JP2009236034A - タペットローラ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラの耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手部材を摩耗させにくくすることができ、これにより、耐久性の向上を図ることができるタペットローラ軸受を提供する。
【解決手段】タペットローラ軸受10は、ロッカーアーム4に支持される支持軸11と、支持軸11に回動自在に支持される少なくとも1個のローラ12と、を備え、ローラ12の表面に窒化処理による化合物層が形成され、化合物層の厚さは6μm〜20μmであり、化合物層の最表面には、ポーラス層が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、タペットローラ軸受に関し、特に、エンジンの動弁機構に用いられるカムフォロア装置に組み込まれるタペットローラ軸受に関する。
カムフォロア装置は、エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフトに固定されたカムに対向配置されて、このカムの動きを受けるロッカーアームを備える。ロッカーアームの端部には、一対の支持壁部が互いに間隔を存して設けられており、この一対の支持壁部に、タペットローラ軸受が取り付けられる。
タペットローラ軸受は、一対の支持壁部に両端部が支持される支持軸と、この支持軸に回動可能に支持されて、カムシャフトに固定されたカムに当接するローラと、を備える。このローラは、回転抵抗を小さくするために、2重筒構造とされる場合がある。
このようなタペットローラ軸受の設置部分には、エンジン運転時にエンジンオイルを供給することにより、カムの外周面とローラの外周面との間、及び支持軸の外周面とローラの内周面との間を潤滑しているが、この潤滑が不十分な場合においても、著しい摩耗や焼付き等の損傷の発生を防止するため、例えば、ローラの内外両周面に軟窒化処理、酸化処理等の表面処理を施したタペットローラ軸受が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、互いに対向するロ一ラの内周面及び支持軸の外周面の少なくとも一方に、摩擦低減用の表面処理層を形成して、摩擦を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、摺動部材の母材上に、窒化処理に拡散層及び所定深さの化合物層を設け、この化合物層の最外層部の脆い層をバフ研磨により除去する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭59−183007号公報 特開平8−74526号公報 特開2002−97563号公報
ところで、一般的に鋼製素材に窒化処理を施した場合、形成された化合物層が厚くなってくると、その最外層部にはポーラス層と呼ばれる多数の空孔を含む層が形成される。このポーラス層は非常に脆いために、通常有害であると考えられている。
また、カムの外周面とローラの外周面との間、及び支持軸の外周面とローラの内周面との間の潤滑を、表面処理層によって向上させるためには、製造コストの面からも考えると、窒化処理、あるいは軟窒化処理を用いることが好ましい。
しかしながら、窒化処理により形成される化合物層は、非常に高い硬度を有するため、処理が施された部品自身は、優れた耐摩耗性を有するが、接触している他の部材(支持軸等)を摩耗させてしまうことが懸念される。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、窒化処理により形成される化合物層の最表面に、通常有害とされてきたポーラス層を形成することによって、ローラ自身の耐摩耗性を確保しつつ、摺接する相手部材を摩耗させにくい性質を付与することが可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、その目的は、ローラの耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手部材を摩耗させにくくすることができ、これにより、耐久性の向上を図ることができるタペットローラ軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) エンジンのカムシャフトに固定されるカムの動きを受けるロッカーアームに支持される支持軸と、支持軸に回動自在に支持される少なくとも1個のローラと、を備えるタペットローラ軸受であって、ローラの表面に窒化処理による化合物層が形成され、化合物層の厚さは6μm〜20μmであり、化合物層の最表面には、ポーラス層が形成されることを特徴とするタペットローラ軸受。
