JP2009233905A - 光学プラスチック物品 - Google Patents

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Tomoko Shimizu
智子 清水
Koichi Tamura
耕一 田村
Chiaki Inoue
知晶 井上
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Abstract

【課題】誘電体薄膜として誘電体多層膜を使用した耐久性のよい光学プラスチック物品を提供すること。
【解決手段】ポリカーボネート製の基材上に直接SiO2とZrO2の交互層からなる誘電体多層膜を直接形成させる。この時、基材と接する層はSiO2ではないことがことが好ましい。そしてこのような誘電体多層膜の上層に同誘電体多層膜を覆うアクリルウレタン樹脂を主体とする保護膜を形成させる。保護膜との界面に配置される層はSiO2であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は例えば車の内装部品や携帯電話やカメラの筐体外面やサニタリー関係部品等に好適に使用可能な直接金属光沢を目視させるような誘電体薄膜を表面に形成させた装飾性の高い光学プラスチック物品に関するものである。
プラスチック基材に金属光沢を与えるため真空蒸着やスパッタリング法等の成膜方法によって基材表面に薄膜を成膜し、これを保護膜で覆うようにした技術が従来から提案されている。例えば、特許文献1には基材にまず接着層を形成し、そこに金属薄膜もしくは誘電体薄膜を形成し、最後に保護層としてハードコート層を形成する技術が開示されている。また、特許文献2にも同様に合成樹脂の基材上にアンダーコートを塗布し、その上に金属薄膜を形成させ、次いでその上に透明なトップコートを塗布する技術が開示されている。
特開2005−296841号公報 特開2007−1247号公報
ところで、多様な金属色を創出するためには薄膜として金属酸化物を使用した誘電体多層膜を使用することが好ましい。ところが、誘電体多層膜からなる誘電体薄膜をプラスチック基材に形成させる場合に上記特許文献1のような接着層(あるいは特許文献2のようなアンダーコート)を介在させた場合には例えばカメラレンズの内面側のように外気にさらされない比較的高耐久性が要求されない環境であればよいが、車の内装部品や携帯電話やカメラの筐体外面やサニタリー関係部品等外部環境にさらされる場合では耐久性、特に耐アルカリ性の評価に関して好ましくない結果が得られていた。また、このような接着層を介在させることは製造工程が増えてコスト的にも不利である。
このような点から耐久性が高く外部環境でも使用可能な誘電体多層膜からなる誘電体薄膜をプラスチック基材に形成させた光学プラスチック物品が求められていた。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、その目的は誘電体薄膜として誘電体多層膜を使用した耐久性のよい光学プラスチック物品を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、プラスチック基材上に誘電体多層膜を直接形成させ、同誘電体多層膜の上層に同誘電体多層膜を覆う保護膜を形成させたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明では請求項1に記載の発明において、前記誘電体多層膜の層構造中にはSiO2層が含まれるとともに、前記誘電体多層膜の前記プラスチック基材に接する膜層はSiO2層ではないことをその要旨とする。
請求項3に記載の発明では請求項1又は2に記載の発明において、前記誘電体多層膜の最外層はSiO2層であることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記保護膜はアクリルウレタン樹脂を主体として構成されていることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記保護膜はアクリルウレタン樹脂に対してシリコーンを1〜6重量%の範囲で含有していることをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記保護膜は前記誘電体多層膜の上層に形成された中間膜の上層に形成されていることをその要旨とする。
請求項7に記載の発明では請求項6に記載の発明において、前記中間膜はアクリルウレタン樹脂を主体として構成されていることをその要旨とする。
本発明に使用されるプラスチック基材は特に限定されるものではなく、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクレート及びその共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、ABS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、NBR樹脂、AS樹脂等が一例として挙げられる。
誘電体多層膜の各構成膜層は親水性或いは非親水性の無機化合物から構成されており、例えばTiO2、Ta25、ZrO2、Al23、Nb25、SiO2、MgF2等の金属酸化物が挙げられる。構成される多層膜の数や各層の膜厚は特に限定されるものではない。これら構成膜によって任意に光学特性を調整することが可能である。
誘電体多層膜は蒸着法やスパッタリングで成膜することが好ましく、イオンプレーティング法で成膜することも可能である。
本発明に使用される保護膜としては耐アルカリ性、耐摩耗性、耐湿性、耐候性及び誘電体多層膜との密着性及び十分な硬度がある透明な保護膜が成膜されれば特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン系樹脂(アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂)、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂あるいはこれらの複合系樹脂等が挙げられる。
保護膜は刷毛塗り、ディップ法、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法の公知の方法で塗布し、乾燥させて形成するものであって必要に応じて加熱することも自由である。
各保護膜の膜厚は、3〜30μmが好ましく、特に5〜15μmの範囲が好ましい。膜厚が薄いと耐摩耗性や耐アルカリ性等の耐久性が得られにくく、膜厚が厚いと肉持ち感が出て外観上好ましくない。
