JP2007212889A - 光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、並びに、バックライトユニット、および、液晶表示装置 - Google Patents

光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、並びに、バックライトユニット、および、液晶表示装置 Download PDF

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Toshio Awaji
敏夫 淡路
Mitsuo Takeda
光生 武田
Hisafumi Tsujino
尚史 辻野
Michio Matsuura
路夫 松浦
Takehisa Kishimoto
武久 岸本
Akira Ueda
公 上田
Ken Shibamoto
謙 芝本
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Abstract

【課題】微粒子が熱可塑性樹脂に分散されている光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、並びに、バックライトユニット、および、液晶表示装置において、微粒子を熱可塑性樹脂に安価で簡便に分散させる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、微粒子の液体分散体と熱可塑性樹脂とを直接混合するとともに、得られる混合物に含まれる微粒子の液体成分を除去して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させるところに要旨がある。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置における光拡散技術に関するものであり、より詳細には、光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、並びに、バックライトユニット、および、液晶表示装置に関するものである。
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータのディスプレイ、ノートパソコンなどの幅広い分野で利用されている。小型の液晶表示装置においては、装置の厚さを抑制するために、液晶表示パネルの背後にサイド型バックライトユニットを配置しているが、15インチを超える液晶テレビやデスクトップ型パーソナルコンピュータの液晶ディスプレイなどに用いられる大型の液晶表示装置においては、液晶表示パネルの背後に直下型バックライトユニットを配置し、このバックライトユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示している。大型の液晶表示装置に用いられる直下型バックライトユニットは、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルに均一な光を供給するだけでなく、できるだけ多くの光を供給することが要求される。つまり、直下型バックライトユニットは、光の均一性に優れると共に高い輝度が得られるという光学特性が要求される。
直下型バックライトユニットは、例えば、筐体の中に、光源の他、光源から後方に出射した光を正面方向に反射する役割を果たす反射シート;光源(線光源)からの光を拡散し、面光源とすると共に、光源の形状を消す役割を果たす光拡散板;光拡散板を通過した光をさらに拡散し、光源の形状を消すと共に、光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たす光拡散シート;光拡散シートを通過した光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たすプリズムシート;などの多くの部材が組み込まれている。
前記光拡散板は、通常、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレートなどの熱可塑性樹脂に微粒子をドライブレンドしたものから直接シート成形を行う方法、若しくは、ドライブレンド後ペレットを作製し、後で、該ペレットをフィルムやシートに成形する方法で作製されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2004−29091号公報 特開2005−25219号公報
液晶表示装置のバックライトに使用されている光拡散板や光拡散性シートなどの光拡散性成形体に分散されている微粒子の多くは、市場における流通を容易にするため、そもそも液体媒体中で合成されたものを乾燥させて粉体としたものである。しかしながら、液体媒体中で合成されている微粒子をわざわざ一旦乾燥させた粉体を用いる光拡散性成形体の製造方法では、製造コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微粒子が熱可塑性樹脂に分散されている光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、並びに、バックライトユニット、および、液晶表示装置において、微粒子を熱可塑性樹脂に安価で簡便に分散させる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決することのできた本発明の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法とは、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程を有し、前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする。本発明の光拡散性成形体の製造方法とは、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合し、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程と、前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形する工程とを有し、前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする。すなわち、本発明は、微粒子の液体分散体と熱可塑性樹脂とを直接混合するとともに、得られる混合物に含まれる微粒子の液体成分を除去して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させるところに要旨がある。わざわざ、コストの高い粉体の微粒子を使用する必要がなく、安価な製品が得られる。また、本発明によれば、微粒子が液体に分散した分散体を熱可塑性樹脂と混合するので、粉体の微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる場合に比べて、微粒子の熱可塑性樹脂への分散性が高くなる。粉体の微粒子を使用すると、凝集して二次粒子を形成している場合があり、熱可塑性樹脂への分散性は必ずしも良くないからである。
本発明には、さらに、光拡散性熱可塑性樹脂、光拡散性成形体、光拡散板、光拡散性シート若しくは光拡散性フィルム、液晶表示装置用バックライトユニット、及び、液晶表示装置が含まれる。
尚、本発明において、「光拡散性」とは、ヘイズが70%以上、全光線透過率が40%以上のことを意味する。ヘイズおよび全光線透過率は、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。
本発明によれば、微粒子の液体分散体と熱可塑性樹脂とを加熱混合する際に、同時に得られる混合物に含まれる微粒子の液体成分を除去できるので製造工程が簡便になる。特に、わざわざ微粒子の液体分散体を乾燥させて微粒子の粉末を得る必要がないので、製造コストが低減する。その結果、本発明によれば、光拡散性熱可塑性樹脂、光拡散性成形体、光拡散板、光拡散性シート若しくは光拡散性フィルム、液晶表示用バックライトユニット、および、液晶表示装置を安価で簡便に提供できる。また、液体分散体を使用することにより、微粒子の分散性が向上するため、輝度の均整度も向上する。
本発明の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法とは、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合し、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程を有し、前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする。
本発明の光拡散性成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程と、前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形する工程とを有し、前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする。
