JP2009230235A - 画像処理装置及び方法、運転支援システム、車両 - Google Patents

画像処理装置及び方法、運転支援システム、車両 Download PDF

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Abstract

【課題】車両後部中央からずれた位置にリアカメラが設置された際において、画像の欠けなく画像の偏りを補正する。
【解決手段】車両に設置されたカメラより得られるカメラ画像から4特徴点を抽出する一方で、カメラ画像から生成されるべきオフセット補正画像上の4基準点の位置を設定し、4特徴点の座標値が4基準点の座標値に変換されるように、ホモグラフィ行列に基づく座標変換を行う。オフセット補正画像上において画像中心線と車体中心線が合致するように各座標値は設定される。生成されたオフセット補正画像の全体領域内に、カメラ画像の画像データに基づく画像データが存在しない画像欠落領域が含まれているか否かを判定し、それが含まれている場合は、2つの基準点又は4つの基準点の位置を左右対称に移動させ、移動後の基準点の位置に従ってホモグラフィ行列を再計算する。
【選択図】図6

Description

本発明は、カメラからの入力画像に対して画像処理を施す画像処理装置及び方法に関する。また本発明は、それらを利用した運転支援システム及び車両に関する。
車両の運転者にとって車両後方は死角となりやすい。そこで、車両後方を監視するリアカメラを車両後部に設置し、リアカメラから得られたカメラ画像を運転席付近に配置された表示装置に表示するという手法が提案されている。
通常、車両の構造又はデザイン上の制約から、図15に示す如く、リアカメラは、車両の後部中央からずれた位置(オフセット位置)に取り付けられることが多い。図15において、符号901はリアカメラを示している。このような位置のずれがあると、リアカメラから得られるカメラ画像上において、車体後部中心が画像の中心線上に位置しなくなる。たとえ、画像上における車体後部中心の位置と画像の中心線の位置をあわせたとしても、カメラ光軸が車体中心線からずれているため、実空間上における車両の動きと表示画面上の映像の動きが合わず、運転者は映像を見ながらの運転に違和感を覚える。
そこで、リアカメラが車両の後部中央からずれた位置に設置される場合、カメラ画像のラスタ毎のオフセット量に基づいて、カメラ画像内の所定の範囲を所定の倍率で伸縮させる方法が提案されている(下記特許文献1参照)。この方法では、車両の進行方向における車体中心線が画像の中心線上に位置し、且つ、車両の進行方向における車両両端が画像の両端に対応するように、カメラ画像を左右に分けて左右の部分画像を個別に伸縮補正する。
しかしながら、この方法では、補正を行うためのパラメータ調整が複雑となるため、カメラの取り付け位置に変更が生じた際、その変更への対応が困難である。また、カメラ画像を左右に分けて左右の部分画像を個別に伸縮補正するため、左右の画像の尺度が不均一となる。
尚、リアカメラが車両の後部中央からずれた位置に配置される場合に着目したが、リアカメラの光軸方向が車両の進行方向に対して傾くこともある。このような場合にも、上述と同様の問題が生じうる。
一方において、変換前画像上の4特徴点の座標値と変換後画像上の4基準点の座標値との対応関係に基づいてホモグラフィ行列を設定し、そのホモグラフィ行列に基づいて座標変換を行うという手法が一般的に知られている。この座標変換を利用して各座標値を適切に設定すれば、画像上における車体後部中心の位置と画像の中心線の位置とが合致したオフセット補正画像を生成することも可能ではある。但し、使用するホモグラフィ行列が適切でないと、オフセット補正画像に画像の欠落が発生する。
画像の欠落とは、オフセット補正画像の全体像が現れるべきオフセット補正画像の全体領域内に画像欠落領域が含まれることを意味する。画像欠落領域とは、カメラ画像の画像データに基づく画像データが存在しない領域を意味する。本来、カメラの撮影結果に基づくカメラ画像の画像データからオフセット補正画像の全画素の画像データが生成されるべきであるが、画像変換パラメータとしてのホモグラフィ行列が不適切であると、オフセット補正画像内の一部の画素の対応画素がカメラ画像内に存在しなくなり、結果、画像欠落が発生する。
特開2005−129988号公報
そこで本発明は、様々なカメラの取り付け位置又は取り付け角度に対応可能であって且つ画像の欠落を抑制可能な画像処理装置及び画像補正方法を提供することを目的とする。また、本発明は、それらを利用した運転支援システム及び車両を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、車両の周辺を撮影するカメラの撮影結果に基づいて入力画像を取得する画像取得手段と、前記入力画像上の特徴点の位置が変換画像上の基準点の位置に変換されるように、座標変換によって前記入力画像から前記変換画像を生成する画像変換手段と、前記特徴点の位置と前記基準点の位置に基づく、前記入力画像を前記変換画像に変換するための画像変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記パラメータ記憶手段に記憶された画像変換パラメータを用いて前記入力画像から得られる前記変換画像の全体領域内に、前記入力画像の画像データに基づく画像データが存在しない画像欠落領域が含まれるか否かを判定する欠落判定手段と、前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の発生が抑制されるように、前記基準点の位置の変更を介して前記画像変換パラメータを調整するパラメータ調整手段と、を備えたことを特徴とする。
上記画像処理装置は、入力画像上の特徴点の位置と変換画像上の基準点の位置とに基づく座標変換によって変換画像を生成する。また、入力画像はカメラの撮影結果に基づく画像であるため、カメラの取り付け位置及び取り付け角度の状態は入力画像上の特徴点の位置に反映される。このため、様々なカメラの取り付け位置又は取り付け角度に対応した変換画像を生成することが可能であり、取り付け位置等に変更が生じても、その変更後の取り付け位置等に応じた画像変換パラメータを容易に生成することが可能である。この際、画像変換パラメータによっては、変換画像の全体領域内に画像欠落領域が含まれることがあるが、パラメータ調整手段により画像欠落領域の発生が自動的に抑制される。
具体的には例えば、前記パラメータ調整手段は、前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記基準点の位置を前記変換画像の中心位置から離れる方向へ移動させることにより前記画像変換パラメータの調整を行う。
