JP2007148334A - 液晶表示装置用光拡散板およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置用光拡散板およびその製造方法 Download PDF

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Toshio Awaji
敏夫 淡路
Hisafumi Tsujino
尚史 辻野
Takehisa Kishimoto
武久 岸本
Akira Ueda
公 上田
Junichiro Nakagawa
淳一朗 中川
Michio Matsuura
路夫 松浦
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Abstract

【課題】光拡散板における塵埃の付着を抑制し、その結果、液晶表示装置において、光の均一性や輝度の低下を防止し、表示画像を長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができる光拡散板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の光拡散板は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に転写法により形成された少なくとも1層の薄膜を有する光拡散板であって、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有することを特徴とする。本発明の製造方法は、このような光拡散板の製造方法であって、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有するように、転写することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置用光拡散板およびその製造方法に関する。
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータのディスプレイ、ノートパソコンなどの幅広い分野で利用されている。小型の液晶表示装置においては、装置の厚さを抑制するために、液晶表示パネルの背後にサイド型バックライトユニットを配置しているが、15インチを超える液晶テレビやデスクトップ型パーソナルコンピュータの液晶ディスプレイなどに用いられる大型の液晶表示装置においては、液晶表示パネルの背後に直下型バックライトユニットを配置し、このバックライトユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示している。大型の液晶表示装置に用いられる直下型バックライトユニットは、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルに均一な光を供給するだけでなく、できるだけ多くの光を供給することが要求される。つまり、直下型バックライトユニットは、光の均一性に優れると共に高い輝度が得られるという光学特性が要求される。
直下型バックライトユニットは、例えば、筐体の中に、光源の他、光源から後方に出射した光を正面方向に反射する役割を果たす反射シート;光源(線光源)からの光を拡散し、面光源とすると共に、光源の形状を消す役割を果たす光拡散板;光拡散板を通過した光をさらに拡散し、光源の形状を消すと共に、光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たす光拡散シート;光拡散シートを通過した光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たすプリズムシート;などの多くの部材が組み込まれている。
このような構成を有する直下型バックライトユニットは、その内部に塵埃などが侵入すると、反射シートの表面や光拡散板の裏面などに付着して、光拡散板の表面から出射する光の均一性や輝度が低下するという問題点がある。このような問題点を解決するために、例えば、封止テープなどを用いて直下型バックライトユニットの筐体の隙間を埋めることが行われている。
しかし、封止テープなどで筐体を密閉すると、光源の熱を逃がすことが困難となり、筐体内部の雰囲気温度が高くなる。その結果、光源の適正な使用温度(40℃付近)から大きく外れて、光源の発光効率が悪くなり、輝度が低下するという新たな問題点が生じる。
このため、直下型バックライトユニットの筐体内部の雰囲気温度が上昇することを抑制すると共に、塵埃の侵入に伴う光の均一性や輝度の低下を抑制する技術の開発が望まれていた。
そこで、例えば、光源が収容される筐体内部の上方に、内部と外部とを繋ぐ通気孔を形成し、筐体内部の下方には外部の空気を遮断するシール部材を取り付ける方法(例えば、特許文献1を参照)や、光源が収容される筐体内部(密閉空間)の下方に外部から冷却風を供給する開放空間を設ける方法(例えば、特許文献2を参照)などが提案されている。
ところが、いずれの方法であっても、光源を長時間にわたり点灯し続けると、光源が収容される筐体内部の雰囲気温度が高くなり、光の均一性や輝度の低下を招きやすいという問題点がある。
また、光拡散板に光触媒付きフィルムを貼り付ける方法(例えば、特許文献3を参照)も提案されている。
しかし、光触媒を構成する無機化合物は、光を透過しにくいので、光の損失が大きくなり、輝度が低下するという問題点がある。さらに、直下型バックライトユニットの光源から発生する光エネルギーでは、汚れの付着防止や分解を充分に行うことができないという問題点もある。
特開平6−273765号公報 特開平10−106342号公報 特開2005−108769号公報
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、光拡散板における塵埃の付着を抑制し、その結果、液晶表示装置において、光の均一性や輝度の低下を防止し、表示画像を長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができる液晶表示装置用光拡散板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、光拡散板の表面に帯電防止剤を含有する薄膜を設ければ、塵埃の付着を簡便かつ効果的に抑制できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に転写法により形成された少なくとも1層の薄膜を有する光拡散板であって、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有することを特徴とする液晶表示装置用光拡散板を提供する。
前記シートを構成する熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリカーボネート系樹脂である。前記薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、紫外線吸収剤を含有する。前記薄膜は、好ましくは、帯電防止剤を含有する層と紫外線吸収剤を含有する層とを積層してなる。前記薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、蛍光増白剤を含有する。前記薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、微粒子を含有する。前記光拡散板において、好ましくは、促進耐光試験後における輝度の低下率が20%以下であり、かつ促進耐光試験後における表面固有抵抗値が1014Ω以下である。
また、本発明は、前記光拡散板を製造する方法を提供する。この製造方法は、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有するように、転写することを特徴とする。
前記転写は、好ましくは、牽引フィルムの表面に前記薄膜を形成してなる転写フィルムを用いて行う。前記牽引フィルムの耐熱温度は、好ましくは、80℃以上である。前記牽引フィルムの厚さは、好ましくは、10μm以上、100μm以下である。前記薄膜を転写した後の前記牽引フィルムの剥離強度は、好ましくは、0.02N/cm以上、1.0N/cm以下である。
本発明によれば、光拡散板が帯電防止剤を含有する薄膜を有するので、直下型バックライトユニットの筐体内部に侵入した塵埃の付着が防止される。それゆえ、長期間にわたり光の均一性や輝度を維持することができるので、液晶表示装置の画像表示を長期間にわたり、安定化させると共に、その表示品位を向上させることがき、かつ、それに伴う省エネルギーに寄与することができる。また、帯電防止剤を含有する薄膜を転写法により形成するので、液晶表示装置用光拡散板を効率よく製造することができ、工業的に有利である。
≪光拡散板≫
本発明の光拡散板は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を有する光拡散板であって、薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有することを特徴とする。ここで、少なくとも片面とは、熱可塑性樹脂シートの表面または裏面のいずれか一方または両方を意味する。また、少なくとも1層の薄膜とは、薄膜が単層である場合と、薄膜が複数層である場合とを包含することを意味する。
本発明の光拡散板の具体的な構成としては、例えば、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの両面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤と紫外線吸収剤とを含有する薄膜を少なくとも1層有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの片面に紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層と帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層とをこの順に有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層と紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層とをこの順に有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの一方の面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有し、かつ前記熱可塑性樹脂シートの他方の面に紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの一方の面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有し、かつ前記熱可塑性樹脂シートの他方の面に紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層と帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層とをこの順に有する光拡散板;熱可塑性樹脂シートの一方の面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有し、かつ前記熱可塑性樹脂シートの他方の面に帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層と紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層とをこの順に有する光拡散板;などが挙げられる。
