JP2009241358A - ニードルシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高アスペクト比構造体が形成されたニードルシートを型(モールド)から適切に剥離することができる簡素なニードルシートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】針状凹部12を有するスタンパ10上に原料溶液が供給され、針状凹部12の反転形状のニードル部24を有するマイクロニードルシート22が原料溶液から形成されるようにスタンパ10上の原料溶液が固化され、マイクロニードルシート22がスタンパ10から剥離される。スタンパ10からマイクロニードルシート22を剥離する際に、スタンパ10上のマイクロニードルシート22が所定範囲内の曲率を有するように、スタンパ10が歪ませられる。これにより、マイクロニードルシート22の剥離を効果的に促進することができ、剥離時のマイクロニードルシート22の損傷を防ぐことができる。
【選択図】図4

Description

本発明はシート上に凸部が形成されるニードルシートの製造方法に係り、例えば径に対する高さの割合が大きい高アスペクト比構造の凸部であって微細な先端を有する凸部を有するニードルシートの製造方法に関する。
近年、高機能微細形状を有する高アスペクト比構造体をアレイ状に規則的に配置したマイクロニードルシートなどの機能性シートが、様々な分野で利用されている。例えば医療分野では、薬剤が付与されたマイクロニードルを有する経皮吸収シートを用いて、患部に対して薬剤を高効率に投与することが行われている。
このような機能性シートは、膜特性に応じて様々な方法で製造可能である。例えば特許文献1及び2は、鋳型を用いた射出成形によりニードル構造を形成する方法を開示する。また特許文献3は、溶解材料にピンを接触させて、当該ピンを溶解材料から離隔することで皮膚用針を成形する方法を開示する。
特許文献1及び2が開示する射出成形を利用する方法では、鋳型に形成されたアレイ状凹部のうち微細形状を有する先端部まで、原材料を適切に注入することが難しいため、生産性に劣る。また、特許文献3が開示する材料の延伸を利用する方法では、均一な形状を有するニードルを高精度に量産することが難しく、必ずしも量産化に適していない。また、延伸後に素早く固化する材料が求められるため、材料の選択の自由度が小さい。
また型(モールド)を利用する方法では、高アスペクト比微細周期構造体が形成されたシートを型から剥離する際にシート損傷が生じやすく、シートを安定的に量産することが難しい。また、溶融樹脂などの原材料が付与される面の凹凸のために、型とシートとの間に大きな密着力が働いて剥離不良を招きやすい。さらに、生産性の観点からは大面積の型(スタンパ等)によってシートを成形する方法が効果的だが、型からシートを剥離する際に必要な力は型の面積に比例して増大するため、型の大面積化に伴って剥離時にシート損傷が生じやすくなる。
このような事情を背景に、シートの剥離を改善する種々の方法が提案されている。
例えば特許文献4は、金型と被転写体との接触工程における雰囲気の圧力P1を、金型と被転写体との離型工程における雰囲気の圧力P2よりも大きく設定する(P2<P1)方法を開示する。この方法によれば、離型工程において、雰囲気の圧力がP2を示す一方で、転写形状体と金型との間の微小空間の圧力がP1と同等若しくは近い値を示すため、この圧力差により離型が促進される。また特許文献5は、放電照射処理によって、樹脂に対する金型の付着性を改善する方法を開示する。また特許文献6は、熱可塑性プラスチック材を成形金型開き方向に自収縮させることにより残留応力の小さいプラスチック成型品を製造する方法を開示する。
特開2003−238347号公報 特開2006−51361号公報 特開2006−345983号公報 特開2006−137019号公報 特開2007−283714号公報 特開2006−95901号公報
シートを型から適切に剥離するための上記のような方法が提案されているが、いずれも根本的な解決方法を提供するものではない。
例えば特許文献4に開示される方法では、雰囲気全体の圧力を変化させる必要があるため、必ずしも製造効率に優れているとはいえない。また、被転写体全体に対して均一な剥離力を付与することが難しいため、不均一な剥離力によって被転写体が損傷する可能性がある。
また特許文献5に開示される方法では、付着性を高めた金型部分と樹脂成形体との剥離を適切にコントロールすることが難しい。また放電照射処理等の工程が増えるため、高コスト化する。
また特許文献6に開示される方法では、熱可塑性プラスチック材の収縮性に依存するため、安定成形に対する懸念がある。また金型凹部の先端が非常に微細な形状を有する場合には、当該先端部に熱可塑性プラスチック材を適切に充填することが難しいだけではなく、微細形状の先端部に充填された熱可塑性プラスチック材の自収縮の程度にバラツキを生じる可能性がある。
