JP2004029091A - ポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板 - Google Patents

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Abstract

【課題】芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる優れた面発光性を有し、且つ輝度ムラが少なく、その上色調の優れたポリカーボネート樹脂製の光拡散板、特に大型液晶ディスプレイ又は大型液晶テレビの直下型バックライト方式に適したポリカーボネート樹脂製の光拡散板を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂99.7〜80重量%および平均粒径1〜30μの透明微粒子0.3〜20重量%の合計100重量部と蛍光増白剤0.0005〜0.1重量部からなる樹脂組成物より形成された厚み0.5〜3.0mmのポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリカーボネート樹脂製光拡散板に関する。更に詳しくは、優れた面発光性を有し発光面の輝度ムラが少なく色調の優れた面発光性芳香族ポリカーボネート樹脂製光拡散板に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐候性に優れている上、高い光線透過率を備えた樹脂として幅広い用途に使用されている。例えばスカイドーム、トップライト、アーケード、マンションの腰板、道路側壁板等の建築分野にも多量使用されている。これらの用途の多くは白色光拡散板として用いられており、従来ポリカーボネート樹脂製の白色光拡散板(以下乳白色板という)は、ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化チタン等の光拡散剤を添加混合する方法(特公昭57−24186号公報)、また部分的に架橋したポリマー微粒子をポリカーボネート樹脂に添加混合する方法(特開平3−143950号公報)、更には不融性アクリル系重合微粒子に酸化チタン及び珪素化合物を混合添加させる方法が提案されている(特開平10−017761)。
【0003】
その他の用途として、小型液晶ディスプレイ及び小型液晶テレビのエッジライド方式もしくは直下型バックライト方式の面光源体やスキャナーの面光源体等に用いられている。
【0004】
先に述べた特公昭57−24186号公報、特開平3−143950号公報、特開平10−017761記載の乳白色板は光線透過率が低くいため十分な面発光性が得られないといった問題が生ずる。また透過光がやや黄味を帯びているため、カラー液晶表示における色合いに悪影響を及ぼす問題がある。
【0005】
液晶ディスプレイのエッジライド方式の面光源体としてのポリカーボネート樹脂組成物としてはポリカーボネート樹脂にビーズ状架橋アクリル樹脂と蛍光増白剤を混合添加させる方法が提案されている(特開平9−20860)。しかしながら方法で得られるポリカーボネート樹脂組成物は、光拡散効果が不十分であるため液晶ディスプレイの直下型バックライトやスキャナーに使用すると光源が透けて見えるといった問題が生じる。
【0006】
また、エッジライド方式もしくは直下型バックライト方式の小型液晶ディスプレイ及び小型液晶テレビ用光拡散板用途では、ポリカーボネート製とアクリル樹脂製の光拡散板が競合している。このポリカーボネート製光拡散板は品質面(耐衝撃性等)では優れている点が多いが、コスト競争力でアクリル樹脂製光拡散板に市場を凌駕されている。ところが近年15〜39インチと大型化してきている液晶ディスプレイや液晶テレビでは面積の増大により直下型バックライト方式が主流になりつつある。この用途では、アクリル樹脂製光拡散板ではその吸湿性等の特性のため大型化による影響を受けやすく、使用環境条件の変化により、光拡散板のソリが大きくなる。そのため、光拡散板が液晶板にあたる重大な欠陥が発生することがしばしばであった。その結果、液晶板の輝度ムラが大きくなる問題が残った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる優れた面発光性を有し、且つ輝度ムラやソリが少なく、その上色調の優れたポリカーボネート樹脂製の光拡散板、特に大型液晶ディスプレイ又は大型液晶テレビの直下型バックライト方式に適したポリカーボネート樹脂製の光拡散板を提供することである。
【0008】
本発明者は上記課題を達成せんとして鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子径の透明微粒子と蛍光増白剤を夫々特定量配合したポリカーボネート樹脂を溶融押出して得た光拡散板は、特定の粒子系の透明微粒子又は蛍光増白剤を単独で用いたときには得られない相互作用による色調の優れた面発光性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリカーボネート樹脂99.7〜80重量%および平均粒径1〜30μの透明微粒子0.3〜20重量%の合計100重量部と蛍光増白剤0.0005〜0.1重量部からなる樹脂組成物より形成された厚み0.5〜3.0mmのポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板に係わるものである。
【0010】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0011】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0012】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0013】
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
【0014】
本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散板の厚さは0.5〜3.0mm、好ましくは1.0〜3.0mm、より好ましくは1.5〜2.5mmである。1mmより薄いと剛性が不足するので適当ではなく、3.0mmより厚くなると重量的に実用的でない。
