JP2009229879A - 光拡散板 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性を満足し、樹脂成形品の背後にある光源(ランプ)の形状を認識させることない光拡散板を提供する。
【解決手段】透明な熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒径が0.1〜50μmである光拡散剤(B)0.05〜10重量部を含有する樹脂組成物(I)からなる第一層と、透明な樹脂(C)100重量部に対して、平均粒径が1〜30μmである蓄光剤(D)0.01〜9重量部を含有する樹脂組成物(II)からなる第二層とから構成された、厚み0.1〜5.0mmの光拡散板。
【選択図】なし

Description

本発明は、所望する板厚及び光学特性の調整が容易であり、優れた光拡散性を有する光拡散板を提供するものである。詳しくは、光拡散剤および蓄光剤をそれぞれ透明な樹脂に添加した樹脂組成物からなる層を積層することにより、光拡散性、輝度を向上させた光拡散板に関する。
液晶テレビの直下型およびエッジライト型ユニット、照明器具カバーおよび各種デバイスのスイッチ類など種々の光源として使用されているユニットの構成要素の一部である光拡散板においては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂をマトリックス樹脂に使用し、そこに種々の光拡散剤を添加した樹脂組成物より形成される光拡散板が使用されている。
これらの用途では、透明な熱可塑性樹脂を使用すると光を透過するため光源が透けて見えてしまうことから、樹脂成形品の背後にある光源(ランプ)の形状を認識させることなく、また光源の輝度をできるだけ損なわないような光拡散性を付与した材料が望まれている。
現在、より一層高度な光拡散性および輝度を付与することが求められており、光拡散剤の組成、屈折率、粒子形状、粒子径などの面から種々の改良検討がなされているものの、発現する光学的性能は配合する光拡散剤によって決まってしまうことから、もはや光拡散剤の改質では要求される水準の光学的性能の達成は困難な状況にあった。
こういった問題を解決する一つの方法として、特許文献1には表面に立体模様を有した厚み0.05〜0.3mmのポリカーボネート樹脂フィルムと光拡散剤を含む厚み0.5〜3mmのポリカーボネート樹脂シートとを積層した直下型バックライト用ポリカーボネート樹脂製光拡散積層板が示されている。しかしながら、表面に立体模様を形成したシートは高価であり、取り扱い難度が非常に高い。その他にも、表面のギラツキ発生といった問題がある。
一方、蓄光剤は、紫外線などの光学的励起を行った後、照射を終えると、長時間に渡り発光することから、避難誘導標識や表示灯など夜間表示用途に用いられている(特許文献2、特許文献3)。特許文献4では、平均粒径が1〜20μmであるアルミン酸ストロンチウム系蓄光剤を0.01〜1重量部用いた光拡散板が示されている。しかしながら、この方法では、板全体に蓄光剤を練りこむため、輝度や全光線透過率が必要以上に低下するという問題点がある。また、光源(ランプ)形状の視認性に関しては、従来品との差があまり見られなかった。
特開2004−163575号公報 特開平07−240187号公報 特開2000−156107号公報 特開2006−335973号公報
本発明の目的は、光学特性を満足し、樹脂成形品の背後にある光源(ランプ)の形状を認識させることない光拡散板を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、透明な熱可塑性樹脂に光拡散剤を含有した層と、透明な樹脂に蓄光剤を含有した層を積層、もしくは塗布することにより、より一層高度な光学的性能を有する光拡散板を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
1.透明な熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒径が0.1〜50μmである光拡散剤(B)0.05〜10重量部を含有する樹脂組成物(I)からなる第一層と、透明な樹脂(C)100重量部に対して、平均粒径が1〜30μmである蓄光剤(D)0.01〜9重量部を含有する樹脂組成物(II)からなる第二層とから構成された、厚み0.1〜5.0mmの光拡散板、
2.透明な熱可塑性樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、(メタ)アクリル樹脂および脂環式構造を有する樹脂からなる群より選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂混合物である前項1記載の光拡散板、
3.光拡散剤(B)は、シリコーン系化合物である前項1記載の光拡散板、
4.第二層の厚みが1〜200μmである前項1記載の光拡散板、
5.透明な樹脂(C)は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂混合物である前項1記載の光拡散板、
6.蓄光剤(D)の含有量は、0.03〜7重量部である前項1記載の光拡散板、
7.蓄光剤(D)の光吸収波長が300nm〜500nmである前項1記載の光拡散板、および
8.蓄光剤(D)が、アルミン酸ストロンチウム系化合物である前項1記載の光拡散板、
が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
<光拡散板>
本発明の光拡散板は、厚み0.1〜5.0mmであり、好ましくは厚み0.3〜4.0mmであり、より好ましくは厚み0.5〜3.0mmである。0.1mmより薄いと剛性が不足するので適当ではなく、5.0mmより厚くなると重量的に実用的でないため好ましくない。
