JP2009240602A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】掃除機外へのオゾン漏洩量を抑えることで、掃除機内で高濃度のオゾンを発生させることを可能とし、掃除機内の衛生性を向上し、効果的にかつユーザに不快感を与えずに、蓄積される塵埃臭の脱臭並びに雑菌の繁殖・飛散防止を行える電気掃除機を提供する。
【解決手段】塵埃を吸引する吸込口体24と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部4と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部5と吸引口接続部2とを有する掃除機本体1と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路9の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部7とを備え、オゾン分解部6が、前記オゾン発生部7より上流側に設置される構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、オゾンにより掃除機内の脱臭・除菌を行い、掃除機内の衛生性を保つ機能を有する電気掃除機に関するものである。
電気掃除機は集塵部に塵埃を長期間蓄える。そのため、塵埃中に含まれる臭気および雑菌が掃除機内で繁殖し、掃除機内の衛生性が損なわれるとともに、起動時に排気流と共に排出され、臭いとしてユーザに不快感を与える。これらの低減方法の一つとして、たとえば、掃除機内でオゾンを発生させ、そのオゾンにより塵埃臭の防臭・雑菌繁殖の飛散防止を図った技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−325404号公報(第4頁、図2)
しかしながら、特許文献1に示されるようなオゾン発生器を有した電気掃除機は、排気口方向にオゾン分解触媒を配置しているのみで、オゾン発生部から吸引口あるいは吸込口までの間にはオゾン拡散を抑制する手段が搭載されていない。したがって、掃除機が停止している時に、掃除機内に蓄積された塵埃に対し脱臭・除菌のために必要な量のオゾンを発生させた場合、吸引口あるいは吸込口からオゾンが漏洩し、オゾン臭をユーザに感じさせることになり、不快感を与えてしまう可能性がある。また、オゾン漏洩を抑制するためにオゾン発生量を減らした場合、塵埃に対し十分な脱臭・除菌作用が得られず、排気臭気の増加に繋がり、ユーザに不快感を与えてしまうといった課題があった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、吸引口あるいは吸込口から掃除機外へ漏洩するオゾン漏洩量を抑えるようにしたものであり、それによって、塵埃臭気の蓄積が行われる掃除機の停止状態でも、より高濃度のオゾンを漏洩させることなく掃除機内で発生することを可能とし、掃除機内の衛生性を向上し、効果的に、かつユーザに不快感を与えずに、蓄積される塵埃臭の脱臭ならびに雑菌の繁殖・飛散防止を行える電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部とを備え、オゾン分解部が、前記オゾン発生部より上流側に設置されているものである。
本発明に係る電気掃除機は、塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部とを備え、オゾン分解部が、前記オゾン発生部より上流側に設置されているので、オゾンの上流部への流出を抑え、塵埃臭気の蓄積が行われる掃除機の停止状態でも、より高濃度のオゾンを漏洩させることなく掃除機内で発生することを可能とし、掃除機内の衛生性を向上し、効果的に、かつユーザに不快感を与えずに、蓄積される塵埃臭の脱臭ならびに雑菌の繁殖・飛散防止を行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気掃除機100の概略構成を示す斜視図である。図1に基づいて、電気掃除機100の概略構成について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
電気掃除機100は、塵埃等のゴミを吸引する吸込口体24をホースユニット20を介して掃除機本体1に接続し、吸引したゴミを集塵部4に捕集し、捕集されたゴミと分離した後の空気を掃除機本体1の排出口(図示せず)から排気するものである。
