JP2002348179A - 円筒状セラミック成形体の焼成方法 - Google Patents

円筒状セラミック成形体の焼成方法

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JP2002348179A
JP2002348179A JP2001161163A JP2001161163A JP2002348179A JP 2002348179 A JP2002348179 A JP 2002348179A JP 2001161163 A JP2001161163 A JP 2001161163A JP 2001161163 A JP2001161163 A JP 2001161163A JP 2002348179 A JP2002348179 A JP 2002348179A
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cylindrical ceramic
ceramic molded
cylindrical
firing
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JP2001161163A
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Masahito Nishihara
雅人 西原
Junji Tsumagari
順司 津曲
Shoji Yamashita
祥二 山下
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同時に大量に焼成できるとともに、容易に焼成
できる円筒状セラミック成形体の焼成方法を提供する。 【解決手段】円筒状セラミック成形体1の側面を台板9
上に当接せしめ、一端部が台板9に載置された一対の重
し10の他端部を、円筒状セラミック成形体1の両端か
ら中央側へ該円筒状セラミック成形体1の軸長方向収縮
長の1/2以上離れた部分にそれぞれ載置し、円筒状セ
ラミック成形体1の両端部を台板9側に押圧した状態で
焼成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒状セラミック成
形体の焼成方法に関するものであり、例えば固体電解質
型燃料電池(SOFC)等に用いられる円筒状セラミッ
ク成形体の焼成方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、円筒状セラミックスは、セラミック
粉末とバインダーとを原料としてセラミックコンパウン
ドを調製し、このセラミックコンパウンドに水を加えて
成形したものを乾燥後、台板(セッタ)上に横置きし1
000℃〜2000℃の高温で焼成して作製していた。
しかし、焼成時に焼成収縮の不均一等によってそりが発
生し、歩留まりが低下するという問題があった。
【0003】そこで、従来、特開平3−218982号
公報に開示されるように、未焼成の円筒状セラミック成
形体を吊り下げた状態で焼成する方法が採用されてい
る。また、特開平7−103661号公報に開示される
ように、円筒状セラミック成形体を吊り下げた状態で、
さらに回転を行いながら焼成する方法が採用されてい
る。
【0004】さらに、特開平6−72772号公報に開
示されるように、円筒状セラミック成形体を傾斜したセ
ッタ上に載置して焼成する方法が採用されている。
【0005】このような方法では、円筒状セラミック成
形体の焼成時におけるそりを低減できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
公報で開示された焼成方法では、基本的には円筒状セラ
ミック成形体を吊りながら焼成する方法であり、少量生
産に対しては有効であると考えられるが、一定形状をし
た円筒状セラミック成形体を同時に大量に作製する方法
としては不向きであり、大量の円筒状セラミックスを得
るためには、何回も焼成を行わなければならず、製造コ
ストが高くなったり、製造に長時間を要するという問題
があった。また、吊り下げるための特殊なジグが必要で
あり、このような特殊なジグにセットするのに長時間を
要するという問題もあった。
【0007】さらに、外径が10mm程度よりも大型の
円筒状セラミック成形体を焼成する場合には、吊り下げ
ジグへの取り付けも容易であったが、外径が小さくなる
につれて、従来のような吊り焼成では、吊り下げに長時
