JP2009083125A - 機能性膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

機能性膜の製造方法および製造装置 Download PDF

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謙一 梅森
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Abstract

【課題】均一でシャープな先端を持つ高アスペクト比構造を有し、欠陥の少ないアレイ状に形成された高アスペクト比構造を有する機能性膜の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】微細な凹部アレイが形成されたスタンパー13に塗布したポリマー樹脂の溶解液16を、前記凹部アレイの凹部15に注入し、前記凹部アレイを前記樹脂ポリマー16に転写することにより、表面に前記凹部アレイの反転型である高アスペクト比構造の微細な凸部アレイが形成された機能性膜を製造する方法において、前記スタンパー13に塗布したポリマー樹脂の溶解液16を前記スタンパー13側に加圧することにより、前記溶解液16を前記スタンパー13の凹部15先端まで注入することを特徴とする機能性膜の製造方法である。
【選択図】図5

Description

本発明は、高アスペクト比構造を有する機能性膜の製造方法に関し、特に、皮膚表層または皮膚角質層において、簡便に、かつ効率的に薬品などを注入するマイクロニードルシートと称される機能性膜の製造方法に関する。
従来、生体表面、即ち皮膚や粘膜などより、薬品などを投与する方法としては、主に液状物質または粉状物質を付着させる方法が殆どであった。しかしながら、これらの物質の付着領域は、皮膚の表面に限られていたため、発汗や異物の接触などによって、付着している薬品などが除去される場合があり、適量を投与することは困難であった。また、薬品を皮膚の奥深くに浸透させるためには、このような薬品の拡散による浸透を利用した方法では、浸透深さを確実に制御することは困難であるため、充分な薬効を得ることは困難であった。
そのため、高アスペクト比構造を有する機能性膜を用い、その先端を皮膚内に挿入することにより、薬品を注入する方法が行われている。このような、高アスペクト比構造を有する機能性膜を形成する方法として、例えば、特許文献1、2には、鋳型を作製してその中に素材を注入し、射出成形により、ニードル構造を形成する方法が記載されている。また、また、特許文献3には、針状の材料の先を、基板上の流動状態の素材に付着・延伸させることで、ニードル構造を形成する方法が記載されている。
特開2003−238347号公報 特開2006−051361号公報 特開2006−345983号公報
しかしながら、特許文献1または2記載の方法は、アレイ状の凹金型に対して微細形状の凹部先端まで素材を注入することが難しく、欠陥不良が生じるという問題があった。例えば、凹金先端に空気が溜まり、素材の注入時に溜まった空気の気泡などによる注入欠陥が生じていた。また、微細形状である先端部まで均一に中空にならず、溶解液を充填させるのが困難であり、生産性が劣るという問題があった。これにより、形成された凸部アレイの凸部先端がシャープに形成されないという問題がある。さらに、特許文献3に記載の方法は、張力により素材を延伸させるため、先端形状、高さなどの針形状の均一・高精度な成形が困難であった。特に、先端部は微細であるため、変形が生じ易く、延伸後すぐに硬化する材料でなければ、成形することが難しいという問題があった。また、延伸などの方法は量産化に適した方法ではなく、生産性に乏しく、高コストになってしまうといった問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、溶融・溶解したポリマー樹脂を用いて、均一でシャープな先端を持つ高アスペクト比構造を有し、欠陥の少ないアレイ状に形成された高アスペクト比構造を有する機能性膜の製造方法を提供することを目的とする。また、製造コストが低く、歩留まりが高いという量産化に適した製造方法を提供する。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、微細な凹部アレイが形成されたスタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を、前記凹部アレイの凹部に注入し、前記凹部アレイを前記樹脂ポリマーに転写することにより、表面に前記凹部アレイの反転型である高アスペクト比構造の微細な凸部アレイが形成された機能性膜を製造する方法において、前記スタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を前記スタンパー側に加圧することにより、前記溶解液を前記スタンパーの凹部先端まで注入することを特徴とする機能性膜の製造方法を提供する。