このように、微細形状の高アスペクト比構造体が形成されたシートを、簡単かつ低コストに、型から剥離するための更なる手法が望まれている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、高アスペクト比構造体が形成されたニードルシートを型(モールド)から適切に剥離することができる簡素なニードルシートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、凹部を有するモールド上に原料溶液を供給する溶液供給工程と、前記凹部の反転形状の凸部を有するニードルシートが前記原料溶液から形成されるように、前記モールド上の前記原料溶液を固化する固化工程と、前記ニードルシートを前記モールドから剥離する剥離工程とを含み、前記剥離工程において、前記モールド上の前記ニードルシートが所定範囲内の曲率を有するように、前記モールドを歪ませることを特徴とするニードルシートの製造方法に関する。
本態様によれば、ニードルシートをモールドから剥離する際に、ニードルシートが所定範囲内の曲率を有するようにモールドが歪ませられるので、ニードルシートに働くモーメント力によってニードルシートの剥離を促進することができる。
なお、ここでいう「凹部」及び「凸部」とは、特に幅方向長さに対して長手方向長さが比較的大きな高アスペクト比凹部及び高アスペクト比凸部を含むものである。また「凹部」及び「凸部」の端部形状は特に限定されず、先細の針状端部や柱状端部等、様々な形状の端部にすることが可能である。
前記剥離工程において、前記モールドから離れる第1の方向へ第1剥離力を前記モールド上の前記ニードルシートに対して付与するとともに、前記第1の方向とは逆の第2の方向へ第2剥離力を前記モールドの両端部に対して付与してもよい。
この場合、ニードルシートが所定範囲内の曲率を有するようにモールドを効果的に歪ませることができ、ニードルシートを剥離し易くなる。
前記剥離工程において、前記ニードルシートを前記モールドから面剥離することが好ましい。
この場合、ニードルシートの凸部に対して過大な応力が不適切な方向へ作用してしまうことを効果的に防ぐことができ、ニードルシートを精度良く製造することができる。なお、ここでいう「面剥離」とは、剥離する際に最終的に接触している端部が線単位ではなく面単位でのシートの剥離を意味するものであり、面単位の剥離力によってニードルシートを剥離する態様を指す。
前記剥離工程において、前記第2剥離力が付与される前記モールドの両端部の間における前記ニードルシートの長さLsと、前記モールドのうち前記ニードルシートが載置される部分の前記第1の方向への歪み高さLmとが、0.015≦Lm/Ls≦0.12を満たすように、前記モールドを歪ませることが好ましい。
この場合、ニードルシートに適度な剥離力を作用させることができ、ニードルの損傷を防いだ状態で、ニードルシートをモールドからスムーズに剥離することができる。
前記第1剥離力は、吸着パッドにより前記ニードルシートに対して付与され、前記吸着パッドは、100MPa以下のヤング率を有することが好ましい。
このように柔軟性に富んだ吸着パッドを用いることによって、ニードルシートの表面に微細な凹凸が形成されている場合であっても、ニードルシートに対して吸着パッドを適切に吸着させることができる。これにより、過大な剥離力を作用させることなく、ニードルシートを効率的に剥離することができる。
前記モールドは、前記凹部が形成される基部と、前記基部よりも大きなヤング率を有する剛性部とを含み、前記基部は100MPa以下のヤング率を有し、前記剛性部は1Gpa以上のヤング率を有することが好ましい。
この場合、凹部におけるニードルシートの成形特性を基部により調整するとともに、モールドの剛性を剛性部によって調整することができ、ニードルシートの特性に応じた成形性能及び剥離性能を有するモールドを実現することが可能である。
前記モールドは、シリコーン樹脂を含んでいてもよい。
この場合、ニードルシートとの離型性に富んだモールドを実現することができる。
前記モールドは、前記凹部が形成される基底部と、前記基底部とは別体に設けられる枠体であって前記基底部上において前記凹部を囲む枠体とを含み、前記原料溶液は、前記基底部と前記枠体とによって区画される領域に供給されることが好ましい。
この場合、別体の基底部及び枠体によってモールドが構成されるので、剥離工程では、枠体のみを基底部から取り除くことも可能である。このように、ニードルシートの剥離に先立って枠体のみを取り除くことにより、ニードルシートの剥離力を効果的に低減することができる。
前記剥離工程において、前記モールドに振動を付与することが好ましい。
この振動によってニードルシートの剥離が促進され、外部からニードルシートに対して加える剥離力を低減することができる。
本発明によれば、剥離時にニードルシートが所定範囲の曲率を有するようにモールドが歪ませられ、この歪みに基づく力がニードルシートに対して剥離を助長する方向へ働くので、ニードルシートに対して外部から加える必要がある剥離力を低減することができる。このように、モールドを歪ませるという簡単かつ低コストな方法によって、損傷を防ぎながらニードルシートを適切に剥離することができる。
添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。以下では、医療分野において皮膚を介し薬剤を投入するのに使用されるマイクロニードルシートを例として説明するが、針等の高アスペクト比構造体を有する他の機能性シートに対しても本願発明を適用することが可能である。
図1は、マイクロニードルシート22の一例を示す断面図である。このマイクロニードルシート22は、ほぼ均一な膜厚を有するシート部26と、当該シート部26と一体的な構造を有する多数のニードル部24(高アスペクト比凸部)とを有する。