また、本発明の光拡散板は、全光線透過率が40%以上であり、好ましくは45%以上であり、より好ましくは50%以上である。全光線透過率が低くなると輝度が低下するため好ましくない。
さらに、本発明の光拡散板は、ヘーズが98%以上であり、好ましくは98.5%以上であり、より好ましくは99%以上である。ヘーズが低くなると光源が透けて見えるため好ましくない。
<第一層>
前記光拡散板の厚み、全光線透過率およびヘーズの値は該光拡散板の基材となる光拡散剤を配合した熱可塑性樹脂シート(第一層)に大きく依存する。
該光拡散板の基材となる熱可塑性樹脂製シートの厚さは好ましくは0.08〜4.9mmであり、より好ましくは0.28〜3.9mmであり、さらに好ましくは0.48〜2.9mmである。
該光拡散板の基材となる熱可塑性樹脂製シートの全光線透過率は50%以上が好ましく、およびヘーズは98%以上が好ましく、かかる熱可塑性樹脂製シートは、透明な熱可塑性樹脂シートに光拡散剤を含有させる方法、さらに透明な熱可塑性樹脂シートに光拡散剤を含有させ且つ表面形状を凹凸状にする方法が採用される。また、該熱可塑性樹脂製シートは光拡散性シートと非光拡散性シートとの積層体であってもよい。
熱可塑性樹脂シートに光拡散剤を含有させる方法において使用される光拡散剤は微粒子状であり、例えばガラス微粒子に代表される無機微粒子、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の有機微粒子があげられ、なかでも有機微粒子が好ましい。
かかる有機微粒子としては、架橋した有機微粒子が好ましく、その製造過程において少なくとも部分的に架橋されており、熱可塑性樹脂の加工過程において実用的に変形せず、微粒子状態を維持しているものである。即ち、熱可塑性樹脂の成形温度(例えばポリカーボネート樹脂の成形温度は約350℃)まで加熱しても熱可塑性樹脂中に溶融しない微粒子がより好ましく、具体的には架橋した(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂の有機微粒子である。特に好適な具体例として、部分架橋したメタクリル酸メチルをベースとしたポリマー微粒子、ポリ(ブチルアクリレート)のコア/ポリ(メチルメタクリレート)のシェルを有するポリマー、ゴム状ビニルポリマーのコアとシェルを含んだコア/シェルモノホルジーを有するポリマー[例えばローム・アンド・ハーズ・カンパニー製商品名パラロイドEXL−5136]、架橋シロキサン結合を有するシリコーン樹脂[例えば東芝シリコーン(株)製トスパール120]が挙げられる。特にシリコーン樹脂等のシリコーン系化合物が好ましく使用される。
上記微粒子状の光拡散剤の平均粒径は0.1〜50μmであり、好ましくは0.5〜30μmであり、より好ましくは1〜20μmのものである。かかる光拡散剤の粒径は、コールカウンター法で測定した重量平均粒径であり、その測定器は株式会社日科機の粒子数・粒度分布アナライザーMODEL Zmである。重量平均粒子径が0.1μm未満であると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、50μmを越えると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、十分な光拡散効果を得るためには配合量が多くなり、光透過性が損なわれ、また輝度ムラが大きくなる欠点がある。
透明な熱可塑性樹脂と光拡散剤との配合割合は、透明な熱可塑性樹脂100重量部に対して、光拡散剤が0.05〜10重量部であり、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜7重量部が特に好ましい。光拡散剤の配合量が0.05重量部より少ないと光拡散性が不足し光源が透けて見えることがある。一方、光拡散剤の配合量が10重量部を越えると光線透過率が低下し、必要な輝度が得られなくなることがある。
また、熱可塑性樹脂シートの表面形状を凹凸状にする方法としては、ロール表面に所望の模様の逆型を施した型付冷却ロールで溶融押出した熱可塑性樹脂シートを挟持する方法や熱可塑性樹脂シートを所望の模様の逆型を表面に有した平板間に挟持し、熱変形温度以上に加熱後、プレスする方法などがある。
また、光拡散板の基材となる熱可塑性樹脂シートにおける透明な熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の二重結合部分(芳香環も含む)の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の二重結合部分(芳香環も含む)の水素添加物等の脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。なかでも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、(メタ)アクリル樹脂、脂環式構造を有する樹脂等が好ましく、特にポリカーボネート樹脂が好ましい。以下、好適に使用されるポリカーボネート樹脂について説明する。
本発明で好適に使用されるポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
本発明の第一層に用いられる熱可塑性樹脂組成物(I)は、実用上、要求される性能により、公知の各種添加剤、ポリマーなどを必要に応じて添加することができる。例えば、長期間、光に暴露された際の樹脂成形品の変色を抑制するために、ヒンダードアミン系の耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系およびマロネート系の紫外線吸収剤およびこれらを併用して添加してもよい。