請求項1によれば、スタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液をスタンパー側に加圧することにより、スタンパーの凹部先端まで注入している。したがって、スタンパー内の凹部に存在する空気を追い出すことができ、気泡などの混入の少ない機能性膜を製造することができる。ここで、凹部アレイとは凹部が縦・横に複数配列された状態を言い、凸部アレイとは凸部が縦・横に複数配列された状態をいう。
請求項2は請求項1において、前記機能性膜に形成される微細な凸部アレイの形状は、一辺又は直径が0.1〜1000μmの底面を有し、高さが0.3〜3000μmの角錐型又は円錐型であり、先端の曲率半径Rが300μm以下であることを特徴とする。
請求項2は、機能性膜に形成される凸部アレイの好ましいサイズを規定したものである。本発明の製造方法によれば、ポリマー樹脂の溶解液をスタンパー側に加圧することにより、スタンパーの凹部先端まで注入することができるため、上記サイズのような微細な凸部アレイを有する機能性膜に対して、特に、効果的製造することができる。
請求項3は請求項1または2において、前記溶解液を加圧する加圧力は、0.1〜30MPaの範囲であることを特徴とする。
請求項3によれば、加圧力を0.1〜30MPaの範囲とすることにより、スタンパー凹部に存在する空気を効率よく追い出すことができ、スタンパー凹部に溶解液を注入することができる。
請求項4は請求項1から3いずれかにおいて、前記溶解液を加圧している加圧時間は10秒以上であることを特徴とする。
請求項4は、加圧時間を規定したものであり、10秒以上行うことが好ましい。圧力状態の変化時間を上記範囲とすることにより、充分に溶解液の注入を行うことができる。
請求項5は請求項1から4いずれかにおいて、前記スタンパーの側面周囲を囲むスタンパー枠を設け、該スタンパー枠を上からプレス板でプレスして前記スタンパー枠内を加圧状態に変化させることにより、前記溶解液を加圧することを特徴とする。
請求項5によれば、スタンパーの側面周囲にスタンパー枠を設け、このスタンパー枠をプレスすることにより、スタンパー枠内を加圧状態としている。したがって、スタンパー枠内の様々な方向からプレスすることができるので、効率良く溶解液の注入を行うことができる。
請求項6は請求項5において、前記スタンパー枠の素材は、ヤング率1GPa以下の弾性素材であることを特徴とする。
請求項6によれば、スタンパー枠の素材をヤング率1GPa以下の弾性を持つ素材を用いて圧力状態を変化させているため、スタンパーを収縮させることができ、プレスした際のスタンパー枠内の圧力を変化させることができる。
請求項7は請求項1から6いずれかにおいて、前記スタンパーの素材は、気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材で構成されていることを特徴とする。
請求項7によれば、スタンパーの素材に気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材を用いているため、気体が通過しやすく、スタンパー凹部に存在する空気をスタンパー側から追い出すことができる。したがって、スタンパー凹部に溶解液の注入を容易に行うことができるので、空気の混入の少ない機能性膜を製造することができる。
請求項8は、前記目的を達成するために、微細な凹部アレイが形成されたスタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を、注入手段により前記凹部アレイの凹部に注入し、前記凹部アレイを前記樹脂ポリマーに転写することにより、表面に前記凹部アレイの反転型である高アスペクト比構造の微細な凸部アレイが形成された機能性膜を製造する装置において、前記注入手段は、前記スタンパーの側面を囲んで囲み空間を形成するとともに、外力により弾性可能なスタンパー枠と、前記スタンパー枠を上から前記スタンパー側にプレスして前記囲み空間の容積を減容することによりスタンパー枠内を加圧状態に変化させるプレス手段と、を備えたことを特徴とする機能性膜の製造装置を提供する。
請求項8は、請求項1に記載の機能性膜の製造方法を機能性膜製造装置として展開したものであり、請求項8によれば、機能製膜の製造方法と同様の効果を得ることができる。
請求項9は請求項8において、前記スタンパーと前記スタンパー枠とは一体成形されていることを特徴とする。
請求項9によれば、スタンパーとスタンパー枠とが一体で形成されているため、プレスした際に、スタンパーとスタンパー枠の継ぎ目から気体が漏れることがないため、確実にスタンパー枠内を加圧することができる。
請求項10は請求項8または9において、前記注入手段には、前記スタンパーを加熱する加熱手段が設けられることを特徴とする。
請求項10によれば、注入手段には加熱手段が設けられているため、プレスする際、所望の温度でプレスすることができる。したがって、ポリマー樹脂の溶解液の流動性を維持した状態で溶解液の注入を行うことができる。
請求項11は、請求項8から10いずれかにおいて、前記スタンパーの素材は、気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材で構成されていることを特徴とする。
