JP2009246487A - 遠隔操作装置、操作対象装置、遠隔操作装置の制御方法、操作対象装置の制御方法、及び遠隔操作システム - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に通信相手を特定し、また通信相手の特定に用いる通信手段にて送信するデータ量を必要最小限に抑える。
【解決手段】遠隔操作装置300は、操作対象装置200に信号を送信可能な操作側第1通信部301と、操作対象装置200と信号を送受信可能な操作側第2通信部302と、操作側第2通信部302を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を、操作側第1通信部301を介して操作対象装置200に送信する接続開始部11と、操作側第2通信部302を介して操作対象装置200と信号の送受信を行う操作側通信制御部12とを備えているので、操作側第2通信部302を介した信号の送受信相手を非常に容易に特定することができる。また、操作側第1通信部301が送信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】遠隔操作装置300は、操作対象装置200に信号を送信可能な操作側第1通信部301と、操作対象装置200と信号を送受信可能な操作側第2通信部302と、操作側第2通信部302を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を、操作側第1通信部301を介して操作対象装置200に送信する接続開始部11と、操作側第2通信部302を介して操作対象装置200と信号の送受信を行う操作側通信制御部12とを備えているので、操作側第2通信部302を介した信号の送受信相手を非常に容易に特定することができる。また、操作側第1通信部301が送信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、容易に通信接続を行うことのできる遠隔操作装置及び操作対象装置等に関するものである。
従来から、電子機器の遠隔操作には赤外線が広く使われている。赤外線は、指向性を有しているので、赤外線を用いたリモコン(以下、赤外線リモコンと呼ぶ)で電子機器の遠隔操作を行う場合に、赤外線リモコンの赤外線発光部が電子機器の赤外線受光部に向いていなかったり、赤外線発光部と赤外線受光部との間に遮蔽物が存在したりするときには、電子機器の遠隔操作を行うことができないという欠点を有する。
また、赤外線による遠隔操作における欠点として、送信可能なデータ容量が限られる点や、遠隔操作が可能な距離が短い点が挙げられる。特に、近年では、画像や動画といった、比較的容量の大きいデータを電子機器間で送受信する機会が多くなっているので、送信可能なデータ容量が限られる点は大きな問題となる。
そこで、近年、赤外線に代えて無線LAN(local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無指向性の通信手段を用いて電子機器の遠隔操作を行う技術が提案されている。これらの通信手段では、赤外線通信と比べて大容量のデータを高速に送受信することができる。
ところで、従来の赤外線リモコンでは、赤外線に指向性があるため、リモコンを操作対象装置に向けることによって、その操作対象装置の操作を行うことができる。一方、無指向性の通信手段を用いて操作対象装置の操作を行う場合には、リモコンの周囲の広い範囲に操作信号が送信されるので、ユーザの意図しない機器の操作が行われてしまう可能性がある。
そこで、リモコンに無指向性の通信手段を用いる場合には、リモコンと操作対象装置とで無指向性の通信手段にて通信を行うために、互いのアドレスを登録し合う処理を行う必要がある。この処理は、ペアリングと呼ばれ、ペアリングを行うことによって、リモコンと操作対象装置とのそれぞれに、通信相手のアドレスが登録される。このアドレスを用いることにより、操作対象装置以外の電子機器には、リモコンが送信する操作信号が受信されなくなるので、ユーザの意図しない機器の操作が行われてしまうことがない。
このように、ペアリングを行うことによって、リモコンと操作対象装置とで互いにアドレスを指定して通信接続を確立することができる。その結果、ユーザの意図しない機器の操作が行われてしまうことを防ぐことができる。
ここで、1つの操作対象装置に複数のリモコンがペアリングされている場合に、上記操作対象装置が何れのリモコンと通信接続を行うかを判断することができないという問題がある。
すなわち、操作対象装置は、複数のリモコンがそれぞれ送信する操作信号からは、当該操作信号の送信元を特定することができない。そのため、操作対象装置は、操作信号を受信したときに、ペアリングされている複数のリモコンのうち、何れのリモコンと通信接続を確立すればよいかを判断することができない。
そこで、例えば1つの操作対象装置に複数のリモコンがペアリングされている場合には、上記操作対象装置が上記複数のリモコンのそれぞれと順次通信接続を試みる構成を採用することが考えられる。これにより、ユーザが使用しているリモコンと操作対象装置との通信接続が確立されるので、ユーザはリモコンによって操作対象装置の操作を行うことができる。
しかしながら、上記の構成によれば、ユーザの使用していないリモコンに対しても通信接続が試みられることになるので、ユーザが使用しているリモコンと操作対象装置との通信接続が確立されるまでに時間がかかるという問題が生じる。また、誤ってユーザの使用していないリモコンと操作対象装置との通信接続が確立されてしまうことも考えられる。
ここで、操作対象装置が、複数のリモコンの中から、ユーザの使用しているリモコンを判別するために、例えば下記の特許文献1の技術を適用することが考えられる。特許文献1には、リモコンとテレビとの間で、赤外線通信を用いて認識コード(通信用のアドレス)の交換を行い、交換した認識コードを用いて電波を用いた通信を行うことが記載されている。
上記の構成によれば、赤外線通信にて電波通信用のアドレスが送信されるので、テレビ(操作対象装置)は、複数のリモコンが存在している場合であっても、上記アドレスの送信元のリモコンを特定することができ、該特定したリモコンと通信接続を確立することができる。すなわち、赤外線通信にて通信相手のリモコンを特定することによって、該特定したリモコンと通信接続を確立することができる。
また、特許文献1のように、赤外線通信と電波通信との2組の通信手段を用いて通信を行う装置としては、例えば下記の特許文献2が挙げられる。特許文献2では、サーバー機器が、クライアント機器から発信された電波信号を受信した場合に、サーバー機器とクライアント機器とで通信接続を行うための暗号化キーを赤外線通信で上記クライアント機器に送信することが記載されている。
上記の構成を用いた場合には、サーバー機器(リモコン)から送信される赤外線信号の受信可能範囲のクライアント機器(操作対象装置)のみに上記暗号化キーを受信させることができる。したがって、操作対象装置とユーザの使用しているリモコンとの間のみで電波信号による通信を許可することができる。すなわち、赤外線通信にて通信相手のクライアント機器を特定することによって、該特定したクライアント機器と通信接続を確立することができる。
特開平9−215064号公報(1997年8月15日公開)
特開2006−339806号公報(2006年12月14日公開)
ここで、上記特許文献1の技術では、赤外線通信を用いて認識コード(通信用のアドレス)の交換を行っている。また、上記特許文献2の技術では、赤外線通信を用いて電波通信のための暗号化キーを送信している。
しかしながら、従来からリモコン等の用途で広く用いられている赤外線通信手段では、アドレス情報や暗号化キーのようなデータを送受信することが想定されていないので、上記特許文献1及び2の構成に、従来から広く用いられている赤外線通信手段をそのまま適用することは困難である。
すなわち、一般的な赤外線リモコンは、家電製品協会が定めたフォーマットに従ってコマンド信号を送信する仕様となっている。しかしながら、上記フォーマットは、操作対象装置の電源のON/OFF等の比較的簡単なコマンドの送信を想定しているものであり、アドレスや暗号化キーのような、通常のリモコンコマンドよりも容量の大きいデータの送信に対応できるようになっていない。
一方、IrDA(Infrared Data Association)は、赤外線でデータ通信を行う規格であるから、IrDAを用いた場合には、赤外線通信にてアドレスや暗号化キーの交換が可能である。しかしながら、IrDAは、一般的な赤外線リモコンには搭載されていないハードウェアであるから、リモコンにIrDAを搭載した場合には、従来の一般的な赤外線リモコンと比べて製造コストが高くなってしまう。また、IrDAの通信可能距離は、一般的な赤外線リモコンと比べて短いという問題もある。
ここで、上記の例では、赤外線通信手段は、通信相手の機器を特定するために使用されている。このように、通信相手の機器を特定するための通信手段は、赤外線通信手段に限られないが、どのような通信手段を用いる場合においても、通信相手の機器を特定できさえすればよく、通信相手の機器を特定するための通信手段にて送受信されるデータ量はより少ない方が望ましい。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に通信相手を特定して通信接続することができると共に、通信相手を特定するための通信に使用する信号のデータ量を必要最小限に抑えることのできる遠隔操作装置等を実現することにある。
本発明の遠隔操作装置は、上記課題を解決するために、操作対象装置に信号を送信して遠隔操作する遠隔操作装置であって、上記操作対象装置に信号を送信可能な操作側第1通信部と、上記操作対象装置と信号を送受信可能な操作側第2通信部と、上記操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して上記操作対象装置に送信する通信開始制御手段と、上記操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を行う操作側通信制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の遠隔操作装置の制御方法は、上記課題を解決するために、操作対象装置に信号を送信して遠隔操作する遠隔操作装置の制御方法であって、上記遠隔操作装置は、上記操作対象装置に信号を送信可能な操作側第1通信部と、上記操作対象装置と信号を送受信可能な操作側第2通信部とを備え、上記操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して上記操作対象装置に送信する通信開始ステップと、上記操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を行う操作側通信制御ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、遠隔操作装置は、接続開始信号の送信をトリガとして、操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を開始する。したがって、接続開始信号の送り先の操作対象装置を、操作側第2通信部を介した信号の送受信相手として特定することができる。すなわち、上記の構成によれば、操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を非常に容易に特定することができる。
また、操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を特定する際に、操作側第1通信部は、接続開始信号の送信のみを行えばよい。したがって、操作側第1通信部が送信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。そのため、上記の構成では、操作側第1通信部として、従来からリモコン等の用途で広く用いられている赤外線通信手段を適用することができ、これにより遠隔操作装置の製造コストを低く抑えることができる。
また、上記操作側通信制御手段は、上記操作対象装置から上記操作側第2通信部を介して該操作対象装置との通信接続を要求する接続要求信号を受信したときに、上記操作対象装置と互いに通信アドレスを指定して上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立することが好ましい。
上記の構成によれば、操作側第2通信部を介して信号の送受信を行う場合に、操作対象装置と互いに通信アドレスを指定した通信接続が確立される。したがって、操作側第2通信部を介して送受信される信号が、他の電子機器に受信されることを防ぐことができる。そのため、上記の構成によれば、遠隔操作装置が送信する信号によって遠隔操作装置のユーザが意図しない電子機器が誤って操作されてしまうことがない。
また、上記操作側通信制御手段は、少なくとも上記通信開始制御手段が上記接続開始信号を送信した後の所定の期間内に上記接続要求信号を受信したときには、上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立し、上記所定の期間の経過後は、上記操作側第2通信部を介した通信接続を行わないことが好ましい。
上記の構成によれば、接続開始信号の送信後、所定の期間内に接続要求信号を受信したときには、操作側第2通信部を介した通信接続が確立される。一方、所定の期間外に接続要求信号を受信した場合には、操作側第2通信部を介した通信接続が確立されない。
ここで、接続開始信号は、遠隔操作装置が操作対象装置と操作側第2通信部を介した通信接続を行うときに送信される信号である。すなわち、上記の構成によれば、接続開始信号を送信した後の所定の期間のみに通信接続の確立を許容している。
したがって、遠隔操作装置を使用していないときに操作対象装置から接続要求信号を受信したとしても通信接続が確立されることはない。すなわち、上記の構成によれば、遠隔操作装置とユーザの意図しない電子機器との通信接続が確立されることを防ぐことができる。
なお、上記所定の期間は、接続開始信号を受信した操作対象装置から送信される接続要求信号の受信を遠隔操作装置にて確認するのに十分な時間である。また、上記所定の時間は、ユーザの意図しない電子機器との通信接続が確立されることを防ぐという観点からできるだけ短い時間であることが好ましい。したがって、上記所定の時間は、例えば3秒以内に設定すればよい。
また上記接続要求信号には、当該接続要求信号の送信元の操作対象装置を識別するための操作対象装置識別情報が含まれており、上記操作側第2通信部を介した通信接続の対象となる操作対象装置と、該操作対象装置の通信アドレスとが対応付けられた操作側接続先記憶部と、上記接続要求信号に含まれる操作対象装置識別情報に対応する操作対象装置が上記操作側接続先記憶部に記憶されているか否かを判断する操作側接続先照合手段とを備え、上記操作側通信制御手段は、上記操作側接続先照合手段が上記操作側接続先記憶部に記憶されていると判断した場合に、当該操作対象装置と上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立することが好ましい。
上述のように、操作対象装置は、遠隔操作装置の操作側第1通信部から送信された接続開始信号を受信したときに接続要求信号を送信する。ここで、上記接続開始信号が、ユーザの意図しない電子機器に受信された場合には、当該電子機器から接続要求信号が送信され、遠隔操作装置と上記ユーザの意図しない電子機器との間で通信接続が確立されてしまうことも考えられる。
