工程S88)。この工程が支持工程となる。
その後、リード線6、7をリード線収納孔22f、22gに挿通する(リード線挿通工程S89)。具体的には、図29に示すように、リード線6の導通部6aがリード線収納部22eの後端面から突出するように、治具取付溝22nからリード線収納部22eの後端面に向かって、リード線6の先端部をリード線収納孔22fに挿通する。同様に、リード線7の導通部7aがリード線収納部22eの前端面から突出するように、治具取付溝22nからリード線収納部22eの前端面に向かって、リード線7の先端部をリード線収納孔22gに挿通する。
その後、コイル部材1fと同様に、先端巻回部18bに巻回された先端部3aを先端巻回部18bから取り外して導通部6aに取り付けるとともに、後端巻回部18cに巻回された後端部3bを後端巻回部18cから取り外して導通部7aに取り付ける(導線端部取付工程S90)。
その後、先端部3aと導通部6aをはんだ付けするとともに、後端部3bと導通部7aをはんだ付けする(はんだ付け工程S91)。このはんだ付け工程S91が接続工程となる。その後、リード線6を前側に引っ張って、はんだ付け部12をリード線収納孔22fに収納し、リード線7を後側に引っ張って、はんだ付け部13をリード線収納孔22gに収納する(収納工程S92)。具体的には、図28に示すように、リード線6の先端がリード線収納部22eの後端面から突出しないように、また、リード線7の先端がリード線収納部22eの前端面から突出しないように、はんだ付け部12、13をリード線収納孔22f、22gに収納する。
その後、リード線6、7の引き回しを行う(リード線引き回し工程S93)。具体的には、治具取付溝22nに向かって引き出されたリード線6、7を、右方向に向かって略90°に折り曲げ、その後、治具取付溝22n内に配置して右方向へ引き出す。また、リード線引き回し工程S93では、リード線6、7の引き回しを行った後に、リード線収納部22eの周囲に絶縁性の布テープを巻回する。この布テープの巻回が終わると、コイル部材1gの製造工程が終了する。
(コイル部材1gが有する主な効果)
以上のように、コイル部材1gも、コイル部材1fと同様の効果を得ることができる。たとえば、本形態では、主な効果としてコイル部材1fと同様に以下の効果を得ることができる。
コイル部材1gは、リード線収納孔22f、22gに、リード線6、7の導通部6a、7a側が収納されているため、リード線収納部22eにおいて、ボビン2に対して、リード線6、7の導通部6a、7a側を容易に位置決めし、固定することができる。その結果、コイル部材1gの製造工程を簡素化することができる。また、コイル部材1gは、リード線収納孔22f、22gが前後方向に直線状に形成されており、リード線6、7が前後方向でリード線収納孔22f、22gに挿入されているため、上下方向でリード線収納部22eを小型化することができる。
[他の形態]
以上、本発明の実施の形態におけるコイル部材1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gおよびそれらの製造法について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施可能である。たとえば、コイル部材1a,1b,1c,1d,1eにおいて、フレーム切り欠き部8eおよび接着剤は必須の構成要素でないため省略することができる。また、コイル部材1f,1gにフレーム切り欠き部8eを設けても良い。さらに、フレーム切り欠き部8eは、フレーム8の一辺の一部が除去されて設けられているが、フレーム8の一辺の全部が除去されて設けられていても良い。
また、コイル部材1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gでは収納部に収納されないリード線6,7が、フレーム8から離れる方向に沿って伸びているが、フレーム8の第1開口部8c部分に配置されるように伸びていてもよい。この収納部に収納されないリード線6,7が伸びる方向は、コイル部材の用途等に応じて適宜変更できる。たとえばプランジャーがボビン2の貫通孔2aに挿入される側は、他の部品等が設置されることが多いから、その側を避けて収納部に収納されないリード線6,7を伸ばすこともできる。
また、コイル部材1eは、外装テープ10とはんだ付け部12,13とが接触し得る構成となっているが、外装テープ10の内部の導線3とはんだ付け部12,13との短絡防止を確実なものとするため、紙等の絶縁シートを外装テープ10とはんだ付け部12,13との間に配置しても良い。そのように配置するには、絶縁シートと外装テープ10とはんだ付け部12,13とを固定する接着剤を配置することが好ましい。
