JP2009241555A - 保護層転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルムと熱転写性樹脂層とを有し、被転写体上に印画された画像上に上記熱転写性樹脂層を熱転写により転写する保護層転写シートであって、上記熱転写性樹脂層は、反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体を含有することを特徴とする保護層転写シート。
【選択図】図1
Description
これに対して、例えば、特許文献2には、熱転写受像シートの染料受容層樹脂中に反応性紫外線吸収剤を反応結合させることが開示されている。
しかしながら、昇華転写方式により熱で移行して画像を形成する染料は、受容層樹脂の比較的表面近傍に存在するため、受容層樹脂全体に紫外線吸収能を付与することは効果的でない。また、紫外線吸収剤の量を増加させると受容層樹脂本来の性能を損ない、画像のにじみ等、他の性能を損なうという問題があった。
上記反応性官能基を有するトリアジン系化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
また、本発明は、少なくとも染料で着色された画像を有する印画面の少なくとも一部に、本発明の保護層転写シートの熱転写性樹脂層が積層されていることを特徴とする印画物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に示す本発明の保護層転写シート10は、基材フィルム11の一方の面に、熱転写性樹脂層12を単一層として設けられた構成を有する。
図2に示す本発明の保護層転写シート20は、基材シート21の一方の面に熱転写性樹脂層22が設けられており、この熱転写性樹脂層22は、基材シート21側から順に、透明性樹脂層23、熱接着性樹脂層24の2層に分けて積層された構成を有する。このような構成の本発明の保護層転写シート20において、後述する反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体は、透明性樹脂層23及び/又は熱接着性樹脂層24に含有されている。
図3に示す本発明の保護層転写シート30は、基材フィルム31の一方の面に熱転写性樹脂層32が設けられており、この熱転写性樹脂層32は、基材フィルム31側から順に、透明性樹脂層33、紫外線遮断層35、熱接着性樹脂層34の3層に分けて積層された構成を有する。このような構成の本発明の保護層転写シート30において、後述する反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体は、通常、紫外線遮断層35に含有されているが、透明性樹脂層33及び/又は熱接着性樹脂層34にも含まれていてもよい。
図4に示す本発明の保護層転写シート40は、基材フィルム41の一方の面に、離型層46を有し、この離型層46の上に熱転写性樹脂層42が設けられており、この熱転写性樹脂層42は、離型層46側から順に、透明性樹脂層43、紫外線遮断層45、熱接着性樹脂層44を積層された構成を有する。更に、基材フィルム41のもう一方の面には耐熱性、スリップ性を付与する背面層47が設けられている。このような構成の本発明の保護層転写シート40において、後述する反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体は、通常、紫外線遮断層45に含有されているが、透明性樹脂層43及び/又は熱接着性樹脂層44にも含まれていてもよい。
背面層47は、プリンターのサーマルヘッドで熱転写する際、粘着を防止する作用を有しており、図1〜3の構成の場合、図示はしていないが、必要に応じて設けることができ、また、基材フィルムの耐熱性やスリップ性が良好である場合には不要である。また、離型層46は、基材フィルム41と透明性樹脂層43の間の剥離性が適当でない場合に、透明性樹脂層43と基材フィルム41との接着性を低下させ、透明性樹脂層43の剥離を容易にするために設けるもので、この層も図1〜3の構成の場合、図示していないが、必要に応じて設けることができる。勿論、基材フィルム41と透明性樹脂層43との剥離性が良好な場合には、離型層46は不要である。なお、離型層46を設ける場合は、透明性樹脂層43を含む熱転写性樹脂層42は、転写により離型層46から剥離され、離型層46自体は基材フィルム41側に残るように構成する。
以下に、本発明の保護層転写シート及びこれを転写して得られる印画物の構成材料と製造方法について説明する。
本発明の保護層転写シートは、基材フィルムを有する。
上記基材フィルムとしては特に限定されず、保護層転写シートに使用されている従来公知の基材フィルムと同様のものを用いることができる。
好ましい基材フィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン若しくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸又は未延伸フィルム等が挙げられる。
また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。
本発明の保護層転写シートは、熱転写性樹脂層を有する。
上記熱転写性樹脂層は、上記基材フィルム上に形成されており、後述するように熱転写により被転写体上に印画された画像上に転写される層である。