<熱可塑性樹脂シート>
本発明の光拡散板において、熱可塑性樹脂シートは、光拡散板の本体をなすものである。それゆえ、熱可塑性樹脂シートは光透過性である必要がある。具体的には、熱可塑性樹脂シートは、ヘイズが好ましくは0%以上、20%以下、より好ましくは0%以上、10%以下であり、および/または、全光線透過率が好ましくは70%以上、100%以下、より好ましくは85%以上、100%以下である。なお、ヘイズおよび全光線透過率は、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。
熱可塑性樹脂シートの材質としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;アクリル−スチレン共重合体;ノルボルネン系樹脂などの環状オレフィン系樹脂;などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリカーボネート系樹脂が特に好適である。
熱可塑性樹脂シートは、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、単一の層から構成されていても複数の層から構成されていてもよい。
熱可塑性樹脂シートの厚さは、好ましくは0.5mm以上、5mm以下、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。熱可塑性樹脂シートの厚さが0.5mm未満であると、光拡散板の機械的強度が低下することがある。逆に、熱可塑性樹脂シートの厚さが5mmを超えると、光拡散板を通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。
なお、光拡散板を製造する際には、例えば、上記の熱可塑性樹脂に透明な微粒子と蛍光増白剤および酸化防止剤とを、それぞれ適量添加することになるが、この場合の熱可塑性樹脂シートは、ヘイズが好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であり、および/または、全光線透過率が好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。
熱可塑性樹脂シート単体を透過する光の輝度は、好ましくは2,500cd/m以上、より好ましくは3,000cd/m以上、さらに好ましくは3,500cd/m以上である。輝度が2,500cd/m未満であると、液晶表示装置の表示画像が暗くなり、鮮明な表示が得られないことがある。熱可塑性樹脂シートには、薄膜を転写するので、場合によっては、輝度が低下することがあるが、その低下率は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。なお、輝度は、実施例に記載した方法で測定した値であり、輝度の低下率は、式{[薄膜転写前の輝度−薄膜転写後の輝度]/薄膜転写前の輝度}×100(%)により算出する。
熱可塑性樹脂シートには、例えば、安定化剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤、蛍光増白剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、その種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。
熱可塑性樹脂シートは、光源からの光を均一かつ良好に拡散するために、微粒子を含有する。熱可塑性樹脂シートに含有される微粒子は、実質的に均一に分散されていることが好ましい。
微粒子の材質としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体などの合成樹脂;ガラス;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物;などが挙げられる。これらの材質のうち、シリコーン系樹脂、シリカが特に好適である。
微粒子の形状や平均粒子径などは、下記で説明する薄膜に含有させる微粒子と同様であるので、ここでは説明を省略する。ただし、微粒子の使用量は、シートを構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、20質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上、10質量部以下である。使用量が0.1質量部未満であると、熱可塑性樹脂シートに入射した光が充分に拡散されないことがある。逆に、使用量が20質量部を超えると、熱可塑性樹脂シートの押出成形が困難になることや、熱可塑性樹脂シートを通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。
シートを構成する熱可塑性樹脂として特に好適なポリカーボネート系樹脂は、例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られる。
二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。これらの二価フェノールは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの二価フェノールのうち、ビスフェノールAが特に好適である。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが挙げられ、具体的には、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが用いられる。
上記のような二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート系樹脂を製造する際には、必要に応じて、触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤などを用いてもよい。
また、ポリカーボネート系樹脂は、3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート系樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート系樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート系樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート系樹脂の分子量は、粘度平均分子量で表して、好ましくは15,000以上、40,000以下、より好ましくは18,000以上、35,000以下である。なお、粘度平均分子量は、塩化メチレン100mLにポリカーボネート系樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた値である。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(ただし、c=0.7、[η]は極限粘度、Mは粘度平均分子量)
ポリカーボネート系樹脂には、必要に応じて、例えば、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステルなどの熱安定剤;トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系などの紫外線吸収剤;ブルーイング剤;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテルなどの難燃剤;三酸化アンチモンなどの難燃助剤;などの添加剤を、その性能を発現する添加量で配合してもよい。
また、ポリカーボネート系樹脂には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために、リン含有熱安定剤を配合することができる。リン含有熱安定剤としては、例えば、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸、これらのエステルなどが挙げられ、具体例には、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−イソプロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。これらのリン含有熱安定剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのリン含有熱安定剤のうち、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが特に好適である。
熱安定剤の使用量は、共重合ポリカーボネート系樹脂またはポリカーボネート系樹脂ブレンド物100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、0.15質量部以下である。
さらに、ポリカーボネート系樹脂には、成形時の金型からの離型性を改良する目的などで、脂肪酸エステルを使用することができる。このような脂肪酸エステルとしては、炭素数1以上、20以下の一価または多価アルコールと炭素数10以上、30以下の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。このような一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられる。これらの脂肪酸エステルは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの脂肪酸エステルのうち、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが特に好適である。このような脂肪酸エステルの使用量は、共重合ポリカーボネート系樹脂またはポリカーボネート系樹脂ブレンド物100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、0.5質量部以下である。