まず、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程について説明する。熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体との加熱混合は、特に限定されるものではなく、例えば、撹拌型混合混練機や押出機を用いて行うことが好ましく、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体の配合量に応じて、適宜選択することができる。熱可塑性樹脂に微粒子の液体分散体を配合する量が比較的多い場合には、撹拌型混合混練機を使用し、熱可塑性樹脂に微粒子の液体分散体を配合する量が比較的少ない場合には、押出機を使用することが好ましい。適切な混合装置を採用することによって熱可塑性樹脂への微粒子の分散性が向上するからである。
本発明で使用する押出機としては、特に限定されるものではないが、二軸押出成形装置や単軸押出成形装置を挙げることができ、二軸押出成形装置が好適である。そして、前記押出機として、例えば、ベント付き押出機を用いれば、後述するように、混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を押出機のベントから除去することができる。また押出機は、上流側から、熱可塑性樹脂を供給するメインホッパー、微粒子の液体分散体を供給する液体供給ユニット、前記液体の少なくとも一部を除去するためのベントが設けられたものが好適である。
熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体の加熱混合条件は、使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜設定することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂の場合、加熱混合温度は、240℃〜330℃、より好ましくは250℃〜310℃、さらに好ましくは260℃〜300℃が望ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂、メチルメタクリレート・スチレン共重合体樹脂、スチレン系樹脂の場合、加熱混合温度は、150℃〜250℃、より好ましくは160℃〜240℃、さらに好ましくは170℃〜230℃が望ましい。特に二軸押出成形装置を用いて加熱混合する場合、回転数をできるだけ下げ、熱可塑性樹脂温度をできるだけ低くすることが好ましい。また、シート形状やフィルム形状の成形品を得る場合は、吐出量の制御にギヤポンプを取り付けることがさらに好ましい。また、金網などのスクリーンを設けることも好ましい。
本発明では、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体の加熱混合工程において、得られる混合物に含有される微粒子の液体の少なくとも一部、好ましくは、液体のほとんど全部を除去する。この際、加熱混合時の熱を利用して得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を蒸発させて除去することが好ましい態様である。加熱混合時の熱を利用することによって、液体を蒸発させるための余分なエネルギーを節約することができるからである。ここで、「加熱」には、熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体の混合物を外部から加熱する場合のみならず、混合物を撹拌することによって発生する撹拌熱によって加熱することも含まれる。
特に本発明では、ベント付き押出機を用いて、混合物に含有される微粒子の分散用液体の少なくとも一部をベントから除去することが好ましい態様である。また、ベントを減圧状態にすれば、混合物に含有されている液体を効率良く除去することができる。斯かる減圧度としては、−0.04MPa以下であり、より好ましくは−0.06MPa以下である。
本発明の製造方法により得られる光拡散性熱可塑性樹脂は、そのまま光拡散性成形体に成形することもできるが、例えば、マスターバッチとして好適に使用することができる。ここで、マスターバッチとは、配合の経済性、配合剤の分散、均一性の向上、射出、押し出し成形のフィード、計量の容易性等を改善することを目的として考え出された、最終成形材料に対する予備的混合物を意味する。マスターバッチとしての光拡散性熱可塑性樹脂は、使用に際して微粒子を含有していない熱可塑性樹脂と混合して、微粒子が分散した第2の熱可塑性樹脂を作製し、前記第2の熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形することが好ましい態様である。
本発明の光拡散性成形体の製造方法では、前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形する。具体的には、前記微粒子が分散した前記熱可塑性樹脂をペレット化し、前記ペレットをシート状またはフィルム状に成形する、あるいは、前記微粒子が分散した前記熱可塑性樹脂を、直接シート状またはフィルム状に成形することが好ましい。シート状またはフィルム状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、2本以上のロールを用いて圧延してシート状またはフィルム状とするカレンダー法や、T型ダイスを用いて、溶融した光拡散性熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形するTダイ法などを挙げることができる。また、例えば、透明樹脂と本発明の光拡散性熱可塑性樹脂とを共押出してシート状またはフィルム状に成形するようにすれば、透明基材層の少なくとも一方の面に本発明の光拡散性熱可塑性樹脂からなる光拡散性層が設けられた光拡散性成形体を製造することができる。
尚、本発明には、上記製造方法により得られる光拡散性熱可塑性樹脂が含まれる。
次に、本発明で使用する原料について詳細に説明する。尚、以下の説明において、「光拡散性熱可塑性樹脂」と「光拡散性成形体」とを単に「光拡散性熱可塑性樹脂等」と省略する場合がある。
《熱可塑性樹脂》
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂;メチルメタクリレート・スチレン共重合体樹脂(MS樹脂)などの(メタ)アクリル・スチレン共重合体樹脂;ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、(メタ)アクリル・スチレン共重合体樹脂、および、ポリカーボネート樹脂が特に好適であり、さらに好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。
本発明で好適に使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。これらの二価フェノールは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの二価フェノールのうち、ビスフェノールAが好適である。
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記の二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するにあたっては、必要に応じて、触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤などを使用してもよい。また、ポリカーボネート樹脂は、3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で表して、通常15,000以上、40,000以下、好ましくは18,000以上、35,000以下である。本発明でいう粘度平均分子量は、塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(ただし、c=0.7、[η]は極限粘度)
《微粒子の液体分散体》
本発明で使用する微粒子の液体分散体としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ベンゾグアナミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体などの合成樹脂;ガラス;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物;あるいは、シリカ−アクリル複合粒子などの有機・無機複合体などの微粒子が液体媒体に分散した液体分散体が挙げられる。これらのうち、シリカ粒子、シリコン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子、メラミン・ベンゾグアナミド樹脂粒子、ポリスチレン粒子、および、シリカ−アクリル複合粒子よりなる群から選択される少なくとも一種の微粒子が液体媒体に分散した液体分散体を用いることが好適である。ここで、液体媒体の具体例としては、水、あるいは、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、モノクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられ、これらの混合物であってもよい。これらのうち、取扱いの容易性から、水、アルコール類などの水性媒体が好ましく、さらに、引火性、発火性の点から水が最も好ましい。また、前記液体分散体の固形分は、特に限定されるものではないが、5質量%〜80質量%である。
