JP2009235489A - 中空鉄粉 - Google Patents

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尚道 中村
Yasuhiko Sakaguchi
泰彦 阪口
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Abstract

【課題】本発明は、従来技術にはない観点にたち、低コストで焼結部品軽量化の要請に応える軽量焼結部材を製造するために好適な原料粉を提供する。
【解決手段】成分組成が、質量%で、C:0.01%以下、残部鉄及び不可避不純物からなり、粒子内部に空孔を有し、平均粒子径が50μm以上、500μm以下、粒子の平均肉厚が10μm以上、平均粒子径の1/5以下であることを特徴とする中空鉄粉。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉末冶金用原料鉄粉に関し、特に軽量且つ高強度の焼結部品を製造するに適した原料鉄粉に関する。
鉄粉を金型にて圧縮成形し焼結する粉末冶金技術は、自動車部品を始めとする機械部品分野で広く使用されている。資源保護や温室効果ガス削減の必要性が急速に高まってきている中、粉末冶金技術は複雑形状の機械部品をニアネットシェイプに製造できるので、溶製材を切削加工するのに比較して材料歩留まりが高く、省資源化という課題に対する有力な解の一つとして期待されている。
温室効果ガス削減策としての重要な動きの一つは、各種自動車部品の軽量化である。焼結部品の軽量化対策としては、従来AlやMg、あるいはこれらの元素をベースとした軽量合金の応用が検討されてきたが、これらの軽量合金は、鉄系部品に比較してコストが高いという問題点があった。
一方、鉄系焼結部品の軽量化は、もっぱら、素材強度を向上させて部品サイズを小型化するという手法がとられており、具体的には、温間成形法や2P2S法などの高密度化工法が採用されている。
しかし、これらの工法は、非特許文献1によると、一般的な1P1Sに比較して1.2から1.5倍のコストがかかる。また、Ni、Mo、Cr、Mn、V、Cuなどが添加された合金鋼粉を用いる方法も広く利用されているが、合金鋼粉は純鉄粉に比較してコストが高いという問題点がある。
焼結部品の強度は、鉄粉粒子間の結合の強さに依存する場合が多い。そのため、粒子間の焼結を促進して強度を向上させるため、Cu、Pなど焼結過程で液相を生成する元素を添加する方法が知られている。
また、特許文献1にはα相を安定化させる元素(Mo、Si等)を添加して、粒子間の焼結を促進する技術が開示されている。
P.Skoglund et al.,"Advances in powder metallurgy and particulate materials-2002",Metal Powder Industries Federation(2002),p.4-85. 特開昭56−158843号公報
一方、粒子間の結合で強度が確保できる範囲においては、粒子内部は最小限の密度で良いと考えられる。しかし、従来の鉄系焼結材料の原料として広く用いられている水アトマイズ鉄粉は、一般に緻密な粒子構造を持つことが望ましいとされており、鉄粉粒子内部の緻密性を制御することによる焼結部品軽量化の検討例は殆ど見当たらないのが現状である。
そこで、本発明は、従来技術にはない観点にたち、低コストで焼結部品軽量化の要請に応える軽量焼結部材を製造するために好適な原料粉を提供することを目的とする。
発明者等は、鉄粉の製造方法を鋭意検討し、本発明の中空鉄粉を得るに至った。
第一の発明は、成分組成が、質量%で、C:0.01%以下、残部鉄及び不可避不純物からなり、粒子内部に空孔を有し、平均粒子径が50μm以上、500μm以下、粒子の平均肉厚が10μm以上、平均粒子径の1/5以下であることを特徴とする中空鉄粉である。
