JP2009236944A - 電子楽器用鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍵の傾きの正確な矯正を容易に行なうことができ、材料が金属に限定されない鍵ガイドを備えた電子楽器用鍵盤装置を提供する。
【解決手段】鍵を上下方向に案内する鍵ガイド40,50が鍵の先端側と後端側に配置されており、後端側の鍵ガイド40は、鍵フレームに固定され鍵の中空部内に延びた支持体41と、該支持体に異なる高さで支持され鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体421,422とを備え、該接触体は少なくとも一方が鍵幅方向に位置調整可能とされている電子楽器用鍵盤装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子楽器のための鍵盤装置に関する。
電子楽器用鍵盤装置においては、通常、鍵が、上壁と前壁と側壁とで囲まれた中空部を有し、後部を回動支点により支持され、前寄り部分を鍵ガイドによりガイドされて、上下方向に回動するようになっている。鍵ガイドは、鍵フレームから鍵の中空部内に延び、鍵の側壁内面に接触するように配置され、鍵が左右方向に振れるのを防止して上下動をガイドする。
しかしながら、このような鍵ガイドでは、演奏者側から鍵長手方向に見たときの鍵の傾き(左右方向への傾き)を防止することはできなかった。特に、鍵盤楽器の鍵は、図1に示すように、白鍵と黒鍵からなり、白鍵は黒鍵との位置関係によって平面形状が異なっている。すなわち、図1の下部に示した音名で示すと、D,G,Aの鍵は左右ほぼ対称形状、E,Bの鍵は左側に黒鍵配置用の凹部が形成される左右非対称形状、C,Fの鍵は右側に黒鍵配置用の凹部が形成される左右非対称形状となっている。これらの鍵を樹脂で射出成形すると、成形品は冷却固化する間に、各部分での収縮率の差から歪が生じる。その結果、白鍵を音名順に並べると、鍵の上面の傾きが不揃いになってしまう。図2は、白鍵W及び黒鍵Bの前端面を表しており、白鍵Wが傾いている様子を示している。
これに対処すべく種々の手段が提案されている。特許文献1に記載の鍵ガイドは、各鍵に対応して鍵フレーム(鍵盤シャーシ)の前端からの突出片を上方へ折り曲げて差し込み部を形成し、これにガイド材を差し込んで鍵ガイドを構成するものであり、黒鍵には1つの鍵ガイド、白鍵には2つの鍵ガイドを設ける。白鍵の傾きの矯正は、2つの差し込み部を変形させて傾斜を変えることにより行なわれる。
特許文献2の鍵ガイドは、鍵の後端部に上下方向に延びる溝を形成し、鍵フレーム(鍵盤シャーシ)に該溝に遊嵌するガイドピンを鍵の後方から前方に向けて挿入し、ガイドピンの向きを変えることにより、鍵の左右への傾きを調整するものである。
特許文献3に記載の鍵ガイドは、鍵フレームから起立するガイド片に、該ガイド片の受け入れ穴を有したキャップを被せ、このキャップで鍵の側壁内面をガイドするようにしたものであり、受け入れ穴を偏心させたキャップを用意して鍵の歪みに適合したキャップを選択したり、受け入れ穴を大きくし左右方向に位置調整可能にすることにより、鍵の並びを整えるものである。
特開平8−179758号公報 実公平7−43757号公報 特許第3702874号公報
しかしながら、特許文献1の鍵ガイドは、板金の突出片を上方へ曲げて形成された差し込み部を塑性変形させて傾きの調整を行なうものであり、塑性変形は差し込み部の根元で行なう一方、鍵をガイドするのは差し込み部に差し込まれるガイド材の上端であるので、変形箇所とガイド箇所が離れており、正確な調整を行ない難い。また、材料が板金のものに限定される。特許文献3の鍵ガイドも、向きが相違するものの、ガイドピンの根元での変形でピン先端のガイド位置を変えるものなので、変形箇所とガイド箇所が離れており、正確な調整を行ない難い。また、ガイドピンは金属製のものに限定される。特許文献3の鍵ガイドは、ガイド片に対する受け入れ穴の位置で調整を行なうので、左右方向への位置調整しかできず、鍵の傾きの調整を行なうことはできない。このように、従来の鍵ガイドでは、鍵の傾きの矯正を正確に行なうことが困難であった。
