JP2006063917A - ロッカーアームに使用する転がり軸受 - Google Patents

ロッカーアームに使用する転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2006063917A
JP2006063917A JP2004248859A JP2004248859A JP2006063917A JP 2006063917 A JP2006063917 A JP 2006063917A JP 2004248859 A JP2004248859 A JP 2004248859A JP 2004248859 A JP2004248859 A JP 2004248859A JP 2006063917 A JP2006063917 A JP 2006063917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rocker arm
rolling
inner ring
rolling bearing
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004248859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4208797B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Watanabe
靖之 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2004248859A priority Critical patent/JP4208797B2/ja
Priority to EP05758261.1A priority patent/EP1788264B1/en
Priority to US11/659,316 priority patent/US7614374B2/en
Priority to PCT/JP2005/012455 priority patent/WO2006013696A1/ja
Priority to EP11162818.6A priority patent/EP2345822B1/en
Priority to EP09180115.9A priority patent/EP2159437B1/en
Publication of JP2006063917A publication Critical patent/JP2006063917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4208797B2 publication Critical patent/JP4208797B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

【課題】 中空円筒形状の内輪を有することで軽量・コンパクト化の要求に対応し、かつ割れ疲労強度および転動疲労寿命を改善した転がり軸受を提供する。
【解決手段】 ロッカーアームに使用する転がり軸受50は、エンジンのカム軸と転がり接触するローラ4と、ローラ4の内側に位置するローラ軸2と、ローラ4とローラ軸2との間に介在する複数のころ3とを備えている。ローラ軸2は、0.50質量%以上の炭素を含む鋼で構成され、中空の円筒形状を有し、端面においてHV200以上HV300以下の硬さを有し、かつ転動面表面から内径面までの径方向全体に硬化層2aを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用のエンジンのインテイクバルブやエグゾーストバルブの開閉に用いられるロッカーアームに使用する転がり軸受に関し、より具体的には、割れ疲労強度が高く、かつ転動疲労寿命が長い転がり軸受に関するものである。
近年、環境問題がクローズアップされ、自動車に対しても低燃費化が法的に義務付けられ、強く要求され始めている。これに伴い、エンジンを構成する各部品に対し、軽量・コンパクト化が要求されている。従って、エンジンのインテイクバルブやエグゾーストバルブの開閉に用いられるロッカーアームに対しても軽量・コンパクト化が要求され、自ずとロッカーアームに使用する軸受に対しても軽量・コンパクト化の要求がされている。
軸受の軽量化の方法として、内輪を中空の円筒形状(パイプ)にする方法がたとえば米国特許第4,727,832号に記載されており、また軸受のコンパクト化の方法として軸受のサイズダウンがある。しかし、軸受のサイズダウンは、カムの形状やバルブ開閉のリフト量に制約があるため、単純に小径化できず、幅(軸)方向のサイズダウンが主流となる。よって、軸受の軽量・コンパクト化の方法としては、内輪の中空円筒化と幅方向のサイズダウンが主流となる。
ここで、軸受の軽量・コンパクト化を実施するうえで、問題となる項目としては、外輪または内輪の割れ疲労強度、ころまたは内輪の転動疲労寿命の低下がある。
本出願人は、これまでに熱処理技術の改良により、外輪、ころ、および圧入やピン止め等(かしめ加工以外)を行うことでロッカーアームに固定する内輪(全体が硬化した内輪)に対しては、割れ疲労強度、転動疲労寿命を改善することに成功している。よって、かしめ加工を行うことでロッカーアームに固定する内輪について、割れ疲労強度、転動疲労寿命を改善する必要がある。
本出願人は、かしめ加工を行うことでロッカーアームに固定する内輪について転動疲労寿命を改善することにも成功しており、残る課題は中空円筒形状の内輪の割れ疲労強度の改善である。
従来、かしめ加工を行うことでロッカーアームに固定する内輪については、加工工程が増えるため、中空の円筒形状は使用されず、中実の円筒形状が使用され、端面のかしめ加工を可能にするために高周波熱処理により転動体であるころの転走面のみが表面硬化されている。このことは、たとえば特開昭62−7908号公報、特開平5−321616号公報などに開示されている。
同様に、中空の円筒形状の内輪を使用した場合でも、従来、端面のかしめ加工を可能にするために、高周波熱処理を用いて転動体であるころの転走面のみが表面硬化されている。このことは、たとえば特開平3−31503号公報、特開2000−38906号公報などに開示されている。