そこで、上記の構成では、接続要求信号に含まれる操作対象装置識別情報を用いて、当該接続要求信号の送信元の照合を行う。これにより、ユーザの意図しない電子機器との間で通信接続が確立されることを防ぐことができる。
また、上記通信開始制御手段は、上記接続開始信号と共に、上記操作対象装置に自装置を特定させるための遠隔操作装置識別情報を上記操作側第1通信部を介して送信することが好ましい。
上記の構成によれば、操作対象装置と通信可能な遠隔操作装置が複数存在する場合に、上記複数の遠隔操作装置の何れかから接続開始信号を受信したときに、操作対象装置は、何れの遠隔操作装置と通信を行うべきかを判断することができる。したがって、上記の構成によれば、複数の遠隔操作装置にて1つの操作対象装置を操作する場合にも対応することができる。
また、上記通信開始制御手段は、上記操作対象装置を遠隔操作するための入力操作が行われたときに、上記接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して送信するようになっており、上記操作側通信制御手段は、上記入力操作に対応し、上記操作対象装置を遠隔操作するための信号を上記操作側第2通信部を介して送信することが好ましい。
上記通信開始制御手段が接続開始信号を送信するトリガとなる操作はどのような操作であってもよいが、上記構成のように操作対象装置を遠隔操作するための入力操作をトリガとして接続開始信号を送信することが好ましい。
この場合には、ユーザは、操作対象装置を遠隔操作するための入力操作を行うだけで、自動的に操作側第2通信部を介した通信が確立され、操作対象装置を遠隔操作するための信号が操作側第2通信部を介して送信される。したがって、ユーザに何ら特別な操作を強いることなく、操作側第2通信部を介した信号の送受信によって操作対象装置を操作することができる。
本発明の操作対象装置は、上記課題を解決するために、遠隔操作装置から信号を受信して動作制御される操作対象装置であって、上記遠隔操作装置が送信する信号を受信可能な被操作側第1通信部と、上記遠隔操作装置と信号を送受信可能な被操作側第2通信部と、上記被操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記被操作側第1通信部を介して受信した場合に、上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を行う被操作側通信制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の操作対象装置の制御方法は、上記課題を解決するために、遠隔操作装置から信号を受信して動作制御される操作対象装置の制御方法であって、上記操作対象装置は、上記遠隔操作装置が送信する信号を受信可能な被操作側第1通信部と、上記遠隔操作装置と信号を送受信可能な被操作側第2通信部とを備え、上記被操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記被操作側第1通信部を介して受信する接続開始信号受信ステップと、上記接続開始信号の受信後に、上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を行う被操作側通信制御ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、操作対象装置は、接続開始信号の受信をトリガとして、被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を開始する。したがって、接続開始信号の送信元の遠隔操作装置を、被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手として特定することができる。すなわち、上記の構成によれば、被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を非常に容易に特定することができる。
また、被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を特定する際に、被操作側第1通信部は、接続開始信号の受信のみを行えばよい。したがって、被操作側第1通信部が受信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。そのため、上記の構成では、被操作側第1通信部として、従来からリモコン等の用途で広く用いられている赤外線通信手段を適用することができ、これにより操作対象装置の製造コストを低く抑えることができる。
また、上記被操作側通信制御手段は、上記接続開始信号を受信したときに、上記被操作側第2通信部を介して互いに通信アドレスを指定して通信接続することを上記遠隔操作装置に要求する接続要求信号を上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置に送信することが好ましい。
上記の構成によれば、被操作側第2通信部を介して信号の送受信を行う場合に、遠隔操作装置と互いに通信アドレスを指定した通信接続が確立される。したがって、被操作側第2通信部を介して送受信される信号が、他の電子機器に受信されることを防ぐことができる。
また、上記被操作側通信制御手段は、上記接続要求信号と共に、上記遠隔操作装置に自装置を特定させるための操作対象装置識別情報を送信することが好ましい。
上記の構成によれば、遠隔操作装置と通信可能な操作対象装置が複数存在する場合に、上記複数の操作対象装置の何れかから接続要求信号を受信したときに、遠隔操作装置は、何れの操作対象装置と通信を行うべきかを判断することができる。したがって、上記の構成によれば、1つの遠隔操作装置にて複数の操作対象装置を操作する場合にも対応することができる。
また、上記接続開始信号には、当該接続開始信号の送信元の遠隔操作装置を識別するための遠隔操作装置識別情報が含まれており、通信接続対象の遠隔操作装置と、該遠隔操作装置の上記通信アドレスとが対応付けられた被操作側接続先記憶部と、上記接続開始信号に含まれる遠隔操作装置識別情報に対応する遠隔操作装置が上記被操作側接続先記憶部に記憶されているか否かを判断する被操作側接続先照合手段とを備え、上記被操作側通信制御手段は、上記被操作側接続先照合手段が上記被操作側接続先記憶部に記憶されていると判断した場合に、当該遠隔操作装置と上記被操作側第2通信部を介した通信接続を確立することが好ましい。
上述のように、操作対象装置は、接続開始信号を受信したときに接続要求信号を送信することによって、被操作側第2通信部を介した通信接続を確立する。ここで、操作対象装置が複数の遠隔操作装置と被操作側第2通信部を介した通信接続を確立することができる場合、すなわち操作対象装置に複数の遠隔操作装置の通信アドレスが記憶されており、上記複数の遠隔操作装置のそれぞれに当該遠隔操作装置の通信アドレスが記憶されている場合に、接続要求信号を受信したときには、操作対象装置は、何れの遠隔操作装置と被操作側第2通信部を介した通信接続を確立するべきかを判断することができない。
そこで、上記の構成では、接続開始信号に含まれる遠隔操作装置識別情報を用いて、当該接続開始信号の送信元の照合を行う。これにより、接続開始信号の送信元の遠隔操作装置を特定し、該特定した遠隔操作装置と被操作側第2通信部を介した通信接続を確立することができる。
また、上記遠隔操作装置と上記操作対象装置とを含む遠隔操作システムであれば、操作側第2通信部及び被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を非常に容易に特定することができ、操作側第1通信部が送信し、被操作側第1通信部が受信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。
なお、上記遠隔操作装置及び操作対象装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記遠隔操作装置及びまたは操作対象装置の各手段として動作させることにより、上記遠隔操作装置または操作対象装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の遠隔操作装置は、操作対象装置に信号を送信可能な操作側第1通信部と、上記操作対象装置と信号を送受信可能な操作側第2通信部と、上記操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して上記操作対象装置に送信する通信開始制御手段と、上記操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を行う操作側通信制御手段とを備えている構成である。
また、本発明の操作対象装置は、以上のように、遠隔操作装置が送信する信号を受信可能な被操作側第1通信部と、上記遠隔操作装置と信号を送受信可能な被操作側第2通信部と、上記被操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記被操作側第1通信部を介して受信した場合に、上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を行う被操作側通信制御手段とを備えている構成である。
したがって、遠隔操作装置は操作側第2通信部を介した信号の送受信相手の操作対象装置を容易に特定することができ、また操作対象装置は被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手の遠隔操作装置を容易に特定することができる。
また、操作側第2通信部または被操作側第2通信部を介した信号の送受信相手を特定する際に、操作側第1通信部は接続開始信号の送信のみを行えばよく、被操作側第1通信部は接続開始信号の受信のみを行えばよい。したがって、操作側第1通信部が送信し、被操作側第1通信部が受信するデータの容量を必要最小限に抑えることができる。そのため、上記の構成では、操作側第1通信部及び被操作側第1通信部として、従来からリモコン等の用途で広く用いられている赤外線通信手段を適用することができ、これにより遠隔操作装置の製造コストを低く抑えることができる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
〔システムの概要〕
図2は、遠隔操作システム100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、遠隔操作システム100は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300を備えている。遠隔操作システム100は、操作対象装置200を遠隔操作装置300にて操作するシステムである。ここでは、遠隔操作装置300が携帯電話機であり、操作対象装置200がテレビジョン受像機であることを想定している。
図2は、遠隔操作システム100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、遠隔操作システム100は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300を備えている。遠隔操作システム100は、操作対象装置200を遠隔操作装置300にて操作するシステムである。ここでは、遠隔操作装置300が携帯電話機であり、操作対象装置200がテレビジョン受像機であることを想定している。
なお、遠隔操作システム100は、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作可能なシステムであればよく、この例に限定されない。例えば、遠隔操作装置300は、操作信号を送信して操作対象装置200を操作する機能を備えていればよく、PDA(Personal Digital Assistance)、PHS(Personal handy Phone System)、ノート型パソコン、携帯型ゲーム機等であってもよい。もちろん、遠隔操作装置300は、操作対象装置200を操作するための専用リモコンであってもよい。また、操作対象装置200は、遠隔操作装置300が送信する操作信号を受信して動作制御されるものであればよく、例えばパーソナルコンピュータ、録画装置、音楽プレーヤー、エアーコンディショナー等であってもよい。
〔操作対象装置200の構成〕
操作対象装置200は、図示のように、チューナ201、音声出力部202、操作対象装置制御部203、表示部204、操作部205、一時記憶部206、操作対象装置記憶部207、被操作側第1通信部208、及び被操作側第2通信部209を備えている。
操作対象装置200は、図示のように、チューナ201、音声出力部202、操作対象装置制御部203、表示部204、操作部205、一時記憶部206、操作対象装置記憶部207、被操作側第1通信部208、及び被操作側第2通信部209を備えている。
チューナ201は、操作対象装置制御部203が指定するチャンネルの放送波を選択して受信し、これを所定の信号に変換して出力する。操作対象装置200は、この信号にデコード等の処理を施すことによって、受信したチャンネルの映像や音声を出力する。なお、チューナ201は、放送波の受信及び受信した放送波の所定の信号への変換機能を備えていればよく、例えば地上デジタルチューナ、BS、CSチューナ等、必要に応じて従来の一般的なものを適用することもできる。
音声出力部202は、チューナ201の出力及び操作対象装置制御部203の指示に基づいて音声を操作対象装置200の外部に出力する。音声出力部202は、例えばスピーカで構成することができる。
操作対象装置制御部203は、操作対象装置200の動作を統括して制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成することができる。操作対象装置制御部203は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一時記億部107を作業領域として動作する。なお、操作対象装置制御部203が行う処理の詳細については、後に詳しく説明する。
表示部204は、チューナ201の出力及び操作対象装置制御部203の指示に基づいて映像を表示する表示装置である。例えば、LC(Liquid Crystal)表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル、CRT(cathode-ray tube)表示装置等を表示部204として適用することができる。
操作部205は、ユーザが操作対象装置200に操作入力を行うためのものである。操作部205は、ユーザが所望の操作入力を行えるものであればよく、特に限定されない。ここでは、操作部205として各種操作入力に対応する操作キーが設けられていることを想定している。具体的には、チャンネルの変更、音量の増減、操作対象装置200の電源のオン/オフ等の操作入力用の操作キーがそれぞれ設けられていることを想定している。
操作対象装置記憶部207は、図示のように、プログラム及びデータを格納している。操作対象装置200は、操作対象装置記憶部207に格納されているプログラムを、操作対象装置制御部203が一時記憶部206に読み出して実行することによって予め定められた動作を実行する。
被操作側第1通信部208及び被操作側第2通信部209は、操作対象装置200が外部の機器と通信を行うためのものである。被操作側第1通信部208は、操作側第1通信部301と通信可能に構成されており、被操作側第2通信部209は、操作側第2通信部302と通信可能に構成されている。被操作側第1通信部208及び被操作側第2通信部209の詳細については後述する。
