JP2009236946A - 電子楽器用鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍵の傾きの正確な矯正を容易に行なうことができ、材料が金属に限定されない鍵ガイドを備えた電子楽器用鍵盤装置を提供する。
【解決手段】鍵を上下方向に案内する鍵ガイド40が、鍵フレームに固定され鍵の中空部内に延びた支持体41と、該支持体に支持され鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する接触体42とを備え、接触体42は、支持体41に偏心した位置で回転可能に支持され、回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得る電子楽器用鍵盤装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子楽器のための鍵盤装置に関する。
電子楽器用鍵盤装置においては、通常、鍵が、上壁と前壁と側壁とで囲まれた中空部を有し、後部を回動支点により支持され、前寄り部分を鍵ガイドによりガイドされて、上下方向に回動するようになっている。鍵ガイドは、鍵フレームから鍵の中空部内に延び、鍵の側壁内面に接触するように配置され、鍵が左右方向に振れるのを防止して上下動をガイドする。
しかしながら、このような鍵ガイドでは、演奏者側から鍵長手方向に見たときの鍵の傾き(左右方向への傾き)を防止することはできなかった。特に、鍵盤楽器の鍵は、図1に示すように、白鍵と黒鍵からなり、白鍵は黒鍵との位置関係によって平面形状が異なっている。すなわち、図1の下部に示した音名で示すと、D,G,Aの鍵は左右ほぼ対称形状、E,Bの鍵は左側に黒鍵配置用の凹部が形成される左右非対称形状、C,Fの鍵は右側に黒鍵配置用の凹部が形成される左右非対称形状となっている。これらの鍵を樹脂で射出成形すると、成形品は冷却固化する間に、各部分での収縮率の差から歪が生じる。その結果、白鍵を音名順に並べると、鍵の上面の傾きが不揃いになってしまう。図2は、白鍵W及び黒鍵Bの前端面を表しており、白鍵Wが傾いている様子を示している。
これに対処すべく種々の手段が提案されている。特許文献1に記載の鍵ガイドは、各鍵に対応して鍵フレーム(鍵盤シャーシ)の前端からの突出片を上方へ折り曲げて差し込み部を形成し、これにガイド材を差し込んで鍵ガイドを構成するものであり、黒鍵には1つの鍵ガイド、白鍵には2つの鍵ガイドを設ける。白鍵の傾きの矯正は、2つの差し込み部を変形させて傾斜を変えることにより行なわれる。
特許文献2の鍵ガイドは、鍵の後端部に上下方向に延びる溝を形成し、鍵フレーム(鍵盤シャーシ)に該溝に遊嵌するガイドピンを鍵の後方から前方に向けて挿入し、ガイドピンの向きを変えることにより、鍵の左右への傾きを調整するものである。
特許文献3に記載の鍵ガイドは、鍵フレームから起立するガイド片に、該ガイド片の受け入れ穴を有したキャップを被せ、このキャップで鍵の側壁内面をガイドするようにしたものであり、受け入れ穴を偏心させたキャップを用意して鍵の歪みに適合したキャップを選択したり、受け入れ穴を大きくし左右方向に位置調整可能にすることにより、鍵の並びを整えるものである。
特開平8−179758号公報 実公平7−43757号公報 特許第3702874号公報
しかしながら、特許文献1の鍵ガイドは、板金の突出片を上方へ曲げて形成された差し込み部を塑性変形させて傾きの調整を行なうものであり、塑性変形は差し込み部の根元で行なう一方、鍵をガイドするのは差し込み部に差し込まれるガイド材の上端であるので、変形箇所とガイド箇所が離れており、正確な調整を行ない難い。また、材料が板金のものに限定される。特許文献3の鍵ガイドも、向きが相違するものの、ガイドピンの根元での変形でピン先端のガイド位置を変えるものなので、変形箇所とガイド箇所が離れており、正確な調整を行ない難い。また、ガイドピンは金属製のものに限定される。特許文献3の鍵ガイドは、ガイド片に対する受け入れ穴の位置で調整を行なうので、左右方向への位置調整しかできず、鍵の傾きの調整を行なうことはできない。このように、従来の鍵ガイドでは、鍵の傾きの矯正を正確に行なうことが困難であった。
本発明は、このような問題を解決し、鍵の傾きの正確な矯正を容易に行なうことができ、材料が金属に限定されない鍵ガイドを備えた電子楽器用鍵盤装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた支持体と、該支持体に支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する接触体とを備え、前記接触体は、鍵の前後方向に複数配置され、相互に異なる高さに接触部位を備えており、
