JP2009242091A - ヤードクレーンの給電装置 - Google Patents

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【課題】給電ケーブルの凸型電極体と凹型電極体との連結と、その開放を容易且つ迅速に行うことができるヤードクレーンを提供する。
【解決手段】ヤードクレーンAの走行方向を案内する案内手段を設けた路面Rの近傍に、給電ケーブル7の先端に形成した凸型電極体1を落とし込んだ際にその凸型電極体1を受け入れる受入部を形成した凹型電極体2を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、港湾などのコンテナヤードにおけるコンテナの荷役を行うヤードクレーンの電源装置に関する。
[コンテナヤードの概要]
大量の物資を安全に輸送するコンテナ輸送においては、例えば、図12,13に示すように、コンテナヤードWに多数のコンテナCが複数のレーンL1〜L8上に積み上げられており、コンテナ船Vの荷役はガントリークレーン200により行われ、このガントリークレーン200と各レーンL1〜L8との間はシャーシtによりコンテナCが搬送され、また、各レーンL1〜L8上の荷役はヤードクレーン100により行われている。
[ヤードクレーンの概要]
前記ヤードクレーン100は、一般的に、ガーダとその両端側から路面側に延長された脚部材とからなる門型の構造物の下部に走行装置を備えており、この走行装置は走行タイヤを90度回転させるステアリング機能を具備している。また、前記走行装置やトロリなどで使用される各種の電動機器や電気機器に電力を供給するエンジン式発電機が搭載されている。更に、前記トロリに操縦席が設けられており、その操縦席の中で運転者が操作して、コンテナCを吊り上げたり、または吊り下げたりできるようになっている。
[荷役作業の繁閑]
このようなコンテナヤードWでは、各レーンL1〜L8における荷役量が異なっていることから、レーン毎に荷役作業の繁閑が生ずるので、荷役量の多いレーン(例えばレーンL1)にヤードクレーンを移動させる「レーン替え」を行い、繁忙なレーンL1へヤードクレーン100を複数台投入することで、コンテナヤードWの荷役効率を向上させている。
そして、前述のように構成されたヤードクレーン100は、そのクレーン100が備えているエンジン式発電機より電力が供給されるようになっているので、電源の供給に拘束されることなくレーン替えが可能であった。
[環境問題]
ところが、近年、ヤードクレーン100に搭載されているエンジン式発電機より排出される排気ガスや騒音などの環境に関する問題についての関心が高まっており、排気ガスや騒音への対策が必要となっている。また、燃料費が高価となることからも、ヤードクレーンの電源を一般電源等の外部電源化することが検討されている。
電源を外部電源化するものとして、地上側に設けた電源装置と、クレーン本体側の給電ケーブルとを連結するもの(例えば、特許文献1参照。)、或いは、レーンに沿って架線した給電トロリ線にクレーン本体側のパンタグラフ形の集電装置を押し付けて受電するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−137493号公報 特開平05−319777号公報
しかしながら、特許文献1記載のヤードクレーンは、地上側の電源装置とクレーン側のケーブルとを手動で接続して給電が行われており、その際、地上数十メートルの高さの操縦席から地上へ降りたり、また操縦席へ上ったりしなければならず、レーン替えの度に運転者には多大な運動が必要となると共に、この連結作業に時間がかかることから荷役作業の遅延の原因となっている。
また、特許文献2記載のヤードクレーンは、各レーンの全長に亘って給電トロリ線を架線しなければならず、そのための設置空間を必要とする上に費用がかかるという問題があった。また、給電トロリ線が切断したり、集電装置で押し付けられて摩耗したりするので、メンテナンスの費用と時間がかかるという問題もあった。
本発明は、前述の課題に鑑み、ヤードクレーンの給電ケーブルと地上側の電源装置との連結操作と連結解除操作とが自動的に行われる給電装置を備えたヤードクレーンを提供することを目的とする。
本発明に係るヤードクレーンにおける給電装置は、次のように構成されている。