〔遠隔操作装置300の構成〕
遠隔操作装置300は、図示のように、操作側第1通信部301、操作側第2通信部302、電話・Web通信部303、音声入力部304、音声出力部305、遠隔操作装置制御部306、表示部307、操作部308、一時記憶部309、及び遠隔操作装置記憶部310を備えている。
遠隔操作装置300は、図示のように、操作側第1通信部301、操作側第2通信部302、電話・Web通信部303、音声入力部304、音声出力部305、遠隔操作装置制御部306、表示部307、操作部308、一時記憶部309、及び遠隔操作装置記憶部310を備えている。
操作側第1通信部301及び操作側第2通信部302は、遠隔操作装置300が外部の機器と通信を行うためのものである。操作側第1通信部301は、被操作側第1通信部208と通信可能に構成されており、操作側第2通信部302は、被操作側第2通信部209と通信可能に構成されている。操作側第1通信部301及び操作側第2通信部302の詳細については後述する。
電話・Web通信部303は、携帯電話網等を介して、他の携帯電話機や一般電話機と通話を行ったり、インターネットに接続して通信を行ったりするためのものである。これらの機能は図示しない電話網通信部及び携帯回線部によって実現される。電話・Web通信部303は、少なくとも通話機能を備えているものであればよく、従来の携帯電話機等で使用されているものを適用することもできる。
音声入力部304は、例えば通話時等において遠隔操作装置300に音声信号を入力するためのものであり、音声出力部305は、通話時等において電話・Web通信部303が受信した音声信号等に基づいて音声を出力するためのものである。また、音声出力部305は、電話やメール等の着信を示す音声等も出力する。音声入力部304及び音声出力部305は、それぞれ音声の入力及び出力ができるものであればよく、従来の携帯電話機等で使用されているものを適用することもできる。
遠隔操作装置制御部306は、遠隔操作装置300の動作を統括して制御するものであり、例えばCPU等で構成することができる。遠隔操作装置制御部306は、例えばRAM等で構成される一時記億部129を作業領域として動作する。なお、遠隔操作装置制御部306が行う処理の詳細については、後に詳しく説明する。
表示部307は、遠隔操作装置制御部306の指示に従って画像を表示するものであり、図示していないが、遠隔操作装置制御部306と表示部307との間には、VDP(Video Display Processor)及びVRAM(video RAM)等の画像を表示するために必要な構成が適宜設けられている。表示部307は、例えばLC表示パネルやEL表示パネル等で構成することができる。
操作部308は、遠隔操作装置300のユーザが遠隔操作装置300に操作入力を行うためのものであり、ユーザが所望の操作入力を行えるものであれば特に限定されない。なお、ここでは、操作部308は、遠隔操作装置300の本体表面に設けられた操作キーであることを想定している。具体的には、操作キーとして、メールに関連するメニュー画面やインターネット接続に関するメニュー画面等を表示部307に表示させる各種メニューキーや、表示部307に表示される項目を選択するための上下左右の方向キー、選択された項目を決定する決定キー、数字や文字を入力するための文字入力キー等を含む複数の操作キーを備えていることを想定している。
遠隔操作装置記憶部310は、図示のように、プログラム及びデータを格納している。遠隔操作装置300は、遠隔操作装置記憶部310に格納されているプログラムを、遠隔操作装置制御部306が一時記憶部309に読み出して実行することによって予め定められた動作を実行する。また、例えば電話・Web通信部303が受信したメール等のデータや、遠隔操作装置300のユーザが記録した電話番号やメールアドレス等のデータが遠隔操作装置記憶部310に格納されるようになっている。
〔遠隔操作システム100で使用する通信手段〕
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301が被操作側第1通信部208と通信可能に構成されている。また、操作側第2通信部302が被操作側第2通信部209と通信可能に構成されている。すなわち、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで形成される第1の通信経路と、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とで形成される第2の通信経路とを用いて通信を行うことができるようになっている(図2参照)。
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301が被操作側第1通信部208と通信可能に構成されている。また、操作側第2通信部302が被操作側第2通信部209と通信可能に構成されている。すなわち、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで形成される第1の通信経路と、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とで形成される第2の通信経路とを用いて通信を行うことができるようになっている(図2参照)。
操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで形成される第1の通信経路は、遠隔操作装置300が操作対象装置200を遠隔操作の対象として特定するために使用される。より詳細には、遠隔操作装置300は、第1の通信経路で通信可能な操作対象装置200を遠隔操作の対象として特定する。
例えば、遠隔操作装置300にて、2台のテレビを操作できるようにした場合には、2台のテレビのうち、遠隔操作装置300が第1の通信経路で通信可能な機器が遠隔操作の対象となる。なお、例えばテレビと録画装置のように、カテゴリが異なる装置は、赤外線リモコン用のコマンドが別に定義されているので、通常は混信することはない。
遠隔操作の対象を特定するためには、例えば第1の通信経路に指向性の強い通信手段を用いればよい。すなわち、第1の通信経路には、近接して配置される電子機器の何れか一方のみと通信可能となるように、比較的狭い通信可能領域を有する通信手段を適用することが好ましい。
ここでは、第1の通信経路に赤外線通信を適用することを想定している。すなわち、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301が発する赤外線信号が、被操作側第1通信部208に受信された場合に、遠隔操作装置300の通信相手が操作対象装置200に特定されるようになっている。
なお、ここでは、遠隔操作装置300側から通信相手となる操作対象装置200を特定するために第1の通信経路を使用することを想定しているので、操作側第1通信部301が赤外線発光部であり、被操作側第1通信部208が赤外線受光部であることを想定している。なお、操作側第1通信部301は、赤外線発光部の他に赤外線受光部を持ち、さらに被操作側第1通信部208は、赤外線受光部の他に赤外線発光部を持つ構成としてもよい。
第1の通信経路では、遠隔操作の対象が特定できればよいので、第1の通信経路は容量の大きいデータの送受信ができるようになっている必要は無い。したがって、操作側第1通信部301及び被操作側第1通信部208としては、従来の一般的な赤外線リモコンで使用されている赤外線発光装置及び赤外線受光装置を適用することもできる。このように、遠隔操作装置300及び操作対象装置200は、現在、広く普及している赤外線リモコンの構成を流用できるので、その製造コストを低く抑えることができる。
なお、第1の通信経路では、遠隔操作の対象が特定できればよく、操作側第1通信部301及び被操作側第1通信部208の構成は、上記の例に限られない。例えば、FeliCa(登録商標)等を適用することもできる。
一方、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とで形成される第2の通信経路は、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでデータの送受信を行うために使用される。また、第2の通信経路では、通信相手をアドレスで指定できるようになっている。
第2の通信経路は、データの送受信に用いられるので、第1の通信経路と比べて容量の大きいデータを高速で送受信できることが好ましい。また、操作対象装置200と遠隔操作装置300との相対的位置関係が変化した場合であっても通信が維持できるように、第2の通信経路は、指向性が低い(通信可能領域が広い)ことが好ましい。
そこで、ここでは第2の通信経路には、Bluetooth(登録商標)通信を適用することを想定している。すなわち、被操作側第2通信部209及び操作側第2通信部302は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行うことのできる通信部である。なお、第2の通信経路は、通信相手をアドレスで指定して通信が行えるものであればよく、無線LANを始めとするIEEE802.11無線やZigBee等を適用することもできる。
〔発明の要点〕
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで赤外線通信を行うことができるようになっていると共に、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とでBluetooth通信を行うことができるようになっている。
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで赤外線通信を行うことができるようになっていると共に、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とでBluetooth通信を行うことができるようになっている。
ここで、赤外線通信は、指向性通信であるから、操作側第1通信部301が発信する赤外線信号が被操作側第1通信部208に受信されるように、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とを対向させることで通信を行うことができる。
一方、Bluetooth通信は、無指向性通信であるから、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とでBluetooth通信を行う場合には、ユーザの意図しない機器が誤って操作されることがないように、予めBluetooth通信の通信先機器を登録するペアリング処理を行う必要がある。
ペアリングを行うことによって、操作対象装置200と遠隔操作装置300とでBluetooth通信用のアドレスが互いに登録されるので、このアドレスを指定してBluetooth通信を行うことによって、ユーザの意図しない機器が誤って操作されることを防ぐことができる。
本発明は、ペアリング処理後の再接続方法に主な特徴点がある。これについて、図3に基づいて説明する。図3は、本発明の遠隔操作システム100の概要を示す図である。図示のように、遠隔操作装置300は、操作対象装置200に再接続処理を開始させる接続開始信号を赤外線通信(IR)で送信する。なお、同図では、操作対象装置200と遠隔操作装置300とは、すでにペアリング済みであることを想定している。
そして、遠隔操作装置300は、接続開始信号を送信すると共に、再接続処理を実行可能な接続待ち受け状態へと移行する。そして、接続開始信号を受信した操作対象装置200は、遠隔操作装置300に接続開始信号を送信して再接続処理を開始する。
上記の構成によれば、接続開始信号が赤外線通信にて送信されるので、遠隔操作装置300の操作側第1通信部301を向けた操作対象装置200が再接続処理を開始する。すなわち、上記の構成によれば、ユーザは、操作側第1通信部301を向けることによって、容易に接続相手となる機器を特定することができる。
また、接続開始信号は、操作対象装置200が再接続処理を開始するトリガとなるものであればよく、Bluetooth通信に用いるアドレス情報等を含んでいる必要がない。したがって、接続開始信号の情報量を非常に少なく抑えることができるので、家電製品協会が規定する赤外線リモコン用の信号フォーマットに従って接続開始信号を生成することができる。これにより、従来から広く用いられている赤外線通信手段をそのまま用いることができる。
さらに、上記の構成によれば、再接続処理が無指向性のBluetooth通信にて行われるので、接続開始信号の送信後は、遠隔操作装置300を移動させた場合であっても、確実に再接続処理が実行される。
〔リモコンアプリ〕
遠隔操作装置300は、通常は携帯電話機として動作するが、所定のアプリケーションプログラム(以下、リモコンアプリと称する)を起動することによって操作対象装置200を操作することができるようになる。このように、リモコンアプリをインストールすることによって、様々な電子機器を遠隔操作装置300として動作させることが可能になる。
遠隔操作装置300は、通常は携帯電話機として動作するが、所定のアプリケーションプログラム(以下、リモコンアプリと称する)を起動することによって操作対象装置200を操作することができるようになる。このように、リモコンアプリをインストールすることによって、様々な電子機器を遠隔操作装置300として動作させることが可能になる。
特に、携帯電話機は、データの送受信手段として赤外線通信手段やBluetooth通信手段を備えているものが広く普及している。したがって、遠隔操作装置300のように携帯電話機を適用した場合には、これらの通信手段を遠隔操作用の通信手段として流用することができるので好ましい。
ここでは、リモコンアプリ起動時の表示画面例について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、リモコンアプリを起動したときに表示部307に表示される画面の一例を示す図である。
図示の例では、接続する機器の種別を「テレビ」、「レコーダ」、及び「PC」の中から選択するように促す画面が表示されている。すなわち、図示の例では、遠隔操作装置300にて「テレビ」、「レコーダ」、及び「PC」の3種類の機器の操作が可能である場合の例を示している。なお、「レコーダ」はテレビ番組等を録画する録画装置であり、「PC」はパーソナルコンピュータである。
また、図3で説明したように、遠隔操作システム100では、赤外線通信にてペアリング開始信号を送信することによってペアリング処理が開始される。赤外線通信は指向性通信であるから、操作対象機器(遠隔操作システム100では操作対象装置200)に遠隔操作装置300を向けて操作する必要があるため、図示の例では、操作対象機器の選択操作を当該操作対象機器に向けて行うように促すメッセージが表示されている。
ここで、遠隔操作装置300(より詳細には操作側第1通信部301)を操作対象装置200(より詳細には被操作側第1通信部208)に向けて、図4の「テレビ」を選択する操作を行うことにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でペアリングが行われていない場合には、図3に示すようにしてペアリングが行われる。