本発明は、このような問題を解決し、鍵の傾きの正確な矯正を容易に行なうことができ、材料が金属に限定されない鍵ガイドを備えた電子楽器用鍵盤装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、回動支点を中心に上下に回動可能とされた鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、前記鍵ガイドは、鍵の先端側と後端側に配置されており、後端側の前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた1つの支持体と、該支持体に異なる高さで支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、これらの接触体は少なくとも一方が鍵幅方向に位置調整可能とされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置を提供するものである。
本明細書及び特許請求の範囲においては、電子楽器及びその鍵盤装置における演奏者に近い方を前方、遠い方を後方と称することとする。
(1)本発明に係る電子楽器用鍵盤装置は、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドが、鍵の先端側と後端側に配置されており、後端側の前記鍵ガイドは、鍵フレームに固定され鍵の中空部内に延びた支持体と、該支持体に異なる高さで支持され鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、これらの接触体は、少なくとも一方が鍵幅方向に位置調整可能とされている。したがって、異なる高さに位置する接触体の少なくとも一方を鍵幅方向に位置調整することにより、鍵の傾きを解消するように鍵側壁に対する接触位置を上下の接触体で異ならせ、これにより鍵の傾きを矯正することができる。この矯正は、鍵への接触箇所そのものの位置を変更して行なわれるので、調整を容易に且つ正確に行なうことができる。また、支持体に対して少なくとも一方の接触体を位置調節可能に支持すればよいので、材料は金属に限定されず、プラスチック等の種々のものを使用することができる。
鍵ガイドは、上下動する鍵の上壁に当接しない高さとする必要がある。本発明に係る鍵盤装置は、鍵の傾き調整を行なう鍵後端側の鍵ガイドは、鍵の回動支点に近いので、前端側の鍵ガイドより高くまで延ばすことができる。したがって、2つの接触体の上下間隔を大きくとることができ、その結果、2つの接触体が鍵に与える傾き矯正のためのモーメントを大きくすることができる(或いは、同じモーメントでも接触体が鍵から受ける力を小さくすることができる)。これにより、鍵の傾き矯正を効果的に行なうことができる。
また、傾き矯正のための2つの接触体を後端側の鍵ガイドに設けているので、これらの接触体が鍵側壁に接触することにより鍵の回動時に与える抵抗モーメントは、小さくなる。これは、接触体の接触による摩擦力の作用点が鍵の回動支点に近く、その分、モーメントの腕の長さが短くなるからである。これにより、良好なタッチ感が保障される。
(2)上記(1)の電子楽器用鍵盤装置は、前記2つの接触体の内、一方が前記支持体に固定され、他方が支持体に対し位置調節可能とされたものとすることができる。このように、接触体の一方を固定することにより、調整は他方の接触体のみで行なえばよく、その調整中に一方の接触体が動いてしまうこともないので、調整作業がより容易となる。
(3)上記(1)または(2)の電子楽器用鍵盤装置は、鍵後端側の鍵ガイドにおける前記2つの接触体の一方が、前記鍵の側壁に係合して回動支点を形成しているものとすることができる。これにより、回動支点を別個に設ける場合に比べて部品点数を減らし、これに伴って作業性を向上させることができると共に、鍵の内部スペースの利用が効率的となる。また、回動支点において鍵側壁に接する接触体により幅方向の位置決めが行なわれるので、この鍵ガイドを各鍵に設けることにより、鍵の並び間隔が適切化される。回動支点を形成する接触体を鍵幅方向に位置調節可能とすれば、鍵の並び方向の間隔の調整を行なうこともできる。さらに、回動支点の位置では、鍵はほとんど上下動しないので、鍵長手方向の位置の中では鍵ガイドを最も高くすることができ、2つの接触体の上下間隔を大きくとって傾き矯正のためのモーメントを大きくすることができる(或いは、同じモーメントでも接触体が鍵から受ける力を小さくすることができる)。これにより、鍵の傾き矯正をより効果的に行なうことができる。
(4)上記(1)〜(3)の電子楽器用鍵盤装置は、鍵後端側の前記鍵ガイドが、鍵の見え掛かり部分より後方に位置しているものとすることができる。鍵は見え掛かり部分より後方では楽器の外装部品に覆われる。したがって、見え掛かり部分より後方に傾き矯正のための鍵ガイドを設ければ、接触体と鍵側壁との接触時の音は、外装部品で遮られ、演奏者に届き難くなり、雑音が低減する。
