JP4984802B2 - 固体電解質形燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には固体電解質形燃料電池用セパレータに関し、特定的には、電気絶縁性の酸化物からなる本体部と、この本体部に形成された電気導電性の電子通路部とを備えた固体電解質形燃料電池用セパレータに関するものである。
一般的に、平板型の固体電解質形燃料電池(固体酸化物燃料電池(SOFC)ともいう)は、各々がアノード(負極)、固体電解質およびカソード(正極)からなる発電要素としての平板状の複数のセルと、複数のセルの間に配置されるセパレータ(インタコネクタともいう)とから構成される。セパレータは、複数のセルを相互に電気的に直列に接続し、かつ、複数のセルの各々に供給されるガスを分離するために、具体的にはアノードに供給される燃料ガス(たとえば水素)と、カソードに供給される酸化剤ガス(たとえば空気)とを分離するために複数のセルの間に配置される。
従来から、セパレータは、耐熱性の金属材料またはランタンクロマイト(LaCrO)などの導電性のセラミック材料から形成されている。このような導電性材料を用いてセパレータを形成すると、一種類の材料で上記の電気的接続とガスの分離という機能を果たす部材を構成することができる。
一方、セパレータは、セルを構成する三層の部材、すなわち、アノード(燃料極)、電解質およびカソード(空気極)を構成する三層の部材に接合され、かつ、燃料ガスと酸化剤ガスの漏れを防止するためにセパレータと三層の部材の周縁部が気密シールされて配置される。このため、三層の部材に接合される際にセパレータや三層の部材が割れたり、変形したりすることがないようにしなければならない。この問題を解決するために、セパレータの材料として、三層の部材に近似した熱膨張係数を有する材料を選定する必要がある。
このような要求を満足するようにセパレータの材料の選択範囲を広げることが可能なセパレータの構成が、たとえば、特開2000−36310号公報(特許文献1)に開示されている。
図4は、上記の公報に開示された従来のセパレータの構成を示す図である。
図4に示すように、セパレータは、電気絶縁性の酸化物からなるセパレータ本体102と、セパレータ本体102を貫通するように設けられた電気導電性の電子流路材105とから構成される。このセパレータは、マグネシア(MgO)とスピネル(MgAl)とから構成され、焼成によって得られたセパレータ本体102に貫通孔を形成し、その貫通孔に電気導電性の酸化物、たとえば、ランタンクロマイト(LaCrO)からなる電子流路材105を嵌合または接合して製造される。この場合、セパレータ本体102は電気絶縁性の材料から形成されるので、適切な熱膨張係数を有するように材料を選択すればよい。なお、平板状のセパレータ本体102の対向する2組の辺に積層用枠体103とガス流通用枠体104が接合される。
また、特開2003−132914号公報(特許文献2)には、セパレータとしてのガス隔離板が、複数の導電性ビアを含む緻密なセラミック材料の一以上の層から構成されることが開示されている。この場合、ガス隔離板は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、たとえば3モル%のイットリア安定化ジルコニア、あるいは、セリアを主体とする電解質、セリアをドープしたLaGaO電解質等のセラミック材料からなる。
特開2000−36310号公報 特開2003−132914号公報
しかしながら、上記の特開2000−36310号公報(特許文献1)に開示されたセパレータでは、その本体がスピネルを含むので、焼成温度が高いため、製造コストが高くなる。
また、セパレータ本体の焼成温度が高いと、電子流路材を構成する電気導電性の材料の選択範囲が狭くなる。仮に、銀(Ag)−パラジウム(Pd)系合金を電気導電性の材料として用いる場合、セパレータ本体の焼成温度が1500℃のとき、パラジウムの含有率が100%に近い材料を用いる必要があり、材料コストが高くなる。逆に、セパレータ本体の焼成温度が低くなるほど、銀の含有率が高い銀−パラジウム合金を電気導電性の材料として用いることができ、材料コストを低減することが可能になる。
