JP2017075352A - ロッカーアーム用軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下や異物混入下で使用されて高耐久性を有するロッカーアーム用軸受【解決手段】ロッカーアーム用軸受の軸は以下の(1)から(6)の特徴を全て有する。(1)軸はC、Cr、Mn、Siを特定量含む(2)軸の中央部は焼入硬化されている(3)1.5<(L−l)/2(4)浸炭窒化、冷却、高周波焼入、焼戻しの順序で行う(5)冷却は、A1変態点未満まで冷却後、保持してから再度冷却、または、油冷冷却後高温焼き戻し(6)軸の中央部の表面硬度は、HV700〜HV900、γRは20Vol%〜50Vol%、軸の両端部の硬度はHV150〜HV350、(2/D)×∫f(x)dx[積分区間0−D/2]<10(Vol%)【選択図】図2

Description

本発明は、軸受に関し、より具体的には高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下や異物混入下で使用されて高耐久性を有する自動車や内燃機関に係わるロッカーアーム用軸受に関するものである。
図3は、この様なロッカーアーム軸受のうち、従来から広く知られている構造を示している。
エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフト1に固定された(一般的には一体に形成された)カム2に対向して、このカム2の動きを受けるロッカーアーム3が設けられている。このロッカーアーム3の端部には1対の支持壁部4、4が、互いに間隔を開けて設けられている。これら1対の支持壁部4、4の間には鋼製で中実の軸5を掛け渡している。この軸5の両端は焼き入れする事なく、生のままとしており、軸5を固定する際には、この未焼き入れ部分を、上記1対の支持壁部4、4に形成した通孔7、7の内周面に向けてかしめ付ける。上述の様にして、1対の支持壁部4、4の間に掛け渡された軸5の周囲にはローラ6を、それぞれが転動体である複数のニードル8、8を介して回転自在に支持しており、このローラ6の外周面を、上記カム2の外周面に当接させている。
従来のロッカーアーム用軸受の軸5は、JIS鋼種SUJ2等で構成され、ニードル8、8が転送する部分には高周波焼入れが施されて、軸として必要な硬さが付与されていた。また潤滑不良等による剥離寿命が問題となる場合には軸5はJIS鋼種SUJ2等に浸炭窒化処理等が施されて寿命が確保されていた。
また、近年では自動車の低燃費化の要求がますます強まっており、エンジン用軸受の小型化や高効率化が行われている。そのため、軸受容量が少なくなったり、使用環境が異物混入下、低Λになり易く寿命低下につながっている。
さらに、荷重の増大とともに温度も上昇しているため、軸5に熱膨張、熱変形が生じ、この膨張によりニードル8、8と軸5の間に滑りが増大し軌道面の摩耗やピーリング等が原因となったり、またニードル8、8と軸5の当たりがエッジロードになったりして早期剥離に至るという問題から長寿命の要望が高まっている。
ところで、軸5の熱膨張、熱変形は鋼に内在している残留オーステナイト量が多い程、大きくなる傾向にある。このため熱膨張、熱変形を抑制する対策として残留オーステナイトを極力少なくすることが最も効果が大きい。しかしながら、軸5とニードル8、8の転送面の残留オーステナイトが少なくなると転動疲労寿命が低下し、必要な耐久性が得られなくなる。
従来、軸の熱膨張、熱変形を防止する方法として、特許文献1に開示しているように、JIS SUJ2、SK85、S53C鋼等を用いて残留オーステナイト量を30%以下にし、高周波焼入れ部は寸法変化率で規定することで、熱影響による経年寸法変化を抑制している。しかしながら、残留オーステナイト量を少なくすると、転がり面の耐疲労強度が低下してくる。さらにJIS SUJ2、SK85、S53C鋼の場合、高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下においては、材質における熱的な安定性が不足する場合があり、転がり面の耐疲労強度が落ち、また熱膨張、熱変形が大きくなる傾向にある。