また、前記微粒子としては、透明微粒子を使用することが好適である。透明微粒子を採用することによって、得られる光拡散性樹脂等の光透過度(輝度)が向上するからである。前記透明微粒子の屈折率は、分散させる熱可塑性樹脂の屈折率に応じて適宜選択すれば良いが、微粒子と熱可塑性樹脂との屈折率の差は0.01以上が好ましく、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上である。屈折率の差が0.01未満であると、充分な光拡散性が得られず、光拡散性熱可塑性樹脂としての機能が低下するからである。
光拡散性熱可塑性樹脂等における微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、固形分で、好ましくは0.1質量部以上、40質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上、25質量部以下である。使用量が0.1質量部未満であると、熱可塑性樹脂に入射した光が充分に拡散されないことがある。逆に、使用量が40質量部を超えると、熱可塑性樹脂の押出成形が困難になる。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、微粒子の含有量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
微粒子の形状としては、例えば、球状、扁平状、楕円体状、多角形状、板状などが挙げられる。これらの形状を有する微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの形状を有する微粒子のうち、球状粒子が好適であるが、球状粒子よりも強い光拡散性を有しており、少量の添加で高い輝度が得られることから、扁平状、楕円体状、多角形状、板状などの異形粒子が好適な場合もある。
前記微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、30μm以下、より好ましくは0.5μm以上、25μm以下、さらに好ましくは1μm以上、20μm以下である。平均粒子径が0.1μm未満であると、光拡散性熱可塑性樹脂等に入射した光を充分に拡散することができないことがある。逆に、平均粒子径が30μmを超えると、光拡散性熱可塑性樹脂等を通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。なお、各微粒子の平均粒子径は、顕微鏡で観察した任意の微粒子100個について粒子径を測定し、単純平均した値である。また、各微粒子が異形粒子の場合、最大径と最小径との平均を粒子径とする。
《その他の添加剤》
本発明により光拡散性熱可塑性樹脂等を製造する際には、上記成分以外に本発明の目的および効果を損なわない範囲で、他の成分、例えば、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤などの添加剤を、必要に応じて、その発現量配合してもよい。
〈熱安定剤〉
前記熱安定剤としては、リン系、フェノール系、ラクトン系、硫黄系のものを好適に用いることができる。中でもリン系が好ましい。前記リン系の熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸、これらのエステルなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−イソプロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。これらの熱安定剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの熱安定剤のうち、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好適である。熱安定剤の使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましい。熱安定剤の使用量の上限は、特に限定されないが、5質量部が好ましく、3質量部がより好ましい。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、熱安定剤の使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
〈離型剤〉
さらに、本発明の製造方法では、成形時の金型からの離型性を改良する目的などで脂肪酸エステル化合物を使用することができる。かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1以上、20以下の一価または多価アルコールと炭素数10以上、30以下の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられる。これらの脂肪酸エステルは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの脂肪酸エステルのうち、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好適である。前記脂肪酸エステルの使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上、5質量部以下が好ましい。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、前記脂肪酸エステルの使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
〈紫外線吸収剤〉
本発明の製造方法では、光源からの光の影響を防止することを目的として紫外線吸収剤を使用することも好ましい。得られる光拡散性成形体が高い耐光性を有するので、液晶表示装置において、表示画像をさらに長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができる。前記紫外線吸収剤としては、従来公知のいかなる紫外線吸収剤を用いてもよく、特に限定されるものではないが、例えば、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、分子内にヒンダードフェノールの構造とヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系紫外線吸収剤などが挙げられる。
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが挙げられる。
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−)テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
分子内にヒンダードフェノールの構造とヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの紫外線吸収剤のうち、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が特に好適である。
紫外線吸収剤の使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、20質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上、15質量部以下、さらに好ましくは0.8質量部以上、10質量部以下である。使用量が0.1質量部未満であると、光源からの光の影響を防止する効果が少ないことがある。逆に、使用量が20質量部を超えると、光源からの光の影響を防止する効果が飽和することがある。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、紫外線吸収剤の使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
〈ブルーイング剤〉
本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂や紫外線吸収剤に基づく光拡散性成形体の黄色味を打ち消すために、ブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としては、例えば、アンスラキノン系染料を挙げることができる。具体的なブルーイング剤としては、例えば、一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学社製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業社製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500;商標名 三菱化学社製「ダイアレジンブルーN」]、一般名SolventViolet36[CA.No 68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No 61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]が代表例として挙げられる。これらブルーイング剤は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.3×10−4質量部以上、2×10−3質量部以下の割合で配合される。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、ブルーイング剤の使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
〈蛍光増白剤〉
