JP2009242280A - エーテル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、入手が比較的容易で取り扱い安全性が高いアルコールを原料とし、かつ副生物を含まないエーテル化合物の製造方法を提供することである。
【解決手段】 アンモニウム塩が担体に固定化された固体触媒の存在下、1価アルコールを脱水縮合させることを特徴とするエーテル化合物の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】 アンモニウム塩が担体に固定化された固体触媒の存在下、1価アルコールを脱水縮合させることを特徴とするエーテル化合物の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、エーテル化合物の製造方法に関し、詳しくは、ハロゲン化合物等の副生物を含まないエーテル化合物の製造方法、および該製造方法で得られたエーテル化合物に関する。
通常、エーテル化合物の製造方法としては、苛性ソーダなどの強塩基触媒の存在下、アルコールにアルキルハロゲン化物を反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、アルキルハロゲン化物は毒性が高いために取扱いが困難であり、また、多量に副生する塩化ナトリウムなどの塩の分離、廃棄、廃水処理などの余分な後処理工程や設備が必要なため、コストがかかるという問題を有する。
しかし、アルキルハロゲン化物は毒性が高いために取扱いが困難であり、また、多量に副生する塩化ナトリウムなどの塩の分離、廃棄、廃水処理などの余分な後処理工程や設備が必要なため、コストがかかるという問題を有する。
また、ジアルキル硫酸を用い、アルコールをエーテル化させる方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、この方法では硫酸が生成するため、人体に有害で腐食性のガスの発生等の問題を有する。
特開平6−100487号公報
特開平5−112485号公報
しかし、この方法では硫酸が生成するため、人体に有害で腐食性のガスの発生等の問題を有する。
本発明の課題は、危険性や毒性が高いアルキルハライドやジアルキル硫酸を原料として使用せずに済み、塩化ナトリウムなどの無駄でコストアップにつながる塩の副生が無く、かつ収率が高いエーテル化合物の製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、分子内にアルコキシシラン基を有するアンモニウム塩(D)が担体にシラノール結合で固定化された固体触媒(A)の存在下、下記一般式(1)で表される1価アルコール(B)を脱水縮合させることを特徴とするエーテル化合物(C)の製造方法である。
すなわち本発明は、分子内にアルコキシシラン基を有するアンモニウム塩(D)が担体にシラノール結合で固定化された固体触媒(A)の存在下、下記一般式(1)で表される1価アルコール(B)を脱水縮合させることを特徴とするエーテル化合物(C)の製造方法である。
本発明によれば、毒性が高いアルキルハライドやジアルキル硫酸を原料として使用せずに済む。また、高い収率で、高純度のエーテル化合物を得ることができる。さらに、アルキルハライドや水酸化ナトリウムを使用するプロセスと違い、不要でかつ後処理の必要な塩化ナトリウムなどの副生塩の発生もない。
本発明においてエーテル化合物(C)の製造に用いられる1価アルコール(B)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
R1―(OA)m―OH (1)
上記式中のR1は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。
上記式中のR1は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、ドデシル等の炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、スチレン化フェニル等の炭素数6〜60のアリール基が挙げられる。
アラルキル基としては、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等の炭素数6〜60のアラルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル等の炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられる。
式(1)中のAは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、具体的にはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基であり、好ましくはエチレン基、または1,2−プロピレン基である。2種以上のアルキレン基を併用する場合は、ランダム、ブロックおよびこれらの併用でもよい。好ましくはランダム結合であり、特にエチレン基と1,2−プロピレン基のランダム結合が好ましい。
式(1)中のmは、0または1〜10の整数を表す。さらに好ましくは、1〜4である。
mが0の場合の(B)は、アルコールやフェノール、またはこれらの置換体そのものである。
また、1以上の整数の場合の(B)は、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドをアルコールやフェノール、またはこれらの置換体に付加させたものである。
mが0の場合の(B)は、アルコールやフェノール、またはこれらの置換体そのものである。
また、1以上の整数の場合の(B)は、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドをアルコールやフェノール、またはこれらの置換体に付加させたものである。
上記の1価アルコール(B)を、アンモニウム塩(D)が担体に固定化された固体触媒(A)の存在下で反応させて得られる本発明のエーテル化合物(C)は、下記一般式(4)で表される対称のエーテル化合物である。
R1―(OA)m−O―(AO)m−R1 (4)
上記式中、A、およびmは、前記一般式(1)におけるものと同じものが挙げられる。好ましいものも同じである。
本発明において必須要件として用いられるアンモニウム塩(D)は、分子内にアルコキシシラン基を有するアンモニウム塩であり、下記一般式(2)または一般式(3)で示されるイミダゾリウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、脂環式4級アンモニウムカチオン、脂肪族4級アンモニウムカチオンなどの有機カチオンと、無機アニオンまたは有機アニオンからなる塩が好ましい。