また、コイル部材1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gは、リード線6,7を近接して導出しているが、リード線6,7は、離れた位置から導出するようにしても良い。また、コイル部材1eは、収納部25にリード線6,7が収納されていないが、端子14と共に収納されることとしても良い。また、収納部25にはリード線6,7が収納され、収納部25の外側にて端子14と導通部6a,6bとが接続される構成を採用してもよい。
また、コイル部材1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gは、第2鍔部2dと収納部25等が一体化しているが、そのような構成は採用せず、たとえば、フレーム8と収納部25等が一体化または固定される構成を採用してもよい。また、フレーム切り欠き部8eは、プランジャーが挿入される側とは反対側のフレーム8に設けられるのが好ましいが、プランジャーが挿入される側に設けてもよい。その場合、リード線6,7は、他の部材との関係上、プランジャーが挿入される側のフレーム8から他方側のフレーム8に伸びるように設けるのが好ましい。
上述したコイル部材1fでは、リード線6、7の先端がリード線収納部2eの右端面から突出しないように、はんだ付け部12、13がリード線収納孔2f、2gに収納されている。また、上述したコイル部材1gでは、リード線6の先端がリード線収納部22eの後端面から突出しないように、はんだ付け部12がリード線収納孔22fに収納され、リード線7の先端がリード線収納部22eの前端面から突出しないように、はんだ付け部13がリード線収納孔22gに収納されている。すなわち、はんだ付け部12、13はリード線収納孔2f、2g、22f、22gに完全に収納されている。この他にもたとえば、はんだ付け部12、13の一部がリード線収納孔2f、2g、22f、22gに収納されなくても良い。
また、コイル部材1f,1gでは、はんだ付け部12、13がリード線収納孔2f、2g、22f、22gに収納されているが、はんだ付け部12、13は、リード線収納孔2f、2g、22f、22gに収納されなくても良い。たとえば、図30に示すように、はんだ付け部13が、リード線収納孔2gに収納されずに、リード線収納部2eの左端面から突出していても良い。この場合には、コイル部材1f,1gの製造工程において、収納工程S72,S92を省略することができる。また、この場合には、リード線引き回し工程S73,S93で、はんだ付け部12、13も絶縁性の布テープで覆うように、リード線収納部2e、22eの周囲に布テープを巻回すれば良い。
なお、コイル部材1fにおいて、はんだ付け部12、13がリード線収納孔2f、2gに収納されない場合であって、かつ、リード線6、7が、リード線収納孔2f、2gから右方向に向かって引き出され、リード線収納部2eの右方で折り返され、治具取付溝2n内を引き回されて左方向へ引き出される場合には、導通部6a、7aが、上側に向かって折り曲げられていても良い。また、この場合には、導通部6a、7aが左側に向かってそのまま突出しても良い。
コイル部材1fは、治具取付溝2nは、上下方向において、リード線収納孔2f、2gよりも若干上側に形成されている。この他にもたとえば、図30に示すように、上下方向において、治具取付溝2nがリード線収納孔2f、2gと同じ位置に形成されても良い。すなわち、リード線6、7のリード線収納孔2f、2gへの収納部分と、リード線6、7の治具取付溝2nへの配置部分とが同じ高さに並列に配置されても良い。
コイル部材1f,1gは、仮固定治具16に端部3a、3bを仮固定している。この他にもたとえば、リード線収納部2e、22eあるいは第2鍔部2dに直接、テープ等で端部3a、3bを仮固定しても良い。また、リード線収納部2e、22eに仮固定用のピンを取り付けて、このピンに端部3a、3bを巻回して仮固定しても良い。この場合には、リード線収納部2e、22eに仮固定用のピンを挿入するピン挿入孔を形成しても良いし、リード線収納孔2f、2g、22f、22gにピンを挿入しても良い。リード線収納孔2f、2g、22f、22gにピンを挿入する場合には、リード線挿通工程S69,S89以前に、リード線収納孔2f、2g、22f、22gからピンを抜き取れば良い。また、この場合には、コイル部材1gにおいて、リード線収納孔22f、22gに1本のピンを挿入しても良い。
なお、仮固定用のピンに、端部3a、3bを巻回する場合には、仮固定用のピンとリード線6、7の導通部6a、7aとをはんだ付けしても良い。すなわち、仮固定用のピンから端部3a、3bを取り外すことなく、仮固定用のピンと導通部6a、7aとをはんだ付けしても良い。
