JP2009252376A - 固体酸化物形燃料電池の製造方法および該製造に用いる焼成治具 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法および該製造に用いる焼成治具 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成時に燃料極の表面に電気抵抗層が形成され難く、耐熱性及び機械的強度の高いSOFC製造用焼成治具を提供すること。
【解決手段】燃料極を構成する多孔質基材と、該基材上に配置された固体電解質と、該固体電解質上に配置された空気極とを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法において、少なくとも前記燃料極を構成する多孔質基材Sが焼成される際に該多孔質基材と接触して配置される焼成治具1として、マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料からなる基材3と、該基材の表面の少なくとも一部であって前記焼成時に前記多孔質基材が接触し得る表面に形成された被覆部2とを有し、該被覆部は、式:MFe(ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素)で示されるフェライトにより形成されている焼成治具を使用する。
【選択図】図3

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造技術に関し、詳しくは、SOFCを製造する際に用いられる焼成治具に関する。
固体電解質形燃料電池とも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は、種々のタイプの燃料電池の中でも発電効率が高く、更に低環境負荷であり、多様な燃料の使用が可能であることから、発電装置として開発が進められている。
図1に示すように、SOFC(単セル)10の基本構造は、酸化物イオン伝導体から成る緻密な固体電解質(例えば緻密膜層)14の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)16が配置され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)12が配置されることにより構成されている。そして、燃料極12側の固体電解質14の表面には燃料ガス(典型的には水素)が供給され、空気極16側の固体電解質14の表面には酸素を含むガス(典型的には空気)が供給される。
SOFC(単セル)の固体電解質は、典型的には、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)等のジルコニア系材料から構成される。また、燃料極は、典型的には、酸化ニッケル(NiO)と安定化ジルコニア(例えばYSZやSSZ)等の混合伝導性セラミックスから成る複合材料(例えばNi−YSZやNi−SSZ)から構成される。NiOは還元処理後の使用時には金属Niとなる。また、空気極は、触媒活性、混合伝導性に優れるLaCoOやLa(Sr)MnO等のペロブスカイト型複合酸化物材料から構成される。
また、SOFCを構成する上記単セル1つのみでは得られる発電量が限られることから、一般には所望する電力を得るために上記単セル構造を複数積層したスタックとして用いられる。スタック構造のSOFCでは、図2に示すように、セル間を隔離し且つ集電するためにセパレータ(インターコネクタとも呼ばれる)20が用いられる。セパレータ形成材料としては、ランタンクロマイト系酸化物(例えばLaCrO、La0.8Ca0.2CrO)が好適例として挙げられる。
そして、高い集電効率を実現するためには、セパレータ20と該セパレータ20に対向する固体電解質14の表面との間は高い気密性を確保した状態で密接に接合(シール)される必要がある。
固体電解質は、薄膜状に薄くなるほど酸化物イオン伝導速度が増大し、発電性能が向上する。このため、産業上有望なSOFC(単セル)の一形態として、薄い固体電解質膜を燃料極を構成する多孔質基材の表面に形成したいわゆる燃料極支持型セル(anode supported cell)が挙げられる。このタイプのSOFCは、上述した図1に示すように、先ず、シート成形(押出成形)やプレス成形によって多孔質の燃料極(例えばNi−YSZやNi−SSZ)12を形成する。次に、スクリーン印刷やディップコーティング等の湿式法によって燃料極12の表面に膜状の固体電解質14を形成し、さらにその表面にスクリーン印刷やディップコーティング等の湿式法によって多孔質の空気極16を形成する。そして、同時焼成或いは一層毎の逐次焼成によって、焼結された空気極16及び燃料極12と固体電解質14とから成るSOFC(単セル)10が製造される。