上述の如く、基準点の位置を変換画像の中心位置から遠ざけることにより変換画像の視野範囲が狭まるため、画像欠落領域の発生を抑制することが可能である。
より具体的には例えば、前記特徴点は第1及び第2の特徴点を含む複数の特徴点から成ると共に前記基準点は第1及び第2の基準点を含む複数の基準点から成り、前記第1及び第2の特徴点は夫々前記第1及び第2の基準点に対応し、前記パラメータ調整手段は、前記変換画像の全体領域内であって且つ前記第2の基準点よりも前記第1の基準点に近い領域に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記第1の基準点の位置を前記中心位置から離れる方向へ移動させる一方で、前記変換画像の全体領域内であって且つ前記第1の基準点よりも前記第2の基準点に近い領域に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記第2の基準点の位置を前記中心位置から離れる方向へ前記変換画像内で移動させる。
更に具体的には例えば、前記変換画像を水平又は垂直方向に二分する中心線を境界として前記変換画像を第1及び第2部分画像に分割して考えた場合、前記第1及び第2の基準点は夫々第1及び第2部分画像内に位置し、前記パラメータ調整手段は、前記中心線を対称軸として前記第1及び第2の基準点の位置が線対称の関係を保つように、前記第1及び第2の基準点の内の一方の位置を移動させる場合は、同時に他方の基準点の位置も移動させる。
そして例えば、前記変換画像上において、前記車両の進行方向における前記車両の車体中心線が前記中心線と合致するように、前記特徴点の位置及び移動前後の前記基準点の位置は決定される。
これにより、変換画像上において、画像の中心線と車体中心線が合致すると共に左右の画像の尺度が均一となる。
また例えば、前記画像変換パラメータによって前記変換画像内の各画素の座標値に対応する座標変換前の座標値が規定され、前記欠落判定手段は、その座標変換前の座標値が全て前記入力画像内の座標値である場合は前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていないと判定し、求めた前記座標値に前記入力画像外の座標値が含まれる場合は前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定する。
本発明に係る運転支援システムは、前記カメラ及び前記画像処理装置を備え、前記画像処理装置の画像変換手段にて得られる変換画像に基づく画像を表示手段に出力することを特徴とする。
本発明に係る車両は、前記カメラ及び前記画像処理装置が設置されたことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、車両の周辺を撮影するカメラの撮影結果に基づいて入力画像を取得する画像取得ステップと、前記入力画像上の特徴点の位置が変換画像上の基準点の位置に変換されるように、座標変換によって前記入力画像から前記変換画像を生成する画像変換ステップと、前記特徴点の位置と前記基準点の位置に基づく、前記入力画像を前記変換画像に変換するための画像変換パラメータを記憶するパラメータ記憶ステップと、記憶された画像変換パラメータを用いて前記入力画像から得られる前記変換画像の全体領域内に、前記入力画像の画像データに基づく画像データが存在しない画像欠落領域が含まれるか否かを判定する欠落判定ステップと、前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の発生が抑制されるように、前記基準点の位置の変更を介して前記画像変換パラメータを調整するパラメータ調整ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、様々なカメラの取り付け位置又は取り付け角度に対応可能であって且つ画像の欠落を抑制可能な画像処理装置及び画像補正方法を提供することができる。また、それらを利用した運転支援システム及び車両を提供することができる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。
図1(a)は、自動車である車両100を上方から見た平面図である。図1(b)は、車両100を側方から見た平面図である。車両100は、路面上に配置されているものとする。車両100の後部には、車両100後方の安全確認を支援するためのカメラ1が設置されている。カメラ1は、車両100の後方側に視野を有するように車両100に設置される。符号105が付された破線扇型領域は、カメラ1の撮影領域(視野)を表している。カメラ1の視野に車両100付近の後方側路面が含まれるように、カメラ1は後方下向きに設置される。尚、車両100として普通乗用車を例示しているが、車両100は、普通乗用車以外(トラックなど)であってもよい。路面は水平面上にあるものとする。
今、車両100を基準にし、実空間(実際の空間)において、仮想軸であるXC軸及びYC軸を定義する。XC軸及びYC軸は、路面上の軸であり、XC軸とYC軸は互いに直交する。XC軸及びYC軸から成る二次元座標系において、YC軸は車両100の進行方向に平行であり、車両100の車体中心線はYC軸上にのる。ここにおける車両100の進行方向とは、車両100の直進時における進行方向を意味するものとする。また、車体中心線とは、車両100の進行方向に平行な、車体の中心線を意味するものとする。より具体的には、車体中心線とは、車両100の右端を通り且つYC軸に平行な仮想線111と車両100の左端を通り且つYC軸に平行な仮想線112との間の中心を通る線である。また、車両100の前端を通り且つXC軸に平行な仮想線113と車両100の後端を通り且つXC軸に平行な仮想線114との間の中心を通る線はXC軸上にのる。仮想線111〜114は、路面上の仮想線であるとする。尚、車両100の右端とは車両100の車体の右端と同義である。車両100の左端等についても同様である。
図2に、本発明の実施形態に係る運転支援システムの概略全体ブロック図を示す。運転支援システムは、カメラ1、画像処理装置2、表示装置3及び操作部4を備える。カメラ1は、車両100の周辺に位置する被写体(路面を含む)を撮影し、撮影によって得られた画像を表す信号を画像処理装置2に出力する。画像処理装置2は、カメラ1から得た画像より表示用画像を生成する。画像処理装置2は、生成した表示用画像を表す映像信号を表示装置3に出力し、表示装置3は、与えられた映像信号に従って表示用画像を映像として表示する。操作部4は、ユーザによる操作を受け付ける部位であり、ユーザの操作内容は画像処理装置2に伝達される。