ポリカーボネート系樹脂には、光拡散板に成形した場合、ポリカーボネート系樹脂や紫外線吸収剤に基づく光拡散板の黄色味を打ち消すために、ブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としては、ポリカーボネート系樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的には、アンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば、一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学社製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業社製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンブルーN」]、一般名SolventViolet36[CA.No 68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No 61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]が代表例として挙げられる。これらのブルーイング剤は、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.3×10−4質量部以上、2×10−4質量部以下の割合で配合される。
<薄膜>
本発明の拡散板において、薄膜は、熱可塑性樹脂シートの片面または両面に形成されている。薄膜を構成する材質としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの樹脂のうち、(メタ)アクリル系樹脂が特に好適である。
特に好適な(メタ)アクリル系樹脂を構成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;などが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、上記の単量体以外にも、本発明の趣旨を損なわない範囲で、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類;スチレン、ブタジエン、イソプレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどを共重合してもよい。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系樹脂は、架橋構造を有してもよい。架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、p−またはm−ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能ビニル化合物が挙げられる。イソシアネート化合物(ブロックイソシアネートを含む);エポキシ化合物;アジリジン化合物;オキサゾリン化合物;多官能酸無水物;などを用いてもよい。これらの架橋剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂の重合に際しては、帯電防止性を有する単量体や紫外線吸収性を有する単量体を添加することもできる。また、重合系には、必要に応じて、重合遅延剤、連鎖移動剤、重合促進剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、界面活性剤などの種々の添加剤を混入してもよい。
紫外線吸収性を有する単量体としては、例えば、下記式(1)または(2)で示されるベンゾトリアゾール類が挙げられる。
Figure 2007148334
[式中、Rは水素原子または炭素数1以上、8以下の炭化水素基;Rは炭素数1以上、6以下のアルキレン基;Rは水素原子またはメチル基;Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上、8以下の炭化水素基、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表す]
上記式(1)において、Rで表される炭素数1以上、8以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖状炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基;などが挙げられる。Rで表される炭素数1以上、6以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2−メチルトリメチレン基、2−メチルテトラメチレン基などの分枝鎖状アルキレン基;などが挙げられる。Xで表されるハロゲンとしては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Xで表される炭素数1以上、8以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの鎖状炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基;などが挙げられる。Xで表される炭素数1以上、6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基などが挙げられる。
上記式(1)で示される紫外線吸収性単量体の具体例としては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル−3’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、上記式(1)で示される紫外線吸収性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Figure 2007148334
[式中、Rは炭素数2または3のアルキレン基;Rは水素原子またはメチル基を表す]
上記式(2)において、Rで表される炭素数2または3のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
上記式(2)で示される紫外線吸収性単量体の具体例としては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル]−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。なお、上記式(2)で示される紫外線吸収性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、上記式(1)または(2)で示される紫外線吸収性単量体を用いる場合には、下記式(3)または(4)で示される紫外線安定性単量体から選択される少なくとも1種をさらに用いることが好ましい。
Figure 2007148334
[式中、Rは水素原子またはシアノ基;RおよびRは各々独立して水素原子またはメチル基;Rは水素原子または炭素数1以上、18以下の炭化水素基;Yは酸素原子またはイミノ基を表す]
上記式(3)において、Rで示される炭素数1以上、18以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの鎖状炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基;などが挙げられる。
上記式(3)で示される紫外線安定性単量体の具体例としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、式(3)で示される紫外線安定性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Figure 2007148334
[式中、Rは水素原子またはシアノ基;R、R、R7’およびR8’は各々独立して水素原子またはメチル基;Yは酸素原子またはイミノ基を表す]
上記式(4)で示される紫外線安定性単量体の具体例としては、例えば、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。なお、式(4)で示される紫外線安定性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、紫外線吸収性を有する単量体に由来する構成単位を有するアクリル系樹脂の市販品としては、ハルスハイブリッドUV−Gシリーズの「UV−G714」、「UV−G301」および「UV−G302」(いずれも日本触媒社製)が工業的に容易に入手できるので、最適である。
上記のモノマー類を重合する方法は、従来公知の重合方法を採用すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合などが挙げられる。これらの重合方法のうち、帯電防止剤や紫外線吸収剤に対する良好な溶解性を有する溶剤を使用した溶液重合が特に好適である。
薄膜は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、単一の層から構成されていても複数の層から構成されていてもよい。
ただし、塵埃の付着を防止するためには、薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有することが必要である。また、光源からの光による劣化を防止するためには、薄膜のうち少なくとも1層が、好ましくは、光源からの光を受ける側の薄膜のうち少なくとも1層が、紫外線吸収剤を含有するか、あるいは紫外線吸収性を有する熱可塑性樹脂から構成されていることが必要である。
薄膜の厚さ(薄膜が複数層の場合は各層の厚さ)は、好ましくは0.01μm以上、30μm以下、より好ましくは0.05μm以上、20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上、10μmである。薄膜の厚さが0.01μm未満であると、塵埃の付着や光源からの光による劣化を防止する効果が小さいことや、薄膜を均一に形成するのが困難になることがある。逆に、薄膜の厚さが30μmを超えると、熱可塑性樹脂シートと異なる材質を用いた場合、熱収縮率の差や吸水率の差による反りが発生することがある。なお、薄膜の厚さは、実施例に記載した方法で測定した値である。
薄膜には、例えば、安定化剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、その種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。
