JP2011175968A - 燃料電池セル、それを用いたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 - Google Patents

燃料電池セル、それを用いたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 インターコネクタと固体電解質層との剥離を抑制できる燃料電池セルならびにそれを備えたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供する。
【解決手段】 本発明の燃料電池セル1は、インターコネクタ6の端部が固体電解質層4の端部上に重なって接合されており、かつ固体電解質層4および内側電極層3のうち少なくとも一方の端部の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部の一部が介在していることから、インターコネクタ6と、固体電解質層4や内側電極層3との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と、固体電解質層4や内側電極層3との接合を強固にすることができる。それにより、インターコネクタ6と、固体電解質層4や内側電極層3とが剥離することを抑制でき、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セル、それを用いたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルを電気的に直列に複数個接続してなるセルスタック装置を、収納容器内に収容してなる燃料電池装置が種々提案されている。
このようなセルスタック装置を構成する燃料電池セルとしては、ガス流路を内部に有する導電性支持体の一方の主面上に多孔質な内側電極層、緻密質な固体電解質層および多孔質な外側電極層がこの順に積層され、他方の主面上に緻密質なインターコネクタが設けられているとともに、内側電極層および固体電解質層の両端部が他方側の主面まで延設され、該延設された固体電解質層の両端部に、インターコネクタの両端部がそれぞれ重畳され、接合されている燃料電池セルが知られている(特許文献1参照。)。
また、このような燃料電池セルの複数個を集電部材を介して電気的に直列に接続してなるセルスタック装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2005−158529号公報 特開2008−135304号公報
ところで、燃料電池セルの作製時等において、インターコネクタ層と固体電解質層とが剥離する場合があり、燃料電池セルの長期信頼性が低下するおそれがある。
それゆえ、本発明は、インターコネクタと固体電解質層との剥離を抑制できる燃料電池セルならびにそれを備えたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供することにある。
本発明の燃料電池セルは、固体電解質層の両端部にインターコネクタ層の両端部をそれぞれ接合して、内部にガスが流通するガス流路を形成するとともに、前記固体電解質層の外側に外側電極層を、内側に内側電極層を形成してなる固体酸化物形燃料電池セルであって、前記インターコネクタ層の両端部がそれぞれ二股に分かれて二股部が形成されており、該インターコネクタ層の前記二股部で前記固体電解質層の端部が挟まれていることを特徴とする。
このような燃料電池セルにおいては、インターコネクタ層の端部における二股部で固体電解質層の端部が挟まれているため、インターコネクタ層と固体電解質層との接合強度が向上し、インターコネクタ層と固体電解質層との剥離を抑制できる。
本発明の燃料電池セルは、柱状の導電性支持体の外周面の一の領域にインターコネクタが設けられており、前記外周面のうち前記一の領域と対向する他の一の領域に、内側電極
層、固体電解質層および外側電極層がこの順に積層された積層体が設けられているとともに、該積層体のうち前記内側電極層および前記固体電解質層の端部が前記インターコネクタと隣接するように配置されている燃料電池セルであって、前記インターコネクタの端部が前記固体電解質層の端部上に重なって接合しており、かつ前記固体電解質層および前記内側電極層のうち少なくとも一方の端部の前記導電性支持体側に前記インターコネクタの端部の一部が介在していることを特徴とする。
このような燃料電池セルにおいては、インターコネクタの端部が固体電解質層の端部上に重なって接合しており、かつ固体電解質層および内側電極層のうち少なくとも一方の端部の導電性支持体側にインターコネクタの端部の一部が介在していることから、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合を強固にすることができる。それにより、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層とが剥離することを抑制でき、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、固体電解質層および内側電極層のうち少なくとも一方の端部の端面が、上端が下端よりもインターコネクタ側に突出した傾斜面であることが好ましい。
このような燃料電池セルにおいては、固体電解質層および内側電極層のうち少なくとも一方の端部の端面が、上端が下端よりもインターコネクタ側に突出した傾斜面であることから、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合を強固なものとすることができる。
さらに、本発明の燃料電池セルは、固体電解質層および内側電極層のうち少なくとも一方の端面が、上端が下端よりもインターコネクタに突出した傾斜面であることから、固体電解質層または内側電極層の導電性支持体側にインターコネクタの端部の一部を介在させることができ、よりインターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合面積を大きくすることができる。それにより、インターコネクタが導電性支持体から剥離することを抑制することができ、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、前記内側電極層の端部の端面が、上端が下端よりも前記インターコネクタ側に突出した傾斜面であるとともに、前記固体電解質層の端部の端面が、下端が上端よりも前記インターコネクタ側に突出した傾斜面であることが好ましい。
このような燃料電池セルにおいては、内側電極層の端部の端面が、上端が下端よりもインターコネクタ側に突出した傾斜面であるとともに、固体電解質層の端部の端面が、下端が上端よりもインターコネクタ側に突出した傾斜面であることから、固体電解質層の端部上に配置されているインターコネクタに過剰な応力が生じることを抑制することができる。それにより、固体電解質層の端部上に配置されているインターコネクタと固体電解質層との剥離を抑制することができ、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、前記導電性支持体が互いに平行な一対の主面と一対の該主面同士を接続する一対の弧状面とを有する形状であり、一方の前記主面に前記積層体が設けられ、他方の前記主面に前記インターコネクタが設けられていることが好ましい。
このような燃料電池セルにおいては、導電性支持体が互いに平行な一対の主面と一対の主面同士を接続する一対の弧状面とを有する形状であり、一方の主面上に積層体が設けら
れ、他方の主面にインターコネクタが設けられていることから、より応力が集中しやすい弧状面近傍においてもインターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との剥離が生じることを抑制することができる。
また、固体電解質層の上面に重なって接合されているインターコネクタに過剰な応力が生じることをさらに抑制することができる。それにより、インターコネクタと固体電解質層との剥離をさらに抑制することができ、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。