<第二層>
本発明の光拡散板は、前記熱可塑性樹脂製シート(第一層)の少なくとも一方の面に蓄光剤層(第二層)を形成したものである。
本発明に使用される蓄光剤は合成樹脂の蓄光剤として通常用いられる蓄光剤であって、CaS:Bi、CaSrS:Bi、ZnCdS:Cuなどの硫化物系蓄光剤、ZnS:Cuなどの硫化亜鉛系蓄光剤、MAalbOcで表される化合物で、Mはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素からなり、該化合物に賦活剤としてユウロピウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテニウム、マンガン、スズ、ビスマスから選ばれる少なくとも1つ以上の元素からなり、上記Mで表される金属元素に対して通常、10モル%以下で含有するアルミン酸系化合物などが挙げられる。好ましくは、加水分解性、残光特性の観点から、アルミン酸系化合物であり、さらに好ましくは、金属元素としてストロンチウム、賦活剤としてユウロピウム、ジスプロシウムを用いたアルミン酸ストロンチウム系化合物である。また、蓄光剤の光吸収波長は200nm〜500nmであることが好ましい。かかる範囲であると、輝度に優れ好ましい。
さらに、蓄光剤は1〜30μmの範囲の平均粒子径を有することを要件とする。好ましい平均粒子径は1〜20μmの範囲であり、より好ましくは2〜17μmの範囲である。1μm未満のものは製造上困難であるため、実用的でなく入手が困難なため好ましくない。一方30μmを超える物は光学特性を損なうため、好ましくない。さらに、平均粒子径、粒径分布および種類の異なる2種類以上の蓄光剤を併用してもよく、粒径分布が一様ではなく、2つ以上の粒径分布を有するものなどを単独または併用して使用することもできる。
蓄光剤の配合量としては、透明な樹脂(C)100重量部に対して、0.01〜9重量部である。配合量が0.01重量部未満であると、光学特性の良化が得られにくくなるため好ましくない。一方、9重量部を越えると、光学特性を損なうことから好ましくない。好ましくは0.03〜7重量部、より好ましくは0.05〜6重量部であり、かかる範囲においてより一層優れた光学特性を得ることができる。
本発明の蓄光剤層に用いられる樹脂組成物(II)は、実用上、要求される性能により、公知の各種添加剤、ポリマーなどを必要に応じて添加することができる。例えば、長期間、光に暴露された際の樹脂成形品の変色を抑制するために、ヒンダードアミン系の耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系およびマロネート系の紫外線吸収剤およびこれらを併用して添加してもよい。
本発明において、蓄光剤層に用いられる透明な樹脂(C)としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂またはシリコン樹脂が好ましく採用される。
アクリル系樹脂としてはアクリル系モノマーを重合して得られる樹脂であり、アクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。
ポリカーボネート樹脂としては、前述したポリカーボネート樹脂製シートの説明において使用されるポリカーボネート樹脂と同様のものが好ましく使用される。
メラミン樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドとを反応して生成されるメチロールメラミンのアルキルエーテル化反応生成物であるエーテル化メチロールメラミンと、ポリオール類を酸触媒、溶剤、各種添加剤の存在下で反応して得られた熱硬化型メラミン樹脂が好ましく使用される。
エーテル化メチロールメラミンとしては、例えばヘキサメトキシメチルメラミンに代表される完全アルキル型メチル化メラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンのメトキシメチル基の一部がメチロール基になったもの、イミノ基になったもの、ブトキシメチル基になったもの、あるいはヘキサブトキシメチルメラミンに代表される完全アルキル型ブチル化メラミン等が挙げられ、特に好ましいのはヘキサメトキシメチロールメラミンである。
ポリオール類としては、ジオール類およびグリコール類が好ましく使用され、ジオール類の中ではブタンジオール、ヘキサンジオールが好ましく、グリコール類の中ではポリエチレングリコールが好ましい。
シリコーン樹脂としては、熱硬化性オルガノポリシロキサン樹脂を主成分としたものが好ましい。具体的には、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、硬化触媒、溶剤および所望により添加剤からなる塗料を塗布し、硬化させて得られるオルガノポリシロキサン樹脂を主成分としたものが好ましい。
アルコキシシラン化合物とは、例えばメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの三官能アルコキシシラン、更にテトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシランなどの四官能アルコキシシランの1種又は2種以上の混合物の一部または全部が加水分解したものおよび該加水分解物の一部または全部が縮合反応した縮合物である。