(2) 化合物層の最表面に、被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜が形成されることを特徴とする(1)に記載のタペットローラ軸受。
(3) 固体潤滑被膜は、固体潤滑材をショットピーニングで投射することにより形成されることを特徴とする(2)に記載のタペットローラ軸受。
本発明のタペットローラ軸受によれば、ローラの表面に窒化処理による化合物層が形成され、化合物層の厚さは6μm〜20μmであり、化合物層の最表面には、ポーラス層が形成されるため、ローラの耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手材を摩耗させにくくすることができる。これにより、摩耗に起因する損傷が生じにくく、より優れた耐久性を有するタペットローラ軸受を提供することができる。
以下、本発明に係るタペットローラ軸受の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係るタペットローラ軸受の第1実施形態について説明する。
図1は本発明に係るタペットローラ軸受の第1実施形態が組み込まれたカムフォロア装置を説明するための一部切欠側面図、図2は図1のA−A線矢視断面図である。
まず、図1を参照して、カムフォロア装置1について説明すると、このカムフォロア装置1は、不図示のエンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフト2に固定されるカム3に対向配置されて、このカム3の動きを受けるロッカーアーム4を備える。このロッカーアーム4は、その長手方向(図1の左右方向)の中間部に軸孔4aを有しており、この軸孔4aに挿通したロッカー軸5を介して不図示のシリンダヘッドに回転自在に支持される。
また、ロッカーアーム4の基端部(図1の左端部)には、アジャストボルト6が螺合されており、このアジャストボルト6は、ロックナット6aにより締め付け固定される。そして、アジャストボルト6の端部(図1の下端部)に、不図示のシリンダヘッドに往復移動可能に支持される吸気弁又は排気弁である機関弁7の端部(図1の上端部)を当接させる。この機関弁7は、弁ばね8によって常に閉弁方向(アジャストボルト6に当接する方向)に付勢される。従って、ロッカーアーム4は、常に図1の時計回り方向に付勢される。
一方、ロッカーアーム4の先端部(図1の右端部)には、一対の支持壁部9が互いに間隔を存して設けられており、この一対の支持壁部9に、本実施形態のタペットローラ軸受10が取り付けられる。
本実施形態のタペットローラ軸受10は、図1及び図2に示すように、一対の支持壁部9に両端部が支持される支持軸11と、この支持軸11に回動可能に支持されて、カムシャフト2に固定されるカム3に当接するローラ12と、を備える。
支持軸11は、鋼製で中空または中実の軸部材によって形成されており、その両端部が一対の支持壁部9に形成される軸孔9aに加締められることにより固定される。このため、支持軸11の両端部には焼入れ処理はなされていない。
ローラ12は、回転抵抗を小さくするために、2重筒構造とされており、支持軸11に回転自在に外挿されるインナローラ12aと、インナローラ12aに回転自在に外挿されるアウタローラ12bと、を備える。なお、タペットローラ軸受10の構成部品の材質は、必要な強度を確保しつつ、コストを抑える観点から、支持軸11及びロ一ラ12には、高炭素クロム軸受鋼を用いることが好ましいが、特に限定されない。
このように構成されたカムフォロア装置1では、ローラ12の外周面を、弁ばね8の付勢力によってカム3の外周面に当接させ、この状態で、カムシャフト2の回転をロッカー軸5を中心とするロッカーアーム4の往復揺動運動に変換し、機関弁7を弁ばね8の付勢力に抗して、或いは弁ばね8の付勢力によって軸方向に往復移動させる。これにより、不図示のシリンダヘッドに設けられる吸気口或は排気口の開閉動作を行なう。なお、カムシャフト2及びカム3の材質は、必要な強度を確保しつつ、コストを抑える観点から、鋳鉄若しくは軸受鋼を用いることが好ましいが、特に限定されない。
そして、本実施形態では、ローラ12のインナローラ12aの表面には、窒化処理としてガス軟窒化が施されて化合物層が形成される。その化合物層の厚さは6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)とされ、その最表面にはポーラス層が形成される。さらに、化合物層の最表面には、被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜が形成される。また、ローラ12のアウタロ一ラ12bについては、ずぶ焼入れが施され、芯部まで硬化されている。なお、インナローラ12aの化合物層は、コスト等の観点から、ガス軟窒化により形成される方が好ましいが、窒化処理で形成されるのであれば特に限定されるものではない。
