JP2009243245A - 防火防水方法および防火防水構造体 - Google Patents

防火防水方法および防火防水構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に、防水層を設ける場合に、重量があり嵩高いロール状の防水シートを用いる作業と比較して、作業負荷が小さく作業性が良好で、さらに防水層を設ける木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体の変形に対する下地追従性に優れる防水構造を有し、尚且つ優れた防火性能を有する防火防水構造体およびその施工方法を提供する。
【解決手段】木造建築物の木製下地面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含むことを特徴とする木造建築物の防火防水方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に、防水層が設けられた防火性を有する防火防水構造体およびその防火防水方法に関する。
一般的に木造建築物の勾配付き屋根やバルコニー等において防水処理を行う場合、例えば屋根下地上に、断熱材を介して軟質合成樹脂製などの防水シートを敷設することがある。防水シートは、ゴム系あるいはエポキシ系樹脂等の接着剤により、防水シートのほぼ全面を断熱材層に接着する密着工法や、防水シートの一部を屋根下地に固定して、非固定部分を遊離させる絶縁工法等によって敷設施工されている。
建築物の屋根を防水処理する方法としては、防水シート等に難燃加工を施さずとも、十分な防火性を得ることができ、簡単に施工できるシート防水構造を提供することを目的として、特許文献1には、建造物躯体上に設けられる断熱層と、前記断熱層上に設けられる消火層と、前記消火層上に設けられ、かつ防水シートからなる防水層とを備え、前記消火層が、ベースシートに消火性樹脂組成物が含浸された消火性シート部材からなり、前記ベースシートは、目付量が40〜100g/mであるガラス繊維の不織布をもって構成され、前記消火性樹脂組成物は、1〜11重量部の赤リンと、2〜30重量部のリン酸エステルと、30〜70重量部の水酸化アルミニウムと、4〜40重量部の樹脂バインダーとが配合された組成物をもって構成されてなる防火性を有するシート防水構造が開示されている。
特許文献2には、防水シート自体に難燃加工を施すことなく、防水シートの燃焼を抑制できるシート防水構造を提供することを目的として、建造物躯体上に設けられる断熱層と、前記断熱層上に設けられる消火層と、前記消火層上に設けられ、かつ防水シートからなる防水層とを備え、前記消火層が、水酸化アルミニウムを主成分とし、赤リン、リン酸エステル及び樹脂バインダーが配合された消火性樹脂組成物を含む防火性を有するシート防水構造が開示されている。
また、特許文献3には、防火構造の要求される建物の屋上・屋根・ベランダ部の防水として、建物の躯体上に、可燃物よりなる防水材で防水層を作り、この防水層の上に順に、不燃、防火、表面保護の機能を持った3つの層を、それぞれ別の層にしたもの、又は複数の機能を1つの層に重複させたものを複数か単独で用い、それぞれを接合させて、可燃物からなる防水層と接合組合せて一体化した防火防水工法が開示されている。
特許文献4には、作業性に優れ、施工現場の全体重量を軽くすることが出きるとともにも防水性が良好なバルコニー等の防水工法を提供することを目的として、少なくともバーミュキライト材またはパライト材あるいはその両材とセメント材とを用いて成形した防火ボード材の上に合成樹脂液にガラス繊維を混入した防水塗布剤を塗布しておき、上記防火ボード材を工体に取付けて目地等にパテ処理をした後、上記防火ボード材の表面に合成樹脂液にガラス繊維を混入した防水塗布剤を塗布し、硬化後、さらにその上にトップコートを塗布するバルコニー等の防水工法が開示されている。
特開2005−42414号公報 特開2003−293524号公報 特開平4−265354号公報 特開2002−309728号公報
建築物の屋根やバルコニーには、防水性能とともに防火性能が求められる。一方、建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に、防水処理を行う作業や防火構造を形成する作業は、いずれも高所での作業となることから、材料の取扱いから材料を用いた施工作業は、できる限り簡便で作業性が良好であることが求められる。
本発明は、木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に、防水層を設ける場合に、重量があり嵩高いロール状の防水シートを用いる作業と比較して、作業負荷が小さく作業性が良好で、さらに防水層を設ける木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体の変形に対する下地追従性に優れる防水構造を有し、尚且つ優れた防火性能を有する防火防水構造体およびその施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究開発に取組み、木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に防火性および防水性を有する構造を形成する場合に、防水シートを用いない防水処理方法を用いることによって、作業負荷が小さくて作業性が良好で、さらに防水層を設ける木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体の変形に対する下地追従性に優れる防水構造を有し、尚且つ優れた防火性能を有する防火防水構造体およびその施工方法が得られることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1は、木造建築物の木製下地面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含むことを特徴とする木造建築物の防火防水方法である。