図1に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1と、掃除機本体1の前面に設けられた吸引口接続部2に着脱自在に装着されるホースユニット20とで構成されている。ホースユニット20は、吸引口接続部2に接続されるホース21と、先端側に設けられたハンドル部22と、ハンドル部22の先端側に接続されるパイプ(延長管とも呼ばれる)23と、パイプ23の先端に接続される吸込口体24とで構成されている。吸込口体24から吸い込まれた塵埃等のゴミを含む空気は、吸引接続部材であるパイプ23及びホース21を通過し、掃除機本体1へと吸い込まれるようになっている。また、ハンドル部22には、電源操作部25が設けられている。この電源操作部25には、図示省略の電源スイッチ等が設けられている。なお、本発明において、電気掃除機は必ずしも図1に示されるような形態をとる必要はなく、ホースユニット20、ホース21、ハンドル部22、パイプ23は必ずしも必要ではない。また、電源操作部25がハンドル部22に設けられている必要はなく、掃除機本体1に設けられていてもよい。
図2は、前記掃除機本体1の要部の内部構成を示す側面断面図(部分断面図)である。 掃除機本体1は、ホースユニット20が接続される吸引口接続部2と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部4と、吸込口体24に吸引風を発生する電動送風機からなる吸引動力部5とを上流側より順に備えている。ここで、図1に示す吸込口体24から吸引動力部5までが連通し通風路9(矢印で示す)となっており、吸引動力部5が起動することで、通風路9内を吸引風が流通し、集塵部4内に塵埃が捕集され、蓄積される構造となっている。従って、集塵部4内に長い間塵埃が蓄積されると、雑菌が繁殖し電気掃除機を使用した時に、塵埃から不快な臭気が発せられることになる。
吸引口接続部2には吸引口方向からオゾン分解部6およびオゾン発生部7を順に備えている。つまり、オゾン分解部6はオゾン発生部7より上流側に設けられている。オゾン発生部7から放出されたオゾンが吸引口方向へ流れた際にはオゾン分解部6によりオゾンを除去し、吸引口からのオゾン流出を抑制する構造となっている。オゾン発生部7は主に掃除機停止時に動作し、発生したオゾンにより、殺菌するとともに、集塵部4の塵埃から発生する不快な臭気を酸化し、低減する。ここで、殺菌に寄与せず、臭気と反応しなかったオゾンは掃除機本体1の外部に流出するが、そのオゾン流出過程においてオゾン分解部6と接触してオゾンを濃度が環境基準値以下(例えば、0.1ppm以下)になるように分解・除去することになる。なお、集塵部4は紙パックを内装可能な形状、サイクロン形状、またはサイクロン形状でありつつ紙パックも内装可能な形状であり、集塵部そのものが取り外せるのが望ましい。主として、紙パックが内装可能な形状である場合、ゴミの蓄積量は多いが交換が必要であるという欠点、サイクロン形状である場合、交換は不要だがゴミの蓄積量が少なくメンテナンス期間が短くなる欠点を有しており、ユーザが好みに応じて選択可能な形態が望ましい。
図3はオゾンの流出箇所を検証した結果を示すグラフである。ブランク、吸引口開放時、吸引口閉鎖時の3つのケースについて、オゾン濃度の経時変化を表したものである。ここで、ブランクというのは、掃除機とは関係なくオゾン発生器のみを使用した場合であり、吸引口開放時と吸引口閉鎖時は、同じオゾン発生器を掃除機本体内に設置して、吸引口接続部2の吸引口を開放状態にしたときとテープ等で閉鎖状態にしたときを表すものである。
図3から、掃除機停止時にオゾンを発生させた場合、オゾンの流出は主に吸引口から起こることが分かる。つまり、掃除機の排出口からはほとんど排出されないのである。従って、オゾン分解部6は吸引口方向すなわちオゾン発生部7より上流側に設ける方が有効となる。