特に、中空の円筒形状の内輪では、中実の円筒形状の内輪に比べ、形状による曲げ応力が大きくなるため、この曲げ応力を15kgf/mm2以下にし、破損を防止する方法(特開2000−38906号公報参照)がある。しかし、この方法は形状の制約を付けてしまうことになり、軸受の軽量・コンパクト化の妨げとなる。
また、単純な中空の円筒形状の内輪では、前記の理由のため強度不足になるため、補強材を内径部につける方法(実開平3−63703号公報参照)がある。しかし、この方法では、加工工程が増えたり、複雑なため、軸受の価格が上がるというデメリットがある。
米国特許第4,727,832号明細書 特開昭62−7908号公報 特開平5−321616号公報 特開平3−31503号公報 特開2000−38906号公報 実開平3−63703号公報
上述したように、エンジンのインテイクバルブやエグゾーストバルブの開閉に用いられるロッカーアームに使用する軸受に対しても軽量・コンパクト化の要求がされているが、上記説明より、中空円筒形状の内輪の割れ疲労強度の改善が確立されていない。
それゆえ本発明の目的は、エンジンのインテイクバルブやエグゾーストバルブの開閉に用いられるロッカーアームに使用する転がり軸受において、中空円筒形状の内輪を有することで軽量・コンパクト化の要求に対応し、かつ割れ疲労強度および転動疲労寿命を改善した転がり軸受を提供することである。
本発明のロッカーアームに使用する転がり軸受は、エンジンのカム軸と転がり接触する外輪と、外輪の内側に位置する内輪と、外輪と内輪との間に介在する複数の転動体とを備えた、ロッカーアームに使用する転がり軸受において、内輪は、0.50質量%以上の炭素を含む鋼で構成され、中空の円筒形状を有し、端面においてHV200以上HV300以下の硬さを有し、かつ転動体が転動する内輪の転動面表面から内径面までの径方向全体に硬化層を有することを特徴とするものである。
本発明のロッカーアームに使用する転がり軸受によれば、転動体が転動する内輪の転動面表面からその内径までの径方向全体に硬化層を形成したことにより、静的割れ強度および割れ疲労強度を改善することができる。また内輪が中空円筒形状であるため、転がり軸受を軽量・コンパクト化することができる。
内輪を構成する鋼の炭素量は、高周波熱処理を行うことにより、転動体であるころの転動面である内輪の外径表面を適度な硬さ(HV653以上)に硬化するため、0.5質量%以上必要である。
内輪端面にかしめ加工を行うことにより、ロッカーアームなどに固定するため、内輪の端面の硬さはかしめ加工を行えることができるHV200以上HV300以下の範囲である。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、内輪の転動面表層部のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあり、そのオーステナイト結晶粒の粒度番号が研削後の転動面の表層50μmにおける値である。
オーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超え、オーステナイト結晶粒の粒径が微細であることにより、転動疲労寿命が大幅に改良することができる。オーステナイト結晶粒の粒度番号が10番以下では、割れ疲労強度、転動疲労寿命は大きく改善されないので、10番を超える範囲とする。通常、11番以上とする。オーステナイト結晶粒は細かいほど望ましいが、通常、13番を超える粒度番号を得ることは難しい。
ここで、オーステナイト結晶粒は、焼入れ処理を行った後も焼入れ直前のオーステナイト結晶粒界の痕跡が残っており、その痕跡に基づいた結晶粒をいう。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、内輪は、表層部に窒素富化層を有する。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、内輪転動面表層部の残留オーステナイト量が11体積%以上40体積%以下の範囲であり、その残留オーステナイト量が研削後の転動面の表層50μmにおける値である。
残留オーステナイト量が11体積%程度になると表面損傷寿命が低下し、11体積%未満になると更に低下する傾向がある。一方、残留オーステナイト量が40体積%より多いと、表面硬さの低下が起こり転動疲労寿命が悪くなる。残留オーステナイト量は、研削後の転動面の表層50μmにおける値であって、例えば、X線回折によるマルテンサイトα(211)と残留オーステナイトγ(220)の回折強度の比較で測定することができる。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、窒素富化層における窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下の範囲であり、その窒素含有量が研削後の転動面の表層50μmにおける値である。
窒素富化層は、内輪の表層に形成された窒素含有量を増加した層であって、例えば浸炭窒化、窒化、浸窒などの処理によって形成することができる。窒素含有量が0.1質量%より少ないと効果が無く、特に表面損傷寿命が低下する。窒素含有量が0.7質量%より多いと、ボイドと呼ばれる空孔ができたり、残留オーステナイト量が多くなりすぎて硬度が出なくなったりして短寿命になる。窒素富化層の窒素含有量は、研削後の転動面の表層50μmにおける値であって、例えば、EPMA(波長分散型X線マイクロアナライザ)で測定することができる。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、内輪の転動面の表面硬さがHV653以上である。
表面硬さがHV653以上と高いことにより、転動疲労寿命を大幅に改良することができる。表面硬さがHV653未満では、転動疲労寿命は大きく改善せず、かえって悪くなる。通常、表面硬さの範囲はHV720以上HV800以下とする。表面硬さは高いほど望ましいが、通常、HV900を超える表面硬さを得ることは難しい。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、内輪の転動面表層部の窒素富化層における球状化炭化物の面積率が10%以上であり、その球状化炭化物の面積率が研削後の転動面の表層50μmにおける値である。
