JPH069268A - ジルコニア焼結体の製造方法 - Google Patents

ジルコニア焼結体の製造方法

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JPH069268A
JPH069268A JP5064948A JP6494893A JPH069268A JP H069268 A JPH069268 A JP H069268A JP 5064948 A JP5064948 A JP 5064948A JP 6494893 A JP6494893 A JP 6494893A JP H069268 A JPH069268 A JP H069268A
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JP
Japan
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sheet
weight
green sheet
area
sintered body
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Pending
Application number
JP5064948A
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English (en)
Inventor
Takao Kaga
隆生 加賀
Yuji Hoshi
雄二 星
Yutaka Kimura
裕 木村
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジルコニアのシート、特に0.5mm 以下の厚さ
で、15cm角以上の大きさのシート状のジルコニア焼結体
の製造方法において、ソリ、変形、割れ等がなく、機械
的強度に優れた、ジルコニア焼結体の製造方法の提供を
目的とする。 【構成】 シート状のジルコニア焼結体の製造方法にお
いて、重しを使用し、ジルコニアのグリーンシートに荷
重をかけた状態で焼成する。この際に、好ましくは重し
は気孔率が 5〜30%で、重しの単位面積あたりの重量を
W(g/cm2)、個々の重しの面積をS(cm2)、グリーンシート
の単位面積あたりにかかる荷重をG(g/cm2)としたとき
に、S ≦200 、G ≦5 、W/G ≧0.5を満足する状態で
使用するジルコニア焼結体の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状のジルコニア
焼結体の製造方法に関する。更に詳しくは、シートの面
積と厚さ及び長さにおいて、面積/厚さおよび長さ/厚
さの比率が大きいシート状のジルコニア焼結体の製造方
法に関する。該製造方法により得たこのシート状の焼結
体は、緻密で平坦でありソリあるいはウネリの無いこと
から、固体電解質の性質を利用したセンサーや燃料電池
用の電解質膜、或いは焼成用セッター等の工業用治具と
して利用可能である。
【0002】
【従来の技術】シート状のジルコニア焼結体の製造方法
としては、従来より、ドクターブレード法、カレンダー
ロール法、あるいは押し出し法などにより製造する方法
が知られている。ドクターブレード法ではジルコニア粉
末と有機バインダーおよび溶媒とからなるスラリーを用
い、ドクターブレードで一定の厚みにキャリアテープ上
に塗り、乾燥によって溶媒を揮発させ、固化させてグリ
ーンシートを得、切断、パンチングなどの加工を行った
後、焼成してシートとするものである。
【0003】このようにして得られるシート状の焼結体
は、その厚さが薄くなればなるほどソリあるいはウネリ
が生じ易くなり、サブミクロンのジルコニア微粒子を用
いて製造されたグリーンシートの焼成においては、この
傾向は特に著しくなる。そして、焼成後の焼結体シート
に生じたソリあるいはウネリの程度が実用上問題となる
にまで大きい場合には、シートに荷重をかけた状態で再
び焼成する等の方法により、ソリあるいはウネリを矯正
することが必要となる。
【0004】しかし、2回あるいはそれ以上の焼成は省
エネルギーの観点からも好ましいことではなく、また、
ソリあるいはウネリのある状態で荷重をかけることによ
り、割れ及び破損等による歩留まり低下が生じる恐れが
ある。更に、シートの面積/厚さの比率あるいは長さ/
厚さの比率が大きくなると、焼成によるシートのソリあ
るいはウネリの影響は著しく大きくなり、ソリあるいは
ウネリ自体に起因する割れ等の破損の頻度が増大してし
まう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の問題である、面積/厚さの比率および長さ/厚さの