ペアリングが行われることによって、Bluetooth通信の通信範囲内に他の電子機器が存在している場合であっても、遠隔操作装置300にて「テレビ」のみを確実に操作できるようになる。なお、遠隔操作装置300と「テレビ」との間ですでにペアリングが行われている場合に、図4の「テレビ」を選択する操作を行ったときには、ペアリングは実行されない。
そして、ペアリングが完了すると、図5に示すような画像が表示部307に表示される。図5は、図4の表示状態において、「テレビ」を選択したときに表示部307に表示される画像の一例を示す図である。図示の画像は、ソフトウェアキーボード表示(以下、ソフトキー表示と称する)と呼ばれるものである。ソフトキー表示では、操作部308に含まれる各操作キーの配置と、各操作キーに割り当てられた機能とが表示される。
すなわち、操作部308には、図5と同じ配置で操作キーが配列しており、操作部308において、表示部307に表示されているキーに対応する操作キーの入力を行うことによって、表示されている機能に対応する処理が実行される。例えば、図5において、「音↑」と表示されているキーに対応する、操作部308の操作キーに入力を行うことによって、テレビの音量が上がるようになっている。
このように、ソフトキー表示を行うことによって、操作部308の操作キーに任意のリモコン操作を割り当てることができ、これにより携帯電話機の機能を有する遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作することが可能になる。
なお、遠隔操作装置300は、遠隔操作の入力ができるようになっていればよく、上記の例に限られない。例えば、遠隔操作装置300の表示部307及び操作部308をタッチパネルで構成して表示部307に遠隔操作用の画面を表示し、表示された画面に応じた遠隔操作の入力を受け付けるようにしてもよい。
〔一般的なリモコンを適用する場合の例〕
本実施形態では、携帯電話機の機能を有する遠隔操作装置300について説明しているが、本発明の遠隔操作装置としては、従来の一般的なリモコンを適用することもできる。図6は、本発明の遠隔操作装置として、従来の一般的なリモコンを適用した場合の例を示している。
本実施形態では、携帯電話機の機能を有する遠隔操作装置300について説明しているが、本発明の遠隔操作装置としては、従来の一般的なリモコンを適用することもできる。図6は、本発明の遠隔操作装置として、従来の一般的なリモコンを適用した場合の例を示している。
同図に示す遠隔操作装置には、電源のON/OFF切り換えを行う「電源ボタン」、チャンネル等の切り換えに用いられる1〜12までの数字が付された「数字ボタン」、音量を増減させるための「音量ボタン」、メニュー画面を表示させるための「メニューボタン」、上下左右の「方向ボタン」、処理の決定時等に使用する「決定ボタン」、処理の終了時等に使用する「終了ボタン」、画面表示を1つ前の状態に戻すための「戻るボタン」が表示されている。
また、同図に示す遠隔操作装置には、遠隔操作装置の操作対象をテレビ、レコーダ、及びPCで切り換える切り換えスイッチが設けられている。図示の例では、切り換えスイッチがテレビに合わされているので、図示の状態にて上記各ボタン操作を行うことによって、テレビの動作制御(電源のON/OFF切り換え、チャンネル変更等)を行うことができる。
本発明の遠隔操作装置を図示のような一般的なリモコンの形態とした場合には、上記切り換えスイッチを切り換えたタイミングでペアリング処理を開始するようにすればよい。また、すでにペアリング済みである場合には上記のタイミングで再接続処理を開始するようにすればよい。例えば、図示の状態から、切り換えスイッチを「レコーダ」に合せたときには、レコーダとのペアリングまたは再接続を試みるようにすればよい。
なお、図示の状態から、切り換えスイッチを「PC」に合せるときには、切り換えの途中で切り換えスイッチが「レコーダ」に合わさることになる。したがって、この場合には、ユーザが「PC」の操作を行いたいにも関わらず、「レコーダ」にペアリングまたは再接続が試みられるおそれがある。このような事態は、例えば切り換えスイッチが一定時間以上同じ操作対象機器に合わさっている場合にペアリングまたは再接続を試みるように設定することで回避することができる。
また、図示のようにすでに切り換えスイッチが「テレビ」に合わさっている場合に、テレビと接続を行うときには、例えばリモコン上の任意のボタン(例えば電源ボタン)を押下したときにテレビにペアリングまたは再接続を試みるようにすればよい。これにより、ユーザがテレビの操作を行いたいタイミングでリモコンとテレビとのペアリングまたは再接続が行われる。
〔操作対象装置200のより詳細な構成〕
続いて、図1に基づいて操作対象装置200及び遠隔操作装置300のより詳細な構成について説明する。図1は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300の要部構成を示すブロック図である。図示のように、操作対象装置制御部203には、被操作側ペアリング実行部1、被操作側接続先管理部2、及び被操作側通信制御部3が含まれており、操作対象装置記憶部207には、接続先管理テーブル4が格納されている。
続いて、図1に基づいて操作対象装置200及び遠隔操作装置300のより詳細な構成について説明する。図1は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300の要部構成を示すブロック図である。図示のように、操作対象装置制御部203には、被操作側ペアリング実行部1、被操作側接続先管理部2、及び被操作側通信制御部3が含まれており、操作対象装置記憶部207には、接続先管理テーブル4が格納されている。
被操作側ペアリング実行部1は、操作対象装置200におけるペアリング処理の実行を制御する。具体的には、被操作側ペアリング実行部1は、遠隔操作装置300からペアリング開始信号を受信したときに、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信を行うために互いのアドレスを登録し合うペアリング処理を実行する。
被操作側通信制御部3は、被操作側第1通信部208を介して接続開始信号を受信した場合に、被操作側第2通信部209を介してペアリング済みの遠隔操作装置300と信号の送受信を行う。具体的には、被操作側通信制御部3は、上記接続開始信号を受信したときに、被操作側第2通信部209を介して互いに通信アドレスを指定して通信接続することをペアリング済みの遠隔操作装置300に要求する接続要求信号を、被操作側第2通信部209を介して遠隔操作装置300に送信する。この接続要求信号を受信した遠隔操作装置300が操作対象装置200に接続許可信号を送信することによって、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立される。また、被操作側通信制御部3は、複数の遠隔操作装置300からの制御を受ける場合に、各遠隔操作装置300に許可する制御内容に制限を付けるリモコン制限設定処理を行う。
被操作側接続先管理部2は、被操作側第2通信部209を介した通信、すなわちBluetooth通信の通信相手機器に関する情報を管理する。また、被操作側接続先管理部2は、現在Bluetooth通信接続中の通信相手機器を管理する。具体的には、被操作側接続先管理部2は、ペアリング処理において遠隔操作装置300から送られてくるアドレスやサービス情報等を接続先管理テーブル4に格納する。また、被操作側接続先管理部2は、接続開始信号を受信した場合に、該接続開始信号の送信元の遠隔操作装置が接続先管理テーブル4に記憶されているか否かを判断する。
さらに、被操作側接続先管理部2は、ペアリング済みの機器のそれぞれにIDを割り当てる。このIDも接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200が接続する相手機器の識別や上記リモコン制限設定処理に用いられる。
接続先管理テーブル4は、例えば下記の表1に示すようなデータ構造とすることができる。表1は、接続先管理テーブル4の一例を示す表である。表1では、1つの遠隔操作装置について、リモコンID、機器情報、及びサービス情報を対応付けて格納する例を示している。
すなわち、表1は、リモコンIDが「0x01」、機器情報(Bluetooth通信用のアドレス)が「00:11:22:33:44:AA」、そしてサービス情報が「0x0001111」である第1の遠隔操作装置と、リモコンIDが「0x02」、機器情報が「00:11:22:33:55:AA」、そしてサービス情報が「0x0001111」である第2の遠隔操作装置とが操作対象装置200とペアリング済みである場合に接続先管理テーブル4に格納されるデータの一例を示している。
なお、リモコンIDは操作対象装置200とペアリング済みの機器に付与される識別情報であり、機器情報はBluetooth通信を行うためのアドレスであり、サービス情報は該ペアリング済みの機器が操作対象装置200に提供するサービスを示している。ここでは、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を遠隔操作することを想定しているので、サービス情報は何れもリモコンサービスとなっている。
操作対象装置200には、遠隔操作装置300以外にもヘッドホン等様々な電子機器をBluetooth接続できるようになっているので、操作対象装置200はペアリング済みの機器がどのようなサービスを提供するものであるかを把握しておく必要がある。そのため、表1の例では、接続先管理テーブル4にサービス情報が含まれている。
なお、接続先管理テーブル4には、少なくとも機器情報が含まれていればよく、リモコンID及びサービス情報は必ずしも接続先管理テーブル4に格納されていなくてもよい。しかしながら、リモコンIDが格納されていることで複数の遠隔操作装置に対応することが可能になり、サービス情報が格納されていることで複数種類の外部機器をBluetooth接続することが可能になるので、接続先管理テーブル4には、リモコンID及びサービス情報が含まれていることが好ましい。
〔遠隔操作装置300のより詳細な構成〕
図1に示すように、遠隔操作装置制御部306には、接続開始部11、操作側通信制御部12、操作側接続先管理部13、及び操作側ペアリング実行部14が含まれており、遠隔操作装置記憶部310には、接続先格納部15及び識別情報格納部16が含まれている。
図1に示すように、遠隔操作装置制御部306には、接続開始部11、操作側通信制御部12、操作側接続先管理部13、及び操作側ペアリング実行部14が含まれており、遠隔操作装置記憶部310には、接続先格納部15及び識別情報格納部16が含まれている。
接続開始部11は、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでペアリングを行った後に通信接続を行う処理である再接続処理の開始タイミングを制御する。再接続処理によって、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信接続が確立される。具体的には、接続開始部11は、操作部308に所定の入力操作が行われたときに、操作側第1通信部301に指示して操作対象装置200にBluetooth通信接続を開始させる接続開始信号を送信させると共に、操作側通信制御部12に指示して遠隔操作装置300を接続要求受け入れモードに移行させる。
なお、上記所定の入力操作とは、遠隔操作装置300のユーザが該遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作である。例えば、図4の例では、接続する機器を選択する操作が上記所定の入力操作に相当する。また、図6の例では、切り換えスイッチを接続対象機器に合せる操作、または切り換えスイッチが接続対象機器に合わされた状態における電源ボタンや、操作対象装置200を操作する操作ボタン等の任意の入力ボタンへの入力操作が上記所定の入力操作に相当する。
このように、遠隔操作装置300のユーザが該遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作をトリガとして再接続処理が開始されるので、ユーザは従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚で操作対象装置200の遠隔操作を行うことができる。
なお、遠隔操作装置300に再接続処理実行用のキーを設け、該再接続処理実行用のキーに対して入力操作が行われたときに、接続開始部11が接続開始信号を送信させるようにしてもよい。しかしながら、操作用のキーが増えるとユーザの操作性が低下するので、上記のように、遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作をトリガとして接続開始信号を送信させることが好ましい。
また、接続開始部11は、識別情報格納部16に格納されている自装置のIDに基づいて、操作対象装置200が上記接続開始信号の送信元を識別できるような接続開始信号を生成する。例えば、自装置のIDを接続開始信号に組み込むことによって、操作対象装置200は上記接続開始信号の送信元を識別することが可能になる。
これにより、操作対象装置200が複数の機器とペアリングしている場合であっても、操作対象装置200は、何れの遠隔操作装置から接続開始信号を受信したかを認識することができ、接続開始信号の送信元の機器と確実に接続することができる。
操作側通信制御部12は、ペアリング済みの操作対象装置200と操作側第2通信部302を介して通信する際の制御を行う。具体的には、操作側通信制御部12は、接続開始部11の指示によって接続要求受け入れモードに移行し、操作対象装置200からの接続要求を待ち受ける。そして、接続要求の受信を確認した場合に、該接続要求の送信元である操作対象装置200との操作側第2通信部302を介した通信接続を確立する再接続処理を実行する。
なお、接続要求受け入れモードとは、操作側通信制御部12が接続要求を受け入れて再接続処理を実行する状態を指す。操作側通信制御部12は、接続要求受け入れモードではない状態にて接続要求を確認した場合には、再接続処理は実行されない。これにより、複数の遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作する場合であっても、確実に接続開始信号を送信した遠隔操作装置300と該接続開始信号を受信した操作対象装置200との間で通信接続を確立することができる。
なお、接続要求受け入れモードの継続時間は、接続開始部11が接続開始信号を送信させた後、所定の期間だけ接続要求が受け入れられるように設定される。上記所定の期間は、接続開始信号を受信した操作対象装置200からの接続要求が遠隔操作装置300に受信されるために必要な時間だけ確保されていればよく、特に限定されないが、例えば3秒程度とすればよい。
また、操作側通信制御部12は、操作部308への入力操作に応じた命令を生成する。そして、操作側通信制御部12は、操作側第2通信部302に指示して、上記生成した命令を接続先格納部15に格納されているアドレス、すなわち操作側第2通信部302を介した通信接続が確立された操作対象装置200に対して送信させる。
操作側接続先管理部13は、操作側第2通信部302を介した通信、すなわちBluetooth通信の通信相手機器に関する情報を管理する。具体的には、操作側接続先管理部13は、ペアリング処理において操作対象装置200から送られてくるアドレスを接続先格納部15に格納する。