さらに本発明は、木造建築物の木製下地面に断熱材を敷設して、断熱材の敷設層を設ける工程と、前記断熱材敷設層の上面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物用プライマーを塗布して乾燥させ、ポリマーセメント組成物用プライマー層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含むことを特徴とする木造建築物の防火防水方法である。
本発明の第2は、本発明の木造建築物の防火防水方法によって得られる防火防水構造体である。
本発明の水硬性組成物の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)ポリマーセメント組成物硬化体層は、ポリマーセメント組成物を塗布した未硬化のポリマーセメント組成物塗布層の上面に、織布及び/又は不織布を敷設し、さらに織布及び/又は不織布の敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させた、ポリマーセメント組成物と織布及び/又は不織布との複合硬化体層であること。
(2)ポリマーセメント組成物は、ポリマー成分と水硬性成分とを含むこと。
(3)ポリマーセメント組成物は、ポリマー成分に含まれるポリマー固形分100質量部に対して、水硬性成分が20〜80質量部であること。
(4)ポリマー成分は、アクリル共重合体エマルジョンであり、水硬性成分は、アルミナセメントを含むこと。
(5)ケイ酸カルシウム板は無機質繊維を含み、ケイ酸カルシウム板100質量%中に無機質繊維が8〜15質量%であり、
ケイ酸カルシウム板の厚さは、8〜36mmであること。
(6)難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンと難燃剤とを含み、アクリル共重合体エマルジョンの固形分100質量部に対して、難燃剤が10〜30質量部であること。
本発明の木造建築物の防火防水方法を用いることよって、木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に防火性および防水性を有する構造を形成する場合に、防水シートを用いる場合と比較して、作業負荷が小さく作業性が良好で、さらに防水層を設ける木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体の変形に対する下地追従性に優れる防水構造を有し、尚且つ優れた防火性能を有する防火防水構造体を得ることができる。
本発明は、木造建築物の木製下地面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含む木造建築物の防火防水方法と、その防火防水方法によって得られる防火防水構造体である。
さらに、本発明は、木造建築物の木製下地面に断熱材を敷設して、断熱材の敷設層を設ける工程と、前記断熱材敷設層の上面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物用プライマーを塗布して乾燥させ、ポリマーセメント組成物用プライマー層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含む木造建築物の防火防水方法と、その防火防水方法によって得られる防火防水構造体である。
本発明の木造建築物の防火防水方法について、模式的にその施工手順を示した図1〜図3に基づいて説明する。但し、本発明は図1〜図3により制限されるものでない。
<図1の説明/断熱材なし、不織布なし>
図1は、本発明の木造建築物の防火防水構造を形成する施工方法(A)である。
図1(A−1)は、たる木(支持部材)と構造用合板とからなる木製下地を示している。構造用合板は、野路板あるいは合板であっても差し支えない。構造用合板は、たる木(支持部材)に釘及び/又はねじを用いて固定する。この時、接着剤を使用する場合には、たる木(支持部材)に接着剤を塗布し、その上に構造用合板を仮留めした後、釘及び/又はねじを用いて固定する。
図1(A−1)の木製下地の上面に、図1(A−2)に示すように、ケイ酸カルシウム板を敷設してケイ酸カルシウム板の敷設層を形成する。ケイ酸カルシウム板は不燃性を有するものを好ましく用いることができ、ケイ酸カルシウム板の敷設層は、防火構造のひとつの構成物の役割を有する。ケイ酸カルシウム板は、木製下地の構造用合板に釘及び/又はねじを用いて固定する。この時、接着剤を使用する場合には、木製下地の構造用合板に接着剤を塗布し、その上にケイ酸カルシウム板を仮留めした後、釘及び/又はねじを用いて固定する。複数のケイ酸カルシウム板を敷設したケイ酸カルシウム板の敷設層の目地部および端部には、目地用テープを張付けることが好ましい。
次に、図1(A−3)に示すように、ケイ酸カルシウム板の敷設層の上面に、ポリマーセメント組成物用プライマーを塗布・乾燥させてポリマーセメント組成物用プライマー層を設け、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を形成する。
次に、図1(A−4)に示すように、ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける。
本発明では、図1(A−1)から図1(A−4)に示す手順で防火防水構造を形成することによって、良好な防火性能と優れた防水性能とを有する木造建築物の防火防水構造体を得ることができる。
<図2の説明/断熱材あり、不織布あり>
次に、図2に示す本発明の木造建築物の防火防水方法について説明する。
図2は、本発明の木造建築物の防火防水構造を形成する施工方法(B)である。
図2(B−1)は、図1(A−1)と同様に、たる木(支持部材)と構造用合板とからなる木製下地を示している。