1)ガーダ15と、その両端側に脚部材13をそれぞれ設けた門型の構造物12と、前記脚部材13の下端側に車輪14aを備えた走行装置14と、前記ガーダ15に沿って横行するコンテナCの吊具17を備えたトロリ16と、電力を供給するための給電ケーブル7を巻回するリール10と、このリールを回転させる機構10aとを備えたヤードクレーンAにおいて、前記ヤードクレーンAがその上を走行する走行路面Rの近傍に、前記給電ケーブル7の先端に形成した凸型電極体1を自重にて落とし込んだ際にその凸型電極体1を受け入れる凹部2cを形成した電力を供給する凹型電極体2を設けたことを特徴としている。
2)前記凸型電極体1の電極e1と、凹型電極体2の電極e2とをそれぞれ三角形状に配置し、両電極e1,e2同士を対向させた状態で凸型電極体1と凹型電極体2とを連結させるように構成したことを特徴としている。
3)前記凸型電極体1の外周面の一部の横断面が三角形状ないし三点接触の案内部1fを有し、前記凹型電極体2の凹部2cは、凸型電極体1の案内部1fを受け入れる形状を有し、更に、前記凸型電極体1の電極e1と、凹型電極体の電極e2とがそれぞれ三角形状に配置されており、前記凹型電極体2の電源は、三相電源であることを特徴としている。
4)前記凹型電極体2は、雨水などを排出する排水手段2bを備えていることを特徴としている。
1)給電ケーブルの先端側に平断面三角形状の凸型電極体を設け、この凸型電極体を電源装置の挿入口に落とし込むだけで、凸型電極体側の電極と電源装置側の電極とが接触して電力が供給されるので、レーン替えの度に行われている給電ケーブルの抜き差し操作が容易且つ迅速に行われるようになる。そして、ヤードクレーンの運転者が手作業で電源装置と凸型電極体とを接続する作業が不要となり、運転者への負担が大幅に軽減される。
2)電源として三相電源を使用し、更に、凸型電極体の電極と電源装置の電極をそれぞれ三角形状としたことにより、凸型電極体の電極の極性と電源装置の電極の極性とが回転によって対応しない状態で接続しても位相の進み方が同じため問題なくヤードクレーンは運転できる。従って、凸型電極体と電源装置との極性を確認しながら連結操作をしなくてよいので、運転者の手間が省略される。
また、凸型電極体はヤードクレーン側に固定されていないので、凸型電極体と電源装置との連結を解除すると、給電ケーブルの捻れを解消する方向に凸型電極体が回転してその捻れ力を緩和する。
3)凸型電極体のガイド部と電源装置のガイド部とを、互いに対向するように形成したことにより、凸型電極体を電源装置の挿入口に自重で落とし込むだけで、より確実に凸型電極体と電源装置との連結が行われるようになる。
4)更に、凸型電極体の電極と電源装置の電極は、それぞれが三角形状に配置されているので、十分な延面距離を確保することができる。
5)凸型電極体の自重により、凹型電極体の電極との接触圧力が高くなり、確実な電気接続がなされる。
6)排水手段により雨水などが排出されるので、漏電や短絡が防止される。また、雨水などは電極の周囲に形成した排水路に流れるので、電極が浸水しないようになっている。
以下、本発明に係るヤードクレーンの給電装置について図示し説明する。
図1及び図2に示すように、ヤードクレーンAは、ガーダ15と、その両端側に脚部材13をそれぞれ設けた門型の構造物12と、前記脚部材13の下端側に車輪あるいはタイヤ14aを備えた走行装置14と、前記ガーダ15に沿って横行するコンテナの吊具17を備えたトロリ16や、前記走行装置14に電力を供給するための給電ケーブル7を巻回するリール10とを備えている。また、前記トロリ16に運転席Mが設けられている。
また、ヤードクレーンAがレーンに沿って安定的に走行するための磁石などの案内手段が路面Rに埋設されており、その案内手段の近傍に、前記給電ケーブル7の先端形成した凸型電極体1(プラグ)を落とし込んだ際にその凸型電極体1を受け入れる受入部2cが形成された凹型電極体2(ソケット)が設けられている。
更に、前記凸型電極体1は、図4及び図5に示すように下方にガイド傾斜4が形成された三角柱状に形成されており、凹型電極体2は、前記凸型電極体1を受け入れる三角形状の受入部2cが形成され、その受入部2cの上方は拡径するガイド5が設けられている。また、凸型電極体1の電極e1と、凹型電極体2の電極e2は、それぞれ三角形状に配置されており、凸型電極体1と凹型電極体2とを連結した状態で両電極e1,e2が対向するようになっている。
前記凹型電極体2に供給されている電源は、三相三線となっており、3個の電極e2はそれぞれR極、S極、T極となっている。また、前記凸型電極体1の3個の電極e1は、凹型電極体2の電極e2のそれぞれの電極に対応して配置されている。なお、接地極が必要な場合は、三角形の中央に配置することが可能である。
また、凹型電極体2は、図3に示すように、各レーン(L1〜L8)毎に設けられている。なお、2台以上のヤードクレーンで荷役作業が行えるように、2箇所以上に凹型電極体2を設けてもよい。