また、操作側接続先管理部13は、操作対象装置200の被操作側接続先管理部2が遠隔操作装置300に割り当てた識別情報、すなわちリモコンIDを管理する。具体的には、遠隔操作システム100では、操作対象装置200がペアリング相手にリモコンIDを送信するようになっているので、操作側接続先管理部13は、このリモコンIDを受信して識別情報格納部16に格納する。また、操作側接続先管理部13は、接続要求を受信した場合に、該接続要求の送信元における操作対象装置200のアドレスが接続先格納部15に格納されているか否かを判断する。
操作側ペアリング実行部14は、遠隔操作装置300におけるペアリング処理の実行を制御する。具体的には、操作側ペアリング実行部14は、操作部に所定の入力操作があった場合に、操作側第1通信部301に指示して、ペアリング処理の開始を通知するペアリング開始信号を操作対象装置200に送信させる。そして、操作側ペアリング実行部14は、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信を行うために互いのアドレスを登録し合うペアリング処理を実行する。なお、操作側ペアリング実行部14は、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでペアリング処理を実行できるものであればよく、上記の例に限られない。
〔遠隔操作システム100における処理の流れ(遠隔操作装置300側)〕
以上の構成を備える操作対象装置200と遠隔操作装置300とを含む遠隔操作システム100における処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、遠隔操作システム100における処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず遠隔操作装置300が実行する処理の流れについて説明し、その後で操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。
以上の構成を備える操作対象装置200と遠隔操作装置300とを含む遠隔操作システム100における処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、遠隔操作システム100における処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず遠隔操作装置300が実行する処理の流れについて説明し、その後で操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。
上述のように、遠隔操作装置300は、リモコンアプリを起動することにより、遠隔操作装置300を遠隔操作することが可能になる。リモコンアプリが起動されると、操作側ペアリング実行部14は、接続開始操作の有無を確認する(S1)。接続開始操作は、遠隔操作装置300にて、操作対象装置200の遠隔操作を開始するための入力操作であり、図4の例における機器の種別を選択する操作に相当する。
そして、接続開始操作があったことを確認する(S1でYES)と、操作側ペアリング実行部14は、初回の接続であるか否かを確認する(S2)。なお、初回の接続とは、ペアリングが行われていない状態における接続である。例えば、接続先格納部15にペアリング済み機器のアドレスが記憶されているか否かによって、初回に接続したか否かの判定をすることができる。
初回の接続ではなかった場合(S2でNO)には、ペアリングを行う必要が無いので、処理はS11に進み、ペアリング済みの機器とBluetooth通信接続を行う再接続処理が実行される。一方、初回の接続であった場合(S2でYES)には、ペアリングを行う必要があるので、操作側ペアリング実行部14は、機器情報受け入れモードに移行する(S3)。
なお、機器情報受け入れモードとは、遠隔操作装置300がペアリング可能となる状態(ペアリングモード)であり、機器情報受け入れモードの状態で受信したアドレスが、遠隔操作装置300のBluetooth通信の相手機器として接続先格納部15に登録される。
また、操作側ペアリング実行部14は、操作側第1通信部301に指示してペアリング開始信号を送信させる(S4)。遠隔操作装置300では、ペアリング開始信号を指向性のある赤外線通信にて送信するので、遠隔操作装置300を向けた操作対象装置200のみとペアリングを行うことができる。
ペアリング開始信号は、例えば下記の表2に示すようなデータ構造とすることができる。なお、ペアリング開始信号は、当該信号がペアリングを開始させる指示であることを操作対象装置200が認識できる信号であればよく、表2の例に限られない。ただし、ペアリング開始信号は、家電製品協会が定めたフォーマットに従ったデータ形式であることが好ましい。ペアリング開始信号を、家電製品協会が定めたフォーマットに従ったデータ形式とすることにより、操作側第1通信部301として従来の一般的な赤外線リモコンで使用されている構成をそのまま適用することができる。
S4にてペアリング開始信号を送信することにより、該ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200と遠隔操作装置300との間でペアリング処理が実行される(S5)。詳細については後述するが、ペアリング処理によって遠隔操作装置300の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先格納部15に格納される。
そして、操作側ペアリング実行部14は、ペアリングの成否を確認する(S6)。ペアリングが失敗していた場合(S6でNO)には、S2の処理に戻る。一方、ペアリングが成功していた場合(S6でYES)には、操作側ペアリング実行部14は、操作側接続先管理部13に指示して、リモコンIDを受信したか否かを確認させる(S7)。そして、リモコンIDを受信したことを確認する(S7でYES)と、操作側ペアリング実行部14は、操作側接続先管理部13に指示して、上記受信したリモコンIDを識別情報格納部16に格納させる(S8)。
以上のS1〜S8の処理によって、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されるので、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作できるようになり、S9のデータ送受信処理(詳細は後述)を行うことが可能になる。
また、上記S1〜S8の処理は、接続開始操作を行うだけで実行される。接続開始操作は、例えば図4の例では接続機器の種別を選択する操作であり、図6の例では切り換えスイッチの切り換え操作、または任意の操作ボタンに対する操作である。したがって、遠隔操作装置300のユーザは、ペアリングを全く意識せずに、従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚で操作対象装置200を操作することができる。
〔遠隔操作システム100における処理の流れ(操作対象装置200側)〕
続いて、遠隔操作システム100において操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。まず、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受ける(S21)。
続いて、遠隔操作システム100において操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。まず、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受ける(S21)。
ペアリング開始信号以外の信号を受信した場合(S21でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側通信制御部3に指示して再接続処理を実行させる(S28)。一方、ペアリング開始信号の受信が確認された場合(S21でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を開始する(S22)。
ペアリング処理によって遠隔操作装置300の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先格納部15に格納される。
ペアリング処理が終了すると、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリングが成功したか否かを確認する(S23)。ペアリングが失敗していた場合(S23でNO)には、処理はS21に戻る。一方、ペアリングが成功していた場合(S23でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側接続先管理部2に指示してリモコンIDを生成させる(S24)。
なお、リモコンIDは、ペアリングが成功した相手機器を識別できるものであればよく、その生成方法及びデータ内容は特に限定されない。ここでは、表1に示すように、ペアリングが行われた順に末尾の数字が増加する4文字のデータをリモコンIDとして生成することを想定している。すなわち、表1の例では、操作対象装置200が最初にペアリングを行った相手機器には、「0x001」とのリモコンIDが付与され、次にペアリングを行った相手機器には、「0x002」とのリモコンIDが付与される例を示している。
続いて、被操作側接続先管理部2は、上記生成したリモコンIDを、被操作側第2通信部209を介して遠隔操作装置300へと送信する(S25)。次に、被操作側接続先管理部2は、上記送信したリモコンIDに対応する遠隔操作装置300の操作内容に必要に応じて制限を加えるリモコン制限設定処理を行う(S26)。そして、リモコン制御設定の終了後、被操作側通信制御部3がデータ送受信処理を行う(S27)。リモコン制限設定処理及びデータ送受信処理の詳細については後述する。
なお、遠隔操作システム100で行われるペアリングは、遠隔操作装置300の機器情報が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200の機器情報が操作対象装置200の接続先格納部15に格納されるようになっていればよく、必ずしも図7のフローに従う必要はない。例えば、従来から一般的に行われているように、操作対象装置200及び遠隔操作装置300のそれぞれにペアリングを実行するペアリングスイッチを設け、操作対象装置200及び遠隔操作装置300の両方のペアリングスイッチを操作することによって、ペアリングを行うようにしてもよい。
ただし、図7のように、赤外線信号にて送信されるペアリング開始信号をトリガとしてペアリングを行うようにすることで、操作対象装置200と遠隔操作装置300とを非常に容易にペアリングすることができる。したがって、操作対象装置200と遠隔操作装置300とのペアリングは、図7のフローにしたがって実行することが好ましい。
〔再接続処理(遠隔操作装置300側)〕
上述のように、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで初めて接続する場合には、ペアリングが行われる(図7のS2等参照)。これにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、互いにアドレスを指定してBluetooth通信を行うことができる。
上述のように、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで初めて接続する場合には、ペアリングが行われる(図7のS2等参照)。これにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、互いにアドレスを指定してBluetooth通信を行うことができる。
ここでは、本発明の主な特徴点である、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで2回目以降、すなわちペアリング済みの状態にて接続する場合に実行される再接続処理について図8に基づいて説明する。図8は、再接続処理の一例を示すフローチャートである。再接続処理は、図7のフローチャートにおけるS11及びS28の処理に対応している。ここでは、まず図7のS11にて遠隔操作装置300に実行される再接続処理について説明し、続いてS28にて操作対象装置200に実行される再接続処理について説明する。
再接続処理は、操作側ペアリング実行部14が初回の接続ではないと判断した場合に実行される(図7のS2及びS11参照)。操作側ペアリング実行部14は、初回の接続ではないと判断した場合に、その旨を接続開始部11に伝達する。伝達を受けた接続開始部11は、操作側通信制御部12を接続要求受け入れモードに設定する(S31)。操作側通信制御部14は、接続要求受け入れモードに設定されることにより、Bluetooth通信を行うことができる状態となり、接続要求受け入れモードに設定された後に、操作対象装置200から接続要求を受信した場合には、再接続処理が続行される。
操作側通信制御部12は、接続要求受け入れモードの継続期間内に操作対象装置200からの接続要求の受信を確認した場合には、再接続処理を続行する。一方、接続要求受け入れモードの継続期間外には、となっていない状態では、接続要求は受信されない。
また、接続開始部11は、操作側第1通信部301に接続開始信号を送信させる(S32)。このように、遠隔操作装置300では、接続開始信号を指向性のある赤外線通信にて送信する。したがって、遠隔操作装置300では、遠隔操作装置300を向けた機器のみと接続して通信することができる。
なお、接続開始部11は、接続開始信号を受信した操作対象装置200が、何れの遠隔操作装置300からの操作信号を受信したのかを判別できるように、遠隔操作装置300に割り当てられた識別情報(リモコンID)を含む接続開始信号を送信する。接続開始信号は、例えば下記の表3のようなデータとすることができる。
表3は、リモコンIDが「0x01」、「0x02」、及び「0x03」の3つの遠隔操作装置がそれぞれ送信する接続開始信号(1)〜(3)のデータ例を示している。表3の例では、接続開始信号のデータの末尾2文字がリモコンIDの末尾2文字と一致している。したがって、操作対象装置200は、接続開始信号(1)〜(3)の何れを受信したかによって、リモコンIDが「0x01」、「0x02」、及び「0x03」の何れの遠隔操作装置から接続開始信号が送られてきたのかを認識することができる。
操作側通信制御部12は、接続要求受け入れモードの継続期間内において、ペアリング済み機器から接続要求があったか否かを確認する(S33)。ここでは、操作対象装置200から送られてくる接続要求に操作対象装置200のアドレスが含まれており、これにより操作側通信制御部12がペアリング済み機器から接続要求があったか否かを確認することを想定している。なお、接続要求は、該接続要求の送信元を遠隔操作装置300にて特定できる信号であればよく、この例に限られない。
接続要求が確認できない場合(S33でNO)には、処理は図7のS2の処理に戻る。一方、接続要求が確認された場合(S33でYES)には、操作側通信制御部12は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200へと接続許可を発信させて(S34)、再接続処理を終了する。再接続処理の終了により、処理は図7のS9へと移行してデータ送受信処理が行われる。