ニードル部24は、円錐や角錐などの錐形状を有し、シート部26から突出するようにして設けられており、シート部26からの高さH及び基底部の幅(径)Dの比によって表されるアスペクト比A(A=H/D)が非常に大きい。
皮膚表面から所望深さ(例えば数100μmの深さ)までニードル部24を刺し入れて薬剤の浸透性を高めるためには、先端が尖っており、径が充分に小さく、強度が大きな曲がり難いニードル部24が望ましい。その一方で、細過ぎるニードル部24を用いた場合には、ニードル部24の先端や根元で折れ曲がってしまうことがあり、太過ぎるニードル部24を用いた場合には、ニードル部24を所望の深さまで皮膚に刺し入れることが難しい。そのため、ニードル部24の先端を充分に尖らせる一方で、シート部26との接合部であるニードル部24の基底部の径を大きくすることにより、ニードル部24を折れ難くすることができる。
このような事情から、ニードル部24の基底部の幅(径)Dは、例えば、0.1μm以上1000μm以下(とりわけ200μm以下)であることが好ましく、10μm以上400μm以下であることがより好ましい。特にニードル部24が円錐形状を有する場合には、基底部の直径が0.1μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。
またニードル部24の高さHは、0.3μm以上3000μm以下であることが好ましく、30μm以上1200μm以下であることがより好ましい。さらに、刺さり易さの指標となる穿刺力を左右するニードル部24の先端部の曲率半径Rは、200μm以下であることが好ましく、10μm以下であることより好ましい。
そしてニードル部24のアスペクト比A(A=H/D)は、1以上であることが好ましく、2.5であることがより好ましい。
またシート部26は、患者皮膚の形状に合わせて変形可能な柔軟性を確保する観点からは薄いほうが好ましく、具体的には200μm以下の膜厚tであることが好ましく、100μm以下の膜厚tであることがより好ましい。
なお、上述のような微細形状を有するニードル部24は「マイクロニードル」と称されることもあり、シート上に配列された複数のニードル部24は「マイクロニードルアレイ」と称されることがある。
次に、マイクロニードルシート22の製造方法について説明する。
図2は、マイクロニードルシート22の製造方法の一例を示す図である。本実施形態では、スタンパ10を用いたキャスト成形によってマイクロニードルシート22が製造される。
まず図2(a)に示すように、複数の針状凹部(高アスペクト比凹部)12を有する剥離性に優れたスタンパ10(基底部)を準備し、スタンパ10上において針状凹部12を取り囲むように枠体18を載置する。このスタンパ10の針状凹部12は、数μm〜数100μmの径を有する窪んだ領域であり、平坦部16から最深部14に向かって徐々に幅が狭くなる。枠体18は、スタンパ10とは別体のゴム素材などの取り外し可能弾性部材によって構成されており、スタンパ10との密着性に優れる。このように本実施形態では、スタンパ10がモールド(型)の底部を構成し、枠体18がモールドの側部(端部)を構成する(以下、スタンパ10及び枠体18を集合的に「シート成形モールド」とも称する)。
なお、スタンパ10は任意の方法で製造可能である。例えば、多数の円錐、角錐、角柱などの凸形状アレイを有する型(金型)から、当該凸型アレイの反転形状を持つ針状凹部12を有するスタンパ10を製造することができる。この凸形状アレイを有する型は、例えば、金属(Ni、Cu、Cr、Mo、W、Ir、Tr、Fe、Co、MgO、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、α−酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム、ステンレス(スタバックス材)、或いはこれらの合金等)や超硬材料の原版を、ダイヤモンドバイトや研削加工用砥石によって切削・研削加工することで製作可能である。また、シリコン(Si)、二酸化珪素(SiO)、或いは感光性樹脂などを用いた半導体微細加工技術に基づく三次元立体加工によって、凸形状アレイを有する型を製作する方法もある。また、当該型からスタンパ10を製造する方法として、例えば所定の樹脂を型上に塗布した後に固化する方法や、型に基づく電鋳を利用する方法が挙げられる。スタンパ10の製造に用いられる樹脂は用途に応じて適宜選定可能であり、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(例えばシルガード184(東レ・ダウコーニング株式会社製)や1310ST(藤倉応用化工株式会社製)などのシリコーン樹脂)、UV硬化樹脂、プラスチック樹脂(例えばポリスチレンやPMMA(ポリメチルメタクリレート))をスタンパ10の製造に使用することが可能である。
また、気体透過性の高い材料によってスタンパ10が構成されている場合には、針状凹部12内に残存する空気を、スタンパ10を介して、外部に排出することができるため好ましい。また、弾性に優れ撥水性の高い素材に代表される剥離性に優れた材料によってスタンパ10の表面が構成されている場合には、スタンパ10に対して特別な表面処理を施さなくてもマイクロニードルシート22をスタンパ10から適切に剥離することが可能である。特にシリコーンゴム系の素材は、繰り返し加圧される転写に対して耐久性が高く、他のポリマーに対する剥離性も比較的良好であるため、スタンパ10の材料として好ましい。