(5)上記(1)〜(4)の電子楽器用鍵盤装置は、先端側の前記鍵ガイドが、前記鍵の中空部内に延び、鍵の両側の側壁内面に対する接触箇所が相互に同じ高さとされたものとすることができる。このようにすれば、先端側の鍵ガイドは鍵の傾き方向に対する力をほとんど作用させることなく、鍵を上下方向に案内することとなる。その結果、後端側の鍵ガイドは、先端側の鍵ガイドから鍵捩れ方向の力を受けることなく傾きの矯正を行なうことができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の一部を示す縦断側面図であり、図4はその平面図、図5は図4のV−V線に沿う切断端面図である。これらの図は、鍵ガイドの構造を説明するための要部を抽出して示している。なお、図4では、図5に表された2つの白鍵及び1つの黒鍵のみを示している。
この実施形態に係る鍵盤装置は、鍵10と、楽器本体に設置され鍵10を支持する鍵フレーム20と、鍵の後端部を回動可能に支持する回動支点30と、鍵を上下方向に案内する鍵ガイド40,50とを備えている。鍵には、白鍵10Wと黒鍵10Bとがあるが、いずれも上壁11と前壁12と側壁13とで囲まれた中空部14を有している。
鍵10にはさらに、やや後方寄りに下方へ延びる突起17が設けられ、鍵フレーム20にはその下方にスイッチ71が取り付けられている。また、鍵10には、側壁13の前寄り部分から下方へ延びるフック部18が設けられており、鍵フレーム20には該フック部を通す開口部が形成されている。鍵フレーム20には、フック部先端の爪部180が当接する箇所に緩衝部材21、鍵が下降時に当接する箇所に緩衝部材22が取り付けられている。
以下では、白鍵10Wの鍵ガイドについて説明し、黒鍵10Bの鍵ガイドについては、白鍵のものと同様の構造であるので共通の事項については説明を省略する。
白鍵10Wには、先端側の鍵ガイド50、及び後端側の鍵ガイド40が配置されている。図6は、後端側に位置する鍵ガイド40を鍵の断面と共に示している。鍵ガイド40は、回動支点30に近い位置で鍵フレーム20に固定され鍵の中空部内に延びた棒状の支持体41と、該支持体に異なる高さで支持された2つの接触体421、422とを備えている。支持体41を鍵フレーム20に固定するには、ねじ止め、接着、溶接等の適宜の手段を用いることができ、或いは、板金、樹脂等により鍵フレームと支持体とを一体のものとして製造することもできる。接触体421、422は、円柱の両端部を半球面とした形状を有している。支持体41には左右方向(鍵の幅方向)に延びる貫通孔が形成され、接触体421、422がその貫通孔に挿入されている。各接触体の長さは、鍵側壁内面に近接してガイド機能を奏するように、白鍵10Wの側壁内面の離反距離より僅かに小さくなるように決められる。支持体41の貫通孔と接触体421、422とは緊く嵌合しており、支持体41の貫通孔に対して接触体は移動可能であるが、移動後の通常の楽器の使用時には位置が保持される。支持体41に対する接触体の位置調整は、例えば、ペンチ型の2本の交差レバーを有した工具を用いて行なうことができる。
先端側の鍵ガイド50は、支持体51に接触体52を設けたものである。支持体51及び接触体52は、各々の形状が鍵ガイド40のものと同様であるが、接触体52は1つのみであり、支持体51に固定されている。これらの鍵ガイド40,50は、押鍵により鍵10の上壁11に接触しないように高さが決められる。
鍵ガイド40によれば、次のようにして鍵の傾きを矯正することができる。図6は、鍵及び鍵ガイド部の縦断正面図であり、一点鎖線が矯正前の鍵の外形を示し、実線が矯正後の鍵の状態、すなわち、鍵上面が同一平面上に並んでいる状態を示している。図における左側の白鍵10WLは、上壁11に対して側壁13が傾斜した形状に成形されたものである。鍵を鍵フレームに装着した際、矯正前は、接触体421、422が支持体41から左右へ同じ距離突出する状態となっており、その結果、側壁13が鉛直方向に延びるように鍵がガイドされ、鍵上面は右側が下がるように傾いていた。これに対して、下方の接触体422を距離d1だけ右方へ移動させる調整を行ない、その結果、側壁13は鉛直方向から傾くが、上面は水平となった。
右側の白鍵10WRは、側壁13の厚さが均一ではなく、外面は上壁11に対して垂直となっているが、内面は上から下に行くに従って左方へ傾斜した形状に成形されたものである。鍵を鍵フレームに装着した際、矯正前は、接触体421、422が支持体41から左右へ同じ距離突出する状態となっていた結果、側壁13の内面が鉛直方向に延びるように鍵がガイドされ、鍵上面は左側が下がるように傾いていた。これに対して、上方の接触体421を距離d2だけ右方へ移動させる調整を行ない、その結果、上面は水平となった。
このように、この鍵ガイド40によれば、様々な成形時の歪に起因する鍵の傾きに対して、矯正をすることができる。