図2(B−1)の木製下地の上面に、図2(B−2)に示すように、断熱材を敷設して断熱材の敷設層を設け、前記断熱材敷設層の上面にケイ酸カルシウム板を敷設してケイ酸カルシウム板敷設層を設ける。
断熱材は遮熱性に優れるものを好ましく用いることができ、断熱材の敷設層は、防火構造のひとつの構成物の役割を有する。断熱材は、木製下地の構造用合板の上面に設置する。この時、接着剤を使用する場合には、木製下地の構造用合板に接着剤を塗布し、その上に断熱材を仮留めした後、ケイ酸カルシウム板を敷設し、ケイ酸カルシウム板を介して釘及び/又はねじを用いて構造用合板に固定する。
次に、ケイ酸カルシウム板の敷設層の上面に、ポリマーセメント組成物用プライマーを塗布・乾燥させてポリマーセメント組成物用プライマー層を設け、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を形成する。
また、図2(B−3)に示すように、ポリマーセメント組成物を塗布した未硬化のポリマーセメント組成物塗布層の上面に、織布及び/又は不織布を敷設し、さらに織布及び/又は不織布の敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物と織布及び/又は不織布との複合硬化体とすることができ、より強度特性に優れた塗膜防水層が得られることから特に好適である。
次に、図2(B−4)に示すように、ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける。
本発明では、図2(B−1)から図2(B−4)に示す手順で防火防水構造を形成することによって、良好な防火性能と優れた防水性能とを有する木造建築物の防火防水構造体を得ることができる。
<図3の説明/断熱材:傾斜あり、不織布なし>
次に、図3に示す本発明の木造建築物の防火防水方法について説明する。
図3は、本発明の木造建築物の防火防水構造を形成する施工方法(C)である。
図3(C−1)は、図1(A−1)及び図2(B−1)と同様に、たる木(支持部材)と構造用合板とからなる木製下地を示している。
図3(C−1)の木製下地の上面に、図3(C−2)に示すように、所定の傾斜角を有する断熱材敷設面を形成できる形状の断熱材を適宜選択し、断熱材を敷設して断熱材の敷設層を設け、前記断熱材敷設層の上面にケイ酸カルシウム板を敷設してケイ酸カルシウム板敷設層を設ける。
断熱材は遮熱性に優れるものを好ましく用いることができ、断熱材の敷設層は、防火構造のひとつの構成物の役割を有する。断熱材は、木製下地の構造用合板の上面に設置する。この時、接着剤を使用する場合には、木製下地の構造用合板に接着剤を塗布し、その上に断熱材を仮留めした後、ケイ酸カルシウム板を敷設し、ケイ酸カルシウム板を介して釘及び/又はねじを用いて構造用合板に固定する。
次に、ケイ酸カルシウム板の敷設層の上面に、ポリマーセメント組成物用プライマーを塗布・乾燥させてポリマーセメント組成物用プライマー層を設け、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を形成する。
次に、図3(C−4)に示すように、ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける。
本発明では、図3(C−1)から図3(C−4)に示す手順で防火防水構造を形成することによって、良好な防火性能と優れた防水性能と所定の傾斜角とを有する木造建築物の防火防水構造体を得ることができる。
<材料の説明>
次に、本発明で用いる材料について説明する。
本発明では、木製下地の上面に、断熱材を敷設して断熱材の敷設層を設けることができる。
断熱材としては、特に限定されるものではなく、ALCなどの無機系断熱材や、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム及びポリスチレンフォームなどの有機系断熱材などの市販の断熱材から適宜選択して用いることができる。本発明では、特に遮熱性に優れ、軽量で良好な施工性を有するポリエチレンフォームを好適に用いることができる。
断熱材の比重は、所定の遮熱性および保温性を確保するために、好ましくは10〜40kg/mの範囲、特に好ましくは15〜30kg/mの範囲のものを好適に用いることができる。
断熱材敷設層を設ける場合は、断熱材敷設層の厚さは、所定の遮熱性および保温性を確保するために、好ましくは10〜120mmの範囲、特に好ましくは15〜115mmの範囲が好適であり、所定の遮熱性能および保温性能が得られるように、単層または複数層を設けて、前記の範囲の厚さとすることが好ましい。
図3に示すように、断熱材敷設層が傾斜角を有する場合の断熱材敷設層の厚さは、好ましくは10〜120mmの範囲、特に好ましくは15〜115mmの範囲が好適であり、所定の遮熱性能が得られるように、単層または複数層を設けて、前記の範囲の厚さとすることが好ましい。
本発明では、優れた防火性能を確保するために、ケイ酸カルシウム板を使用する。ケイ酸カルシウム板は、市販のものを使用でき、特に国土交通大臣認定不燃材料を好ましく用いることができる。
ケイ酸カルシウム板の厚さは、好ましくは8〜36mmのものを好適に使用でき、ケイ酸カルシウム板の単位面積質量は、好ましくは5〜10kg/m、特に好ましくは7〜8kg/mの範囲のものを好ましく用いることができる。
ケイ酸カルシウム板は、ケイ酸カルシウム板100質量%中にケイ酸カルシウムを、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは73〜90質量%含み、無機質繊維を、好ましくは8〜15質量%、特に好ましくは10〜12質量%含むものを好適に用いることができる。
本発明では、ケイ酸カルシウム板敷設層とポリマーセメント組成物硬化体層との接着力を強固にするとともに、気泡などの欠陥のない優れた防水性能を安定して発揮できる塗膜防水層を形成するために、ポリマーセメント組成物用プライマーを使用する。