比率の大きいシートを、焼結するに際し、ソリあるいは
ウネリの生成を無くす、焼結体の製造方法の提供を目的
とする。更に、本発明は、ソリ、変形、割れ等がなく、
機械的強度に優れたシート状の焼結体の製造方法の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、シート
状のジルコニア焼結体の製造方法において、重しを使用
し、ジルコニアのグリーンシートに荷重をかけた状態
で、該グリーンシートを焼成することを特徴とするジル
コニア焼結体の製造方法に関する。以下、本発明を更に
詳細に説明する。本発明のシート状のジルコニア焼結体
の製造方法は、重しを使用し、グリーンシートの段階か
ら荷重をかけた状態で焼成することを特徴とする。本発
明におけるシート状のジルコニア焼結体は、薄い板状の
ジルコニア焼結体であり、通常厚さが0.5mm以下で
あるとともに、その面積(cm2)を厚さ(cm)で割っ
たときの値が100以上のものである。シートの面積を
求める方法の例としては、例えば厚さ0.1mm、縦×
横が10cm×10cmの薄い直方体の形状のシートの
場合、面積は100cm2 とする。ただし、外周に囲ま
れる領域に穴があいている場合には、その穴の部分も含
めて計算する。
【0007】シート状のジルコニア焼結体の焼成前の状
態であるジルコニアのグリーンシートは、通常の方法、
すなわちドクターブレード法あるいは押出し法あるいは
カレンダーロール法あるいはプレス法等により得られる
ものを用いることができる。グリーンシートの大きさお
よび厚さは、目的とする焼結体の大きさおよび厚さと焼
成による線収縮率から求められる。
【0008】尚、本発明において、シート状の焼結体の
製造に用いられるジルコニア粉末は、安定化剤となる元
素を添加し、部分安定化或いは完全安定化したものであ
る。安定化剤となる元素の例としては、イットリウム、
カルシウム、マグネシウム及びイッテルビウムやセリウ
ムなどのランタノイド元素が挙げられる。とくに好まし
い例としては、イットリウム、イッテルビウムが挙げら
れる。
【0009】通常の方法、すなわち重しを使用せず、グ
リーンシートの段階から荷重をかけた状態で焼成するこ
とを行わない場合には、焼結体シートの厚さが1mmよ
り薄くなると、ソリあるいはウネリが生じ易くなり、
0.5mmより薄くなるとその程度は更に顕著となる。
焼結体のシート大きさが10cm角程度より大きくなる
とソリあるいはウネリに起因する割れ、破損が生じる頻
度が高くなる。破損の程度は、面積/厚さの比率あるい
は長さ/厚さの比率が大きくなるほど著しくなる。
【0010】従来の技術である荷重をかけてソリあるい
はウネリの矯正を行う再焼成と、本発明のグリーンシー
トの段階から荷重をかけた状態で焼成する方法は、一見
類似しているようであるが内容は大幅に異なる。従来の
技術の焼成により一旦変形してしまうことの影響は、再
焼成により矯正されたとしても残存し、焼成シートの強
度等の低下の恐れがある。また、矯正時の変形が大きい
場合には、焼結体の寸法精度が低下する。本発明の方法
では、シートにソリあるいはウネリを生じさせることな
く焼成を行うため、緻密であり表面平滑性に優れ寸法精
度の高いシートが得られ、焼結体シートの厚さが0.5
mm以下、特に0.3mm以下で有効である。厚さの下
限は特に限定しないが約0.001mmである。
【0011】更に、焼結体シートの長さと厚さの比率が
500以上、特に1000以上の場合に有効である。長
さと厚さの比率の上限は特に限定しないが約5000で
ある。尚、ここでのシートの長さは、シートの形状が四
角形の場合は対角線、円の場合は直径を意味し、板状の
グリーンシートより打ち抜いて更に複雑な形状にした場
合には、その輪郭のうちの最も離れた2点間の長さとす
る。
【0012】本発明のグリーンシートの段階から荷重を
かけた状態で焼成する方法においては、焼成中にシート
に対して均一に荷重をかけることが重要であり、シート
の面積が大きい場合、例えば、15cm角以上、特に2
0cm角以上の場合には、複数の重しを並べて使用する
方法が有効となる。重しの形状は、本発明の目的をそこ
なわない範囲で任意に選択できるが、荷重を均一にかけ
るために、通常少なくともグリーンシートに接する面は
平坦であるものを用いる。好ましい重しの形状の例とし
ては、正方形あるいは長方形の外形をしたほぼ均一な厚
さの板状のものが挙げられる。
【0013】重しの、グリーンシートに接触する面の表
面状態は、平坦であり平滑であることが重要であり、よ
り好ましいものとして、表面研磨をほどこしたものを用
いることができる。重しを使用しグリーンシートに荷重
をかける方法は、本発明の目的をそこなわない範囲で任
