JP2009242701A - 光配向膜用組成物、並びに、光配向膜及びその製造方法、液晶セル及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)の化合物と、式(II)の化合物を含む光配向膜用組成物。
【選択図】なし
Description
前記液晶を配向させる方法としては、支持体表面を化学的又は物理的に処理する方法が知られているが、中でも、ポリイミドなどの高分子樹脂膜を配向膜として支持体表面に被覆し、前記配向膜を一方向に布などで擦る、ラビング法がよく知られている。前記ラビング法によれば、支持体表面に平行、かつ、一方向に均一に配向した液晶のホモジニアス配向を得ることができる。
しかしながら、前記ラビング法では、配向膜を擦ることにより静電気や塵が発生して歩留まりが低下してしまう点や、定量的に配向制御を行うことが困難である点が、問題となっている。
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、光配向膜の光耐久性が低いので、光配向膜が光に晒されているうちに液晶の配向制御能が低下してしまったり、異性化反応を起こすために必要な光照射量が多いので、製造コストがかかったりするという問題があった。
したがって、光等に対して優れた耐久性を有し、少ない光照射量で液晶分子に対する配向制御能を付与することができる光配向膜及びその製造方法については、未だ満足なものが提供されていないのが現状である。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物とを含むことを特徴とする光配向膜用組成物である。
<2> Q1、Q2及びQ3の少なくともいずれかが、オキセタン基である<1>に記載の光配向膜用組成物である。
<3> 重合開始剤を含有する<1>から<2>のいずれかに記載の光配向膜用組成物である。
<4> <1>から<3>のいずれかに記載の光配向膜用組成物からなる光配向膜である。
<5> 一対の基板と、一対の前記基板に挟持される液晶組成物とを含む液晶セルであって、<4>に記載の光配向膜が、一対の前記基板のうち少なくとも一方の前記基板における、他方の前記基板に対して対向する面に配されてなる液晶セルである。
<6> <5>に記載の液晶セルを有する液晶表示装置である。
<7> IPS液晶表示装置及びTNモード液晶表示装置のいずれかである<6>に記載の液晶表示装置である。
<8> <1>から<3>のいずれかに記載の光配向膜用組成物を支持体表面に塗布する塗布工程と、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、偏光又は塗膜表面の斜め方向から非偏光を照射する第1の光照射工程と、を含む光配向膜の製造方法である。
<9> 第1の光照射工程において照射する偏向又は非偏光が、波長が365nmであり、積算光量が20〜1mJ/cm2である<8>に記載の光配向膜の製造方法である。
<10> 第1の光照射工程の後に、光配向膜用組成物を加熱する加熱工程を含む<8>から<9>のいずれかに記載の光配向膜の製造方法である。
<11> 加熱工程における加熱温度が50℃〜240℃である<10>に記載の光配向膜の製造方法である。
<12> 第1の光照射工程の後に、光配向膜用組成物の塗膜に対し、塗膜表面の法線方向から非偏向を照射する第2の光照射工程を含む<8>から<9>のいずれかに記載の光配向膜の製造方法である。
本発明の光配向膜用組成物は、下記一般式(I)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物とを含み、必要に応じて重合開始剤などのその他の成分を含んでなる。
中でも、前記L1としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましく、単結合、−O−、−O−CO−及び−O−CO−O−のいずれかが更に好ましい。
中でも、前記L2としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましく、単結合、−O−、−O−CO−及び−CO−O−のいずれかが更に好ましい。
前記「−CH2−が−O−又は−S−により置換されたアルキレン基」において、2つ以上の−CH2−が、−O−又は−S−に置換される場合には、互いに隣接していない−CH2−が−O−又は−S−に置換される。また、2つ以上の−CH2−が、−O−又は−S−に置換される場合には、それぞれ独立に、−O−又は−S−に置換される。また、前記「−CH2−が−O−又は−S−により置換されたアルキレン基」において、水素原子が前記置換基により置換されていてもよい。
中でも、R3及びR4としては、−F、−Cl、−Br、−CH3、−OCH3及び−CNのいずれかが好ましく、−F、−Cl、−CH3、−OCH3及び−CNのいずれかがより好ましく、−F、−CH3、−OCH3及び−CNのいずれかが更に好ましい。
前記一般式(I)中、mは、0〜3の整数を表し、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
前記一般式(2)中、P5は、0〜4の整数を表し、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
1つの前記Q1において、1つの重合性基を含んでいてもよく、2つ以上の重合性基を含んでいてもよい。
前記Q1としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(9)〜(17)のいずれかで表される基がより好ましく、下記一般式(16)及び(17)のいずれかで表されるオキセタン基が更に好ましい。
前記アルコキシ基(−O−R)は、そのアルキル基部分(−R)において、分岐していてもよいし、分岐していなくてもよく、炭素数1〜20のアルキル基を有する。中でも、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基及びイソプロポキシ基のいずれかが好ましい。
前記アルキルエステル基(−CO2−R)は、そのアルキル基部分(−R)において、分岐していてもよいし、分岐していなくてもよく、炭素数1〜20のアルキル基を有する。中でも、前記アルキルエステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基、イソプロピルエステル基のいずれかが好ましい。