コイル部材1f,1gは、治具取付部2k、22kがリード線収納部2e、22eに形成されている。この他にもたとえば、リード線収納部2e、22eの形成箇所以外の第2鍔部2dの所定箇所に治具取付部が形成されても良い。
コイル部材1f,1gの製造法では、リード線挿通工程S69、S89の前に、フレーム固定工程S68,S88を行っているが、フレーム固定工程S68,S88は、リード線挿通工程S69,S89以降に行っても良い。たとえば、リード線引き回し工程S73,S93の後にフレーム固定工程S68,S88を行っても良い。
(A)は本発明の実施の形態に係るフレームの斜視図、(B)は本発明の実施の形態に係るボビンの斜視図である。 (A)は本発明の実施の形態に係る未結線コイル部材の正面図を示し、(B)は(A)に示す図の右側面図である。 本発明の実施の形態に係る未結線コイル部材の製造工程を説明するフローチャートである。 (A)は本発明の実施の形態1に係る結線部を示す図で、(B)は(A)のB−B断面図である。 本発明の実施の形態1に係るコイル部材を示す図で、(A)は正面図、(B)は(A)に示す図の底面図である。 本発明の実施の形態に係る結線部の製造工程を説明するフローチャートである。 (A)は本発明の実施の形態2に係る結線部を示す図で、(B)は(A)のB−B断面図である。 本発明の実施の形態2に係るコイル部材を示す図で、(A)は正面図、(B)は(A)に示す図の底面図である。 (A)は本発明の実施の形態3に係る結線部を示す図で、(B)は(A)のB−B断面図である。 本発明の実施の形態3に係るコイル部材を示す図で、(A)は正面図、(B)は(A)に示す図の底面図である。 本発明の実施の形態4に係る結線部を示す図である。 本発明の実施の形態4に係るコイル部材を示す図で、(A)は正面図、(B)は(A)に示す図の底面図である。 本発明の実施の形態5に係る結線部を示す図である。 本発明の実施の形態5に係るコイル部材を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る結線部の製造工程を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態6に係るコイル体の側面図である。 図16に示すコイル体を用いたコイル部材の平面図である。 図16のE−E方向からボビンを示す図である。 図16のF−F断面を説明するための図である。 図17に示すコイル部材の製造工程を示すフローチャートである。 図20に示す治具取付工程でボビンに取り付けられる仮固定治具を説明するための斜視図である。 図20に示す先端部仮固定工程後の状態を示す部分平面図である。 図20に示すリード線挿通工程後の状態を示す図である。 図20に示すはんだ付け工程前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態7に係るコイル体の側面図である。 図25に示すコイル部材の平面図である。 図25のG−G方向からボビンを示す図である。 図25のH−H断面を説明するための図である。 図25に示すコイル部材の製造工程の一部を説明するための図である。 本発明の他の実施の形態に係るコイル部材のリード線収納部の側面を拡大して示す拡大図である。 本発明の他の実施の形態に係るリード線収納部を示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g コイル部材(フレーム付きコイル部材)
2 ボビン(コイル体の一部)
2c 第1鍔部(鍔部)
2d 第2鍔部(鍔部)
2e、22e、32e リード線収納部(収納部)
3 導線(コイル体の一部)
3a 先端部(端部)
3b 後端部(端部)
6、7 リード線
8 フレーム
8c 第1開口部
8e フレーム切り欠き部(切り欠き部)
11A,11B コイル体
25,26,27,28,29 収納部
S12,S22,S32,S42 先端部仮固定工程(接続工程の一部)
S2,S64,S84 巻線工程(巻回工程)
S5,S68,S88 フレーム固定工程(支持工程)
S69 リード線挿通工程
S70 導線端部取付工程
S13,S23,S33,S43,S71,S91 はんだ付け工程(接続工程の一部または全部)
S15,S25,S35,S45 接着工程(接続工程の一部)
M 開口面

Claims (9)

  1. 導線と、上記導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、上記導線の端部が接続されるリード線と、上記コイル体の軸方向の両端面に密接して上記コイル体を支持すると共に上記コイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、