球状化炭化物の面積率が10%以上であることにより、転動疲労寿命が大幅に改良することができる。球状化炭化物の面積率が10%未満では、転動疲労寿命は大きく改善されないので、10%以上とする。球状化炭化物の面積率は多いほど望ましいが、通常、25%を超える面積率を得ると炭化物の粗大化・凝集により材料の靭性が劣化するため、望ましくは10%以上25%以下の範囲とする。球状化炭化物の面積率は、研削後の転動面の表層50μmにおける値であって、ピクリン酸アルコール溶液(ピクラル)を用い腐食した後に、光学顕微鏡(400倍)で観察することができる。
ここで、簡易的に球状化炭化物と表現しているが、実際は、炭化物/窒化物を合わせたものである。
上記の残留オーステナイト量、窒素富化層における窒素含有量、硬化層の硬さおよび球状化炭化物の面積率の各特性は、内輪の割れ強度改善より、転動疲労寿命の改善への寄与率が大きい。
(c1)上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、ロッカーアームは一方の端部と他方の端部との間に位置するロッカーアーム軸に取り付けられ、ロッカーアームの一方の端部には二股状の内輪支持部が設けられ、他方の端部にはエンジンの開閉用バルブの端部が当接し、二股状の内輪支持部には内輪が固定されている。
(c2)上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、ロッカーアームの一方の端部にはピボットが当接しており、ロッカーアームの一方の端部と他方の端部との間に転がり軸受が設けられ、他方の端部にはエンジンの開閉用バルブの端部が当接している。
(c3)上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、ロッカーアームは一方の端部と他方の端部との間に位置するロッカーアーム軸に取り付けられ、ロッカーアームの一方の端部にはカム軸からの力を伝達する連動棒の一方端部が当接しており、他方の端部にはエンジンの開閉用バルブの端部が当接しており、連動棒の他方端部には転がり軸受が設けられている。
上記の(c1)、(c2)、(c3)の各態様は、カムからの駆動力をエンジンのバルブに伝える点で共通するが、その構造が異なっており、異なるエンジンの型式にそれぞれ対応できるようになっている。
上記のロッカーアームに使用する転がり軸受において好ましくは、転がり軸受が総ころ形式のニードル軸受である。
以上説明したように本発明のロッカーアームに使用する軸受によれば、内輪の転動体が転動する転動面表面からその内径までの径方向全体に硬化層を形成したことにより、静的割れ強度および割れ疲労強度を改善することができる。また内輪が中空円筒形状であるため、転がり軸受を軽量・コンパクト化することができる。
また表層部に窒素富化層を有し、オーステナイト結晶が粒度番号で10番を超えて微細化され、残留オーステナイト量が適度に有り、適正な表面硬さを有し、球状化炭化物の面積率が多いため、通常の荷重依存型の転動疲労寿命と、滑りや油膜切れが原因で生じる金属接触による表面損傷寿命の両方を改善することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアの構成を示す概略正面図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面に対応する図である。図1および図2を参照して、ロッカーアーム1は、一方の端部1aと他方の端部1bとの間に位置する中央部において軸受メタルなどを介してロッカーアーム軸5に支持されている。ロッカーアーム1はロッカーアーム軸5を中心に揺動運動する。
このロッカーアーム1の他方の端部1bには、アジャストねじ7が螺挿されている。このアジャストねじ7はロックナット8により固定され、その下端において内燃機関の給気弁もしくは排気弁のバルブ(エンジンの開閉用バルブ)9の上端と当接している。このバルブ9はばね10の弾発力で付勢されている。
ロッカーアーム1は、一方の端部1aに、二股状に形成されたローラ支持部14を一体に有している。この二股状のローラ支持部14には、内輪に相当するローラ軸2と、転動体であるころ3と、外輪に相当するローラ4とを有する総ころタイプの転がり軸受(ニードル軸受)50が配置されている。
ローラ軸2は中空の円筒形状を有している。このローラ軸2の両端は、かしめ加工を行うことで二股状のローラ支持部14に固定されている。このローラ軸2の外径面中央部には、ころ3を介して回転自在にローラ4が支持されている。ころ3の軸線方向は、ローラ軸2の軸線に平行に配置されている。このローラ4の外径面は、ばね10の付勢力によりカム軸に設けられたカム6のカム面に当接されている。
本明細書において、一方と他方との間にはとくに区別はなく、説明の順序で早く説明する端部を一方の端部とする意味しかない。
上述したように、ローラ軸(内輪)2と、ころ(転動体)3と、ローラ(外輪)4とにより構成されるころがり軸受50がロッカーアーム用の総ころ軸受として用いられている。一般に、保持器が用いられない場合、その軸受は総ころ軸受と呼称される。上記のロッカーアーム用総ころ軸受50は、外輪であるローラ4がカム6と接触しながら回転するよう支持するものであるため、外輪4にはカム6の押付け力と衝撃力とが作用する。
図3は、本発明の他の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアを示す図である。このカムフォロアでは、ロッカーアーム1の一方の端部1aと他方の端部1bとの間に、ロッカーアーム用総ころ軸受50が配置されている。この転がり軸受50は、内輪に相当するローラ軸2と、転動体であるころ3と、外輪に相当するローラ4とを有している。
ローラ軸2は、中空の円筒形状を有しており、ロッカーアーム1の両側の側壁の各々に開けられたローラ軸孔(図示せず)に両端を差し込まれてかしめ加工されることにより固定されている。このローラ軸2の外径面中央部には、ころ3を介して回転自在にローラ4が支持されている。ころ3の軸線方向は、ローラ軸2の軸線に平行に配置されている。このローラ4の外径面は、ばね10の付勢力によりカム軸に設けられたカム6のカム面に当接されている。
ロッカーアーム1の他方の端部1bにはエンジンの開閉用バルブ9の端部が当接し、一方の端部1aには図示しないピボットが当接するためピボット孔15が設けられている。ロッカーアーム1は、ピボットの周りに所定の向きにばね10によって付勢され、カム6から伝達される駆動力をローラ4で受けて、ばね10の付勢力に抗してバルブ9を動かす。