前記R1における前記ハロゲン原子としては、−F、−Cl、−Brが好ましく、−F、−Clがより好ましい。
中でも、前記L3としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましく、単結合、−O−、−O−CO−及び−O−CO−O−のいずれかが更に好ましい。
中でも、前記L4としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましく、単結合、−O−、−O−CO−及び−CO−O−のいずれかが更に好ましい。
1つの前記Q2において、1つの重合性基を含んでいてもよく、2つ以上の重合性基を含んでいてもよい。
前記Q2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記Q1と同一であってもよいし、異なっていてもよく、前記一般式(9)〜(17)のいずれかで表される基がより好ましく、前記一般式(16)及び(17)のいずれかで表される基が更に好ましい。
中でも、前記L6としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましく、単結合、−O−、−O−CO−及び−O−CO−O−のいずれかが更に好ましい。
中でも、前記L7としては、単結合、−O−、−O−CO−、−O−CO−O−及び−CO−O−のいずれかが好ましい。
前記一般式(II)中、()Yは、繰り返し単位を表す。
1つの前記Q3において、1つの重合性基を含んでいてもよく、2つ以上の重合性基を含んでいてもよい。
前記Q3としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記Q1又はQ2と同一であってもよいし、異なっていてもよく、前記一般式(9)〜(17)のいずれかで表される基がより好ましく、前記一般式(16)及び(17)のいずれかで表される基が更に好ましい。
なお、下記例において、Meはメチル基を表す。
なお、下記例において、Meはメチル基を表し、()Yは繰り返し単位を表す。
前記一般式(I)で表される化合物の、前記一般式(II)で表される化合物20質量部に対する配合量が、80質量部より多いと、アゾ基の影響により光配向膜が着色してしまうことがある。前記一般式(I)で表される化合物の、前記一般式(II)で表される化合物95質量部に対する配合量が、5質量部より少ないと、光配向膜用組成物に光を照射しても、液晶分子に対する配向制御能が付与されないことがある。前記配合比が前記より好ましい範囲であると、光配向膜用組成物が着色されることなく、少ない光照射量で液晶分子に対する優れた配向制御能が付与される点で有利である。
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物中の重合性基に応じて選択することができ、例えば、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤などが挙げられる。前記ラジカル重合開始剤及び前記カチオン重合開始剤には、それぞれ、熱重合反応に用いる熱重合開始剤と光重合反応に用いる光重合開始剤とが含まれる。
前記ラジカル重合における熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
前記ラジカル重合における前記光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。
前記カチオン重合における熱重合開始剤としては、例えば、ベンジルスルホニウム塩系化合物などが挙げられる。
前記カチオン重合における光重合開始剤としては、例えば、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系などが挙げられる。これら化合物の対イオンとしては、SbF6 −、PF6 −、BF6 −等が挙げられる。
本発明の光配向膜は、前記光配向膜用組成物からなる。
前記光配向膜の膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。
本発明の光配向膜の製造方法は、前記光配向膜用組成物を支持体表面に塗布する塗布工程と、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、偏光又は塗膜表面に対して斜め方向から非偏向を照射する第1の光照射工程とを含み、必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
前記光配向膜用組成物を支持体表面に塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。
前記溶媒としては、前記光配向膜用組成物を溶解できる限り、特に制限はないが、塗布しやすい点で、室温での蒸気圧が比較的低く、かつ、沸点が高いことが好ましい。前記溶媒としては、例えば、1,1,2−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、ブトキシエタノール、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、フェノキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。前記溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記第1の光照射工程においては、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、偏光又は塗膜表面の斜め方向から非偏光を照射する。
前記「斜め方向」とは、塗膜表面の法線方向に対して極角θ(0<θ<90°)傾けた方向である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記θが20〜80°であることが好ましい。
前記偏光又は前記非偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。このような光源から得た紫外線や可視光線に対して、干渉フィルタや色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を制限することができる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタや偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