なお、接続要求及び接続許可は、例えば下記の表4に示すようなデータとすることができる。表4は、接続要求及び接続許可のデータの一例を示している。表4に示すように、接続要求及び接続許可には、当該接続要求及び接続許可の送信元端末のアドレス及び送信先端末のアドレスが含まれている。これにより、接続要求を受信した遠隔操作装置300は、接続要求の送信元の操作対象装置200に対して接続許可を返すことができる。
〔再接続処理(操作対象装置200側)〕
続いて、図7のフローチャートのS28にて操作対象装置200に実行される再接続処理について図8に基づいて説明する。まず、被操作側通信制御部3は、接続開始信号を受信したか否かを確認する(S41)。接続開始信号の受信が確認できない場合(S41でNO)には、被操作側通信制御部3は、図7のS21の処理に戻る。一方、接続開始信号の受信が確認された場合(S41でYES)には、被操作側通信制御部3は、操作側第2通信部302に指示して接続要求を送信させる(S42)。
続いて、図7のフローチャートのS28にて操作対象装置200に実行される再接続処理について図8に基づいて説明する。まず、被操作側通信制御部3は、接続開始信号を受信したか否かを確認する(S41)。接続開始信号の受信が確認できない場合(S41でNO)には、被操作側通信制御部3は、図7のS21の処理に戻る。一方、接続開始信号の受信が確認された場合(S41でYES)には、被操作側通信制御部3は、操作側第2通信部302に指示して接続要求を送信させる(S42)。
ここでは、表3に示すように、接続開始信号にリモコンIDの一部が組み込まれていることを想定している。また、表1に示すように、接続先管理テーブル4には、リモコンIDと機器情報(アドレス)とが対応付けて格納されていることを想定している。したがって、被操作側通信制御部3は、受信した接続開始信号から、該接続開始信号を送信した機器のアドレスを特定することができ、このアドレスに対して接続要求を送信することができる。
なお、再接続処理では、遠隔操作装置300が機器情報受け入れモードに移行する(図7のS31)ため、接続開始信号にリモコンIDを組み込まなくとも、操作対象装置200と遠隔操作装置300とでBluetooth通信を確立することが可能である。
すなわち、操作対象装置200に複数の機器がペアリングされている場合であっても、機器情報受け入れモードに移行しているのは、接続開始信号を送信した遠隔操作装置300のみである。したがって、操作対象装置200は、S42にてBluetooth通信可能な範囲の全ての機器に接続要求を送信すれば、接続開始信号を送信した遠隔操作装置300とBluetooth通信接続を確立することができる。
そして、接続要求の送信指示を出した被操作側通信制御部3は、接続許可の受信を待ち受ける(S43)。所定の時間が経過しても接続許可の受信が確認されない場合(S43でNO)には、被操作側通信制御部3は、図7のS21の処理に戻る。一方、接続許可の受信が確認された場合(S43でYES)には、被操作側通信制御部3は、再接続処理を終了する。再接続処理の終了により、処理は図7のS26へと移行してデータ送受信処理が行われる。
〔ペアリング処理(操作対象装置200側)〕
次に、図7のフローチャートにおけるS5及びS22にて実行されるペアリング処理の詳細について、図9に基づいて説明する。図9は、ペアリング処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず図7のフローチャートのS22にて操作対象装置200に実行されるペアリング処理について説明し、次に図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300に実行されるペアリング処理について説明する。
次に、図7のフローチャートにおけるS5及びS22にて実行されるペアリング処理の詳細について、図9に基づいて説明する。図9は、ペアリング処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず図7のフローチャートのS22にて操作対象装置200に実行されるペアリング処理について説明し、次に図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300に実行されるペアリング処理について説明する。
操作対象装置200の被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を確認すると、ペアリング処理を開始する。具体的には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して機器情報要求を送信させる(S51)。なお、機器情報要求は、該機器情報要求の送信元端末、すなわち操作対象装置200のアドレスを含む情報である。したがって、機器情報要求を受信した遠隔操作装置300は、操作対象装置200をBluetooth通信相手端末として登録することができる。
また、機器情報要求は、操作対象装置200のBluetooth通信範囲内の全機器に対してブロードキャストされる。ここで、操作対象装置200のBluetooth通信範囲内に、遠隔操作装置300以外のBluetooth通信対応機器が存在している場合には、ユーザの意図しない機器が上記機器情報要求を受信して機器情報を操作対象装置200に返すことも考えられる。しかしながら、このような場合であっても、遠隔操作装置300のみが機器情報要求受け入れモードとなっている(図7のS3)ので、操作対象装置200は、遠隔操作装置300のみに機器情報要求を受信させることができる。
機器情報要求を送信させた被操作側ペアリング実行部1は、遠隔操作装置300から機器情報が送信されるのを待ち受ける(S52)。所定の時間内に機器情報の受信が確認できない場合(S52でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。
一方、所定の時間内に機器情報の受信が確認された場合(S52でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して遠隔操作装置300に向けてPINコード要求を送信させ(S53)、PINコードの受信を待ち受ける(S54)。所定の時間内にPINコードの受信が確認できない場合、または受信したPINコードが予め定めた値と異なっている場合(S54でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。
一方、受信したPINコードが予め設定している値と一致している場合(S54でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して、遠隔操作装置300に向けてサービス情報要求を送信させ(S55)、サービス情報の受信を待ち受ける(S56)。
なお、PINコードは、操作対象装置200がユーザの意図しない遠隔操作装置300の制御を受けないようにするために設定されるコードである。すなわち、操作対象装置200では、該操作対象装置200の制御を許可する遠隔操作装置300に対してPINコードが予め設定されている。そして、接続しようとする遠隔操作装置300から送られてくるPINコードと操作対象装置200に設定されているPINコードとが一致した場合に、当該遠隔操作装置300との接続が許可されるようになっている。
所定の時間内にサービス情報の受信が確認できない場合、または受信したサービス情報が適切ではない場合(S56でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。なお、サービス情報の適否は、当該サービス情報に操作対象装置200が対応しているか否かによって判断される。
受信したサービス情報が適切である場合(S56でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、上記S52にて受信を確認した遠隔操作装置300の機器情報、及びS57にて受信したサービス情報を記憶して処理を終了する(S57)。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング成功と判断されて、S24の処理に進む。
なお、上記機器情報要求、PINコード要求、サービス情報要求、機器情報、PINコード、及びサービス情報は、例えば下記の表5に示すデータとすることができる。表5に示すように、Bluetooth通信では、基本的に、データと共に該データの送信元のアドレス及び送信先のアドレスを送信する。これにより、Bluetooth通信範囲内に他のBluetooth対応機器が存在している場合であっても、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで通信を行うことができる。
〔ペアリング処理(遠隔操作装置300側)〕
続いて、図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300に実行されるペアリング処理について図9に基づいて説明する。遠隔操作装置300の操作側ペアリング実行部14は、機器情報要求を待ち受ける(S61)。所定の時間内に機器情報の受信が確認できない場合(S61でNO)には、操作側ペアリング実行部14は、ペアリング処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
続いて、図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300に実行されるペアリング処理について図9に基づいて説明する。遠隔操作装置300の操作側ペアリング実行部14は、機器情報要求を待ち受ける(S61)。所定の時間内に機器情報の受信が確認できない場合(S61でNO)には、操作側ペアリング実行部14は、ペアリング処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、機器情報の受信が確認できた場合(S61でYES)には、操作側ペアリング実行部14は、操作側第2通信部302に指示して遠隔操作装置300の機器情報(アドレス)を送信させ(S62)、その後PINコード要求の受信を待ち受ける(S63)。
所定の時間内にPINコード要求の受信が確認できない場合(S63でNO)には、操作側ペアリング実行部14は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、PINコード要求の受信を確認した場合(S63でYES)には、操作側ペアリング実行部14は、遠隔操作装置記憶部310に予め記憶されているPINコードを読み出し、操作側第2通信部302に指示して上記読み出したPINコードを操作対象装置200に送信させる(S64)。
被操作側ペアリング実行部1は、PINコードの照合に成功した場合には、S56の処理にてサービス情報要求を送信するようになっている。そこで、操作側ペアリング実行部14は、S64にてPINコードの送信指示を出した後に、サービス情報要求を受信したか否かを確認する(S65)。サービス情報要求の受信が確認できない場合(S65でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、サービス情報要求の受信を確認した場合(S65でYES)には、操作側ペアリング実行部14は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200に対してサービス情報を送信させる(S66)。そして、最後に操作側ペアリング実行部14は、上記S61にて受信した機器情報要求に含まれている操作対象装置200の機器情報(アドレス)を接続先格納部15に記憶して処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング成功と判断されて、S7の処理に進む。
以上のように、ペアリング処理では、操作対象装置200の機器情報(アドレス)が遠隔操作装置300の接続先格納部15に記憶され、遠隔操作装置300の機器情報(アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に記憶される。これにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、以後互いにアドレスを指定してBluetooth通信を行うことが可能になる。なお、ペアリング処理は、操作対象装置200の機器情報が遠隔操作装置300に記憶され、遠隔操作装置300の機器情報が操作対象装置200に記憶されるものであればよく、上述の例に限られない。
〔リモコン制限設定〕
ここでは、図7のフローチャートのS26にて実行されるリモコン制限設定の詳細について説明する。上述のように、遠隔操作システム100では、複数の遠隔操作装置で1つの操作対象装置200を操作することができるようになっているが、この場合には、複数の遠隔操作装置が送信する命令の競合が起こるおそれがある。例えば、ある遠隔操作装置でチャンネルを「8」に変更する命令を送信した時に、他の遠隔操作装置からチャンネルを「10」に変更する命令が送信されると、操作対象装置200の出力チャンネルが目まぐるしく変化するので好ましくない。
ここでは、図7のフローチャートのS26にて実行されるリモコン制限設定の詳細について説明する。上述のように、遠隔操作システム100では、複数の遠隔操作装置で1つの操作対象装置200を操作することができるようになっているが、この場合には、複数の遠隔操作装置が送信する命令の競合が起こるおそれがある。例えば、ある遠隔操作装置でチャンネルを「8」に変更する命令を送信した時に、他の遠隔操作装置からチャンネルを「10」に変更する命令が送信されると、操作対象装置200の出力チャンネルが目まぐるしく変化するので好ましくない。
そこで、操作対象装置200の被操作側通信制御部3は、複数の遠隔操作装置とBluetooth通信接続している場合に、各遠隔操作装置が制御可能な処理に制限を設けるリモコン制限設定を行う。
具体的には、被操作側通信制御部3は、遠隔操作装置から命令を受信した場合に、被操作側接続先管理部2に指示して、上記命令の送信元の遠隔操作装置が現在接続中の遠隔操作装置の中で最も優先度が高いか否かを確認する。なお、優先度の高低は、例えば接続順に基づいて設定してもよいし、ユーザが予め設定するようにしてもよい。
そして、上記命令の送信元の遠隔操作装置が現在接続中の遠隔操作装置の中で最も優先度が高い場合には、被操作側通信制御部3は、当該遠隔操作装置からの全ての命令を有効にする。すなわち、この場合には、上記遠隔操作装置からの命令に制限は設けられず、操作対象装置200は、遠隔操作装置からの命令にそのまま従って動作する。
一方、上記命令の送信元の遠隔操作装置よりも優先度の高い遠隔操作装置が接続中である場合には、被操作側通信制御部3は、当該遠隔操作装置からの命令の少なくとも一部が操作対象装置200にて実行されないようにする。これにより、複数の遠隔操作装置が送信する命令の競合が起こることを防ぐことができる。
なお、ここでは、遠隔操作装置300が送信する命令には、該命令の送信元である遠隔操作装置300のアドレスが付加されていることを想定している。これにより、操作対象装置200は、命令の送信元の遠隔操作装置300を特定し、該命令に制限を付けるか否かを判断することができる。
被操作側通信制御部3は、チャンネル変更、音量変更等の、操作対象装置200の出力を変化させる命令に制限を設けることが好ましい。一方、現在出力中のテレビ番組の内容や、テレビ番組表等の操作対象装置200が保持している情報を遠隔操作装置300に送信させる命令のように、操作対象装置200の出力を変化させない命令には特に制限を設ける必要は無い。また、同時に接続している複数の遠隔操作装置のそれぞれに設定する制限は、操作対象装置200の操作時に各遠隔操作装置間で競合が起こらないようになっていればよく、必要に応じて適宜設定することができる。