次に、インナローラ12aに形成される化合物層の厚さ、固体潤滑被膜の被覆面積率についての臨界的意義、及び固体潤滑被膜の形成方法について説明する。
(化合物層の厚さ:6〜20μm)
インナローラ12aの化合物層の厚さが6μm未満であると、最表面にポーラス層が形成されにくい。また、20μmを超えると、ポーラス層が厚く形成され過ぎてしまうために、インナローラ12aの耐摩耗性が低下してしまい、好ましくない。また、化合物層の厚さを8μm〜15μmとすることによって、インナローラ12aの耐摩耗性と、摺動する相手部材(支持軸9及びアウタローラ12b)を摩耗させにくい性質とをバランスよく付与することができるため、より優れた耐久性を有するタペットローラ軸受を得ることができる。
(固体潤滑被膜の被覆面積率:75%以上)
インナローラ12aの外周面及び内周面の少なくとも一方の表面層に固体潤滑剤を被覆する場合と、被覆しない場合とを比較すると、格段に長寿命傾向が得られる。この効果を得るためには、最低でも固体潤滑被膜の被覆面積率は75%必要である。
(固体潤滑被膜の形成方法)
固体潤滑被膜は、固体潤滑材をショットピーニングで投射する等の機械エネルギーを利用して形成する。この方法を用いることによってインナローラ12aの表面に圧縮の残留応力を付与することができるため、インナローラ12aの靭性等を向上させることができる。また、固体潤滑材としては、錫粉末やMoS粉末等を例示できるが、同様な効果が得られるものであれば特に限定されるものではない。
以上説明したように、本実施形態のタペットローラ軸受10によれば、ローラ12のインナローラ12aの表面に、最表面にボーラス層を有する厚さ6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)の化合物層を形成するため、インナローラ12aの耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手部材である支持軸11及びアウタローラ12bを摩耗させにくくすることができる。これにより、摩耗に起因する損傷が生じにくく、より優れた耐久性を有するタペットローラ軸受10を提供することができる。
また、本実施形態のタペットローラ軸受10によれば、ローラ12のインナローラ12aの化合物層の最表面に被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜を形成するため、インナローラ12aの耐摩耗性をさらに向上することができると共に、摺接する相手部材である支持軸11及びアウタローラ12bをさらに摩耗させにくくすることができる。
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係るタペットローラ軸受の第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と重複する部分については図に同一符号を付して説明を省略する。また、本実施形態のタペットローラ軸受が取り付けられるロッカーアームは図1と同様であるので、符号を流用して説明する。
図3は本発明に係るタペットローラ軸受の第2実施形態を説明するための断面図である。
本実施形態のタペットローラ軸受20は、図3に示すように、ロッカーアーム4の一対の支持壁部9に両端部が支持される支持軸11と、カムシャフト2に固定されるカム3に当接するローラ22と、支持軸11の外周面とローラ22の内周面との間に転動自在に介設される複数の針状ころ21と、を備える。
そして、本実施形態では、ローラ22の表面には、窒化処理としてガス軟窒化が施されて化合物層が形成される。その化合物層の厚さは6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)とされ、その最表面にはポーラス層が形成される。さらに、化合物層の最表面には、被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜が形成される。なお、化合物層の厚さ、固体潤滑被膜の被覆面積率についての臨界的意義、及び固体潤滑被膜の形成方法については、上記第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態のタペットローラ軸受20によれば、支持軸11に複数の針状ころ21を介して回動可能に支持されるローラ22の表面に、最表面にボーラス層を有する厚さ6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)の化合物層を形成するため、ローラ22の耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手部材である針状ころ21及びカム3を摩耗させにくくすることができる。これにより、摩耗に起因する損傷が生じにくく、より優れた耐久性を有するタペットローラ軸受20を提供することができる。