上記のような燃料極支持型のセルを焼成する場合、典型的には図1に示すように厚みのある燃料極12を下に配置して焼成する。従来、かかる状態で焼成を行う場合に焼成治具と被焼成物(即ち燃料極支持型セルの場合は燃料極)との反応性の高さが問題となっていた。即ち、緻密な膜状の固体電解質を形成する場合は1300℃程度の高温域で被焼成物を焼成する必要がある。このため、耐熱性の高いジルコニア製やアルミナ製の焼成治具(セッター等)が一般に使用されている。
しかし、これらセラミックス製焼成治具は、1300℃程度の焼成温度域において、被焼成物である燃料極の構成要素と反応し易かった。例えば、NiOと安定化ジルコニア(YSZ、SSZ等)とから成る複合材料(サーメット)で構成される燃料極とアルミナ製焼成治具(セッター等)とが互いに接触した状態で最高温度1300℃程度の焼成が行われた場合、NiOとアルミナが反応し、結果、燃料極中のNi成分が減少する虞がある。例えば、図2に模式的に示すように、燃料極12表面のNi成分が減少した部分(電気抵抗層)13では、当該Ni成分の減少によって当該部分の電気抵抗が大きくなってしまい導電性が低下するため好ましくない。このことに関し、特許文献1には、NiO含有率が全体の40〜90質量%であることを特徴とする焼成治具が記載されている。しかし、NiOは比較的高価な原料であり、NiO含有率が高いセッターを使用することはSOFC(単セル)の製造コスト高の要因となってしまうため好ましくない。
また、上記複合材料(Ni−YSZ、Ni−SSZ等)とジルコニア製焼成治具との組み合わせの場合は、アルミナ製焼成治具を使用した場合のようなNiOとの反応は抑制できるものの、ジルコニア製焼成治具が燃料極のジルコニア成分と結合して燃料極表面に強固(手で除去できない程度)に固着し易いという問題がある。図2に模式的に示すように、焼成治具の一部(例えばセッター破片)30が固着して燃料極表面に残留すると、当該燃料極12とセパレータ20とが密接に接合することを阻害し、さらに非導電性ジルコニアの固着によって燃料極の導電性(集電効率)が部分的に著しく低下する虞があるため好ましくない。上述の特許文献1に記載される高NiO含有焼成治具も、かかる焼成治具の燃料極表面への固着・残留に関する問題を解消するものではない。その他、焼成治具に関する従来技術として、例えば特許文献2〜4が挙げられる。
国際公開第WO99/59936号パンフレット 特公昭62−27344号公報 特公昭62−48159号公報 特開平8−128788号公報
本発明は、上述したSOFC(典型的にはNiOとジルコニア系材料とから構成される燃料極を備える燃料極支持型SOFC)を製造する際(具体的にはSOFCを構成する成形体を焼成する際)の上記問題点を解消するべく創出されたものであり、本発明の目的は、焼成時に燃料極の表面に電気抵抗層が形成され難く(さらに好ましくは焼成治具の一部がそのままの状態で固着・残留し難い)、さらには耐熱性及び機械的強度の高いSOFC製造用の焼成治具を提供することである。また、そのような焼成治具を用いて焼成時の導電性低下を抑えて集電効率のよいSOFCを製造する方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明によって、燃料極を構成する多孔質基材と、該基材上に配置された固体電解質と、該固体電解質上に配置された空気極とを備える固体酸化物形燃料電池(別称:固体電解質形燃料電池)を製造する方法が提供される。
ここで開示される固体酸化物形燃料電池製造方法は、少なくとも上記燃料極を構成する多孔質基材が焼成される際(逐次的焼成である場合と同時焼成である場合を包含する。)に該多孔質基材と接触して配置される焼成治具として、マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料からなる基材と、該基材の表面の少なくとも一部であって上記焼成時に上記多孔質基材が接触し得る表面に形成された被覆部とを有し、該被覆部は、以下の式:
MFe
ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素である;
で示されるフェライトにより形成されている焼成治具を使用することを特徴とする。
なお、本明細書において「焼成治具」とは、焼成時に被焼成物(成形体)を炉内で所定の状態で保持或いは収容する器具(耐火物)をいう。例えば、焼成炉内において被焼成物を所定の状態に保持するために炉内で用いられる一般にセッターと呼ばれる支持部材は、ここでいう焼成治具の典型例である。焼成治具(セッター)の形状としては、支柱形状、匣鉢形状、棚形状、枠形状、プレート形状、等が挙げられる。