本発明の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法においては、蛍光増白剤を使用してもよい。前記蛍光増白剤としては、従来公知のいかなる蛍光増白剤を用いてもよく、特に限定されるものではないが、例えば、オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、スチルベン系蛍光増白剤、イミダゾール系蛍光増白剤、トリアゾール系蛍光増白剤、ナフタルイミド系蛍光増白剤、ローダミン系蛍光増白剤などが挙げられる。これらの蛍光増白剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの蛍光増白剤のうち、オキサゾール系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤が特に好適である。
蛍光増白剤の使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005質量部以上、1質量部以下、より好ましく0.001質量部以上、0.5質量部以下である。使用量が0.0005質量部未満であると、光の均一性や輝度を向上させる効果が少ないことがある。逆に、使用量が1質量部を超えると、むしろ光の均一性が損なわれることや、光拡散性成形体の機械的強度が損なわれることがあり、また、必要以上に高価な蛍光増白剤を使用することになり、製造コストが上昇することがある。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、蛍光増白剤の使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
<帯電防止剤>
本発明の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法において、帯電防止剤を使用することもできる。帯電防止剤は、空気中に存在する塵埃などの光拡散性成形体への付着による輝度の低下を抑制することができる。前記帯電防止剤としては、従来公知のいかなる帯電防止剤を用いてもよいが、特に無機化合物系の帯電防止剤は、光を透過しにくく光の損失を招くことがあるので、好ましくない。それゆえ、光の損失を招かない有機系の帯電防止剤として、界面活性剤や導電性樹脂を用いることが好ましい。前記帯電防止剤として使用可能な界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸や、それらのLi、Na、Ca、Mg、Zn塩などのオレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩、高級アルコールのリン酸エステル類などのアニオン系界面活性剤;第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などのカチオン系界面活性剤;アルキルアミン系ベタインの両性塩、カルボン酸またはスルホン酸アラニンの両性塩、アルキルイミダゾリンの両性塩などの両性系界面活性剤;脂肪酸多価アルコールエステル、アルキル(アミン)のポリオキシエチレン付加物などの非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。帯電防止剤として使用可能な導電性樹脂としては、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂、ポリアクリル酸型カチオン樹脂などが挙げられる。これらの帯電防止剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの帯電防止剤のうち、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤が好適である。
帯電防止剤の使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、100質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上、70質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以上、50質量部以下である。使用量が0.1質量部未満であると、塵埃の付着を防止する効果が少ないことがある。逆に、使用量が100質量部を超えると、塵埃の付着を防止する効果が飽和することがある。また、光拡散性熱可塑性樹脂をマスターバッチとして使用する場合、帯電防止剤の使用量は、希釈する熱可塑性樹脂の量に応じて上記範囲内で適宜変更すればよい。
≪光拡散性成形体≫
本発明において、「光拡散性成形体」としては、熱可塑性樹脂に微粒子が分散されたものをシート状またはフィルム状に成形したものであれば、特に限定されず、例えば、光拡散板、光拡散性シート、および、光拡散性フィルムを挙げることができる。液晶表示装置、特にバックライトユニットにおいて、光拡散性のみを有する比較的厚みのあるものを「光拡散板」として、光拡散性に加えて集光効果を発現する比較的薄いものを「光拡散シート(またはフィルム)」と区別する場合があるが、本発明の「光拡散性成形体」には、上述のような「光拡散シート(またはフィルム)」および「光拡散板」のいずれも含まれる。いずれの場合にも本発明を好適に適用できるからである。また、液晶表示ユニットに「光拡散板」が使用されている場合もあるが、本発明の光拡散性成形体は、液晶表示ユニットにも使用することができる。
また、本発明の光拡散性成形体は、単層構造のみならず、多層構造であってもよい。
多層構造を有する本発明の光拡散性成形体としては、例えば、透明基材層と、前記透明基材層の少なくとも一方の面に設けられた光拡散性層とを有する光拡散性成形体であって、前記光拡散性層は、本発明の光拡散性熱可塑性樹脂からなる層であることを特徴するもの、あるいは、透明基材層と、前記透明基材層の少なくとも一方の面に設けられた光拡散性層とを有する光拡散性成形体であって、前記光拡散性層は、本発明の製造方法により得られるものであることを特徴とするものを挙げることができる。
透明基材層の少なくとも一方の面に光拡散性層を設ける方法は、特に限定されず、例えば、透明基材層と光拡散性層とを積層して、機械的固定手段を用いて固定する方法、透明基材層と光拡散性層とを接着剤を用いて貼り合わせる方法、透明基材層と光拡散性層とを構成する樹脂成分を共押出して多層構造とする方法などを挙げることができ、成形性や光拡散性などの諸特性の点から、透明基材層と光拡散性層とを構成する樹脂成分を共押出して多層構造とする方法が好適である。
前記透明基材層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂;メチルメタクリレート・スチレン共重合体樹脂(MS樹脂)などの(メタ)アクリル・スチレン共重合体樹脂;ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;ノルボルネン樹脂などの環状オレフィン系樹脂などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる光拡散性成形体は、ヘイズが好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であり、および/または、全光線透過率が好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。なお、ヘイズおよび全光線透過率は、JIS K7105に準拠した測定法により測定した値である。また光拡散板は、単一の材質から形成されていても2種以上の材質から形成されていてもよく、また、単一の層から構成されていても複数の層から構成されていてもよい。
本発明における光拡散性成形体の厚さは、光拡散板としては、0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、5mm以下、より好ましくは3mm以下であることが望ましい。光拡散板の厚さが0.5mm未満であると、機械的強度が低下することがある。逆に、光拡散板の厚さが5mmを超えると、光拡散板を通過する光量が減少し、輝度が低下することがある。また、光拡散シート、フィルムの厚さとしては、0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上であって、0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下が望ましい。光拡散シート、フィルムの厚さが0.01mm未満であると、破れを生じるなど機械的強度が低下することがある。逆に、光拡散シート、フィルムの厚さが0.5mmを超えると、透過する光量が減少し、輝度が低下することがある。
光拡散性成形体を透過する光の輝度は、好ましくは2,500cd/m以上、より好ましくは3,000cd/m以上、さらに好ましくは3,500cd/m以上である。輝度が2,500cd/m未満であると、液晶表示装置の表示画像が暗くなり、鮮明な表示が得られないことがある。なお、輝度は、実施例に記載した方法で測定した値である。
<光拡散性成形体の用途>
本発明には、本発明の光拡散性成形体を使用するバックライトユニットが含まれ、例えば、従来公知の直下型バックライトユニットまたはサイドライト型バックライトユニットを挙げることができる。特に、本発明によれば、液晶表示装置の表示画像を長期間にわたり安定化させると共に、その表示品位を向上させることができるので、特に、15インチを超える液晶テレビやデスクトップ型パーソナルコンピュータの液晶ディスプレイに用いられる大型の液晶表示装置に、直下型バックライトユニットの光拡散性成形体として用いることが好ましい。