また、本実施形態のタペットローラ軸受20によれば、ローラ22の化合物層の最表面に被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜を形成するため、ローラ22の耐摩耗性をさらに向上することができると共に、摺接する相手部材である針状ころ21及びカム3をさらに摩耗させにくくすることができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係るタペットローラ軸受の第3実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と重複する部分については図に同一符号を付して説明を省略する。また、本実施形態のタペットローラ軸受が取り付けられるロッカーアームは図1と同様であるので、符号を流用して説明する。
図4は本発明に係るタペットローラ軸受の第3実施形態を説明するための断面図である。
本実施形態のタペットローラ軸受30は、図4に示すように、ロッカーアーム4の一対の支持壁部9に両端部が支持される支持軸11と、この支持軸11に回動可能に支持されて、カムシャフト2に固定されるカム3に当接するローラ32と、を備える。
そして、本実施形態では、ローラ32の表面には、窒化処理としてガス軟窒化が施されて化合物層が形成される。その化合物層の厚さは6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)とされ、その最表面にはポーラス層が形成される。さらに、化合物層の最表面には、被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜が形成される。なお、化合物層の厚さ、固体潤滑被膜の被覆面積率についての臨界的意義、及び固体潤滑被膜の形成方法については、上記第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態のタペットローラ軸受30によれば、支持軸11に直接回動可能に支持されるローラ32の表面に、最表面にボーラス層を有する厚さ6μm〜20μm(好ましくは8μm〜15μm)の化合物層を形成するため、ローラ32の耐摩耗性を確保することができると共に、摺接する相手部材である支持軸11及びカム3を摩耗させにくくすることができる。これにより、摩耗に起因する損傷が生じにくく、より優れた耐久性を有するタペットローラ軸受30を提供することができる。
また、本実施形態のタペットローラ軸受30によれば、ローラ32の化合物層の最表面に被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜を形成するため、ローラ32の耐摩耗性をさらに向上することができると共に、摺接する相手部材である支持軸11及びカム3をさらに摩耗させにくくすることができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ロッカーアーム4の先端部にタペットローラ軸受10,20,30を取り付ける場合を例示したが、図5に示すように、ロッカーアーム40の中間部にタペットローラ軸受10,20,30を取り付けるようにしてもよい。
このロッカーアーム40は、その中間部にタペットローラ軸受10(20,30)の支持軸11の両端部が内嵌固定される軸孔41が形成される。また、長手方向の一端部(図5の右端部)に機関弁7(図1参照)の端部を突き当てるための略半円筒状の凸部42が形成され、他端部に不図示のラッシュアジャスタの端部を突き当てるための球面凹部43が形成される。
本発明の効果を確認すべく、図6に示す試験機を用いて耐久試験を実施した。この試験機は、一対の軸受50により回転自在に支持されたシャフト51(タペットローラ軸受の支持軸11に相当する)の中間部外周面にローラ52が回転自在に支持されている。このシャフト51は、電動モータ53により一対のプーリ54a,54bの間に掛け渡されたベルト55とジョイント56とを介して回転駆動される。
シャフト51及びローラ52の素材はSUJ2を用いた。シャフト51の表面には高周波焼入れ、焼戻し処理を施し、表面硬さをHRC61〜64とした。また、ローラ52の表面にはガス軟窒化処理を施した。このガス軟窒化処理における加熱保持温度は550〜590°Cとし、0.2〜10Hrから選択される時間にて処理を行うことによって化合物層の厚さを調整し、表1に示す実施例1〜12、比較例1〜7の試験用ローラ52をそれぞれ作成した。なお、比較例1〜3については、ガス軟窒化処理後、表面をバフ研磨によりポーラス層を除去する加工を施した。また、実施例10〜12、比較例7は、ガス軟窒化を施した後、化合物層の最表面にショットピーニングにより固体潤滑被膜を形成した。固体潤滑材としては、平均粒径45μmの錫粉末、及び3μmのMoS粉末を用い、噴射圧力2.0〜9.0kg/cm(196〜882kPa)、噴射時間10〜20minでショットピーニングを施した。