図4はオゾン発生量に対するアセトアルデヒドの除去性能を示すグラフである。図4からオゾン濃度の増加に伴い、アセトアルデヒドの除去が促進されることが分かる。そこで、本実施の形態1では、オゾン分解部6をオゾン発生部7よりも吸引口方向すなわち上流側に設けることとしたものである。オゾン分解部6の設置位置は特に限定されるものではないが、吸引口接続部2に設置することが望ましい。また、オゾン分解部6は、少なくとも一面が通風路9の空気に接するように、すなわち吸引口接続部2の内周面に対面するように設置する。ここで、吸引口接続部2とは、必ずしもホースユニット20のホース21との接続部のみを意味するものではない。電気掃除機の形式によっては、例えばスタンド型の電気掃除機ではホースやパイプが無く、直接吸込口体が接続されるので、この場合は吸込口体との接続部を意味することになる。従って、吸引口接続部2に接続されるものは、ホースや吸込口体等を含めて「吸引接続部材」というものとする。
上記のように、オゾン分解部6をオゾン発生部7より上流側に設置することにより、オゾンの吸引口からの流出を抑制することができる。よって、吸引口から流出するオゾン濃度を増加させずに掃除機内のオゾン濃度を向上することが可能となり、掃除機内の不快臭を更に低減させることが可能となる。
オゾン分解部6は、板または繊維で構成され、オゾン分解性能を有する材質で構成されている、またはオゾン分解性能を有する粉や繊維、液体が塗布あるいは接着されたものである。このとき、粉や繊維、液体はオゾン分解性能と共に、脱臭性能も有することが望ましい。
図5はオゾンのみ、消臭剤のみ、およびオゾン+消臭剤を用いた際のTVOC(Total Volatile Organic Compounds:総揮発性有機化合物の総称)除去性能の経時変化を示す図である。オゾンのみでは酸化が気中のみでしか起こらないため、TVOCの除去性能は顕著には見られない。また、消臭剤のみでは吸着に限界があり、一定量の吸着反応の後には飽和してしまい、TVOC除去性能が得られなくなってしまう。これらに対し、オゾンと消臭剤を組み合わせたものでは、消臭剤の吸着性能を回復することができ、その性能を長期間維持することが可能となる。この効果は主として、オゾンが分解される際に発生するO(酸素)ラジカルによるTVOCの酸化による効果である。Oラジカルは短時間で酸素に還元されてしまうため、オゾン分解部と消臭剤が近接することが望ましい。従って、オゾン分解部6にオゾン分解性能のみならず脱臭性能を持たせることにより、掃除機内の更なる脱臭が可能となり、ユーザが使用する際の不快感の低減に繋がる。特に、活性炭や酸化マンガンといったオゾン分解を促し、かつ消臭性能が高い物質を用いることにより、本性能は顕著に現れ、これらを用いることが望ましい。さらに、オゾン分解部6が不織布状、ハニカム状またはコルゲート状に形成されていると、オゾン分解部6の表面積が増加するため、オゾン分解部6に塗布あるいは接着される粉や繊維、液体の量が増加し、性能が向上する。ただし、オゾン分解部6は粉や繊維、液体の剥離、埃の付着、臭気の吸着等の要因により、経年劣化を起こす可能性がある。そのため、オゾン分解部6よりも更に吸引口に近い位置に、オゾン濃度を検出するセンサーを設け、オゾン濃度が一定濃度を越えた際に、オゾン発生部7からのオゾン発生を停止させる制御を行うことが望ましい。
オゾン分解部6の経年劣化の抑制手段として、例えば、オゾン分解部やオゾン発生部と通風路の間に、金属や繊維で構成されるフィルタやメッシュを設置したり、オゾン分解部を吸引口接続部に設置し、ホース21(吸引接続部材の一例)を差し込んだ際に、オゾン分解部6と通風路の接続面がホース21の吸引口接続部2と接する外周面により覆われる形状としても良い。特に、ホース21の外周面でオゾン分解部6を覆うことによって、掃除機動作時は、オゾン分解部6は吸引動力部5により起こされる吸引風に晒されないため、前記粉や繊維、液体等の脱臭物質の剥離を抑制できるとともに、塵埃の付着も抑制可能となる。ただし、ホース21の接続時にはオゾン分解部6は効果を発揮できないため、吸込口体24と吸引口接続部2の間の体積を十分に確保するか、ホース21の接続時にはオゾンを発生させないよう制御することが望ましい。