本発明の保護層転写シートにおいて、上記熱転写性樹脂層は、反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体を含有する。
本発明の保護層転写シートは、このような反応性官能基を有するトリアジン系化合物(以下、反応性紫外線吸収剤ともいう)を反応結合させた共重合体を熱転写性樹脂層に含有するため、熱転写画像の耐光性を長期間維持できるという性能に優れるという効果を有する。これは、上記紫外線吸収性能を有するトリアジン化合物が、後述する樹脂成分と反応結合された共重合体として熱転写性樹脂層中に含有されているため、上記反応官能基を有するトリアジン系化合物の熱による気化・発散や分解等が少なく、紫外線吸収効果を長期に渡って維持できるからであると考えられる。特に、昇華転写によるような染料画像を有する印画物の印画面に、本発明の保護層転写シートの熱転写性樹脂層を転写、積層した場合には、耐摩擦性、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐保存性等とともに特に耐光性が向上する。
ここで、これまで熱転写受像シートとして、染料受容層中にベンゾフェノンやベンゾトリアゾールを共重合した樹脂を含有させたものが知られている。図7にこのようなベンゾフェノンを共重合した樹脂の吸光度、ベンゾトリアゾールを共重合した樹脂の吸光度、及び、本発明における上記反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体の吸光度のグラフを示す。なお、図7中、ベンゾフェノンを共重合した樹脂の吸光度を単に「ベンゾフェノン」と表記し、ベンゾトリアゾールを共重合した樹脂の吸光度を単に「ベンゾトリアゾール」と表記し、上記反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体を「トリアジン」と表記した。
図7に示したように、本発明における反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体は、従来のベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールを共重合した樹脂と比較して吸光度に格段の差があり、このことからも、本発明の保護層転写シートによる耐光性の向上させることが分かる。
このような反応性官能基を有するトリアジン系化合物としては、なかでも、下記一般式(1)で表されるトリアジン系化合物が好適に用いられる。このような反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合した共重合体を熱転写性樹脂層中に含有することで、本発明の保護層転写シートは、特にイエローとマゼンタ色の耐光性が長期にわたって優れたものとなる。このため、本発明の保護層転写シートによると、耐光性に劣るイエロー及びマゼンタ染料であっても熱転写シートの色材として選択的に使用することができ、熱転写方式のプリンターの高速化に充分に対応することができるとともに、得られる画像の耐光性に優れたものとなる。
この場合の反応性紫外線吸収剤としては、上記一般式(1)の如き構造を有する反応性紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
また、上記反応性紫外線吸収剤が反応性官能基として、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を有する場合には、上記反応性官能基と反応性のある官能基を有する熱可塑性樹脂を使用し、必要に応じて触媒を用いて、熱等によって反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に反応固定することもできる。
上記反応性紫外線吸収剤と共重合させるモノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セリルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールペンタ(メタ)アクリレート、ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレート等の二官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
また、上記反応性紫外線吸収剤を反応結合させた共重合体の分子量は、質量平均分子量で5000〜25万程度が好ましい。分子量が5000未満であると、塗膜が弱く、熱転写性樹脂層としての耐久性が充分得られないことがある。一方、25万を超えると、熱転写性樹脂層をサーマルヘッド等で転写した場合に膜切れ等が悪くなり好ましくない。より好ましい下限は9000、より好ましい上限は3万程度である。
なお、上記質量平均分子量は、GPC法によるポリスチレン換算により測定された値である。
このような紫外線吸収剤としては特に限定されないが、具体的には、例えば、特開2003−54142号公報に記載された不飽和二重結合を有する紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記基材フィルム又は離型層の上に設ける透明性樹脂層、すなわち、熱転写性樹脂層の基材フィルム側の層は、耐摩擦性、透明性、硬さなどに優れた樹脂を用いることが好ましい。