本発明のセルスタック装置は、上記のうちいずれかに記載の燃料電池セルを、集電部材を介して立設させた状態で複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの一端部を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを具備することを特徴とする。
このようなセルスタック装置においては、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極との剥離を抑制することができる燃料電池セルを複数個配列してなることから、長期信頼性の向上したセルスタック装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記に記載のセルスタック装置を収納容器に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることから、長期信頼性の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルでは、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層との接合を強固にすることができる。それにより、インターコネクタと、固体電解質層や内側電極層とが剥離することを抑制でき、長期信頼性の向上した燃料電池セルとすることができる。また、上記の燃料電池セルを備えることで、長期信頼性の向上したセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルの一例を示したものであり、(a)はその横断面図、(b)は(a)の斜視図である。 (a)は、図1に示す燃料電池セルの要部を概略的に示した断面図であり、(b)および(c)は、それぞれ本発明の燃料電池セルの他の一例の要部を概略的に示した断面図である。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ本発明の燃料電池セルのさらに他の一例の要部を概略的に示した断面図である。 (a)および(b)は、本発明の燃料電池セルのさらに他の一例の要部を概略的に示した断面図である。 本発明の燃料電池セルの他の例を示したもので、(a)は横断面図、(b)は(a)の側面図である。 図5の要部を概略的に示した断面図であり、(a)はインターコネクタ層の二股部で、固体電解質層、燃料極層、中間層を挟んだ状態を示す断面図、(b)はインターコネクタ層の二股部で挟まれた燃料極層の部分が緻密質となっている状態を示す断面図である。 本発明のセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置の破線枠で囲った部分の一部を拡大した平面図である。 本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
図1は、本発明の燃料電池セルの一例を示すものであり、(a)は横断面図、(b)は(a)の斜視図である。なお、両図面において、燃料電池セル1の各構成を一部拡大等して示している。また、同一の部材に関しては同一の符号を付するものとし、以下同様とする。
燃料電池セル1は、中空平板形の形状をしており、全体的に見て柱状(より詳しくは楕円柱状)の導電性支持体2を備えている。導電性支持体2の内部には、所定の間隔で長手方向の一端から他端まで貫通した複数のガス通路7が形成されており、燃料電池セル1はこの導電性支持体2上に各種の部材が設けられて構成されている。
導電性支持体2は、図1に示されている形状から理解されるように、互いに平行な一対の主面(平坦面)nと、一対の主面nをそれぞれ接続する側面(弧状面)mとで構成されている。
導電性支持体2の一方の主面(平坦面)nには、緻密質なインターコネクタ6が導電性支持体2の長手方向の一端から他端にかけて設けられており、他方の主面(平坦面)nには、内側電極としての燃料極層3、固体電解質層4および外側電極としての空気極層5がこの順に積層された積層体が設けられている。そして、燃料極層3は、インターコネクタ6が設けられていない他方の主面(平坦面)nおよび両側面mに設けられ、燃料極層3の外面を覆うように固体電解質層4が設けられており、燃料極層3と固体電解質層4とがインターコネクタ6と隣接するように配置されている。なお図1に示す燃料電池セル1においては、導電性支持体2の他方の主面nにおける固体電解質層4上には中間層8を介して、燃料極層3(より詳しくはインターコネクタ6)と対面するように空気極層5が積層されている。
ここで、燃料電池セル1は、内側電極(燃料極層3)と外側電極(空気極層5)との対面している部分が電極として機能することにより発電する。即ち、空気極層5の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ導電性支持体2内のガス流路7に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。かかる発電によって生じた電流は、導電性支持体2の表面に設けられたインターコネクタ6を介して集電される。なお、以降の説明においては、特に記載のない限り内側電極を燃料極層3、外側電極を空気極層5として説明する。
図1に示す燃料電池セル1においては、燃料極層3および固体電解質層4の端部は、側面mを経由してインターコネクタ6の幅方向の両側部まで延設されており、インターコネクタ6が、固体電解質層4の端部上に重なって配置されており、固体電解質層4の端部と接合されるとともに、燃料極層3および固体電解質層4の少なくとも一方の端部の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部の一部が介在した構成となっている。言い換えると、固体電解質層4の端部が、その上面に設けられた部分のインターコネクタ6と、固体電解質層4および燃料極層3の端部の導電性支持体2側とに設けられた部分のインターコネクタ6により挟持された構成となっており、内部に燃料ガス流路が形成されている。そのため、導電性支持体2の表面が外部に露出しない構成となっている。
以下に、本発明の燃料電池セル1を構成する各部材について説明する。
導電性支持体2は、ガス通路7の内部を流れる燃料ガスを燃料極層3まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ6を介して集電を行うために導電性であることが要求されることから、例えば、NiおよびNiOのうち少なくとも一方と、無機酸化物、例えば、特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
特定の希土類酸化物とは、導電性支持体2の熱膨張係数を固体電解質層4の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu(ルテチウム)、Yb、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd、Sm、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、NiおよびNiOのうち少なくとも一方との組み合わせで使用することができる。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、NiおよびNiOのうち少なくとも一方との固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層4とほとんど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y、Ybが好ましい。