オゾン発生部7は、図2に示すように、オゾン発生素子7aと、オゾン発生素子全体、または一部を内包する外郭(ケース)7bで形成されており、オゾンを排出する少なくとも一つの開口(オゾン排出口)7cを有する。オゾン発生素子には、コロナ放電を用いたもの、沿面放電を用いたもの、バリア放電を用いたもの、紫外線を用いたもの等が考えられるが、放電を用いたものを用いた場合、電極にかかる電圧によって静電気を帯びた塵埃がオゾン発生素子に付着し、異常放電を起こす可能性がある。従って、前記オゾン排出口7cに塵埃の付着を防ぐ除塵フィルタ3を設置しても良い。なお、オゾン分解部6およびオゾン発生部7は必ずしも吸引口接続部2に設置されている必要はないが、吸引動力部5よりも吸引口に近い位置にある必要があり、かつ、オゾン分解部6は、オゾン発生部7と集塵部4よりも吸引口に近い位置に設置する必要がある。排気時の不快臭は主に掃除機停止時に塵埃から発生した臭気が、起動と共に排出されるために発生する。従って、起動時の不快臭発生を効果的に抑制するにはオゾン発生部7を掃除機停止時に動作するのが望ましい。掃除機動作時にもオゾンを発生しても良いが、この場合、オゾンは排気に含まれるため、オゾン発生部7より排気側にも別にオゾン分解部を設置することが望ましい。
以上のように、本実施の形態1に係る電気掃除機は、塵埃を吸引する吸込口体24と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部4と吸込口体24に吸引風を発生する吸引動力部5と吸引口接続部2とを有する掃除機本体1と、吸込口体24と吸引動力部5を連通する通風路9の一部に設けられ、通風路9内にオゾンを発生するオゾン発生部7とを備え、オゾン分解部6を、オゾン発生部7より上流側に設置したので、オゾンの上流部への流出を抑え、塵埃臭気の蓄積が行われる掃除機が停止状態でも、より高濃度のオゾンを漏洩させることなく掃除機内で発生することを可能とし、掃除機内の衛生性が向上し、効果的に、かつユーザに不快感を与えずに、蓄積される塵埃臭の脱臭ならびに雑菌の繁殖・飛散防止を行うことができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。本実施の形態2は、オゾン分解部6の対面側に通風路9を挟んでファン8を設置した構成としたものである。
この構成によれば、ファン8を動作させることで、エアカーテンを作り出すとともに、エアカーテンを作り出す際に含まれるオゾンを強制的にオゾン分解部6に接触させ、外部へ流出するファン8からの風にオゾンが含まれないようにすることができる。そのため、オゾン流出が更に減少し、効果が高いものとなる。ただし、風を強制的にオゾン分解部6に接触させているため、掃除機内のオゾン損失も大きくなり、掃除機内のオゾン濃度は実施の形態1と比較し増加しにくい。ここにおいて、オゾン分解部6の表面に凹凸がある場合、またはメッシュ、ハニカム、コルゲート、繊維形状を有する場合、ファン8は吸引動力部5の動作時には動作させないほうが良い。ファン8が吸引動力部5の動作時に動作するとオゾン分解部6に、吸引されてきた埃が付着し、オゾン分解部6の表面を覆うため、オゾンの分解性能が低下することになる。これを防ぐためには、オゾン分解部6の前面に、またファン8側にも金属や繊維で構成される除塵フィルタ3を設置することが望ましい。これにより、オゾン分解部6やファン8への埃の付着を更に抑制できる。
また、図7に示すように、ホース21を差し込んだ際に、オゾン分解部6と通風路9の接続面がホース21の吸引口接続部2と接する外周面により覆われる構成としてもよい。なお、図7において、10はパッキン等からなるシール部材である。
このように構成することで、ホース21があるときは、オゾン分解部6とファン8とに埃が付着することがなくなる。ただし、このとき、ホース21が無いときに吸引動力部5が動作すると埃が付着する可能性があるため、ホース21が接続されているときのみ吸引動力部5が動作するように制御されていることが必要である。また、ホース21が接続されている際は、オゾン分解部6の効果が得られないため、オゾン発生量をホース21の容積に応じた量に調整する必要がある。
ファン8は、必ずしも通風路9に対し垂直方向に送風する必要はなく、角度を有していても良い。ただし、集塵部4の方向かつ吸引口接続部2と逆方向に傾きを有する必要がある。この傾きが吸引口接続部2の方向であった場合、掃除機内の空気を外部へと排出することとなり、排気はオゾンと共に塵埃臭を吸引口から排出を促進する可能性がある。
図8、図9、図10は図6のa−a断面図である。図8はオゾン分解部6が板状である場合の構造の一例、図9、図10はオゾン分解部6が通気性を有する場合の構造の一例を表すものである。