<帯電防止剤>
本発明の光拡散板において、薄膜のうち少なくとも1層は帯電防止剤を含有する。ここで、薄膜のうち少なくとも1層とは、薄膜が単層の場合には、その薄膜を意味し、薄膜が複数層の場合には、複数の薄膜のうち少なくとも1つの薄膜を意味する。薄膜のうち少なくとも1層に帯電防止剤を含有させるのは、空気中に存在する塵埃の影響を防止することを目的としているからである。
薄膜に用いる帯電防止剤としては、従来公知のいかなる帯電防止剤を用いてもよい。有機系の帯電防止剤としては、種々の界面活性剤や導電性樹脂が挙げられる。無機系の帯電防止剤としては、種々の導電性微粒子が挙げられる。
帯電防止剤として使用可能な界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸や、それらのLi、Na、Ca、Mg、Zn塩などのオレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩、高級アルコールのリン酸エステル類などのアニオン系界面活性剤;第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などのカチオン系界面活性剤;アルキルアミン系ベタインの両性塩、カルボン酸またはスルホン酸アラニンの両性塩、アルキルイミダゾリンの両性塩などの両性系界面活性剤;脂肪酸多価アルコールエステル、アルキル(アミン)のポリオキシエチレン付加物などの非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。帯電防止剤として使用可能な導電性樹脂としては、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂、ポリアクリル酸型カチオン樹脂などが挙げられる。これらの有機系の帯電防止剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの有機系の帯電防止剤のうち、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤が特に好適である。
帯電防止剤として使用可能な導電性微粒子としては、例えば、アンチモンがドープされた酸化スズや、リンがドープされた酸化スズの他、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、酸化チタン、ITO(インジウムスズオキサイド)などの無機微粒子が挙げられる。これらの無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
導電性微粒子は、その平均粒子径が好ましくは1nm以上、200nm以下、より好ましくは1nm以上、100nm以下である。平均粒子径が1nm未満であると、導電性微粒子の凝集が起こりやすく、取り扱いが困難になる。逆に、平均粒子径が200nmを超えると、導電性微粒子が光を散乱するので、薄膜に曇りが発生して、薄膜の透明性が損なわれることがある。なお、導電性微粒子の平均粒子径は、例えば、動的光散乱法や電子顕微鏡による画像解析法により測定することができる。
導電性微粒子は、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などで表面処理されていてもよい。
導電性微粒子は、粉体の形態で用いても、溶媒に溶解または分散させた形態で用いてもよい。使用可能な溶媒としては、導電性微粒子を溶解または分散し、薄膜を形成した後、蒸発するものである限り、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類;などの有機溶媒や水が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
帯電防止剤の使用量は、それを含有する薄膜を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、100質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上、70質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以上、50質量部以下である。使用量が0.1質量部未満であると、塵埃の付着を防止する効果が少ないことがある。逆に、使用量が100質量部を超えると、塵埃の付着を防止する効果が飽和することがある。
本発明の光拡散板は、帯電防止剤を含有する薄膜を少なくとも1層有するので、塵埃の付着に対する耐性、すなわち防塵性能を示す。具体的には、帯電防止剤を含有する薄膜を有する側の表面固有抵抗値が好ましくは1014Ω以下、より好ましくは1013Ω以下、さらに好ましくは1012Ω以下である。表面固有抵抗値が1014Ωを超えると、塵埃の付着や機械の誤動作を防止できないことがある。ここで、表面固有抵抗値は、測定試料を温度23℃、湿度60%RHの雰囲気中で24時間放置した後、ハイレジスタンスメーターを用いて、測定電圧250V、チャージ時間60秒間で測定した値である。
<紫外線吸収剤>
本発明の光拡散板において、薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、紫外線吸収剤を含有する。ここで、薄膜のうち少なくとも1層とは、薄膜が単層の場合には、その薄膜を意味し、薄膜が複数層の場合には、複数の薄膜のうち少なくとも1つの薄膜を意味する。紫外線吸収剤を含有する薄膜は、好ましくは、光拡散板が光源からの光を受ける側の表面に形成されている。光源からの光の影響を防止することを目的としているからである。それゆえ、紫外線吸収剤を含有する薄膜を設ければ、光拡散板が高い耐光性を有するので、液晶表示装置において、表示画像をさらに長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、従来公知のいかなる紫外線吸収剤を用いてもよく、特に限定されるものではないが、例えば、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、環状イミノエステル形紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、分子内にヒンダードフェノールの構造とヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系紫外線吸収剤などが挙げられる。
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
環状イミノエステル形紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−)テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
分子内にヒンダードフェノールの構造とヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの紫外線吸収剤のうち、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が特に好適である。
紫外線吸収剤の使用量は、それを含有する薄膜を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、50質量部以下、より好ましくは0.8質量部以上、40質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上、30質量部以下である。使用量が0.5質量部未満であると、光源からの光の影響を防止する効果が少ないことがある。逆に、使用量が50質量部を超えると、光源からの光の影響を防止する効果が飽和することがある。
本発明の光拡散板は、好ましくは、紫外線吸収剤を含有する薄膜を少なくとも1層有するので、光源からの光による劣化に対する耐性、すなわち耐光性を示す。具体的には、促進耐光試験(強度100mW/cmの紫外線を63℃で20時間照射)後における表面固有抵抗値が好ましくは1×1014Ω以下、より好ましくは1×1013Ω以下、さらに好ましくは1×1012Ω以下であり、輝度の低下率が好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。表面固有抵抗値が1×1014Ωを超えると、塵埃の付着や機械の誤動作を防止できないことがある。輝度の低下率が20%を超えると、液晶表示装置の表示画像が経年変化により暗くなり、鮮明な表示が得られないことがある。なお、表面固有抵抗値および輝度は、実施例に記載した方法で測定した値であり、促進耐光試験後における輝度の低下率は、式{[紫外線照射前の輝度−紫外線照射後の輝度]/紫外線照射前の輝度}×100(%)により算出する。
<蛍光増白剤>
本発明の光拡散板において、薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、蛍光増白剤を含有する。ここで、薄膜のうち少なくとも1層とは、薄膜が単層の場合には、その薄膜を意味し、薄膜が複数層の場合には、複数の薄膜のうち少なくとも1つの薄膜を意味する。蛍光増白剤は、光源からの光に含まれる紫外線のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視光に変換する作用を有する。それゆえ、蛍光増白剤を含有する薄膜を設けると、光の屈折や吸収による光線の損失を補うことができ、光の均一性や輝度が向上する。
蛍光増白剤としては、従来公知のいかなる蛍光増白剤を用いてもよく、特に限定されるものではないが、例えば、オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、スチルベン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、トリアゾール系蛍光増白剤、ナフタルイミド系蛍光増白剤、ローダミン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの蛍光増白剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの蛍光増白剤のうち、オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤が特に好適である。
蛍光増白剤の使用量は、それを含有する薄膜を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005質量部以上、50質量部以下、より好ましく0.001質量部以上、30質量部以下である。使用量が0.0005質量部未満であると、光の均一性や輝度を向上させる効果が少ないことがある。逆に、使用量が50質量部を超えると、むしろ光の均一性が損なわれることや、薄膜の機械的強度が損なわれることがあり、また、必要以上に高価な蛍光増白剤を使用することになり、製造コストが上昇することがある。