このようなスタンパ10及び枠体18を準備する一方で、マイクロニードルシート22の素材となる原料液の調製が行われる。この原料液の調製は任意の方法で行われ、例えば粉体の原料ポリマー(高分子材料)を溶媒に溶かすことで作られるポリマー溶解液を原料液として用いたり、熱溶融した液状の原材料を原料液として用いたりすることができる。また、薬剤投与用のマイクロニードルシート22を製造する場合には、調製した原料液に所望の薬剤を添加してもよい。
原料液の構成成分は、その用途に合わせて適宜選定され、例えば医療用マイクロニードルシートを製造する場合には生体適合性の高い樹脂等を原料液の構成成分として使用することが好ましい。また原料液としてポリマー溶解液を用いる場合には、原料ポリマーとして、たんぱく質や糖類に代表される水溶性ポリマー(例えばゼラチン、アガロース、ペクチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸、デンプン、セルロース、トリアセチルセルロース、デキストリンなど)、アクリルやポリスチレン等の樹脂ポリマーなど、用途に応じたポリマーを適宜使用することができる。またポリマー溶解液の溶媒は原料ポリマーとの相性等に基づいて適宜選定され、例えば水やメチルエチルケトン(MEK)を溶媒として使用することが可能である。
次に、図2(b)に示すように、調製された原料液20がスタンパ10に注型される(注型工程)。そして、枠体18上にプレス具19が配置され、枠体18及び当該枠体18によって囲まれる領域がプレス具19によって押圧される。これにより、スタンパ10と枠体18とによって画成される領域の原料液20が加圧され、針状凹部12の最深部14まで原料液20が満たされる。また、スタンパ10が空気透過性に優れた材料により構成されている場合には、プレス具19による加圧によって、針状凹部12内に僅かに残存する空気15をスタンパ10内に押し出して除去することができるため、より適切に原料液20を針状凹部12に充填することができる。
なおスタンパ10への原料液20の注型は、原料液20をスタンパ10上に均一に付与することができる任意の手法で行うことができる。例えば、原料液20をスタンパ10上に滴下して原料液20自体の流動性を利用してもよいし、スタンパ10を回転させた状態でスピン塗布を行ってもよいし、バーコータによって原料液20をスタンパ10上に塗布してもよい。
その後、プレス具19が取り除かれ、周辺の温度や湿度がコントロールされた状態で、乾球温度及び相対湿度が調整された空気が所定の速度で送風され、スタンパ10上の原料液20の乾燥・固化が行われる(乾燥固化工程)。これにより、図2(c)に示すように、針状凹部12の反転形状を有するニードル部24と、スタンパ10の平坦部16及び枠体18によって囲まれるシート部26とを備えるマイクロニードルシート22が、スタンパ10上に作られる。このとき、原料液20の周辺の雰囲気を減圧することにより、原料液20を迅速に乾燥することが可能である。また、原料液20がゲル化する素材を含む場合には、高温、高湿(例えば温度50℃以上、対環境相対湿度50%RH以上)の雰囲気下で原料液20を乾燥することによって、硬度が比較的高いマイクロニードルシート22を成形することができる。また、ゲル化時の強度(ゲル化強度)が特に強い成分を原料液20が含む場合には、原料液20を低温環境下に置きゲル化させることで形状をセット(固定)して乾燥させずに当該形状を維持することにより、ゲル微細構造によって機能的なマイクロニードルシート22を成形することができる。また、ゲル状態のマイクロニードルシート22を作る場合には、ゲル化状態までマイクロニードルシート22を乾燥させればよく、ゲル化後は冷却工程のみとなるので、原料液20の固化時間を短縮することも可能である。また、例えば原料液20が熱可塑性天然高分子を含む場合には、原料液20は冷却により硬化する。
原料液20が乾燥固化したら、スタンパ10及び枠体18からマイクロニードルシート22が剥離され、図2(d)に示すマイクロニードルシート22が作られる(剥離工程)。
本実施形態の剥離工程では、マイクロニードルシート22(特に微細形状のニードル部24の先端部)に不必要な力が作用しないように、マイクロニードルシート22を鉛直方向(図2(c)の矢印Aを参照)へ剥離する面剥離が行われる。具体的には、以下のようにしてマイクロニードルシート22がスタンパ10から面剥離される。
図3は、面剥離が行われる前のスタンパ10上のマイクロニードルシート22の状態を示す断面図である。図4は、面剥離中のスタンパ10上のマイクロニードルシート22の状態を示す断面図である。
スタンパ10とは逆側に配置されるマイクロニードルシート22の表面30には、スタンパ10の針状凹部12に対応するようにして微小な窪み部32が形成されている。この窪み部32は、針状凹部12への原料液20の充填や原料液20の乾燥収縮に起因するものであり、マイクロニードルシート22の表面30は微小な凹凸形状を有する。