本発明者は、少なくとも燃料極を構成する組成の多孔質基材(例えばNiO粉末と安定化ジルコニア粉末とから形成される複合材料)を焼成する際に、フェライト製の焼成治具を使用することによって、高温域(例えば1300℃程度)で焼成を実施した場合でも焼成治具成分が燃料極に固着し難いことを見出した。さらに、焼成治具自体の機械的強度及び耐熱性の向上ならびにフェライト構成部分との低反応性及び接着性を全て高い次元で実現できる素材がマグネシア(酸化マグネシウム)と安定化ジルコニアとの複合材であることを見出して本発明を完成するに至った。
ここで開示される製造方法では、少なくとも燃料極を構成する多孔質基材(例えばNiO粉末と安定化ジルコニア粉末とから形成される複合材料)を焼成する際に使用する焼成治具として、マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料(以下「マグネシア−ジルコニア複合材」と記載する場合もある。)から構成されている基材の表面に上記フェライトにより形成された被覆部を備える焼成治具を使用する。
即ち、本発明は上記目的を実現するべく、燃料極を構成する多孔質基材と、該基材上に配置された固体電解質と、該固体電解質上に配置された空気極とを備える固体酸化物形燃料電池を製造するための焼成治具であって、マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料からなる基材と、上記基材の表面の少なくとも一部であって焼成時に被焼成物が接触し得る表面に形成された被覆部とを有し、上記被覆部は、以下の式:
MFe
ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素である;
で示されるフェライトにより形成されている固体酸化物形燃料電池製造用焼成治具を提供する。
かかる構成の焼成治具を使用して上記多孔質基材を焼成すると、該多孔質基材の接触する部分がフェライトからなる被覆部であるため、万一何らかの物理的原因により焼成治具の一部が燃料極に付着(残留)する場合があったとしても、当該付着物がフェライトにより構成されており導電性を有するため、燃料極の導電性(集電効率)の低下を抑制することができる。
さらに、燃料極を構成する多孔質基材がNiOを含む組成の場合には、焼成時に当該基材(燃料極)からのNiOの減少を抑え、上述したような電気抵抗層13(図2)の生成を抑制することができる。また、焼成時にNiOの一部が上記焼成治具の被覆部と反応した場合であっても、その生成物(例えばNiFe)が比較的高い導電性を有するため、セル自体の導電性の著しい低下を抑止し得る。
また、ここで開示される焼成治具は、その骨格となる基材(典型的には多孔質基材)がマグネシア−ジルコニア複合材より形成されているため、耐熱性及び機械的強度が高く、例えば1200〜1400℃のような高温での焼成時においても割れや変形が発生し難く、所定の形状(例えば多孔質形状)やサイズを維持することができる。このため、耐久性に優れ、長期にわたって同じ焼成治具を繰り返し使用することができる。かかる耐久性に加えマグネシア−ジルコニア複合材は比較的安価な材料でもあるため、焼成治具の製造コスト増を抑えることができる。
また、マグネシア−ジルコニア複合材は、フェライトとの反応性が低い一方で加熱によってフェライトとの強い接着性が発揮される。従って、上記フェライト製被覆部は基材から剥離し難い。さらに、マグネシア−ジルコニア複合材とフェライト材とは熱膨張係数(典型的には一般的な示差膨張方式(TMA)に基づく室温(25℃)〜1000℃の間の平均値をいう。以下同じ。)が近似する。さらには被焼成物たる燃料極を構成する多孔質基材(典型的にはジルコニアとNiOとの複合材)とも熱膨張係数が近似する。このため、焼成時に応力が発生して焼成治具や被焼成物にクラックや変形が発生し難く、安定的に効率よく被焼成物を焼成することができる。
以上の利点を有する焼成治具(セッター)を使用する本発明の製造方法によると、上述した固着に起因する導電性の低下を防いで集電効率の良い燃料極を備えたSOFC(典型的には燃料極支持型セル)を効率よく製造することができる。例えば、本発明の製造方法によって得られる固体酸化物形燃料電池の一例として、MFe(ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素である、例えばNiFe)で示されるフェライトが少なくとも一部(例えばセル(典型的には燃料極)の底面の一部)に付着したことを特徴とする固体酸化物形燃料電池が挙げられる。
ここで開示される焼成治具の好ましい一態様では、上記被覆部が上記式中のMとしてMnを含むフェライトにより形成されていることを特徴とする。従って、ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、焼成治具として、上記被覆部が上記式中のMとしてMnを含むフェライトにより形成されている焼成治具を使用することを特徴とする。