直下型バックライトユニットは、例えば、筐体の中に、光源の他、光源から後方に出射した光を正面方向に反射する役割を果たす反射シート;光源(線光源)からの光を拡散し、面光源とすると共に、光源の形状を消す役割を果たす光拡散板;光拡散板を通過した光をさらに拡散し、光源の形状を消すと共に、光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たす光拡散シート;光拡散シートを通過した光を正面方向に集光し、輝度を向上させる役割を果たすプリズムシート;などの多くの部材が組み込まれている。本発明の光拡散性成形体は、例えば、上記光拡散性シートまたは光拡散板として好適に使用できる。
サイドライト型バックライトユニットとしては、例えば、導光板と、光拡散性シートと、プリズムシートとを有するサイドライト型バックライトユニットを挙げることができる。また、本発明の液晶表示装置は、前記本発明のバックライトユニットを使用したものであれば特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、特に断らない限り、質量部を「部」と表すことがある。
まず、光拡散性成形体の物性および性能を評価する方法について説明する。
<輝度>
光拡散性成形体を透過する光の輝度は、輝度測定計(BM−7型、トプコン社製)を用いて測定した。測定室内の雰囲気を温度25℃、湿度60%RHとし、15インチ型液晶表示装置用の直下型バックライトユニット(冷陰極管ランプの強度が10,000cd/mとなるようにランプ強度を設定)に、縦231mm、横321mmの測定試料を組み込み、測定試料における9点の輝度(cd/m)を測定し、その平均値を輝度とした。なお、輝度の測定部位は、光拡散性成形体の中心点と、中心から縦方向へ上下に77mm離れた位置における2点と、これらの3点から横方向へ左右に107mm離れた位置における6点とからなる合計9点とした。測定距離は50cmであり、視野角は1°であった。尚、均整度は、9ポイント測定した際の(輝度の最小値)/(輝度の最大値)×100%として表わした。
〈表面性〉
表面性は、目視にて発泡・スジ・肌荒れ等が発生していないかを確認した。
<吸水量>
吸水量は、赤外線水分計(赤外線水分計FD−230、ケツト社製)を用いて測定した。測定室内の雰囲気を23℃、50%RHとし、約20gの試験片を120℃で2.5分測定した。
<メルトフローレート(MFR)>
MFRは、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いた測定した。(JIS−K7210)オリフィスは2.095Φ×8.03Lを使用した。測定は、ポリカーボネート樹脂の場合、測定温度300℃、荷重1.20kg、MS樹脂の場合、測定温度200℃、荷重5.00kg、アクリル系樹脂の場合、測定温度230℃、荷重3.80kg、ノルボルネン系樹脂の場合、測定温度280℃、荷重2.16kgの条件でそれぞれ行った。
《微粒子の液体分散体の合成》
微粒子液体分散体1
撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール675.4gおよび28%アンモニア水275.3gを添加して混合した。該混合液を20℃±0.5℃に調整し、撹拌しながらメタノール55.9gにテトラメトキシシラン111.8gを溶解した液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け加水分解縮合を行い、球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。この懸濁液にエチレングリコール150gを添加し、エバポレーターを用いて常圧で濃縮し、内温が190℃になったところで1時間加熱を続けエチレングリコールの結合した球状シリカ微粒子のエチレングリコールのスラリー(微粒子濃度28.0wt%)を得た。これを種粒子スラリーとした。撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール640.0gおよび28%アンモニア水267.9gおよび種粒子スラリー21.1gを添加して混合した。該混合液を20℃±1℃に調整し、撹拌しながらメタノール190.0gにテトラメトキシシラン381gを溶解した溶液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け、加水分解、縮合により種粒子を成長させて球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。次に、上記懸濁液をロータリーエバポレータを用いて常圧でアルコールを除去した。即ち、ロータリーエバポレータのバス(加熱器)の温度を、懸濁液の液温との温度差が60℃以下となるように調整しながら、懸濁液の液温を1℃/分の割合で昇温させた。そして、留出液が出始めたら、懸濁液中の球状シリカ微粒子の含有量が20質量%に保持されるように水を適宜供給した。懸濁液の液温が95℃になった後、さらに1時間加熱を続け、アルコールの除去を行い、固形成分20質量%の水置換された球状シリカ微粒子の水分散体(微粒子液体分散体1)を得た。得られた球状シリカ微粒子の平均粒子径は、1.5μmで、屈折率は1.43であった。
微粒子液体分散体2
撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール675.4gおよび28%アンモニア水275.3gを添加して混合した。該混合液を20℃±0.5℃に調整し、撹拌しながらメタノール55.9gにテトラメトキシシラン111.8gを溶解した液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け加水分解縮合を行い、球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。この懸濁液にエチレングリコール150gを添加し、エバポレーターを用いて常圧で濃縮し、内温が190℃になったところで1時間加熱を続けエチレングリコールの結合した球状シリカ微粒子のエチレングリコールのスラリー(微粒子濃度28.0wt%)を得た。これを種粒子スラリーとした。撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール572.0gおよび28%アンモニア水267.9gおよび種粒子スラリー89.2gを添加して混合した。該混合液を20℃±1℃に調整し、撹拌しながらメタノール190.0gにテトラメトキシシラン381gを溶解した溶液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け、加水分解、縮合により種粒子を成長させて球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。次に、上記懸濁液をロータリーエバポレータを用いて常圧でアルコールを除去した。即ち、ロータリーエバポレータのバス(加熱器)の温度を、懸濁液の液温との温度差が60℃以下となるように調整しながら、懸濁液の液温を1℃/分の割合で昇温させた。そして、留出液が出始めたら、懸濁液中の球状シリカ微粒子の含有量が20質量%に保持されるように水を適宜供給した。懸濁液の液温が95℃になった後、さらに1時間加熱を続け、アルコールの除去を行い、固形成分20質量%の水置換された球状シリカ微粒子の水分散体(微粒子液体分散体2)を得た。得られた球状シリカ微粒子の平均粒子径は、1.0μmで、屈折率は1.43であった。
微粒子液体分散体3
撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール675.4gおよび28%アンモニア水275.3gを添加して混合した。該混合液を20℃±0.5℃に調整し、撹拌しながらメタノール55.9gにテトラメトキシシラン111.8gを溶解した液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け加水分解縮合を行い、球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。この懸濁液にエチレングリコール150gを添加し、エバポレーターを用いて常圧で濃縮し、内温が190℃になったところで1時間加熱を続けエチレングリコールの結合した球状シリカ微粒子のエチレングリコールのスラリー(微粒子濃度28.0wt%)を得た。これを種粒子スラリーとした。撹拌機、滴下口、および、温度計を備えた2リットルのガラス製反応器にメタノール656.0gおよび28%アンモニア水267.9gおよび種粒子スラリー4.9gを添加して混合した。該混合液を20℃±1℃に調整し、撹拌しながらメタノール190.0gにテトラメトキシシラン381gを溶解した溶液を滴下口より1時間かけて滴下し、滴下後も1時間撹拌を続け、加水分解、縮合により種粒子を成長させて球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。次に、上記懸濁液をロータリーエバポレータを用いて常圧でアルコールを除去した。即ち、ロータリーエバポレータのバス(加熱器)の温度を、懸濁液の液温との温度差が60℃以下となるように調整しながら、懸濁液の液温を1℃/分の割合で昇温させた。そして、留出液が出始めたら、懸濁液中の球状シリカ微粒子の含有量が20質量%に保持されるようにエチレングリコールを適宜供給した。懸濁液の液温が95℃になった後、さらに1時間加熱を続け、アルコールの除去を行い、固形成分20質量%のエチレングリコール置換された球状シリカ微粒子のエチレングリコール分散体(微粒子液体分散体3)を得た。得られた球状シリカ微粒子の平均粒子径は、2.5μmで、屈折率は1.43であった。