[式(2)中、R2はその一部にアルコキシシラン基を有する炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合を有する基で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。]
[式(3)中、R6はその一部にスルホン基を有する炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R7はその一部にアルコキシシラン基を有する炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R8及びR9は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。アニオンA−は酸(E)のモノアニオンを表す。]
式(2)と式(3)中のR2〜R9で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基が環を形成しない場合は、これらは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族または脂環式の炭化水素基が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。
直鎖状飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、カプリル、オクチル、デシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、セチル、ステアリル、ノナデシル基などのアルキル基が挙げられる。
分岐状飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−およびt−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基などが挙げられる。
直鎖状不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル、リノレイル基など(アルケニル基など)が挙げられる。
分岐状不飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロペニル基などが挙げられる。脂環式不飽和炭化水素基としては、シクロヘキセニル、シクロオクテニル基などが挙げられる。
これらのうち、直鎖脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、メトキシエチル基及びエチル基、特に好ましくはメチル基及びエチル基である。
分岐状飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−およびt−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基などが挙げられる。
直鎖状不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル、リノレイル基など(アルケニル基など)が挙げられる。
分岐状不飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロペニル基などが挙げられる。脂環式不飽和炭化水素基としては、シクロヘキセニル、シクロオクテニル基などが挙げられる。
これらのうち、直鎖脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、メトキシエチル基及びエチル基、特に好ましくはメチル基及びエチル基である。
これらのうち、イミダゾリウムカチオン、脂肪族4級アンモニウムカチオンが好ましい。
さらに好ましくは、1−ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸カチオン、4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸カチオンである。
さらに好ましくは、1−ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムカチオン、4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸カチオン、4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸カチオンである。
式(3)中の酸(E)のモノアニオンであるA−としては、無機アニオンおよび有機アニオンが含まれる。
無機アニオンには、BO3 3−、F−、PF6 −、BF4 −、AsF6 −、SbF6 −、ClO4 −、AlF4 −、AlCl4 −、TaF6 −、NbF6 −、SiF6 2−、CN−、F(HF)n −(当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)が含まれ、これらの中で、PF6 −、BF4 −、AsF6 −、SbF6 −が好ましい。
無機アニオンには、BO3 3−、F−、PF6 −、BF4 −、AsF6 −、SbF6 −、ClO4 −、AlF4 −、AlCl4 −、TaF6 −、NbF6 −、SiF6 2−、CN−、F(HF)n −(当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)が含まれ、これらの中で、PF6 −、BF4 −、AsF6 −、SbF6 −が好ましい。
有機アニオンには、N(RfSO2)2−、C(RfSO2)3−、RfCOO−、RfSO3 −(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)などの含フッ素アニオン;カルボン酸、モノまたはジアルキルリン酸エステル、スルホン酸、トリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物、ホウ素含有化合物、ヘテロポリ酸からプロトンを除いたアニオンなどが含まれる。
上記のカルボン酸類としては、炭素数2〜15の2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
上記のモノまたはジアルキルリン酸エステルとしては、炭素数1〜15であるアルキル基のモノまたはジアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