図8に示すオゾン分解部6の構造は、通風路9を挟んでオゾン分解部6と対向する位置にファン8を設置し、オゾン分解部6とファン8との間に、内部が通風路9に連通する(通風路9の一部となる)円筒部材からなる通風部材12を設置し、ファン8の吸気側が通風路9に連通するとともに、ファン8からの送風が循環する循環風路11を通風部材12とファン8との間に形成したものである。通風部材12の一方の側面にはオゾン分解部6が取り付けられ、他方の側面には吸気口13a、13bと排気口14とが設けられている。また、オゾン分解部6が取り付けられる通風部材12の取付面には一つまたは複数の通気口(図示せず)が設けられている。吸気口13a、13bはファン8の吸気側に設けられたコ字状の吸入風路15に連通している。
この構成によれば、ファン8は通風路9内の空気を吸入するとともに、対面側のオゾン分解部6に向かって送風する。送風された風は矢印で示すように、いわば噴水式のように通風部材12内で循環を繰り返す。
図9に示すオゾン分解部6の構造は、通気性を有するオゾン分解部6とファン8の周りに、内側ケース16aと外側ケース16bとからなる循環風路11を形成したものである。内側ケース16aは内部が通風路9に連通する(通風路9の一部となる)通風部材となっている。
また、図10に示すオゾン分解部6の構造は、図8に示した構造の変形例であり、通風部材12に取り付けられたオゾン分解部6およびその取付部が通気性を有するものとなっている。また、このオゾン分解部6の通風路9の空気と接しない背面側には閉鎖された閉鎖空間17が設けられており、ファン8から送風され、オゾン分解部6を通過した空気はこの閉鎖空間17内で折り返し、再びオゾン分解部6を通過して循環する構成となっている。
以上の図8から図10に示した3つの例は、いずれも、ファン8で起こる風は矢印のように循環するため、掃除機内の空気の吸引を少なく抑え、オゾン損失を抑制しつつ、オゾン流出を防ぐことが可能である。また、図8のような構造ではオゾン分解部6が通風路9に合った形状であるため、ファン8による風が通風路全面に広がりやすいといった特徴があり、図9のような構造では通風路9内のファン8からの風は一方向に直進するのみであり、通風路9内で乱流を起こしにくく掃除機内の空気を取り込みにくいといった特徴がある。また、図10のような構造ではオゾン分解部6の通風路9側の面と反対面にある閉鎖空間17内で、乱流を作りやすく、空気の滞留時間が長くなるため、オゾンの分解が促進されるといった特徴を有する。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。
本実施の形態3は、図11に示すように、ファン8の通風路9側の面と反対側の裏面に、外気を吸引する吸気口18を設置し、オゾン分解部6の通風路9側の面と反対側の裏面に、送風された風を外気へ排出する排気口19を設置している。
このような構成にすることで、掃除機内の空気を動かさずに、オゾン流出を抑制することが可能である。これにより、オゾン分解部6でのオゾン損失を、実施の形態1に係る電気掃除機よりも少なく抑えることができる。ここにおいて、必ずしもファン8の裏側、オゾン分解部6の裏側の両方に吸気口18あるいは排気口19を有している必要はないが、いずれか片方であった場合、両方に開口が設置された状態よりも掃除機内の空気は攪拌され、オゾン損失量が増加する。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。
本実施の形態4は、図12に示すように、ファン8よりオゾン分解部6へと送風された風が、オゾン発生部7と、集塵部4を順に通過し、集塵部4と吸引動力部5の間に位置する吸気口32へと流れ、ファン8を通過し、再度オゾン分解部6へと送風される循環風路31を構成するものである。ここで、オゾン分解部6は通気性を有しており、その背面側は通気口33を介してオゾン発生部7と連通する風路が形成されている。また、この通気口33はオゾン発生部7の空気吸気口を形成している。
この構成によれば、オゾン発生部7から発生したオゾンを集塵部4へと効率良く導くことが可能となるとともに、オゾンを、オゾン分解部6にて、確実に処理することができる。なお、図13のようにオゾン発生部7を集塵部4と吸引動力部5の間に設置し、集塵部4よりも吸引口接続部2に近い位置にファン8の吸気口を設置しても同様の効果が得られる。