カメラ1の撮影によって得られた画像をカメラ画像と呼ぶ。カメラ1の出力信号そのものによって表されるカメラ画像は、レンズ歪みの影響を受けていることが多い。従って、画像処理装置2は、カメラ1の出力信号そのものによって表されるカメラ画像に対してレンズ歪み補正を施し、レンズ歪み補正後のカメラ画像に基づいて表示用画像の生成を行う。特記なき限り、以下に述べるカメラ画像とは、レンズ歪み補正後のカメラ画像を指すものとする。但し、カメラ1の特性によっては、レンズ歪み補正処理が省略されることもある。
カメラ1として、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子を用いたカメラが用いられる。画像処理装置2は、例えば集積回路から形成される。表示装置3は、液晶ディスプレイパネル等から形成される。カーナビゲーションシステムなどに含まれる表示装置を、運転支援システムにおける表示装置3として流用しても良い。また、画像処理装置2は、カーナビゲーションシステムの一部として組み込まれうる。画像処理装置2及び表示装置3は、例えば、車両100の運転席付近に設置される。
理想的には、カメラ1は、正確に車両後方を向けて車両後部中央に配置される。つまり、理想的には、カメラ1の光軸がYC軸を含む鉛直面上にのるように、カメラ1は車両100に設置される。しかしながら、車両100の構造又はデザイン上の制約或いはカメラ1の取り付け誤差に起因して、図3(a)に示す如くカメラ1が車両後部中央からずれた位置に設置されたり、図3(b)に示す如くカメラ1の光軸がYC軸を含む鉛直面と平行にならなかったりすることも多い。このような場合、カメラ画像の中心線がカメラ画像上の車体中心線からずれたり、カメラ画像が車両100の進行方向に対して傾いたりする。本実施形態に係る運転支援システムは、このような画像のずれや傾きを補償した画像を生成及び表示する機能を備える。
画像のずれや傾きが補償された画像をオフセット補正画像と呼ぶ。オフセット補正画像は、カメラ画像を座標変換することによって得られる。カメラ画像をカメラ1の視点とは異なる仮想視点から見たような画像に変換することによってオフセット補正画像が生成される、と考えることもできる。この種の座標変換(又は該座標変換による画像変換)は、視点変換とも呼ばれる。
カメラ画像からオフセット補正画像を得るための座標変換を、ホモグラフィ行列(射影変換行列)に基づいて行うことができる。画像処理装置2は、カメラ1の撮影結果に基づいてホモグラフィ行列を求めるが、一旦算出されたホモグラフィ行列は後に調整されうる。まず、図4を参照して、ホモグラフィ行列の初期値の算出方法を説明する。図4は、ホモグラフィ行列の初期値の算出動作を表すフローチャートである。尚、図4におけるステップS4〜S6の処理は、例えば、画像処理装置2内に設けられたパラメータ導出部(不図示)によって実行される。
まず、ステップS1において、校正環境が整備される。典型的な例として、図5に示すような校正環境が整備されたことを想定する。但し、以下の校正環境は理想的なものであり、実際には誤差が含まれうる。
まず、車両100にカメラ1を設置し、路面上に描かれた白線L1及びL2がカメラ1の視野内に収まるように車両100を路面上に配置する。白線L1及びL2は、例えば、駐車場における1つの駐車区画を他の駐車区画と区分けするための標識である。路面上において、白線L1とL2は、互いに平行な線分であって、両線分の長さは同じであるとする。そして、YC軸を対称軸として白線L1と白線L2は線対称の関係を有するものとする。従って、YC軸と白線L1及びL2とは平行であり且つYC軸と白線L1との距離とYC軸と白線L2との距離は一致する。尚、図5では、カメラ1が正確に車両後方を向けて車両後部中央に配置されているが、上述したように、この配置にはずれが含まれうる。
白線L1の両端点の内、カメラ1及び車両100から遠い方及び近い方の端点を夫々P1及びP3で表し、白線L2の両端点の内、カメラ1及び車両100から遠い方及び近い方の端点を夫々P2及びP4で表す。説明の簡略化上、各白線の太さ(XC軸方向の長さ)の存在を無視して考える。白線L1の太さを無視しない場合は、YC軸に平行な、白線L1の中心線を想定し、その中心線上における白線L1の両端点を端点P1及びP3と捉えればよい(白線L2に対しても同様)。
このような校正環境の下、ステップS2において、カメラ1に撮影を行わせて原画像を取得し、ステップS3において原画像にレンズ歪み補正を施す。原画像とは、レンズ歪み補正前のカメラ画像を指す。原画像にレンズ歪み補正を施して得た画像を、上述したように、単にカメラ画像と呼ぶ。ステップS3にて得られたカメラ画像が、図6に示すカメラ画像210であったとする。カメラ画像210内の点P1A〜P4Aは、夫々、カメラ画像210上の端点P1〜P4を表しており、それらの点を特徴点と呼ぶ。また、カメラ画像210を、図4の処理で求められるべきホモグラフィ行列の初期値に従って座標変換して得たオフセット補正画像を、符号220によって表す。
続くステップS4において、画像処理装置2は、カメラ画像210の画像データに基づいてカメラ画像210から特徴点P1A〜P4Aを抽出して、特徴点P1A〜P4Aの位置を検出する。
画像内における白線の端点を抽出する方法として公知の方法を用いることができる。例えば、特開昭63−142478号公報、特開平7−78234号公報又は国際公開番号WO00/7373号に記載された方法を用いることができる。即ち例えば、カメラ画像に対してエッジ抽出処理を行った後、そのエッジ抽出結果に対して更にハフ変換などを利用した直線抽出処理を実施し、得られた線分の端点を白線の端点として抽出する。尚、特徴点P1A〜P4Aの位置をユーザの手動操作で決定してもよい。つまり、ユーザによる操作部4への操作内容に基づいて、特徴点P1A〜P4Aの位置を決定しても良い。また、一旦、カメラ画像210の画像データに基づいて特徴点P1A〜P4Aを自動抽出させた後、抽出誤差に対応するべく、必要に応じて、ユーザが手動操作にて正確な特徴点P1A〜P4Aの位置を画像処理装置2に与えるようにしてもよい。