【0015】
本発明で使用する透明微粒子としたは、ガラス微粒子に代表される無機微粒子、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂等からの有機微粒子があげられ、有機微粒子が好ましい。かかる有機微粒子としては、架橋した有機微粒子が好ましく、その製造過程において少なくとも部分的に架橋されており、ポリカーボネート樹脂の加工過程において実用的に変形せず、微粒子状態を維持しているものである。即ち、ポリカーボネート樹脂の成形温度(350℃)まで加熱してもポリカーボネート樹脂中に溶融しない微粒子がより好ましくあげられ、更に好ましくは架橋した(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂の有機微粒子である。その特に好適な具体例として、例えば部分架橋したメタクリル酸メチルをベースとしたポリマー微粒子ポリ(ブチルアクリレート)のコア/ポリ(メチルメタクリレート)のシェルを有するポリマー、ゴム状ビニルポリマーのコアとシェルを含んだコア/シェルモノホルジーを有するポリマー〔ローム・アンド・ハーズ・カンパニー製商品名パラロイドEXL−5136〕、架橋シロキサン結合を有するシリコーン樹脂〔東芝シリコーン(株)製トスパール120〕が挙げられる。
【0016】
不融性アクリル系重合体微粒子の粒径は1〜30μmであり、3〜20μmのものが好ましい。かかる透明微粒子の粒径は、コールカウンター法で測定した重量平均粒径であり、その測定器は株式会社日科機の粒子数・粒度分布アナライザーMODEL Zm である。重量平均粒子径が1μm未満であると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、30μmを越えると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、30μmを越えると十分な光拡散効果を得るためには配合量が多くなり、光透過性が損なわれ、また輝度ムラが大きくなる欠点がある。
【0017】
透明微粒子の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂と透明微粒子の合計100重量%に対して0.3〜20重量%であり、0.5〜5重量%が特に好ましい。配合量が0.3重量%より少ないと光拡散性が不足し光源が透けて見えるという問題が生じる。一方、配合量が20重量%を越えると光線透過率が低下し、必要な輝度が得られなくなる。
【0018】
本発明において使用される蛍光増白剤は、合成樹脂等の色調を白色あるいは青白色に改善するために用いられるものであれば特に制限は無く、例えばスチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。蛍光増白剤の配合量は芳香族ポリカーボネート樹脂と透明微粒子の合計100重量部に対して0.0005〜0.1重量部であり、好ましく0.001〜0.1重量部、より好ましく0.001〜0.05重量部、最も好ましく0.005〜0.02重量部である。配合量が0.0005重量部より少ないと十分な面発光性や発光面の色調の改良効果が得られず、一方、0.1重量部を越えると発光面の色調の改良効果は小さく、返って色調(色相)のムラが生じて好ましくない。更に高価な蛍光増白剤の配合量が多くなりコスト高となる。
【0019】
本発明のポリカーボネート樹脂光拡散板には、上記成分以外に目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、ブルーイング剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテル等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
【0020】
本発明のポリカーボネート樹脂には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために、さらにリン含有熱安定剤を使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
【0021】
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、
テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
【0022】
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.15重量部が好ましい。
【0023】
さらに本発明のポリカーボネート樹脂には、成形時の金型からの離型性を改良する目的等で脂肪酸エステル化合物を使用することができる。
【0024】
かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
【0025】
耐候性の向上および有害な紫外線をカットする目的で、本発明のポリカーボネート樹脂にはさらに紫外線吸収剤を配合することができる。かかる紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールに代表されるトリアジン系紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2,4−tert−ブチルフェノールおよび2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示され、これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。これら紫外線吸収剤は、ポリカーボネート樹脂100重量部当り通常0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.8重量部配合される。
【0026】