マンガンを含むフェライト(典型的にはマンガンフェライト:MnFe)は、耐熱性、化学的安定性に優れる。このため、かかるマンガン系フェライトからなる被覆部を備える焼成治具を使用することによって、強固な固着(例えば手動では容易に除去できないような固着)の発生をより高レベルに防止し、導電性に優れる燃料極を備えたSOFCを製造することができる。
ここで開示される焼成治具の他の好ましい一態様では、マグネシアと安定化ジルコニアの合計を100質量%としたときの上記基材のマグネシア含有率が20〜70質量%であることを特徴とする。従って、ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、焼成治具として、マグネシアと安定化ジルコニアの合計を100質量%としたときの上記基材のマグネシア含有率が20〜70質量%である焼成治具を使用することを特徴とする。
マグネシア含有率がこのような範囲となる基材の熱膨張係数は、概ね10.5〜13.0×10−6/Kの範囲内となり、被焼成物とする燃料極を構成する多孔質基材(典型的にはジルコニアとNiOとの複合材)の熱膨張係数と特によく近似する。このため、焼成時に被焼成物(燃料極構成部材)に焼成治具との熱膨張差によってクラックや変形が発生するのをより確実に防止することができる。
また、ここで開示される焼成治具の他の好ましい一態様では、上記被覆部は、焼成炉内において該焼成炉構成部分(例えば炉床や炉壁)に接する部位には形成されていないことを特徴とする。従って、ここで開示される製造方法の他の好ましい一態様では、そのような構成の焼成治具を使用することを特徴とする。
一般的な焼成炉構成材料(炉材)としてアルミナ、ムライト、シリカ等を主成分とする緻密体(或いは多孔質体)が挙げられる。本構成の焼成治具を使用することによって、炉中においてこのような成分からなる炉材とフェライト製被覆部との接触を回避することができる。従って、フェライトとの反応によって焼成炉構成部分が影響(例えば劣化)を受けることを未然に防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、焼成治具の組成)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、燃料極支持型SOFC(セル)の一般的な構築プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明のSOFC製造方法は、少なくとも燃料極を構成する多孔質基材が焼成される際に使用される焼成治具の構造(組成)によって特徴付けられる方法であり、他の材料や工程は、特に限定されない。典型的には、ここで開示される焼成治具は、燃料極を構成する多孔質基材上に配置(形成)された固体電解質(典型的には膜状に形成された固体電解質)を該基材ごと焼成する工程において使用される。
例えば、SOFC(典型的には燃料極支持型SOFC)を構成するものである限り、燃料極(アノード)、空気極(カソード)、固体電解質の形状や組成(及び原料の組成)は、種々の基準に照らして任意に決定することができる。また、ここで開示される製造方法によって製造されたSOFC(例えば燃料極支持型SOFC)を単セルとして、該セルをセパレータとともに複数積層した形態のSOFCスタックを従来と同様の種々の手法により構築することができる。
ここで開示される製造方法によって製造され得るSOFC(典型的には燃料極支持型SOFC)に備えられる固体電解質(典型的には厚みが1mm以下(特には0.1mm以下)の固体電解質膜)としては、ジルコニア系固体電解質が好適である。例えば、好適な例として、イットリア(Y)で安定化したジルコニア(YSZ)が挙げられる。その他、好適なジルコニア系固体電解質として、カルシア(CaO)で安定化したジルコニア(CSZ)、スカンジア(Sc)で安定化したジルコニア(SSZ)等が挙げられる。
ここで開示される製造方法によって製造され得るSOFC(典型的には燃料極支持型SOFC)に備えられる燃料極としては、本発明に係る課題と効果を考慮すればジルコニア成分を含む材料から形成されるものが好ましく、特にNiOを含むものが好適である。例えば、YSZ、SSZ等の安定化ジルコニアとNiOとから成る混合材料から形成された燃料極(多孔質基材)が好ましい。また、燃料極の形状は特に限定されず、典型的には厚みが10mm以下(特には2mm以下)の多孔質基材に形成されればよい。