このとき、ファン8の吸気口から入る吸気風には集塵部4に蓄積された塵埃の一部が含まれる可能性があるため、吸気風路31aには金属メッシュや不織布で構成される除塵フィルタ3が設置されていることが望ましい。また、吸引動力部5が動作している際に吸引風に含まれる塵埃が吸気風路や排気風路に入り込む可能性があるため、ファン8、吸引動力部5、またはその両方の動作による圧力変化により開閉する差圧弁(図示せず)や、ファン8、吸引動力部5、またはその両方の動作と連動して開閉するよう制御された電磁弁(図示せず)を吸気風路、排気風路またはその両方に設置することが望ましい。
実施の形態5.
図14は、本発明の実施の形態5に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。
本実施の形態5は、図14に示すように、ファン8の吸気風路内にオゾン分解部6を設け、循環風路31を一つとしたものである。すなわち、ファン8の排気風路は、オゾン発生部7を経由させずに通風路9で兼用する構成である。これにより、実施の形態4と比較して、より省スペースでオゾン流出を抑制することができる。なお、ここにおいて、吸引口接続部2の吸引口からのオゾン流出を避けるため、ファン8はオゾン発生部7および集塵部4よりも吸引口方向に位置する必要がある。なお、本実施の形態5においても、実施の形態4と同様、差圧弁や電磁弁、除塵フィルタを循環風路内に設置しても良い。
ただし、本実施の形態5においては、オゾン分解部6がファン8の吸気風路内に設置されており、ファン8が動作している間しかオゾン流出を抑制することができないため、ファン8が動作していない時はオゾン発生部7が動作しないよう制御されている必要がある。
実施の形態6.
図15は、本発明の実施の形態6に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。
本実施の形態6は、図15に示すように、吸引口接続部2と集塵部4の間にオゾン発生部7を備え、前記通風路9内にオゾンを発生させることが可能な構造とし、オゾン発生部7と吸引口接続部2の間に、吸引風と垂直に通風路9を塞ぐように送風を行うファン8を備え、さらにオゾン分解部6よりも吸引口接続部2の吸引口に近い位置にオゾン濃度検出部35を搭載することで、オゾン発生部7の経年劣化によるオゾン発生量の低下を、オゾン流出濃度から検知することができるようにしたものである。
この構成によれば、オゾン流出濃度が規定濃度以下になった際にファン8の動作を止めることができ、無駄な電力消費を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る電気掃除機の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係る掃除機本体の要部の内部構成を示す側面断面図である。 オゾンの流出箇所を検証した結果を示すグラフである。 オゾン発生量に対するアセトアルデヒドの除去性能を示すグラフである。 オゾンのみ、消臭剤のみ、およびオゾン+消臭剤を用いた際のTVOC除去性能の経時変化を示すグラフである。 実施の形態2に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。 実施の形態2に係る電気掃除機にホースを差し込んだ時の形態の一例を示す側面断面図である。 図6のa−a断面の形状の一例を示す図である。 図6のa−a断面の形状の一例を示す図である。 図6のa−a断面の形状の一例を示す図である。 実施の形態3に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。 実施の形態4に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図の一例である。 実施の形態4に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図の一例である。 実施の形態5に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。 実施の形態6に係る電気掃除機の掃除機本体の要部の側面断面図である。
符号の説明