また、先端側の鍵ガイド50は、接触体52は1つのみであり、支持体51に固定されている。したがって、鍵ガイド50は鍵の傾き方向に対する力をほとんど作用させることなく、鍵を上下方向に案内することとなる。その結果、後端側の鍵ガイド40は、先端側の鍵ガイド50から鍵捩れ方向の力を受けることなく傾きの矯正を行なうことができる。鍵ガイド50の接触体52は、支持体51に固定せず、鍵幅方向に移動可能としてもよい。これにより、鍵先端側を鍵並び方向に位置調節することができる。この場合は、接触体52を支持体51の貫通孔に緊く嵌合させ、該貫通孔に対して移動可能であるが、移動後の通常の楽器の使用時には位置が保持されるようにするなど、移動後の位置が保持されるようにする。
黒鍵10Bにも同様に鍵ガイド40’、50’が設けられている。これらの鍵ガイドは、黒鍵10Bの側壁内面間の距離に応じて接触体の長さが決められている以外は、白鍵10Wのための鍵ガイド40,50と同じ構造であり、同様に機能する。
図7は、本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の一部を示す縦断側面図であり、図8はその平面図、図9は図8のIX−IX線に沿う切断端面図である。これらの図は、鍵ガイドの構造を説明するための要部を抽出して示している。なお、図8では、図9に表された2つの白鍵及び1つの黒鍵のみを示している。
ここでも、白鍵10Wの鍵ガイドについて説明し、黒鍵10Bの鍵ガイドについては、白鍵のものと同様の構造であるので共通の事項については説明を省略する。
この実施形態では、黒鍵後端位置よりやや後方に鍵ガイド40が配置されている。鍵ガイド40の基本的な構造は、図3から図6に示したものと同様であるが、この実施形態においては、2つの接触体421、422の内の一方が支持体41と一体に形成され、支持体41に対して固定状態とされている。図10は、鍵及び鍵ガイド部の縦断正面図であり、後端側に位置する鍵ガイド40の2種類の形態を鍵の断面と共に示している。ここでは、支持体41と一体化する接触体の2種類の例を示しており、図における左側の鍵ガイド40Lでは上側の接触体421、右側の鍵ガイド40Rでは下側の接触体422が支持体41と一体化している。固定する接触体は、上方または下方のものに統一することも勿論可能である。
これらの鍵ガイドにより鍵の傾きを矯正するには、左側の鍵ガイド40Lでは下側の接触体422、右側の鍵ガイド40Rでは上側の接触体421の位置を調整すればよい。このように、接触体の一方を固定することにより、調整は他方の接触体のみで行なえばよく、その調整中に一方の接触体が動いてしまうこともないので、調整作業がより容易となる。特に、下方の接触体を固定し、操作を及ぼしやすい上方の接触体で鍵の傾きを矯正するようにすれば、作業がより容易となる。
また、鍵ガイド40は、黒鍵後端位置よりやや後方に配置されているので、楽器の外装部品で覆われた状態となっている。その結果、接触体と鍵側壁との接触時の音は、外装部品で遮られ、演奏者に届き難くなり、雑音が低減する。この効果を得るには、鍵ガイド40を見え掛かり部分64より後方に配置すればよい。見え掛かり部64は、電子楽器の組立て状態において、鍵盤を露出させたときに外部から見える部分であり、通常は白鍵の前端下部の位置から黒鍵の後端位置までの範囲がこれに相当する。
黒鍵10Bは、見え掛かり部分が押鍵用の隆起部63となっているので、鍵ガイド40は、隆起部63より後方に配置すればよい。
図11は、本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の一部を示す縦断側面図であり、図12はその平面図、図13は図12のXIII−XIII線に沿う切断端面図である。これらの図は、鍵ガイドの構造を説明するための要部を抽出して示している。なお、図12では、図13に表された2つの白鍵及び1つの黒鍵のみを示している。
ここでも、白鍵10Wの鍵ガイドについて説明し、黒鍵10Bの鍵ガイドについては、白鍵のものと同様の構造であるので共通の事項については説明を省略する。
この実施形態では、鍵後端側の鍵ガイド40が、図1の実施形態における回動支点30の位置に設けられており、2つの接触体421、422の内、下方の接触体422が、鍵の側壁13に係合して回動支点を形成している。
図14は、鍵及び鍵ガイド部の縦断正面図であり、鍵ガイド40の2種類の形態を鍵の断面と共に示している。この鍵ガイド40の基本的な構造は、図3から図6に示したものと同様であるが、下方の接触体422は、上方の接触体421より端面の球状面の曲率半径が大きくされており、鍵の両側壁13には、該端面の中央部を受け入れる貫通孔131が形成されている。これにより、鍵10は、接触体422を中心に回動可能となる。