間を要したり、ジグセット時に円筒状セラミック成形体
の一部を壊してしまうという問題があった。
【0008】本発明は、同時に大量に焼成できるととも
に、容易に焼成できる円筒状セラミック成形体の焼成方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の円筒状セラミッ
ク成形体の焼成方法は、円筒状セラミック成形体(仮焼
体を含む)の側面を台板上に当接せしめ、一端部が前記
台板に載置された一対の重しの他端部を、前記円筒状セ
ラミック成形体の両端から中央側へ該円筒状セラミック
成形体の軸長方向収縮長の1/2以上離れた部分にそれ
ぞれ載置し、前記円筒状セラミック成形体の両端部を台
板側に押圧した状態で焼成することを特徴とする。
【0010】このような焼成方法によれば、円筒状セラ
ミック成形体の両端部を台板側に押圧した状態で焼成す
ることにより、焼成中のセラミックスの変形に対して長
さ方向に抑制された状態にあり、その結果、焼成後の円
筒状セラミックスの径方向へのそり(円筒状セラミック
の軸に対して直交する方向へのそり)を小さくすること
ができる。これにより、従来のように、円筒状セラミッ
ク成形体を吊り焼成しなくても、そりの小さな円筒状セ
ラミックスを得ることができる。
【0011】また、円筒状セラミック成形体の両端部に
重しの他端部を載置するとともに、この重しの他端部
を、円筒状セラミック成形体の端から中央側へ該円筒状
セラミック成形体の軸長方向収縮長の1/2以上離れた
部分に載置し、円筒状セラミック成形体の両端部を台板
側に押圧した状態で焼成することにより、焼成時に円筒
状セラミック成形体が軸長方向に収縮したとしても、重
しの他端部が円筒状セラミック成形体の端部から外れ、
台板上に落下することがなく、焼成終了時まで確実に重
しの他端部を円筒状セラミック成形体の両端部に載置し
た状態で焼成することができる。
【0012】即ち、円筒状セラミック成形体は、径方向
だけでなく、軸長方向にも焼成収縮するが、重しの他端
部が載置された位置が、円筒状セラミック成形体の軸長
方向収縮長の1/2よりも端面側であると、焼成時に重
しの他端部が円筒状セラミック成形体の両端部から外れ
落ち、焼成時に円筒状セラミック成形体の両端部を台板
側に押圧した状態で焼成することができなくなり、そり
が発生してしまうが、本発明では、重しの他端部を、円
筒状セラミック成形体の両端から中央側へ該円筒状セラ
ミック成形体の軸長方向収縮長の1/2以上離れた部分
に載置しているため、焼成時に円筒状セラミック成形体
の両端部を確実に台板側に押圧した状態で焼成すること
ができる。
【0013】また、本発明では、重しの一端部は、円筒
状セラミック成形体の軸長方向延長線上における台板上
に載置されていることが望ましい。これにより、焼成時
に円筒状セラミック成形体の両端部を確実に台板側に押
圧した状態で焼成することができる。
【0014】さらに、本発明では、一対の重しの上面に
セラミック板が掛け渡されており、該セラミック板が円
筒状セラミック成形体を被覆するように配置されている
ことが望ましい。これにより、円筒状セラミック成形体
の両端部への押圧力を制御することができるとともに、
両端部に均等の大きさで押圧力を印加することができ
る。
【0015】また、本発明では、円筒状セラミック成形
体が、円筒状空気極成形体の表面に固体電解質成形体
(仮焼体を含む)、燃料極成形体を順次積層してなり、
セラミック板の円筒状セラミック成形体側の面に、前記
燃料極成形体を構成する金属と同一金属の酸化物からな
る被覆層が形成されていることが望ましい。
【0016】このような製法によれば、円筒状セラミッ
ク成形体の特性(燃料電池セルの発電特性)を向上する
ことができる。その理由は明確ではないが、焼成時にセ
ラミック板により発熱源から円筒状セラミック成形体へ
印加される熱が緩和される点、または、セラミック板に
より焼成炉内の不純物が燃料極に降り注ぐの遮断してい
る点、あるいはセラミック板と円筒状セラミック成形体
間の雰囲気が燃料極と同じであるため、燃料極の変質を
抑制できるためと考えている。
【0017】また、本発明では、円筒状セラミック成形
体の直径が5mm以下であることが望ましい。このよう
な小径の円筒状セラミック成形体は、吊り焼成ではセッ
トに手間がかかり、また、セット時に円筒状セラミック
成形体を壊してしまうおそれがあるため、特に本発明の