1 掃除機本体、2 吸引口接続部、3 除塵フィルタ、4 集塵部、5 吸引動力部、6 オゾン分解部、7 オゾン発生部、7a オゾン発生素子、7b ケース、7c オゾン排出口、8 ファン、9 通風路、10 シール部材、11 循環風路、12 通風部材、13a、13b 吸気口、14 排気口、15 吸入風路、16a 内側ケース、16b 外側ケース、17 閉鎖空間、18 吸気口、19 排気口、20 ホースユニット、21 ホース、22 ハンドル部、23 パイプ、24 吸込口体、25 電源操作部、31 循環風路、32 吸気口、33 通気口、35 オゾン濃度検出部、100 電気掃除機。

Claims (28)

  1. 塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部とを備え、
    オゾン分解部が、前記オゾン発生部より上流側に設置されていることを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記オゾン分解部は、少なくとも一面が前記通風路の空気と接するように設置されていることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 前記通風路を挟んで前記オゾン分解部と対向する位置に、外気を吸入し前記オゾン分解部に向かって送風するファンを設置したことを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
  4. 前記オゾン分解部が通気性を有し、前記オゾン分解部の前記通風路の空気と接する面の裏側に排気口を有する風路を設け、前記ファンが前記オゾン分解部に向けて送風した空気を外気へ排出する構成となっていることを特徴とする請求項2または3記載の電気掃除機。
  5. 前記通風路を挟んで前記オゾン分解部と対向する位置に、前記通風路と連通する循環風路と、前記循環風路内に、前記通風路の空気を吸気し、前記オゾン分解部に向かって送風するファンを設置したことを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
  6. 前記オゾン発生部が前記集塵部と前記オゾン分解部との間に設置されており、前記循環風路の吸気口が前記集塵部と前記吸引動力部との間に設置されていることを特徴とする請求項5記載の電気掃除機。
  7. 前記オゾン分解部が通気性を有することを特徴とする請求項5または6記載の電気掃除機。
  8. 前記オゾン発生部がオゾン発生素子とこれを保護するケースとから構成されており、前記通風路に向かってオゾンを排出するオゾン排気口および空気吸気口を有し、前記オゾン分解部が通気性を有し、かつ前記オゾン分解部の前記通風路と接しない面側に、前記空気吸気口に連通する風路を設けたことを特徴とする請求項5または6記載の電気掃除機。
  9. 前記通風路を挟んで前記オゾン分解部と対向する位置にファンを設置し、前記オゾン分解部と前記ファンとの間に内部が前記通風路に連通する通風部材を設置し、前記ファンの吸気側が前記通風路に連通するとともに、前記ファンからの送風が循環する循環風路を前記通風部材と前記ファンとの間に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
  10. 前記オゾン分解部が前記通風部材に取り付けられる取付面に一つ以上の通気口を設けたことを特徴とする請求項9記載の電気掃除機。
  11. 前記オゾン分解部が通気性を有し、前記循環風路を形成する前記通風部材が内側ケースと外側ケースとから構成されていることを特徴とする請求項9または10記載の電気掃除機。
  12. 前記オゾン分解部の前記通風路と接しない面側に、閉鎖された空間を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の電気掃除機。
  13. 前記オゾン発生部が前記集塵部と前記吸引動力部との間に設置されており、前記通風路を介して前記循環風路の排気口と前記オゾン分解部の前記通風路と接しない面側とを連通する風路を設けたことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の電気掃除機。
  14. 前記風路内に、前記吸引動力部の動作によって生じる圧力変化により開閉する弁を備えることを特徴とする請求項4、8、または13記載の電気掃除機。
  15. 前記風路に、前記オゾン発生部に連動して動作するように電気的に制御された弁を備えることを特徴とする請求項4、8、または13記載の電気掃除機。