各特徴点の位置は、カメラ画像210上の座標値によって表される。今、カメラ画像及びオフセット補正画像が定義される座標面(座標系)として、X軸及びY軸を座標軸とする二次元のXY座標面(XY座標系)を想定する。X軸及びY軸は互いに直交し、カメラ画像上の点の座標値を(x,y)で表す一方で、オフセット補正画像上における点の座標値を(x',y')で表す。x及びyは、それぞれカメラ画像上の点の位置のX軸成分及びY軸成分を表し、x'及びy'は、それぞれオフセット補正画像上の点の位置のX軸成分及びY軸成分を表す。X軸は、カメラ画像及びオフセット補正画像の水平方向(及び水平ライン)に平行であり、Y軸は、カメラ画像及びオフセット補正画像の垂直方向(及び垂直ライン)に平行であるとする。X軸方向が画像の左右方向に対応し、且つ、Y軸方向が画像の上下方向に対応するものとする。また、X軸とY軸の交点に相当する、XY座標面上の原点をOにて表す。
また、カメラ画像及びオフセット補正画像は矩形画像であるとする。図7に、カメラ画像又はオフセット補正画像を表す矩形画像230を示す。図7において、直線241は矩形画像230を垂直方向に二分する水平中心線を表し、直線242は矩形画像230を水平方向に二分する垂直中心線を表す。水平中心線241は、矩形画像230の水平ラインに平行であり(X軸に平行であり)、垂直中心線242は、矩形画像230の垂直ラインに平行である(Y軸に平行である)。矩形画像230の全体領域は水平中心線241及び垂直中心線242によって4分割される。水平中心線241の上側であって垂直中心線242の左側に位置する画像領域、水平中心線241の上側であって垂直中心線242の右側に位置する画像領域、水平中心線241の下側であって垂直中心線242の左側に位置する画像領域、水平中心線241の下側であって垂直中心線242の右側に位置する画像領域を、それぞれ第1、第2、第3及び第4画像領域と呼び、第1、第2、第3及び第4画像領域内の画像を、夫々、第1、第2、第3及び第4部分画像と呼ぶ。また、水平中心線241と垂直中心線242との交点240は、矩形画像230の中心点である。
図4のステップS4にて特徴点P1A〜P4Aの位置が決定された後、ステップS5において、画像処理装置2は、特徴点P1A〜P4Aに対応すべき基準点P1B〜P4Bの位置を決定する。基準点P1B〜P4Bは、オフセット補正画像上における端点P1〜P4を表し、各基準点の位置は、オフセット補正画像上の座標値によって表される。基準点P1B〜P4Bの位置は、例えば、予め設定されている。或いは、操作部4に対する操作によってユーザが基準点P1B〜P4Bの位置を指定する。
但し、基準点P1B〜P4Bは、夫々、オフセット補正画像の第1〜第4画像領域内に位置するものとする。また、特徴点P1A〜P4Aは、夫々、カメラ画像における第1〜第4画像領域内に位置するものとする。また更に、オフセット補正画像において、垂直中心線と車体中心線が合致するように基準点P1B及びP3Bと基準点P2B及びP4Bを左右対称に配置する。即ち、基準点P1Bの位置と基準点P2Bの位置がオフセット補正画像の垂直中心線を対称軸として線対称の関係を持ち、且つ、基準点P3Bの位置と基準点P4Bの位置がオフセット補正画像の垂直中心線を対称軸として線対称の関係を持つように、ステップS5における基準点P1B〜P4Bの位置が決定されるものとする。
ステップS4及びS5にて4つの特徴点の座標値(位置)及び4つの基準点の座標値(位置)が決定されると、ステップS6において、画像処理処理2は、それらの座標値情報に基づいてホモグラフィ行列の初期値を算出する。ホモグラフィ行列をHで表した場合、カメラ画像上における座標値(x,y)とオフセット補正画像上における座標値(x',y')との関係は、下記式(1)のように表される。ホモグラフィ行列Hは、3行3列の行列であり、その行列の各要素をh1〜h9で表す。更に、h9=1であるとする(h9=1、となるように行列を正規化する)。また、式(1)より、座標値(x,y)と座標値(x',y')との関係は、下記式(2a)及び(2b)によって表すこともできる。
Figure 2009230235
Figure 2009230235
4組の座標値対応関係に基づきホモグラフィ行列を求める手法として、公知の手法を用いることができる。例えば、特開2004−342067号公報に記載の手法(特に、段落[0059]〜[0069]に記載の手法を参照)を用いればよい。ステップS4において決定された特徴点P1A〜P4Aの座標値が、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)及び(x4,y4)であり、且つ、ステップS5において決定された基準点P1B〜P4Bの座標値が、それぞれ(x1',y1')、(x2',y2')、(x3',y3')及び(x4',y4')であったとする。そうすると、ステップS6において、画像処理装置2は、座標値(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)及び(x4,y4)が、それぞれ、座標値(x1',y1')、(x2',y2')、(x3',y3')及び(x4',y4')に変換されるように、ホモグラフィ行列Hの要素h1〜h8の各値を求める。実際には、この変換の誤差(特開2004−342067号公報における評価関数)が最小化されるように要素h1〜h8の各値を求める。ここで求めた要素h1〜h8の各値を有するホモグラフィ行列Hを、ステップS6で求めるべきホモグラフィ行列の初期値とする。
一旦、ホモグラフィ行列が求まれば、上記式(2a)及び(2b)に従ってカメラ画像上の任意の点をオフセット補正画像上の点に変換することが可能であり、任意のカメラ画像から生成したオフセット補正画像上において、垂直中心線を車体中心線は合致する。実際には例えば、求めたホモグラフィ行列に従うテーブルデータを作成して、それを画像処理装置2内のメモリに格納することによりルックアップテーブルを生成し、そのテーブルデータを参照することによりカメラ画像からオフセット補正画像を生成する。このテーブルデータ又はホモグラフィ行列は、オフセット補正画像上の各画素の座標値に対応するカメラ画像上の座標値(即ち、座標変換前の座標値)を規定するパラメータである。以下、このパラメータを、画像変換パラメータと呼ぶ。
尚、上述したホモグラフィ行列の初期値の算出方法は、あくまで例示であり、ホモグラフィ行列の初期値を用いて得たオフセット補正画像上において垂直中心線と車体中心線が合致するのであれば、それをどのように算出しても構わない。
上述の如くして画像変換パラメータを求めることにより、オフセット補正画像上において垂直中心線を車体中心線に合致させることができるが、画像変換パラメータによっては、図8に示すようにオフセット補正画像内に画像の欠落が生じる。