ポリマーセメント組成物用プライマーは、特に限定されるものではなく、酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系およびアクリル樹脂系などの市販のプライマーから適宜選択して用いることができ、特にポリマーセメント組成物に含まれるポリマー成分との親和性からアクリル樹脂系のプライマーを好適に用いることができる。
ポリマーセメント組成物用プライマーの塗布量は、ポリマーセメント組成物用プライマー中の樹脂固形分が、好ましくは0.05〜0.2kg/mの範囲、特に好ましくは0.08〜0.15kg/mの範囲で塗布することが好ましい。
ポリマーセメント組成物用プライマーを塗布・乾燥して得られるポリマーセメント組成物用プライマー層の厚さは、好ましくは0.01〜0.2mmの範囲、特に好ましくは0.05〜0.15mmの範囲であることが好ましい。
プライマー塗布後の乾燥時間は、温度条件や通風条件に応じて適宜乾燥時間をとることができ、通常夏季には0.5時間〜2時間、冬季には1時間〜4時間乾燥することが好ましい。
本発明では、良好な作業性と優れた防水性と良好な下地追従性とが安定して得られることから塗膜防水層を形成するためにポリマーセメント組成物を使用する。
ポリマーセメント組成物は、ポリマー成分と、セメントを含む水硬性成分とを含むものである。
ポリマー成分としては、再乳化形樹脂粉末やポリマーエマルジョンを使用することができ、特にポリマー粒子が安定化されており、ポリマーセメント組成物が良質な防水性を示す微細構造を形成しやすいことからポリマーエマルジョンを好適に用いることができる。
ポリマーエマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレンと酢酸ビニルの共重合体エマルジョン、エチレン、酢酸ビニルと(メタ)クリル酸誘導体の共重合体マルジョン、エチレンと(メタ)クリル酸誘導体との共重合体エマルジョン、ポリ(メタ)クリル酸誘導体のエマルジョン、スチレンと(メタ)クリル酸誘導体との共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンラテックス、酢酸ビニルと塩化ビニルの共重合体エマルジョン、スチレンとブタジエンの共重合体エマルジョン、アクリロニトリとブタジエンの共重合体エマルジョン、酢酸ビニルと(メタ)クリル酸誘導体のエマルジョンなどのエチレン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)クリル酸誘導体などを少なくとも1種含む合成樹脂のエマルジョンを用いることができ、特にセメントを含む水硬性成分と混合・混練して調製したポリマーセメント組成物が、良質な防水塗膜を形成しやすいことからアクリル共重合体エマルジョンを好適に用いることができる。本発明では、(メタ)クリル酸誘導体は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸、これらのエステルなどの酸誘導体を意味し、少なくともこれらの成分を1種以上含むものである。
ポリマーエマルジョンに含まれるポリマー成分のガラス転移温度は、特に限定されるものではなく、どのようなものでも用いることができるが、好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−25℃以下、より好ましくは−25℃〜−50℃の範囲、特に好ましくは−33℃〜−50℃の範囲を有するものが、低温環境下でも優れた特性を有するために好ましく、さらにアクリル共重合体を含むガラス転移温度が0℃以下、好ましくは−25℃以下、特に好ましくは−25℃〜−50℃の範囲のポリマーエマルジョンを、硬化体の伸び率が優れているために好ましく用いることができる。
特にガラス転移温度が好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−25℃以下、より好ましくは−25℃〜−50℃の範囲、特に好ましくは−33℃〜−50℃の範囲を有するアクリル共重合体を主成分とするポリマーエマルジョンは、硬化体の伸び率が優れているために好ましく用いることができる。
(メタ)クリル酸誘導体は、アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体を示し、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、などである。
ポリマーエマルジョンは、(メタ)クリル酸誘導体を1種または2種以上を使用して製造するアクリル系ポリマーエマルジョンを用いることが好ましい。
ポリマーエマルジョンは、公知の製造方法により得られるものを用いることができ、例えば、乳化剤の存在下に、重合開始剤を用いて、水又は含水溶媒中で合成樹脂の原料となる重合性モノマーを乳化重合する方法などにより製造することができる。
ポリマーエマルジョンは、水又は含水溶媒を含むものであり、ポリマーセメント組成物単独で混練してモルタルを得ることができ、また粘度及びTI値を調整する目的で、さらに必要に応じて水を加えることができる。
本発明で用いる水硬性成分は、速やかな水和反応性を有し、下記の通り多くの水分子を結晶水として結晶構造中取り込んだ水和反応物を生成するアルミナセメントを含むことが好ましい。

CaO・Al + 10HO → CaO・Al・10H

多くの水分子を結晶水として結晶構造中取り込んだ水和反応物は、火災などで高温条件に置かれると、結晶水を放出することから、防火性能の向上に寄与する効果を有することから好適である。
水硬性成分は、水硬性成分100質量%中に、アルミナセメントを好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含むものを用いることが好ましい。