更に、前記ヤードクレーンAの下部、本実施例においては図2に例示するようにシルビーム18に、リール10から懸垂される給電ケーブル7を、路面R上に設けられたガイド溝20へ案内し、かつ、給電ケーブル7の先端に設けられた凸型電極体1を凹型電極体2の受入部2cへ案内するガイド装置8が設けられている。
前記ガイド装置8は、図11に示すように、路面Rに設けた誘導手段35からの信号に基づいて、凸型電極体1を凹型電極体2の受入部2cへ誘導する位置決め手段8aが設けられている。前記誘導手段35は、電波や磁気、赤外線等を使用することができ、前記位置決め手段8fが備える検出手段31により誘導手段2fを検知し、制御装置30によってガイド装置8の位置を調整するようになっている。なお、前記誘導手段35を凹型電極体2に設けることもできる。
位置決め手段8fとしては、例えば、図11に示すように、位置決め装置8の先端部を自在継ぎ手8dのように首振り自在とし、その先端部を油圧シリンダ8sにより駆動するようにしたものが用いられる。
前記リール10は、給電ケーブル7の巻きだし方向にリール10を回転させる電動機10a(図1参照)を備えており、図4に示すようにそのケーブル7の先端に設けた凸型電極体1を凹型電極体2の受入部2cへ落とし込むようになっている。
更に、前記凹型電極体2の受入部2cは、図4に示すように、雨水などの液体を排出する排水孔2bを備え、また、受入部2cの底面に設けた電極e2の周囲に、雨水などを前記排水孔2bへ流下させる環状の凹条2a(排水路)が形成されている。
(荷役作業)
前述の如く構成されたヤードクレーンAは、図3に示すように、レーンL1〜L8に沿って平行(矢印X,X’方向)に走行するようになっており、各々のレーン内でコンテナCの荷役を行っている。
例えば、レーンL2上でコンテナCを荷役する際には、そのレーンL2に沿ってヤードクレーンAが平行に移動し、コンテナCを積み上げたりシャーシTに搭載させたりする。また、給電ケーブル7は、図9に示すように、ガイド装置8によって路面Rに形成されたケーブルガイド溝20に収容される。また、給電ケーブル7が巻き取られるときには、ガイド装置8が給電ケーブル7をガイド溝20の近傍に位置させた状態とするので、ガイド溝20から給電ケーブル7が浮き上がることが防止されている。よって、給電ケーブル7が走行装置14の車輪14a(タイヤ)に踏みつけられて断線したり、路面R上にはみ出してシャーシTの走行を妨げたりすることがない。
(レーン替え)
レーン替えを行う際には、ヤードクレーンAを凹型電極体2の近傍へ移動し、図示しないステアリング機構により走行装置14の車輪14aを90度水平面内で回動させる。ガイド装置8のセンサ31が路面Rに埋設した誘導手段35の信号を検出し、そのガイド装置8の先端部を凹型電極体2の受入部2cへ移動させる。この位置合わせ操作は、制御装置30によって自動的に行われている。
次いで、リール10を回転させてケーブル7を巻き上げて凸型電極体1を上方へ引き上げ、凹型電極体2との連結を解除する。上に引き上げられた凸型電極体1は、ガイド装置8の先端部(位置決め手段8f)に安定な状態で収容される。
このようにして凸型電極体1と凹型電極体2との連結を解除し、ヤードクレーンAに搭載したバッテリー装置もしくは小型エンジンにより走行装置14の車輪14aの電動機を駆動して目的とするレーン(例えば、L4)へ走行(矢印Y’方向)する。目的とするレーンL4上に移動すると、ガイド装置8がそのレーンL4に設けられている誘導手段35の信号を検出して自動的に凸型電極体1と凹型電極体2との位置合わせが行われ、リール10が巻だし方向に僅かに回転して凸型電極体1を凹型電極体2の受入部2cへ落とし込んで連結が完了する。
上述のようにしてレーン替えを行うことができるようになり、荷役数の多いレーンに複数台のヤードクレーンAを投入して荷役することができるので、コンテナヤードW内での荷役効率が向上する。
本発明により、凹型電極体に凸型電極体を落とし込むだけで連結操作が完了し、凹型電極を引き上げるだけで連結解除操作が完了するので、それらの操作を容易かつ迅速に行うことができる。また、凸型電極体と凹型電極体との連結とその解除は自動的に行われるので、運転者が手作業で作業することから解放され、運転者にかかる負担を大幅に軽減することができる。
また、ガイド装置により、凸型電極体が凹型電極体の受入部へ向けて確実に落とし込まれるようになるので、運転者が位置合わせをする手間が省略されると共に、凸型電極体と凹型電極体との連結が確実なものとなり信頼性が向上する。