焼成方法を用いる意義は大きい。
【0018】さらに、本発明では、台板には溝が形成さ
れており、該溝内に円筒状セラミック成形体が収容され
ていることが望ましい。このような台板を用いることに
より、円筒状セラミック成形体を所定位置に回転しない
状態で保持できるとともに、例えば、重しを容易に立て
掛けることもできる。
【0019】また、本発明では、円筒状セラミック成形
体に、該円筒状セラミック成形体とは異なる材料からな
る成形体が積層されていることが望ましい。このような
場合には、焼成時における円筒状セラミック成形体と積
層される成形体の焼成収縮量が異なりそりが発生し易い
ため、本発明を用いる意義が大きい。
【0020】
【発明の実施の形態】円筒状セラミックスとして円筒状
固体電解質型燃料電池セルを例にして本発明の焼成方法
を説明する。本発明の円筒状セラミック成形体の焼成方
法によれば、先ず、図1に示すような円筒状セラミック
成形体1を作製する。
【0021】この円筒状セラミック成形体1は、例え
ば、自己支持管としての機能を有する円筒状の空気極成
形体を押出し成形により作製し、その後1200〜13
00℃の温度で5〜20時間程度脱バインダー・仮焼を
行い、円筒状空気極仮焼体2を作製する。
【0022】次に、この空気極仮焼体2の表面に固体電
解質成形体を形成する。この固体電解質成形体はY23
等の周知の安定化剤により安定化された平均粒子径が
0.5〜3μmのZrO2からなる粉体を用いてスラリ
ーを調製し、その後ドクターブレード法などによりグリ
ーンシートを作製し、このグリーンシートの両端部が所
定間隔を置いて離間されるように、空気極仮焼体2の表
面に巻きつけて形成される。
【0023】そして、この空気極仮焼体2/固体電解質
成形体を1000〜1300℃の温度で1〜5時間程度
仮焼し、その後集電体の積層箇所となる固体電解質仮焼
体3aの端面間を研磨し、空気極仮焼体2を露出させ、
露出した空気極仮焼体2表面及び固体電解質仮焼体3a
の両端部に、集電体成形体4を積層する。集電体成形体
4はLaCrO3系の材料を使用し、固体電解質仮焼体
3aと同様にグリーンシートを積層して形成される。
【0024】また、固体電解質仮焼体3aと同一材料を
用いてスクリーン印刷で薄層の固体電解質成形体3bと
なるグリーンシートを作製し、このグリーンシートの表
面に、Ni金属とY23等の周知の安定化剤で安定化さ
れたZrO2との混合粉末を含有する導電性ペーストを
塗布し、乾燥して、グリーンシート上に燃料極成形体5
を形成し、上記した固体電解質仮焼体3aの表面に、燃
料極成形体5が形成されたグリーンシート(固体電解質
成形体3b)を積層し、これにより、円筒状セラミック
成形体1が作製される。
【0025】次に、図2に示すように、断面が三角形状
の溝8が形成された台板9に、円筒状セラミック成形体
1を、その集電体成形体4が下を向くように、言い換え
れば、上面に燃料極成形体5を有するように収納し、円
筒状セラミック成形体1の側面を台板9の溝8内に当接
せしめる。尚、図2では、燃料極成形体5が台板9に当
接しているが、燃料極は変質し易いため、燃料極成形体
5は台板9に当接せず、集電体成形体4が台板9に当接
することが望ましい。台板9は、円筒状セラミック成形
体1と焼成中に反応せず、また、不純物が拡散しないと
いう理由から、焼成温度以上で熱処理されたジルコニア
からなることが望ましい。また、溝8の形状は、円筒状
セラミック成形体1の上部が、台板9の上面から少々突
出するように作製されている。尚、平板であってもよ
い。この場合に集電体成形体を平板に当接させることが
望ましい。
【0026】この後、円筒状セラミック成形体1の両端
部を台板9側に押圧するために、図3に示すようなセラ
ミックスからなる重し10を準備する。この重し10
は、市販のジルコニア質の円筒チューブを縦方向に2分
割して形成された円弧面状であり、その側面には円筒状
状セラミック成形体1の外形寸法よりも少々大きい径を
有する円弧状の切り欠き10aが形成されている。
【0027】そして、重し10の切り欠き10aが形成
されていない一端部を、図4乃至図7に示すように、円
筒状セラミック成形体1の軸長方向延長線上における台
板9上に載置し、切り欠き10aが形成された他端部
を、この切り欠き10aを円筒状セラミック成形体1に
嵌め込むようにして当接せしめ、円筒状セラミック成形
体1の両端部を台板9側に押圧する。