請求項11によれば、スタンパーの素材に気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材を用いているため、気体が通過しやすく、スタンパー凹部に存在する空気をスタンパー側から追い出すことができる。したがって、スタンパー凹部に溶解液の注入を容易に行うことができるので、空気の混入の少ない機能性膜を製造することができる。
本発明によれば、均一で微細な先端を持つ高アスペクト比構造を有し、欠陥の少ないアレイ状に形成された高アスペクト比構造を有する機能性膜を製造することができる。また、薄く、反りの少ないフレキシブル性も付加したシートの成形を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態における高アスペクト比構造を有する機能性膜の一例としてマイクロニードルシートの製造方法について説明する。なお、以下、マイクロニードルシートについて記載するが、マイクロニードルシート以外の高アスペクト比構造を有する機能性膜についても本発明を適用することができる。
図1に本発明の製造方法および製造装置により製造されるマイクロニードルシートの角錐状の斜視図(a)および断面図(b)を示す。
マイクロニードルシートに形成される微小針(微細な凸部)22の形状は、微小針22を皮膚表面に数100μmの深さで刺すために、(1)先端が充分に尖っていて、皮膚内に入る針の径も充分に細い(長さ/径のアスペクト比が高い)こと、(2)充分な強度がある(針が折れ曲がったりしない)こと、が必要である。
そのため、(1)の用件を満たすためには、細くて尖った形状が必要であるが、これは(2)に相反し、細すぎると先端や根元で折れ曲がってしまい、太すぎると刺さらないため、図1(a)に示すように、微小針22の稜線22Aは、微小針内側に湾曲した形状とすることが好ましい。このような形状とすることにより、先端を充分に尖らせる一方で、根元を広げることにより、折れにくくすることができる。また、角錐状の微小針の稜線22A、22Aが該稜線同士の間の角錐面22Cよりも張り出していることが好ましい。
微小針22の形状は底面の一辺Xが0.1μm以上1000μm以下の範囲であり、高さが0.3μm以上3000μm以下であることが好ましい。より好ましくは、一辺Xが10μm以上400μm以下の範囲であり、高さが30μm以上1200μm以下である。
そして、稜線22Aの湾曲の最大深さZは、稜線の始点と終点を結ぶ線分の長さをLとしたとき、0.04×L以上0.2×L以下であることが好ましい。また、微小針の鋭利性を示す微小針先端22Bの曲率半径Rが200μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。
なお図1は、四角錐状の微小針22について示しているが、図2に示す円錐状や他の角錐状の微小針も同様の大きさであることが好ましい。なお、円錐状の場合においては、底面の直径Xが0.1μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは50μm以上300μm以下の範囲である。また、円錐面の湾曲の最大深さZ’は、円錐面の母線の始点と終点とを結ぶ線分の長さをL’としてとき、0.04×L’以上0.2×L’以下であることが好ましい。
上記のように、マイクロニードルアレイは微小な凸部アレイであり、皮膚表面に刺さりやすくするため、凸部22先端を充分に尖らせ、凸部22先端の曲率半径Rを10μm以下とすることが好ましい。曲率半径Rが10μm以下の先端を有する凸部22を形成するためには、スタンパーに形成される凸アレイの反転型である凹アレイの凹部先端までポリマー樹脂の溶解液を注入して精密に転写できるかが重要なポイントになってくる。
次に、マイクロニードルシートの製造方法について説明する。図3にスタンパーの製造方法の工程図、図4に、本発明の製造方法および装置に用いられる注入手段の斜視図、図5に、ポリマー溶液注入工程の工程図、図6に、マイクロニードルシートの剥離工程の工程図を示す。
最初に原版作製を行う。具体的には、図3(a)に示すように、マイクロニードルシートの製造のためのスタンパーを作製するための原版を作製するものである。
この原版11の作製方法は2種類あり、1番目の方法は、Si基板上にフォトレジストを塗布した後、露光、現像を行い、RIE(リアクティブイオンエッチング)等によるエッチングを行うことにより、原版11の表面に円錐の形状部(凸部)12のアレイを作製する。尚、RIE等のエッチングを行う際には、Si基板を回転させながら斜め方向からのエッチングを行うことにより、円錐の形状を形成することが可能である。
2番目の方法は、Ni等の金属基板に、ダイヤモンドバイト等の切削工具を用いた加工により、原版11の表面に四角錘などの形状部12のアレイを形成する方法がある。
次に、スタンパーの作製を行う。具体的には、図3(b)に示すように、原版11よりスタンパー13を作製する。通常のスタンパー13の作製には、Ni電鋳などによる方法が用いられるが、原版11は、先端が鋭角な円錐形又は角錐形の形状を有しているため、スタンパー13に形状が正確に転写され剥離することができるように、安価に製造することが可能な4つの方法が考えられる。