また、ロッカーアーム用軸受の軸は、軸サイズ(長さ、径)が小さく、高周波焼入れを行うとき必要な残留オーステナイトを確保することが困難な場合がある。残留オーステナイト量を増やすには、高周波加熱温度を上げたり、高周波加熱保持時間を長くしたりして、十分にマトリックス(母相)中に炭素、窒素を溶け込ます必要があるが、軸サイズが小さいと高周波加熱温度を上げるには限度があり、そのため十分な残留オーステナイトを確保できなくなる。
特開2005−249112号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下や異物混入下で使用されて高耐久性を有するロッカーアーム用軸受を発明したものである。
本発明のロッカーアーム用軸受は、
一対の支持壁部と、これら一対の支持壁部の間に掛け渡された軸と、この軸の周囲に、ニードルを介して回転自在に支持されたローラとを備えたロッカーアーム用軸受に於いて、上記軸は以下の(1)から(6)の特徴を全て有する。
(1)、軸の合金組成成分が重量比に対して、
C:0.3〜0.5重量%、
Cr:1.0〜1.5重量%、
Mn:1.0〜1.5重量%、
Si:0.2〜0.5重量%とした鋼から成る
(2)、軸の中央部は熱処理により焼入硬化されている
(3)、軸の軸方向長さL(mm)、軸直径φD(mm)、焼入硬化部長さl(mm)としたとき、
その関係が、1.5<(L−l)/2
(4)、上記(2)の熱処理は、浸炭窒化、冷却、高周波焼入、焼戻しの順序で行う
(5)、上記(4)の冷却は、
(a)A1変態点未満まで冷却後、ある高温度で保持してから再度冷却
または、
(b)油冷冷却し、その後高温焼き戻しを行う
(6)、上記(4)、(5)の熱処理後の
(a)軸の中央部の表面硬度は、HV700〜HV900、残留オーステナイト量は体積率で20Vol%〜50Vol%
(b)軸の両端部の硬度はHV150〜HV350
(c)残留オーステナイト(γR)の関数f(x)[ただしf(x)は軸中心を0とし、表面D/2までの任意の距離でのγR量(Vol%)を表す]とし、
その関係が、焼入硬化部長さlの範囲において、
(2/D)×∫f(x)dx[積分区間0−D/2]<10(Vol%)である。
また、上記軸の高周波焼入れ方法は、加熱部をパーライト及びベイナイト変態が起きないようにマルテンサイト変態終了点(Mf点)より高い温度まで冷却した後に、その温度にて恒温保持して、その後、マルテンサイト開始点(Ms点)より低い温度まで冷却して表面硬化層を生成する。
上述の様な構成を有する本発明によれば、
(1)、軸の焼入れ硬化部の残留オーステナイトが多すぎることはなく、高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下や異物混入下で使用されても、残留オーステナイトの分解により軸に熱膨張、熱変形が少なくなり、この熱膨張、熱変形によりニードルと軸の間に滑りが増大し軌道面の摩耗やピーリング等を抑制できたり、またニードルと軸の当たりがエッジロードになったりして早期剥離に至るという問題を解消できる。
(2)、軸端面硬さをHV150〜HV350としたので、固定法に加締めを行うことが可能となり、ロッカーアーム用軸受の構造が簡素となり、余分な部品を使わず部品点数が少なくて済む。
(3)、軸焼入層の表面硬度をHV700〜HV900としたので、軌道面表面硬度が十分確保され圧痕が形成され難い。
(4)、軸焼入層の表面の残留オーステナイト量を20Vol%〜50Vol%としたので応力集中軽減効果を最大限活用することができる。
更に、
(5)、軸の熱処理を、加熱部をパーライト及びベイナイト変態が起きないようにマルテンサイト変態終了点(Mf点)より高い温度まで冷却した後に、その温度にて恒温保持して、その後、マルテンサイト開始点(Ms点)より低い温度まで冷却するため、熱処理硬化層は硬度や靭性が低下することがなく、転動疲労寿命を十分に確保できるロッカーアーム用軸受を得ることができる。
本発明のロッカーアーム用軸受の部分切断平面図。 本発明のロッカーアーム用軸受の軸の断面図。 従来のロッカーアーム用軸受の部分切断平面図。