画像の欠落とは、オフセット補正画像の全体像が現れるべきオフセット補正画像の全体領域内に画像欠落領域が含まれることを意味する。画像欠落領域とは、カメラ画像の画像データに基づく画像データが存在しない領域を意味する。図8において、符号251及び252が付された斜線領域の夫々が画像欠落領域である。本来、カメラの撮影結果に基づくカメラ画像の画像データからオフセット補正画像の全画素の画像データが生成されるべきであるが、画像変換パラメータが不適切であると、オフセット補正画像内の一部の画素の対応画素がカメラ画像内に存在しなくなり、結果、画像欠落が発生する。
カメラ1が正確に車両後方を向けて車両後部中央に配置されない場合であっても、カメラ1の取り付け位置及び角度が一定の位置及び角度に完全に固定されることが分かっている場合は、車両100を基準とする撮影領域は不変であるため、カメラ1の取り付け状態を考慮して運転支援システムの設計段階で画像変換パラメータを最適に設定しておくことができる。しかし、ユーザが車両100とは別にカメラ1を用意して車両100の形状等に合わせてカメラ1を車両100に設置する場合は、上述のようにして画像変換パラメータを求めたとしても、画像変換結果を見なければオフセット補正画像に画像の欠落が生じるか否かが分からない。
本実施形態に係る運転支援システムには、画像の欠落を排除するための、画像変換パラメータに対する自動調整機能が備えられている。以下、この機能に注目した運転支援システムの構成及び動作を説明する。
図9は、画像処理装置2の機能ブロック図を含む、図1の運転支援システムの詳細ブロック図である。画像処理装置2は、符号11〜17によって参照される各部位を備える。図10は、上記の自動調整機能を実現するための動作を含む、運転支援システムの動作の流れを表すフローチャートである。
まず、ステップS11において、画像入力部11は、カメラ1から原画像の入力を受ける。即ち、画像入力部11は、カメラ1から送られてくる原画像の画像データを受け取り、その画像データをフレームメモリ(不図示)に記憶させることで原画像を取得する。原画像とは、上述したように、レンズ歪み補正前のカメラ画像を指す。広視野角を確保すべくカメラ1には広角レンズが用いられるため、原画像には歪みが含まれている。そこで、ステップS12において、レンズ歪み補正部12は、画像入力部11が取得した原画像に対してレンズ歪み補正を施す。レンズ歪み補正の方法として、特開平5−176323号公報に記載されているような公知の任意の方法が利用可能である。原画像にレンズ歪み補正を施して得た画像を、上述したように、単にカメラ画像と呼ぶ。
ステップS12に続くステップS13において、画像変換部13は、パラメータ記憶部16に記憶されている画像変換パラメータを読み込む。当初、パラメータ記憶部16は、図4のステップS6にて求められた画像変換パラメータ(即ち、ホモグラフィ行列の初期値を表す画像変換パラメータ)を記憶しているが、後述するように、記憶される画像変換パラメータは更新されることがある。ステップS13では、最新の画像変換パラメータが読み込まれる。続くステップS14において、画像変換部13は、読み込んだ画像変換パラメータに従ってレンズ歪み補正部12から与えられるカメラ画像を座標変換(視点変換)することによりオフセット補正画像を生成する。
ステップS14の処理の後、欠落判定部14によってステップS15の処理が実行される。欠落判定部14は、ステップS14で生成されるべきオフセット補正画像に画像の欠落が発生しているか否かを判定する。欠落判定部14は、オフセット補正画像の全体領域内に画像欠落領域が含まれる場合に、画像の欠落が発生していると判定し、オフセット補正画像の全体領域内に画像欠落領域が含まれていない場合は、画像の欠落が発生していないと判定する。
オフセット補正画像に画像の欠落が発生していると判断された場合は、ステップS15からステップS16に移行し、画像の欠落が発生していないと判断された場合はステップS17に移行する。
図11並びに図12(a)及び(b)を参照して、画像欠落の意義及び画像欠落の有無の判定方法を補足説明する。オフセット補正画像を形成する各画素が位置すべき、XY座標面上の座標値は予め設定されており、その設定内容に従って、XY座標面上におけるオフセット補正画像の外形位置も予め定められている。図11並びに図12(a)及び(b)において、符号270が付された枠は、XY座標面上におけるオフセット補正画像の全体領域外形を表している。その枠270内に二次元配列された画素群からオフセット補正画像が生成される。
欠落判定部14は、ステップS13で読み込まれた画像変換パラメータに従って、枠270内の各画素の座標値(x',y')に対応する座標値(x,y)を求める。そして、求めた全ての座標値(x,y)がカメラ画像内の座標値である場合、即ち、オフセット補正画像を形成する全画素の画像データをカメラ画像の画像データから得ることができる場合、画像の欠落は発生していないと判定する。一方、求めた全ての座標値(x,y)の中に、カメラ画像外の座標値が存在する場合は、画像の欠落が発生していると判定する。図12(a)は、画像の欠落が発生しない場合の座標変換の様子を示しており、図12(b)は、画像の欠落が発生している場合の座標変換の様子を示している。図12(a)及び(b)において、枠280はXY座標面上におけるカメラ画像の全体領域外形を表しており、枠280内にのみ、カメラ画像の画像データが存在する。
ステップS15にて画像の欠落が発生していると判断された場合、ステップS16において、その判断結果に基づきパラメータ調整部15が画像変換パラメータの調整を行う。
ステップS16の調整方法を説明する。パラメータ調整部15は、オフセット補正画像の全体領域を形成する第1〜第4画像領域の内(図7参照)、第1、第2、第3、第4画像領域内に画像欠落領域が存在する場合は、その画像欠落領域の大きさが減少するように(究極的には、画像欠落領域が完全に無くなるように)、夫々、基準点P1B、P2B、P3B、P4Bの位置をオフセット補正画像の中心点から離れる方向に移動させ、移動後の基準点の位置に従って画像変換パラメータを再計算する。この再計算によって調整がなされる。即ち、この再計算によって得られた新たな画像変換パラメータが、調整後の画像変換パラメータである。パラメータ記憶部16が記憶する画像変換パラメータは、調整後の画像変換パラメータによって更新される。基準点の位置をオフセット補正画像の中心点から遠ざけるとオフセット補正画像の視野範囲が狭まるため、画像欠落領域が発生しにくくなる。