【0028】この際、重し10の他端部が円筒状セラミ
ック成形体1に当接する位置xは、図7に示すように円
筒状セラミック成形体1が焼成収縮する際の軸長方向収
縮長をLとした場合、円筒状セラミック成形体1の両端
から中央側へL/2以上離れた部分とすることが重要で
ある。軸長方向収縮長Lは、上記した円筒状セラミック
成形体1の長さを測定し、両端部を押圧しない状態で焼
成した後の長さを測定し、除算することにより求めるこ
とができる。
【0029】重し10の他端部と円筒状セラミック成形
体1との間には、セラミックからなる重し10と円筒状
セラミック成形体1が反応しないように、重し10と、
円筒状セラミック成形体1との間に、セラミック成形体
11を介在させることが望ましい。このセラミック成形
体11としては、円筒状セラミック成形体1の両端部の
固体電解質成形体3bとの反応性が低く、また、不純物
の拡散がないという点から、固体電解質成形体3bを構
成するZrO2粉末の平均粒径よりも大きな固体電解質
材料からなることが望ましい。
【0030】そして、図6及び7に示すように、円筒状
セラミック成形体1の両端部に配置された重し10上面
に、NiO膜14が形成されたZrO2からなる円弧板
状セラミック板15を、NiO膜14を円筒状セラミッ
ク成形体1側に向けて載置し、焼成する。図7に示すよ
うに、セラミック板15は、燃料極成形体5とは当接し
ないようになっており、これにより、円筒状セラミック
成形体1の両端部が台板9側に押圧されている。このセ
ラミック板15は、不純物による拡散がないという理由
から、ジルコニアからなることが望ましい。
【0031】円弧板状のセラミック板15の重量と重し
10による押圧力は、円筒状セラミック成形体1の両端
部に、円筒状セラミック成形体1の仮焼後の仮焼体の圧
環強度の0.2〜0.8倍の荷重が印加されるように調
整されている。このように、円筒状セラミック成形体1
の両端部に、円筒状セラミック成形体1を仮焼した後の
圧環強度の0.2〜0.8倍の荷重を印加したのは、こ
の範囲ならば、円筒状セラミック成形体1の台板9側へ
の押圧力が適正化されているため、そりの小さな円筒状
セラミックスを得ることができるとともに、焼成後にお
ける円筒状セラミックスの外径の変形率も小さくするこ
とができるからである。
【0032】一方、圧環強度の0.2倍よりも小さい荷
重では、円筒状セラミック成形体1が軸長方向に移動
し、軸長に対して垂直方向に変形し易く、そりが発生し
易い。また、0.8倍よりも大きいと、円筒状セラミッ
ク成形体1が径方向に変形して、荷重が印加される部分
が潰れ易くなり、真円性が低下する。
【0033】尚、空気極仮焼体の肉厚は、固体電解質成
形体、燃料極成形体に比べて非常に大きいため、円筒状
セラミック成形体1の圧環強度は、空気極仮焼体3aの
圧環強度に支配される。
【0034】また、円筒状セラミック成形体1として
は、直径が10mm以下、特に5mm以下であることが
望ましい。このような小径の円筒状セラミック成形体1
は、従来の吊り焼成ではセットに手間がかかり、また、
大量焼成が必要であるため本発明が好適に用いられる。
この直径とは、円筒状セラミック成形体1の最大外径を
いう。
【0035】また、本発明では、円筒状セラミック成形
体1は長い程反りが発生し易いため、長さが100mm
以上、特には200mm以上の円筒状セラミック成形体
1を焼成する場合に本発明が好適に用いられる。
【0036】次に、円筒状セラミック成形体1の両端部
に、所定の荷重を印加した状態で大気などの酸化雰囲気
中、1300〜1600℃の温度で1〜10時間程度同
時に焼成することにより共焼結させ、円筒状の固体電解
質型燃料電池セルを作製する。
【0037】以上のような円筒状セラミック成形体1の
焼成方法では、重し10の他端部を、円筒状セラミック
成形体1の端から中央側へ円筒状セラミック成形体1の
軸長方向収縮長の1/2以上離れた部分に載置し、円筒
状セラミック成形体1の両端部を台板9側に押圧した状
態で焼成したので、焼成時に円筒状セラミック成形体1
が軸長方向に収縮したとしても、重し10の他端部が円
筒状セラミック成形体1の端部から外れ、台板9上に落
下することがなく、焼成終了時まで確実に重し10の他
端部を円筒状セラミック成形体1の両端部に載置した状
態で焼成することができる。
【0038】従って、円筒状セラミック成形体1の焼成