従来と同様な構成部分については、従来図と同じ符号を使用し、その説明は省略する。
図1は、本発明のロッカーアーム用軸受の部分切断平面図である。
図2は、本発明のロッカーアーム用軸受の軸の断面図であり、軸51のL(ミリ)は軸方向長さ、軸直径φD(ミリ)は軸直径、 l(ミリ)は焼入硬化部長さであり、これらの関係を、1.5<(L−l)/2としている。
本発明のロッカーアーム用軸受の軸の材料元素、及び各硬さ等について以下に説明する。
[C:0.3〜0.5重量%]
Cは、基地に固溶して、焼入れ、焼戻し後の硬さを向上させて強度を向上させるとともに、鉄、クロム等の炭化物形成元素と結合して炭化物を形成し耐摩耗性を高める作用を有する元素である。また耐転がり疲労に必要な硬さを得るために行う浸炭窒化の処理時間が長くなるとコストアップを招くことから処理時間短縮のためには、0.3重量%以上が必要となる。一方、0.50重量%を超えて含有させると、鍛造性、冷間加工性、被削性が低下して、加工コストの上昇を招く場合がある。
[Cr:1.0〜1.5重量%]
Crは、基地に固溶して焼入れ性、焼戻し軟化抵抗性、耐食性、及び転動寿命を高める作用を有する元素である。また、CやN等の浸入型固溶元素を実質的に動き難くして基地の組織を安定化し水素浸入時の寿命低下を大幅に抑制する作用も有している。さらに、合金鋼中に微細に分布する炭化物が、より高硬度の(Fe、Cr)3C、(Fe、Cr)7C3、(Fe、Cr)23C6等の炭化物からなるために、耐摩耗性を高める作用も有している。Crが1.0重量%未満であると前述の作用が十分得られない場合がり、1.5重量%を超えると冷間加工性、被削性、浸炭窒化性が低下して、コストの上昇を招くおそれがある上、製鋼時に粗大な共晶炭化物が生成され易くなり、転動寿命や強度が低下する場合がある。
[Mn:1.0〜1.5重量%]
Mnは、製鋼時に脱酸剤として働き、また、Crと同様に基地に固溶しMs点を降下させて、多量の残留オーステナイトを確保したり、焼入れ性を高める作用を有しているため、1.0重量%以上添加する必要がある。ただし、多量に添加すると、冷間加工性や被削性を低下させるだけではなく、マルテンサイト変態開始温度を低下させて、浸炭窒化後に多量の残留オーステナイトが残存して十分な硬さが得られない場合がある。
[Si:0.2〜0.5重量%]
Siは、Mn同様に製鋼時に脱酸剤として働き、0.2重量%以上添加する必要がある。またCr、Mnと同様に焼入れ性を向上させるとともに、基地のマルテンサイト化や残留オーステナイトの安定化を強化し、軸受寿命の向上に有効な元素である。さらに焼戻し軟化抵抗性を高める作用も有している。ただし、多量に添加すると、鍛造性、冷間加工性、被削性、及び浸炭窒化処理性を低下させる場合がある。
図2は、本発明に係わるロッカーアーム用軸受の軸51である。
軸の全長Lミリに対し、その中央部に高周波焼入れ硬化部をl ミリ設け、軸の両端部は高周波焼入れを行わない非硬化部としている。
軸の軸方向長さと焼入れ硬化部長さの関係が1.5<(L−l)/2であれば、焼入れ硬化部が端面加締め部に影響を及ぼすことはなく、加締め部が硬化することはない。
焼入れ硬化部長さlの範囲において(2/D)×∫f(x)dx[積分区間0−D/2]<10であれば、焼入れ硬化部の残留オーステナイトが多すぎることはなく、高温度や潤滑不良等油膜形成性の劣化する環境下や異物混入下で使用されても、残留オーステナイトの分解により軸に熱膨張、熱変形が少なくなり、この熱膨張、熱変形によりニードルと軸の間に滑りが増大し軌道面の摩耗やピーリング等を抑制できたり、またニードルと軸の当たりがエッジロードになったりして早期剥離に至るという問題を解消できる。
軸の硬化部と非硬化部を設けるために、浸炭窒化の冷却方法或いは、浸炭窒化後に高温焼戻しを行い、軸焼入層の表面硬度HV700〜HV900、端面非硬化部硬度はHV150〜HV350としている。
軸焼入層の表面硬度HV700〜HV900であれば、軌道面表面硬度が十分確保され圧痕が形成され難い。表面硬度HV700未満であると圧痕を形成する場合があり、HV900以上であると焼入れ温度を高く設定する必要性を生じ結晶粒径の粗大化により靭性が低下する場合がある。