この際、垂直中心線242を対称軸として基準点P1Bと基準点P2Bの位置が線対称の関係を保つように、基準点P1B及びP2Bの内の、一方の基準点の位置を移動させたならば、他方の基準点の位置も同時に移動させる。同様に、垂直中心線242を対称軸として基準点P3Bと基準点P4Bの位置が線対称の関係を保つように、基準点P3B及びP4Bの内の、一方の基準点の位置を移動させたならば、他方の基準点の位置も同時に移動させる。これにより、調整後の画像変換パラメータに基づくオフセット補正画像においても、垂直中心線が車体中心線に合致し、また左右の画像の尺度が均一となる。即ち、第1部分画像内に位置する物体の、画像上における水平方向の長さと、第2部分画像内に位置する物体の、画像上における水平方向の長さは、両物体の大きさが実空間上で同じであるならば同じとなる。第3部分画像と第4部分画像の関係も同様である。
具体的な基準点の移動方向及び移動量の決定方法を説明する。今、調整前の画像変換パラメータを用いることによって、ステップS14にて、図13(a)に示すオフセット補正画像300が得られた場合を想定する。オフセット補正画像300の第1画像領域には画像欠落領域301が存在し、オフセット補正画像300の第4画像領域には画像欠落領域302が存在していたものとする。尚、画像欠落領域302の一部は第2画像領域に存在している。また、オフセット補正画像300の中心点を符号310によって参照する。また、オフセット補正画像300の第1及び4画像領域の拡大図を、夫々、図13(b)及び(c)に示す。
パラメータ調整部15は、オフセット補正画像300の第1〜第4画像領域の夫々に着目し、着目した画像領域に含まれる画像欠落領域の水平方向画素数を水平ライン毎に算出すると共に垂直方向画素数を垂直ライン毎に算出する。第i画像領域に含まれる画像欠落領域に関し、或る水平ラインの水平方向画素数とは、その画像欠落領域に属する画素であって且つ該水平ライン上に位置する画素の個数を指し、或る垂直ラインの垂直方向画素数とは、その画像欠落領域に属する画素であって且つ該垂直ライン上に位置する画素の個数を指す(ここで、iは1、2、3又は4)。まず、第1画像領域に着目して、この算出結果に基づく処理を説明する。
パラメータ調整部15は、第1画像領域に含まれる画像欠落領域301の水平方向画素数を水平ライン毎に算出すると共に垂直方向画素数を垂直ライン毎に算出し、算出した水平方向画素数が予め設定された閾値THA以上となっている水平ライン数N1Aを求めると共に算出した垂直方向画素数が予め設定された閾値THB以上となっている垂直ライン数N1Bを求める。尚、水平ライン数N1Aは、図13(b)に示すブラケット330の大きさに比例する。
そして、求めた水平ライン数N1Aが1以上である場合、基準点P1Bの位置を上側へ(即ち、中心点310から離れるように垂直方向へ)移動させる。上側への移動量を、水平ライン数N1Aに応じて決定することができる。例えば、水平ライン数N1Aが増加するに従って上側への移動量を増加させるとよい。同様に、求めた垂直ライン数N1Bが1以上である場合、基準点P1Bの位置を左側へ(即ち、中心点310から離れるように水平方向へ)移動させる。左側への移動量を、水平ライン数N1Bに応じて決定することができる。例えば、水平ライン数N1Bが増加するに従って左側への移動量を増加させるとよい。但し、図13(b)に示す例では、N1B=0であるため、基準点P1Bの左側への移動は行われない。
また、上述したように、基準点P1Bの位置を移動させたならば、同時に基準点P2Bの位置も移動させる。図13(b)に示す例の場合、基準点P1Bの位置を上側へ移動させるため、同時に基準点P2Bの位置も上側へ移動させる。基準点P1Bの移動量と基準点P2Bの移動量は同じである。
第4画像領域に対しても同様の処理が施される。即ち、パラメータ調整部15は、第4画像領域に含まれる画像欠落領域302の水平方向画素数を水平ライン毎に算出すると共に垂直方向画素数を垂直ライン毎に算出し、算出した水平方向画素数が予め設定された閾値THA以上となっている水平ライン数N4Aを求めると共に算出した垂直方向画素数が予め設定された閾値THB以上となっている垂直ライン数N4Bを求める。
そして、求めた水平ライン数N4Aが1以上である場合、基準点P4Bの位置を下側へ(即ち、中心点310から離れるように垂直方向へ)移動させる。下側への移動量を、水平ライン数N4Aに応じて決定することができる。例えば、水平ライン数N4Aが増加するに従って下側への移動量を増加させるとよい。同様に、求めた垂直ライン数N4Bが1以上である場合、基準点P4Bの位置を右側へ(即ち、中心点310から離れるように水平方向へ)移動させる。右側への移動量を、水平ライン数N4Bに応じて決定することができる。例えば、水平ライン数N4Bが増加するに従って右側への移動量を増加させるとよい。
また、上述したように、基準点P4Bの位置を移動させたならば、同時に基準点P3Bの位置も移動させる。図13(c)に示す例の場合、基準点P4Bの位置を右下側へ移動させるため、同時に基準点P3Bの位置も左下側へ移動させる。基準点P4Bの下側への移動量と基準点P3Bの下側への移動量は同じであり、基準点P4Bの右側への移動量と基準点P3Bの左側への移動量は同じである。
第2及び第3画像領域に対しても同様の処理が施される。但し、垂直中心線242を対称軸として基準点P1Bと基準点P2Bの位置が常に線対称の関係を保つように、且つ、垂直中心線242を対称軸として基準点P3Bと基準点P4Bの位置が常に線対称の関係を保つように、各基準点の位置に対する移動処理はなされる。
従って、図14に示すような、第1及び第2画像領域の夫々に画像欠落領域が存在するオフセット補正画像が得られた場合において、第1画像領域に含まれる画像欠落領域の大きさに基づき基準点P1Bの位置を上側に5画素分だけ移動させるべきであると判断し、同時に、第2画像領域に含まれる画像欠落領域の大きさに基づき基準点P2Bの位置を上側に3画素分だけ移動させるべきであると判断したときには、両方の判断結果に基づいて基準点P1B及びP2Bの上側への移動量を決定する。例えば、基準点P1B及びP2Bに対して判断された移動量の内、大きい方の移動量に従って基準点P1B及びP2Bの位置を移動させればよい。つまり、この数値例の場合、基準点P1B及びP2Bの位置を、共に5画素分、上側に移動させればよい。
尚、カメラ画像における特徴点P1A〜P4Aの位置は、図4のステップS4の処理の段階で決定されているのであるが、ステップS16の処理の段階で特徴点P1A〜P4Aの位置も同時に調整するようにしてもよい。例えば、カメラ画像の画像データに基づく特徴点P1A〜P4Aの抽出誤差に対応するべく、ステップS16の処理の段階で、必要に応じて、ユーザが手動操作にて特徴点P1A〜P4Aの位置を調整するようにしてもよい。この場合、この調整後の特徴点の位置と上述した移動後の基準点の位置とに従って画像変換パラメータが再計算され、この再計算によって得られた新たな画像変換パラメータが調整後の画像変換パラメータとしてパラメータ記憶部16に更新記憶される。