<微粒子>
本発明の光拡散板において、薄膜のうち少なくとも1層は、好ましくは、微粒子を含有する。ここで、薄膜のうち少なくとも1層とは、薄膜が単層の場合には、その薄膜を意味し、薄膜が複数層の場合には、複数の薄膜のうち少なくとも1つの薄膜を意味する。微粒子は、光源からの光を均一かつ良好に拡散するので、光の均一性や輝度が向上する。薄膜に含有される微粒子は、実質的に均一に分散されていることが好ましい。
微粒子の材質としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体などの合成樹脂;ガラス;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物;などが挙げられる。これらの材質のうち、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、シリコーン系樹脂、シリカが特に好適である。
微粒子は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、材質が同じ1種類の微粒子から構成されていても材質が異なる2種類以上の微粒子から構成されていてもよい。
微粒子の形状としては、例えば、球状、扁平状、楕円体状、多角形状、板状などが挙げられる。これらの形状を有する微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの形状を有する微粒子のうち、球状粒子が特に好適であるが、球状粒子よりも強い光拡散性を有しており、少量の添加で高い輝度が得られることから、扁平状、楕円体状、多角形状、板状などの異形粒子が好適な場合もある。
微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、30μm以下、より好ましくは0.5μm以上、25μm以下、さらに好ましくは1μm以上、20μm以下である。平均粒子径が0.1μm未満であると、薄膜に入射した光を充分に拡散することができないことがある。逆に、平均粒子径が30μmを超えると、薄膜を通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。なお、各微粒子の平均粒子径は、顕微鏡で観察した任意の微粒子100個について粒子径を測定し、単純平均した値である。また、各微粒子が異形粒子の場合、最大径と最小径との平均を粒子径とする。
微粒子の使用量は、それを含有する樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、200質量部以下、より好ましくは5質量部以上、150質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上、100質量部以下である。使用量が1質量部未満であると、薄膜に入射した光が充分に拡散されないことがある。逆に、使用量が200質量部を超えると、薄膜の形成が困難になることや、薄膜を通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。
<光拡散板の用途>
本発明の光拡散板は、従来公知の直下型バックライトユニットまたはサイドライト型バックライトユニットの光拡散板として利用することができるが、液晶表示装置の表示画像を長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができるので、特に、15インチを超える液晶テレビやデスクトップ型パーソナルコンピュータの液晶ディスプレイに用いられる大型の液晶表示装置に、直下型バックライトユニットの光拡散板として用いることが好ましい。
≪光拡散板の製造方法≫
本発明による光拡散板の製造方法は、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を、薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有するように、転写することを特徴とする。
<転写フィルムの調製>
熱可塑性樹脂シートに薄膜を転写するには、まず、薄膜を構成する樹脂と、帯電防止剤や紫外線吸収剤などの所望の添加剤とを、有機溶媒に溶解または分散させて、樹脂混合液を調製し、次いで、この樹脂混合液を牽引フィルムの表面に塗布し、乾燥させて、牽引フィルムの表面に薄膜を形成してなる転写フィルムを調製する。なお、薄膜が複数層の場合には、牽引フィルムの表面に各々の薄膜に対応する樹脂混合液を塗布し、乾燥させる工程を繰り返せばよい。
牽引フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ビニロンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムのうち、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ビニロンフィルムが好適であり、ポリエチレンフィルム、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)が特に好適である。
なお、牽引フィルムには、本発明の趣旨を損なわない範囲で、例えば、塗布型の離型剤や練り込み型の離型剤を混入しておいてもよい。
なお、熱可塑性樹脂シートに薄膜を転写する際には、シートを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する必要があるので、牽引フィルムを構成する樹脂は、シートを構成する熱可塑性樹脂より高い耐熱性を有する必要がある。牽引フィルムの耐熱温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。耐熱温度が80℃未満であると、牽引フィルムが転写時に溶融し、充分な帯電防止性能および/または紫外線吸収性能を発揮できないことがある。なお、耐熱温度は、JIS K7122に準拠して測定した融点(Tm)あるいは、融点が存在しないフィルムについては、ガラス転移温度(Tg)を意味する。
牽引フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上、100μm以下、より好ましくは10μm以上、80μm以下、さらに好ましくは15μm以上、60μm以下である。牽引フィルムの厚さが5μm未満であると、牽引フィルムの引張強度が不足し、圧着時に破れることがある。逆に、牽引フィルムの厚さが100μmを超えると、コスト面で不利になるだけでなく、ロールの圧着が均一にならず、転写した薄膜に斑が発生することがある。
樹脂混合液を調製する際に用いる有機溶媒としては、樹脂や添加剤の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶媒;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;水;などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの溶媒のうち、芳香族系溶媒とアルコール系溶媒との混合溶媒が特に好適である。
牽引フィルムに樹脂混合液を塗布するには、従来公知の薄膜形成法を採用すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、刷毛による塗布、スプレーコーティング法、ロールコーティング、バーコーティング法、Tダイコーティング法、ロールリバースコーティング法、アプリケーターコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、グラビアコーティング法、MOCVD法、CVD法、スパッタリング法などを挙げることができる。
牽引フィルムに樹脂混合液を塗布した後、乾燥する方法としては、従来公知の乾燥法を採用すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、自然乾燥法、送風乾燥法、温風乾燥法、赤外線照射などが挙げられる。乾燥の温度は、通常、常温から80℃程度の範囲内である。乾燥の時間は、通常、1分間から24時間程度である。
<光拡散板の製造>
光拡散板は、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に転写フィルムを圧着して、転写フィルムから熱可塑性樹脂シートに薄膜を転写することにより、製造することができる。熱可塑性樹脂シートの押出成形には、従来公知のシート押出成形機を採用すればよく、転写フィルムの圧着には、従来公知の圧着ラミネート装置を採用すればよい。なお、圧着ラミネート装置は、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、転写フィルムを圧着する必要があるので、例えば、シートを構成する熱可塑性樹脂の温度がガラス転移温度以上になる位置に取り付けておくとよい。
まず、シートを構成する熱可塑性樹脂と、必要に応じて、添加剤とを、シート押出成形機に供給し、充分に混練した後、シート状に押し出す。このとき、シートを構成する熱可塑性樹脂の温度がガラス転移温度以上になる位置に取り付けた圧着ラミネート装置により、押し出された熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に転写フィルムを圧着する。もちろん、転写フィルムは、牽引フィルムの表面に形成された薄膜が熱可塑性樹脂シートに対向するように圧着ラミネート装置に供給する。転写フィルムの供給は、バッチ式または連続式のいずれであってもよい。
さらに詳しく説明すると、押出機、シートダイ、ポリッシングロール、引き取りロールからなる通常のシート押出機において、ポリッシングロールと引き取りロールとの間に、加熱圧着ロールを備えた圧着ラミネート装置を配置し、バッチ式の場合は、所定長さの転写フィルムを、また、連続式の場合は、ロール状原反から繰り出した転写フィルムを、フィルム供給ロールに通して、緊張下で、加熱圧着ロールに供給し、押出成形された熱可塑性樹脂シートの片面または両面に転写する。