そして、実施例1〜12、比較例1〜7の試験用ローラ52にラジアル荷重を負荷し、300Hrの耐久試験を実施した後、摺動部であるシャフト51の外周面と、ローラ52の内周面の摩耗量とを計測した。
・試験条件は次の通りである。
シャフト51の外径 :10mm
ローラ52の内径 :10.05mm
ローラ52の外径 :30mm
シャフト51の回転速度:3000min−1
ラジアル荷重 :66kgf(647N)
潤滑 :エンジンオイル(SE級10W−30)
表1に、実施例1〜12、比較例1〜7におけるローラ52の化合物層の厚さ、化合物層中のポーラス層の厚さ、固体潤滑被膜の被覆面積率、及び試験結果(シャフト51の外周面、ローラ52の内周面の摩耗量、及びそれらの和)を示す。また、図7に、実施例1〜12、比較例1〜7における化合物層の厚さと摩耗量の和との関係を示す。
Figure 2009236034
表1及び図7から明らかなように、化合物層の厚さを6μm〜20μmとし、且つ化合物層の最表面にポーラス層を形成した実施例1〜12については、ローラ52の内周面の摩耗量、及び相手部材であるシャフト51の外周面の摩耗量を共に低減させることができることがわかった。また、化合物層の最表面に被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜を形成した実施例10〜12については、さらに耐摩耗性を向上させることが可能であることがわかった。
一方、比較例1,3については、十分な厚さの化合物層が形成されているため、ローラ52の内周面の摩耗量は小さいが、化合物層の最表面にポーラス層が形成されていないため、相手部材であるシャフト51の摩耗量が大きかった。比較例2,6は、十分な厚さの化合物層が形成されていなかったため、ローラ52の内周面の摩耗量が大きかった。
また、比較例4,5は化合物層の厚さが20μmを超えており、ポーラス層が厚すぎたため、ローラ52の内周面の摩耗量が大きかった。さらに、比較例7(本発明例)は、十分な厚さの化合物層が形成され、かつポーラス層も形成されているため、ローラ52の内周面の摩耗量、及びシャフト51の外周面の摩耗量が共に少ないが、固体潤滑被膜の被覆面積率が75%未満であるため、実施例10〜12と比較して固体潤滑被膜による効果を十分に得ることができなかった。
また、図7から明らかなように、化合物層の厚さを8μm〜15μmとしたとき、ローラ52の内周面の摩耗量と相手部材であるシャフト51の外周面の摩耗量との和は5μm以下となっており、特に摩耗量の和が小さくなっているのがわかる。これはローラ52の耐摩耗性、及びシャフト51の外周面を摩耗させにくい性質がバランスよく付与されたためであると考えられる。
本発明に係るタペットローラ軸受の第1実施形態が組み込まれたカムフォロア装置を説明するための一部切欠側面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 本発明に係るタペットローラ軸受の第2実施形態を説明するための断面図である。 本発明に係るタペットローラ軸受の第3実施形態を説明するための断面図である。 ロッカーアームの変形例を説明するための側面図である。 耐久試験機の一例を説明するための概略図である。 実施例及び比較例における化合物層の厚さと摩耗量の和との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 カムフォロア装置
2 カムシャフト
3 カム
4,40 ロッカーアーム
9 支持壁部
10,20,30 タペットローラ軸受
11 支持軸
12,22,32 ローラ
12a インナローラ
12b アウタローラ

Claims (3)

  1. エンジンのカムシャフトに固定されるカムの動きを受けるロッカーアームに支持される支持軸と、前記支持軸に回動自在に支持される少なくとも1個のローラと、を備えるタペットローラ軸受であって、
    前記ローラの表面に窒化処理による化合物層が形成され、
    前記化合物層の厚さは6μm〜20μmであり、
    前記化合物層の最表面には、ポーラス層が形成されることを特徴とするタペットローラ軸受。
  2. 前記化合物層の最表面に、被覆面積率75%以上の固体潤滑被膜が形成されることを特徴とする請求項1に記載のタペットローラ軸受。
  3. 前記固体潤滑被膜は、固体潤滑材をショットピーニングで投射することにより形成されることを特徴とする請求項2に記載のタペットローラ軸受。
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