意に選択できるが、通常は重しを単独であるいは複数個
横に並べて使用し、グリーンシート上の全面に荷重をか
ける方法が採用される。また、荷重を調整するという点
では、必要に応じて重しを縦に積み重ねて用いる方法も
採用することができる。
【0014】重しの単位面積あたりの重量をW(g/c
2 )、個々の重しの面積をS(cm2 )、グリーンシ
ートの単位面積あたりにかかる荷重をG(g/cm2
としたときに、本発明において用いられる好ましい重し
の条件は、以下のとおりである。好ましい個々の重しの
面積は、S≦200、より好ましくはS≦150、更に
より好ましくはS≦100が成り立つ範囲である。
【0015】好ましいグリーンシートの単位面積あたり
にかかる荷重は、G≦5、より好ましくはG≦2、更に
より好ましくはG≦1.5が成り立つ範囲である。重し
として用いるため通常はW/G≦1となるが、好ましい
使用状態としては、W/G≧0.5、より好ましくはW
/G≧0.7、更により好ましくはW/G≧0.8が成
り立つ範囲である。
【0016】ここで、焼結したシートの面積をXcm2
そして、焼結前のグリーンシートの面積は、グリンシー
トの線収縮率をYとするとX×(1/Y)2 となる。
そして、N個の同じ大きさの重しをグリーンシートに並
べて置いた時、以下の関係式が成り立つ。
【0017】
【数1】X×(1/Y)2 ×G=S×W×N のちに述べる実施例及び比較例では、1/Y=1.3で
ある。本発明における個々の重しの面積Sは、グリーン
シートに接している個々の重しの、接している側の面の
面積のことである。そのため、グリーンシートからはみ
出した状態で重しを使用する場合には、はみ出している
部分の面積も含めて個々の重しの面積を計算することに
なる。
【0018】本発明における重しの単位面積あたりの重
量Wは、用いた重しの総重量を、個々の重しの面積Sの
総和で割ることにより求めることができる。更に、本発
明におけるグリーンシートの単位面積あたりにかかる荷
重Gは、用いた重しの総重量を、グリーンシートの総面
積で割ることにより求められる。重しの材質は、ジルコ
ニアとほとんど反応を起こさずに、耐熱性のあるものが
好ましく、その例としては多孔質のアルミナ等があげら
れる。好ましい重しの気孔率の範囲としては、5〜30
%、より好ましくは10〜20%である。気孔率が5%
より小さくなると、脱脂時のガスの抜け出しが困難とな
り、シートの破損の確率が高くなってしまう。気孔率が
30%より大きくなると、重しの強度が弱くなり、使用
時の取扱いに困難が生じる。
【0019】グリーンシートをのせるセッターは、重し
と同様の材質のものを用いることができるが、高温時の
クリープ変形が無視できる程度に小さいことが重要であ
る。そのため、セッターの厚さは少なくとも5mm以
上、好ましくは1cm以上、更に好ましくは2cm以上
であり、大きさは重しよりも大きく、耐熱性のあるもの
を用いることが必要である。
【0020】グリーンシートの焼成温度は、通常130
0〜1600℃、より好ましくは1350〜1500℃
で0.2〜10時間、より好ましくは1〜4時間で行う
ことができる。昇温速度は、通常5℃/分以下である
が、特に焼成収縮の始まる時点からは小さくすることが
重要である。焼成収縮時の好ましい昇温速度の範囲は、
1.5℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下、更に
好ましくは0.5℃/分以下である。以下、本発明を実
施例により具体的に説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1〜12及び比較例1〜4 以下に記載の(A1)、(A2)の原料をそれぞれ用
い、以下に記載の方法でシート成形用スラリー、グリー
ンシート及び焼結体の作製を行った。 [ジルコニア粉末原料] (A1):Y23 を3mol%含有する、遠心沈降法
で測定した平均粒子径が0.2μmでBET法比表面積
が9m2 /gであるジルコニア粉末(特開昭63−18
5821号公報に記載の方法で製造)。
【0022】(A2):Y23 を8mol%含有す
る、遠心沈降法で測定した平均粒子径が0.22μmで
BET法比表面積が8.7m2 /gであるジルコニア粉
末(特開昭63−185821号公報に記載の方法で製
造)。 [解膠剤]:ポリカルボン酸アンモニウム塩 固形分4
0重量% [バインダー]:アクリル系水溶性樹脂 固形分40重
量% [溶媒]:蒸留水
【0023】[シート成形用スラリーの作製法]:ジル
コニア粉末100重量部と解膠剤および蒸留水により、
固形分濃度80%の分散スラリーを作製した。更に、有
機バインダーを固形分換算20部添加し調合し、ジルコ