1番目の方法は、原版11にPDMS(ポリジメチルシロキサン、例えば、ダウコーニング社製のシルガード184)に硬化剤を添加したシリコーン樹脂を流し込み、100℃で加熱処理し硬化した後に、原版11より剥離する方法である。2番目の方法は、紫外線を照射することにより硬化するUV硬化樹脂を原版11に流し込み、窒素雰囲気中で紫外線を照射した後に、原版11より剥離する方法である。3番目の方法は、ポリスチレンやPMMA(ポリメチルメタクリレート)等のプラスチック樹脂を有機溶剤に溶解させたものを剥離剤の塗布された原版11に流し込み、乾燥させることにより有機溶剤を揮発させて硬化させた後に、原版11より剥離する方法である。4番目の方法は、Ni電鋳により反転品を作成する方法である。
このようにして作製されたスタンパー13を図3(c)に示す。尚、上記3つのいずれの方法においてもスタンパー13は、何度でも容易に作製することが可能である。
スタンパーに用いる材料としては、弾性のある素材、金属製の素材を用いることができるが、弾性のある素材であることが好ましく、気体透過性の高い樹脂であることが更に好ましい。気体透過性の代表である酸素透過性は、1×10−12(mL/s・m・Pa)より大きいことが好ましく、1×10−10(mL/s・m・Pa)より大きいことがさらに好ましい。気体透過性を上記範囲とすることにより、スタンパー13の凹部に存在する空気をスタンパー側から追い出すことができるの、欠陥の少ないマイクロアレイニードルを製造することができる。このような材料として、具体的には、シリコーン樹脂(例えば、シルガード184、1310ST)、UV硬化樹脂、プラスチック樹脂(例えば、ポリスチレン、PMMA(ポリメチルメタクリレート))を溶融、または溶剤に溶解させたものなどを挙げることができる。これらの中でもシリコーンゴム系の素材は繰り返し加圧による転写に耐久性があり、且つ、素材との剥離性がよいため、好適に用いることができる。また、金属製の素材としては、Ni、Cu、Cr、Mo、W、Ir、Tr、Fe、Co、MgO、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、α−酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム、ステンレス(スタバックス材)などやその合金を挙げることができる。
図4に上記方法で製造されたスタンパー13を注入手段21に組み込んだ斜視図を示す。図4に示すように、本発明に用いられる注入手段21は、上記方法で形成されたスタンパー13の側面周囲にスタンパー13の厚みよりも高くなるようにスタンパー枠14を設ける、なお、スタンパー13とスタンパー枠14とは一体成形することも可能である。このスタンパー枠14をプレス機のプレス板17でプレスすることにより、スタンパー枠14内の圧力を加圧状態にすることができる。スタンパー枠14の材質としては、スタンパー13の材質と同様の材質のものを用いることができるが、スタンパー枠14をプレスすることにより、スタンパー枠14内の圧力を加圧状態にするため、スタンパー枠14は弾性体であることが好ましい。
また、注入手段21は、スタンパー13上に塗布された樹脂ポリマーの溶解液(以下、「ポリマー溶解液」ともいう。)の温度を調節するため、加熱手段18を備える。加熱手段18によりポリマー溶解液を所定の温度に維持することにより、ポリマー溶解液の流動性を維持することができるため、スタンパー13の凹部内にポリマー溶解液を注入しやすくすることができる。
次に、注入手段21を用いたポリマー溶液注入工程について説明する。図5は、ポリマー溶液注入工程を示す工程図であり、注入手段21の断面図である。
ポリマー溶液注入工程は、具体的には、図5(a)に示すように、作製したスタンパー13の微小針に対応した凹凸パターンの形成された面に、ポリマー樹脂を溶解したポリマー溶解液16を塗布する。この中には、投薬する薬品を適量混入させることができる。
ポリマー溶解液に用いられる樹脂ポリマーの素材としては、生体適合性のある樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ゼラチン、アガロース、ペクチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸、デンプン、セルロース、トリアセチルセルロース、プルラン、ポリ乳酸、デキストリン、などの粉体を温水で溶解する素材、または、マルトースなどの加熱により溶融する樹脂を挙げることができる。これらの中でもゼラチン系の素材は多くの基材との密着性をもち、ゲル化する材料としても強固なゲル強度を持つため、好適に利用することができる。濃度は材料によっても異なるが、10〜30%が好ましい。なお、溶解に用いる溶媒は、温水以外であっても揮発性を有するものであればよく、例えば、アルコールなどを用いることも可能である。
ポリマー溶解液の調整方法としては、水溶性の高分子(ゼラチンなど)を用いる場合は、水溶性粉体を水に溶解し、溶解後に薬品を添加することで製造することができる。水に溶解しにくい場合、加温して溶解してもよい。温度は高分子材料の種類により、適宜選択可能であるが、約60℃の温度で加温することが好ましい。また、熱で溶融する高分子(マルトースなど)を用いる場合は、原料と薬品を熱して溶融することで、製造することができる。加熱温度としては、原料が溶融する温度で行うことが好ましく、具体的には、約150℃である。