ここで開示される製造方法によって製造されるSOFC(典型的には燃料極支持型SOFC)に備えられる空気極としては特に制限はなく、従来のSOFCの空気極を構成する材料を適宜選択・使用して所望する形状の空気極(例えば厚みが1mm〜10mm以下(特には0.1mm以下)の膜状の空気極)を形成することができる。空気極構成材料の好適例として、ランタンコバルトネート(LaCoO)系やランタンマンガネート(La1−xSrMnO;ここで0≦x<1)系のようなペロブスカイト型酸化物が挙げられる。なお、上記式において酸素原子数は3であるように表示されているが、実際には組成比において酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)であり得る。
上記のような各種材料を使用し、従来と同様のステップによって目的とするSOFC、例えば燃料極支持型SOFCを製造することができる。
例えば、質量割合(合計で100質量%)で30〜70質量%程度のNiO粉末(典型的には平均粒径1μm〜10μm)と、70〜30質量%程度のYSZ、SSZ等の安定化ジルコニア粉末(典型的には平均粒径0.1μm〜10μm)とを適当な溶媒(水等)、バインダー(メチルセルロース、ポリビニルアルコール等)等とともに混合してスラリー状の或いはペースト状の材料を調製する。そして該混合材料を用いて各種の成形法(例えばシート成形その他の押出成形法)によって所望の形状の多孔質基材(燃料極支持体)を形成することができる。
次いで、当該多孔質基材(燃料極材料)を大気条件下で適当な温度域(1000〜1200℃程度)で焼成(仮焼)するか或いは焼成(仮焼)することなく、その表面にディップコーティング或いはスクリーン印刷法等によって、YSZ、SSZ等の固体電解質材料(例えば平均粒径0.1μm〜10μmの安定化ジルコニア粉末と水等の溶媒とメチルセルロース等のバインダーとを含むスラリー状調製物)を付与して固体電解質膜を形成する。次いで、該固体電解質膜が形成された多孔質基材を大気条件下で適当な温度域(1300〜1500℃程度)で焼成する。
その後、焼成された固体電解質膜上に、ディップコーティング或いはスクリーン印刷法等によって、ランタンマンガネート系酸化物のような空気極形成材料(例えば平均粒径0.1μm〜10μmのペロブスカイト型酸化物粉末と水等の溶媒とメチルセルロース等のバインダーとを含むスラリー状調製物)を付与して空気極を形成する。そして、該空気極が形成された固体電解質膜付き多孔質基材(燃料極基材)を大気条件下で適当な温度域(1000〜1200℃程度)で焼成する。なお、焼成工程は固体電解質膜と空気極の両方を形成した後に一度に行ってもよい。
上記のようにして製造された燃料極支持型SOFC(単セル)に適当なセパレータを接合してスタックを製造することができる。SOFCスタックを構築するためのセパレータ(インターコネクタ)としては、酸素供給ガス(例えば空気)と燃料ガスとを物理的に遮断し且つ電子伝導性があるランタンクロマイト系酸化物が好適に用いられる。例えば、一般式:La(1−x)Ma(x)Cr(1−y)Mb(y)で表される酸化物を使用することができる。式中のMa及びMbは同一か又は相互に異なる1種又は2種以上のアルカリ土類金属であり、x及びyはそれぞれ0≦x<1、0≦y<1である。好適例として、LaCrO或いはMa又はMbがカルシウムである酸化物(ランタンカルシアクロマイト)、例えばLa0.8Ca0.2CrOが挙げられる。なお、上記式において酸素原子数は3であるように表示されているが、実際には組成比において酸素原子の数は3以下(典型的には3未満)であり得る。
そして、上記と同様の方法によって所定形状のセパレータを作製することができる。例えば、所定の材料(例えば平均粒径0.1μm〜10μm程度のランタンクロマイト系酸化物粉末と水等の溶媒とメチルセルロース等のバインダーとを含む成形材料を用いて押出成形等によって成形された成形体を大気条件下で適当な温度域(例えば1300〜1600℃)で焼成することにより所定形状のセパレータを作製することができる。
そして、作製したセパレータを適当な接合材を使用して単セルに接合することにより、SOFCのスタックを製造することができる。
なお、上述した一連のSOFC単セル及びスタックの製造プロセスは例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明のSOFC製造方法では、従来のSOFC製造方法で使用・実施されている種々の材料やプロセスをそのまま若しくは適宜変更しつつ適用することができる。本発明に係る焼成治具の使用以外は従来方法をそのまま適用することができる。
Figure 2009252376
次に、本発明に係るSOFC製造用焼成治具について詳細に説明する。ここで開示される焼成治具は、上述のとおり、マグネシア−ジルコニア複合材からなる基材と、該基材の表面の少なくとも一部であって前記焼成時に前記多孔質基材が接触し得る表面に形成された被覆部とを有することを特徴とする。被覆部を構成するフェライト材料としては、スピネル型結晶構造のフェライトが好ましい。なお、表1に好ましいスピネル型結晶構造のフェライトを列記している。