コロイダルシリカとしては粒子の大きさが5〜200nm、好ましくは5〜40nmのシリカ微粒子が水または有機溶媒中にコロイド状に分散されたものである。また、アクリル系樹脂を主成分とするプライマーコートを塗布し、その上にオルガノポリシロキサン樹脂を主成分とする熱硬化膜からなるシリコントップコートを塗布することもできる。
前記アクリル系樹脂の硬化層は、アクリル共重合体を架橋剤で硬化させた硬化層であり、アクリル共重合体として、具体的には50〜95モル%以上のメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、5〜50モル%の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートとを共重合させたアクリル共重合体が好ましく使用される。
また本発明において、好ましい態様として蓄光剤含有樹脂層(第二層)の面が光源側になるように設置される。
<積層方法>
本発明において、熱可塑性樹脂製シート(第一層)に蓄光剤層(第二層)を積層させる方法としては、熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層を形成する熱可塑性樹脂組成物(II)をTダイより溶融押出してラミネートする方法、あらかじめフィルム上に成形された蓄光剤層を熱可塑性樹脂製シートの製造工程途中で加熱ロール等を用い該シート表面に連続的にラミネートする方法、熱可塑性樹脂製シートと蓄光剤層を同時に溶融押出しして積層する共押出し法、熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層をディップコーティング法、フローコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング、リバースコーティング等のコーティング法により積層させる方法、あるいは熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層を有する転写箔を転写する方法により積層させる方法が挙げられる。
転写箔としては、ベースフィルム/離型層/保護層/蓄光剤層/接着層よりなる多層構造を有するものが好ましく使用される。かかる転写箔の接着層を熱可塑性樹脂製シートに接着させて貼り付け、離型層を剥がし、熱可塑性樹脂製シートにシート側から接着層/蓄光剤層/保護層が転写された光拡散板を得ることができる。
熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層を積層させる方法としてラミネート方法および共押出し法を採用した場合、蓄光剤層を形成するために使用する樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂のなかでもアクリル系樹脂またはポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層を積層させる方法としてコーティング法を採用した場合、被覆層を形成するために使用する材料としては、熱可塑性樹脂または熱硬化型樹脂が好ましく使用される。熱可塑性樹脂のなかでもアクリル系樹脂またはポリカーボネート樹脂が好ましい。また、熱硬化型樹脂としては、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂等が好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂製シートに蓄光剤層を積層させる方法として転写箔を採用した場合、蓄光剤層を薄膜にすることが容易であり、被覆層を形成するために使用する材料としては、アクリル系共重合体が好ましく採用される。
蓄光剤層の厚みは1〜200μmの範囲が好ましく、2〜70μmの範囲がより好ましい。なかでも、ラミネート方法または共押出し法の場合は10〜100μmの範囲が好ましく、20〜70μmの範囲がより好ましい。また、コーティング法または転写箔を使用する場合は1〜20μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲がより好ましい。また、蓄光剤層が薄膜である程、熱可塑性樹脂製シートと蓄光剤層との熱収縮率の差や吸水率の差による反りの問題が起こり難く好ましい。
また、蓄光剤を含有した塗料を縞状に塗布する事で、光源(ランプ)の形状をより効果的に隠蔽することができるため、好ましく採用することができる。
<添加剤>
前記熱可塑性樹脂製シートには、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば蛍光増白剤、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、難燃剤、難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
<蛍光増白剤>
蛍光増白剤は、樹脂の色調を白色あるいは青白色に改善し、且つ本発明の光拡散板の輝度を向上させる効果がある。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。
蛍光増白剤としては、例えばスチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。なかでも、ベンズオキサゾール系化合物およびクマリン系化合物が好ましい。これらの蛍光増白剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。具体的には、日本化薬(株)製カヤライトOS(CI Fluorescent Brightener 219:1、ベンズオキサゾール系化合物)、ハッコールケミカル(株)製ハッコールPSR(クマリン系化合物)、イーストマンケミカル社製EASTOBRITE OB−1などを挙げることができる。