また、保護膜塗装後に膜を硬化させるために熱をかけた方が良く、60℃〜120℃の温度で1〜2時間が好ましく、特に80℃〜100℃の温度の範囲が好ましい。硬化温度が低いと耐摩耗性などの耐久性が得られにくく、硬化温度が高いと誘電体多層膜や保護膜に熱クラックが発生するため好ましくない。
本発明の目的から保護膜としてアクリル系樹脂が耐候性に優れ好ましく、その他の耐久性の点も特にアクリルウレタン樹脂が好ましい。アクリルウレタン樹脂はアクリルポリオールを主剤として架橋剤としてポリイソシアネートを加えて重合させた樹脂である。
アクリルポリオールとして水酸基含有アクリル樹脂を好適に使用することができる。水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体及び必要に応じてその他の単量体を、既知の重合方法によって重合することにより得ることができる。
水酸基含有単量体はとしては例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜10のアルキレングリコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のモノアルコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
その他の単量体としては、水酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体以外の、重合性不飽和結合を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、通常、水酸基価が10〜200mgKOH/g程度、好ましくは30〜160mgKOH/g程度であり、数平均分子量が1,000〜50,000程度、好ましくは3,000〜30,000程度である。ガラス転移温度が0 〜 7 0 ℃ とされる。
また、ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1 , 4 − テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1 , 2 − プロピレンジイソシアネート、1 , 2 − ブチレンジイソシアネート、1 , 3 − ブチレンジイソシアネート、2 , 3 − ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート類が挙げられる。
更に、水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートのような環状脂肪族ジイソシアネート類が挙げられる。
更に、トリレンジイソシアネートもしくは4 , 4 ′ − ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類のような有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記したような各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。
更に、 1 , 3 , 5 − トリイソシアナトベンゼン、2 − イソシアナトエチル− 2 , 6− ジイソシアネートカプロエート等の3 個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート等が挙げられる。
また、保護膜としてアクリルウレタン樹脂を使用する場合にはシリコーンを添加することがシリコーン特有の撥水性や滑性効果により耐水や耐湿性が向上するため好ましい。但し、シリコーン含有量が多いと塗膜主成分であるアクリルウレタンの相対的な量が少なくなり塗膜形成を阻害され、架橋密度が小さくなる事から好ましくない。これらの点から好ましいアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン割合は1〜6重量%、より好ましくは3〜5重量%である。
本発明に使用される誘電体多層膜にはSiO2が含まれることが好ましく、なおかつプラスチック基材との界面、つまりプラスチック基材に接する構成膜層がSiO2層ではないことが好ましい。SiO2の膜層は吸湿性が高くこれが原因で誘電体多層膜がプラスチック基材から剥離しやすくなってしまうと推測される。プラスチック基材に接する構成膜層としてはZrO2が比較的好ましい。
一方、誘電体多層膜の最外層はSiO2層であることが好ましい。SiO2層は濡れ性が高いため材料界面同士が良くなじみやすい傾向にあるためである。特にアクリルウレタン樹脂との密着性は良好である。
上記各請求項に記載の発明によれば、耐アルカリ性、耐摩耗性、耐湿性、耐水性、耐候性及び誘電体多層膜との密着性がよく、十分な硬度を備えた保護膜を有する光学プラスチック物品を提供することができる。
(実施例1)
ポリカーボネート製基材の表面に真空蒸着法により基材側からZrO2、SiO2の順に2種類の酸化物を交互に配置させた交互多層膜(8層)からなる誘電体多層膜を成膜させた。最外層はSiO2である。
このように形成した誘電体多層膜の上面にアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。中間保護膜用にアクリル樹脂(商品名、EXP1506A:藤倉化成(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、EXP1506B:藤倉化成(株)製)をそれぞれ100重量部と7重量部を混合し、シクロヘキサノン80重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーした後、乾燥炉で80℃の温度で60分乾燥させることで厚さ8μmの透明な保護膜を得た。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂からなる上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリルウレタン樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーした後、乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例1のプラスチックについて以下の性能試験を行った。その結果を表1に示す。尚、以下の性能試験は木口面(横断面)方向で中間保護膜及び上層保護膜にコートされていない誘電体多層膜が露出されている状態での試験結果である。
1)密着性