また、本発明においては、導電性支持体2の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層4と近似させるという点で、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素酸化物(例えば、Ni:Y)が35:65〜65:35(Ni/(Ni+Y)がモル比で65〜86mol%)の範囲にあることが好ましい。なお、導電性支持体2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、導電性支持体2は、ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、導電性支持体2の導電率は、50S/cm以上、より好ましくは300S/cm以上、特に好ましくは440S/cm以上とすることがよい。
なお、導電性支持体2の平坦面nの長さ(導電性支持体2の幅方向の長さ)は、通常、15〜35mm、弧状面mの長さ(弧の長さ)は、2〜8mmであり、導電性支持体2の厚み(平坦面n間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。それにより、ある程度の強度を維持しつつ集電性を確保することができる。
燃料極層3は、電極反応を生じさせるものであり、鉄族金属であるNiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOとから形成することができる。なお、希土類元素としては、導電性支持体2において例示した希土類元素(Y等)を用いることができる。
燃料極層3において、NiおよびNiOのうち少なくとも一方と、希土類元素が固溶したZrOの含有量は、焼成−還元後における体積比率が、Ni:希土類元素が固溶したZrO(例えば、NiO:YSZ)が35:65〜65:35の範囲にあるのが好ましい。さらに、この燃料極層3は多孔質で、その気孔率は15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。例えば、燃料極層3の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、後述する固体電解質層4と燃料極層3との間で熱膨張係数差等による剥離やクラックを生じるおそれがある。
固体電解質層4は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有する部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であ
るという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層4は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。固体電解質層4は、ランタンガレート系材料、セリア系材料から構成されていても良い。
なお、固体電解質層4と後述する空気極層5の間に、固体電解質層4と空気極層5との接合を強固とするとともに、固体電解質層4の成分と空気極層5の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で中間層8を備えることもでき、図1に示した燃料電池セル1においては中間層8を備えた例を示している。
ここで、中間層8は、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、(CeO1−x(REO1.5(REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数。)で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなることが好ましい。なお、中間層8は例えば2層より構成することもでき、この場合1層目を固体電解質層4と同時焼成により設けた後に、同時焼成よりも200℃以上低い温度にて2層目を別途焼成することが好ましい。
また、空気極層5は、ガス透過性を有する必要があり、従って、空気極層5を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。さらに、空気極層5の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。
空気極層5を構成する導電性セラミックスとしては、いわゆるABO型のペロブスカイト型複合酸化物を主成分とする焼結体からなる導電性を有するセラミックスにより形成されるのが好ましく、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存するLaSrCoFeO系酸化物(例えばLaSrCoFeO)、LaMnO系酸化物(例えばLaSrMnO)、LaFeO系酸化物(例えばLaSrFeO)、LaCoO系酸化物(例えばLaSrCoO)の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSrCoFeO系酸化物が特に好ましい。なお、上記ペロブスカイト型酸化物においては、Bサイトに、Co(コバルト)とともにFe(鉄)やMn(マンガン)が存在しても良い。
インターコネクタ6は、緻密質な導電性セラミックスにより形成されることが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用され、特に導電性支持体2と固体電解質層4との熱膨張係数を近づける目的から、LaCrO系酸化物が用いられる。
また、インターコネクタ6の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜50μmであることが好ましい。この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがある。
また、図示していないが、インターコネクタ6の外面(上面)には、P型半導体層を設けることが好ましい。集電部材(図示せず)を、P型半導体層を介してインターコネクタ6に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくでき、集
電性能の低下を有効に回避することが可能となる。
このようなP型半導体層としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
ところで、従来の燃料電池セルにおいては、燃料電池セルの作製時に、インターコネクタ6と、固体電解質層4や燃料極層3との剥離を生じる場合があり、燃料電池セル1の長期信頼性が低下するおそれがある。
図1に示す燃料電池セル1は、インターコネクタ6の端部が固体電解質層4の端部の上
面(端部上)に重なって接合されており、固体電解質層4および燃料極層3(内側電極)の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部の一部が介在するように設けられている。そのため、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3との接合面積を増加させることができる。それにより、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3との接合が強固なものとなり、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3との剥離を抑制することができ、燃料電池セル1の長期信頼性を向上させることができる。
図2は、(a)は、図1に示す燃料電池セルの要部を概略的に示した断面図であり、(b)および(c)は、それぞれ本発明の燃料電池セルの他の一例の要部を概略的に示した断面図である。
図2の(a)に示す燃料電池セル1は、固体電解質層4および燃料極層3の端部の導電性支持体2に沿った端面のそれぞれの上端が、下端(導電性支持体側)よりもインターコネクタ6側に突出しており、上端と下端とを結ぶ端面が傾斜面となっている。それにより、固体電解質層4および燃料極層3の端部における端面が導電性支持体2に対して垂直に設けられた従来の燃料電池セルに比べてインターコネクタ6と固体電解質層4および燃料極層3の端部との接合面積を大きくすることができるため、インターコネクタ6と固体電解質層4および燃料極層3との剥離を抑制することができる。