少なくとも一つの接触体は、前記支持体における支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置を提供するものである。
本発明はまた、前記目的を達成するため、鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた1つの支持体と、該支持体に支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、これらの接触体は、1つの支持体において相互に異なる高さで支持されており、少なくとも一方の接触体は、前記支持体における上下方向に延びる支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置を提供するものである。
本明細書及び特許請求の範囲においては、電子楽器及びその鍵盤装置における演奏者に近い方を前方、遠い方を後方と称することとする。
(1)本発明の第1の形態に係る電子楽器用鍵盤装置は、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドが、鍵フレームに固定され鍵の中空部内に延びた支持体と、該支持体に支持され鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する接触体とを備え、該接触体は、鍵の前後方向に複数配置され、相互に異なる高さに前記接触体を備えている。したがって、これらの鍵ガイドにおける接触体の位置によって、鍵は正面から見た傾斜が決められる。そして、少なくとも一つの接触体は、前記支持体における支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされている。したがって、もう一方の接触体との間で、鍵の側壁内面に対する接触位置を高さ方向で異ならせることができ、その位置調整により鍵の傾きを矯正することができる。この矯正は、鍵への接触箇所そのものの位置を変更して行なわれるので、調整を容易に且つ正確に行なうことができる。
(2)本発明の第2の形態に係る電子楽器用鍵盤装置は、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドが、鍵フレームに固定され鍵の中空部内に延びた支持体と、該支持体に支持され鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する接触体とを備え、前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた1つの支持体と、該支持体に支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、該接触体は、1つの支持体において相互に異なる高さで支持されている。したがって、これらの接触体の位置によって、鍵は正面から見た傾斜が決められる。そして、少なくとも一方の接触体は、前記支持体における上下方向に延びる支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされている。したがって、もう一方の接触体との間で、鍵の側壁内面に対する接触位置を高さ方向で異ならせることができ、その位置調整により鍵の傾きを矯正することができる。この矯正は、鍵への接触箇所そのものの位置を変更して行なわれるので、調整を容易に且つ正確に行なうことができる。しかも、鍵長手方向の同じ位置で調整が行なわれるので、長手方向に異なる位置での接触による調整を行なう場合に作用する鍵捩れ方向の力を受けることなく調整を行なうことができる。
上記(1)、(2)のいずれの場合も、支持体に対して接触体を位置調節可能に支持すればよいので、材料は金属に限定されず、プラスチック等の種々のものを使用することができる。
(3)上記(1)または(2)の電子楽器用鍵盤装置は、前記可動接触体に回動位置を示すためのマーキングが施されているものとすることができる。これにより、可動接触体の回動量が容易に目視できるので、矯正状態の把握を容易且つ正確に行なうことができる。
(4)上記(1)から(3)の電子楽器用鍵盤装置は、可動接触体及び該可動接触体を支持する支持体に係合凹部及び係合凸部のいずれかが相互に係合するように設けられ、前記可動接触体は、前記係合凹部及び係合凸部の係脱を伴って複数の回動位置へ回動し得るものとすることができる。これにより、接触体の回動位置を段階的に設定することができ、矯正状態の正規化を行なうことができる。また、凹凸の係合により、矯正時に接触体が受ける反力に対する抵抗力を高めることができる。