〔データ送受信処理(送受信されるデータについて)〕
以上のように、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とがペアリングされていない場合には、ペアリング後にBluetooth通信にて接続され、ペアリングされている場合には、再接続処理にてBluetooth通信にて接続される。そして、Bluetooth通信にて接続された状態において、データ送受信処理が実行される。以下では、データ送受信処理について説明する。
以上のように、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とがペアリングされていない場合には、ペアリング後にBluetooth通信にて接続され、ペアリングされている場合には、再接続処理にてBluetooth通信にて接続される。そして、Bluetooth通信にて接続された状態において、データ送受信処理が実行される。以下では、データ送受信処理について説明する。
データ送受信処理では、遠隔操作装置300が「コマンド」または「データ送信リクエスト」を送信することによって、操作対象装置200を操作するようになっている。ここでは、「コマンド」及び「データ送信リクエスト」について説明する。
コマンド及びデータ送信リクエストは、何れも遠隔操作装置300の操作部308に所定の入力操作を行うことによって生成され、操作側第2通信部302を介して操作対象装置200に送信される命令である。ここでは、その命令を、データ構造の違いによってコマンドとデータ送信リクエストとに分類している。
すなわち、コマンドは、コマンド名、コマンドの内容を示すパラメータ、コマンドを受信した機器(この場合は操作対象装置200)に返答を要求するか否かを示す返答フラグ、コマンドの送信元及び送信先のアドレスからなるデータ構造を有する。例えば、コマンドは下記の表6に示すようなデータとすることができる。
表6では、操作対象装置200の出力チャンネル変更を行うためのコマンドの一例を示している。操作対象装置200は、コマンド名を参照することによって何に関する命令が送られてきたのかを判断することができ、パラメータを参照することによってどのような処理を実行すればよいかを判断することができる。そして、コマンドの送信元のアドレスから当該コマンドの送信元を特定することができる。すなわち、表6のコマンドを受信した操作対象装置200は、チャンネルを6チャンネルに変更させる命令が遠隔操作装置300から送信されたと判断することができる。
チャンネル変更等のように、操作対象装置200の音声や影像の出力を変化させる命令が「コマンド」に分類される。「コマンド」は操作対象装置200の音声や影像の出力を変化させる命令であるから、複数の遠隔操作装置からの制御を全て有効にした場合に処理の競合が起こる可能性がある。したがって、操作対象装置200では、「コマンド」を上記リモコン制限処理の対象となる命令としている。
また、ここでは、チャンネル変更や音量変更等の一般的な操作制御用のコマンドに加えて、終了コマンドという特別なコマンドを使用することを想定している。終了コマンドとは、遠隔操作装置300による操作対象装置200の操作を終了するためのコマンドである。終了コマンドを送信することによって、遠隔操作装置300は、操作対象装置200を操作する機能(リモコンアプリ)を終了し、通常の携帯電話機としての機能に戻る。終了コマンドのデータ構造は、例えばコマンド名を「END」とし、パラメータにはデータが含まれないようにし、返答フラグを「0」とすればよい。
なお、返答フラグは、該返答フラグが付されているコマンドの操作対象装置200における実行可否を遠隔操作装置300に通知することの要否を示すデータである。すなわち、受信したコマンドの返答フラグが、返答が必要であることを示している場合には、操作対象装置200では、当該コマンドを実行可能か否かが判断される。そして、実行可能であるときには遠隔操作装置300に実行可能であることを示す返答が返され、通信制限処理によって実行不可になっているときには実行不可であることを示す返答が返される。なお、コマンドの実行可否は、上記リモコン制限設定によって決定される。
返答は、例えば下記の表7に示すようなデータとすることができる。表7は、返答フラグが、返答が必要であることを示しているコマンドを操作対象装置200が受信した場合に、操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信される返答のデータの一例を示している。すなわち、表7の例では、受信したコマンドを操作対象装置200が実行可能である場合には、「RES_ACCEPT」とのデータが操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信され、受信したコマンドを操作対象装置200が実行不可である場合には、「RES_DENY」とのデータが操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信される。
一方、データ送信リクエストは、リクエストの送信元に何らかのデータを送信するように要求する命令である。リクエストは、リクエスト名及びデータ名を含むデータ構造である。例えば、データ送信リクエストは、下記の表8に示すようなデータとすることができる。表8は、データ送信リクエストの一例を示している。
表8に示すデータ送信リクエストによれば、リクエスト名「REQ_DATA」からデータ送信要求であることがわかり、データ名「NOW_PROGRAM」から現在の番組情報を要求していることがわかる。また、送信元のアドレスから当該データ送信リクエストの送信元を特定することができる。なお、番組情報とは、テレビ番組の番組名、出演者等の情報である。また、現在の番組情報の他に、ユーザの指定した時刻及びチャンネルの番組情報、及びテレビ番組表の送信要求等の命令がデータ送信リクエストに分類される。
表8に示すようなデータ送信リクエストを受けた操作対象装置200は、例えば下記の表9に示すようなデータを返す。表9は、操作対象装置200が送信する現在の番組情報の一例を示している。このように、番組情報は遠隔操作装置300に送信されるので、遠隔操作装置300のユーザは、これを表示部307に表示させて閲覧することができる。
「データ送信リクエスト」は、操作対象装置200の出力する音声及び映像を変化させない命令である。したがって、複数の遠隔操作装置から「データ送信リクエスト」が同時に行われたとしても、操作対象装置200は「データ送信リクエスト」の送信元に順次データを送信すればよく、処理の競合を回避することができる。そのため、操作対象装置200では、「データ送信リクエスト」を上記リモコン制限処理の対象としていない。
〔データ送受信処理(遠隔操作装置300側の処理)〕
続いて、図7のフローチャートのS9及びS27にて実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。図10は、データ送受信処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここではまず図7のS9にて遠隔操作装置300に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明し、次に図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明する。
続いて、図7のフローチャートのS9及びS27にて実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。図10は、データ送受信処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここではまず図7のS9にて遠隔操作装置300に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明し、次に図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明する。
操作側通信制御部12は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されると、コマンド操作またはリクエスト操作を待ち受ける(S71)。コマンドまたはリクエスト操作があった場合(S71でYES)には、操作側通信制御部12は、操作側第2通信部302に指示して、上記コマンド操作またはリクエスト操作に対応するコマンドまたはリクエストを操作対象装置200に送信させる(S72)。
ここで、操作側通信制御部12は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間のBluetooth通信が切断されたか否か、または遠隔操作装置300に終了操作がなされたか否かを確認する(S73)。Bluetooth通信が切断されている、または遠隔操作装置300に終了操作が行われたことが確認された(S73でYES)には、操作側通信制御部12は、データ送受信処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S9からS10に進み、通信切断されていたときにはS2の処理に戻り、終了操作がなされていたときにはリモコンアプリを終了する。
一方、Bluetooth通信接続が切断されておらず、かつ遠隔操作装置300に終了操作がなされていない場合(S73でNO)には、操作側通信制御部12は、上記S72にてコマンドを送信したか否かを確認する(S74)。そして、操作側通信制御部12は、S72にてコマンドを送信していない場合(S74でNO)には、S72にてリクエストを送信したか否かを確認する(S75)。
S72にてリクエストを送信したことが確認できなかった場合(S75でNO)には、操作側通信制御部12は、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。一方、S72にてリクエストを送信したことが確認できた場合(S75でYES)には、操作側通信制御部12は、S72にてリクエストしたデータを受信し(S76)、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。
ここで、S74にてコマンドを送信したことが確認された場合には、操作側通信制御部12は、送信したコマンドが返答付きであるか否かを確認する(S77)。ここでは、表6に示すように、返答付きのコマンドの返答フラグを1に設定することを想定しているので、操作側通信制御部12は、返答フラグが1であった場合に返答付きでコマンドを送信したと判断し、返答フラグが0であった場合に返答なしでコマンドを送信したと判断する。
返答付きでコマンドを送信していた場合(S77でYES)には、コマンドを受信した操作対象装置200から返答が返ってくるので、操作側通信制御部12は、この返答を受信する(S78)。一方、返答付きでコマンドを送信していなかった場合(S77でNO)には、操作側通信制御部12は、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。
〔データ送受信処理(操作対象装置200側の処理)〕
次に、図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。被操作側通信制御部3は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されると、遠隔操作装置300が送信する信号を待ち受ける。そして、被操作側通信制御部3は、Bluetooth通信接続が切断されたか否か、また遠隔操作装置300から受信した信号が終了コマンドであるか否かを確認する(S81)。
次に、図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。被操作側通信制御部3は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されると、遠隔操作装置300が送信する信号を待ち受ける。そして、被操作側通信制御部3は、Bluetooth通信接続が切断されたか否か、また遠隔操作装置300から受信した信号が終了コマンドであるか否かを確認する(S81)。
Bluetooth通信接続が切断されていた場合、または終了コマンドを受信していた場合(S81でYES)には、被操作側通信制御部3は、データ送受信処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S27からS21の処理に戻る。一方、Bluetooth通信が切断されておらず、かつ終了コマンドを受信していない場合(S81でNO)には、被操作側通信制御部3は、受信した信号がコマンドであるか否かを確認する(S82)。
そして、被操作側通信制御部3は、コマンドを受信したことが確認されなかった場合(S82でNO)には、リクエストを受信したか否かを確認する(S83)。リクエストを受信したことを確認した場合(S83でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したリクエストに対応する動作を実行し(S84)、被操作側第2通信部209に指示してリクエストされたデータを遠隔操作装置300に送信させる(85)。そして、データ送信指示を出した被操作側通信制御部3は、再度S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。
一方、S82にてコマンドを受信したことが確認された場合(S82でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドが実行可能であるか否かを確認する(S86)。具体的には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに付加されている該コマンドの送信元アドレスに基づいて、上記コマンドの送信元端末を特定する。
そして、被操作側通信制御部3は、被操作側接続先管理部2に、現在操作対象装置200とBluetooth接続中の機器のうち、上記コマンドの送信元端末の優先度が最も高いか否かを確認する。そして、優先度が最も高い場合に上記コマンドを実行可能であると判断し、より優先度の高い端末が接続中の場合には上記コマンドを実行不可であると判断する。
実行可能である場合(S86でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに対応する動作を実行する(S87)。ここで、S86にて受信したコマンドが実行できないと判断した場合、及びS87にてコマンドの実行を行った後には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに返答が必要であるか否かを確認する(S88)。
返答が必要である場合(S88でYES)には、被操作側通信制御部3は、被操作側第2通信部209に指示して遠隔操作装置300に返答を送信させる(S89)。そして、返答の送信指示を出した被操作側通信制御部3は、S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。また、返答が不要である場合(S88でNO)にも、被操作側通信制御部3は、S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。