具体的には、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂及びこれらの樹脂のシリコーン変性樹脂、そして、これらの樹脂の混合物のほか、前述の如き重合性モノマー、オリゴマー、反応性重合体等の少なくとも一種を電離放射線照射により架橋、硬化した樹脂等を用いることができる。
また、前述の樹脂には、可撓性及び接着性を向上させるために、相溶性のよい熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。
上記透明性樹脂層の厚さは、乾燥時の皮膜で0.1〜50μm程度であることが好ましく、より好ましい下限1μm、より好ましい上限は10μm程度である。
本発明において反応性紫外線吸収剤を反応結合した樹脂は、上記熱転写性樹脂層を多層で構成する場合には、透明性樹脂層及び/又は熱接着性樹脂層に含有させてもよいが、紫外線遮断層として別に設けてもよい。この場合、透明性樹脂層と熱接着性樹脂層の間に設けるか、基材フィルム又は離型層と透明性樹脂層の間に設けるかは限定しないが、通常、透明性樹脂層と熱接着性樹脂層の間に設けることが好ましい。
上記紫外線遮断層の形成方法は、上記透明性樹脂層の形成方法と同じ方法でよく、その厚さとしては、例えば、0.1〜5μm程度が好ましい。
上記熱接着性樹脂層は、上記の各層を接着性よく印画面に転写するために、上記熱転写性樹脂層の最上層に設けされる。この熱接着性樹脂層には、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等のような熱時接着性の良好な樹脂を用いることができる。
これらの樹脂の1種又は2種以上を溶液、或いはエマルジョン等塗布可能な形にしたものを、上記透明性樹脂層で挙げた塗布方法の中から適した方法をそれぞれ選択して、塗布、乾燥することにより形成できる。
上記熱接着性樹脂層の厚さとしては、例えば、0.1〜5μm程度の範囲が好ましい。
本発明の保護層転写フィルムにおいて、上記基材フィルムの熱転写性樹脂層を設けた反対側の面には、必要に応じてプリンターで熱転写する際、サーマルヘッドや転写用熱板等との粘着を防止し、かつ、滑り性を良くする目的で背面層(耐熱性スリップ層)を設けることができる(図4参照)。上記背面層の材質としては、例えば、ブチラール樹脂等をイソシアネート化合物で硬化した樹脂、シリコーン樹脂等従来公知のものがそのまま使用できる。
上記背面層の厚さとしては、例えば、0.1〜5μm程度が好ましい。
また、上記背面層は、必要に応じてプライマー層を介して設けされていてもよい。
また、上記熱転写性樹脂層は、基材フィルム上に単独で設けて熱転写性樹脂層のみの転写フィルムとしてもよいが、本発明の保護層転写シートは、更に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び/若しくはブラック(Bk)等の各色の染料層、又は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び/若しくはブラック(Bk)の各色の熱溶融性インキ層が、上記基材フィルム上に面順次に形成された構造であってもよい。
上記染料層は、公知の方法で適当な昇華性染料と適当なバインダー樹脂とから構成され、上記熱溶融性インキ層は、公知の方法で適当な顔料と適当なワックス等の熱溶融性物質とから形成される。
(2)Ye染料層、Mg染料層、Cy染料層、Bk染料層、熱転写性樹脂層
(3)Ye染料層、Mg染料層、Cy染料層、Bk溶融インキ層、熱転写性樹脂層
(4)Bk染料層、熱転写性樹脂層
(5)Bk溶融インキ層、熱転写性樹脂層
また、上記のようなインキ層と熱転写性樹脂層とが基材フィルム上に面順次に形成された構造の保護層転写シートにおいては、熱転写性樹脂層等を構成する各層は、透明な樹脂層であり、これらを所定のパターンで位置を合わせて刷り重ねる必要があるため、これらの各層には蛍光増白剤等の添加剤を加えておき、紫外線照射等により、目視、或いは機械検知による位置合わせを容易にすることができる。
また、上記の熱転写インキ層に関して、使用するインキの材質及び基材フィルム面に設ける方法等については、従来公知の熱転写(インキ)フィルムに用いたインキや方法をそのまま使用することができる。
すなわち、本発明の印画物は、少なくとも染料で着色された画像を有する印画面の少なくとも一部に、上述した本発明の保護層転写シートの熱転写性樹脂層が積層されている。
なお、上記カード基材には、予めその面に必要な磁気記録層やエンボス模様、他の印刷模様、光メモリー、ICメモリー、バーコード等を形成しておいてもよいし、また、昇華転写方式等により顔写真等の情報を形成後にこれらの磁気記録層等を設けてもよい。上記カード基材上に設けられる顔写真は、昇華型の熱転写シートを用いて常法に従って形成することができる。また、同時に昇華型の熱転写シートで文字、バーコード等の情報も形成できるが、これらの情報は、高濃度の黒色印字が可能な熱溶融インキ型の熱転写シートを用いて形成することが好ましい。
上記染料受容性のある樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、各種ポリアクリレート等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレンまたはその共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、そして、アイオノマー、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの樹脂層中に、熱転写シートとの融着を防止するためにシリコーンオイル等の離型剤を添加してもよい。