(5)上記(1)から(3)の電子楽器用鍵盤装置は、可動接触体及び該可動接触体を支持する支持体が、前記可動接触体を前記支持体側へ軸方向に前進させた後、軸回りに回動させることにより前記支持体と係合状態となるバヨネット式係合部を備えており、該係合部が係合した状態において、前記可動接触体における鍵側壁と接触すべき面が鍵側壁に対峙するものとすることができる。これにより、接触体は、鍵ガイドとして機能する際に鍵側壁から上下方向に受ける力によって支持体から脱離させられるのが、より確実に防止される。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の一部を示す縦断側面図であり、図4はその平面図、図5は図4のV−V線に沿う断面図である。これらの図は、鍵ガイドの構造を説明するための要部を抽出して示している。なお、図4では、図5に表された2つの白鍵及び1つの黒鍵のみを示している。
この実施形態に係る鍵盤装置は、鍵10と、楽器本体に設置され鍵10を支持する鍵フレーム20と、鍵の後端部を回動可能に支持する回動支点30と、鍵を上下方向に案内する鍵ガイド40,50とを備えている。鍵には、白鍵10Wと黒鍵10Bとがあるが、いずれも上壁11と前壁12と側壁13とで囲まれた中空部14を有している。
鍵10にはさらに、やや後方寄りに下方へ延びる突起17が設けられ、鍵フレーム20にはその下方にスイッチ61が取り付けられている。また、鍵10には、側壁13の前寄り部分から下方へ延びるフック部18が設けられており、鍵フレーム20には該フック部を通す開口部が形成されている。鍵フレーム20には、フック部先端の爪部180が当接する箇所に緩衝部材21、鍵が下降時に当接する箇所に緩衝部材22が取り付けられている。
以下では、白鍵10Wの鍵ガイドについて説明し、黒鍵10Bの鍵ガイドについては、白鍵のものと同様の構造であるので共通の事項については説明を省略する。
この実施形態では、1つの鍵に対して鍵長手方向の異なる位置に2つの鍵ガイド40,50が設けられている。鍵ガイド40は、鍵フレーム20に固定され鍵の中空部内に延びた棒状の支持体41と、該支持体に支持された接触体42とを備えている。支持体41の上端部の円柱状部分は、接触体42を装着するための支軸411となっている。支持体41を鍵フレーム20に固定するには、ねじ止め、接着、溶接等の適宜の手段を用いることができ、或いは、板金、樹脂等により鍵フレームと支持体とを一体のものとして製造することもできる。
接触体42は、図6の(a) 側面図、(b) 平面図で示すように、上端が閉じられた円筒状の装着部421と、該装着部の上端に固着された作動部422とを備えている。作動部422は、水平に配置された円板体で形成され、その中心軸線422xは装着部421における中空部421vの中心軸線(これは支軸411の中心軸線411xと同じである)と平行であるが、距離sだけ偏心した位置にある。作動部422の周円部は、鍵の傾きによって接触位置が大きく変化しないように、縁部が断面弧状となる丸みを持たせた形状とされている。接触体42は、中空部421vに支持体上端部の支軸411を通すようにして被せられる。中空部421vの側壁には環状突起421wが形成され、支軸411の側壁には、該突起に対応する位置に環状凹部411wが形成されている。接触体42を支軸411に装着した状態において、これらの環状突起421wと環状凹部411wとが弾性変形により嵌合し抜け止め作用をなし、装着状態を保持する。こうして接触体42は、支軸411に対して軸線回りに回転可能に支持され、可動接触体として機能する。
作動部422の外径は、鍵側壁内面に近接してガイド機能を奏するように、鍵10の側壁内面の離反距離より僅かに小さくなるように決められる。したがって、鍵10を鍵フレーム20及び鍵ガイド部40に装着した状態では、作動部422により鍵後部の幅方向位置が決まり、接触体42を支持体41に対して回動すると、偏心位置にある作動部422の移動に伴って、鍵10は作動部422との接触箇所で幅方向位置を変えることなる。
鍵10の上壁11には、接触体42の位置に開口部16が形成されている。これにより、鍵を4鍵フレームに装着したまま、接触体42を回動して鍵の傾き矯正を行なうことができる。
先端側に位置する鍵ガイド部50は、鍵フレーム20に固定され鍵の中空部内に延びた棒状の支持体51と、該支持体から鍵幅方向両側に延びる接触体52とを備えている。接触体52は、円柱の両端部を半球面とした形状を有し、その長さは、鍵側壁内面に近接してガイド機能を奏するように、鍵10の側壁内面の離反距離より僅かに小さくなるように決められる。
これらの鍵ガイド40,50は、押鍵により鍵10の上壁11に接触しないように高さが決められる。また、鍵ガイド部40の接触体42と鍵ガイド50の接触体52とは、以下に述べる鍵の傾き矯正が可能なように、相互に異なる高さで設けられており、この実施形態では、鍵ガイド50の接続端部52が下方、鍵ガイド40の接続端部42が上方に位置している。