図4は、本発明のさらに他の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアを示す図である。図5は、図4の転がり軸受を含む部分を拡大した図である。図4を参照して、ロッカーアーム1の一方の端部1aと他方の端部1bとの間に位置する中央部にロッカーアーム軸5が配置され、このロッカーアーム軸5を中心としてロッカーアーム1が支持されている。ロッカーアーム1の他方の端部1bはエンジンの開閉用バルブ9の端部と当接し、一方の端部1aは連動棒16の一方端部と当接している。ロッカーアーム1の一方の端部1aにはアジャストねじ8が取付けられている。このアジャストねじ8は、ロッカーアーム1の一方の端部1aと連動棒16との当接位置を調節する機能を有している。
連動棒16の他方端部(図中下端)に中空の軸受取付部16aが位置している。この軸受取付部16aには、取付部材17によりロッカーアーム用総ころ軸受50が取り付けられている。
図5を参照して、この転がり軸受50は、内輪に相当するローラ軸2と、転動体であるころ3と、外輪に相当するローラ4とを有している。ローラ軸2は、中空の円筒形状を有している。このローラ軸2の両端は、かしめ加工されることにより取付部材17に固定されている。このローラ軸2の外周径中央部には、ころ3を介して回転自在にローラ4が支持されている。ころ3の軸線方向は、ローラ軸2の軸線に平行に配置されている。
図4を参照して、ローラ4の外径面は、ばね10の付勢力によりカム6のカム面に当接しており、図5に示すようにカム6はこの転がり軸受50のローラ4に当接して駆動力を連動棒16に伝達する。この連動棒16によりカム6を有するカム軸の駆動力がロッカーアーム1に伝達される。
図1〜図5に示される各転がり軸受50の内輪2は、0.50質量%以上の炭素を含む鋼で構成され、中空の円筒形状を有し、端面においてHV200以上HV300以下の硬さを有している。また各転がり軸受50の内輪2は、図7(a)、(b)に示すように、ころ(転動体)3が転動する内輪2の転動面表面から内径面2cまでの径方向全体に硬化層を有している。このような硬化層が内輪2の円周方向全周にわたって形成されていることが好ましい。
この硬化層のパターンとして特開2000−38906号公報に開示されたものは、図6に示すように内輪2の外径面2bの転動面表層部のみが硬化層2aであり、内径面2cの表層部および端面2dの表層部は未硬化層である。この硬化層2aのパターンの場合、軸受に荷重が負荷されると、硬化層2aと未硬化層とが混在する内輪2は、全体が硬化層2aとされた内輪2と比べ、強度が小さく、変形しやすいため、内径面2cの中央部に大きな引張応力が発生する。そして、荷重が繰り返し負荷されると、内径面2cの表層部は未硬化層であり硬化層2aと比べて疲労強度が小さいため、小さい引張応力の作用でクラックが発生し、内輪破損へつながる場合が多い。
一方、図7(a)、(b)を参照して、本実施の形態の硬化層2aのパターンの場合、内輪2の外径面2bの転動面表層部から内径面2cまで径方向全体が硬化層2aであり、未硬化層の部分は端面2dの表層部付近だけである。この硬化層2aのパターンの場合、図6に示す内輪2と比べ、硬化層2aの領域が多いため、強度が大きく、変形し難い。また、荷重が繰り返し負荷されても、内径面2cの中央部は硬化層2aであり、疲労強度が大きいため、クラックの発生を防止でき、内輪2の破損へつながる可能性が低くなる。
望ましくは図7(a)よりも図7(b)の硬化層パターンの方が、内径面2cにおける硬化層2aの領域が広く、強度的に有利である。また、荷重が繰り返し負荷されることにより発生する引張応力に対して内径面2cの広い領域に渡ってクラックの発生を防止するものの方が、内径面2cの中央部のみで防止するものよりも、ロッカーアーム1の不安定挙動による偏荷重を受けた場合にも有利である。
また硬化層2aの硬度はHV653以上であり、内輪2の端面2dを含む未硬化層の硬度はHV200以上HV300以下である。また硬化層2aと未硬化層との間には、中間層(硬度HV300以上HV653以下)が存在する。
また、内輪2は、表層部に窒素富化層を有し、その表層部に高周波焼入れが施されてオーステナイト結晶粒度が10番を超える範囲にあり(JIS規格による)超微細であることが好ましい。
また、内輪2の転動面の表面硬さはHV653以上である。また内輪2の表層部では高周波焼入れが施されたために、残留オーステナイト量が11体積%以上40体積%以下を占めることが好ましい。また窒素富化層における窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下の範囲であることが好ましい。これらの残留オーステナイト量と窒素含有量とは、研削後の転動面の表層50μmにおける値である。この結果、表層部では表面損傷および内部起点型剥離ともに生成しにくく、一方、他の部位では硬度が低いためにかしめ加工しやすい。このため、図示していないが、ローラ軸の両端はかしめ加工され、ローラ軸支持部の面取り部にかしめ加工固定部を形成している。
次に、これら転がり軸受50の内輪2に行なう浸炭窒化処理を含む熱処理について説明する。
図8は、本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。また、図9は、本発明の実施の形態における別の熱処理方法を説明する図である。図8はA1点以上で浸炭窒化処理を行なった後、そのまま徐冷する熱処理パターンであり、図9はA1点以上で浸炭窒化処理を行なった後、急冷し、次いでA1点未満で調質処理すなわち焼戻し処理を行なう熱処理パターンである。図8の熱処理パターンにおける徐冷処理または図9における調質処理は、互いに対応しており、表層部以外の部分の硬度を低くすることに寄与している。図8および図9の熱処理パターンのどちらもその後で、転動面のある表層部に高周波焼入れを施し、その後、低温焼戻しを施す。
次に、図8および図9の各処理ごとにミクロ組織がどのように生成されてゆくか説明する。まず図8および図9のヒートパターンのいずれにおいても、0.50質量%以上の炭素を含む鋼で構成された中空円筒形状の鋼材に、たとえばA1点以上で浸炭窒化処理を行なう。この浸炭窒化処理おいて、転がり軸受の対象部材(内輪)に窒素富化層を形成する。この窒素富化層では、鉄原子Feに対する侵入型元素であるC、Nが過共析に侵入し、たとえばオーステナイト中に炭化物が析出している(2相共存)。すなわち、窒素富化層では過共析鋼となっている。また、浸炭窒化処理されない内部では、素材である元々の鋼材の組成により、オーステナイト相となっている。また、素材である鋼材がフェライトとオーステナイトとの2相、またはオーステナイトとセメンタイトとの2相、が共存する温度で浸炭窒化処理を行なってもよい。