この際、転写フィルムの張力(転写フィルムを供給するロールの幅方向の単位長さあたりの張力)が0.01kg/cm以上、0.1kg/cm以下となるような緊張下で、60℃以上、200℃以下に加熱された圧着ロールにより、ロール圧(ロールの幅方向の単位長さあたりのロール圧)1kg/cm以上、10kg/cm以下の線圧で転写することにより、転写接合面での歪みが少なく、均一に転写することができる。転写フィルムの張力が0.01kg/cm未満であると、転写フィルムにしわが入ることがある。逆に、転写フィルムの張力が0.1kg/cmを超えると、転写フィルムの伸びにより薄膜にクラックが入ることがある。また、加熱圧着ロールの温度が60℃未満であると、熱可塑性樹脂シートと転写された薄膜との密着性が低いことがある。逆に、加熱圧着ロールの温度が200℃を超えると、熱可塑性樹脂シートの表面が荒れたり、うねりが大きくなったりすることがある。さらに、加熱圧着ロールのロール圧が1kg/cm未満であると、空気を巻き込みやすいことがある。逆に、加熱圧着ロールのロール圧が10kg/cmを超えると、得られた光拡散板に光学的な歪みが生じることがある。
なお、転写フィルムの供給ロールをエキスパンダーロール方式やスパイラルロール方式のロールにすれば、転写フィルムの圧着時にしわの発生を防止することができるので好ましい。
こうして得られる光拡散板は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を有し、薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有するが、前記薄膜には牽引フィルムが付着したままである。この牽引フィルムは、押出工程で剥離してもよいし、光拡散板を実施に使用する前に剥離してもよい。なお、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は、好ましくは0.02N/cm以上、1.0N/cm以下である。牽引フィルムの剥離強度がこの範囲内にあれば、牽引フィルムを薄膜の保護フィルムとして利用することができる。ここで、牽引フィルムの剥離強度は、引張試験機を用いて、180°方向、引張速度300mm/minで測定した値である。
本発明の製造方法によれば、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を有し、薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有する光拡散板が、転写法を採用することにより、効率よく製造することができるので、工業的に有利である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、特に断らない限り、質量部を「部」、質量%を「%」と表すことがある。
まず、光拡散板の物性および性能を評価する方法について説明する。
<薄膜の厚さ>
牽引フィルムの表面に薄膜を形成した転写フィルムの断面に対して、任意の10点をミクロトームで厚さ15μmにスライスし、その断面を顕微鏡で観察して薄膜の厚さを実測し、その10点平均を薄膜の厚さとした。
<防塵性能>
光拡散板の防塵性能は、光拡散板の表面のうち、帯電防止剤を含有する薄膜を有する側の表面固有抵抗値を測定して評価した。なお、表面固有抵抗値は、測定試料を温度23℃、湿度60%RHの雰囲気中で24時間放置した後、ハイレジスタンスメーター(HP4339A、ヒューレット・パッカード社製)およびセンサー(16008、ヒューレット・パッカード社製)を用いて測定した。測定電圧は250Vであり、チャージ時間は60秒間であった。
<輝度>
光拡散板を透過する光の輝度は、輝度測定計(BM−7型、トプコン社製)を用いて測定した。測定室内の雰囲気を温度25℃、湿度60%RHとし、15インチ型液晶表示装置用の直下型バックライトユニット(冷陰極管ランプの強度が10,000cd/mとなるようにランプ強度を設定)に、縦231mm、横321mmの測定試料を組み込み、測定試料における9点の輝度(cd/m)を測定し、その平均値を輝度とした。なお、輝度の測定部位は、光拡散板の中心点と、中心から縦方向へ上下に77mm離れた位置における2点と、これらの3点から横方向へ左右に107mm離れた位置における6点とからなる合計9点とした。測定距離は50cmであり、視野角は1°であった。
<促進耐光試験>
光拡散板に紫外線を長時間にわたり照射した後、上記と同様にして、光拡散板の防塵性能を評価すると共に、光拡散板を透過する光の輝度を測定して評価した。なお、紫外線は、紫外線照射装置(アイスーパーテスターW14型、岩崎電気社製)を用いて、63℃で20時間照射した。紫外線の照射強度は100mW/cmであった。
<剥離強度>
牽引フィルムの剥離強度は、光拡散板を長さ150mm、幅25mmの大きさに切断し、23℃、50%RHの雰囲気下に30分間放置した後、引張試験機(製品名:QC引張試験機、テスター産業社製)を用いて、牽引フィルムの一端(長さ方向の一端)を180°方向に、300mm/minの速度で引っ張り、牽引フィルムと薄膜との間で剥離するのに必要な力を測定した。なお、剥離強度は、N/cmで表示する。
≪実施例1≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、帯電防止剤である下記式:
Figure 2007148334
で示されるアンモニウム塩構造を20wt%含有するメチルメタクリレートとの共重合体45部と、紫外線吸収剤(チヌピン329、チバスペシャリティーケミカル社製;ベンゾトリアゾール系)5.0部とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤と紫外線吸収剤とを含有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ3μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
ポリカーボネート系樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量%と、シリカ粒子(シーホスターKE−P150、日本触媒社製;平均粒子径1.5μm)0.5質量%と、酸化防止剤(イルガノックス2215、チバスペシャリティーケミカル社製;フェノール・リン酸・ラクトンの3種混合系)0.05質量%と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバスペシャリティーケミカル社製;オキサゾール系)0.003質量%とを、ベント・ギアポンプ付・3本ロール・2本ロール圧着ラミネート装置付のシート押出成形機に供給し、成形温度280℃でシート成形を行った。ポリカーボネート系樹脂の樹脂温度がガラス転移温度以上になる位置に、2本ロール圧着ラミネート装置を取り付け、熱可塑性樹脂シートと転写フィルムとを、転写フィルムの表面に形成された薄膜が熱可塑性樹脂シートと対向するようにして圧着させ、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤と紫外線吸収剤とを含有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は6×10Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は3,850cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は3.75%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は4×1011Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,600cd/m、その低下率は6.49%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.5N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例2≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)46.75部と、帯電防止剤であるテトラブチルアンモニウムクロリド0.75質量%と、紫外線吸収剤(チヌピン1577、チバスペシャリティーケミカル社製;トリアジン系)2.5質量%とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤と紫外線吸収剤とを含有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ4μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤と紫外線吸収剤とを含有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は2×1012Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は3,800cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は5%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は8×1013Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,550cd/m、その低下率は6.58%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.4N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例3≫
<転写フィルムの調製>
アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)10質量%を含有するトルエン溶液に、紫外線吸収剤(トミソーブ800、エーピーアイコーポレーション社製;ベンゾフェノン系)0.5質量%を添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に紫外線吸収剤を含有する薄膜(厚さ1μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
次いで、トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)1,000部に、帯電防止剤である下記式:
Figure 2007148334