微粒子液体分散体4
撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却口、および、温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンアルキルスルフォアンモニウム(「ハイテノールN−08」第一工業製薬社製)0.5質量部を溶解した脱イオン水900質量部を仕込んだ。そこへ予め調整しておいたメタクリル酸メチル90質量部、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン10質量部、アゾイソブチロニトリル1質量部および3,4−ジニトロ安息香酸1質量部を配合した混合物を仕込み、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により5000rpmで5分間撹拌して均一な懸濁液とした。次いで、窒素ガスを吹き込みながら75℃に加熱し、この温度で5時間撹拌を続けて懸濁重合反応を行った後冷却した。この懸濁液を濾過した後乾燥して、乾燥状態のアクリル架橋粒子(I)を得た。得られたアクリル架橋粒子(I)は、平均粒子径が10.0μmで、屈折率は1.49であった。次に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(「ノイゲンEA50」第一工業製薬社製:HLB15.0)2.1質量部を水156.3質量部に溶解させた溶液の中に、前記アクリル架橋粒子(I)63質量部を加え(アクリル架橋粒子(I)固形成分に対するポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル量は、3.3質量%)、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製)により7000rpmで40分間撹拌し、固形成分30質量%の微粒子液体分散体4を得た。
≪実施例1≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給するとともに、液体添加ユニット(ギヤポンプ(GP):モーターに直流安定化電源を接続し、流量を制御できるもの)をベント口の手前に設け、微粒子液体分散体1(平均粒子径1.5μm、屈折率1.43、水性分散体 固形分20質量%)を、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して微粒子が0.5質量部となるように添加して(沈降しやすいため撹拌しながら)、ポリカーボネート樹脂と微粒子液体分散体1とを280℃で加熱(溶融)混合しながら、ベント部を−0.1MPaの減圧にして混合物から水分を除去して、光拡散性熱可塑性樹脂1を得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂1をそのまま3本ロールシートユニットに供給して、光拡散板(厚さ2mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。実施例1の光拡散性熱可塑性樹脂のMFRは、6.4g/10minであり、比較例1のMFR6.7g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂1は、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、外観も良好であった。
≪実施例2≫
MS樹脂(メチルメタクリレート−スチレン共重合系樹脂:TX−100S、電気化学工業社製)100質量部と、熱安定剤(アデカスタブ2112 旭電化工業社製、リン系)0.1質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給するとともに、液体添加ユニット(ギヤポンプ:モーターに直流安定化電源を接続し、流量を制御できるもの)をメインホッパーに設け、微粒子液体分散体2(平均粒子径1.0μm、屈折率1.43、水性分散体 固形分20%)を、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して微粒子が0.45質量部となるように添加し(沈降しやすいため撹拌しながら)、MS樹脂と微粒子液体分散体2とを220℃で加熱(溶融)混合しながら、ベント部を−0.1MPaの減圧にして混合物から水分を除去して、光拡散性熱可塑性樹脂2を得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂2を3本ロールシートユニットに直接供給して、光拡散板(厚さ2mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,100cd/mであった。光拡散性熱可塑性樹脂2のMFRは2.8g/10minであり、比較例2のMFR2.5g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂2は、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、外観も良好であった。
≪実施例3≫
ノルボルネン系樹脂(ゼオネックス480、日本ゼオン社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス1330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン)0.1質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部と、微粒子液体分散体1(平均粒子径1.5μm、屈折率1.43、水分散体 固形分20%)とを、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して、微粒子が0.5質量部になるように添加し、撹拌型混合混練機(スーパーミキサーSMV−20A カワタ社製)で樹脂温度110℃まで撹拌混合して、光拡散性熱可塑性樹脂3を得た。得られた光拡散性熱可塑性樹脂3を単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)のメインホッパーに供給し、250℃で溶融混合して、3本ロールシートユニットに供給し、光拡散板(厚さ2mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。光拡散性熱可塑性樹脂3のMFRは21.1g/10minであり、比較例3のMFR21.0g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂3は、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、外観も良好であった。
≪実施例4≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給するとともに、液体添加ユニット(ギヤポンプ:モーターに直流安定化電源を接続し、流量を制御できるもの)をベント口の手前に設け、微粒子液体分散体3(平均粒子径2.5μm、屈折率1.43、球状シリカ微粒子のエチレングリコール分散体 固形分20%)を、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して微粒子が0.37質量部となるように添加し(沈降しやすいため撹拌しながら)、ポリカーボネート樹脂と微粒子液体分散体3とを280℃で溶融混合しながら、ベント部を−0.1MPaの減圧にして混合物からエチレングリコールを除去し、光拡散性熱可塑性樹脂Aを得た。
また、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、紫外線吸収剤(チヌビン329、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;ベンゾトリアゾール系)5.0質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ1mm:熱可塑性樹脂A層0.97mm、熱可塑性樹脂B層:0.03mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,200cd/mであった。光拡散性熱可塑性樹脂AのMFRは6.7g/10minであり、比較例4のMFR6.9g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂Aは、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、外観も良好であった。
≪実施例5≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)1.5質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.09質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給するとともに、液体添加ユニット(ギヤポンプ:モーターに直流安定化電源を接続し、流量を制御できるもの)をベント口の手前に設け、微粒子液体分散体1(平均粒子径1.5μm、屈折率1.43、球状シリカ微粒子の水性分散体 固形分20%)を、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して微粒子が15質量部となるように添加し(沈降しやすいため撹拌しながら)、ポリカーボネート樹脂と微粒子液体分散体1とを280℃で溶融混合しながら、ベント部を−0.1MPaの減圧にして混合物から水分を除去して、光拡散性熱可塑性樹脂5(ペレット)を作製した。得られた光拡散性熱可塑性樹脂5のMFRは6.9g/10minであり、比較例5のMFR6.8g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂5は、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、外観も良好であった。光可塑性熱可塑性樹脂5の吸水量は、0.03質量%であった。