特に水硬性成分は、水硬性成分100質量%中に、アルミナセメントを90質量%以上含むものを用いることが、多くの水分子を結晶水として結晶構造中取り込んだ水和反応物を大量に生成し、防火性能の向上効果が高くなるために好ましい。
アルミナセメントは、潜在的に急硬性を有しており、硬化後は耐化学薬品性、耐火性に優れた硬化体を与える。アルミナセメントは鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されており、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であるが、強度および着色性の面からは、CA成分が多く且つCAF等の少量成分が少ないアルミナセメントが好ましい。
水硬性成分は、アルミナセメントのほかに、ポルトランドセメント及び石膏から選ばれる成分を1種又は2種含むことができる。
ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメントなどを用いるができる。
石膏は、無水、半水等の各石膏がその種を問わず1種又は2種以上の混合物として使用できる。石膏は急硬性であり、また、硬化後の寸法安定性保持成分として働くものである。
本発明で用いるポリマーセメント組成物は、ポリマーエマルジョンと水硬性成分とを含むものである。
さらに、本発明で用いるポリマーセメント組成物は、ポリマーエマルジョンと水硬性成分と充填材とを含むことが好ましい。
ポリマーセメント組成物は、ポリマーエマルジョンのポリマー固形分100質量部に対し、水硬性成分を好ましくは15〜175質量部、さらに好ましくは20〜120質量部、より好ましくは22〜90質量部、特に好ましくは23〜70質量部含むものを用いることができる。
ポリマーセメント組成物は、ポリマーエマルジョンのポリマー固形分100質量部に対し、水硬性成分と充填材とを含む粉体を好ましくは15〜350質量部、さらに好ましくは20〜330質量部、より好ましくは22〜300質量部、より好ましくは23〜270質量部、より好ましくは80〜250質量部、特に好ましくは150〜230質量部を含むものを用いることができる。
ポリマーセメント組成物は、ポリマーエマルジョンと水硬性成分のほかに充填材を含むことができ、さらに本発明の特性を損なわない範囲で、流動化剤、増粘剤、消泡剤及び凝結調整剤から選ばれる成分を1種又は2種以上含むことができる。
充填材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂類、スラグ粉、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石粉、タルク、カオリン、アルミナ粉、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどを用いることができ、これらの充填材を1種または2種以上用いることができる。特に珪砂を用いる場合には5〜7号の使用が好ましい。
増粘剤は、ポリエーテル系、ウレタン系、アクリル系などの水溶性ポリマー系、セルロース系、蛋白質系、などの増粘剤を用いることができ、特に水溶性ポリウレタン系などの水溶性ポリマー系の増粘剤を好ましく用いることができる。水溶性ポリウレタン系増粘剤としては、商品名アデカノールUH−420、UH−438、UH−472(旭電化工業社製)などの市販品を用いることができ、特にUH−472(旭電化工業社製)が好ましい。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で適宜添加量を調整することができ、ポリマーセメント組成物100質量%中、0.05〜1.0質量%、さらに0.1〜0.7質量部、特に0.2〜0.5質量部含むことが好ましい。
ポリマーセメント組成物の製造法の一例としては、攪拌容器にポリマーエマルジョンを所定量計量し、攪拌機でポリマーエマルジョンを攪拌しながら所定量の水硬性成分、さらに必要に応じて、充填材、増粘剤、凝結調整剤、流動化剤、消泡剤などを添加し、数分間攪拌・混合して、さらに必要に応じて水を添加し、所定の粘度及びTI値を有するスラリー状のポリマーセメント組成物を製造することができる。
水硬性成分、充填材、増粘剤或いは添加剤などは、単独で添加しても良いし、予め他の数種と混合したものを添加しても良く、添加順序は特に選ばない。また、攪拌機は、一般的な固液攪拌機など撹拌機能を有するものを問題なく用いることができる。
水を添加する場合は、成分が分離しないように、均質なスラリー状のポリマーセメント組成物が得られるように添加することが好ましい。
本発明で用いるポリマーセメント組成物は、ローラー、コテ及び吹き付け(スプレーなど)などを用いる一般的方法で、あらかじめプライマーを塗布・乾燥した被施工物表面に塗布して使用することができ、被施工物表面にポリマーセメント組成物硬化体層を形成させて、ポリマーセメント組成物と被施工物との構造体を得ることができる。
また、ポリマーセメント組成物が硬化後に更に同じ操作を繰り返し、複数層のポリマーセメント組成物硬化体層を形成させることができる。また、織布及び/又は不織布をポリマーセメント組成物硬化体層の間に挟んだ複合構造とする場合には、ポリマーセメント組成物の塗布層を設けた後、その上に織布及び/又は不織布を敷設し、ローラーを用いて一体化させた後、織布及び/又は不織布の上にさらにポリマーセメント組成物を塗布してポリマーセメント組成物硬化体層を形成することができる。
ポリマーセメント組成物の塗布量は、ポリマーセメント組成物中の固形分が、好ましくは1.0〜5.0kg/mの範囲、さらに好ましくは1.5〜4.0kg/mの範囲、特に好ましくは2.0〜3.0kg/mの範囲で塗布することにより、優れた防水性と下地追従性とを有する塗膜防水層を形成でき、また良好な防火性を付与できることから好適である。