ニア製粉砕メディアを用いて3日間ボールミル混合を行
った。消泡剤は、有機バインダーとともに0.03部、
混合終了直前に0.07部使用した。得られたシート成
形用スラリー組成は、真空脱泡機を用いて脱泡、粘度調
整を行った。調整後の粘度は、約15000cpsであ
った。
【0024】[グリーンシートの作製法]:通常のドク
ターブレード装置を用い、キャリアテープの送り速度1
0m/時間として、上記のシート成形用スラリーの塗工
を行った。ドクターブレードの間隔は焼結体シートの厚
さに合わせて調整を行った。乾燥は、熱風により2℃/
分の速度で約130℃まで昇温してグリーンシートを得
た。
【0025】[焼結法]:得られたグリーンシートを、
所定の大きさに切断し、気孔率約15%のアルミナ質か
らなるセッターおよび正方形の外形をした板状の重しを
用い、電気炉により1450℃で2時間の焼成を行っ
た。焼成収縮時の昇温速度は0.5℃/分とした。尚、
重しを複数用いる時は、同じ大きさの重しを並べて用い
た。重しの条件および焼結体シートの評価の結果もあわ
せて表1にまとめた。
【0026】第1表中には本発明の数値限定範囲外の例
を比較例1〜4として併せて記載した。尚、判定の項目
において、◎は全く破損が認められなっかたもの、○は
実用上問題が無いものをあらわす。×は割れてしまった
ことをあらわす。
【0027】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状のジルコニア焼結体の製造方法
    において、重しを使用し、ジルコニアのグリーンシート
    に荷重をかけた状態で、該グリーンシートを焼成するこ
    とを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 重しを、重しの単位面積あたりの重量を
    W(g/cm2 )、個々の重しの面積をS(cm2 )、
    グリーンシートの単位面積あたりにかかる荷重をG(g
    /cm2 )としたときに、次の式 S≦200 G≦5 W/G≧0.5 を満足する状態で使用する請求項1に記載のジルコニア
    焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重しが、多孔質の材料からなり、その気
    孔率が5〜30%である請求項1に記載のジルコニア焼
    結体の製造方法。
JP5064948A 1992-03-25 1993-03-24 ジルコニア焼結体の製造方法 Pending JPH069268A (ja)

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JP5064948A JPH069268A (ja) 1992-03-25 1993-03-24 ジルコニア焼結体の製造方法

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JP4-67065 1992-03-25
JP6706592 1992-03-25
JP5064948A JPH069268A (ja) 1992-03-25 1993-03-24 ジルコニア焼結体の製造方法

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JP (1) JPH069268A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6001761A (en) * 1994-09-27 1999-12-14 Nippon Shokubai Co., Ltd. Ceramics sheet and production method for same
US8221916B2 (en) 2008-01-31 2012-07-17 Ohara Inc. Method for manufacturing lithium ion secondary battery
US8431287B2 (en) 2007-09-25 2013-04-30 Ohara Inc. Lithium ion conductive solid electrolyte and method for producing the same
JP2017178715A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 日立金属株式会社 セラミック焼結板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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