密着性の評価は碁盤目テープ法に準じた碁盤目試験方法を採用した。ナイフを用いて基材表面に1mm間隔の切れ目をいれ、100個のマス目を形成する。次に、その上にセロハンテープ(ニチバン株式会社製の型番CT-18を使用)を強く押付けてから、表面から45度方向へ瞬間引っ張り剥離した後、コート膜の残っているマス目の数を数えて4段階でランク付けした。
◎ : マス目の剥離が全く認められずマス目の縁も欠けていない、
○ : マス目の剥離が認められないが、マス目の縁が欠けている、
△ : マス目の剥離が認められるが、マス目の残存数は9 0 個以上である、
× : マス目の剥離が認められ、マス目の残存数は8 9 個以下である。
2)硬度
試験方法は、JIS K 5400に準ずる。使用する鉛筆は、「(財)日本塗料検査協会 引っかき硬度試験用鉛筆」を使用。鉛筆硬度がH以上を(○)とし、硬度がHに満たないものを(×)とした。
3)耐湿性
60℃で湿度95%の雰囲気中に72時間放置後、上記と同様の碁盤目試験を行った。評価基準も上記と同様である。
4)耐水性
室温環境下で、水中に240時間浸水後、上記と同じ碁盤面試験を行った。評価基準も上記と同様である。
5)耐アルカリ性
3%苛性ソーダ溶液中に24時間浸漬し、塗膜外観を目視にて観察した。塗膜にへこみ、ひびわれ、白濁、変色などの異常のないものを良好( ○ ) とし、これらの少なくとも一つの異常が認められるものを不良( × ) とした。
6)耐磨耗性
綿布にて荷重10N、1万回往復で表面を擦り、塗膜外観を目視にて観察した。キズや塗膜剥離がないことを良好(○)とし、著しいキズや塗膜剥離をしているものを不良(×)とした。
(実施例2)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させ、この誘電体多層膜の上面に実施例1と同じアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン樹脂の割合を1重量%とした上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリル樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、更にシリコーン(商品名、BY−16:東レ・ダウコーニング株式会社製)を1.1重量部添加し希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーして乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例2のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させ、この誘電体多層膜の上面に実施例1と同じアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン樹脂の割合を3重量%とした上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリル樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、更にシリコーン(商品名、BY−16:東レ・ダウコーニング株式会社製)を3.3重量部添加し希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーして乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例3のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させ、この誘電体多層膜の上面に実施例1と同じアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン樹脂の割合を5重量%とした上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリル樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、更にシリコーン(商品名、BY−16:東レ・ダウコーニング株式会社製)を5.5重量部添加し希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーして乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例4のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させ、この誘電体多層膜の上面に実施例1と同じアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン樹脂の割合を6重量%とした上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリル樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、更にシリコーン(商品名、BY−16:東レ・ダウコーニング株式会社製)を6.6重量部添加し希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーして乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例5のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリカーボネート製基材の表面に真空蒸着法により基材側からSiO2、ZrO2の順に2種類の酸化物を交互に配置させた交互多層膜(9層)からなる誘電体多層膜を成膜させた。最外層はSiO2である。
このように形成した誘電体多層膜の上面に実施例1と同じ中間保護膜と上層保護膜を形成させた。
このような層構造の実施例6のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
ポリカーボネート製基材の表面に真空蒸着法により基材側からZrO2、SiO2の順に2種類の酸化物を交互に配置させた交互多層膜(9層)からなる誘電体多層膜を成膜させた。最外層はZrO2である。
このように形成した誘電体多層膜の上面に実施例1と同じ中間保護膜と上層保護膜を形成させた。
このような層構造の実施例7のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させた。