遠隔操作システム100では、以上のようにしてデータの送受信が行われる。データの送受信は、Bluetooth通信にて行われるので、赤外線通信と比べて大容量のデータを高速に送受信することができる。また、Bluetooth通信は、無指向性であるから、データの送受信中に遠隔操作装置300を移動させたり、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間に遮蔽物が割り込んだりした場合であっても通信接続状態を維持することができる。
なお、上記の例は、データ送受信処理の一例を示すものであり、ペアリング終了後、または再接続処理終了後のデータ送受信は、どのように行われるものであってもよい。また、ペアリング終了後、または再接続処理終了後に送受信されるデータはどのようなものであってもよく、表4〜表9に示した例に限られない。
〔実施の形態2〕
上記ペアリング方法と再接続処理方法とを組み合わせることにより、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行うことが可能になる。本実施形態では、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行う例について図11に基づいて説明する。接続の度に毎回ペアリングを行うことにより、PINコードが変更される場合にも対応することができ、遠隔操作システム100のセキュリティを向上させることができる。なお、上記実施形態と同一の構成及び処理については、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
上記ペアリング方法と再接続処理方法とを組み合わせることにより、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行うことが可能になる。本実施形態では、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行う例について図11に基づいて説明する。接続の度に毎回ペアリングを行うことにより、PINコードが変更される場合にも対応することができ、遠隔操作システム100のセキュリティを向上させることができる。なお、上記実施形態と同一の構成及び処理については、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図11は、毎回ペアリングを行う遠隔操作システム100における処理の一例を示すフローチャートである。遠隔操作装置300にてリモコンアプリを起動させると、操作側ペアリング実行部14は、接続開始操作を待ち受ける(S1)。そして、操作側ペアリング実行部14は、接続開始操作があったことを確認した場合(S1でYES)に、機器情報要求受け入れモードに移行する(S3)。また、操作側ペアリング実行部14は、操作側第1通信部301に指示してペアリング開始信号を送信させる(S4)。
続いて、操作側ペアリング実行部14は、ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200とペアリング処理を行い(S5)、Bluetooth通信を行うために、互いのアドレスを登録し合う。
S5のペアリング処理が成功していた場合(S6でYES)には、操作側通信制御部12は、接続要求受け入れモードに移行し(S31)、ペアリング済み機器からの接続要求を待ち受ける(S33)。なお、S5のペアリング処理が失敗していた場合(S6でNO)には、処理はS1に戻る。
接続要求の受信を確認し、かつ該接続要求の送信元がペアリング済みの機器であることが確認された場合(S33でYES)には、操作側通信制御部12は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200に対して接続許可を発信させる(S34)。この接続許可が操作対象装置200に受信されることによって、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信接続が確立される。
Bluetooth通信接続が確立されると、データ送受信処理が行われ(S9)、データ送受信処理が通信切断にて終了した場合(S10でNO)には、S1の処理に戻り、データ送受信処理が終了操作にて終了した場合(S10でYES)には、リモコンアプリを終了する。
一方、操作対象装置200の被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受け(S21)、ペアリング開始信号の受信を確認した場合(S21でYES)に、ペアリング処理を実行する(S22)。
ここで、ペアリングが失敗した場合(S23でNO)には、S21の処理に戻り、成功した場合(S23でYES)には、被操作側通信制御部3は、操作側第2通信部302に指示して遠隔操作装置300に対して接続要求を送信させる。そして、接続要求を送信させた被操作側通信制御部3は、接続許可の受信を待ち受ける(S43)。
接続要求を送信させた後、所定の時間内に接続許可の受信が確認できない場合(S43でNO)には、S21の処理に戻る。一方、接続要求を送信させた後、所定の時間内に接続許可の受信が確認できた場合(S43でYES)には、被操作側通信制御部3は、リモコン制限設定を行い(S26)、続いてデータ送受信処理を行う(S27)。
以上のように、本実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とをBluetooth通信で接続する場合には、毎回ペアリングが行われる。毎回ペアリングを行う本方式であっても、ユーザが接続開始操作を行うだけでBluetooth通信接続が確立される。したがって、遠隔操作装置300のユーザは、ペアリングを全く意識せずに、従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚で操作対象装置200を操作することができる。
また、図9のフローチャートで説明したように、ペアリング処理では、PINコードの認証が行われる。したがって、本実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とをBluetooth通信で接続する場合には、毎回PINコードの認証が行われることになる。ゆえに、PINコードが変更される場合にも対応することができ、システムのセキュリティを向上させることができる。
さらに、本実施形態の遠隔操作システム100では、Bluetooth通信接続するときに毎回ペアリングが行われるので、図7のS11で行っていた再接続処理は不要になる。したがって、本実施形態の遠隔操作システム100は、接続開始信号を送信するステップを含まず、そのためリモコンIDの送信及び記憶のステップも不要となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、遠隔操作装置300及び操作対象装置200の各ブロック、特に遠隔操作装置制御部306及び操作対象装置制御部203は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、遠隔操作装置300及び操作対象装置200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである遠隔操作装置300及び操作対象装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記遠隔操作装置300及び操作対象装置200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、遠隔操作装置300及び操作対象装置200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明によれば、再接続処理を容易に行うことが可能になるので、本発明は、ペアリング処理を行って通信を行う様々な装置に適用できる。特に、テレビ、録画装置、パーソナルコンピュータ等の電子機器及び該電子機器を操作する遠隔操作装置に好適に適用できる。
2 被操作側接続先管理部(被操作側接続先照合手段)
3 被操作側通信制御部(被操作側通信制御手段)
4 接続先管理テーブル(被操作側接続先記憶部)
11 接続開始部(通信開始制御手段)
12 操作側通信制御部(操作側通信制御手段)
13 操作側接続先管理部(操作側接続先照合手段)
15 接続先格納部(操作側接続先記憶部)
16 識別情報格納部
200 操作対象装置
203 操作対象装置制御部
208 被操作側第1通信部
209 被操作側第2通信部
300 遠隔操作装置
301 操作側第1通信部
302 操作側第2通信部
306 遠隔操作装置制御部
3 被操作側通信制御部(被操作側通信制御手段)
4 接続先管理テーブル(被操作側接続先記憶部)
11 接続開始部(通信開始制御手段)
12 操作側通信制御部(操作側通信制御手段)
13 操作側接続先管理部(操作側接続先照合手段)
15 接続先格納部(操作側接続先記憶部)
16 識別情報格納部
200 操作対象装置
203 操作対象装置制御部
208 被操作側第1通信部
209 被操作側第2通信部
300 遠隔操作装置
301 操作側第1通信部
302 操作側第2通信部
306 遠隔操作装置制御部
Claims (13)
- 操作対象装置に信号を送信して遠隔操作する遠隔操作装置であって、
上記操作対象装置に信号を送信可能な操作側第1通信部と、
上記操作対象装置と信号を送受信可能な操作側第2通信部と、
上記操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して上記操作対象装置に送信する通信開始制御手段と、
上記操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を行う操作側通信制御手段とを備えていることを特徴とする遠隔操作装置。 - 上記操作側通信制御手段は、上記操作対象装置から上記操作側第2通信部を介して該操作対象装置との通信接続を要求する接続要求信号を受信したときに、上記操作対象装置と互いに通信アドレスを指定して上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
- 上記操作側通信制御手段は、少なくとも上記通信開始制御手段が上記接続開始信号を送信した後の所定の期間内に上記接続要求信号を受信したときに、上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立し、上記所定の期間の経過後は、上記操作側第2通信部を介した通信接続を行わないことを特徴とする請求項2に記載の遠隔操作装置。
- 上記接続要求信号には、当該接続要求信号の送信元の操作対象装置を識別するための操作対象装置識別情報が含まれており、
上記操作側第2通信部を介した通信接続の対象となる操作対象装置と、該操作対象装置の通信アドレスとが対応付けられた操作側接続先記憶部と、
上記接続要求信号に含まれる操作対象装置識別情報に対応する操作対象装置が上記操作側接続先記憶部に記憶されているか否かを判断する操作側接続先照合手段とを備え、
上記操作側通信制御手段は、上記操作側接続先照合手段が上記操作側接続先記憶部に記憶されていると判断した場合に、当該操作対象装置と上記操作側第2通信部を介した通信接続を確立することを特徴とする請求項2または3に記載の遠隔操作装置。 - 上記通信開始制御手段は、上記接続開始信号と共に、上記操作対象装置に自装置を特定させるための遠隔操作装置識別情報を上記操作側第1通信部を介して送信することを特徴とする請求項1または2に記載の遠隔操作装置。
- 上記通信開始制御手段は、上記操作対象装置を遠隔操作するための入力操作が行われたときに、上記接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して送信するようになっており、
上記操作側通信制御手段は、上記入力操作に対応し、上記操作対象装置を遠隔操作するための信号を上記操作側第2通信部を介して送信することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の遠隔操作装置。 - 遠隔操作装置から信号を受信して動作制御される操作対象装置であって、
上記遠隔操作装置が送信する信号を受信可能な被操作側第1通信部と、
上記遠隔操作装置と信号を送受信可能な被操作側第2通信部と、
上記被操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記被操作側第1通信部を介して受信した場合に、上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を行う被操作側通信制御手段とを備えていることを特徴とする操作対象装置。 - 上記被操作側通信制御手段は、上記接続開始信号を受信したときに、上記被操作側第2通信部を介して互いに通信アドレスを指定して通信接続することを上記遠隔操作装置に要求する接続要求信号を上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の操作対象装置。
- 上記被操作側通信制御手段は、上記接続要求信号と共に、上記遠隔操作装置に自装置を特定させるための操作対象装置識別情報を送信することを特徴とする請求項8に記載の操作対象装置。
- 上記接続開始信号には、当該接続開始信号の送信元の遠隔操作装置を識別するための遠隔操作装置識別情報が含まれており、
通信接続対象の遠隔操作装置と、該遠隔操作装置の上記通信アドレスとが対応付けられた被操作側接続先記憶部と、
上記接続開始信号に含まれる遠隔操作装置識別情報に対応する遠隔操作装置が上記被操作側接続先記憶部に記憶されているか否かを判断する被操作側接続先照合手段とを備え、
上記被操作側通信制御手段は、上記被操作側接続先照合手段が上記被操作側接続先記憶部に記憶されていると判断した場合に、当該遠隔操作装置と上記被操作側第2通信部を介した通信接続を確立することを特徴とする請求項7または8に記載の操作対象装置。 - 操作対象装置に信号を送信して遠隔操作する遠隔操作装置の制御方法であって、
上記遠隔操作装置は、上記操作対象装置に信号を送信可能な操作側第1通信部と、上記操作対象装置と信号を送受信可能な操作側第2通信部とを備え、
上記操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記操作側第1通信部を介して上記操作対象装置に送信する通信開始ステップと、
上記操作側第2通信部を介して上記操作対象装置と信号の送受信を行う操作側通信制御ステップとを含むことを特徴とする遠隔操作装置の制御方法。 - 遠隔操作装置から信号を受信して動作制御される操作対象装置の制御方法であって、
上記操作対象装置は、上記遠隔操作装置が送信する信号を受信可能な被操作側第1通信部と、上記遠隔操作装置と信号を送受信可能な被操作側第2通信部とを備え、
上記被操作側第2通信部を介した信号の送受信を開始する旨を通知する接続開始信号を上記被操作側第1通信部を介して受信する接続開始信号受信ステップと、
上記接続開始信号の受信後に、上記被操作側第2通信部を介して上記遠隔操作装置と信号の送受信を行う被操作側通信制御ステップとを含むことを特徴とする操作対象装置の制御方法。 - 請求項1に記載の遠隔操作装置と請求項7に記載の操作対象装置とを含む遠隔操作システム。
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