さらに、上記の特開2003−132914号公報(特許文献2)で提案されているように、気密なシールを形成する必要性をなくするために、セルを構成する三層の構成材料とセパレータの構成材料とを同時に焼成して製造することが考えられる。この場合、セパレータ本体の焼成温度が三層の構成材料の一般的な焼成温度である1300〜1400℃よりも高いと、上記の同時焼成を行うことが困難になる。
ところで、上記の特開2000−36310号公報(特許文献1)では、スピネルを含む混合物を1400〜1800℃で焼成して多孔質酸化物からなるセパレータ焼成体を作製し、このセパレータ焼成体の表面にSiO、CaOおよびAlを含む混合スラリを塗布して1200〜1400℃で熱処理することにより、多孔質の酸化物板の表面に緻密質の酸化物膜をコーティングしたセパレータ本体を製造する方法が開示されている。
しかしながら、このようなセパレータ本体においては、緻密質の酸化物膜が使用環境のヒートサイクル下にて剥がれてしまうという問題がある。また、表面に緻密質の酸化物膜を設けても、セパレータ本体の内部が多孔質酸化物からなるので、セパレータ本体としての機械的強度が低いという問題がある。さらに、セパレータ本体の内部はスピネルを含むので、スピネル自体の機械的強度が低いため、使用環境によってはセパレータ本体が破壊する可能性がある。
なお、上記の特開2003−132914号公報(特許文献2)には、セパレータとしてのガス隔離板は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、たとえば3モル%のイットリア安定化ジルコニア、あるいは、セリアを主体とする電解質、セリアをドープしたLaGaO電解質からなることが記載されている。しかしながら、これらの材料は酸化物イオン導電性を有するので、セルを構成する三層の部材に対して逆の起電力を発生させ、電池の発電効率に対して損失を生じさせるため、電池の機能に悪影響を及ぼすという問題がある。
そこで、この発明の目的は、相対的に低い温度で焼成することができるとともに、機械的強度を高めることが可能な固体電解質形燃料電池用セパレータの構成を提供することである。
この発明に従った固体電解質形燃料電池用セパレータは、電気絶縁性の酸化物からなる本体部と、この本体部に形成された電気導電性の電子通路部とを備えた固体電解質形燃料電池用セパレータであって、本体部がセリア安定化ジルコニアを主成分として含むことを特徴とするものである。
この発明の固体電解質形燃料電池用セパレータにおいては、本体部がセリア安定化ジルコニアを主成分として含むので、焼成温度を低くすることができる。
部分安定化ジルコニアの一種であるセリア安定化ジルコニアは、従来のセパレータ本体を構成するスピネルに比べて、機械的な応力に対して破壊し難いので、セパレータの機械的強度を高めることができる。また、セリア安定化ジルコニアは、従来のセパレータ本体を構成するスピネルに比べて、低温で焼成することができるので、電子通路部を構成する電気導電性の材料と共焼結する場合において、電気導電性の材料の選択範囲を広げることができる。
さらに、セリア安定化ジルコニアは、固体電解質を構成するイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)と同じ蛍石型のジルコニア固溶体の一種であり、これらの固体電解質の材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数で、かつ、固体電解質の材料の熱膨張係数よりもわずかに大きい熱膨張係数を有する。このため、セルを構成する固体電解質に本発明のセパレータを接合すると、固体電解質に作用する熱応力が小さく、固体電解質には圧縮応力が作用するので、熱応力による固体電解質の破壊を抑制することができる。セリア安定化ジルコニアは、上記の固体電解質の材料とほぼ同じ温度で焼成することができ、主成分もほぼ同じであるので、拡散による変動が少ないため、セパレータの本体部と固体電解質、ひいては、セパレータとセルを構成する三層の部材とを同時に焼成することも可能となる。
なお、セリウムはイットリウムやカルシウムなどの他のジルコニア安定化材と異なり、セリア安定化ジルコニアにおいては、ジルコニアと同じ4価が安定であるので、酸素欠損を形成しない。これにより、セリア安定化ジルコニアは酸化物イオン導電性を有しない。したがって、セパレータの本体部をセリア安定化ジルコニアで構成しても、セルを構成する三層の部材に対して逆の起電力を発生させ、電池の発電効率に対して損失を生じさせることがないので、電池の機能に悪影響を及ぼすことがない。