得られた光拡散性熱可塑性樹脂5(ペレット)をポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)で30倍に希釈して乾燥後、280℃でシート成形を行い、光拡散板(厚さ2mm)を作製した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪実施例6≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給するとともに、液体添加ユニット(ギヤポンプ:モーターに直流安定化電源を接続し、流量を制御できるもの)をベント口の手前に設け、微粒子液体分散体4(平均粒子径10.0μm、屈折率1.49、アクリル架橋微粒子の水性分散体 固形分30%)を、固形分比で熱可塑性樹脂100質量部に対して4質量部となるように添加し(沈降しやすいため撹拌しながら)、ポリカーボネート樹脂と微粒子液体分散体4とを280℃で加熱(溶融)混合しながら、ベント部を−0.1MPaの減圧にして混合物から水分を除去して、光拡散性熱可塑性樹脂6のペレットを作製した。得られた光拡散性熱可塑性樹脂6のMFRは6.6g/10minであり、比較例6のMFR6.8g/10minと同等であった。この結果より、光拡散性熱可塑性樹脂6は、微粒子をドライブレンドしたものに比べて、分子量が低下していないことが分かる。また、得られたペレットの吸水量は、0.03質量%であった。
得られた光拡散性熱可塑性樹脂6のペレットを乾燥後、280℃でシート成形を行い、光拡散板(厚さ2mm)を作製した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪実施例7≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給して成形温度280℃で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。一方、実施例5で作製した光拡散性熱可塑性樹脂5を、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で280℃で溶融した熱可塑性樹脂Aを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ3mm:熱可塑性樹脂A層0.07mm、熱可塑性樹脂B層:2.93mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,600cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪実施例8≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、紫外線吸収剤(チヌビン329、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;ベンゾトリアゾール系)3.0質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給して成形温度280℃で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。一方、実施例6で作製した光拡散性熱可塑性樹脂6を、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で280℃で溶融した熱可塑性樹脂Aを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ2mm:熱可塑性樹脂A層1.97mm、熱可塑性樹脂B層:0.03mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,900cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪比較例1≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とシリカ粒子粉体(シーホスターKE−P150 日本触媒製;平均粒子径1.5μm、屈折率1.43)0.5質量部をドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度280℃で溶融混合し、3本ロールシートユニットに供給し、光拡散板(厚さ2mm)を得た。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、MFRは6.7g/10min、外観は良好であった。
≪比較例2≫
MS樹脂(TX−100S、電気化学工業社製)100質量部と、熱安定剤(アデカスタブ2112 旭電化工業社製)0.1質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部と、シリカ粒子粉体(シーホスターKE−P100 日本触媒製;平均粒子径1.0μm、屈折率1.43)0.45質量部とをドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度240℃で溶融混合し、3本ロールシートユニットに供給し、光拡散板(厚さ2mm)を得た。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,100cd/mであった。また、MFRは、2.5g/10minであり、外観も良好であった。
≪比較例3≫
ノルボルネン系樹脂(ゼオネックス480、日本ゼオン社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス1330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン)0.1質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部と、シリカ粒子粉体(シーホスターKE−P150 日本触媒製;平均粒子径1.5μm、屈折率1.43)0.5質量部とをドライブレンドし、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度240℃にて溶融混合し、3本ロールシートユニットに供給し、光拡散板(厚さ2mm)を得た。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、MFRは、21.0g/10minであり、外観も良好であった。
≪比較例4≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とシリカ粒子粉体(シーホスターKE−P250 日本触媒製;平均粒子径2.5μm、屈折率1.43)0.37質量部とをドライブレンドし、2軸押出シート成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度280℃で溶融混合して熱可塑性樹脂Aを得た。
また、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、紫外線吸収剤(チヌビン329、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;ベンゾトリアゾール系)5.0質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ1mm:熱可塑性樹脂A層0.97mm、熱可塑性樹脂B層:0.03mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,200cd/mであった。また、熱可塑性樹脂AのMFRは、6.9g/10minであり、外観も良好であった。
≪比較例5≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)1.5質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.09質量部とシリカ粒子粉体(シーホスターKE−P150 日本触媒製;平均粒子径1.5μm、屈折率1.43)15質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度280℃で溶融混合し、光拡散性熱可塑性樹脂を得た。得られた光拡散性熱可塑性樹脂のMFRを測定したところ、6.8g/10minであった。また、吸水量は0.03質量%であった。