代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、或いは、セルロース繊維紙とプラスチックフィルム若しくはシートとの積層体が挙げられる。
イエロー、マゼンタ、シアンの3色の昇華性染料によるインキ層を持つ昇華型熱転写フィルムとして、アルテックADS社製MegaPixel III用の専用熱転写シートを使用した。
熱転写受像シートとして、アルテックADS社製MegaPixel III用の専用熱転写受像シートを使用した。
厚さ5μmのPETフィルム(商品名ルミラー 東レ社製)を基材フィルムとし、その一方の面に背面層としてシリコーン樹脂による耐熱性スリップ層を乾燥時の厚さが1μmになるようにグラビアコート方式で形成し、もう一方の面に下記の組成の透明性樹脂層用塗布液をグラビアコート方式で乾燥時の塗布量が3g/m2となるように塗布、乾燥して透明性樹脂層を形成した。
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、三菱レイヨン社製) 20部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 80部
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂(2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン30モル%とメチルメタクリレート70モル%の共重合体) 20部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 80部
熱接着性樹脂層用塗布液の組成を以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
(熱接着性樹脂層用塗布液の組成)
ポリエステル樹脂(バイロン700 東洋紡社製) 20部
紫外線吸収剤(チヌビン900 チバ・ジャパン社製) 3部
トリアジン系反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂(2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン30モル%とメチルメタクリレート70モル%の共重合体) 7部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 70部
熱接着性樹脂層用塗布液の組成を以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
(熱接着性樹脂層用塗布液の組成)
ベンゾトリアゾール系反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂(PUVA−30M 大塚化学社製) 20部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 80部
実施例及び比較例で作製した保護層転写シートを用いて、以下の評価を行った。
まず、先に作製した昇華型熱転写フィルムの染料塗布面に、先に作製した熱転写受像シートに重ね、画像を色分解して得られた電気信号をプリンター(アルテックADS社製、MegaPixel III用)のサーマルヘッドを通して熱エネルギーを付与し、階調画像を形成した。
色度差Δa*b*
={(照射後のa値−照射前のa値)2+(照射後のb値−照射前のb値)2}1/2
その結果、実施例に係る保護層転写シートを転写した試料は、比較例に係る保護層転写シートを転写試料に比べてイエロー及びマゼンタの色相変化が少なかったことが確認された。なお、図5に実施例1、2及び比較例1のイエローの色相変化を示し、図6に実施例1、2及び比較例1のマゼンタの色相変化を示した。また、表1に、実施例1、2及び比較例1に係る試料の光学濃度1.0付近におけるΔa*b*の値を示した。
11、21、31、41 基材フィルム
12、22、32、42 熱転写性樹脂層
23、33、43 透明性樹脂層
24、34、44 熱接着性樹脂層
35、45 紫外線遮断層
46 離型層
47 背面層
Claims (4)
- 基材フィルムと熱転写性樹脂層とを有し、被転写体上に印画された画像上に前記熱転写性樹脂層を熱転写により転写する保護層転写シートであって、
前記熱転写性樹脂層は、反応性官能基を有するトリアジン系化合物を反応結合させた共重合体を含有することを特徴とする保護層転写シート。 - 更に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び/若しくはブラック(Bk)の各色の染料層、又は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び/若しくはブラック(Bk)の各色の熱溶融性インキ層が、基材フィルム上に面順次に形成されている請求項1又は2記載の保護層転写シート。
- 少なくとも染料で着色された画像を有する印画面の少なくとも一部に、請求項1、2又は3記載の保護層転写シートの熱転写性樹脂層が積層されていることを特徴とする印画物。
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