中における長さ方向の変形が抑制された状態にあり、そ
の結果、焼成後の円筒状セラミックスの径方向へのそり
(円筒状セラミクックスの軸に対して直交する方向への
そり)を小さくすることができる。これにより、従来の
ように、円筒状セラミック成形体1を吊り焼成しなくて
も、そりの小さな円筒状セラミックスを得ることができ
る。
【0039】また、本発明では、重し10の一端部は、
円筒状セラミック成形体1の軸長方向延長線上における
台板9上に載置されているため、焼成時に円筒状セラミ
ック成形体1の両端部を確実に台板9側に押圧した状態
で焼成することができる。
【0040】尚、上記形態では、円筒状セラミック成形
体1を、空気極仮焼体2の表面に、固体電解質仮焼体3
a、固体電解質成形体3b、燃料極成形体5、集電体成
形体4を形成して構成した例について説明したが、本発
明は、上記例に限定されるものではなく、例えば、円筒
状の空気極仮焼体2のみ又は空気極成形体を焼成する場
合に、本発明を用いても良い。さらに、円筒状の空気極
仮焼体2の表面に固体電解質仮焼体3a、或いは、円筒
状の空気極仮焼体2の表面に固体電解質仮焼体3a、固
体電解質成形体3b、燃料極成形体5、若しくは、円筒
状の空気極仮焼体2の表面に固体電解質仮焼体3a、集
電体成形体4を形成して構成しても良い。
【0041】さらに、上記例では、円筒状燃料電池セル
用の円筒状セラミック成形体の焼成方法について説明し
たが、例えば酸素センサ用の円筒状セラミック成形体の
焼成方法に適用しても良い。
【0042】また、溝8の形状を断面三角形としたが、
四角形でもよく、特に限定されるものではないが、溝8
の内面で円筒状セラミック成形体1が線接触することが
望ましい。また、台板は平板であってもよい。
【0043】また、円筒状の空気極成形体の焼成に本発
明を適用しても良い。この場合には、脱バインダ工程を
経るため、台板9への押圧力は、空気極成形体を仮焼し
た後の圧環強度の0.2〜0.8倍であることが望まし
い。
【0044】
【実施例】空気極を形成する粉末として市販の純度9
9.9%以上のLa23、CaCO 3、Mn23を出発
原料として、これをLa0.8Ca0.2MnO3の組成にな
るように秤量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉
砕して平均粒径5μmの固溶体粉末を得た。
【0045】また、この固溶体粉末にバインダーを添加
し、押し出し成形法で外径の異なる円筒状の空気極成形
体を作製した。この空気極成形体を乾燥後1250℃で
6時間脱バインダー・仮焼することにより、肉厚1mm
以上の円筒状の空気極仮焼体を作製した。
【0046】次に、共沈法により得られたY23を8モ
ル%の割合で含有する平均粒径が1μmのZrO2粉末
に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを調製
し、ドクターブレード法により厚み100μmの固体電
解質シートを作製した。
【0047】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3、Cr23、CaCO3を出発原料として、これをL
0.8Ca0.22CrO3の組成になるように秤量混合した
後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平均粒径が2
μmの固溶体粉末を得た。この固溶体粉末にトルエンと
バインダーを添加してスラリーを調製し、ドクターブレ
ード法により厚み100μmの集電体シートを作製し
た。
【0048】燃料極を形成する粉末として、平均粒子径
0.5μmのNi粉末と平均粒径が0.5μmのZrO
2(8モル%Y23含有)とを7:3で混合して混合粉
末を作製した。この混合粉末にバインダーを添加し導電
性ペーストを作製した。上記した固体電解質シートと同
様にして、厚さ20μmの薄層の固体電解質シートを作
製し、その上部に導電性ペーストを厚さ30μmとなる
ようにスクリーン印刷によって塗布した。
【0049】前記円筒状空気極仮焼体に、両端部が所定
間隔をおいて離間するように、前記固体電解質シートを
ロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮焼を行っ
た。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる固体電解質