で示されるビニルベンジル型アンモニウム塩を15wt%含有するメチルメタクリレートとの共重合体50部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB,チバスペシャリティーケミカル社製;オキサゾール系)0.3部とを添加して、混合液を得た。この混合液を、紫外線吸収剤を含有する薄膜を1層有する転写フィルムの薄膜上に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に紫外線吸収剤を含有する薄膜(厚さ3μm)が形成され、その上に帯電防止剤と蛍光増白剤とを含有する薄膜(厚さ1μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤と蛍光増白剤とを含有する薄膜を1層有し、その上に紫外線吸収剤を含有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は4×1010Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は4,200cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は−5%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は5×1012Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/m、その低下率は4.8%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.5N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例4≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂溶液(ユーダブルUV−G714、日本触媒社製;固形分40%、溶剤メチルエチルケトン)120部と、帯電防止剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部とを添加し、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ3μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ3mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は2×1011Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は3,500cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は3,500cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は0%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は2×1013Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,375cd/m、その低下率は3.6%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.4N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例5≫
<転写フィルムの調製>
紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂(ハルスハイブリッドUV−G301、日本触媒社製;固形分43%、溶剤酢酸エチル)100部に、酢酸エチル340部と、第4級アンモニウム塩型の帯電防止剤(レジスタットPU−101、第一工業製薬社製)13部とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ3μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ3mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は6×1010Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は3,600cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は3,600cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は0%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は2×1013Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,475cd/m、その低下率は3.5%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.5N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例6≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)1,000部に、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)50部と、帯電防止剤である下記式:
Figure 2007148334
[式中、Rは炭素数11以上、17以下の直鎖脂肪族アルキル基を表す]
で示される第4級アンモニウムサルフェート(カチオン系界面活性剤)4.0部と、微粒子であるアクリル系透明球状粒子(エポスターMA1006、日本触媒社製;平均粒子径6μm)4部とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ40μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤と微粒子とを含有する薄膜(厚さ10μm)が1層形成された転写フィルム(1)を得た。
次いで、トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)1,000部に、紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂(ユーダブルUV−G714、日本触媒社製;固形分40%、溶剤メチルエチルケトン)120部と、帯電防止剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤)1.5部とを添加した。この溶液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ3μm)が1層形成された転写フィルム(2)を得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルム(1)および(2)を2本ロール圧着ラミネート装置に積載し、押出成形される熱可塑性樹脂シートの両面にそれぞれ圧着したこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの一方の面に帯電防止剤と微粒子とを含有する薄膜(1)を1層有し、熱可塑性樹脂シートの他方の面に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有する薄膜(2)を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は、薄膜(1)面側が9×1010Ω、薄膜(2)面側が2×1011Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は4,100cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は−2.5%であった。また、促進耐光試験を薄膜(2)面側照射で行ってから光拡散板の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は、薄膜(2)面側が2×1013Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,950cd/m、その低下率は3.7%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は、薄膜(1)面側が0.1N/cm、薄膜(2)面側が0.4N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例7≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)49.5部と、帯電防止剤であるステアリルスルホン酸ナトリウム0.5部とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤を含有するアクリル系樹脂からなる薄膜(厚さ1μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ1mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は3×1010Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,500cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は4,610cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は2.4%であった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能を示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.5N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例8≫
<転写フィルムの調製>
トルエン1,000部に、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)100部と、紫外線吸収剤(シーソーブ202、シプロ化成社製;サリチル酸フェニルエステル系)5.0質量%とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に紫外線吸収剤を含有する薄膜(厚さ0.5μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