前記偏光又は前記非偏光の照度としては、前記光配向膜用組成物の塗膜に、液晶分子に対する配向制御能を付与することができる限り、特に制限はないが、0.1〜100mW/cm2が好ましく、0.1〜70mW/cm2がより好ましく、0,1〜50mW/cm2が更に好ましい。
前記その他の工程としては、例えば、第1の光照射工程の後に、前記光配向膜用組成物を加熱する加熱工程、第1の光照射工程の後に、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、塗膜表面の法線方向から非偏光を照射する第2の光照射工程などが挙げられる。
前記その他の工程としては、前記加熱工程のみを行ってもよく、前記第2の光照射工程のみを行ってもよく、両方の工程を行ってもよい。また、前記加熱工程及び前記第2の光照射工程を行う場合には、いずれの工程を先に行ってもよい。
前記加熱工程では、前記光配向膜用組成物を加熱することにより、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させる。
前記加熱工程における加熱温度としては、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的には、50〜240℃であり、80〜200℃が好ましく、80〜190℃がより好ましい。
前記加熱工程により、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させることで、前記光配向膜用組成物の塗膜(光配向膜)が、液晶分子に対する配向制御能を有した状態で重合されるので、光や熱に対する耐久性を高めることができる。
前記第2の光照射工程では、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、塗膜表面の法線方向から非偏光を照射することにより、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させる。
前記非偏光の照度としては、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜1,000mW/cm2が好ましく、5〜500mW/cm2がより好ましく、5〜350mW/cm2が更に好ましい。
前記非偏光の照射は、窒素雰囲気下又は加熱条件下で行うと、重合反応が促進される点で好ましい。
前記第2の光照射工程により、前記一般式(I)で表される化合物及び前記一般式(II)で表される化合物の重合を進行させることで、前記光配向膜用組成物の塗膜(光配向膜)が、液晶分子に対する配向制御能を有した状態で重合されるので、光や熱に対する耐久性を高めることができる。
本発明の液晶セルは、一対の基板と、一対の前記基板に挟持される液晶組成物とを含む液晶セルであって、前記光配向膜が、一対の前記基板のうち少なくとも一方の前記基板における、他方の前記基板に対して対向する面に配されてなることを特徴とする。
前記光配向膜は、一対の前記基板のうち一方の基板のみに配されていてもよく、対向する両方の基板に配されていてもよい。
前記基板の材料としては、特に制限はなく、有機材料及び無機材料のいずれも用いることができる。前記有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。前記無機材料としては、ガラス、シリコンなどが挙げられる。また、前記基板には、ITO、Cr、Alなどの電極層、カラーフィルタ層などが設けられていてもよい。
前記液晶組成物としては、液晶分子を含む限り特に制限はなく、従来公知のものの中から選択することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記液晶セルを有することを特徴とする。
前記液晶表示装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IPS(In−Plane Switching)モード液晶表示装置、TN(Twisted Nematic)モード液晶表示装置などが挙げられる。中でも、前記光配向膜が液晶分子を水平配向させる水平配向膜として有用である点で、IPSモード液晶表示装置が好ましい。
なお、本実施例における配合比は、特に記載のない限り、質量比である。
−構造式(I−18)で表される化合物の合成−
前記構造式(I−18)で表される化合物を、下記合成ルートに従って合成した。
なお、合成した前記構造式(I−18)で表される化合物について、質量分析を行った結果、527.30(M+1)のピークが検出された。
前記構造式(II−9)で表される化合物を、下記合成ルートに従って合成した。
なお、合成した前記構造式(II−9)で表される化合物について、質量分析を行った結果、499.23(M+1)のピークが検出された。
下記組成を混合し、光配向膜用組成物を製造した。
構造式(I−18)で表される化合物 0.96質量部
構造式(II−9)で表される化合物 0.96質量部
重合開始剤トリアリルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート50%プロピレンカーボネート溶液(アルドリッチ社製)
0.08質量部
1,1,2−トリクロロエタン 98質量部
前記光配向膜用組成物を、スピンコート法(3,500rpm、20秒)によりガラス基板上に塗布した後、前記光配向膜用組成物の塗面に対し、塗膜表面の法線方向から波長365nmの偏光紫外線を、積算光量が15mJ/cm2となるように照射した。
そして、空気下、70℃で高圧水銀灯により、非偏光の紫外線を、積算光量が50mJ/cm2となるように照射し、実施例1の光配向膜を製造した。
実施例1において、光配向膜用組成物中の構造式(I−18)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて1.536質量部としたこと、光配向膜用組成物中の構造式(II−9)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて0.384質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光配向膜を製造した。