蛍光増白剤の配合割合は使用される熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0001〜3重量部であり、より好ましくは0.0002〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.0003〜0.1重量部であり、特に好ましくは0.0005〜0.05重量部である。上記範囲で蛍光増白剤を配合することにより面発光性が十分で発光面の色調の改良効果が得られ、色調(色相)のムラがなく好ましい。
<熱安定剤>
熱安定剤は、熱可塑性樹脂の成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、
テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリメチルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
<離型剤>
離型剤は、押出成形時の金属ロールからの離型性を改良する目的等で使用される。離型剤としては、脂肪酸エステル化合物を使用することができ、かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
<紫外線吸収剤>
熱可塑性樹脂より形成された光拡散板は、光源から長時間紫外線領域〜可視光領域の種々の波長分布、強度の光を断続的あるいは連続で照射を受けることにより変色し易い。この変色を防止するために、紫外線吸収剤が好ましく使用される。
光拡散板に含有される紫外線吸収剤としては、該紫外線吸収剤として具体的には、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられる。トリアジン系紫外線吸収剤では、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールがあげられる。
ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールがあげられる。
環状イミノエステル系では、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)があげられる。
好ましくは、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)であり、より好ましくは、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)等があげられる。
紫外線吸収剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.8重量部であり、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。紫外線吸収剤の含有量が2重量部を超えると本発明の光拡散板が変質を起こすことがある。
また、光拡散板が紫外線吸収剤を含有する保護膜を有する場合は、紫外線吸収剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0〜0.5重量部であり、より好ましくは0〜0.3重量部である。一方、光拡散板が保護膜を有しない場合は、紫外線吸収剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.02〜1重量部である。
<光拡散板の表面形状>
本発明の光拡散板の片面または両面に立体模様形状を有していてもよく、例えば光拡散性の優れたプリズム形状(鋸歯状)、畝形状またはウェーブ形状などが好ましい。光拡散板の表面に凹凸形状の模様を設けることにより輝度が上昇し光拡散性能に優れることとなる。
表面に立体模様形状を有した熱可塑性樹脂製光拡散板を得る方法としては、ロール表面にプリズム形状(鋸歯状)、畝形状またはウェーブ形状など所望の模様の逆型を施した型付冷却ロールとシリコンゴムロールで溶融押出した熱可塑性樹脂板を挟持する方法が好ましく採用され、さらに、その後の冷却ロールにおいても鏡面ロールとシリコンゴムロールで模様付光拡散板を挟持することが好ましい。かかる方法では製造設備に損傷を与えること無く、工業的に安定して模様付光拡散板を生産できる。
本発明の光拡散板は、その優れた光源隠蔽能力により、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いることができる。
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、評価方法は以下の通りである。
(1)液晶ディスプレイ装着時の画像評価
10.4型直下型バックライトユニットに縦231mm、横321mm、厚さ2mmの光拡散板の蓄光剤含有樹脂層を有する面が冷陰極ランプ側になるように組み込み、液晶ディスプレイを目視で見た時、ディスプレイ全面の色調が良化して見える時は◎、ディスプレイ全面の色調の変化が無い場合を○、ディスプレイの画像が暗くなりかつ色調が変化する箇所がある場合を×とした。
(2)光拡散板の平均輝度および平均輝度差
10.4型直下型バックライトユニットに縦173mm、横224mm、厚さ2mmの光拡散板の蓄光剤含有樹脂層を有する面が冷陰極ランプ側になるように組み込み、5000時間連続点灯させた後、光拡散板の9点の輝度(cd/m)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で平均輝度として測定した後、比較例3に対する比で表現した。評価装置を図1及び図2に示した。また、平均輝度差は最大輝度と最小輝度の差を最大輝度に対する割合(最小輝度/最大輝度)で示した。