ポリマーセメント組成物硬化体層の厚さは、好ましくは0.5〜5.0mmの範囲、さらに好ましくは0.8〜3.0mmの範囲、特に好ましくは1.0〜2.0mmの範囲とすることにより、優れた防水性と下地追従性とを有する塗膜防水層を形成でき、また良好な防火性を付与できることから好適である。
本発明では、良好な耐久性・耐候性と、さらに優れた防火性とを付与するために、ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコート層を設ける。
難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンと難燃剤とを含むものを好適に用いることができる。さらに、難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンと難燃剤とを含み、難燃剤は無機系の難燃剤と有機系の難燃剤とを含むものを特に好適に用いることができる。
無機系難燃剤としては、特に限定されるものではなく、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの市販の無機系難燃剤を用いることができ、特に本発明では、難燃性の付与効果が高い三酸化アンチモンを好ましく用いることができる。
有機系の難燃剤についても、特に限定されるものではなく、市販の有機系の難燃剤から適宜選択して用いることができ、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、デカブロモジフェニルエーテル(Deca−BDE)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、ビス(テトラブロモフタルイミド)エタン、TBBAカーボネート・オリゴマー、TBBAエポキシ・オリゴマー、臭素化ポリスチレン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、TBBA−ビス(ジブロモプロピルエーテル)、ポリ(ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン(HBB)、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、その他芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリスークロロプロピルホスフェート、その他ハロゲンを含むリン酸エステル、ハロゲンを含む縮合リン酸エステル類、ポリリン酸塩類、赤リン系などを用いることできる。本発明では、特に高い難燃性付与効果が得られる有機系の難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテル(Deca−BDE)を好適に使用することができる。
本発明では、難燃性トップコートとして、アクリル共重合体エマルジョンと難燃剤とを含むものを好適に用いることができ、難燃剤は無機系難燃剤と有機系難燃剤とを含むことにより良好な難燃性を付与することができ、特に三酸化アンチモンとデカブロモジフェニルエーテル(Deca−BDE)とを含むものを特に好適に用いることができる。
難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンの固形分100質量部に対して、難燃剤が好ましくは10〜30質量部の範囲、特に好ましくは18〜25質量部の範囲であることが、良好な防火性能を付与するために好適である。
また、難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンの固形分100質量部に対して、無機系難燃剤が3〜10質量部の範囲であり、有機系難燃剤が10〜20質量部の範囲であることが好ましく、無機系難燃剤が5〜8質量部の範囲であり、有機系難燃剤が12〜18質量部の範囲であることが特に好ましい。無機系の難燃剤と有機系の難燃剤が、前記範囲である場合、優れた防火性能を付与するために特に好適である。
難燃性トップコートの塗布量は、難燃性トップコート中のアクリル共重合体エマルジョンの固形分が、好ましくは0.2〜3.0kg/mの範囲、特に好ましくは0.5〜1.5kg/mの範囲となるように塗布することが好ましい。難燃性トップコートを前記範囲で塗布することによって良好な耐久性・耐候性と、優れた防火性とを付与することができる。
難燃性トップコート層の厚さは、好ましくは0.2〜3.0mmの範囲、特に好ましくは0.5〜1.5mmの範囲になるように塗布することにより、優れた防火性能と、良好な耐久性・耐候性とが得られることから好適である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(評価および測定方法)
1)ポリマーセメント組成物の調製
温度23±2℃の環境下で、ポリ容器にポリマーエマルジョンを固形分で100質量部を量り取り、アルミナセメント50質量部と珪砂150質量部を加え、0.15KW攪拌機を使用し1300rpmの条件下で3分間混合し、スラリー状のポリマーセメント組成物を調製した。
2)引張強さ及び伸び率の評価方法
ガラス板にPETフィルムを敷き、その上に調製したポリマーセメント組成物をコテやヘラなどを用いて1.2kg/mで塗布し、そのポリマーセメント組成物の上にポリエステル不織布を敷設し、さらにその上にポリマーセメント組成物を1.0kg/m塗布して、23±2℃の環境下で7日間養生した。養生後、塗膜を剥がし、さらに23±2℃の環境下で7日間養生し、ポリマーセメントシートを得た。
引張強さ及び伸び率の測定は、ポリマーセメントシートよりダンベル2号形を用いて試験片を作製し、夫々の測定温度の条件下(−10℃、23℃、60℃)で、精密万能材料試験機((株)インテスコ製、210XLS)を用い、チャック間距離60mmで、引張速度200mm/分の条件で行った。なお、引張強さ(N/mm)及び伸び率(%)は、数式(1)及び数式(2)に従い、算出した。
Figure 2009243245