このようなマイクロニードルシート22をスタンパ10及び枠体18から剥離する際には、図4に示すように、複数の吸着パッド34をマイクロニードルシート22の表面30のほぼ全域に対して減圧吸着(真空吸着)させる。そして、これらの吸着パッド34を鉛直方向Aへ引き上げて、マイクロニードルシート22全体に対し、スタンパ10から離れる方向へほぼ均一な剥離力(第1の剥離力)40を働かせる。このとき、マイクロニードルシート22に付与される剥離力40とは逆方向に働く固定力(第2の剥離力)42が枠体18に付与されており、スタンパ10及び枠体18は全体として固定状態となっている。
そして、マイクロニードルシート22及びスタンパ10の曲率(とりわけ両者の境界面におけるマイクロニードルシート22及び/又はスタンパ10の曲率)が所定範囲となるように、スタンパ10が撓められて歪ませられる。すなわち、吸着パッド34によるマイクロニードルシート22の剥離時には、図4に示すように、マイクロニードルシート22だけではなく、マイクロニードルシート22に固着するスタンパ10及び枠体18も撓む。このとき、枠体18の間におけるマイクロニードルシート22の長さLsと、マイクロニードルシート22が載置されるスタンパ10の剥離方向Aへの歪み高さLmとが以下の関係式(1)を満たすように、吸着パッド34によるマイクロニードルシート22の吸着引上げ力がコントロールされる。なお「スタンパ10の歪み高さLm」とは、外力が加わっていない静止状態おけるスタンパ10の底部17の位置と、マイクロニードルシート22の剥離時におけるスタンパ10の底部17の位置との差の絶対値の最大値を意味する。
0.015≦Lm/Ls≦0.12 (1)
詳細については後述の実施例において説明するが、本件発明者は、鋭意研究の結果、上記関係式(1)を満たすように、スタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22を歪ませることによって、マイクロニードルシート22をスタンパ10及び枠体18から簡単に剥離することができるという知見を得た。これは、歪んだスタンパ10及び枠体18の復元力や、歪んだマイクロニードルシート22に働くモーメント力が、マイクロニードルシート22、スタンパ10及び枠体18の各々の境界面において、マイクロニードルシート22の剥離を促進するように働くことに起因する。そして、上記関係式(1)を満たす範囲の歪みをスタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22に付与した場合に、特に効果的に、マイクロニードルシート22の剥離を促進するとともに、剥離時のマイクロニードルシート22の破損を防ぐことができるという知見を得た。
図5は、スタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22を大きく撓ませた場合の断面を示す概念図である。マイクロニードルシート22に比較的大きな剥離力40を作用させた場合やシート成形モールド(スタンパ10および枠体18)の剛性が比較的小さい場合のように、スタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22を大きく撓ませた場合には、撓み(歪み)の曲率半径が小さくなってしまう。そのため、枠体18の近傍に配置されるニードル部24aに対して不適切な方向(図5の矢印C参照)へ応力が集中してしまい、ニードル部24aに屈曲等の破損(先端部不良)が生じることがある。
一方、図6に示すように、スタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22(特に各々の境界面)の撓みの曲率を、上記関係式(1)を満たすようにコントロールすることによって、マイクロニードルシート22に対して適切な剥離力を作用させることができる。この場合、図7に示すように、ニードル部24の破損を防いだ状態で、マイクロニードルシート22を枠体18の近傍(図7の「B」参照)から適切に剥離することができ、所望形状のマイクロニードルシート22を精度良く製造することができる。このようなスタンパ10、枠体18、及びマイクロニードルシート22の撓み(歪み)は、例えばスタンパ10や枠体18の剛性を調節することによって調整される。
なおマイクロニードルシート22の剥離工程では、スタンパ10及び枠体18に対して振動装置(図示せず)により微振動を付与して、マイクロニードルシート22の剥離を促進することが好ましい。この微振動の振動数や振幅は、マイクロニードルシート22に破損をもたらさない範囲で適宜調整され、例えば超音波振動等の公知の微振動をスタンパ10及び枠体18に付与することができる。
また、図4に示すような吸着パッド34によるマイクロニードルシート22の吸着剥離を行う場合、マイクロニードルシート22の表面の凹凸形状に沿って密着する柔軟性(例えば100MPa以下のヤング率)を有するとともに、マイクロニードルシート22からの剥離性に優れた材料によって吸着パッド34を構成することが好ましい。したがって、例えば直径3cm程度のシリコーンゴムによって、吸着パッド34を構成することも可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、マイクロニードルシート22の剥離の際に、所定範囲の曲率を持つようにスタンパ10及びマイクロニードルシート22を歪ませることによって、マイクロニードルシート22を剥離し易くなる。これにより、吸着パッド34によって外部からマイクロニードルシート22(特に微細形状のニードル部24)に付与する剥離力を低減することができ、マイクロニードルシート22の剥離不良を防いで、均質なニードル部24を精度良く成形することができる。