この発明の固体電解質形燃料電池用セパレータにおいては、本体部と電子通路部とが共焼結によって形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、共焼結時の相互拡散により本体部と電子通路部との間を接合することができるので、本体部と電子通路部との間に空隙が発生するのを抑制することができ、その結果として、ガス漏れが生じるのを防止することができる。また、セパレータを安価に製造することができる。
また、この発明の固体電解質形燃料電池用セパレータにおいては、本体部がジルコン(ZrSiO)またはアルミナ(Al)をさらに含むことが好ましい。
セパレータの本体部を構成するセリア安定化ジルコニアは、固体電解質の材料の熱膨張係数よりもわずかに大きい熱膨張係数を有する。このため、ジルコンまたはアルミナという雰囲気安定性の高いセラミックスをセリア安定化ジルコニアに混合することにより、セパレータの本体部の熱膨張係数を小さくすることができるので、セパレータの本体部の熱膨張係数を固体電解質の材料の熱膨張係数とほぼ同じに、または、固体電解質の材料の熱膨張係数に近づけることができる。これにより、セルを構成する固体電解質に本発明のセパレータを接合したときに固体電解質に作用する熱応力を制御して微調整することができ、熱応力による固体電解質の破壊をより効果的に抑制することができる。
さらに、この発明の固体電解質形燃料電池用セパレータにおいては、セリア安定化ジルコニアが10モル%以上20モル%以下のセリアを含むことが好ましい。
セリアの含有率が10モル%未満であると、昇温過程や降温過程において相転移による体積変動が起こるので、電解質を含む三層の部材からなるセルに本発明のセパレータを接合したときに大きな熱応力を発生させる原因となる。一方、セリアの含有率が20モル%を超えると、機械的強度が低下する。したがって、セルとの接合時において割れ等の破壊をもたらす可能性のある大きな熱応力が発生するのを防止し、かつ、セパレータの本体部の機械的強度の低下を防止するためには、セパレータの本体部を構成するセリア安定化ジルコニアにおけるセリアの含有率は上記の範囲内に制御するのが好ましい。
以上のようにこの発明によれば、電気絶縁性の酸化物からなる本体部と、この本体部に形成された電気導電性の電子通路部とを備えた固体電解質形燃料電池用セパレータにおいて、セパレータを製造するための焼成温度を低くすることができるとともに、セパレータの機械的強度を高めることができる。
以下、この発明の一つの実施の形態を図面に基いて説明する。
図1は、この発明の一つの実施の形態として固体電解質形燃料電池用セパレータの構成を示す概略的な平面図である。
図1に示すように、セパレータ1は、電気絶縁性の酸化物からなる本体部10と、本体部10に形成された複数の電気導電性の電子通路部20とから構成される。本体部10はセリア安定化ジルコニアを主成分として含む。
図2は、図1のII−II線における一つの実施形態のセパレータの断面を示す断面図である。
図2に示すように、本体部10は、二層の本体部11と12とからなる、本体部11には電子通路部21が形成され、本体部12には電子通路部22が形成されている。本体部11と12の界面には、隣り合う電子通路部21と22とが電気的に導通するように、電子通路部の構成材料と同じ材料からなる電気導電性の薄膜が形成されている。このように構成されるセパレータは、本体部10を構成する二つの本体部11と12の構成材料と、電子通路部21と22の構成材料とを共焼結することによって形成される。
図3は、図1のIII−III線におけるもう一つの実施形態のセパレータの断面を示す断面図である。
図3に示すように、電子通路部のために複数の貫通孔が形成された本体部13が焼成によって形成される。電子通路部を形成する電気導電性の材料からなる棒体23が複数の貫通孔に圧入されることによって、セパレータが作製される。このように本体部を焼成によって形成した後、電子通路部を構成する棒体を本体部に接合することによって本発明のセパレータを作製してもよい。
以下、この発明の実施例について説明する。
(セパレータの本体部の材料評価)