上記のスルホン酸としては、アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸などが挙げられる。
上記のトリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物としては、1−H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、3−メルカプト−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾールなどが挙げられる。
上記のホウ素含有化合物としては、ボロジシュウ酸、ボロジグリコール酸、ボロジ(2−ヒドロキシイソ酪酸)が挙げられる。
上記のヘテロポリ酸としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンタングストモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、リンタングストバナジン酸などが挙げられる。
これらのA−としての無機アニオンおよび有機アニオンの中で、ヘテロポリ酸から水素原子を除いたアニオンが好ましい。
アンモニウム塩(D)として好ましいものを例示すると、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムホスホタングステート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムホスホタングステート、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムホスホタングステート、4−(トリメチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸ホスホタングステート、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸スルホネート、4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸スルホネート、3−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕プロパン―1―スルホン酸スルホネートである。
特に好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート及び4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸スルホネート、最も好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート及び4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸スルホネートである。
特に好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート及び4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸スルホネート、最も好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート及び4−〔(3−トリメトキシシリルプロピル)ジメチルアンモニオ〕ブタン―1―スルホン酸スルホネートである。
本発明におけるアンモニウム塩(D)を固定化する固体触媒(A)は、固体表面にアルコキシシラン基と反応してシラノール結合が生成する官能基を有するものであれば特に制限は無いが、固体表面に水酸基を有する金属酸化物(F)が好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどがさらに好ましい。
固体触媒(A)にアンモニウム塩(D)を固定化する方法としては、有機溶媒(G)中でアンモニウム塩(D)と金属酸化物(F)加熱することにより、(F)の表面の水酸基と(D)のアルコキシシラン基とを反応させ、(F)の表面にシラノール結合を形成させる方法が挙げられる。
有機溶媒(G)は、活性水素を含まないものであれば特に限定されないが、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
金属酸化物(F)に対するアンモニウム塩(D)の固定化量としては、特に制限はないが、(F)1gへの(D)の固定化量が0.05mmol〜20mmolであることが好ましい。
固定化の反応温度、および反応時間は特に限定はないが、好ましい反応温度は40〜200℃、より好ましくは60〜130℃である。また、好ましい反応時間は1時間〜60時間、より好ましくは2時間〜30時間である。反応は、窒素等の不活性ガスの雰囲気下または流通下で行うのが好ましい。
エーテル化の反応温度、および反応時間は特に限定はないが、好ましい反応温度は70〜200℃、より好ましくは90〜160℃である。また、好ましい反応時間は1時間〜40時間、より好ましくは2時間〜10時間である。反応は、窒素等の不活性ガスの雰囲気下または流通下で行うのが好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」、%は重量%を意味する。
アルコール(B)の反応率の定義と測定・計算方法は以下の通りである。
<アルコール(B)の反応率>
アルコール(B)反応率とは、原料のアルコール(B)が反応によりエーテルに転化した反応率を表し、以下の計算式(1)により求めた。
アルコール(B)反応率(%)=(1−A/B)×100 (1)
但し、A:反応後のアルコール(A1)のモル濃度
B:反応前のアルコール(A1)のモル濃度
なお、反応前後のアルコール(A1)のモル濃度算出に際しては、ガスクロマトグラフを用い、内部標準法により以下の条件で測定した。
ガスクロマトグラフ装置: 島津製作所製 GC17−A
使用カラム: DB WAX 0.25mm×30m
<アルコール(B)の反応率>
アルコール(B)反応率とは、原料のアルコール(B)が反応によりエーテルに転化した反応率を表し、以下の計算式(1)により求めた。
アルコール(B)反応率(%)=(1−A/B)×100 (1)
但し、A:反応後のアルコール(A1)のモル濃度
B:反応前のアルコール(A1)のモル濃度
なお、反応前後のアルコール(A1)のモル濃度算出に際しては、ガスクロマトグラフを用い、内部標準法により以下の条件で測定した。
ガスクロマトグラフ装置: 島津製作所製 GC17−A