仮焼体の両端部間の表面を、空気極仮焼体が露出するま
で表面上を平面研磨し、この平面研磨した部分に、前記
集電体シートを帯状に積層した。また、導電性ペースト
が塗布された薄層の固体電解質シートを、固体電解質仮
焼体の表面に巻きつけ、長さ250mmの円筒状セラミ
ック成形体を作製した。
【0050】このセラミック成形体は、空気極仮焼体の
全面に固体電解質仮焼体が形成されており、燃料極成形
体が固体電解質仮焼体の両端から70mm離れた中央部
に形成されている。
【0051】この状態で、大気中1545℃で2時間の
条件で共焼結し、焼成収縮量Lを測定したところ35m
mであった。
【0052】その後、図4〜7に示すように、ジルコニ
ア質台板の溝に前記円筒状セラミック成形体を横にして
収容し、共沈法により得られたY23を8モル%の割合
で含有する平均粒径が10μmのZrO2粉末に、トル
エンとバインダーを添加してスラリーを調製し、ドクタ
ーブレード法により厚み200μmの固体電解質シート
を作製し、この固体電解質シートを円筒状セラミック成
形体の両端部の固体電解質仮焼体の上面に配置し、この
固体電解質シート上に、ZrO2製からなる円弧曲面状
の重しの他端部に形成された切り欠きを当接するように
載置し、一端部を台板上に載置し、重しと円筒状セラミ
ック成形体が直線状になるように配置した。この際、重
しの他端部が円筒状セラミック成形体に当接する位置
を、円筒状セラミック成形体の両端から表1に示す距離
xとした。
【0053】さらに、一対の重しの上面に、NiO膜が
形成されたセラミック板を、NiO膜が燃料極成形体側
を向くように掛け渡して配置した。この後、大気中15
45℃で2時間の条件で共焼結を試みた。尚、円筒状セ
ラミック成形体の圧環強度は、空気極仮焼体の肉厚が非
常に大きいため、空気極仮焼体の圧環強度とした。
【0054】焼成後に重しの他端部が円筒状セラミック
成形体に当接しているかどうかを目視で確認し、さらに
円筒状の固体電解質型燃料電池セルのそりと変形率を測
定した。得られた燃料電池セルの成形後の外径、焼成時
の荷重と併せてこれらの結果を表1にまとめた。これら
変形率及びそりについて以下のようにして求めた。 (a)変形率 押圧された部分の円筒状セラミックスの内径を測定して
最大と最小の差を最大値で割って、潰れ具合(=歪みの
度合い)をあらわした。即ち、変形率={(最大内径−
最小内径)/最大径}×100により潰れ具合を表し
た。 (b)そり 両端を固定し円筒状セラミックスを軸方向に回転させた
ときの振れ{(最大外径−最小外径)/2}を一定間隔
でセル長手方向に対して求め、その最大値をセルの長さ
で割ったものである。即ち、そり=最大値{(最大外径
−最小外径)/2}/セル長さにより、そりを求めた。
焼成時の荷重は、セラミックス板と重しの合計重量を固
体電解質シートの面積で割ったものを採用した。
【0055】
【表1】
【0056】この表1から、重しが円筒状セラミック成
形体に当接する位置xが15mmの試料No.2では、
焼成後に重しが成形体から落下して外れており、セル自
身が若干弓形状に反っていることが目視でわかった。一
方、本発明品は、成形体外径に関わらずxが20mm以
上になると焼成後も重しはセル上部に当接しており、反
りはかなり抑制されていた。これは、セルを構成する空
気極支持管の焼成収縮率が14〜15%程度であること
から、支持管が収縮する長さ以上にセル両端部から一対
の重しを当接させることが効果があったと言える。
【0057】また、本発明者は、NiO膜を形成したセ
ラミック板を一対の重しに掛け渡して作成したセルと、
NiO膜を形成しないセラミック板を一対の重しに掛け
渡して作成したセルについて、発電性能の比較を行った
ところ、NiO膜を形成したセラミック板を用いた場合
には0.47W/m2であったが、NiO膜を形成しな
いセラミック板を用いた場合には0.3W/m2であっ
た。尚、反りについては両者とも0.02mmであっ
た。
【0058】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明の円筒状セ
ラミック成形体の焼成方法によれば、円筒状セラミック
成形体の側面を台板上に当接し、円筒状セラミック成形
体の両端部を台板側に押圧した状態で焼成することによ
り、焼成中のセラミックスの変形が長さ方向に抑制で
き、焼成後の円筒状セラミックスの径方向へのそりを小