手作業で凸型電極体と凹型電極体とを連結したり取り外したりという手作業が不要となるので、凹型電極体に供給されている高電圧により感電することが防止される。
また、凸型電極体の自重により、その凸型電極体の電極と凹型電極体の電極との接触圧を高くすることができるので、確実な通電がなされる。
更に、電源を三相電源とすると共に、三相三線のそれぞれの電極を三角形状に配置したので、3個の電極を直線状に配置した従来の凸型電極体よりもコンパクトとなる上に、電極間の十分な延面距離が確保され、ショートなどが防止され安全性が向上する。なお、接地極が必要な場合は、三角形の中央に配置することが可能である。
更に、凸型電極体の平断面形状と凹型電極体の凹部の形状とを三角形状とし、両電極体を滑らせて案内するガイドを設けたので、確実に位置決めされて連結されるようになる。また、凸型電極体と凹型電極体の電極を三角形状に配置して対向させて設けたので、常に両電極が対向接触して電力が供給されるようになる。
なお、本実施例においては、給電ケーブルのガイド装置をシルビームの中央に設置したものについて説明したが、これに限定されるものではない。また、ガイド装置を走行装置に並設するようにすることもできる。
また、凸型電極体に、凹型電極体を覆うカバー体を設け、凸型電極体と凹型電極体を連結した状態で雨水やゴミなどが内部に入り込まないようにすることもできる。
また、位置決め装置は、凹部を検知し、凸型電極体をその凹部に向けるように構成されていればよいので、本実施例にて説明したシリンダ装置に限定されるものではない。
更に、凸型電極体は、図7に示すように、下部にガイド4と、側面の一部に位置決め手段1fを形成したり、図8に示すように側面に三角形状のガイド4と位置決め手段1fを一体的としたものを使用することもできる。
本発明に係るヤードクレーンの概略図(正面図)である。 図1の側面図である。 本発明に係るヤードクレーンを使用したコンテナヤードの概略図(平面図)である。 凸型電極体と凹型電極体との連結操作を説明する図である。 凸型電極体の斜視図である。 図5の底面図である。 凸型電極体の他の実施態様を示す斜視図である。 凸型電極体の更に他の実施態様を示す斜視図である。 本発明に係るヤードクレーンの下部に設けたガイド装置の概略図である。 凸型電極体を案内するガイド装置の先端部(位置決め手段)と凹型電極体とを示す図である。 ガイド装置の先端部(位置決め手段)の位置合わせ状態を示す図である。 従来のコンテナヤードの概略図(斜視図)である。 従来のコンテナヤードの概略図(平面図)である。
符号の説明
A ヤードクレーン
1 凸型電極体(プラグ)
2 凹型電極体(ソケット)
2b 排水孔
2c 受入部
7 給電ケーブル
8 ガイド装置
8d 自在ジョイント
8f 位置決め手段
10 ケーブルリール
13 脚部材
14 走行装置
14a 車輪(タイヤ)
18 シルビーム
20 ガイド溝
e1,e2 電極

Claims (4)

  1. ガーダと、その両端側に脚部材をそれぞれ設けた門型の構造物と、脚部材の下端側に車輪を備えた走行装置と、前記ガーダに沿って横行するコンテナの吊具を備えたトロリと、電力を供給するための給電ケーブルを巻回するリールと、このリールを回転させる機構とを備えたヤードクレーンにおいて、
    前記ヤードクレーンがその上を走行する走行路面の近傍に、前記給電ケーブルの先端に形成した凸型電極体を自重にて落とし込んだ際にその凸型電極体を受け入れる凹部を形成した電力を供給する凹型電極体を設けたことを特徴とするヤードクレーンにおける給電装置。
  2. 前記凸型電極体の電極と、凹型電極体の電極とをそれぞれ三角形状に配置し、両電極同士を対向させた状態で凸型電極体と凹型電極体とを連結させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のヤードクレーンにおける給電装置。
  3. 前記凸型電極体の外周面の一部の横断面が三角形状ないし三点接触の案内部を有し、前記凹型電極体の凹部は、凸型電極体の案内部を受け入れる形状を有し、更に、前記凸型電極体の電極と、凹型電極体の電極とがそれぞれ三角形状に配置されており、
    前記凹型電極体の電源は、三相電源であることを特徴とする請求項1記載のヤードクレーンにおける給電装置。
  4. 前記凹型電極体は、雨水などを排出する排水手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のヤードクレーンにおける給電装置。
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