このような樹脂ポリマーの溶解液をスタンパー13に注入する具体的な方法は、スピンコーターを用いた塗布が挙げられる。また、大面積のスタンパーの場合には、溶解液の注入は、ディスペンサにより、スタンパーの微小針を形成するために凹部にのみに溶解液を滴下することが考えられる。
次に、図5(b)に示すように、ポリマー溶解液16を塗布した後、スタンパー枠14をプレス機のプレス板17でプレスすることにより、スタンパー枠14内を加圧する。これによりスタンパー13に塗布されたポリマー溶解液16がスタンパー13側に加圧され、スタンパー13の凹部15先端まで注入される。加圧は、スタンパー枠14を機械的にプレスすることにより、スタンパー枠14とプレス機のプレス板17とで形成された空間の空気を加圧しても良い。また、スタンパー枠14内にポリマー溶解液16を充填させ、プレス機のプレス板17により、ポリマー溶解液16をプレスして加圧してもよい。スタンパー枠14内を加圧することにより、ポリマー溶解液16がスタンパー13に形成された凹部15に注入され、凹部15の内部気泡を追い出すため、スタンパー13に形成された凹部アレイの反転型である凸部アレイがポリマー溶解液に高精度に転写される。これにより、気泡などの混入のないマイクロニードルシートを製造することができる。本発明はスタンパー枠14に直接プレスを行い、凹部15の先端まで注入することで、一回の加圧プロセスで転写が可能である。また、専用の装置を導入せず、通常、一般的に用いられている加熱、加圧が可能なプレス機を利用することができるため、従来の装置の転用が可能であり、新たな投資の必要がなく行うことができる。
スタンパー枠14の圧力変化は、0.05〜30MPaであることが好ましく、より好ましくは0.1〜10MPa、さらに好ましくは0.5〜1.5MPaである。上記範囲とすることにより、凹部15先端の気泡を追い出し、先端がシャープで精密なマイクロニードルを形成することができる。0.05MPa未満であると圧力が小さいため、気泡の追い出しが充分でなく、また、30MPaを超えても、空気の追い出しおよび溶解液の注入の効果は変わらない。
また、プレスによりポリマー溶解液16を加圧している加圧時間は、10秒以上であることが好ましい。より好ましくは30秒以上であり、さらに好ましくは2分以上である。圧力状態の変化時間を上記範囲とすることにより、充分にスタンパー13の凹部15先端の気泡を追い出すことができる。
また、プレス時の温度は、樹脂ポリマーが水溶性の高分子である場合は、樹脂ポリマーの温度を10℃以上100℃以下とすることが好ましく、より好ましくは40℃以上80℃以下である。また、熱で溶融する高分子である場合は、50℃以上250℃以下とすることが好ましく、より好ましくは100℃以上150℃以下である。上記範囲を維持し、プレスを行うことにより、ポリマー溶解液の流動性を維持し、スタンパー13内の凹部15にポリマー溶解液を注入することができる。温度が上記範囲以下であると、ポリマー溶解液がゲル化し、流動性がなくなるので好ましくない。また、温度が上記範囲以上であると、薬品によっては加熱により分解するため、薬品の効果が変化するため好ましくない。また、スタンパーの温度はポリマー樹脂のガラス転移温度(Tg)+20℃以上の温度とし、プレスを行うことが好ましい。スタンパーの温度を上記温度以上で行うことにより、ポリマー樹脂の溶解液の温度を上記範囲に維持することができるので、溶解液の流動性を維持したまま溶解液の注入を行うことができる。なお、温度調節は、スタンパー15の下部に設けられる加熱手段18により行うことができる。
さらに、スタンパー枠14の素材は、ヤング率1GPa以下の弾性を持つ素材から構成されていることが好ましい。スタンパー枠14の素材を上記範囲のヤング率とすることにより、プレスをかけた際に、スタンパー枠14の弾性により、スタンパー枠14内が加圧されるため、気泡の追い出しが容易になる。
また、スタンパー13の素材は気体透過性の高い素材であることが好ましい。スタンパー15を気体透過性の高い素材とすることにより、凹部15先端の気泡を、スタンパー13から透過させ、追い出すことができるので、気泡の混入の少ないマイクロニードルシートを製造することができる。
続いて、ポリマー溶解液16の乾燥工程を行う。具体的には、塗布されたポリマー溶解液に温風を吹付けることにより乾燥を行う。
乾燥方法としては、まず、10〜15℃の冷風を吹きつけ、表面をゲル化させた後、10〜20m/sの温風を吹き付ける。この温風は、除湿した温風が好ましく、例えば、40℃、相対湿度15%以下、より好ましくは10%以下であることが好ましい。