また、マイクロニードルシート22を面剥離することによって、線剥離時やロール剥離時に生じてしまうマイクロニードルシート22の過度な変形を抑制し、ニードル部24に対して不適切な応力が作用することを防ぐことができる。
また、柔軟性に優れたシリコーンで構成される吸着パッド34を用いることによって、マイクロニードルシート22の表面30の凹凸に吸着パッド34を適切に対応(追従)させることができる。これにより、表面追従性のない板等の部材を用いた剥離時や真空チャックを用いた剥離時に生じやすいマイクロニードルシート22に対する吸着不良(接着不良)を防ぐことができ、スタンパ10からマイクロニードルシート22を効率良く剥離することができる。
上述の事項は本発明の各態様を例示したものであって、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形が加えられたり、公知の要素を応用したりすることも可能であり、そのような各種態様も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、図8に示すように、剛性の異なる複数の部材によってスタンパ10(シート成形モールド)を構成してもよい。図8に示すスタンパ10は、針状凹部12が形成される基部46と、基部46内に設けられ基部46よりも大きなヤング率を有する剛性部48とによって構成されている。本例では、剛性部48の大きさ(厚み、長さ)を調整することによって、スタンパ10全体の剛性をコントロールすることができる。このように、低ヤング率の基部46と高ヤング率の剛性部48とを組み合わせることによって、針状凹部12における良好な剥離性を実現するとともに、剥離時のスタンパ10の変形量(歪み量)が適正な範囲に保たれるようにスタンパ10全体の剛性をコントロールすることができる。一例として、基部46は100MPa以下のヤング率を有し、剛性部48は1Gpa以上のヤング率を有することが好ましい。また基部46及び剛性部48は、その要求特性に応じた任意の材料によって構成可能であり、例えば基部46の材料としてシリコーンゴムを用いるとともに、剛性部48の材料としてアクリル板を用いることができる。なお、図8には剛性部48が基部46内に設けられる例を示したが、剛性部48はシート成形モールド(スタンパ10および枠体18)の任意の箇所に配設することが可能である。
また、上記実施形態ではスタンパ10と枠体18とが別体で設けられる例について説明したが、スタンパ10及び枠体18が一体的に単一部材で構成されていてもよい。この場合、スタンパ10上に原料液20を注型した際に、スタンパ10と枠体18との間から原料液20が洩れ出すことがない。
また、上記の実施形態ではスタンパ10上に枠体18が載置された状態でマイクロニードルシート22が剥離される例について説明したが、マイクロニードルシート22の剥離に先立って、枠体18をスタンパ10上から取り除いてもよい。このように、マイクロニードルシート22をスタンパ10及び枠体18から段階的に剥離することによって、マイクロニードルシート22に対する初期剥離応力を低減することができる。すなわち、スタンパ10上において乾燥固化したマイクロニードルシート22は、通常、スタンパ10だけではなく枠体18に対しても固着する。特に枠体18の近傍のマイクロニードルシート22は、剥離の際に枠体18に引っ掛かり易い。したがって、マイクロニードルシート22のうち特に枠体18近傍の端部(図2(c)の「B」参照)を剥離する際には強い力が必要になるが、剥離時の力が強くなるほどマイクロニードルシート22の損傷の懸念が増す。そこで、マイクロニードルシート22の剥離に先立って、スタンパ10上から枠体18を取り除くことにより、マイクロニードルシート22、枠体18、及びスタンパ10の各々を比較的小さな力で分離することが可能である。これにより、スタンパ10からマイクロニードルシート22を剥離する際の初期剥離力を低減することができ、剥離時のマイクロニードルシート22の損傷を効果的に防ぐことができる。
また、上記実施形態では吸着パッド34によってマイクロニードルシート22、スタンパ10及び枠体18が歪ませられる態様を例示したが、スタンパ10及び枠体18を直接的に歪ませてもよい。例えば、シート成形モールド(スタンパ10および枠体18)の端部を把持するデバイスにより、曲げ応力を加えて当該シート成形モールドを直接的に歪ませてもよい。またスタンパ10の中央部を直接的に鉛直方向上方へ押し上げるデバイスによって、スタンパ10を歪ませてもよい。これらの場合、マイクロニードルシート22のモーメント力によって緩やかな剥離を実現することができる。
また、上記実施形態ではプレス具19によって枠体18を加圧する態様を示したが、マルトースなどの粘度の高い素材を原料液20として用いる場合には、スタンパ10上の原料液20を直接プレス(加圧)して針状凹部12内の残存空気を除去することもできる。また、スタンパ10上の原料液20が液状を保っている状態で周辺環境を減圧することにより、針状凹部12内の残存空気を外部に排出して除去することも可能である(減圧注入)。