第二の発明は、水アトマイズ法により製造されていることを特徴とする第一の発明に記載の中空鉄粉である。
本発明の鉄粉を使用して製造された焼結部品は、従来の中実粒子からなる鉄粉で製造された焼結部品と比較して軽量化が達成されている。また、従来の焼結部品に比較して、軽量でありながら強度は同等レベルである。
本発明の中空鉄粉の製造工程を図1に示す。アトマイズ工程1では、所定の成分に調整された溶鋼2をノズル3から落下させて溶鋼流4とし、水ジェット5によって粉砕して中空生鉄粉6が得られる。
中空生鉄粉6には、CとOが多く含まれているため、次工程の熱処理工程7では、熱処理炉8によって、脱Cおよび脱O処理を行い本発明の中空鉄粉9とする。
本発明における中空鉄粉9の粒子構造の一例を図2に示す。鉄粉粒子10の内部に気孔11が存在する粒子構造を持っている。この気孔11は、溶鋼2に含まれるCとOが反応して生成するCOガスにより形成されたものである。
溶鋼中のCとOの反応によって、水アトマイズ鉄粉の粒子内に気孔が発生することは、特許文献1に開示されているが、特許文献1では、この気孔の発生を問題点として捉え、溶鋼中のC量を0.4質量%以下とすることによって、気孔の発生を抑制している。
しかし、粒子内部に気孔をつくるために、中空生鉄粉6に含まれるC量を0.4質量%以上とすると、次工程の熱処理工程7において、本発明のC:0.01質量%以下の範囲に低減させるための負荷が非常に大きくなり、好ましくない。
従って、本発明では、溶鋼流4と水ジェット5の比率、および水ジェット5の流速を調整することにより、C量を0.4質量%以下の範囲で、中空生鉄粉6中の気孔11サイズを制御した。
中空鉄粉の平均粒径は、篩分級による重量積算粒度分布の積算値が50%となる粒度であるd50で定義され、その好適範囲は、50μm以上、500μm以下である。平均粒径が50μmより小さいと、体積に対する表面積の比率が大きくなるため、中空化による軽量化効果が小さくなり好ましくない。一方平均粒径が500μmを超えると、粗大な粒子の割合が増え、粒子の偏析や狭小部への充填性の悪化などが生じ、好ましくない。
中空鉄粉の平均肉厚は10μm以上で、且つ平均粒径の1/5以下であることが望ましい。肉厚がこの範囲よりも小さい場合には、粒子強度が十分ではなく、圧縮成形時に気孔が潰れるため、軽量化の効果が得にくいためである。また、肉厚がこの範囲を超えて厚い場合は、鉄粉粒子中に占める気孔の分率が小さくなり、軽量化の効果が十分ではなくなる。
中空鉄粉に含まれる成分のうち、Cは0.01質量%未満とする。C量がこの範囲を超えて大きくなると、鉄粉粒子が硬くなり圧縮性が低下するため好ましくない。
また、Oは0.1質量%未満とする。Oは鉄粉に不可避的に含まれる元素であるが、0.1質量%を超えて含まれると鉄粉粒子が硬くなって圧縮性が低下して、好ましくない。
NもCと同様に鉄粉粒子を硬くする元素であるため、できるだけ低減することが好ましく、本発明の中空鉄粉に含まれるNは0.01質量%未満とする。
なお、上記した成分以外は、鉄および不可避的不純物である。不可避的不純物としてはP:0.1質量%未満、S:0.1質量%未満、Si:0.2質量%未満が許容できる。
本発明の一実施例として、図2に概略を示した製造工程に従って、本発明の鉄粉を製造した。
容量20kgの高周波溶解炉にて1700℃に加熱された溶鋼を、内径10mmの耐火ノズルから鉛直方向に吐出し、このノズルの周囲に同心円上に等間隔で対称に配置されたペンシルジェット型ノズルにて、溶鋼流に向かって水ジェットを吹き付け、アトマイズ鉄粉を製作した。アトマイズにあたっては、水ジェットの条件を種々調整して、表1に示す特性の粉を作製した。