また、燃料電池セル1は、固体電解質層4および燃料極層3の端部の導電性支持体2側(より詳しくは固体電解質層4および燃料極層3の端部と導電性支持体2との間の領域)にインターコネクタ6の端部を介在させることが、インターコネクタ6が還元変形した場合においても、インターコネクタ6と導電性支持体2との剥離を抑制することができる。そのため、長期信頼性が向上した燃料電池セル1とすることができる。
図2(b)に示す燃料電池セル1は、固体電解質層4の端部の導電性支持体2に沿った端面の上端が、下端よりもインターコネクタ6側に突出しており、上端と下端とを結ぶ端面が傾斜面となっており、燃料極層3の端部の導電性支持体2に沿った端面は、上端及び下端がインターコネクタ6側に突出していない構成となっている。
この場合においても、固体電解質層4とインターコネクタ6との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4との剥離を抑制することができる。
また、燃料極層3の端部よりも固体電解質層4の端部がインターコネクタ6側に突出しているため、さらに固体電解質層4とインターコネクタ6との接合面積を大きくすることができる。
図2(c)に示す燃料電池セル1は、燃料極層3の端部の形状は、図2(a)に示す燃料電池セル1と同様であるが、固体電解質層4の端部がインターコネクタ6側に突出しておらず、固体電解質層4の端部よりも燃料極層3の端部がインターコネクタ6側に突出した構成となっている。
この場合においても、燃料極層3とインターコネクタ6との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と燃料極層3との剥離を抑制することができる。
なお、本発明の燃料電池セル1は、固体電解質層4の端部が、その上面に設けられた部分のインターコネクタ6と、固体電解質層4および燃料極層3の端部の導電性支持体2側とに設けられた部分のインターコネクタ6により挟持された構成となっておればよく、固体電解質層4および燃料極層3の端部の配置等は、適宜設定すればよい。
図3(a)、(b)および(c)は、それぞれ本発明の燃料電池セルのさらに他の一例の要部を概略的に示した断面図である。図3に示す燃料電池セル9は、固体電解質層4の端部の上端が、下端よりもインターコネクタ6側に突出しており、燃料極層3の端部の下端が、上端よりもインターコネクタ6側に突出している。それにより、固体電解質層4のインターコネクタ6側の端面が、上端がインターコネクタ6側に突出している傾斜面となっているとともに、燃料極層3のインターコネクタ6側の端面が、下端がインターコネクタ6側に突出している傾斜面となっている。そのため、従来の燃料電池セルに比べてインターコネクタ6と固体電解質層4および燃料極層3との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4および燃料極層3との接合を強固にすることができる。
図3(b)に示す燃料電池セル9は、固体電解質層4および燃料極層3の端部の形状は図3(a)に示す燃料電池セル9と同様であるが、燃料極層3の端部よりも固体電解質層4の端部がインターコネクタ6側に突出した構成となっている。
この場合においても、固体電解質層4とインターコネクタ6とのさらに接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4との剥離を抑制することができる。
図3(c)に示す燃料電池セル9は、固体電解質層4および燃料極層3の端部の形状は図3(a)に示す燃料電池セル9と同様であるが、固体電解質層4の端部よりも燃料極層3の端部がインターコネクタ6側に突出した構成となっている。
この場合においても、固体電解質層4とインターコネクタ6との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4との剥離を抑制することができる。
図4(a)および(b)は、本発明の燃料電池セルのさらに他の一例の要部を概略的に示した断面図である。図4に示す燃料電池セル10は、固体電解質層4の端部の下端が上端よりもインターコネクタ6側に突出しており、燃料極層3の端部の上端が下端よりもインターコネクタ6側に突出している。それにより、固体電解質層4のインターコネクタ6側の端面が、下端がインターコネクタ6側に突出している傾斜面となっているとともに、燃料極層3のインターコネクタ6側の端面が、上端がインターコネクタ6側に突出している傾斜面となっている。そのため、従来の燃料電池セルに比べてインターコネクタ6と固体電解質層4および燃料極層3との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層6および燃料極層3との接合を強固にすることができる。
ここで、固体電解質層4のインターコネクタ6側の端面と固体電解質層4の端部の上面(以下、端部上と略す場合がある。)とにより形成される角度が鋭角である場合に、固体電解質層4の端部における上面の上方に位置するインターコネクタ6に過剰な応力が集中し、固体電解質層4とインターコネクタ6との剥離や、端部上のインターコネクタ6にクラックが生じるおそれがある。
図4に示す燃料電池セル10は、固体電解質層4の端の傾斜面の角度(図4においてθで示す角度)が鈍角となっている。そのため、固体電解質層4の端部上に配置された(特には、固体電解質層4の端部上の角部の上方に配置された。)インターコネクタ6に過剰な応力が生じることを抑制することができる。それにより、固体電解質層4の上面に配置されたインターコネクタ6と固体電解質層4との剥離や、インターコネクタ6にクラックが生じることを抑制することができ、長期信頼性の向上した燃料電池セル10とすることができる。
なお、詳細は後述するが、固体電解質層4および燃料極層3の端部の形状は、固体電解質層用シートや燃料極層用シートをブレードにより切断する際にブレードの刃の角度等を変更することや、シート成形の積層方法により適宜調整することができる。
図4(b)に示す燃料電池セル10は、固体電解質層4および燃料極層3の端部の形状は図4(a)に示す燃料電池セル10と同様であるが、燃料極層3の端部よりも固体電解質層4の端部がインターコネクタ6側に突出した構成となっている。
この場合においても、固体電解質層4とインターコネクタ6とのさらに接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4との剥離を抑制することができる。
なお、固体電解質層4および燃料極層3のインターコネクタ6側の端面において突出部を有する場合、突出部が突出していない部位に比べて10μm以上突出することが好ましい。それにより、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3との接合面積を大きくすることができるとともに、インターコネクタ6が還元変形した場合においても導電性支持体2から剥離することを抑制することができる。
また、導電性支持体2とインターコネクタ6との間には、インターコネクタ6と導電性支持体2との間の熱膨張係数差を軽減する等のために密着層(図示せず)を設けることもできる。
密着層は、例えば、希土類元素酸化物、希土類元素が固溶したZrO、希土類元素が固溶したCeOのうち少なくとも1種と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とから形成することができる。より具体的には、例えばYとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成や、Yが固溶したZrO(YSZ)とNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成、Y、Sm、Gd等が固溶したCeOとNiおよびNiOのうち少なくとも一方からなる組成から形成することができる。なお、希土類元素酸化物や希土類元素が固溶したZrO(CeO)と、NiおよびNiOのうち少なくとも一方とは、焼成−還元後における体積比率が40:60〜60:40の範囲となるように形成することが好ましい。