本件発明者は、上述の実施形態に基づいて、以下の実施例及び比較例に記載する条件でマイクロニードルシートを製造し、当該マイクロニードルシートのニードル部の形状状態を目視により評価した(図9参照)。具体的には、以下の実施例及び比較例毎に、剥離時のスタンパ及びマイクロニードルシートの歪み量Rを変えて、マイクロニードルシートのニードル部の先端形状を評価した。
(実施例1)
図8に示すような基部46及び剛性部48により構成されるスタンパ10を用いてマイクロニードルシート22を成形し、製造されたマイクロニードルシート22のニードル部24先端の形状を評価した。
原料液20として、高分子材料であるゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、新田ゼラチン732)の水溶性粉体を50℃の水に溶解して濃度(重量濃度)20%の溶解液(水溶液)を用いた。
スタンパ10の基部46をシリコーン樹脂によって構成し、基部46の内部に設けられる剛性部48をアクリル性の板状部材によって構成した。本例では、剛性部48の板厚を1cm、縦横の長さを各々11cmに調整し、スタンパ10全体の厚みを2cm、縦横の長さを各々14cmに調整した。また枠体18を、スタンパ10と一体的に分離可能なようにシリコーン樹脂によって作製した。枠体18の断面幅を1cmに調整し、スタンパ10と枠体18とによって画成される領域の縦横長さを各々12cmに調整した。
また、基部46に形成された針状凹部12を10×10本/cmの割合で設けて、針状凹部12の大きさを基底部の幅400μm、高さ1000μm、アスペクト比2.5に調整した。スタンパ10上への原料液20の付与は、滴下装置により行った。
そして、枠体18及び当該枠体18に囲まれるスタンパ10上の原料液20を、プレス具19によって、50℃の雰囲気下で0.5MPaで2分間プレスし、針状凹部12内に残存した空気を空気透過性に優れたスタンパ10内に押し出して除去した。このとき、スタンパ10の平坦部16上における原料液20の膜厚は150μmであった。
そして、原料液20の周囲において高温度(50℃)高湿度(50%RH)に調整された風を低風量(0.5m/s)で流すことにより原料液20の乾燥を行い、スタンパ10上においてマイクロニードルシート22を作製した。
そして、径φ3cmのシリコーンゴム製の吸着パッド34をスタンパ10上のマイクロニードルシート22に減圧吸着させて、マイクロニードルシート22(特に微細形状のニードル部24)に余分な力がかからないように垂直剥離(面剥離)を行った。
この剥離時のスタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rは、図4に示される「枠体18の間におけるマイクロニードルシート22の長さLs」と「スタンパ10の剥離方向Aへの歪み高さLm」とによって表される以下の式(2)に基づく。
=Lm/Ls×100(%)
本例では、このスタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rを1.5%に調整した。
そして、スタンパ10から剥離されたマイクロニードルシート22のニードル部24の先端形状を確認したところ、アレイ状に配設された微細形状のニードル部24が適切に形成されており、マイクロニードルシート22は良好な形状を有していた。
(実施例2)
本例では、剛性部48の板厚を0.5cmに調整するとともに、スタンパ10全体の厚みを2cmに調整した。そして、スタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rを12%に調整した。
他の条件は、上記実施例1とほぼ同様の条件とした。
本例においてスタンパ10から剥離されたマイクロニードルシート22のニードル部24の先端形状を確認したところ、実施例1と同様に、アレイ状に配置された微細形状のニードル部24が適切に形成され、マイクロニードルシート22は良好な形状を有していた。
(比較例1)
本例では、剛性部48の板厚を0.3cmに調整するとともに、スタンパ10全体の厚みを2cmに調整した。そして、スタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rを15%に調整した。
他の条件は、上記実施例1とほぼ同様の条件とした。
本例においてスタンパ10から剥離されたマイクロニードルシート22のニードル部24の先端形状を確認したところ、ニードル部24の先端には曲がり不良が見られ、マイクロニードルシート22の転写不良が見られた。
(比較例2)
本例では、剛性部48の板厚を1.5cmに調整するとともに、スタンパ10全体の厚みを2cmに調整した。そして、スタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rを0.5%に調整した。
他の条件は、上記実施例1とほぼ同様の条件とした。
本例においてスタンパ10から剥離されたマイクロニードルシート22のニードル部24の先端形状を確認したところ、ニードル部24の先端には曲がり不良が見られ、マイクロニードルシート22の転写不良が見られた。