まず、以下のようにして、表1に示す実施例1〜7と比較例1〜3のセパレータの本体部の各試料を作製し、その材料を評価した。
表1に示すように、実施例1〜7と比較例1〜3の各試料にて、セパレータの本体部を構成する主材料と添加剤の材料としての各種の酸化物粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、厚みが300μmのグリーンシートを成形した。このグリーンシートを焼成した後、5cm×5cmの大きさのシートに切断した。得られた2枚のシートを積層した後、圧力1000kgf/cm、温度80℃で2分間圧着した。この圧着体を400〜500℃の範囲内の温度で脱脂した後、温度1000〜1500℃の範囲内で50℃間隔の各温度で2時間保持することによって、各焼成温度について焼成体を作製した。
このようにして得られた各焼成温度についての焼成体の焼成密度をアルキメデス法によって測定し、相対密度が95%以上である焼成体の焼成温度を実施例1〜7と比較例1〜3の各試料における最低焼成温度[℃]とした。
また、最低焼成温度で焼成した試料の熱膨張係数[×10−6]を熱機械分析法(Thermomechanical Analysis)により、室温から1000℃までの昇温過程における熱膨張係数を測定した。温度1000℃から100℃までの降温過程における熱膨張挙動も測定し、昇温過程と降温過程との間での変化、すなわち、体積変動がないかどうかについて検証した。この体積変動は相転移により発生する。安定化が不足しているジルコニアでは、室温付近の低温では単斜相が安定相であり、1000℃付近の高温では正方相が安定相であり、これらの二つの相の間で相転移すると、6%程度の体積変動を起こす。体積変動を起こすと、割れが発生したり、接合時に大きな応力を発生させる原因になる。
さらに、得られた焼成体の温度800℃における酸化物イオン導電性の有無を調べた。得られた焼成体の抗折強度[MPa]も測定した。
以上の測定結果として、熱膨張係数[×10−6](室温から1000℃までの平均熱膨張係数)、最低焼成温度[℃]、抗折強度[MPa]、イオン導電性の有無、体積変動の有無を表1に示す。
(セパレータの評価)
表1に示すように実施例1〜7と比較例1〜3にて、共焼結と接合の2種類の製造方法でセパレータを作製した。
共焼結によってセパレータを製造する場合には、図2に示すように本体部11と12のそれぞれにて電子通路部21と22を形成する位置で、対応する貫通孔の形成位置が重ならないように、上記で得られた2枚のグリーンシートに異なる配置の貫通孔を形成した。各貫通孔に銀(Ag)50重量%−パラジウム(Pd)50重量%の合金のペーストを充填した。隣り合う電子通路部21と22を形成する貫通孔を接続するように、上記と同じ組成のペーストを2枚のグリーンシートのいずれかの表面に印刷した。その後、図2に示すように2枚のグリーンシートを積層し、上記と同様の条件で圧着した。この圧着体を5cm×5cmの大きさに切断した後、上記の最低焼成温度以上の温度で焼成した。
接合によってセパレータを製造する場合には、図2に示す本体部11にて電子通路部21を形成する位置で、対応する貫通孔の形成位置が重なるように、上記で得られた2枚のグリーンシートに同じ配置の貫通孔を形成した。その後、2枚のグリーンシートを積層し、上記と同様の条件で圧着した。この積層体を5cm×5cmの大きさに切断した後、上記の最低焼成温度以上の温度で焼成した。得られた焼成体の貫通孔に、電子通路部を形成する導電材として、別途焼結によって作製された円柱状のランタンクロマイト(LaCrO3)焼結体または銀(Ag)−パラジウム(Pd)焼結体を圧入した。
以上のようにして得られたセパレータの各試料の電子通路部を含むように、各試料を3cm×3cmの大きさの透過セルで挟み、各試料の両側を窒素ガスで充填した後に、各試料の片側を気圧1Paまで減圧した。減圧した側の圧力変動を記録し、ガス透過係数[cm/m・24h・atm]を測定した。なお、本発明のセパレータの好ましい実施の形態としては、JIS K7126のB法に準拠して測定された窒素ガスの透過係数が30[cm/m・24h・atm]以下であり、より好ましくは15[cm/m・24h・atm]以下である。このガス透過率が大きすぎると、セパレータを燃料電池に組み込んだ際に燃料ガスの漏れが生じて、本発明の作用効果を達成することができない。