図10のステップS16にて画像変換パラメータが調整された後、ステップS13に戻り、更新記憶された画像変換パラメータが画像変換部13によって読み込まれ、その更新記憶された画像変換パラメータを用いたステップS14の画像変換及びステップS15の欠落判定処理が実行される。このため、ステップS13〜S16から成るループ処理は、ステップS15にて画像の欠落が発生していないと判断されるまで繰り返し実行される。
ステップS15にて画像の欠落が発生していないと判断された場合、画像の欠落の発生していない最新のオフセット補正画像の画像データが画像変換部13から表示用画像生成部17に送られる(図9参照)。表示用画像生成部17は、その最新のオフセット補正画像の画像データに基づいて表示用画像の画像データを生成し、その表示用画像の画像データを表示装置3に出力する。これにより、画像の欠落が存在しないオフセット補正画像に基づく表示用画像が表示装置3に表示される。表示用画像は、例えば、オフセット補正画像そのもの、或いは、オフセット補正画像に任意の加工を施した画像、或いは、オフセット補正画像に任意の画像を付加した画像である。
本実施形態に係る運転支援システムによれば、カメラ1の取り付け状態に適応して画像変換パラメータが自動的に調整されるため、画像の欠落のない映像を運転者に提示することが可能となる。また、車両100に対するカメラ1の取り付け位置又は取り付け角度に変更が生じた場合は、その変更後、図4のステップS1〜S6の各処理の実行を介して図10のステップS11〜S17の各処理を実行すれば、変更後のカメラ1の取り付け状態に適応するように画像変換パラメータが自動的に調整される。つまり、カメラ1の取り付け位置又は取り付け角度に変更が生じた場合でも、画像の欠落のない映像を生成するための、適切な画像変換パラメータを容易に生成可能である。更に、本実施形態に係る運転支援システムによれば、特許文献1に記載された方法を用いた場合と異なり、表示画面上における左右の画像の尺度を均一とすることができる。
<<変形等>>
上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈7を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の例では、画像変換パラメータとしてのホモグラフィ行列を求める際、特徴点の個数及び基準点の個数を4としたが、それらの個数は4以上であれば幾つでもよい。周知の如く、それらの個数を4より大きくすることにより、画像変換の精度を高めることができる。
[注釈2]
カメラ画像からオフセット補正画像を生成するための画像変換方法(座標変換方法)は、ホモグラフィ行列に基づく方法でなくてもよい。例えば、アフィン変換又は非線形変換を用いた画像変換(座標変換)によってカメラ画像からオフセット補正画像を生成するようにしてもよい。
[注釈3]
上述の実施形態の説明文中における「水平」と「垂直」を入れ替えて考えても構わない。即ち、上述の例では、車両の進行方向を画像の垂直方向に対応させているが、車両の進行方向を画像の水平方向に対応させても構わない。
[注釈4]
上述の例では、レンズ歪み補正後の画像に対して画像変換パラメータを作用させているが、レンズ歪み補正を行うための画像変換を画像変換部13における画像変換パラメータに盛り込んで、原画像から一気にオフセット補正画像を生成するようにしてもよい。この場合、図9の画像入力部11にて取得された原画像を画像変換部13に入力するようにする。そして、レンズ歪み補正のための画像変換をも含んだ画像変換パラメータをパラメータ記憶部16に記憶させておき、その画像変換パラメータを原画像に作用させることでオフセット補正画像を生成する。
また、使用するカメラによってはレンズ歪み補正自体が不要となることもある。レンズ歪み補正が不要な場合は、図9の画像処理装置2からレンズ歪み補正部12を削除し、原画像を画像変換部13に直接与えればよい。
[注釈5]
車両100の後方側に視野を有するようにカメラ1を車両100の後部に設置する例を上述したが、車両100の前方側に視野を有するように或いは車両100の側方側に視野を有するように、カメラ1を車両100の前部又は側方部に設置するようにしてもよい。
[注釈6]
上述の例では、1つのカメラから得られたカメラ画像に基づく表示用画像を表示装置3に表示するようにしているが、車両100に複数のカメラ(不図示)を設置し、その複数のカメラ(不図示)から得られた複数のカメラ画像に基づいて表示用画像を生成するようにしてもよい。例えば、カメラ1以外に1台以上の他のカメラを車両100に取り付け、その他のカメラのカメラ画像に基づく画像をカメラ1のカメラ画像に基づく画像(上述の例において、オフセット補正画像)に合成し、この合成によって得られた合成画像を最終的に表示装置3に対する表示用画像とすることも可能である。この合成画像は、例えば、車両100の360°周辺全周を視野範囲に収めた画像である。
[注釈7]
図9の画像処理装置2は、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。ソフトウェアを用いて画像処理装置2を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。また、画像処理装置2にて実現される機能の全部または一部を、プログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置上で実行することによって、その機能の全部または一部を実現するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係り、車両を上方から見た平面図(a)と、車両を側方から見た平面図(b)である。 本発明の実施形態に係る運転支援システムの概略全体ブロック図である。 図2のカメラが車両後部中央からずれた位置に設置された状態を示す図(a)と、図2のカメラが傾いて設置された状態を示す図(b)である。 本発明の実施形態に係り、ホモグラフィ行列の初期値の算出動作を表すフローチャートである。 ホモグラフィ行列の初期値を算出する際における、カメラの撮影環境を表す図である。 本発明の実施形態に係り、カメラ画像及びオフセット補正画像を示す図である。 本発明の実施形態に係り、カメラ画像又はオフセット補正画像としての矩形画像の構造を説明するための図である。 本発明の実施形態に係り、オフセット補正画像に画像の欠落が生じていることを示す図である。 画像処理装置の機能ブロック図を含む、図1の運転支援システムの詳細ブロック図である。 図1の運転支援システムの動作の流れを表すフローチャートである。 図9の画像処理装置内で定義される、XY座標面上のオフセット補正画像の外形を示す図である。 画像欠落ない場合における、カメラ画像とオフセット補正画像との関係図(a)と、画像欠落がある場合における、カメラ画像とオフセット補正画像との関係図(b)である。 2つの画像欠落領域を含むオフセット補正画像を示す図(a)と、そのオフセット画像の第1画像領域の拡大図(b)と、そのオフセット画像の第4画像領域の拡大図(c)である。 2つの画像欠落領域を含む他のオフセット補正画像を示す図である。 従来技術に係り、リアカメラが車両後部中央からずれた位置に設置された状態を示す図である。