Figure 2009243245
2)下地ひび割れ追従性の評価方法(ゼロスパンの評価方法)
中央に切り込みを入れた5mm厚スレート板(50×150mm)に、予めプライマーを0.2kg/mの量で塗布した。このスレート板のプライマー塗布面に、調製したポリマーセメント組成物をコテやヘラなどを用いて1.2kg/mで塗布し、そのポリマーセメント組成物の上にポリエステル不織布を敷設し、さらにその上にポリマーセメント組成物を1.0kg/m塗布して、23±2℃の環境下で14日間養生し、試験体を得た。
下地ひび割れ追従性試験による伸びの測定は、試験体を夫々の測定温度の条件下(−10℃、23℃、60℃)で、精密万能材料試験機((株)インテスコ製、210XLS)を用い、引張速度5mm/分の条件で行った。目視観察で試験体に亀裂などの欠陥が生じる時の伸びを測定し、その伸びを下地ひび割れ追従性とした。
3)耐疲労性の評価方法
ケイ酸カルシウム板の様々な動きを想定して耐疲労性を評価する為、ケイ酸カルシウム板の通常の突き合わせ部分(通常部)、立上り面と床面の入り隅部分(入り隅部)、段違いを想定した段差部分(段差部)、通常の突き合わせ部分のせん断方向の動き部分(せん断部)についての耐疲労性を評価した。なお、本評価では、試験片の両端を疲労試験機へ強く固定する為、下地板はある程度の強度が必要であったので、ケイ酸カルシウム板ではなく、スレート板を使用した。
3−1)通常部及び入り隅部の試験片の作製
5mm厚スレート板(50×75mm)2枚を短片部同士で1mmの隙間を開けて突き合わせ、その1mmの隙間をプライマーやポリマーセメント組成物が流れ込まないように、1mm厚のフッ素樹脂製シート(ポリマーセメント組成物やプライマーがくっつきにくい素材できたものなら、どんなものでも良い)で埋めて固定した下地板を作製した。
次に、下地板にプライマーを0.2kg/mの量で塗布した。この下地板のプライマー塗布面に、調製したポリマーセメント組成物をコテやヘラなどを用いて1.2kg/mで塗布し、そのポリマーセメント組成物の上にポリエステル不織布を敷設し、さらにその上にポリマーセメント組成物を1.0kg/m塗布して、23±2℃の環境下で14日間養生し、1mmの隙間を埋めていたフッ素樹脂製シートを取り除き、試験体を得た。
試験体のポリマーセメント組成物の塗布面を上にした状態を通常部の試験片として使用した。
試験体のポリマーセメント組成物の塗布面を上にした状態で塗布面が直角に折れ曲がった状態になるように片方スレート板を立てて固定して、入り隅部の試験片とした。
3−2)段差部の試験片の作製
5mm厚スレート板(50×75mm)1枚と8mm厚スレート板(50×75mm)1枚を用いて、通常部の試験片と同様にして、段差部の試験片を作製した。
3−3)せん断部の試験片の作製
5mm厚スレート板(25×150mm)2枚の長片部同士で1mmの隙間を開けて突き合わせ、通常部の試験片と同様にして、せん断部の試験片を作製した。
3−4)疲労試験
疲労性試験は、3−1)から3−3)で作製した試験片を疲労試験装置((株)インテスコ製)を用いた。試験片を試験機に取り付けた状態を0mmとして、10分間で1回の周期で±0.5mmのムーブメントを与え、試験温度を20℃、60℃、−10℃の順に500回ずつ行った。さらに、ムーブメントを±1mmにして、同様に各温度の順に500回ずつ行った。試験後、ポリマーセメント組成物層に貫通した穴の有無を目視にて評価した。
〇:貫通した穴が生じなかった、 ×:貫通した穴が生じた。
4)飛び火性能試験方法
支持部材(たる木)を用いて1200mm×2000mmの支持部材を作製した。
支持部材(たる木)の間隔は600mmとした。
支持部材に鉄丸くぎを用いて合板を固定し、木製下地部材を作製した。
木製下地部材の上面に、ポリスチレンフォームを厚さ115mmになるように積層して配置した。(厚さ20mm×5枚、厚さ15mm×1枚、重張)
ポリスチレンフォームを配置したのち、その上面にケイ酸カルシウム板を敷設し、十字穴付きタッピングねじを用いてポリスチレンフォームとケイ酸カルシウム板を固定し、ケイ酸カルシウム板の継ぎ目に沿って粘着テープを貼り目地処理を行った。
ケイ酸カルシウム板の上面にポリマーセメント組成物用プライマーをローラーにて固形分で0.11kg/mの量を塗布し、乾燥させた。
次に、ポリマーセメント組成物用プライマー層の上に、調製したポリマーセメント組成物をコテ、ヘラなどを用いて1.2kg/mで塗布し、そのポリマーセメント組成物の上にポリエステル不織布を敷設し、さらにその上にポリマーセメント組成物を1.0kg/m塗布して、硬化させた。不織布同士の重ね合わせ幅は、100mmとした。硬化後、さらにポリマーセメント組成物を1.0kg/m塗布して硬化させた。
さらに、硬化したポリマーセメント組成物層の上に難燃性トップコートをローラーにて1.0kg/m塗布、乾燥させて14日間養生して試験体とした。試験体の作成手順の概要および試験体の模式断面図を図2に示す。
飛び火試験は、試験体の難燃性トップコート層を上にして置き、一方の短辺(1200mm)を水平面から15°の角度になるように持ち上げて固定し、持ち上げていない短辺を底辺として、底辺側から風速3m/sの風を流した。火種は、樹種ブナの木材を、大きさ19mm×19mm×80mmに成形し、1段に各3本ずつ等間隔に並べたものを、互い違いに3段に積み重ね、鉄丸釘等で固定し、全体の大きさを80mm×80mm×60mmに作製し、質量は、温度23±2℃、湿度50±5%の条件で155±10g(釘の質量は除く)に調製されたものを用いた。火種は、風上側底辺から500mm、左右の長辺から415mmの所に1個ずつ置く為、合計で2個使用した。
まず、1個目の火種の大きな面の2面に夫々1分間ずつガスバーナーの火炎をあてて、火をつけた火種を試験体の上に置いた。最初の火種を設置してから2分後に、2個目の火種に1個目と同様に火をつけ、試験体の上に置いた。