また、塗布されたポリマー溶解液16をゲル化させることにより、形状を縮小させ、スタンパー13からの剥離性を高めることができる。この場合は、低温度の冷風を流すことによりポリマー溶解液をゲル化させることができる。この時、完全にゲル化させるために、10〜15℃の冷風を上記の場合よりも長時間吹付け、この後、上記と同様に温風を吹き付ける。次に、乾燥させるために、高温の温風を流す際には、温風の温度が高すぎると、樹脂ポリマーを溶解した溶液におけるゲル化が戻ってしまったり、薬品によっては加熱により分解等により、効能が変化したりするため、吹きつける温風の温度には注意する必要がある。このように塗布されたポリマー溶解液を乾燥、あるいは、ポリマー溶解液をゲル化させた後乾燥させることにより、図6(a)に示すように固化し、樹脂ポリマー19となる。樹脂ポリマーが固化することにより、ポリマー溶解液を塗布した際の状態よりも縮小し、特に、ゲル化を行う場合は、顕著に縮小する。これにより、スタンパー13から樹脂ポリマー19の剥離が容易となる。また、この乾燥工程において、樹脂ポリマー19の水分量が低くなりすぎると剥離しにくくなるため、弾力性を維持している状態の水分量を残存させておくことが好ましい。具体的には、樹脂ポリマー19を構成する材料にも依存するが、10〜20%の水分量となったところで、乾燥を停止するか、若しくは、25℃、相対湿度40%程度の風を吹付けることが好ましい。
次に剥離工程を行う。具体的には、図6(b)に示すように、先のポリマー溶液乾燥工程において、スタンパー枠14内で乾燥し固化した樹脂ポリマー19の上に、粘着性の粘着層が形成されているシート状の基材であるPETシート20を付着させた後、端部よりPETシート20をめくるように剥離を行う。このようにして、図6(c)に示すようにマイクロニードルシート(樹脂ポリマー19)を製造することができる。
硬化した樹脂ポリマー19の凝集体をスタンパー13から剥離する剥離工程は、重要な工程である。通常、本実施の形態のように、アスペクト比の高い微小針の構造のものをスタンパー13から剥離する場合では、接触面積が大きいことから、強い応力がかかり、微小針が破壊され、スタンパー13から剥離されることなくスタンパー13の凹部15内に残存し、作製されるマイクロニードルシートは致命的な欠陥を有するものとなってしまう。この点を踏まえ、本実施の形態においては、スタンパー13を構成する材料を、剥離が非常にしやすい材料により構成することが好ましい。また、スタンパー13を構成する材料を弾性が高く柔らかい材料とすることにより、剥離する際における微小針にかかる応力を緩和することができる。
尚、樹脂ポリマー19の表面の微小針に残存している水分を蒸発させるために、剥離後に、再度乾燥した風を吹付ける場合もある。具体的には、梱包する直前において、樹脂ポリマー19内の水分量を10%以下、望ましくは5%以下とした後に梱包することが望ましい。
また、スタンパーは複数回利用することが可能であるから、剥離工程後のスタンパーを用いて、ポリマー溶液塗布工程、ポリマー溶液乾燥工程を繰り返すことにより、複数のマイクロニードルシートを短時間に複数作製することができる。尚、スタンパーは永久的に使用することができるものではないため、使用することができなくなった場合は、スタンパー作製工程を行うことにより作製可能である。
実際のマイクロニードルシートの製造には、スタンパーを複数用意しておき、同時に製造を行うことにより、高い生産性で製造を行うことができる。
図7に注入手段の別の実施形態を示す。本実施形態においては、スタンパー枠34にバネ35を設けている点が、上述した実施形態と異なっている。プレス機のプレス板37によりプレスすることで、スタンパー枠34に設けられたバネ35を収縮することができるので、スタンパー枠34内を加圧することができる。この場合、バネ35の収縮により、加圧にすることができるため、スタンパー枠34の材質は特に限定されず用いることができる。
以下に、実施例により本発明の実質的な効果を説明する。
≪試験例1:加圧力と成形結果≫
[実施例1]
Niからなる金属板に、ダイヤモンドバイトによる切削加工を行い、図3(a)における四角錘の形状部12が底面400μm、高さ1000μm、ピッチ1200μm、先端R10μmである四角錘アレイの形成された原版11を作成した。この原版11にシリコーン樹脂を流し込み硬化させた、図3(c)に示す原版11とは反対形状のスタンパー13を作成した。このスタンパーの気体透過率は6×10−9(mL/(s・m・Pa))であり、ヤング率は0.001(GPa)であった。このスタンパー13の側面周囲にシリコーン樹脂で形成されたスタンパー枠14を設置した。
次に、ゼラチンを水に溶かし、攪拌し膨張させた後、40℃に加熱・溶解させてゼラチン濃度20%のポリマー樹脂を溶解した溶液を作成した。この溶液をスピンコーターによりスタンパー13の凹凸の形成されている面に塗布した。この溶液には投与される薬品を適量混入した。その後、表1に記載のプレス条件でプレス機によりスタンパー枠14内を加圧し、ポリマー溶解液16をスタンパー13の凹部15に注入し、凹部15内の気体を除去した。なお、プレス時のポリマー溶解液16の温度を60℃、加圧時間120secで行い、ポリマー溶解液中のゼラチンの量は0.2gとした。
その後、15℃に冷風を20秒間与え、完全にゲル化させた後、50℃、相対湿度15%の温風を30分間与えて充分乾燥させ、固化した。次に、図6(b)に示すように粘着層の形成されている厚さ120μmのPETシートをスタンパー13上の固化した樹脂ポリマー19に付着させ、粘着させた後、固化した樹脂ポリマー19をめくるように剥離することにより、マイクロニードルシートを作成し、転写結果を確認した。