次いで、冷却する際に、図8のヒートパターン(ヒートパターンH1とする)では、浸炭窒化処理温度から徐冷する。この徐冷の目的は、組織を軟化し加工性を向上するためである。この徐冷中に、内部では上記のオーステナイトから、フェライトとセメンタイトとで構成されるパーライトが生成するが、パーライト中のセメンタイトを層状化させずに凝集粗大化させることにより、軟化を推進する。したがって、徐冷する温度域は浸炭窒化処理温度〜(A1点−100℃)程度まででよい。これより低い温度まで徐冷してもセメンタイトの凝集粗大化は期待できず、時間ばかりかかり能率を低下させる。目安としては620℃程度まででよい。その後は、時間短縮のために空冷してもよいし、水冷や油冷を行なってもよい。
窒素富化層では、炭化物+オーステナイトのオーステナイトからパーライトが生成し、その中の炭化物が凝集粗大化する。
また、図9のヒートパターン(ヒートパターンH2とする)では、浸炭窒化処理温度から、たとえば油冷などして焼き入れる。この場合、内部では、もともとの鋼材の組成によりオーステナイトからマルテンサイトなどが生成する。このマルテンサイト組織は硬い。このままでは、かしめ加工は困難なので、上記焼戻処理(調質処理)を行なう。焼戻しはA1点直下でA1点にできるだけ近い温度で急速に進行する。すなわち、高温焼戻しを行なう。したがって、焼戻しはA1点〜650℃の範囲、またより好ましくはA1点〜680℃の範囲で行なうことが望ましい。この焼戻しにより、マルテンサイト組織における高い転位密度は消失し、転位密度の低いフェライトと凝集粗大化したセメンタイトとの組織が得られる。
また、浸炭窒化層では、油冷などの焼入れによって(炭化物+オーステナイト)のオーステナイトからマルテンサイトが生成する。マルテンサイトは、上記の焼戻しにより、内部に生成したマルテンサイトと同様に軟化される。元々あった炭化物は凝集する。
なお、上記のミクロ組織の説明は、分りやすさを優先させているので、上述したように、窒素やより複雑な実際のミクロ組織における副次的な要因は無視している。
次に、ヒートパターンH1およびH2の双方に、高周波焼入れを行なう。この高周波焼入れの前段階では、窒素富化層は、凝集した炭化物(比率大)と、フェライトとが混在した組織である。高周波焼入れでは急速加熱され、このとき、炭化物が固溶しながらオーステナイトを核発生させる。分散している炭化物の密度は非常に高いために、オーステナイト核発生密度は非常に高く、発生したオーステナイトが互いに会合して形成されるオーステナイト組織の結晶粒は超微細である。また、窒素富化層は過共析鋼なので、炭化物が共存し、この炭化物ができたばかりで超微細なオーステナイト粒の成長を阻止する。このため、窒素富化層において、超微細なオーステナイト粒を得ることができる。急速加熱の温度が高くなるにつれ炭化物は固溶し、超微細オーステナイトに多くの炭素が固溶される。
次に、急速加熱した後に焼入れを行なうと、超微細オーステナイトはマルテンサイトに変態する。このとき炭素を多く固溶しているためにオーステナイトが安定化され、マルテンサイトの間の微細な領域に未変態のオーステナイトが取り残される。これが残留オーステナイトである。この残留オーステナイトはマルテンサイトの間に形成されるため非常に微細である。体積率にして残留オーステナイトは11〜40体積%となる。
この後、180℃程度で硬度をあまり落とさない程度の焼戻しを行なう。この180℃程度の焼戻しでは、高密度の転位はほとんど消失しないで維持される。この焼戻しは組織を安定化するために行なう。この焼戻しでは、セメンタイトの凝集は生じないし、軟化もほとんど生じない。鋼材によっては、この焼戻しは省略してもよい。
上記の残留オーステナイトを含んだ高周波焼入れ組織は、強靭であり、苛酷な使用条件下で長寿命を実現することができる。
上記の熱処理を行なうことにより、表層部のオーステナイト粒度を11番以上(10番を超える範囲)の超細粒にし、また内部のミクロ組織をフェライトと炭化物との混合組織にすることができる。また、表層部の硬度をHV635以上とし、残留オーステナイトを11〜40体積%とすることができる。また図7(a)または(b)に示すように硬化層(硬度HV635以上)を内輪の転動面表面から内径面までの径方向全体に形成することができる。
一方、硬化層以外の未硬化層の部分(内輪の端面を含む)の硬度をHv200以上HV300以下とすることができる。したがって、上記の熱処理を受けた内輪は、転動疲労特性が長寿命であり、かしめ加工が容易である。
また窒素富化層における窒素含有量を0.1質量%以上0.7質量%以下にでき、窒素富化層における球状化炭化物の面積率を10%以上にすることができる。
次に、図8および図9に示したヒートパターンH1、H2の各々の具体的な条件について説明する。
図10は図8のヒートパターンH1に具体的な条件を付記した図であり、図11は図9のヒートパターンH2に具体的な条件を付記した図である。図10を参照して、浸炭窒化処理はたとえば850℃×90分の条件で行なわれる。浸炭窒化処理後の徐冷はたとえば浸炭窒化処理温度から650℃まで炉冷した後に、650℃から500℃まで炉冷し、その後に空冷することにより行なわれる。高周波焼入れは、たとえば800〜1000℃の温度まで急速加熱した後に水冷することにより行なわれる。焼戻しはたとえば180℃×120分の条件で行なわれ、その後に空冷される。
図11を参照して、浸炭窒化処理はたとえば850℃×90分の条件で行なわれる。浸炭窒化処理後にたとえば油冷により100℃間で冷却される。焼戻処理(調質処理)はたとえば700℃×120分の条件で行なわれ、その後に空冷される。高周波焼入れは、たとえば800〜1000℃の温度まで急速加熱した後に水冷することにより行なわれる。焼戻しはたとえば180℃×120分の条件で行なわれ、その後に空冷される。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