実施例1において、光配向膜用組成物中の構造式(I−18)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて0.096質量部としたこと、光配向膜用組成物中の構造式(II−9)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて1.824質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光配向膜を製造した。
実施例1において、光配向膜用組成物中の構造式(I−18)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて1.632質量部としたこと、光配向膜用組成物中の構造式(II−9)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて0.288質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光配向膜を製造した。
実施例1において、光配向膜用組成物中の構造式(I−18)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて0.0576質量部としたこと、光配向膜用組成物中の構造式(II−9)で表される化合物の配合量を0.96質量部に代えて1.8624質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の光配向膜を製造した。
−光配向膜用組成物の製造−
特開2007−121721号公報に記載の実施例12と同様にして、光配向膜用組成物を製造した。
即ち、下記構造式(a)で示される化合物2部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)98部に溶解させた(溶液A)。メチル化メラミン スミマールM−100C(以下M−100C)(長春人造樹脂製。ヘキサメトキシメチル化メラミン単量体として、分子量=390。平均重合度は1.3〜1.7である。)2部に2−ブトキシエタノール(BC)98部を加えて均一溶液とした(溶液B)。溶液A100部、溶液B15部、BC77部及びBX−L(ポリビニルアセタール樹脂エスレック、積水化学工業(株)製)5.1部を混合し、固形分比1.0%の溶液を調製した。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物を得た。
前記光配向膜用組成物を、スピンコート法(3,500rpm、20秒)によりガラス基板上に塗布した後、前記光配向膜用組成物の塗面に対し、塗膜表面の法線方向から波長365nmの偏光紫外線を、積算光量が15mJ/cm2となるように照射した。
そして、220℃で20分間加熱して、比較例1の光配向膜を製造した。
実施例1〜5及び比較例1で製造した光配向膜に対し、下記組成の液晶組成物のイソプロピルアルコール溶液をスピンコート法(2,000rpm、20秒)により塗布した後、80℃で10秒間加熱し、室温にもどして液晶の配向性を観察し、下記評価基準に従って配向性を評価した。結果を表1に示す。
MLC−16000−100(メルク社製液晶化合物) 34.9質量部
下記に示す空気界面制御剤(A) 0.0349質量部
イソプロピルアルコール 65質量部
◎ :クロスニコル下で光漏れがほとんど観察されない。
◎〜○:○に比べ、良好であるが、光漏れが若干観測される。
○ :クロスニコル下で光漏れが少し観察される。
× :クロスニコル下で光漏れが観察される。
実施例1〜5及び比較例1で製造した光配向膜に対し、波長365nmの非偏光の紫外線を、積算光量が50J/cm2となるように照射した。次に、前記光配向膜に対し、上記「(1)配向性評価」と同様に、上記組成の液晶組成物のイソプロピルアルコール溶液をスピンコート法(2,000rpm、20秒)により塗布した後、80℃で10秒間加熱し、室温にもどして液晶の配向性を観察し、下記評価基準に従って配向性を評価した。結果を表1に示す。
◎ :上記光耐久性評価において波長365nmの非偏光の紫外線を照射しない場合と比較して、光漏れがほとんど変化しない。
◎〜○:○に比べ、良好であるが、光漏れが若干悪化している。
○ :上記光耐久性評価において波長365nmの非偏光の紫外線を照射しない場合と比較して、光漏れが少し悪化している。
× :上記光耐久性評価において波長365nmの非偏光の紫外線を照射しない場合と比較して、光漏れが明らかに悪化している。
Claims (12)
- 下記一般式(I)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物とを含むことを特徴とする光配向膜用組成物。
- Q1、Q2及びQ3の少なくともいずれかが、オキセタン基である請求項1に記載の光配向膜用組成物。
- 重合開始剤を含有する請求項1から2のいずれかに記載の光配向膜用組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の光配向膜用組成物からなる光配向膜。
- 一対の基板と、一対の前記基板に挟持される液晶組成物とを含む液晶セルであって、請求項4に記載の光配向膜が、一対の前記基板のうち少なくとも一方の前記基板における、他方の前記基板に対して対向する面に配されてなる液晶セル。
- 請求項5に記載の液晶セルを有する液晶表示装置。
- IPS液晶表示装置及びTNモード液晶表示装置のいずれかである請求項6に記載の液晶表示装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載の光配向膜用組成物を支持体表面に塗布する塗布工程と、前記光配向膜用組成物の塗膜に対し、偏光又は塗膜表面の斜め方向から非偏光を照射する第1の光照射工程と、を含む光配向膜の製造方法。
- 第1の光照射工程において照射する偏向又は非偏光が、波長が365nmであり、積算光量が20〜1mJ/cm2である請求項8に記載の光配向膜の製造方法。
- 第1の光照射工程の後に、光配向膜用組成物を加熱する加熱工程を含む請求項8から9のいずれかに記載の光配向膜の製造方法。
- 加熱工程における加熱温度が50℃〜240℃である請求項10に記載の光配向膜の製造方法。
- 第1の光照射工程の後に、光配向膜用組成物の塗膜に対し、塗膜表面の法線方向から非偏向を照射する第2の光照射工程を含む請求項8から9のいずれかに記載の光配向膜の製造方法。
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