鍵ガイド40,50によれば、次のようにして鍵の傾きを矯正することができる。図7は、図3のVII−VII線に沿う断面を示しており、鍵10Wと、後端側の鍵ガイド40の全体と、先端側の鍵ガイド50の接触体52とが示されている。図では、一点鎖線が矯正前の鍵の外形を示し、実線が矯正後の鍵の状態、すなわち、鍵上面が同一平面上に並んでいる状態を示している。図における左側の白鍵10WLは、上壁11に対して側壁13が傾斜した形状に成形されたものである。鍵を鍵フレームに装着した際、矯正前は、接触体42,52が支持体41から左右へ同じ距離突出する状態となっており、その結果、鍵上面は右側が下がるように傾いていた。これに対して、後端側の鍵ガイド部40の接触体42を回動させ、鍵盤装置の正面から見て作動部422の中心軸線422xを支軸411の中心軸線411xに対して距離d1だけ右方へ移動させる調整を行ない、その結果、上面は水平となった。
右側の白鍵10WRは、側壁13の厚さが均一ではなく、外面は上壁11に対して垂直となっているが、内面は上から下に行くに従って左方へ傾斜した形状に成形されたものである。鍵を鍵フレームに装着した際、矯正前は、接触体42,52が支持体41から左右へ同じ距離突出する状態となっていた結果、側壁13の内面が鉛直方向に延びるように鍵がガイドされ、鍵上面は左側が下がるように傾いていた。これに対して、後端側の鍵ガイド部40の接触体42を回動させ、鍵盤装置の正面から見て作動部422の中心軸線422xを支軸411の中心軸線411xに対して距離d2だけ右方へ移動させる調整を行ない、その結果、上面は水平となった。
接触体42は、このように鍵の傾き矯正のために回動させられる一方、鍵側壁から受ける押圧力によっては戻り方向へ回動しない。図8は、傾き矯正後に鍵ガイドが鍵側壁から受ける力の状態を概略的に示している。図示の状態では、支軸411に対して偏心して装着された作動部422は、傾き矯正のために、偏心方向を角θ回動した位置にある。接触体42の作動部422は、傾き矯正のために鍵の一方の側壁13に押圧力を及ぼし、その反力Fhを受けている。作動部422はまた、反力Fhに対応する支持力Fcを支持体41の支軸411から受けて釣り合い状態にある。作動部422は、支軸411との接触面から力を受けるが、図では説明を簡単にするためにその中心位置に集中した力Fcとして示す。作動部422の偏心により、反力Fhと支持力Fcとは作用線が距離pだけずれた位置となる。これによって、作動部422には回動位置から押し戻そうとするモーメントM1が作用する。一方、支軸411と作動部422との接触面には支持力Fcに基づく摩擦力Rcが作用し、側壁13と作動部422との接触面には反力Fhに基づく摩擦力Rhが作用する。これらの摩擦力に基づいてモーメントM1と反対方向のモーメントM2が作用する。そして、これらの2つのモーメントが釣り合うことにより、接触体42の戻り方向への回動は阻止される。プラスチック、金属等の通常の材料であれば、支軸411と作動部422との間の摩擦係数は十分に大きく、これらの接触面に作用する摩擦力Rcは、側壁13からうけるモーメントM1に十分に対向するので、特に戻り止め手段を講じなくても傾き矯正後の接触体の戻りは防止される。また、実際には鍵の傾き調整量自体がそれほど大きな量ではないので、調整によって生じる距離pは大きな距離ではなく、発生するモーメントM1もさほど大きくはならない。尤も、戻り防止をより確実にするために、支軸411と作動部422との接触面を粗面化する等の手段により摩擦力を大きくしたり、止めねじ等の戻り止め手段を用いることもできる。
このように、この鍵ガイド40,50によれば、様々な成形時の歪に起因する鍵の傾きに対して、矯正をすることができる。
黒鍵10Bにも同様に鍵ガイド40’,50’が設けられている。これらの鍵ガイドは、黒鍵10Bの側壁内面間の距離に応じて接触体の長さが決められている以外は、白鍵10Wのための鍵ガイド40,50と同じ構造であり、同様に機能する。
回動支点30のより好ましい形態を図9に示す。図9の(a) は回動支点30を鍵10の後部と共に示す縦断面図であり、(b) はそのIXb−IXb線に沿う断面図である。図示のように、回動支点30は、鍵フレーム20から上方へ延びた基部31と、該基部に支持され鍵幅方向に延びた支承部32とを備えている。支承部32の両端面320は、鍵側壁13との接触面となっており、1つの球面における相互に対向する面(曲率半径Rの面)で形成されている。鍵の側壁13には円形の切欠き部が形成されて、該切欠き部に支承部32の一部が入り込んで接触状態となっている。鍵側壁13の切欠き部は、側壁を貫通する貫通孔とし、或いは、側壁内面に開く凹部とすることができる。この構造によれば、支承部32に対する鍵の傾きに拘わらず、鍵の両側壁と支承部32の両端面との接触部分の距離が一定となるので、傾きの調整が円滑に行なわれる。尤も、支承部32の接触面が正確に1つの球面における対向面でなく、ほぼそれに沿う面であっても、鍵側壁がある程度弾性変形することにより、傾きの調整は可能である。