JIS規格SUJ2を用いて、転動疲労試験用の軸受を製作した。軸受はロッカーアームに使用する総ころタイプのニードル軸受である。内輪は、内径φ10mm×外径φ14.64mm×幅L15mmであり、外輪は内径φ18.64mm×外径φ24mm×幅L7mmである。ころは外径φ2mm×長さL6.8mmを26本用い、保持器を用いない総ころタイプの構成とした。この軸受の基本動定格荷重は8.6kN、基本静定格荷重は12.9kNである。
各試験軸受の内輪の製造履歴は次の通りである。
試験軸受No.1(本発明例1):硬化層パターンが図7(b)に示すようなパターンになるよう高周波熱処理を行った。
試験軸受No.2、3(本発明例2、3):図10に示すヒートパターンH1の工程の熱処理を行った。また、硬化層パターンが図7(b)に示すようなパターンになるよう高周波熱処理を行った。
試験軸受No.4(比較例1):硬化層パターンが図6に示すようなパターンになるよう高周波熱処理を行った。
試験軸受No.5(比較例2):図10に示すヒートパターンH1の工程の熱処理を行った。また、硬化層パターンが図6に示すようなパターンになるよう高周波熱処理を行った。
各試験軸受の外輪は、標準熱処理品(焼入・焼戻)を使用した。各試験軸受のころの製造履歴は次の通りである。
試験軸受No.1、4:標準熱処理品(焼入・焼戻)
試験軸受No.2、3、5:浸炭窒化処理品
上記の製造方法で製作した試験軸受の内輪の材質調査結果および機能評価試験結果を表1に示す。
Figure 2006063917
次に材質調査方法および機能評価試験方法について説明する。
(1)オーステナイト結晶粒度
オーステナイト結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行った。オーステナイト結晶粒度は研削後の転動面中央部の表層50μmにおける値を採用した。
(2)残留オーステナイト量
残留オーステナイト量の測定は、X線回折によるマルテンサイトα(211)と残留オーステナイトγ(220)の回折強度の比較で行った。残留オーステナイト量は研削後の転動面中央部の表層50μmにおける値を採用した。
(3)窒素含有量
窒素含有量の測定は、EPMAを用いて行った。窒素含有量は研削後の転動面中央部の表層50μmにおける値を採用した。
(4)表面硬さ
研削後の転動面中央部の表面硬さを測定した。その測定は、ビッカース硬度計(1kgf)を用いて行った。
(5)球状化炭化物の面積率
球状化炭化物の面積率は、ピクリン酸アルコール溶液(ピクラル)を用い腐食した後、光学顕微鏡(400倍)で観察し測定を行った。球状化炭化物の面積率は研削後の転動面中央部の表層50μmにおける値を採用した。
(6)静的割れ強度試験
試験軸受の内輪を用いて、単体にてアムスラー試験機で荷重をかけ静的割れ強度試験を行った。
(7)割れ疲労強度試験
試験軸受の内輪を用いて、表2に示す試験条件で割れ疲労強度試験を行った。
Figure 2006063917
(8)転動疲労寿命
転動疲労寿命は、図12に示す試験試験装置を用いて、表3に示す試験条件で行なった。図12に示す試験装置は外輪回転の試験装置である。図12を参照して、試験機に組み込まれた内輪52(2)と外輪54(4)との間に複数個の針状ころ53(3)を転動可能に配置した構成のものを用い、この外輪54を部材55、56によりラジアル荷重をかけながら所定の速度で回転させることにより転動疲労試験を行った。
Figure 2006063917
なお、表1には、転動疲労寿命試験、静的割れ強度試験、および割れ疲労強度試験結果は、標準熱処理品No.4の値を1として各試験軸受の結果を比率で表した。
表1に示した試験結果を説明する。
(1)オーステナイト結晶粒度
本発明品No.1〜3は結晶粒度番号が11〜12と顕著に微細化されている。標準熱処理品および浸炭窒化処理品No.4、5は、結晶粒度番号が9と本発明品より粗大なオーステナイト結晶粒となっている。
(2)残留オーステナイト量
本発明品No.2、3の残留オーステナイト量は20〜35体積%であり、これらの試料では適度なオーステナイトが存在する。
(3)窒素含有量
本発明品No.2、3の窒素含有量は0.12〜0.28質量%で窒素が含有されている。
(4)表面硬さ
本発明品No.2、3の表面硬さはHV770〜780である。
(5)球状化炭化物の面積率
本発明品No.2、3における球状化炭化物の面積率は、13.0〜13.6%である。
(6)静的割れ強度試験
本発明品No.1〜3の静的割れ強度は、比較品No.4、5と比べて高く、改善している。これは、軸受に荷重が負荷されると、図6に示すように硬化層と未硬化層とが混在する内輪(比較品)は、図7(a)、(b)に示すように外形面から内径面までの全体が硬化層とされた内輪(本発明品)と比べ、強度が小さく、変形しやすいため、内径面の中央部に大きな引張応力が発生するからであると考える。
(7)割れ疲労強度試験
本発明品No.1の割れ疲労強度は、比較品No.4と比べ、2倍以上に改善している。また、本発明品No.2、3の割れ疲労強度も比較品No.5と比べ3倍程度に改善している。これは、軸受に荷重が負荷されると、図6に示すように硬化層と未硬化層とが混在する内輪(比較品)は、図7(a)、(b)に示すように外形面から内径面までの全体が硬化層とされた内輪(本発明品)と比べ、強度が小さく、変形しやすいため、内径中央部に大きな引張応力が発生するからであると考える。
(8)転動疲労寿命試験
本発明品No.1の転動疲労寿命は、比較品No.4と比べ若干改善している。また、本発明品No.2、3の転動疲労寿命も、比較品No.5と比べ若干改善している。試料No.1、4と比べて試料No.2、3、5の転動疲労寿命が良いのは窒素富化層によるものと考える。窒素富化層が転動疲労寿命に効く要因としては、残留オーステナイト量、窒素含有量、球状化炭化物の面積率などが考えられる。
上記をまとめると、本発明品No.1〜3のように、硬化層パターンが図7(a)、(b)に示すように内輪外径の転動面表層部から内径面まで硬化層であることにより、静的割れ強度、割れ疲労強度を改善することができる。また、本発明品No.2、3のように、表層部に窒素富化層を有し、オーステナイト結晶が粒度番号で10番を超えて微細化され、残留オーステナイト量が適度に有り、適正な表面硬さを有し、球状化炭化物の面積率が多いため、通常の荷重依存型の転動疲労寿命、割れ疲労強度が改善する。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、自動車用のエンジンのインテイクバルブやエグゾーストバルブの開閉に用いられるロッカーアームに使用する転がり軸受に特に有利に適用され得る。