なお、密着層を設ける場合においては、密着層の厚みを適宜設定して、固体電解質層4および燃料極層3の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部が介在するように設けることで、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3とが剥離を生じることを抑制することができる。
以上説明した本発明の燃料電池セル1の作製方法について説明する。
先ず、NiおよびNiOの少なくとも一方の粉末と、Yなどの希土類酸化物の粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形法により導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥する。なお、導電性支持体成形体として、導電性支持体成形体を900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダーおよび溶媒を混合して燃料極層用スラリーを調製する。
さらに、希土類元素が固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、7〜75μmの厚さに成形してシート状の固体電解質層成形体を作製する。得られたシート状の固体電解質層成形体上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体が形成されたシート状の積層体成形体を形成し、その後、作製されたシート状の積層体成形体をブレードにより所定の切断面となるように切断する。このシート状の積層体成形体を、燃料極層成形体を下面として導電性支持体成形体に積層する。
なお、図2に示す燃料電池セル1を得るためには、所定の傾斜角がついた(刃の角度が積層体成形体に垂直でない)ブレードを用いて切断し、導電性支持体成形体に積層して作製する。
また、図3、図4に示す燃料電池セル9、10を得るためには、燃料極層用スラリーをシート状に成形して燃料極層成形体を作製し、固体電解質層成形体および燃料極層成形体を上述の方法によりブレードでそれぞれ切断した後に、これらのシートを積層したものを導電性支持体成形体に積層するか、もしくは、切断したそれぞれのシートを導電性支持体成形体に積層して作製する。
なお、図4に示す断面形状を得るために、図2の方法で導電性支持体成形体に積層した後、固体電解質層成形体の端部における上面の一部を切り欠くことにより作製することもできる。
続いて固体電解質層4と空気極層5との間に配置する中間層8成形体を形成する。
例えば、GdO1.5が固溶したCeO粉末を800〜900℃にて2〜6時間、熱処理を行い、その後、湿式解砕して凝集度を5〜35に調整し、中間層成形体用の原料粉末を調整する。湿式解砕は溶媒を用いて10〜20時間ボールミルすることが望ましい。なお、中間層をSmO1.5が固溶したCeO粉末より形成する場合も同様である。
そして、凝集度が調製された中間層成形体の原料粉末に、溶媒としてトルエンを添加し、中間層用スラリーを作製し、このスラリーを固体電解質層成形体上に塗布して中間層成形体を作製する。なお、シート状の中間層成形体を作製し、これを固体電解質層成形体上に積層してもよい。
続いて、インターコネクタ用材料(例えば、LaCrMgO系酸化物粉末)、有機バインダー及び溶媒を混合してスラリーを調製し、スクリーン印刷にて積層体成形体の導電性支持体成形体上に塗布した。なお、固体電解質層成形体の周方向における端部に重なる
ようにインターコネクタを設けた。
次いで、上記の積層体成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400℃〜1600℃にて2〜6時間、同時焼結(同時焼成)する。
なお、中間層8を2層から形成する場合には、空気極層側の中間層は、同時焼成された中間層8(1層目)の上面に、上述の中間層用スラリーを塗布した後、上記同時焼成時の温度よりも200℃以上低い温度にて焼成する。
次いで、空気極層用材料(例えば、LaCoO系酸化物粉末)、溶媒および増孔剤を含有するスラリーをディッピング等により中間層8上に塗布する。また、インターコネクタ6の所定の位置に、必要によりP型半導体層用材料(例えば、LaCoO系酸化物粉末)と溶媒を含むスラリーを、ディッピング等により塗布し、1000〜1300℃で、2〜6時間焼き付けることにより、図1に示す構造の本発明の燃料電池セル1を製造できる。なお、燃料電池セル1は、その後、内部に水素ガスを流し、導電性支持体2および燃料極層3の還元処理を行なうのが好ましい。その際、例えば750〜1000℃にて5〜20時間還元処理を行なうのが好ましい。
以上のように、作製された燃料電池セル1は、インターコネクタ6の端部が固体電解質層4の端部上に重なって接合されており、固体電解質層4および燃料極層3のうち少なくとも一方の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部の一部を介在させることができる。それにより、インターコネクタ6と、固体電解質層4や燃料極層3との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と、固体電解質層4や燃料極層3との接合を強固にすることができる。そのため、インターコネクタ6と、固体電解質層4や燃料極層3との剥離を抑制することができ、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
さらに、固体電解質層4および燃料極層3と導電性支持体2との間にインターコネクタ6の端部の一部が介在されていることから、インターコネクタ6が還元変形した場合においても、インターコネクタ6と導電性支持体2との剥離を抑制することができる。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池セル1とすることができる。
図5は、本発明の燃料電池セルの他の例を示すものであり、(a)はその横断面図、(b)は(a)の側面図である。
この燃料電池セルは多孔質の導電性支持体2を備えており、一方の平坦面n(下面)と両側の弧状面mを覆うように多孔質な燃料極層3が設けられており、さらに、この燃料極層3を覆うように、緻密質な固体電解質層4が積層されている。また、固体電解質層4の表面には、中間層8を介して、燃料極層3と対面するように、多孔質な空気極層5が積層されている。また、燃料極層3および固体電解質層4が積層されていない他方の平坦面n(上面)には、図示しないが、密着層を介してインターコネクタ層6が形成されている。
すなわち、燃料極層3および固体電解質層4は、両端の弧状面mを経由して他方の平坦面n(上面)まで形成されており、ZrO系焼結体からなる固体電解質層4の両端部に、LaCrO系焼結体からなるインターコネクタ層6の両端部が中間層9を介してそれぞれ接合され、固体電解質層4とインターコネクタ層6で導電性支持体2を取り囲み、内部に燃料ガスが流通する燃料ガス流路が形成され、内部を流通する燃料ガスが外部に漏出しないように構成されている。
言い換えると、図5(b)に示すように、平面形状が矩形状のインターコネクタ層6が
導電性支持体2の上端から下端まで形成されており、その左右両側端部が、固体電解質層4の両端部の表面に、中間層9を介して接合している。中間層9はLaを含有して構成されている。なお、本発明は、中間層9を形成しない場合であっても良い。
このインターコネクタ層6は、図5および図6に示すように、両端部がそれぞれ二股に分かれて、二股部6aが形成されており、該インターコネクタ層6の端部における二股部6aで固体電解質層4の端部が挟まれている。