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、さらにより好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が選択される。
【0027】
かかる紫外線吸収剤は単独もしくは2種以上を併用してもよく、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部用いられる。
【0028】
本発明のポリカーボネート樹脂には、光拡散板に成形した場合、ポリカーボネート樹脂や紫外線吸収剤に基づく光拡散板の黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
【0029】
具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No 68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名SolventViolet36[CA.No 68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No 61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]が代表例として挙げられる。これらブルーイング剤は通常ポリカーボネート樹脂100重量部当り0.3×10−4〜2×10−4重量部の割合で配合される。
【0030】
上記必要成分を所定量配合して得られるポリカーボネート樹脂組成物は、任意の方法や装置が使用でき、例えば溶融押出法により所定の厚さの板状に成形することが好ましい。溶融押出する際には、押出機の溶融ゾーンを1.33〜66.5kPaに減圧して押出すのが好ましい。押出機の溶融ゾーンを減圧にしないときは、配合せいた不融性アクリル系重合体微粒子が酸素の影響を受けて、粒子の表面が部分的に崩れてしまい光拡散性能が低下することがある。またこれ以外に従来公知の方法、例えば射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、圧縮成形、粉末成形等で成形することも可能である。
【0031】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、評価項目及び方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率:JIS K−7361に従い、日本電色工業(株)製のヘーズメーターNDH 2000により測定した。
(2)平均輝度:15型直下型バックライトユニットに縦231mm、横321mm、厚さ2mmの試験片を組み込み、試験片の9点の輝度(cd/m)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定し、その平均値を平均輝度とした。評価装置を図1及び図2に示す。
(3)輝度ムラ:上記測定結果の最大輝度及び最小輝度から下記式を用いて輝度ムラを評価した。
輝度ムラ(%)=(最小輝度/最大輝度)×100
すなわち、輝度ムラが100%とは輝度のムラがなく最も良好であることを示すものである。
(4)光拡散性:15型直下型バックライトユニットに縦231mm、横321mm、厚さ2mmの試験片を組み込んだ時に、光源である冷陰極が透けていないものを○、透けて見えるものを×で示した。
(5)色相:カラーマシン〔日本電色工業(株)製Z−1001DP〕によりC光源反射法にて測定したb値で示した。
【0032】
[実施例1〜6、比較例1〜4]
ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂300kgに、表1記載量になるように調整した重量の透明微粒子と蛍光増白剤〔日本化薬工業(株)製カヤライトOS〕とを予め混合したものを添加混合し、ベント付きTダイ押出機により、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃、ベント部の真空度を26.6kPaに保持して厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製光拡散板を溶融押出し、得られた拡散板の評価結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
Figure 2004029091
【0034】
なお、表1中の使用した透明微粒子A、Bは下記の通りである。
透明微粒子A:不融性アクリル系重合体微粒子〔ローム・アンド・ハーズ・カンパニー製パラロイドEXL−5136、重量分布平均粒径7μm〕
透明微粒子B:架橋シリコーン樹脂〔東芝シリコーン(株)製トスパール120、重量平均粒径2μm〕
【0035】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂板は光透過性が高く優れた光拡散性を有しており、優れた面発光性と均一な明るさを得ることができ、その上色調が良好であるため、輝度ムラやソリが少なく、色調の優れた液晶ディスプレイ又は液晶テレビの直下型バックライト方式の光拡散板又はスキャナーに用いられている拡散板に好適であり、特に大型液晶ディスプレイ又は15〜39インチの大型液晶テレビの直下型バックライト方式の光拡散板に好適であり、本発明がもたらす工業的効果は格別のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明評価装置の断面簡略図である。
【図2】図2は、本発明評価装置の平面簡略図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 白色反射樹脂板
3〜10 光源(冷陰極管)
11〜19 測定点

Claims (1)

  1. ポリカーボネート樹脂99.7〜80重量%および平均粒径1〜30μの透明微粒子0.3〜20重量%の合計100重量部と蛍光増白剤0.0005〜0.1重量部からなる樹脂組成物より形成された厚み0.5〜3.0mmのポリカーボネート樹脂製直下型バックライト用光拡散板。
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