1個目の火種を置いてから30分を経過するまで、試験体の4辺からの超える火炎の有無、試験体裏面における火炎を伴う燃焼の有無及び10mm×10mmを超える貫通孔の有無について観察し、すべて満足した場合に合格とした。
[実施例]
(1)原材料は、以下のものを用いた。
(木製下地)
・合板 : 普通合板、厚さ9mm。
・支持部材(たる木) : 一般製材、幅38mm、高さ89mm、施工間隔600mm。
(断熱材)
・ポリスチレンフォーム : 押出法ポリスチレンフォーム保温板、厚さ115mm、密度27kg/m
(ケイ酸カルシウム板)
・ケイ酸カルシウム板 : 厚さ8mm、単位面積質量7.3kg/m2、ケイ酸カルシウム含有率=83質量%、無機質繊維含有率=11質量%、有機質含有率=6質量%。
(ポリマーセメント組成物用プライマー)
・アクリル樹脂系プライマー(市販品)、固形分(ポリマー成分)=50質量%。
(ポリマーセメント組成物)
・ポリマー成分: アクリル共重合体エマルジョン(市販品)、固形分(ポリマー成分)=50質量%。
・水硬性成分 : アルミナセメント:ブレーン比表面積3300cm/g、ケルネオス社製。
・充填材 : 珪砂:7号珪砂(市販品)。
(不織布)
・ポリエステル不織布、単位面積質量(目付け)=70g/m
(難燃剤トップコート)
・アクリル樹脂系難燃性トップコート : アクリル系樹脂(固形分)22.8質量%、有機系難燃剤3.5質量%、無機系難燃剤1.5質量%、無機質系顔料・骨材70.1質量%、有機質系添加剤2.1質量%。
(ポリマーセメント組成物の調製)
ポリマーエマルジョンと、アルミナセメント、珪砂を表1に示す配合割合で3分間混合してポリマーセメント組成物を調製した。
得られたポリマーセメント組成物について、夫々の評価方法にしたがって試験片を作製し、引張強さ、伸び率、ゼロスパン、耐疲労性および飛び火試験について評価した。
Figure 2009243245

実施例の引張強さ、伸び率、ゼロスパン、耐疲労性及び飛び火試験の結果から、本発明は、木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体上に防火性および防水性を有する構造を形成する場合に、防水シートを用いない防水処理方法を用いることによって、作業負荷が小さくて作業性が良好で、シームレスな防水層を形成し、さらに防水層を設ける木造建築物の屋根下地やバルコニー下地などの躯体の変形に対する下地追従性に優れる防水構造を有し、尚且つ優れた防火性能を有する防火防水構造体およびその施工方法であることが分かる。
本発明の防火防水構造体の施工方法の一例を示す模式断面図である。 本発明の防火防水構造体の施工方法の一例を示す模式断面図である。 本発明の防火防水構造体の施工方法の一例を示す模式断面図である。 本発明の防火防水構造体に用いたポリマーセメント組成物硬化体層の物性評価のための試験体を模式的に示す図である。

Claims (9)

  1. 木造建築物の木製下地面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含むことを特徴とする木造建築物の防火防水方法。
  2. 木造建築物の木製下地面に断熱材を敷設して、断熱材の敷設層を設ける工程と、前記断熱材敷設層の上面にケイ酸カルシウム板を敷設して、ケイ酸カルシウム板敷設層を設ける工程と、前記ケイ酸カルシウム板敷設層の上面にポリマーセメント組成物用プライマーを塗布して乾燥させ、ポリマーセメント組成物用プライマー層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物用プライマー層の上面に、ポリマーセメント組成物を塗布して硬化させ、ポリマーセメント組成物硬化体層を設ける工程と、前記ポリマーセメント組成物硬化体層の上面に難燃性トップコートを塗布して乾燥させ、難燃性トップコート層を設ける工程とを含むことを特徴とする木造建築物の防火防水方法。
  3. ポリマーセメント組成物硬化体層は、ポリマーセメント組成物を塗布した未硬化のポリマーセメント組成物塗布層の上面に、織布及び/又は不織布を敷設し、さらに織布及び/又は不織布の敷設層の上面にポリマーセメント組成物を塗布して硬化させた、ポリマーセメント組成物と織布及び/又は不織布との複合硬化体層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木造建築物の防火防水方法。
  4. ポリマーセメント組成物は、ポリマー成分と水硬性成分とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法。
  5. ポリマーセメント組成物は、ポリマー成分に含まれるポリマー固形分100質量部に対して、水硬性成分が20〜80質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法。
  6. ポリマー成分は、アクリル共重合体エマルジョンであり、水硬性成分は、アルミナセメントを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法。
  7. ケイ酸カルシウム板は無機質繊維を含み、ケイ酸カルシウム板100質量%中に無機質繊維が8〜15質量%であり、ケイ酸カルシウム板の厚さは、8〜36mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法。
  8. 難燃性トップコートは、アクリル共重合体エマルジョンと難燃剤とを含み、アクリル共重合体エマルジョンの固形分100質量部に対して、難燃剤が10〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の木造建築物の防火防水方法によって得られる防火防水構造体。
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