図14は、2つの接触体421、422の内の一方が支持体41と一体に形成され、支持体41に対して固定状態とされる形態を示している。図における左側の鍵ガイド40Lでは上側の接触体421、右側の鍵ガイド40Rでは下側の接触体422が支持体41と一体化されている。なお、固定する接触体は、上方または下方のものに統一することも勿論可能である。
下方の接触体422は、貫通孔131との接触面積を大きくし、回動中心としての支持構造を堅固にするために、貫通孔131との接触部分の径を大きくするのが望ましい。このため、鍵ガイド40Rの接触体422は、径の大きい柱状とされている。また、鍵ガイド40Lの接触体422は、軸部422aと、その両端の接触部422bにより形成され、軸部422aは、支持体41の貫通孔に通すことができるように径が小さくされ、接触部422bは径の大きな円板にして鍵の側壁13との接触面積を大きくしている。
より好ましくは、図15に示すように、下方の接触体42は、支持体側壁との2つの接触面が、1つの球面における相互に対向する面(曲率半径Rの面)で形成され、鍵の側壁13には円形の切欠き部が形成されて、該切欠き部に接触体42の一部が入り込んで接触状態となる構造とされる。鍵側壁13の切欠き部は、側壁を貫通する貫通孔とし、或いは、側壁内面に開く凹部とすることができる。この構造によれば、接触体422に対する鍵の傾きに拘わらず、鍵の両側壁と接触体の両側面との接触部分の距離が一定となるので、傾きの調整が円滑に行なわれる。尤も、接触体42の接触面が正確に1つの球面における対向面でなく、ほぼそれに沿う面であっても、鍵側壁がある程度弾性変形することにより、傾きの調整は可能である。
このように、後端側の鍵ガイド40が回動支点を兼ねることにより、部品点数を減らし、作業性を向上させることができると共に、鍵の内部スペースの利用が効率的となる。また、回動支点において鍵側壁に接する接触体により幅方向の位置決めが行なわれるので、鍵の並び間隔が適切化される。回動支点を形成する接触体を鍵幅方向に位置調節可能とすれば、鍵の並び方向の間隔の調整を行なうこともできる。さらに、回動支点の位置では、鍵はほとんど上下動しないので、鍵ガイドを高くすることができ、2つの接触体の上下間隔を大きくとって傾き矯正のためのモーメントを大きくし、鍵の傾き矯正をより効果的に行なうことができる。
上に述べた鍵ガイドを構成する支持体は金属、プラスチック等の材料、接触体は樹脂、エラストマー、ゴム等の材料というように、種々の材料で製作することができる。
図16は、接触体を調節後の位置に保持するためのロック機構60を備えた鍵ガイドの例を縦断面で示しており、図17はその平面図、図18は図17の要部の拡大図である。この鍵ガイド部40の支持体41には、接触体42を通すための貫通孔に加えて、軸方向に沿う縦穴415が形成されている。縦穴415は、支持体41の上端面に開いており、そこにスライダ61が上下動可能に挿入され、上端部は縦穴415から上方へ突出している。スライダ61の中央部には、鍵幅方向に貫通する開口部611が形成され、そこに接触体42が通されている。開口部611の上下方向の寸法は、接触体42の上下寸法より大きくされ、その差分でスライダ61が上下方向に摺動可能となっている。縦穴415内において、スライダ61の下方には、圧縮コイルばね612が挿入され、スライダ61を上方へ向けて押圧している。
図18に示すように、接触体42の下面には鍵幅方向に並ぶ多数の凹凸部425が波状に形成されており、スライダ61には、開口部611の下部内面に突出した突起613が形成されている。スライダ61に作用するばね612の力により、突起613は、凹凸部425に押し付けられた状態で係合している。
このロック機構60は、次のように作動する。常時は、図16(a) 及び図18に示すように、ばね612がスライダ61を押し上げ、突起613が凹凸部425に係合しているので、接触体42は鍵幅方向への移動が阻止されている。鍵の配列間隔を調整する際には、ばね612の力に抗してスライダ61を上方から押し下げる。その結果、図16(b) に示すように、スライダ61は下降し、突起613は凹凸部425から離脱する。これにより、接触体42は鍵幅方向に移動可能となるので、適切な位置まで移動した後、スライダ61の押し下げを解けばよい。これで、スライダ61はばね612により再び押し上げられ、突起613が凹凸部425に係合して接触体42の移動が阻止され、適正な鍵の配列間隔が維持される。