軸端面硬さがHV150〜HV350であると、固定法に加締めを行うことが可能となり、ロッカーアーム用軸受の構造が簡素となり、余分な部品を使わず部品点数が少なくて済む。端部硬さがHV350を超えると、加締めの生産性が低下したり、金型の損傷頻度が増加したりする等といった問題が生じる場合がある。また、HV150未満であると加締め強度が不十分となり、使用条件によっては、軸がロッカーアームからの脱落や取り付け精度の劣化等が引き起こされる場合がある。従って、軸の端部表面硬さはHV150〜HV350であることが好ましい。なお、この場合の軸の端部とは、加締めによって軸が塑性変形する部分を指す。
残留オーステナイト量が20Vol%〜50Vol%であると応力集中軽減効果を最大限活用することができる。残留オーステナイト量が20Vol%未満であると表面疲労を緩和する応力集中軽減効果が少なく、疲労寿命が低下する。残留オーステナイト量が50Vol%を超えると表面硬さが低下したり、熱変形が大きくなってしまう場合があるため、耐摩耗性や耐表面疲労性がかえって損なわれる。
本発明はMf点より高い温度で一時冷却を中止するため、この間にオーステナイトが安定化して、焼入れした後の残留オーステナイト量が増加する。ただし連続冷却変態線図(CCT曲線)においてパーライト及びベイナイト変態が起きないように焼入れ冷却速度を選択する必要がある。パーライト及びベイナイトが出現すると硬度や靭性が低下するため転動疲労が著しく劣化する場合がある。また、Ms点〜Mf点の間の温度で保持する場合、焼入れ後恒温保持前の鋼組織がマルテンサイトとオーステナイトとなっているが、恒温保持時間を長くし過ぎると保持前の組織がマルテンサイト、オーステナイト、下部ベイナイト組織の混合したものに変わるため、保持時間は数十分程度とする。
[実施の形態]
表1に本発明例である実施例及び比較例の軸に用いた素材成分、及び表2に完成品鋼の品質、性能結果を示す。
但し、表2中の平均γRは、平均γR=(2/D)×∫f(x)dx[積分区間0−D/2]とする。
Figure 2017075352
Figure 2017075352
軸51の軸径はφ8.3ミリ、軸長さは13ミリとし、軸はまず線材を旋削加工、熱処理、端面研削、外径研削により製作する。
実施例、比較例(比較例12は除く)の熱処理条件を以下に記す。
<熱処理条件>・・・高周波仕様(本願発明)
浸炭窒化処理(冷却または焼入れ)・・・処理温度は880〜980℃、処理時間が
約2〜10h(雰囲気RXガス、エンリッチガス、アンモニアガス)

高温焼戻し・・・処理温度600℃〜750℃、保持時間2h

高周波焼入れ処理・・・処理温度900℃〜950℃、保持時間1秒〜20秒

焼戻し処理(低温焼戻し)・・・処理温度150℃〜180℃、保持時間1.5h
軸の耐久性を評価するため、寿命試験を行った。なお、その他試験軸受の部品(ニードル、外輪)は高炭素クロム鋼に焼入れ焼戻しを施したものを用いた。
寿命試験は以下耐久条件により実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例12まで同一条件で行い、軸、ニードル、外輪の少なくとも1つが破損した時点で中止し、そのときまでの試験稼動時間を、軸受の転がり疲れ寿命とした。
なお、本寿命試験において軸、ニードル、外輪のうち、どの部位が最弱であるかは予め予備試験を行い、軸がそれに該当することを確認した後に寿命試験を行っている。また実施例と比較例全ての軸受構成、及びニードルと外輪の熱処理ロットは同一のものを用いた。実施例及び比較例の軸熱膨張量、及び転動疲労寿命は比較例12の値を1としてその比で表現した。試験結果は表2に示す。実施例1〜実施例12は本願の請求項範囲となり、軸熱膨張量、転動疲労寿命、端面加締め性が良好となっている。比較例1は、表面硬さが低いことで転動疲労寿命が短くなっている。比較例2は、表面残留オーステナイトが多いことで、軸熱膨張量が大きくなり転動疲労寿命が短くなっている。比較例3〜比較例5は、本願請求範囲外の材料化学組成であるため、転動疲労寿命が短くなっている。比較例6、比較例7は、軸焼入れ範囲lの残留オーステナイトが多すぎることにより、軸熱膨張量が大きくなっており、転動疲労寿命が短くなっている。比較例8、比較例9は、焼入れ硬化部が加締め部に影響を及ぼしており、加締め部端面はHV350以下となっているが、加締め変形をする際に内部が硬くなっていることから、加締め部に割れが発生している。