表1に示すように、フェライトは、電気抵抗率(Ω・m)が低い一方、融点が1500℃以上と高いため、SOFC(典型的には燃料極支持型SOFC)を構築するための成形体を焼成する際に使用する焼成治具の構成要素(被焼成物に接触する被覆部)として好適である。マンガン系のフェライト(MnFe、Mn0.6Zn0.4Fe等)やニッケル系のフェライト(NiFe等)が好ましく、特に耐熱性が高く、構造的に安定しているマンガン系のフェライトが好ましい。
また、表1に列記するようなスピネル型結晶構造のフェライトによって被焼成物と接触し得る被覆部を形成することによって、例えば被焼成物であるSOFC側に当該被覆部の一部が固着(手で除去不可能な程度に強く付着)するのを防止し、また、万一微量の被覆部構成成分が付着(典型的には容易に手で除去し得る程度の付着)したままの状態でも、導電性の高い(電気抵抗率が低い)性質によって、SOFCの燃料極における導電性(集電効率)の低下を抑制することができる。また、燃料極がNiOを含有する場合であっても被覆部を構成するフェライトとNi成分との反応性が極めて低いため、燃料極中のNi成分の減少を防止することができる。
焼成治具の主要構成材(骨格)たる基材(典型的には多孔質基材)は、マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料により構成されればよく、製造方法(成形方法)それ自体は特に限定されない。基材としては、水銀圧入法に基づく気孔率が10〜60%程度のものが好ましい。気孔率が60%よりも大きすぎると機械的強度の低下を招くため好ましくない。小さすぎると焼成時にバインダー等の効率的な燃え抜けが妨げられる虞があり好ましくない。また治具自体の重量増ともなる。
例えば、適当な粒度分布(例えば平均粒径が1〜100μm程度)のマグネシア粉末(MgO粉末)とYSZ、CSZ、SSZ等の安定化ジルコニア粉末(例えば平均粒径が1〜100μm程度)とを適当な配合比で混合する。所望により、さらに適当なバインダー(例えばメチルセルロース、ポリビニルアルコール)、分散剤、可塑剤、溶媒等を添加して目的の粒径まで造粒することができる。次いで、得られた粉末を原料粉末として使用して所定の形状に成形する。かかる成形法としては、従来公知の種々の方法、例えば一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出成形等を採用することができる。かかる成形のために従来公知のバインダー、分散剤等を使用することができる。そして、得られた成形体を適当な温度域(例えば1300〜1600℃程度)で焼成することにより、本発明に係る焼成治具の基材(典型的には多孔質基材)を作製することができる。
好ましくは、基材を構成するマグネシアと安定化ジルコニアの合計を100質量%としたときの当該基材中のマグネシア含有率が20〜70質量%となるように、マグネシア粉末と安定化ジルコニア粉末との配合比を決定する。このことによって、基材の熱膨張係数をフェライト成形体(即ちフェライトからなる被覆部)の熱膨張係数に近似(特に好ましくは一致)させることができる。
基材の表面にフェライトからなる被覆部を形成する手法は特に限定されず、従来公知の種々の手法を採用することができる。典型的には、適当な粒度分布(例えば平均粒径が1〜10μm程度)のフェライト粉末(例えばMnFe粉末)を適当なバインダー、分散剤、可塑剤、溶媒等と混合してスラリーを調製し、一般的なディップコーティング等の手法によって該スラリーを基材表面の一部(または全部)に付与(塗布)する。そして、得られた基材上の塗布物(例えば厚みが50μm〜1000μm程度の皮膜)を乾燥させ、次いで、適当な温度域(例えば1300〜1500℃)で焼成する。このような原料コーティングから焼成までの一連のプロセスを行うことにより、マグネシア−ジルコニア複合材からなる基材の表面(被焼成物が接触し得る表面)にフェライト被覆部が形成された種々の形状の焼成治具(セッター)を作製することができる。
焼成治具の形態は特に限定されず、焼成対象であるSOFC(単セル)の形態や焼成炉の形状等に応じて決定され得る。典型的には、本発明によって、SOFCを製造(焼成)する際に用いるSOFC製造用焼成治具であるセッターが提供される。また、所定形状の焼成治具(セッター)の表面にフェライト製の目砂が付着(コーティング)されていることを特徴とする焼成治具も好適な態様である。
なお、上述したようなセラミックスの成形法及び焼成法自体は従来と同様でよく、本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<燃料極成形体の作製>