さらに詳細に説明すると、燃料極層3と導電性支持体2との間に、インターコネクタ層6の二股部6aの内側の部分が潜り込み、さらに、二股部6aの外側の部分が固体電解質層4の端部上面に、中間層9を介して積層され、固体電解質層4の端部は、燃料極層3の端部、中間層9とともに、インターコネクタ層6の二股部6aで挟まれている。インターコネクタ層6の二股部6aと固体電解質層4との間の燃料極層3は、インターコネクタ層6の二股部6aから、インターコネクタ層6の成分が拡散し、開気孔率15%以上である燃料極層3が開気孔率10%以下の緻密質となっている。図6(b)には、インターコネクタ層6の二股部6aから、インターコネクタ層6の成分が拡散した緻密質な部分を符号3aとして図示した。
また、中間層9は、後述するように、90%以上の緻密質となっている。中間層9は、例えば、Laを含有して構成されている。中間層9の厚みは10〜40μmとされている。中間層9は、例えば、MgOを50〜68モル%と、Yを30〜47モル%と、Laを3〜5モル%とを含有して構成されている。中間層9のLaが、焼成時に固体電解質層4表面まで拡散して、固体電解質層4のZrと反応し、固体電解質層4に対する中間層9の接合強度を向上できる。
インターコネクタ層6の二股部6aが、固体電解質層4の端部を挟みこみ、燃料極層3、中間層9を介して固体電解質層4の端部に強固に接合し、インターコネクタ層6と固体電解質層4との剥離を抑制できる。また、固体電解質層4および燃料極層3の端部の持ち上がり等の変形を抑制し、インターコネクタ層6におけるクラックの発生を防止できる。従って、インターコネクタ層6の厚みが、30μm以下と薄い場合であっても、インターコネクタ層6におけるクラックの発生を防止できる。
そして、この場合には、固体電解質層1、燃料極層3の先端部の厚みは、その他の部分と殆ど同じであり、カーターで先端部をカットした場合よりも、先端部の強度を高めることができ、インターコネクタにおけるクラックの発生をさらに防止できる。
インターコネクタ層6の二股部6aの作製方法について説明する。図1で示した燃料電池セルとほぼ同様の製法を用いることができる。すなわち、シート状の固体電解質層成形体上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体を形成し、固体電解質層成形体上に燃料極層成形体が形成されたシート状の積層成形体を作製し、このシート状の積層成形体の燃料極層成形体側の面を導電性支持体成形体に積層する。
例えば、インターコネクタ層用スラリーに用いた溶媒、例えばトルエンを、固体電解質層成形体の先端部に塗布し、燃料極層成形体と導電性支持体成形体との間に染みこませ、固体電解質層成形体上に燃料極層成形体を積層したシート状の積層成形体の両端部を、導電性支持体成形体から一部剥離させ、燃料極層成形体と導電性支持体成形体との間に隙間を形成する。
そして、インターコネクタ層用スラリーを、中間層成形体の上、および密着層成形体の上に塗布する。この際、シート状の積層成形体の端部が導電性支持体成形体から剥離した
隙間にインターコネクタ層用スラリーが浸入していき、焼成することにより、インターコネクタ層6の二股部6aが固体電解質層4の端部を挟みこんだ構造を得ることができる。また、LaCrO系焼結体からなるインターコネクタ層6、中間層9のLaが、焼成時に固体電解質層4表面まで拡散するとともに、インターコネクタ層6の構成元素が二股部6aで挟まれた部分の燃料極層3に拡散し、中間層9および二股部6aで挟まれた部分の燃料極層3(3a)が、その他の部分の燃料極層3よりも緻密化する。従って、二股部6aにより、インターコネクタ層6と、固体電解質層4、燃料極層3および中間層9とを強固に接合できる。
図7は、上述した燃料電池セル1の複数個を、集電部材14を介して電気的に直列に接続して構成されるセルスタック装置の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置12を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置12の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印にて示している。
なお、セルスタック装置12においては、各燃料電池セル1を集電部材14を介して立設して配列することでセルスタック13を構成しており、各燃料電池セル1の一端部(下端部)が、燃料電池セル1に燃料ガスを供給するためのマニホールド15に、ガラスシール材等の接着剤により固定されている。また、燃料電池セル1の配列方向の両端から集電部材14を介してセルスタック13を挟持するように、マニホールド15に下端が固定された弾性変形可能な導電部材16を具備している。
また、図7に示す導電部材16においては、燃料電池セル1の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック13(燃料電池セル1)の発電により生じる電流を引出すための電流引出部17が設けられている。
ここで、本発明のセルスタック装置12においては、上述した燃料電池セル1を用いて、セルスタック13を構成することにより、固体電解質層4および燃料極層3の下面にインターコネクタ6の端部の一部が介在されていることから、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3との接合面積を大きくすることができ、インターコネクタ6と固体電解質層4や燃料極層3とが剥離を生じることを抑制することができる。そのため、長期信頼性の向上したセルスタック装置12とすることができる。
なお、集電部材14の集電部(図示せず)はインターコネクタ6の上面のうち平坦部に接合することが好ましい。それにより、インターコネクタ6と集電部材14との接合を強固にすることができ、長期信頼性の向上したセルスタック装置12とすることができる。また、前述したP型半導体層(図示せず)を設けることにより、さらにインターコネクタ6と集電部材14との接合を強固にすることができる。
図8は、本発明のセルスタック装置12を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュール20の一例を示す外観斜視図であり、直方体状の収納容器21の内部に、図7に示したセルスタック装置12を収納して構成されている。
なお、燃料電池セル1にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器22がセルスタック13の上方に配置されている。そして、改質器22で生成された燃料ガスは、ガス流通管23を介してマニホールド15に供給され、マニホールド15を介して燃料電池セル1の内部に設けられたガス通路7に供給される。
なお、図8においては、収納容器21の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置12および改質器22を後方に取り出した状態を示している。ここで、図8に示した燃料電池モジュール20においては、セルスタック装置12を、収納容器21内にスライドして収納することが可能である。なお、セルスタック装置12は、改質器22を含むものとしても良い。
また収納容器21の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材24は、図8においてはマニホールド15に並置されたセルスタック13の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル1の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、燃料電池セル1の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、燃料電池セル1の燃料ガス通路7より排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル1の上端部側で燃焼させることにより、燃料電池セル1の温度を上昇させることができ、セルスタック装置12の起動を早めることができる。また、燃料電池セル1の上端部側にて、燃料電池セル1の燃料ガス通路7から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、燃料電池セル1(セルスタック13)の上方に配置された改質器22を効率よく温めることができる。それにより、改質器22で効率よく改質反応を行うことができる。