使用カラム: DB WAX 0.25mm×30m
<製造例>アンモニウム塩が固定化された固体触媒(A−1)の製造
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート24部、シリカゲル105部、およびキシレン450部を加え、窒素雰囲気下130℃で18時間還流した。減圧留去して溶媒を除いた後、固体を50℃で6時間乾燥し、アンモニウム塩が固定化された固体触媒(A−1)110部を製造した。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾリウムスルホネート24部、シリカゲル105部、およびキシレン450部を加え、窒素雰囲気下130℃で18時間還流した。減圧留去して溶媒を除いた後、固体を50℃で6時間乾燥し、アンモニウム塩が固定化された固体触媒(A−1)110部を製造した。
<実施例>
攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)225部、および固体触媒(A−1)18部を仕込み、反応前の(B)のモル濃度を測定後、100℃で8時間反応させることで、メチルエーテル化反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して(B)の反応後のモル濃度を測定した結果、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)の反応率は98%であった。
攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)225部、および固体触媒(A−1)18部を仕込み、反応前の(B)のモル濃度を測定後、100℃で8時間反応させることで、メチルエーテル化反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して(B)の反応後のモル濃度を測定した結果、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)の反応率は98%であった。
<比較例>
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)144部、およびメチルクロライド60部を仕込み、反応前の(B)のモル濃度を測定後、オートクレーブ内液温を70℃とし、粉末水酸化カリウム79部を2時間かけて加えた後、4時間攪拌した。反応後、25℃まで冷却し、イオン交換水220部を加えて20分間攪拌後、4時間静置して分液した。分液した油層部分を取出して(B)の反応後のモル濃度を測定し、上記の評価を行った結果、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)反応率は98%であった。
分液した水層部分からは、70部の塩化ナトリウムが回収された。
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)144部、およびメチルクロライド60部を仕込み、反応前の(B)のモル濃度を測定後、オートクレーブ内液温を70℃とし、粉末水酸化カリウム79部を2時間かけて加えた後、4時間攪拌した。反応後、25℃まで冷却し、イオン交換水220部を加えて20分間攪拌後、4時間静置して分液した。分液した油層部分を取出して(B)の反応後のモル濃度を測定し、上記の評価を行った結果、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(B)反応率は98%であった。
分液した水層部分からは、70部の塩化ナトリウムが回収された。
従来の方法では、比較例のように多量の水酸化ナトリウムが必要で、かつ多量の塩化ナトリウムが生成するが、本願発明の実施例では、アルカリ金属の中和塩の発生が無くかつ、原料であるアルコールの反応率が高い。
本発明の製造方法により製造されるエーテル化合物は、電子材料の洗浄剤、塗料の溶剤の用途に幅広く用いることができる。特に、ハロゲン化アルキルを使わないので不純物としてハロゲンアニオンが混入しないため、電子材料として悪影響のないハロゲンフリーの電子材料用の工業用原料を供給することができる。
Claims (5)
- 分子内にアルコキシシラン基を有するアンモニウム塩(D)が担体にシラノール結合で固定化された固体触媒(A)の存在下、下記一般式(1)で表される1価アルコール(B)を脱水縮合させることを特徴とするエーテル化合物(C)の製造方法。
R1―(AO)m―OH (1)
[式中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mは0または1〜10の整数を表す。] - 該アンモニウム塩(D)が、下記一般式(2)または一般式(3)で示されるイミダゾリウム塩、イミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩、脂環式4級アンモニウム塩および脂肪族4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機カチオンで構成される塩である請求項1記載のエーテル化合物の製造方法。
- 該酸(E)が、ヘテロポリ酸である請求項2記載のエーテル化合物の製造方法。
- 該固体触媒(A)が、シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物(F)にアンモニウム塩(D)が固定化された固体触媒である請求項1〜3いずれか記載のエーテル化合物の製造方法。
- 該固体触媒(A)が、金属酸化物(F)表面の活性水素とアンモニウム塩(D)のアルコキシシラン基との脱アルコール反応によりアンモニウム塩(D)が固定化された固体触媒である請求項4記載のエーテル化合物の製造方法。
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JP2009275022A (ja) * | 2008-05-19 | 2009-11-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | イミダゾリウム塩およびそれが固定化された粒子状酸化物 |
CN111233636A (zh) * | 2018-11-29 | 2020-06-05 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 一种封端二乙二醇醚类化合物的合成方法 |
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