[実施例2−7]
プレス条件を表1に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
実施例1−7について剥離後の転写結果を確認した。結果を表1に示す。なお、成形結果については、以下の基準により評価を行った。
○・・・シャープな凸形状が先端まで形成されており、極めて良好である。
△・・・一部で転写不良が発生しているが、製品として許容できる範囲である。
×・・・転写不良が発生しており、製品として許容できない。
Figure 2009083125
加圧力を0.05〜30MPaの範囲内にすることにより、良好な微細形状が成形されていることが確認できた。加圧力の高い実施例4では、スタンパーの破断が見られ、加圧力の低い実施例5−7においては、ポリマー溶解液がスタンパーの凹部の一部に注入されず、転写不良が発生していたが、製品として許容できる範囲であった。
≪試験例2:加圧時間と成形結果≫
[実施例8−11]
加圧時間を表2に記載の時間に変更し、加圧力を0.5MPaとした以外は、実施例1と同様の方法により、製造した。結果を表2に示す。なお、成形結果は、試験例1と同様の基準で評価を行った。
Figure 2009083125
表2より、加圧時間の短い実施例10ではポリマー溶解液がスタンパーの凹部に、一部注入されず、転写不良が発生していたが製品として許容できる範囲であった。充分な加圧時間をとった実施例8、9は、良好に微細形状が形成されていることが確認できたが、加圧時間の長い実施例9では、スタンパーの劣化が見られた。
≪試験例3:スタンパーの弾性と成形結果≫
[実施例12−15]
スタンパーのヤング率を表3に記載されているヤング率とした以外は実施例1と同様の方法により製造した。結果を表3に示す。なお、成形結果は試験例1と同様の基準により評価を行った。
Figure 2009083125
表3より、ヤング率が1GPa以下である実施例12、13は良好な微細形状が形成されていることが確認できた。しかし、ヤング率の高い素材で製造した実施例14、15は、ポリマー溶解液がスタンパーの凹部に一部注入されなかったが、製品として許容できる範囲であった。
≪試験例4:スタンパーの気体透過率と成形結果≫
[実施例16−19]
スタンパーの気体透過率を表4に記載されている透過率とした以外は実施例1と同様の方法により製造した。結果を表4に示す。なお、成形結果は試験例1と同様の基準により評価を行った。
Figure 2009083125
表4より、気体透過率の高い実施例16、17は良好な微細形状が形成されていることが確認できた。しかし、気体透過率が1×10−12を超える実施例18、19は、スタンパーの凹部内の空気が抜けにくいため、ポリマー溶解液がスタンパーの凹部に一部注入されなかったが、製品として許容できる範囲であった。
≪試験例5:加圧力、加圧時間と成形結果≫
[実施例20、21、比較例1−2]
スタンパーをシリコーンゴム、Ni電鋳品とし、プレス条件を表5に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
[参考例1−6]
加圧条件を減圧とした場合についても同様に製造して、転写結果を確認した。
結果を表5に示す。
Figure 2009083125
スタンパー内を加圧にしない、比較例1、2においては、凹部内の気泡を押し出すことができなかったため、ニードル先端部に気泡が残存しており、欠陥不良が生じていた。
また、参考例として、スタンパー内を減圧にして行った。減圧にした場合におおても、減圧力が高く、圧力の変化時間を長くすることにより、良好な転写結果を得ることができた。
≪試験例5:ニードルの先端Rと穿刺力≫
[実施例22]
Niからなる金属板に、ダイヤモンドバイトによる切削加工を行い、図3(a)における四角錘の形状部12が底面400μm、高さ1000μm、ピッチ1200μm、先端R15μmである四角錘アレイの形成された原版11を作成した。この原版11にシリコーンゴムを流し込み硬化させた、図3(c)に示す原版11とは反対形状のスタンパー13を作成した。このスタンパー13の側面にシリコーンゴムで形成されたスタンパー枠14を設置した。
次に、ゼラチンを水に溶かし、攪拌し膨張させた後、40℃に加熱・溶解させてゼラチン濃度20%のポリマー樹脂を溶解した溶液を作成した。この溶液をスピンコーターによりスタンパー13の凹凸の形成されている面に塗布した。この溶液には投与される薬品を適量混入した。その後、プレス機により0.5MPa、60℃、120秒のプレス条件で、スタンパー枠14内を加圧し、ポリマー樹脂をスタンパー13の凹部15に注入し、凹部15内の気体を除去した。
その後、15℃に冷風を20秒間与え、完全にゲル化させた後、50℃、相対湿度15%の温風を30分間与えて充分乾燥させ、固化した。次に、図6(b)に示すように粘着層の形成されている厚さ120μmのPETシートをスタンパー13上の固化した樹脂ポリマー19に付着させ、粘着させた後、固化した樹脂ポリマー19をめくるように剥離することにより、マイクロニードルシートを作成した。