3〜8mol%のイットリアで安定化させたジルコニア粉末(平均粒径:約0.6μm)と、酸化ニッケル粉末(平均粒径:約3μm)とを、YSZ:NiO=6:4(質量比)で混合した。次いで、この混合粉末に一般的なバインダー(ここではポリブチルアルコールを使用した。)、可塑剤(ここではフタル酸ジブチルを使用した。)、及び溶媒(ここではアルコールを使用した。)を添加して充分に混練した。次いで、この混練物を用いてシート成形(押出成形)を行い、300mm×1000mm×厚み1mmのシート状の成形体を得た。乾燥後、このシート状成形体から打ち抜きを行い、直径30mmの円形状の燃料極成形体を得た。
<焼成治具の作製>
マグネシア粉末(MgO:平均粒径5μm)と3mol%のイットリアで安定化させたジルコニア粉末(YSZ:平均粒径5μm)とを表2に示す各配合比(質量比)で混合し、さらにバインダー(ここではポリビニルブチラール(PVB)を使用した。)を添加して造粒し、平均粒径が約80μmの基材形成用原料粉末を作製した。この原料粉末を使用し、150MPaの圧でプレス成形することによって直径100mmで厚みが5mmの円形状に成形した。
この成形体を大気雰囲気中において1400℃で6時間焼成を行うことによって、表2に示す各成分比のマグネシア−ジルコニア複合材からなる焼結体(多孔質基材)を作製した。さらに得られた焼結体の表面を機械研磨することによって、厚み3mmの円板(セッター)を形成した。
そして、表2に示す実施例1〜10として、上記得られた円板状焼結体(基材)の一方の表面にフェライト被覆部を形成した。
具体的には、MnFe粉末(純度99.9%以上、平均粒径:約3μm)をバインダー(ここではPVB)及び溶媒(ここではキシレン)と混合してスラリーを調製した。次いで、該スラリーを上記円板状基材の一方の表面に厚みが約100μmになるように塗布した。そして、該基材を大気雰囲気中において1400℃で焼成し、図3に模式的に示すような、マグネシア−ジルコニア複合材からなる基材3の一方の表面にMnFeからなる被覆部2が形成された実施例1〜10の円板状焼成治具(セッター)1を作製した。
また、比較例1として、上記MgO粉末(平均粒径5μm)のみで上記円板状基材を作製した以外は上述の実施例1〜10と同様の処理をして、マグネシア材からなる基材の一方の表面にMnFeからなる被覆部が形成された比較例1の円板状焼成治具(セッター)を作製した。
また、比較例2として、上記YSZ粉末(平均粒径5μm)のみで上記円板状基材を作製した以外は上述の実施例1〜10と同様の処理をして、イットリア安定化ジルコニア材からなる基材の一方の表面にMnFeからなる被覆部が形成された比較例2の円板状焼成治具(セッター)を作製した。
Figure 2009252376
<焼成試験>
図3に模式的に示すように、上記のようにして作製した各実施例及び各比較例の円板状焼成治具1の上面(即ち被覆部2が形成された面)に、それぞれ、上記燃料極成形体(多孔質基材)Sを載置した。更に焼成治具1の下面側(即ち被覆部2が形成されていない面側)には、シート形状の炉材5としてアルミナからなる緻密体(実施例1)、ムライトからなる緻密体(実施例2,4〜10,比較例1〜2)又はアルミナとシリカの複合材からなる多孔質体(実施例3)を配置した。そして、大気雰囲気中、1300℃で2時間焼成した。
かかる焼成工程終了後、得られた焼結体(燃料極)Sの形状を観察し、1mm以上の反りの発生の有無を調べた。その結果、いずれの実施例及び比較例についても1mm以上の反りは認められなかった。
さらに、焼成工程終了後の焼成治具の表面と形状を観察した。その結果、実施例1〜8の焼成治具については表面及び形状に変形は認められなかった。これに対し、実施例9及び実施例10の焼成治具では、焼成治具の形状に僅かに変形がみられた。また、比較例1及び比較例2の焼成治具では、焼成治具の形状がやや変形しており、その程度は実施例9及び実施例10の焼成治具よりも大きかった。これら変形は、基材の熱膨張係数(表2参照)とMnFeからなる被覆部の熱膨張係数(11.6×10−6/K)との差異が大きいことにより焼成時の応力発生により変形が生じたものと考えられる。
なお、詳細なデータは示していないが、実施例1で使用した基材の全面にMnFeからなる被覆部を形成した円板状焼成治具(セッター)を用いて同様の焼成試験を行った結果、炉材に接する焼成治具の表面(即ちMnFeからなる被覆部)の一部が該炉材表面に固着していることが認められた。従って、本試験で用いられたような材質(表2参照)の炉材に接する表面にはフェライト被覆部を形成しないことが好ましい。
また、本発明の焼成治具ではフェライト被覆部が強固に基材に接着しているため、当該被覆部の一部の脱落が生じ難く、脱落したフェライト破片が炉のヒーターや断熱材に付着することを未然に防止し、これら炉の構成部材の長寿命化(換言すればフェライト破片の付着による劣化の回避)を図ることができる。