次いで、トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)100部と、帯電防止剤であるアルキルイミダゾリン誘導体(アンヒトール20Y13、日本油脂製;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)2.5部を添加して、混合液を得た。この混合液を、紫外線吸収剤を含有する薄膜を1層有する転写フィルムの薄膜上に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に紫外線吸収剤を含有する薄膜(厚さ0.5μm)が1層形成され、その上に帯電防止剤を含有する薄膜(厚さ3μm)が1層形成された転写フィルムを得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に紫外線吸収剤を含有する薄膜を1層有し、その上に帯電防止剤を含有する薄膜を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は5×1010Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は4,050cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は1.25%であった。また、促進耐光試験を行ってから光拡散板の薄膜面側の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は2×1012Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,900cd/m、その低下率は3.7%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は0.5N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪実施例9≫
<転写フィルムの調製>
トルエン/イソプロピルアルコール(質量比70/30)混合溶媒1,000部に、紫外線吸収性を有するアクリル系樹脂溶液(ユーダブルUV−G714、日本触媒社製;固形成分40%、溶剤メチルエチルケトン)120部と、帯電防止剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部とを添加し、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で10分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有する薄膜(厚さ1μm)が1層形成された転写フィルム(1)を得た。
次いで、アクリル系樹脂(スミペックEXA、住友化学社製;屈折率1.49)100質量%を含有するトルエン/酢酸エチル(質量比70/30)溶液に、帯電防止剤である下記式:
Figure 2007148334
で示されるビニルベンジル型アンモニウム塩を15wt%含有するメチルメタクリレートとの共重合体1.5質量%と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、日本化学工業社製;オキサゾール系)0.3質量%とを添加して、混合液を得た。この混合液を、牽引フィルムである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム、東洋紡績社製;厚さ38μm、幅600mm)に、ロールリバースコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させて、牽引フィルム上に帯電防止剤と蛍光増白剤とを含有する薄膜(厚さ1μm)が1層形成された転写フィルム(2)を得た。
<光拡散板の製造>
上記で得た転写フィルム(1)および(2)を2本ロール圧着ラミネート装置に積載し、押出成形される熱可塑性樹脂シートの両面にそれぞれ圧着したこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの一方の面に帯電防止剤を含有し、かつ紫外線吸収性を有する薄膜(1)を1層有し、熱可塑性樹脂シートの他方の面に帯電防止剤と蛍光増白剤とを含有する薄膜(2)を1層有する光拡散板(厚さ2mm)を得た。
<光拡散板の評価>
得られた光拡散板の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は、薄膜(1)面側が2×1011Ω、薄膜(2)面側が4×1010Ωであり、防塵性能に優れていた。光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、薄膜の転写前は4,000cd/mであるのに対し、薄膜の転写後は4,100cd/mであり、薄膜の転写による輝度の低下率は−2.5%であった。また、促進耐光試験を薄膜(1)面側照射で行ってから光拡散板の防塵性能を評価したところ、表面固有抵抗値は、薄膜(1)面側が2×1011Ωであり、依然として防塵性能に優れ、光による劣化は見られなかった。また、光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,950cd/m、その低下率は3.7%であり、輝度の低下は少なく、光による劣化は見られなかった。このように、本実施例の光拡散板は、防塵性能と耐光性とを示した。さらに、薄膜を転写した後の牽引フィルムの剥離強度は、薄膜(1)面側が0.1N/cm、薄膜(2)面側が0.4N/cmであり、光拡散板の保護フィルムとして利用可能であった。
≪比較例1≫
転写フィルムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、薄膜を有しない光拡散板を製造した。得られた光拡散板の表面固有抵抗値は5×1017Ωであり、防塵性能を有しなかった。
≪比較例2≫
帯電防止剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂シートの片面に帯電防止剤を含有しない薄膜を1層有する光拡散板を製造した。得られた光拡散板の薄膜面側の表面固有抵抗値は3×1017Ωであり、防塵性能を有しなかった。また、薄膜を形成する前後の輝度は4,000cd/mと変化がなく、その低下率は0%であったが、促進耐光試験後の輝度は3,000cd/mであり、その低下率が25%と大きく、耐光性に劣っているので、液晶表示装置用のバックライトユニットに用いるには不適当であった。
≪比較例3≫
転写フィルムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして得たポリカーボネート系樹脂製の熱可塑性樹脂シート(厚さ2mm)に帯電防止スプレー(SB−8、ショーワ株式会社製)を塗布して(厚さ8μm)光拡散板を製造した。得られた光拡散板の薄膜面側の表面固有抵抗値は3×10Ωであり防塵性能に優れていた。しかし、促進耐光試験後の表面固有抵抗値は4×1017Ωであり、耐光性に劣っていた。また、帯電防止スプレーの塗布前の輝度が4,000cd/mであるのに対し、帯電防止スプレーの塗布後の輝度は3,100cd/mであり、その低下率は23%と大きく、液晶表示装置用のバックライトユニットに用いるのは不適当であった。
≪比較例4≫
転写フィルムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして得たポリカーボネート系樹脂製の熱可塑性樹脂シート(厚さ2mm)に酸化亜鉛系の帯電防止コーティング(DCプレート、積水化学社製;厚さ3μm)を両面に施して光拡散板を製造した。得られた光拡散板の表面固有抵抗値は2×10Ωであり、防塵性能に優れていた。しかし、帯電防止コーティングを施す前の輝度が4,000cd/mであるのに対し、帯電防止コーティングを施した後の輝度は2,800cd/mであり、その低下率が30%と大きく、液晶表示装置用のバックライトユニットに用いるには不適当であった。
≪比較例5≫
転写フィルムを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして得たポリカーボネート系樹脂製の熱可塑性樹脂シート(厚さ2mm)に粘着層付き光触媒塗工フィルム(ラクリーン、キモト社製;厚さ75μm)を貼り付けて光拡散板を製造した。得られた光拡散板のフィルム貼付面側の表面固有抵抗値は2×10Ωであり、防塵性能に優れていた。しかし、光触媒塗工フィルムを貼り付ける前の輝度が4,000cd/mであるのに対し、光触媒塗工フィルムを貼り付けた後の輝度は3,000cd/mであり、その低下率が25%と大きく、液晶表示装置用のバックライトユニットに用いるには不適当であった。
本発明は、光拡散板における塵埃の付着を抑制し、その結果、液晶表示装置において、光の均一性や輝度の低下を防止し、表示画像を長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができるので、液晶表示装置を用いる幅広い分野で多大の貢献をなすものである。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に転写法により形成された少なくとも1層の薄膜を有する光拡散板であって、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有することを特徴とする液晶表示装置用光拡散板。
  2. 前記シートを構成する熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂である請求項1記載の光拡散板。
  3. 前記薄膜のうち少なくとも1層が紫外線吸収剤を含有する請求項1または2記載の光拡散板。
  4. 前記薄膜が帯電防止剤を含有する層と紫外線吸収剤を含有する層とを積層してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の光拡散板。
  5. 前記薄膜のうち少なくとも1層が蛍光増白剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の光拡散板。
  6. 前記薄膜のうち少なくとも1層が微粒子を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の光拡散板。
  7. 促進耐光試験後における輝度の低下率が20%以下であり、かつ促進耐光試験後における表面固有抵抗値が1014Ω以下である請求項1〜6のいずれか1項記載の光拡散板。
  8. 請求項1記載の光拡散板を製造する方法であって、熱可塑性樹脂シートを押出成形すると共に、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に少なくとも1層の薄膜を、前記薄膜のうち少なくとも1層が帯電防止剤を含有するように、転写することを特徴とする製造方法。
  9. 前記転写は牽引フィルムの表面に前記薄膜を形成してなる転写フィルムを用いて行う請求項8記載の製造方法。
  10. 前記牽引フィルムの耐熱温度が80℃以上である請求項8または9記載の製造方法。
  11. 前記牽引フィルムの厚さが10μm以上、100μm以下である請求項8〜10のいずれか1項記載の製造方法。
  12. 前記薄膜を転写した後の前記牽引フィルムの剥離強度が0.02N/cm以上、1.0N/cm以下である請求項8〜11のいずれか1項記載の製造方法。
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