以上のようにして測定されたガス透過係数も表1に示す。
なお、表1の「主材料」の欄にて、たとえば「12CeSZ」は添加量12モル%のセリアで部分安定化したジルコニア、「3YSZ」は添加量3モル%のイットリアで部分安定化したジルコニアであることを示す。
Figure 0004984802
表1に示す結果から、主材料が部分安定化ジルコニアである実施例1〜7と比較例3は、主材料がスピネルである比較例1と2に比べて、低温で焼成することができ、抗折強度が高いことがわかる。また、主材料がイットリア安定化ジルコニアである比較例3はイオン導電性を示したが、主材料がセリア安定化ジルコニアである実施例1〜7と主材料がスピネルである比較例1と2はイオン導電性を示さなかった。実施例6のようにセリアの添加量が少ない場合には、正方相から単斜相への相転移が見られ、熱機械分析法によって検知できる程度の体積変動が観測された。実施例7のようにセリアの添加量が多い場合には、立方相が増え、部分安定化ジルコニアの高強度を担保する正方相のマルテンサイト様相変態による寄与が低下するので、抗折強度が低下することがわかる。
より具体的には、実施例1〜7と比較例1〜2との対比から、セリア安定化ジルコニアをセパレータの本体部の主材料として用いると、低温で焼成することが可能になることがわかる。また、実施例1〜7と比較例3との対比から、セリア安定化ジルコニアをセパレータの本体部の主材料として用いると、イオン導電性を示さないことがわかる。
実施例1〜4、実施例6〜7、比較例3と、実施例5、比較例1〜2との対比から、セパレータを共焼結法によって作製した方が、ガス透過係数が小さく、気密性の高いセパレータを得ることができることがわかる。これは、焼結後、電子通路部の導電材を接合する方法よりも共焼結法を用いる方が、拡散によって本体部と電子通路部とを密接に接合することができるからである。
実施例1〜2と実施例3〜5との対比から、ジルコンまたはアルミナを添加してセパレータの本体部を作製すると、セパレータの本体部の熱膨張係数を小さくすることができ、固体電解質を構成するイットリア安定化ジルコニアの熱膨張係数である10.8×10−6、スカンジア安定化ジルコニアの熱膨張係数である10.7×10−6により近づけることが可能になることがわかる。なお、この場合、添加されるアルミナまたはジルコンは、遷移金属などの価数変動の起こしやすい元素を含まないので、還元雰囲気にさらされても問題を生じさせることがない。
実施例1〜5と実施例6〜7との対比から、セリアの添加量が10モル%未満になると、温度変化による相転移に起因する体積変動が生じ、セリアの添加量が20モル%を超えると、抗折強度が低下することがわかる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであることが意図される。
この発明の一つの実施の形態として固体電解質形燃料電池用セパレータの構成を示す概略的な平面図である。 図1のII−II線における一つの実施形態のセパレータの断面を示す断面図である。 図1のIII−III線におけるもう一つの実施形態のセパレータの断面を示す断面図である。 従来のセパレータの構成を示す図である。
符号の説明
1:セパレータ、10:本体部、20:電子通路部。

Claims (4)

  1. 電気絶縁性の酸化物からなる本体部と、前記本体部に形成された電気導電性の電子通路部とを備えた固体電解質形燃料電池用セパレータであって、
    前記本体部がセリア安定化ジルコニアを主成分として含むことを特徴とする、固体電解質形燃料電池用セパレータ。
  2. 前記本体部と前記電子通路部とが共焼結によって形成されている、請求項1に記載の固体電解質形燃料電池用セパレータ。
  3. 前記本体部がジルコンまたはアルミナをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の固体電解質形燃料電池用セパレータ。
  4. 前記セリア安定化ジルコニアが10モル%以上20モル%以下のセリアを含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池用セパレータ。
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