符号の説明
1 カメラ
2 画像処理装置
3 表示装置
4 操作部
11 画像入力部
12 レンズ歪み補正部
13 画像変換部
14 欠落判定部
15 パラメータ調整部
16 パラメータ記憶部
17 表示用画像生成部

Claims (9)

  1. 車両の周辺を撮影するカメラの撮影結果に基づいて入力画像を取得する画像取得手段と、
    前記入力画像上の特徴点の位置が変換画像上の基準点の位置に変換されるように、座標変換によって前記入力画像から前記変換画像を生成する画像変換手段と、
    前記特徴点の位置と前記基準点の位置に基づく、前記入力画像を前記変換画像に変換するための画像変換パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
    前記パラメータ記憶手段に記憶された画像変換パラメータを用いて前記入力画像から得られる前記変換画像の全体領域内に、前記入力画像の画像データに基づく画像データが存在しない画像欠落領域が含まれるか否かを判定する欠落判定手段と、
    前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の発生が抑制されるように、前記基準点の位置の変更を介して前記画像変換パラメータを調整するパラメータ調整手段と、を備えた
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記パラメータ調整手段は、前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記基準点の位置を前記変換画像の中心位置から離れる方向へ移動させることにより前記画像変換パラメータの調整を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特徴点は第1及び第2の特徴点を含む複数の特徴点から成ると共に前記基準点は第1及び第2の基準点を含む複数の基準点から成り、前記第1及び第2の特徴点は夫々前記第1及び第2の基準点に対応し、
    前記パラメータ調整手段は、
    前記変換画像の全体領域内であって且つ前記第2の基準点よりも前記第1の基準点に近い領域に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記第1の基準点の位置を前記中心位置から離れる方向へ移動させる一方で、
    前記変換画像の全体領域内であって且つ前記第1の基準点よりも前記第2の基準点に近い領域に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の大きさが減少するように前記第2の基準点の位置を前記中心位置から離れる方向へ前記変換画像内で移動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記変換画像を水平又は垂直方向に二分する中心線を境界として前記変換画像を第1及び第2部分画像に分割して考えた場合、前記第1及び第2の基準点は夫々第1及び第2部分画像内に位置し、
    前記パラメータ調整手段は、前記中心線を対称軸として前記第1及び第2の基準点の位置が線対称の関係を保つように、前記第1及び第2の基準点の内の一方の位置を移動させる場合は、同時に他方の基準点の位置も移動させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記変換画像上において、前記車両の進行方向における前記車両の車体中心線が前記中心線と合致するように、前記特徴点の位置及び移動前後の前記基準点の位置は決定される
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像変換パラメータによって前記変換画像内の各画素の座標値に対応する座標変換前の座標値が規定され、
    前記欠落判定手段は、その座標変換前の座標値が全て前記入力画像内の座標値である場合は前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていないと判定し、求めた前記座標値に前記入力画像外の座標値が含まれる場合は前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像処理装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のカメラ及び画像処理装置を備え、
    前記画像処理装置の画像変換手段にて得られる変換画像に基づく画像を表示手段に出力する
    ことを特徴とする運転支援システム。
  8. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のカメラ及び画像処理装置が設置された
    ことを特徴とする車両。
  9. 車両の周辺を撮影するカメラの撮影結果に基づいて入力画像を取得する画像取得ステップと、
    前記入力画像上の特徴点の位置が変換画像上の基準点の位置に変換されるように、座標変換によって前記入力画像から前記変換画像を生成する画像変換ステップと、
    前記特徴点の位置と前記基準点の位置に基づく、前記入力画像を前記変換画像に変換するための画像変換パラメータを記憶するパラメータ記憶ステップと、
    記憶された画像変換パラメータを用いて前記入力画像から得られる前記変換画像の全体領域内に、前記入力画像の画像データに基づく画像データが存在しない画像欠落領域が含まれるか否かを判定する欠落判定ステップと、
    前記変換画像の全体領域内に前記画像欠落領域が含まれていると判定されたとき、前記画像欠落領域の発生が抑制されるように、前記基準点の位置の変更を介して前記画像変換パラメータを調整するパラメータ調整ステップと、を実行する
    ことを特徴とする画像処理方法。
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