本発明の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアを示す図である。 図1におけるII−II線に沿う断面図である。 本発明の他の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアを示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態におけるエンジンのローラ付きカムフォロアを示す図である。 図4のエンジンのローラ付きカムフォロアのカムと接触する総ころ軸受の部分の拡大図である。 従来の硬化層のパターンを説明するための断面斜視図である。 本発明の実施の形態における硬化層のパターンを説明するための断面斜視図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における別の熱処理方法を説明する図である。 図8のヒートパターンH1に具体的な条件を付記した図である。 図9のヒートパターンH2に具体的な条件を付記した図である。外輪回転の転動疲労試験機を示す図である。 外輪回転の転動疲労試験機を示す図である。
符号の説明
1 ロッカーアーム、1a 一方の端部、1b 他方の端部、2 ローラ軸(内輪)、3 ころ(転動体)、4 ローラ(外輪)、5 ロッカーアーム軸、6 カム、7 アジャストねじ、8 ロックナット、9 エンジンバルブ、10 ばね、14 ローラ支持部、15 ピボット孔、16 連動棒、16a 軸受取付部、17 取付部材、50 転がり軸受、52 内輪、53 針状ころ、54 外輪、55,56 部材。

Claims (11)

  1. エンジンのカム軸と転がり接触する外輪と、前記外輪の内側に位置する内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在する複数の転動体とを備えた、ロッカーアームに使用する転がり軸受において、
    前記内輪は、0.50質量%以上の炭素を含む鋼で構成され、中空の円筒形状を有し、端面においてHV200以上HV300以下の硬さを有し、かつ前記転動体が転動する前記内輪の転動面表面から内径面までの径方向全体に硬化層を有していることを特徴とする、ロッカーアームに使用する転がり軸受。
  2. 前記内輪の転動面表層部のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあり、前記オーステナイト結晶粒の粒度番号が研削後の転動面の表層50μmにおける値であることを特徴とする、請求項1に記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  3. 前記内輪は、表層部に窒素富化層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  4. 前記内輪転動面表層部の残留オーステナイト量が11体積%以上40体積%以下の範囲であり、前記残留オーステナイト量が研削後の転動面の表層50μmにおける値であることを特徴とする、請求項3に記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  5. 前記窒素富化層における窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下の範囲であり、前記窒素含有量が研削後の転動面の表層50μmにおける値であることを特徴とする、請求項3または4に記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  6. 前記内輪の転動面の表面硬さがHV653以上であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  7. 前記内輪の転動面表層部の窒素富化層における球状化炭化物の面積率が10%以上であり、前記球状化炭化物の面積率が研削後の転動面の表層50μmにおける値であることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  8. 前記ロッカーアームは一方の端部と他方の端部との間に位置するロッカーアーム軸に取り付けられ、前記ロッカーアームの前記一方の端部には二股状の内輪支持部が設けられ、前記他方の端部には前記エンジンの開閉用バルブの端部が当接し、前記二股状の内輪支持部には前記前記内輪が固定されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  9. 前記ロッカーアームの一方の端部にはピボットが当接しており、前記ロッカーアームの前記一方の端部と他方の端部との間に前記転がり軸受が設けられ、前記他方の端部には前記エンジンの開閉用バルブの端部が当接していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  10. 前記ロッカーアームは一方の端部と他方の端部との間に位置するロッカーアーム軸に取り付けられ、前記ロッカーアームの前記一方の端部には前記カム軸からの力を伝達する連動棒の一方端部が当接しており、前記他方の端部には前記エンジンの開閉用バルブの端部が当接しており、前記連動棒の他方端部には前記転がり軸受が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
  11. 前記転がり軸受が総ころ形式のニードル軸受であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のロッカーアームに使用する転がり軸受。
JP2004248859A 2004-08-02 2004-08-27 ロッカーアームに使用する転がり軸受 Active JP4208797B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004248859A JP4208797B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 ロッカーアームに使用する転がり軸受
EP05758261.1A EP1788264B1 (en) 2004-08-02 2005-07-06 Rolling bearing for rocker arm