<耐久試験条件>
試験機:日本精工製小型BOX試験機
基本動定格荷重C:6160N
基本静定格荷重C:5350N
荷重:1850N
L10寿命:55.3×10回転
潤滑油:エンジンオイル
潤滑油量:はねかけ方式
油温:100℃
加締め部の耐久性を確認するため、加締め割れ試験及び加締め部疲労試験を行った。加締め割れ試験は軸をロッカーアームに固定するとき靭性不足により加締め部クラックや割れの発生有無を確認し、加締め部疲労試験は軸をロッカーアームに固定した状態で使用中強度不足による加締め部破損の発生有無を確認した。
加締め割れ試験は、日本精工製加締めプレス試験機にて加締め荷重1.7トンの同一条件で行い、実施例、比較例の試験結果は表2に示す。
端面硬さHV350以下の実施例及び比較例に加締め部破損は認められなかった。比較例10は加締め端部硬さHV350より大きく、靭性不足により加締め部に亀裂が確認された。
加締め部疲労試験は、日本精工製油圧式変動加振試験機にて、試験サイクル100万回の同一条件で行い、実施例、比較例の試験結果は表2に示す。
全ての実施例に加締め部破損は認められなかった。端部硬さHV150以上である実施例及び比較例について破損が無いことがわかる。比較例11は加締め端部硬さHV150より小さく、強度不足により加締め部が変形しロッカーアームとの固定から離脱した。
1 カムシャフ
2 カム
3 ロッカーアーム
4 支持壁部
5、51 軸
6 ローラ
7 通孔
8 ニードル











Claims (2)

  1. 一対の支持壁部と、これら一対の支持壁部の間に掛け渡された軸と、この軸の周囲に、ニードルを介して回転自在に支持されたローラとを備えたロッカーアーム用軸受に於いて、上記軸は以下の(1)から(6)の特徴を全て有するロッカーアーム用軸受。
    (1)、軸の合金組成成分が重量比に対して、
    C:0.3〜0.5重量%、
    Cr:1.0〜1.5重量%、
    Mn:1.0〜1.5重量%、
    Si:0.2〜0.5重量%とした鋼から成る
    (2)、軸の中央部は熱処理により焼入硬化されている。
    (3)、軸の軸方向長さL(mm)、軸直径φD(mm)、焼入硬化部長さl(mm)としたとき、
    その関係が、1.5<(L−l)/2
    (4)、上記(2)の熱処理は、浸炭窒化、冷却、高周波焼入、焼戻しの順序で行う
    (5)、上記(4)の冷却は、
    (a)A1変態点未満まで冷却後、ある高温度で保持してから再度冷却
    または、
    (b)油冷冷却し、その後高温焼き戻しを行う
    (6)、上記(4)、(5)の熱処理後の
    (a)軸の中央部の表面硬度は、HV700〜HV900、残留オーステナイト量は体積率で20Vol%〜50Vol%
    (b)軸の両端部の硬度はHV150〜HV350
    (c)残留オーステナイト(γR)の関数f(x)[ただしf(x)は軸中心を0とし表面D/2までの任意の距離でのγR量(Vol%)を表す]とし、その関係が、
    焼入硬化部長さlの範囲において、
    (2/D)×∫f(x)dx[積分区間0−D/2]<10(Vol%)である
  2. 上記の高周波焼入れ方法が、加熱部をパーライト及びベイナイト変態が起きないようにマルテンサイト変態終了点(Mf点)より高い温度まで冷却した後に、その温度にて恒温保持して、その後、マルテンサイト開始点(Ms点)より低い温度まで冷却して成る表面硬化層を有することを特徴とする請求項1のロッカーアーム用軸受。
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