さらに、本発明の燃料電池モジュール20においても、長期信頼性が向上した燃料電池セル1を用いて構成されるセルスタック装置12を収納容器21内に収納してなることから、長期信頼性が向上した燃料電池モジュール20とすることができる。
図9は、外装ケース内に図8で示した燃料電池モジュール20と、燃料電池セルスタック装置12を動作させるための補機とを収納してなる本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図9においては一部構成を省略して示している。
図9に示す燃料電池装置25は、支柱26と外装板27から構成される外装ケース内を仕切板28により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール20を収納するモジュール収納室29とし、下方側を燃料電池モジュール20を動作させるための補機類を収納する補機収納室30として構成されている。なお、補機収納室28に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板28には、補機収納室30の空気をモジュール収納室29側に流すための空気流通口31が設けられており、モジュール収納室29を構成する外装板27の一部に、モジュール収納室29内の空気を排気するための排気口32が設けられている。
このような燃料電池装置25においては、上述したように、長期信頼性を向上することができる燃料電池モジュール20をモジュール収納室29に収納して構成されることにより、長期信頼性の向上した燃料電池装置25とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、本発明の燃料電池セル1においては、中空平板形状のものについて示したが、円筒状の燃料電池セルにおいても本発明を用いることができる。また、本発明の燃料電池セル1においては、インターコネクタ6が設けられている領域以外のほぼ全域に積層体を備える例を示したが、固体電解質層4および燃料極層3の上面および下面にインターコネクタ6の端部が介在していればよいため、積層体の形成面積については特に限定されるものではない。
また、ガス通路7の内部に燃料ガスを流し内側電極を燃料極層3とし、燃料電池セル1の外部に酸素含有ガスを流し外側電極を空気極層5とする構成について説明したが、ガス通路7の内部に酸素含有ガスを流し内側電極を空気極層5とし、燃料電池セル1の外部に燃料ガスを流し外側電極を燃料極層3とする構成としてもよい。
さらに、図面において、固体電解質層4および燃料極層3の少なくとも一方の端部の端面が傾斜面となっている例を示したが、固体電解質層4および燃料極層3のうち少なくとも一方の端部が、インターコネクタ6側に突出していればよい。それにより、固体電解質層4および燃料極層3のうち少なくとも一方の導電性支持体2側にインターコネクタ6の端部を介在させることができ、インターコネクタ6と、固体電解質層4および燃料極層3との接触面積を大きくすることができる。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成−還元後における体積比率が、NiOが48体積%、Yが52体積%になるように混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて成形し、乾燥、脱脂して導電性支持体成形体を作製した。
次に、8mol%のYが固溶したマイクロトラック法による粒径が0.8μmのZrO粉末(固体電解質層原料粉末)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製した。
次に平均粒径0.5μmのNiO粉末とYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合した燃料極層用スラリーを作製し、固体電解質層用シート上に燃料極層用スラリーを塗布して燃料極層成形体を形成したシート状の積層体成形体を形成し、このシート状の積層体成形体のインターコネクタ側の端部が表1に示すような構成となるように積層体成形体をブレードを用いて切断し、試料No.1〜3の積層体成形体を作製した。試料No.4、5においては、固体電解質層用シートおよび燃料極層用シートを作製した後に、表1に示す構成となるようにブレードを用いて切断し、固体電解質層用シートと、燃料極層用シートとを積層させ、積層体成形体を作製した。続いて、燃料極層成形体側の面を下にして導電性支持体成形体の所定位置に積層した。
続いて、上記のように燃料極層成形体および固体電解質層成形体を積層した積層体成形体を1000℃にて3時間仮焼処理した。
ここで、試料No.6については、固体電解質層成形体の周方向における端部の上面の一部を研磨して切り欠いた。
次に、CeOを85モル%、他の希土類元素の酸化物(GdO1.5)を15モル%含む複合酸化物を、溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて振動ミル又はボールミルにて粉砕し、900℃にて4時間仮焼処理を行い、再度ボールミルにて解砕処理し、セラミック粒子の凝集度を調整し、中間層用の原料粉末を得た。この粉末にアクリル系バインダーとトルエンとを添加し、混合して作製した中間層用のスラリーを得られた積層仮焼体の固体電解質層仮焼体上に、スクリーン印刷法にて塗布し、中間層成形体を作製した。
続いて、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒とを混合したインターコネクタ用スラリーを用いて、燃料極層成形体および固体電解質層成形体が形成されていない導電性支持体成形体の他方側の平坦部上に、インターコネクタの両端部が固体電解質層上に位置するように、スクリーン印刷によりインターコネクタを設けた。
そして、これらの各層が積層された試料No.1〜6の各積層体を、大気中1510℃にて3時間同時焼成(焼結)した。
次に、平均粒径2μmのLaSrCoFeOの粉末と、イソプロピルアルコールとからなる混合液を作製し、積層焼結体の中間層の表面に噴霧塗布し、空気極層成形体を形成し、1100℃にて4時間で焼き付け、空気極層を形成し、表1に示す構成の燃料電池セルを作製した。
なお、作製した燃料電池セルの寸法は25mm×200mmで、導電性支持体の厚み(平坦面n間の厚み)は2mm、気孔率35%、燃料極層の厚さは10μm、気孔率24%、空気極層の厚みは50μm、気孔率40%、固体電解質層の相対密度は97%であった。
ここで、各試料につき10個の燃料電池セルを作製し、燃料電池セルのうち、インターコネクタと固体電解質層や燃料極層との界面を含む任意の3箇所の断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、インターコネクタと固体電解質層や燃料極層との剥離の有無を確認した。
Figure 2011175968
表1の結果より、固体電解質層および燃料極層の端部がインターコネクタ側に突出していない試料No.1、2は、固体電解質層および燃料極層のうち少なくとも一方の端部が、その上面に設けられた部分のインターコネクタと、固体電解質層および燃料極層の端部の導電性支持体側とに設けられた部分のインターコネクタにより挟持されていないため、インターコネクタと、固体電解質層や燃料極層との接合面積が小さく、10個中8個以上の燃料電池セルにおいてインターコネクタと固体電解質層や燃料極層が剥離していた。
しかしながら、固体電解質層の端部の上端がインターコネクタ側に突出した試料No.3と、燃料極層の端部の上端がインターコネクタ側に突出した試料No.4は、インターコネクタと固体電解質層や燃料極層との剥離が10個中3個以下であり、インターコネクタと固体電解質層や燃料極層との剥離を抑制することができた。