なお、波状に並ぶ凹凸部425は三角波状、台形波、サインカーブ状等、傾斜を持った形状とし、突起613は先細に傾斜させて形成するのが望ましい。こうすれば、スライダ61の押し下げを解除した時に、上記傾斜に基づき、突起613は凹凸部425における凹部に自動的に進入する。これにより、移動方向に多段的な調整位置がが容易に行なわれる。例えば、図18に示すように、凹凸部425をピッチpで形成すれば、長さpを単位として、位置調整が多段的に行なわれる。このように、多段的な位置調節を可能とすることにより、異なる鍵盤装置に対し、共通の段階表示で調整状態を特定するようにして正規化を図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、支持体に支持された2つの接触体の一方を固定する場合は、これらを一体成形するほか、別個に形成して接着、ねじ止めなどにより固定してもよい。位置調節後の接触体の位置を保持するには、支持体の貫通孔との緊い嵌合のほか、支持体の側壁にねじ付きの貫通孔を設け、止めねじを螺合してその先端を接触体に当接させるなど、種々の保持手段を用いることができる。
配列された鍵盤の平面図である。 図1に示した鍵盤の一部を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を示す縦断側面図である。 図1に示した部分の平面図である。 図4のV−V線に沿う切断端面図である。 図1の鍵盤装置において鍵の傾きの矯正を説明するための鍵及び鍵ガイドの縦断正面図である。 本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を示す縦断側面図である。 図7に示した部分の平面図である。 図8のIX−IX線に沿う切断端面図である。 図7の鍵盤装置における鍵及び鍵ガイドの縦断正面図である。 本発明の他の実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を示す縦断側面図である。 図11に示した部分の平面図である。 図12のXIII−XIII線に沿う切断端面図である。 図11の鍵盤装置における鍵及び鍵ガイドの縦断正面図である。 図14の一部を取り出して示す説明図である。 本発明に係る電子楽器用鍵盤装置に用い得る鍵ガイドの他の例を示す縦断正面図である。 図16に示した部分の平面図である。 図17に示した部分の要部拡大図である。
符号の説明
10:鍵、 11:上壁、 12:前壁、 13:側壁、 14:中空部、 20:鍵フレーム、 30:回動支点、 40,50:鍵ガイド、 41:支持体、 421,422:接触体

Claims (5)

  1. 回動支点を中心に上下に回動可能とされた鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、
    前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、
    前記鍵ガイドは、鍵の先端側と後端側に配置されており、
    後端側の前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた1つの支持体と、該支持体に異なる高さで支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、これらの接触体は少なくとも一方が鍵幅方向に位置調整可能とされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置。
  2. 前記2つの接触体の内、一方が前記支持体に固定され、他方が支持体に対し位置調節可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器用鍵盤装置。
  3. 鍵後端側の鍵ガイドにおける前記2つの接触体の一方が、前記鍵の側壁に係合して鍵の回動支点を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子楽器用鍵盤装置。
  4. 鍵後端側の前記鍵ガイドが、鍵の見え掛かり部分より後方に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子楽器用鍵盤装置。
  5. 先端側の前記鍵ガイドが、前記鍵の中空部内に延び、鍵の両側の側壁内面に対する接触箇所が相互に同じ高さとされていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子楽器用鍵盤装置。
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