さくすることができ、従来の吊り焼成よりも大量生産を
行うことができる。
【0059】また、円筒状セラミック成形体の両端部に
重しの他端部を載置するとともに、重しの他端部を、円
筒状セラミック成形体の端から中央側へ該円筒状セラミ
ック成形体の軸長方向収縮長の1/2以上離れた部分に
載置し、円筒状セラミック成形体の両端部を台板側に押
圧した状態で焼成することにより、焼成時に円筒状セラ
ミック成形体が軸長方向に収縮したとしても、重しの他
端部が円筒状セラミック成形体の端部から外れ、台板上
に落下することがなく、焼成終了時まで確実に重しの他
端部を円筒状セラミック成形体の両端部に載置した状態
で焼成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状セラミック成形体を示す概略断
面図である。
【図2】円筒状セラミック成形体を台板の溝内に収容し
た状態を示す断面図である。
【図3】重しを示す斜視図である。
【図4】円筒状セラミック成形体の両端部を重しにより
押さえた状態を示す縦断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】重しの上にセラミック板を掛け渡した状態を示
す断面図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・円筒状セラミック成形体 2・・・空気極仮焼体 3a・・・固体電解質仮焼体 3b・・・固体電解質成形体 5・・・燃料極成形体 8・・・溝 9・・・台板 10・・・重し 15・・・セラミックス板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状セラミック成形体の側面を台板上に
    当接せしめ、一端部が前記台板に載置された一対の重し
    の他端部を、前記円筒状セラミック成形体の両端から中
    央側へ該円筒状セラミック成形体の軸長方向収縮長の1
    /2以上離れた部分にそれぞれ載置し、前記円筒状セラ
    ミック成形体の両端部を台板側に押圧した状態で焼成す
    ることを特徴とする円筒状セラミック成形体の焼成方
    法。
  2. 【請求項2】重しの一端部は、円筒状セラミック成形体
    の軸長方向延長線上における台板上に載置されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の円筒状セラミック成形体
    の焼成方法。
  3. 【請求項3】一対の重しの上面にセラミック板が掛け渡
    されており、該セラミック板が円筒状セラミック成形体
    を被覆するように配置されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の円筒状セラミック成形体の焼成方法。
  4. 【請求項4】円筒状セラミック成形体が、円筒状空気極
    成形体の表面に固体電解質成形体、燃料極成形体を順次
    積層してなり、セラミック板の円筒状セラミック成形体
    側の面に、前記燃料極成形体を構成する金属と同一金属
    の酸化物からなる被覆層が形成されていることを特徴と
    する請求項3記載の円筒状セラミック成形体の焼成方
    法。
  5. 【請求項5】円筒状セラミック成形体の直径が5mm以
    下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれ
    かに記載の円筒状セラミック成形体の焼成方法。
JP2001161163A 2001-05-29 2001-05-29 円筒状セラミック成形体の焼成方法 Pending JP2002348179A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009252376A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Noritake Co Ltd 固体酸化物形燃料電池の製造方法および該製造に用いる焼成治具
US11776717B2 (en) 2018-07-05 2023-10-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Ceramic member and electronic device

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