(3)全光線透過率(Tt)
一辺50mmの正方形、厚み2mmの光拡散板を使用して、JIS K−6735に準拠して日本電色工業(株)製、積分球式全光線透過率測定機NDH−2000(C光源)により測定した。
(4)ヘーズ(曇り度)(H)
一辺50mmの正方形、厚み2mmの光拡散板を使用して、JIS K−6735に準拠して日本電色工業(株)製、積分球式全光線透過率測定機NDH−2000(C光源)により測定した。ヘーズ(H)は下記式で求めた。
H=Td/Tt×100(%)
[実施例1〜8、比較例1〜3]
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂100重量部に、架橋シリコーン樹脂[東芝シリコーン(株)製トスパール120重量平均粒径2μm]0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[ケミプロ化成(株)製ケミソーブ79]0.2重量部を添加混合し、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シートを溶融押出した。
ポリカーボネート樹脂製シートの幅方向に沿って約3cmの間隔で直径約3mmの穴を開けたノズルを用いて蓄光剤アルミン酸ストロンチウム(根本特殊化学社製:商品名GLL−300FFS(平均粒径3.4μm、光吸収波長200−450nm)、BGL−300FFS(平均粒径3.0μm、光吸収波長200−450nm))を、アクリル系樹脂(新中村社製:商品名バナレジン)をバインダーとして表1に記載の配合割合で配合した塗料(溶剤;2−ブタノール)を供給し、0.3〜1秒後に直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロールを用いてシート両面に塗り広げた。
図3に、かかる蓄光剤を含むアクリル塗料の塗布方法の概略図(断面概略図)を示した。図中20は連続的に押出されるシート、21は蓄光剤を含むアクリル塗料を供給するノズル、22は直径約3mmの塗料が供給されるノズル口、23は直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロールを示す。蓄光剤含有塗料は連続的に押出されるシートに幅方向1mあたり100cc/min供給した。なお、ロールによる塗布後に余った蓄光剤を含有した塗料は装置内で回収し再供給した。
蓄光剤含有塗料が塗布されたシートは、次いで70〜90℃の熱風により約10〜20秒シート表面を乾燥させ、各種評価を行った。測定結果を表1に示した。
Figure 2009229879
[実施例9〜12、比較例4、5]
実施例1と同様にポリカーボネート樹脂製シートを押出成形した後、蓄光剤アルミン酸ストロンチウム(根本特殊化学社製:商品名:GLL−300FFS)を、アクリル系樹脂をバインダーとして表2に記載の配合割合で配合した塗料をストライプ状に塗布した。
蓄光剤含有塗料が塗布されたシートは、次いで90℃の熱風により約10〜20秒シート表面を乾燥させ、各種評価を行った。測定結果を表2に示した。
Figure 2009229879
図1は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の断面簡略図である。 図2は、本発明の光拡散板における平均輝度の評価装置の平面簡略図である。 本発明の実施例におけるポリカーボネート樹脂製シートに蓄光剤層を形成させる装置(ロールにて塗布する方法)を示す図である。
符号の説明
1.光拡散板
2.白色反射樹脂板
3〜10.光源(冷陰極管)
11〜19.測定点
20.連続的に押出されるシート
21.蓄光剤を含む塗料を供給するノズル
22.直径約3mmの塗料が供給されるノズル口
23.直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロール

Claims (8)

  1. 透明な熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒径が0.1〜50μmである光拡散剤(B)0.05〜10重量部を含有する樹脂組成物(I)からなる第一層と、透明な樹脂(C)100重量部に対して、平均粒径が1〜30μmである蓄光剤(D)0.01〜9重量部を含有する樹脂組成物(II)からなる第二層とから構成された、厚み0.1〜5.0mmの光拡散板。
  2. 透明な熱可塑性樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、(メタ)アクリル樹脂および脂環式構造を有する樹脂からなる群より選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂混合物である請求項1記載の光拡散板。
  3. 光拡散剤(B)は、シリコーン系化合物である請求項1記載の光拡散板。
  4. 第二層の厚みが1〜200μmである請求項1記載の光拡散板。
  5. 透明な樹脂(C)は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選択される1種の樹脂または2種以上の樹脂混合物である請求項1記載の光拡散板。
  6. 蓄光剤(D)の含有量は、0.03〜7重量部である請求項1記載の光拡散板。
  7. 蓄光剤(D)の光吸収波長が200nm〜500nmである請求項1記載の光拡散板。
  8. 蓄光剤(D)が、アルミン酸ストロンチウム系化合物である請求項1記載の光拡散板。
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