US11/659,316 US7614374B2 (en) 2004-08-02 2005-07-06 Rolling bearing for rocker arm
PCT/JP2005/012455 WO2006013696A1 (ja) 2004-08-02 2005-07-06 ロッカーアーム用転がり軸受
EP11162818.6A EP2345822B1 (en) 2004-08-02 2005-07-06 Rolling bearing for rocker arm and rocker arm
EP09180115.9A EP2159437B1 (en) 2004-08-02 2005-07-06 Rolling bearing for rocker arm

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004248859A JP4208797B2 (ja) 2004-08-27 2004-08-27 ロッカーアームに使用する転がり軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006063917A true JP2006063917A (ja) 2006-03-09
JP4208797B2 JP4208797B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=36110620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004248859A Active JP4208797B2 (ja) 2004-08-02 2004-08-27 ロッカーアームに使用する転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4208797B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228828A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Ntn Corp 軸棒の製造方法、軸受の製造方法、軸棒および軸受
JP2010101185A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2010112341A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2010112342A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Ntn Corp ロッカアームアッシー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228828A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Ntn Corp 軸棒の製造方法、軸受の製造方法、軸棒および軸受
JP2010101185A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2010112341A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2010112342A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Ntn Corp ロッカアームアッシー

Also Published As

Publication number Publication date
JP4208797B2 (ja) 2009-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4486411B2 (ja) ローラ付きカムフォロア
US7614374B2 (en) Rolling bearing for rocker arm
JP4566036B2 (ja) 転がり軸受
EP2256307B1 (en) Roller follower and valve train
EP1837413B1 (en) Rolling-sliding elements and process for production of the same
US7490583B2 (en) Full-type rolling bearing and roller cam follower for engine
WO2008007509A1 (fr) Procédé de production d'élément de rail, procédé de production de commande de soupape et élément de rail
JP3990254B2 (ja) 総ころタイプの転がり軸受
JP4208797B2 (ja) ロッカーアームに使用する転がり軸受
JP4897060B2 (ja) ローラ軸の製造方法
JP4694180B2 (ja) プラネタリギア機構の転がり支持機構
JP2009019639A (ja) エンジンのローラ付きカムフォロアの製造方法
JP2008063603A (ja) 軌道部材の製造方法、動弁装置の製造方法および軌道部材
JP2008064159A (ja) 軌道部材の製造方法、動弁装置の製造方法および軌道部材
JP5388264B2 (ja) 転動軸の製造方法
JP4368765B2 (ja) ロッカーアーム用転がり軸受
JP2004278528A (ja) エンジンのローラ付きカムフォロアおよび鋼部材
JP2004060807A (ja) 転がり軸受
JP2017075352A (ja) ロッカーアーム用軸受
JP4886007B2 (ja) ロッカーアーム用転がり軸受
JP2004183802A (ja) 針状ころ軸受およびその製造方法
JP2006063916A (ja) ロッカーアーム構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4208797

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121031

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131031

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250