次に、各実施例及び比較例の焼成治具を用いて得られた焼結体(燃料極)Sを、4mol%の水素ガス(残部は窒素ガス)を含む還元雰囲気中において800℃で1時間の還元処理した。これにより、還元されたニッケルと安定化ジルコニアから成る燃料極が得られた。
得られた各燃料極(試料)に対して、一般的な直流4端子法により導電率(S/cm)を測定した。各試料に対して電極取り付け位置を異ならせつつ合計10ポイントで測定し、その平均値を求めた。
その結果、いずれの実施例の焼成治具を使用した場合も導電率の平均値が50S/cm以上であり、従来のアルミナ製焼成治具(セッター)上で焼成した場合の導電率(概ね15S/cm以下)よりも良好な導電率を示した。このことは、各実施例の焼成治具を用いて焼成することによって、燃料極に電気抵抗層(上述の図2参照)が形成されるのを防止し、また、焼成治具の固着を抑制し、万一焼成治具のフェライト被覆部の一部が付着したままであっても当該フェライトからなる被覆部自体が高い導電性を有するために燃料極の電気的性能を低下させないことを示すものである。
以上の試験結果から明らかなように、本発明の焼成治具を用いることによって、反り等の変形やクラックの無い且つ導電性の高い(即ち集電効率の良い)燃料極を製造(焼成)することができる。そして、本発明の焼成治具を用いて焼成した燃料極を使用することによって集電効率の高い、電気的特性に優れるSOFC(典型的には燃料極支持型のSOFC)を製造することができる。
典型的な燃料極支持型のSOFC(単セル)を模式的に示す断面図である。 さらにセパレータを備える燃料極支持型のSOFCを模式的に示す断面図である。 一実施例に係る焼成治具を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 焼成治具(セッター)
2 被覆部
3 基材
5 炉材
10 SOFC
12 燃料極
13 電気抵抗層
14 固体電解質
16 空気極
20 セパレータ
S 燃料極(多孔質基材)

Claims (6)

  1. 燃料極を構成する多孔質基材と、該基材上に配置された固体電解質と、該固体電解質上に配置された空気極とを備える固体酸化物形燃料電池を製造する方法であって、
    少なくとも前記燃料極を構成する多孔質基材が焼成される際に該多孔質基材と接触して配置される焼成治具として、
    マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料からなる基材と、該基材の表面の少なくとも一部であって前記焼成時に前記多孔質基材が接触し得る表面に形成された被覆部とを有し、該被覆部は、以下の式:
    MFe
    ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素である;
    で示されるフェライトにより形成されている焼成治具を使用することを特徴とする、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記焼成治具として、前記被覆部が前記式中のMとしてMnを含むフェライトにより形成されている焼成治具を使用する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記焼成治具として、マグネシアと安定化ジルコニアの合計を100質量%としたときの前記基材のマグネシア含有率が20〜70質量%である焼成治具を使用する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 燃料極を構成する多孔質基材と、該基材上に配置された固体電解質と、該固体電解質上に配置された空気極とを備える固体酸化物形燃料電池を製造するための焼成治具であって、
    マグネシアと安定化ジルコニアとの複合材料からなる基材と、
    前記基材の表面の少なくとも一部であって焼成時に被焼成物が接触し得る表面に形成された被覆部とを有し、
    前記被覆部は、以下の式:
    MFe
    ここでMは、Mn、Fe、Ni、Mg、Zn及びCoから成る群から選択される1種又は2種以上の元素である;
    で示されるフェライトにより形成されている、固体酸化物形燃料電池製造用焼成治具。
  5. 前記被覆部は、前記式中のMとしてMnを含むフェライトにより形成されている、請求項4に記載の焼成治具。
  6. マグネシアと安定化ジルコニアの合計を100質量%としたときの前記基材のマグネシア含有率は20〜70質量%である、請求項4又は5に記載の焼成治具。
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