上記の実施例及び比較例の評価結果を図9に示す。図9からも明らかなように、剥離時のスタンパ10及びマイクロニードルシート22の歪み量Rを1.5%以上(実施例1参照)12%以下(実施例2参照)に調整した場合に、良好な形状のマイクロニードルシート22(ニードル部24)を成形可能であることが確認された。これは、1.5%≦R≦12%を満たす範囲の歪み量Rをスタンパ10(特にスタンパ10とマイクロニードルシート22との境界面)に付与することで、マイクロニードルシート22に適度な剥離力が作用して、マイクロニードルシート22を適切に剥離することができることを示すものである。
一方、歪み量Rが過大な場合(比較例1参照)には、マイクロニードルシート22のニードル部24に対して不適切な方向へ応力が集中してしまい、ニードル部24の成形不良(剥離不良)を招く。また、歪み量Rが過小な場合(比較例2参照)には、マイクロニードルシート22に対して外部(吸着パッド34)から大きな剥離力を付与する必要があり、この外部から付与される剥離力が過大となって、剥離時にニードル部24に損傷をもたらすこととなる。
このように、上記の適度な範囲の歪み量Rをスタンパ10(特にスタンパ10とマイクロニードルシート22との境界面)に付与することで、マイクロニードルシート22の剥離が効果的に促進されることが確認された。
マイクロニードルシートの一例を示す断面図である。 マイクロニードルシートの製造方法の一例を示す図である。 面剥離が行われる前のスタンパ上のマイクロニードルシートの状態を示す断面図である。 面剥離中のスタンパ上のマイクロニードルシートの状態を示す断面図である。 スタンパ、枠体、及びマイクロニードルシートを大きく撓ませた場合の断面を示す概念図である。 スタンパ、枠体、及びマイクロニードルシートを適度に撓ませた場合の断面を示す概念図である。 スタンパ、枠体、及びマイクロニードルシートを適度に撓ませた場合の断面を示す概念図である。 スタンパの一変形例を示す断面図である。 実施例及び比較例の評価結果を示す表である。
符号の説明
10…スタンパ、12…針状凹部、14…最深部、16…平坦部、17…底部、18…枠体、19…プレス具、20…原料液、22…マイクロニードルシート、24…ニードル部、26…シート部、30…表面、32…窪み部、34…吸着パッド、40…剥離力、42…剥離力、46…基部、48…剛性部

Claims (9)

  1. 凹部を有するモールド上に原料溶液を供給する溶液供給工程と、
    前記凹部の反転形状の凸部を有するニードルシートが前記原料溶液から形成されるように、前記モールド上の前記原料溶液を固化する固化工程と、
    前記ニードルシートを前記モールドから剥離する剥離工程とを含み、
    前記剥離工程において、前記モールド上の前記ニードルシートが所定範囲内の曲率を有するように、前記モールドを歪ませることを特徴とするニードルシートの製造方法。
  2. 前記剥離工程において、前記モールドから離れる第1の方向へ第1剥離力を前記モールド上の前記ニードルシートに対して付与するとともに、前記第1の方向とは逆の第2の方向へ第2剥離力を前記モールドの両端部に対して付与することを特徴とする請求項1に記載のニードルシートの製造方法。
  3. 前記剥離工程において、前記ニードルシートを前記モールドから面剥離することを特徴とする請求項1または2に記載のニードルシートの製造方法。
  4. 前記剥離工程において、前記第2剥離力が付与される前記モールドの両端部の間における前記ニードルシートの長さLsと、前記モールドのうち前記ニードルシートが載置される部分の前記第1の方向への歪み高さLmとが、
    0.015≦Lm/Ls≦0.12
    を満たすように、前記モールドを歪ませることを特徴とする請求項2または3に記載のニードルシートの製造方法。
  5. 前記第1剥離力は、吸着パッドにより前記ニードルシートに対して付与され、
    前記吸着パッドは、100MPa以下のヤング率を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のニードルシートの製造方法。
  6. 前記モールドは、前記凹部が形成される基部と、前記基部よりも大きなヤング率を有する剛性部とを含み、
    前記基部は100MPa以下のヤング率を有し、
    前記剛性部は1Gpa以上のヤング率を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のニードルシートの製造方法。
  7. 前記モールドは、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のニードルシートの製造方法。
  8. 前記モールドは、前記凹部が形成される基底部と、前記基底部とは別体に設けられる枠体であって前記基底部上において前記凹部を囲む枠体とを含み、
    前記原料溶液は、前記基底部と前記枠体とによって区画される領域に供給されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のニードルシートの製造方法。
  9. 前記剥離工程において、前記モールドに振動を付与することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のニードルシートの製造方法。
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