    上記ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、上記鍔部の周縁部には上記フレームの枠の開口部から突出し、かつ上記フレームの端面と平行となるように、上記リード線または上記リード線と上記導線との間の接続に関与する端子が収納される収納孔または収納溝(以下、収納部という)が備えられ、
    上記収納部には、上記フレームの枠の開口面と平行または略平行となる面に沿って上記リード線または上記端子を配置させるものであることを特徴とするフレーム付きコイル部材。
  2. 導線と、上記導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、上記導線の端部が接続されるリード線と、上記コイル体の軸方向の両端面に密接して上記コイル体を支持すると共に上記コイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、
    上記ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、上記鍔部の周縁部には上記フレームの枠の開口部から突出し、かつ上記フレームの端面と平行となるように、上記リード線または上記リード線と上記導線との間の接続に関与する端子が収納される収納部が上記周縁部と一体化して備えられ、
    上記収納部は、上記フレームの枠の開口部側に位置するフレーム端部に係合していることを特徴とするフレーム付きコイル部材。
  3. 導線と、上記導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、上記導線の端部が接続されるリード線と、上記コイル体の軸方向の両端面に密接して上記コイル体を支持すると共に上記コイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備え、
    上記ボビンは、その軸方向の両端面を構成する鍔部を有し、上記鍔部の周縁部には上記フレームの枠の開口部から突出し、かつ上記フレームの端面と平行となるように、上記リード線または上記リード線と上記導線との間の接続に関与する端子が収納される収納部が備えられ、
    上記コイル体が上記フレームに支持された状態で上記リード線または上記端子を上記収納部に収納することが可能であることを特徴とするフレーム付きコイル部材。
  4. 前記開口部が四角形状であり、その開口部を構成する一辺のフレームに沿って前記リード線の根元部が配置されるように前記収納部が構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフレーム付きコイル部材。
  5. 前記開口部を形成するフレームの一辺の一部または全部が除去された切り欠き部を設け、上記切り欠き部に前記収納部が係合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフレーム付きコイル部材。
  6. 前記収納部は間隔を空けて2つ設けられ、2本の前記リード線が上記2つの収納部にそれぞれ収納され、上記2つの収納部の間からそれぞれ導出されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフレーム付きコイル部材。
  7. 導線と、上記導線が巻回されるボビンとから形成されるコイル体と、上記導線の端部が接続されるリード線と、上記コイル体の軸方向の両端面に密接して上記コイル体を支持すると共に上記コイル体より発生する磁束の磁気回路を形成する枠状のフレームと、を備えるフレーム付きコイル部材の製造法であって、
    上記ボビンに上記導線を巻回する巻回工程と、上記コイル体を上記フレームに支持させる支持工程とを有し、
    上記巻回工程および上記支持工程の後に、上記導線と上記リード線または上記導線が接続される端子と上記リード線とを接続する接続工程を行うことを特徴とするフレーム付きコイル部材の製造法。
  8. 前記接続工程では、前記リード線の先端が前記収納部からはみ出るまで前記収納部に前記リード線を挿入し、上記はみ出た前記リード線の先端に前記導線を巻き付け上記先端と前記導線とをはんだ付けし、そのはんだ付け部を接着剤で被覆することを特徴とする請求項7記載のフレーム付きコイル部材の製造法。
  9. 前記導線と前記リード線の接続部または前記導線と前記端子の接続部を前記収納部に収納することを特徴とする請求項7記載のフレーム付きコイル部材の製造法。
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