見掛密度はJISZ2504により、流動度はJISZ2504に準拠したホールフローメータ法で測定した。また、鉄粉粒子を樹脂に埋め込んだ後に研磨して、鉄粉粒子断面を光学顕微鏡で観察し、中空鉄粉粒子の平均肉厚および中空鉄粉粒子の個数分率を測定した。中空鉄粉粒子の平均肉厚は、中空鉄粉粒子20個の平均肉厚を、中空鉄粉粒子の個数分率は、任意の視野中の鉄粉粒子100個中の中空鉄粉粒子の個数比率をいう。
Figure 2009235489
熱処理前の中空生鉄粉6の成分は質量%で、C:0.08〜0.1%、O:0.8〜1.2%、N:0.05〜0.01%、Mn:0.08〜0.12%、Si:0.01〜0.02%、P:0.005〜0.01%、S:0.005〜0.01%であった。
中空生鉄粉6を950℃×60分間、水素雰囲気で焼鈍して中空鉄粉9とした。焼鈍後の中空鉄粉9の成分は質量%で、C:0.001〜0.002%、O:0.08〜0.10%未満、N:0.001〜0.002%、その他の成分は、焼鈍前の中空生鉄粉6と同じであった。
中空鉄粉9に副原料として、Cu粉(福田金属箔粉製CE25):2.0質量%、黒鉛粉(日本黒鉛製J−CPB):0.8質量%、およびステアリン酸亜鉛(アデカファインケミカル製730):0.8質量%を混合し、圧力6t/cmで、外径38mm×内径25mm×厚さ10mmの形状に成形し、1130℃×20分間RXガス雰囲気で焼結した。焼結後の密度および圧環強度を表1に併せて示す。
なお、従来例の鉄粉として市販の水アトマイズ鉄粉(JFEスチール製JIP300A、C:0.002質量%、O:0.10質量%、N:0.001質量%、Mn:0.11質量%、Si:0.02質量%、P:0.01質量%、S:0.05質量%)、およびこの市販鉄粉を種々の粒度に篩分級した鉄粉を使用した以外は上記と同じ方法で副原料から焼結までを行ったものを、併せて作製した。
本発明の中空鉄粉を用いたNo.3およびNo.4は、市販鉄粉を同等粒度に分級して作製した従来例No.11およびNo.10よりも低い密度で同等の強度を示し、軽量化の効果が確認された。また、平均粒径が約200μmの本発明例の鉄粉で製作したNo.2は、同等粒度で粒子が中実である鉄粉で製作した比較例No.6より低密度かつ同等強度で、本発明の中空鉄粉の軽量化効果が確認される。本発明例であるNo.1は平均粒径が発明の範囲の上限に近いが従来例、比較例よりも密度が低く強度も遜色ない。
平均粒径が本発明の範囲より小さい比較例No.5は、市販鉄粉を同等粒度に分級した鉄粉で作製した従来例No.12と比較して密度に差異がなく、軽量化の効果も現れていない。平均肉厚が本発明の範囲よりも大きい比較例No.7は、同等粒度の本発明例No.2よりも密度が大きく、軽量化の効果が見られない。
また、平均肉厚が本発明の範囲よりも大きい比較例No.8は、同等粒度の本発明例No.4よりも密度が大きく軽量化の効果が見られない。平均粒径が本発明の範囲よりも大きいNo.9は、粗粉の偏析が著しく、焼結時に大きく形が歪んだため、その後の測定を中止した。
中空鉄粉の製造工程を説明する図である。 中空鉄粉の粒子構造を説明する図である。
符号の説明
1 水アトマイズ工程
2 溶鋼
3 ノズル
4 溶鋼流
5 水ジェット
6 中空生鉄粉
7 熱処理工程
8 熱処理炉
9 中空鉄粉
10 中空鉄粉粒子
11 気孔

Claims (2)

  1. 成分組成が、質量%で、C:0.01%以下、残部鉄及び不可避不純物からなり、粒子内部に空孔を有し、平均粒子径が50μm以上、500μm以下、粒子の平均肉厚が10μm以上、平均粒子径の1/5以下であることを特徴とする中空鉄粉。
  2. 水アトマイズ法により製造されていることを特徴とする請求項1記載の中空鉄粉。
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