これは、固体電解質層の端部上と、固体電解質層および燃料極層のうち少なくとも一方の端部の導電性支持体側とにインターコネクタの端部を介在させることで、インターコネクタと、固体電解質層や燃料極層との剥離を抑制できたものと考えられる。
さらに、固体電解質層の端部における上面の一部を切り欠いた試料No.6は、燃料電池セル作製時において、インターコネクタと固体電解質層や燃料極層との剥離が生じていなかった。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成−還元後における体積比率が、NiOが48体積%、Yが52体積%になるように
混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて成形し、乾燥、脱脂して導電性支持体成形体を作製した。
次に、8mol%のYが固溶したマイクロトラック法による粒径が0.8μmのZrO粉末(固体電解質層原料粉末)と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製した。
次に平均粒径0.5μmのNiO粉末とYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合した燃料極層用スラリーを作製し、固体電解質層用シート上に塗布して燃料極層成形体を形成し、シート状の積層成形体を作製した。このシート状の積層成形体の燃料極層成形体側の面を下にして導電性支持体成形体の所定位置に積層した。
次に、CeOを85モル%、他の希土類元素の酸化物(GdO1.5)を15モル%含む複合酸化物を、溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて振動ミル又はボールミルにて粉砕し、900℃にて4時間仮焼処理を行い、再度ボールミルにて解砕処理し、セラミック粒子の凝集度を調製し、反応防止層原料粉末を得た。この粉体にアクリル系バインダーとトルエンとを添加し、混合して作製した反応防止層用のスラリーを、固体電解質層成形体上に、スクリーン印刷法にて塗布し、反応防止層成形体を作製した。
続いて、La(Mg0.3Cr0.70.96と、有機バインダーと溶媒(トルエン)とを混合したインターコネクタ用スラリーを作製した。
NiとYSZとからなる原料を混合して乾燥し、有機バインダーと溶媒とを混合して密着層用スラリーを調整した。調整した密着層用スラリーを、導電性支持体の燃料極層(および固体電解質層)が形成されていない部位(導電性支持体が露出した部位)に塗布して密着層成形体を積層した。
インターコネクタ層用スラリーに用いた溶媒、トルエンを、固体電解質層成形体の先端に塗布し、燃料極層成形体と導電性支持体成形体との間に染みこませ、固体電解質層成形体上に燃料極層成形体を積層したシート状の積層成形体の端部を、導電性支持体成形体から剥離させる。
固体電解質層成形体の両端部に、LaとZr成分からなる中間層形成材料を含有するスラリーを塗布して厚さ5μmの中間層成形体を作製し、この中間層成形体および密着層成形体の上に、インターコネクタ層用スラリーを塗布し、シート状の積層成形体の端部が、導電性支持体成形体から剥離した隙間にインターコネクタ層用スラリーを浸入させた。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中で1450℃にて2時間同時焼成した。
次に、平均粒径2μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、イソプロピルアルコールとからなる混合液を作製し、積層焼結体の反応防止層の表面に噴霧塗布し、空気極層成形体を形成し、1100℃にて4時間で焼き付け、空気極層を形成し、図5に示す燃料電池セルを作製した。
なお、作製した燃料電池セルの寸法は25mm×200mmで、導電性支持体の厚み(平坦面n間の厚み)は2mm、開気孔率35%、燃料極層の厚さは10μm、開気孔率24%、空気極層の厚みは50μm、開気孔率40%、固体電解質層の相対密度は97%であった。
インターコネクタ層の厚み(平坦面n上の厚み)は30μm、相対密度は95%であった
次に、この燃料電池セルの内部に水素ガスを流し、850℃で10時間、導電性支持体および燃料極層の還元処理を施した。
作製した燃料電池セル10個全てについて、走査型電子顕微鏡(SEM)により、インターコネクタ層の端部における二股部で固体電解質層の端部が挟まれていることを確認した。さらに、10個の試料全てにおいて、固体電解質層の端部上にインターコネクタ層の端部が接合しており、また、固体電解質層上に形成されたインターコネクタ層の部分と、導電性支持体上に形成されたインターコネクタ層の部分との間には、クラックは発生していなかった。
1、9、10:燃料電池セル
2:導電性支持体
3:燃料極層
4:固体電解質層
5:空気極層
6:インターコネクタ
6a:二股部
7:ガス通路
8:中間層
12:セルスタック装置
20:燃料電池モジュール
25:燃料電池装置

Claims (8)

  1. 固体電解質層の両端部にインターコネクタ層の両端部をそれぞれ接合して、内部にガスが流通するガス流路を形成するとともに、前記固体電解質層の外側に外側電極層を、内側に内側電極層を形成してなる固体酸化物形燃料電池セルであって、前記インターコネクタ層の両端部がそれぞれ二股に分かれて二股部が形成されており、該インターコネクタ層の前記二股部で前記固体電解質層の端部が挟まれていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 柱状の導電性支持体の外周面の一の領域にインターコネクタが設けられており、前記外周面のうち前記一の領域と対向する他の一の領域に、内側電極層、固体電解質層および外側電極層がこの順に積層された積層体が設けられているとともに、該積層体のうち前記内側電極層および前記固体電解質層の端部が前記インターコネクタと隣接するように配置されている燃料電池セルであって、
    前記インターコネクタの端部が前記固体電解質層の端部上に重なって接合しており、かつ前記固体電解質層および前記内側電極層のうち少なくとも一方の端部の前記導電性支持体側に前記インターコネクタの端部の一部が介在していることを特徴とする燃料電池セル。
  3. 前記固体電解質層および前記内側電極層のうち少なくとも一方の端部の端面は、上端が下端よりも前記インターコネクタ側に突出した傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記内側電極層の端部の端面は、上端が下端よりも前記インターコネクタ側に突出した傾斜面であるとともに、前記固体電解質層の端部の端面は、下端が上端よりも前記インターコネクタ側に突出した傾斜面であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池セル。
  5. 前記導電性支持体が互いに平行な一対の主面と一対の該主面同士を接続する一対の弧状面とを有する形状であり、一方の前記主面に前記積層体が設けられ、他方の前記主面に前記インターコネクタが設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の燃料電池セルを、集電部材を介して立設させた状態で複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの一端部を固定するとともに、前記燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドとを具備することを特徴とするセルスタック装置。
  7. 請求項6に記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
  8. 請求項7に記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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