  16. 前記オゾン分解部が、前記吸引口接続部に設置されており、前記吸引口接続部の接続時に、ホース等の吸引接続部材により覆われる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電気掃除機。
  17. 塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部と、前記通風路内に排気口と吸気口を有する循環風路と、前記循環風路内に設置された、ファンおよびオゾン分解部とを備え、
    前記排気口と前記オゾン発生部と前記集塵部と前記吸気口が順に設置されていることを特徴とする電気掃除機。
  18. 塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部と、前記通風路内に排気口と吸気口を有する循環風路と、前記循環風路内に設置された、ファン、オゾン分解部およびオゾン発生部とを備え、
    前記オゾン分解部の下流側に前記オゾン発生部が設置され、前記排気口と前記集塵部と前記吸気口が順に設置されていることを特徴とする電気掃除機。
  19. 前記排気口または前記吸気口の一方が、前記吸引口接続部と一体となっており、前記吸引口接続部の接続時に、ホース等の吸引接続部材により覆われる構成となっていることを特徴とする請求項17または18記載の電気掃除機。
  20. 塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部と、前記通風路内に排気口と吸気口を有する循環風路と、前記循環風路内に設置された、ファンおよびオゾン分解部とを備え、
    前記オゾン発生部と前記集塵部よりも前記吸引口接続部の吸引口に近い位置に前記排気口と前記吸気口が設置され、かつ前記排気口と前記吸気口が前記通風路を挟んで対面に位置することを特徴とする電気掃除機。
  21. 前記排気口または前記吸気口が、前記吸引口接続部と一体となっており、前記吸引口接続部の接続時に、ホース等の吸引接続部材により覆われる構成となっていることを特徴とする請求項20記載の電気掃除機。
  22. 前記循環風路内に、前記ファンの動作による圧力変化によって開く一つ以上の弁を備えることを特徴とする請求項5、6、9、10、11、12、13、または請求項17乃至21のいずれかに記載の電気掃除機。
  23. 前記循環風路内に、前記オゾン発生部に連動して動作するように電気的に制御された弁を備えることを特徴とする請求項5、6、9、10、11、12、13、または請求項17乃至22のいずれかに記載の電気掃除機。
  24. 前記オゾン分解部が、臭気を吸着、分解あるいはその両方を行う脱臭性能を有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の電気掃除機。
  25. 前記オゾン分解部が活性炭を有することを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の電気掃除機。
  26. 前記オゾン分解部よりも前記吸引口接続部の吸引口側にオゾン濃度検出器を備え、経年変化により前記オゾン分解部が劣化し、前記吸引口に到達するオゾン濃度が規定濃度を超えた際に前記オゾン発生部を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の電気掃除機。
  27. 塵埃を吸引する吸込口体と、吸引された塵埃を捕集し蓄積する集塵部と前記吸込口体に吸引風を発生する吸引動力部と吸引口接続部とを有する掃除機本体と、前記吸込口体と前記吸引動力部を連通する通風路の一部に設けられ、前記通風路内にオゾンを発生するオゾン発生部と、前記オゾン発生部と吸引口接続部の間に、吸引風と垂直に前記通風路を塞ぐように送風を行うファンとを備え、
    前記オゾン発生部よりも前記吸引口接続部の吸引口に近い位置にオゾン濃度検出器を搭載し、前記オゾン発生部の経年変化によるオゾン発生量の低下を、オゾン流出濃度から検知し、オゾン流出濃度が規定濃度以下になった際に前記ファンの動作を停止する制御を行うことを特徴とする電気掃除機。
  28. 前記オゾン発生部は、前記吸引動力部の起動停止時に、オゾンを発生する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の電気掃除機。
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