得られた光拡散性熱可塑性樹脂をポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)で30倍に希釈して乾燥後、280℃でシート成形を行い、光拡散板(厚さ2mm)を得た。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪比較例6≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とアクリル架橋微粒子(エポスターMA1010 日本触媒製;平均粒子径10μm、屈折率1.49)4質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給し、成形温度280℃で溶融混合し、光拡散性熱可塑性樹脂のペレットを得た。得られた光拡散性熱可塑性樹脂のMFRを測定したところ、6.8g/10minであった。また吸水量は、0.03質量%であった。
得られた光拡散性熱可塑性樹脂のペレットを乾燥後、280℃でシート成形を行い、光拡散板(厚さ2mm)を得た。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、4,000cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪比較例7≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給して成形温度280℃で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。一方、比較例5で得られた光拡散性熱可塑性樹脂を、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で280℃で溶融した熱可塑性樹脂Aを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ3mm:熱可塑性樹脂A層0.07mm、熱可塑性樹脂B層:2.93mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,600cd/mであった。また、外観も良好であった。
≪比較例8≫
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンE2000FN、三菱エンジニアプラスチック社製)100質量部と、熱安定剤(イルガノックス2215、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;フェノール系酸化防止剤・リン酸系加工安定剤・ラクトン系加工安定剤の3種混合系)0.05質量部と、紫外線吸収剤(チヌビン329、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;ベンゾトリアゾール系)3.0質量部と、蛍光増白剤(ユビテックスOB、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキサゾール系)0.003質量部とをドライブレンドし、2軸押出成形装置(テクノベル社製KZW40TW60HG 3ベント・GP付き液体添加ユニット付き)のメインホッパーに50kg/hrで供給して成形温度280℃で溶融混合して熱可塑性樹脂Bを得た。一方、比較例6で得られた光拡散性熱可塑性樹脂を、単軸押出シート成形装置(アイケージー社製PMS50−32V ベント・GP付き)で280℃で溶融した熱可塑性樹脂Aを得た。溶融混合された光拡散性熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとをそれぞれフィードブッロックに供給し、3本ロールシートユニットに供給して、透明層の一方の面に光拡散層が形成された2層の光拡散板(厚さ2mm:熱可塑性樹脂A層1.97mm、熱可塑性樹脂B層:0.03mm)に成形した。得られた光拡散板を透過する光の輝度を測定したところ、3,900cd/mであった。また、外観も良好であった。
得られた光拡散板の特性を表1にまとめた。
Figure 2007212889
上記結果から明らかなように、本発明の製造方法により得られる光拡散性熱可塑性樹脂等は、従来の製造方法により得られる光拡散性熱可塑性樹脂等と同等の輝度を有し、且つ、微粒子の分散性の向上により、優れた均整度を有している。従って、本発明の製造方法によれば、微粒子の液体分散体を直接使用することができので、製造工程を簡便化するとともに、製造コストの低減を図ることができ、且つ、優れた性能を付与することができる。
本発明は、光拡散性熱可塑性樹脂およびその製造方法、光拡散性成形体およびその製造方法、液晶表示用バックライトユニット、および該バックライトユニットを有する液晶表示装置に好適に利用することができる。

Claims (17)

  1. 熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程を有し、
    前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを押出機を用いて混合する請求項1に記載の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 前記押出機として、ベント付き押出機を用い、混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を押出機のベントから除去する請求項1または2に記載の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 前記微粒子の液体分散体として、シリカ粒子、シリコン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子、メラミン・ベンゾグアナミド樹脂粒子、ポリスチレン粒子、および、シリカ−アクリル複合粒子よりなる群から選択される少なくとも一種の液体分散体を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂、メチルメタクリート・スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、または、ノルボルネン樹脂を使用する請求項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散性熱可塑性樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られる光拡散性熱可塑性樹脂。
  7. 熱可塑性樹脂と微粒子の液体分散体とを加熱混合して、微粒子を熱可塑性樹脂に分散させる工程と、
    前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形する工程とを有し、
    前記加熱混合工程において、得られる混合物に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去することを特徴とする光拡散性成形体の製造方法。
  8. 前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂をペレット化し、前記ペレットをシート状またはフィルム状に成形する請求項7に記載の光拡散性成形体の製造方法。
  9. 前記微粒子が分散した熱可塑性樹脂を、シート状またはフィルム状に直接成形する請求項7に記載の光拡散性成形体の製造方法。
  10. 前記微粒子の液体分散体として、シリカ粒子、シリコン樹脂粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子、メラミン・ベンゾグアナミド樹脂粒子、ポリスチレン粒子、および、シリカ−アクリル複合粒子よりなる群から選択される少なくとも一種の液体分散体を用いる請求項7〜9のいずれか一項に記載の光拡散性成形体の製造方法。
  11. 前記熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂、メチルメタクリレート・スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、または、ノルボルネン樹脂を使用する請求項7〜10のいずれか一項に記載の光拡散性成形体の製造方法。
  12. 請求項6に記載の光拡散性熱可塑性樹脂と微粒子を含有していない熱可塑性樹脂とを混合して、微粒子が分散した第2の熱可塑性樹脂を作製する工程と、
    前記第2の熱可塑性樹脂をシート状またはフィルム状に成形する工程とを有することを特徴とする光拡散性成形体の製造方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか一項に記載の製造方法により得られる光拡散板、光拡散シートまたは光拡散性フィルム。
  14. 透明基材層と、前記透明基材層の少なくとも一方の面に設けられた光拡散性層とを有する光拡散性成形体であって、前記光拡散性層は、請求項6に記載の光拡散性熱可塑性樹脂からなる層であることを特徴とする光拡散性成形体。
  15. 透明基材層と、前記透明基材層の少なくとも一方の面に設けられた光拡散性層とを有する光拡散性成形体であって、前記光拡散性層は、請求項7〜12のいずれか一項に記載の製造方法により得られるものであることを特徴とする光拡散性成形体。
  16. 請求項14または15に記載の光拡散性成形体を有する液晶表示装置用バックライトユニット。
  17. 請求項16のバックライトユニットを有する液晶表示装置。
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JPWO2015053328A1 (ja) * 2013-10-11 2017-03-09 三菱瓦斯化学株式会社 耐擦傷性ポリカーボネート樹脂積層体

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