なお、鍵ガイド部40の支持体41には、接触体42に加えて、接触体43を設けてもよい。接触体43は、先端側の鍵ガイド50における接触体52と同様の形状とすることができ、接触体42と異なる高さで支持体41に固定される。この構造によれば、鍵長手方向の同じ位置で鍵の傾き調整が行なわれるので、長手方向に異なる位置での接触による調整を行なう場合に作用する鍵捩れ方向の力を受けることなく調整を行なうことができる。このように接触体43を設ける場合は、先端側の鍵ガイド50を省略することができる。鍵ガイド50を併存させる場合は、鍵ガイド50と回動支点30を結ぶ直線上に接触体42又は43が位置するように、これらの部分を配置するのが望ましい。こうすることにより、傾き調整の場合に鍵に捩れ方向の力が作用するのを防止することができる。
図10は、可動接触体として機能する接触体42に回動位置を示すためのマーキングMを施した例を示している。図10の(a) は矢印を接触体の上面に形成したもの、(b) はその接触体が回動された状態、(c) は接触体の側壁の一部を切欠き、そこに凸部423を設けたもの、(d) は方向を示し得る数字等の記号を接触体上面に表したものである。このようにマーキングを設ければ、接触体42の回動量が容易に目視できるので、矯正状態の把握を容易且つ正確に行なうことができる。さらに、図10(a) の矢印部分を接触体上面から凹入させるというように、接触体上面に細長い形状の凹部を設けることにより、鍵上壁の開口部16(図4)を通して、ネジ回し等の工具により接触体を容易に回動させることができる。
図11は、鍵ガイドの水平断面を示しており、支持体41の側壁に複数の係合凹部412を設け、可動接触体として機能する接触体42の中空部の内側壁に係合凸部424を設け、係合凸部424が係合凹部412のいずれかに係合するようにした例を示したものである。これにより、接触体の回動位置を段階的に設定することができ、異なる鍵盤装置に対し、共通の段階表示で矯正状態を特定するようにして正規化を行なうことができる。また、凹凸の係合により、矯正時に接触体42が鍵側壁13から受ける反力に対する抵抗力を高めることができる。なお、係合凹部及び係合凸部は、支持体41及び接触体42に上記とは逆の配置とすることもできる。
図12は、支持体41及び可動接触体として機能する接触体42が、バヨネット式係合部Bを備えた例を示しており、(a) は接触体42の平面図、(b) は支持体41の平面図、(c) は支持体41の正面図である。接触体42の上壁には、2つの扇形の頂部を突き合わせた形状の開口部425が形成されている。支持体41の上端部には、接触体上壁の厚さに対応した長さの支軸413と、該支軸上端から水平に延びる保持板414とが設けられている。保持板414は開口部425に対応した形状をしている。
この接触体42の装着及び回動の状態を図13に示す。接触体42を支持体41に装着するには、接触体42の下部を支持体41上部に被せるようにして、接触体42を支持体41側へ軸方向に前進させ、開口部425に保持板414を通す。この時、接触体42の偏心方向を示すマーキング(矢印)Mは、鍵盤装置の右または左の方向後方を向く。この状態から、図13(a) に示すように、鍵の傾き矯正のための回動範囲Qのいずれかへ回動すると、接触体42の上方に位置する保持板414は、開口部425の位置からずれて接触体42の上壁部分と重なる(図13(b) に重なり部分を斜線のハッチングで示す)。また、マーキングMが鍵盤装置の後方を向く場合(偏心方向が鍵側壁と平行になる場合)にも、図13(d) に斜線のハッチングで示すように、保持板414は、開口部425の位置からずれて接触体42の上壁部分と重なる。したがって、これらの重なり位置で、接触体42が支持体41から脱離するのが防止される。
上に述べた鍵ガイドを構成する支持体は金属、プラスチック等の材料、接触体は樹脂、エラストマー、ゴム等の材料というように、種々の材料で製作することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、支持体に支持された接触体を固定する場合は、これらを別個に形成して接着、ねじ止めなどにより固定するほか、支持体と固定される接触体とを一体成形してもよい。接触体における鍵側壁との接触部分は、上記実施形態に示した縁部に丸みのある円板体とするほか、断面が矩形、長円形、菱形で平面視が円形の種々の回転体とすることができる。位置調節後の接触体の位置を保持するには、支持体の貫通孔との緊い嵌合のほか、支持体の側壁にねじ付きの貫通孔を設け、止めねじを螺合してその先端を接触体に当接させるなど、種々の保持手段を用いることができる。