このように形成した誘電体多層膜の上面にアクリルシリコ−ン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。中間保護膜用にアクリルシリコ−ン樹脂(商品名、アスコート#300クリヤー:カシュー(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、アスコート硬化剤J:カシュー(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、希釈剤(商品名、アスコートシンナー:カシュー(株)製)100重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーした後、乾燥炉で70℃の温度で20分乾燥させることで厚さ8μmの透明な保護膜を得た。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルシリコ−ン樹脂からなる上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリルシリコ−ン樹脂(商品名、Vシリコンマイルド:大日本塗料(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、Vシリコンマイルド硬化剤:(大日本塗料(株)製)をそれぞれ95重量部と5重量部を混合し、希釈剤(商品名、Vシリコンマイルドシンナー:大日本塗料(株)製)20重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーした後、乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例8のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8において上層保護膜を実施例1の条件で成膜させたものである。このような層構造の実施例9のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1と同じ構成の誘電体多層膜をポリカーボネート製基材の表面に成膜させ、この誘電体多層膜の上面に実施例1と同じアクリルウレタン樹脂からなる中間保護膜を形成させた。
このように形成した中間保護膜の上面にアクリルウレタン樹脂に対するシリコーン樹脂の割合を7重量%とした上層保護膜を形成させた。上層保護膜用にアクリル樹脂(商品名、レタンPG:関西ペイント(株)製)とポリイソシアネート架橋剤(商品名、レタンPG硬化剤:関西ペイント(株)製)をそれぞれ100重量部と10重量部を混合し、更にシリコーン(商品名、BY−16:東レ・ダウコーニング株式会社製)を7.7重量部添加し希釈剤(商品名、レタンPGシンナー:関西ペイント(株)製)50重量部にて希釈した溶液を調製した。この溶液をスプレーガンにてスプレーして乾燥炉で90℃の温度で60分乾燥させることで厚さ10μmの透明な保護膜を得た。
このような層構造の実施例10のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1において中間保護膜を成膜させなかったものである。このような層構造の実施例11のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例6において中間保護膜を成膜させなかったものである。このような層構造の実施例12のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1〜5、8〜11と同様の条件で誘電体多層膜を成膜させた。中間保護膜及び上層保護膜は成膜させなかった。このような層構造の比較例1のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例6及び12と同様の条件で誘電体多層膜を成膜させた。中間保護膜及び上層保護膜は成膜させなかった。このような層構造の比較例2のプラスチックについて上記と同様の性能試験を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
ポリカーボネート製基材の表面に実施例1の中間保護膜と同じ条件で下層膜を成膜させた。誘電体多層膜、中間保護膜及び上層保護膜は実施例6と同じ条件で成膜させた。その結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリカーボネート製基材の表面に実施例1の中間保護膜と同じ条件で下層膜を成膜させた。誘電体多層膜、中間保護膜及び上層保護膜は実施例1と同じ条件で成膜させた。その結果を表2に示す。
Figure 2009233905
Figure 2009233905
<結果>
上記耐久性試験の結果、比較例ではいずれも耐アルカリ性が悪いのに対して実施例では実施例8を除いてすべて良好であった。また、硬度は実施例はいずれも良好であったが、保護膜のない比較例1及び2では硬度は十分ではなかった。耐湿性については誘電体多層膜の基材との界面に配置される膜層がSiO2である場合には実施例、比較例ともに良くない結果となった。また、誘電体多層膜の最外層がSiO2でない場合には密着性が良くない結果となった。
更に、実施例においては上層保護膜にシリコーンが含まれることが密着性、耐湿性に好結果を与えていると考えられるものの、その最適な範囲はアクリルウレタン樹脂に対して3〜5重量%であり、7重量%では逆に密着性、耐湿性に劣る結果となった。

Claims (7)

  1. プラスチック基材上に誘電体多層膜を直接形成させ、同誘電体多層膜の上層に同誘電体多層膜を覆う保護膜を形成させたことを特徴とする光学プラスチック物品。
  2. 前記誘電体多層膜の層構造中にはSiO2層が含まれるとともに、前記誘電体多層膜の前記プラスチック基材に接する膜層はSiO2層ではないことを特徴とする請求項1に記載の光学プラスチック物品。
  3. 前記誘電体多層膜の最外層はSiO2層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック光学物品。
  4. 前記保護膜はアクリルウレタン樹脂を主体として構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学プラスチック物品。
  5. 前記保護膜はアクリルウレタン樹脂に対してシリコーンを1〜6重量%の範囲で含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学プラスチック物品。
  6. 前記保護膜は前記誘電体多層膜の上層に形成された中間膜の上層に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学プラスチック物品。
  7. 前記中間膜はアクリルウレタン樹脂を主体として構成されていることを特徴とする請求項6に記載の光学プラスチック物品。
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