[実施例23、24、比較例3]
先端Rの大きさを20μm(実施例23)、200μm(実施例24)、1000μm(比較例3)とした以外は、実施例22と同様の方法により製造した。
実施例22−24、比較例3のサンプルを擬似皮膚(シリコーンゴム)にニードル1本当たりの定荷重を与えて、ニードルが刺さるか判定した。結果を表6に示す。なお、穿刺結果は以下の基準により評価した。
○・・・皮膚穿刺力100g/本以上
△・・・皮膚穿刺力100g/本より大きく300g/本以下
×・・・皮膚穿刺力300g/本より大きい
Figure 2009083125
先端Rを20μm以下とすることにより、皮膚穿刺力が80g/本と良好な結果が得られた。また、先端Rが1000μmでは、ニードル は、シリコーンゴムに刺さらなかった。
マイクロニードルシートの角錐状の微小針の斜視図(a)および断面図(b)である。 マイクロニードルシートの円錐状の微小針の斜視図(a)および断面図(b)である。 スタンパーの製造方法の工程図である。 注入手段の斜視図である。 ポリマー溶液注入工程の工程図である。 マイクロニードルシートの剥離工程の工程図である。 注入手段の別の実施形態の斜視図である。
符号の説明
11…原版、12…円錐または角錐の形状部、13…スタンパー、14、34…スタンパー枠、15…凹部、16…ポリマー溶解液、17、37…プレス板、18…加熱手段、19…樹脂ポリマー、20…PETシート、21…注入手段、22…凸部(微小針)35…バネ

Claims (11)

  1. 微細な凹部アレイが形成されたスタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を、前記凹部アレイの凹部に注入し、前記凹部アレイを前記樹脂ポリマーに転写することにより、表面に前記凹部アレイの反転型である高アスペクト比構造の微細な凸部アレイが形成された機能性膜を製造する方法において、
    前記スタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を前記スタンパー側に加圧することにより、前記溶解液を前記スタンパーの凹部先端まで注入することを特徴とする機能性膜の製造方法。
  2. 前記機能性膜に形成される微細な凸部アレイの形状は、一辺又は直径が0.1〜1000μmの底面を有し、高さが0.3〜3000μmの角錐型又は円錐型であり、先端の曲率半径Rが300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の機能性膜の製造方法。
  3. 前記溶解液を加圧する加圧力は、0.1〜30MPaの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の機能性膜の製造方法。
  4. 前記溶解液を加圧している加圧時間は10秒以上であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  5. 前記スタンパーの側面周囲を囲むスタンパー枠を設け、該スタンパー枠を上からプレス板でプレスして前記スタンパー枠内を加圧状態に変化させることにより、前記溶解液を加圧することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の機能性膜の製造方法。
  6. 前記スタンパー枠の素材は、ヤング率1GPa以下の弾性素材であることを特徴とする請求項5に記載の機能性膜の製造方法。
  7. 前記スタンパーの素材は、気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材で構成されていることを特徴とする請求項1から6いずかに記載の機能性膜の製造方法。
  8. 微細な凹部アレイが形成されたスタンパーに塗布したポリマー樹脂の溶解液を、注入手段により前記凹部アレイの凹部に注入し、前記凹部アレイを前記樹脂ポリマーに転写することにより、表面に前記凹部アレイの反転型である高アスペクト比構造の微細な凸部アレイが形成された機能性膜を製造する装置において、
    前記注入手段は、
    前記スタンパーの側面を囲んで囲み空間を形成するとともに、外力により弾性可能なスタンパー枠と、
    前記スタンパー枠を上から前記スタンパー側にプレスして前記囲み空間の容積を減容することによりスタンパー枠内を加圧状態に変化させるプレス手段と、を備えたことを特徴とする機能性膜の製造装置。
  9. 前記スタンパーと前記スタンパー枠とは一体成形されていることを特徴とする請求項8に記載の機能性膜の製造装置。
  10. 前記注入手段には、前記スタンパーを加熱する加熱手段が設けられることを特徴とする請求項8または9に記載の機能性膜の製造装置。
  11. 前記スタンパーの素材は、気体透過性が1×10−12(mL/(s・m・Pa))より大きい素材で構成されていることを特徴とする請求項8から10いずれかに記載の機能性膜の製造装置。
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