配列された鍵盤の平面図である。 図1に示した鍵盤の一部を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る電子楽器用鍵盤装置の要部を示す縦断側面図である。 図1に示した部分の平面図である。 図4のV−V線に沿う断面図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置における鍵ガイドを示す図であり、(a) は側面図、(b) は平面図である。 図1の鍵盤装置において鍵の傾きの矯正を説明するための鍵及び鍵ガイドの縦断正面図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置の作用の説明図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置に用い得る回動支点を示し、(a) は縦断正面図、(b) は縦断側面図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置に用い得る鍵ガイドの種々の例を示す平面図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置に用い得る鍵ガイドの他の例を示す平面図である。 図1に示した電子楽器用鍵盤装置に用い得る鍵ガイドのさらに他の例を示す図であり、(a) は接触体の平面図、(b) 支持体の平面図、(c) は支持体の正面図である。 図12に示した鍵ガイドの使用状態の説明図である。
符号の説明
10:鍵、 11:上壁、 12:前壁、 13:側壁、 14:中空部、 20:鍵フレーム、 30:回動支点、 40,40’,50:鍵ガイド、 41:支持体、 42:接触体(可動接触体)、 412:係合凹部、 414:保持板(バヨネット式係合部)、 424:係合凸部、 425:開口部(バヨネット式係合部)、 B:バヨネット式係合部、 M:マーキング

Claims (5)

  1. 鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、
    前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、
    前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた支持体と、該支持体に支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する接触体とを備え、
    前記接触体は、鍵の前後方向に複数配置され、相互に異なる高さに接触部位を備えており、
    少なくとも一つの接触体は、前記支持体における支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置。
  2. 鍵と、楽器本体に設置され該鍵を支持する鍵フレームと、鍵を上下方向に案内する鍵ガイドとを備え、
    前記鍵は、鍵長手方向に延びる2つの側壁に挟まれた中空部を有し、上下方向に回動可能に前記鍵フレームに設置されており、
    前記鍵ガイドは、前記鍵フレームに固定され前記鍵の中空部内に延びた1つの支持体と、該支持体に支持され前記鍵の側壁内面に接触して鍵の上下動を案内する2つの接触体とを備え、これらの接触体は、1つの支持体において相互に異なる高さで支持されており、
    少なくとも一方の接触体は、前記支持体における上下方向に延びる支軸に回転可能に支持された可動接触体とされ、鍵の側壁との接触面が、前記支軸から偏心した軸を中心とする回転体の側面に相当する面で形成されており、前記支軸回りの回動位置の変更により鍵側壁との接触箇所で鍵の幅方向位置を変え得るようにされていることを特徴とする電子楽器用鍵盤装置。
  3. 前記可動接触体に回動位置を示すためのマーキングが施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子楽器用鍵盤装置。
  4. 前記可動接触体及び該可動接触体を支持する前記支持体に係合凹部及び係合凸部のいずれかが相互に係合するように設けられ、前記可動接触体は、前記係合凹部及び係合凸部の係脱を伴って複数の回動位置へ回動し得ることを特徴とする請求項3に記載の電子楽器用鍵盤装置。
  5. 前記可動接触体及び該可動接触体を支持する前記支持体が、前記可動接触体を前記支持体側へ軸方向に前進させた後、軸回りに回動させることにより前記支持体と係合状態となる係合部を備えており、該係合部が係合した状態において、前記可動接触体における鍵側壁と接触すべき面が鍵側壁に対向することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子楽器用鍵盤装置。
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