JP2011219763A - 光拡散板 - Google Patents

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【構成】ポリカプロラクトン(A)0.1〜15重量%およびポリカーボネート樹脂(B)85〜99.9重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0〜0.1重量部からなる光拡散性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる光拡散板。
【効果】本発明の光拡散板は、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いられ、より一層高度な光拡散性、輝度という光学的性能を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリカプロラクトンとポリカーボネート樹脂に、光拡散剤および所望によっては蛍光増白剤を配合することにより、光拡散性、輝度を向上させた光拡散性樹脂組成物からなる光拡散板に関する。詳しくは、光源を覆う部材、例えば液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの光拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般などに好適に用いられる光拡散板を提供するものである。
透明な熱可塑性樹脂は、光透過性を有することから電気・電子・OA、自動車などの分野において広範に使用されており、各分野ではそれぞれ求められる要求性能を満足する樹脂が選択され使い分けがなされている。特に、液晶テレビの直下型およびエッジライト型ユニット、照明器具カバーおよび各種デバイスのスイッチ類などの用途では、透明な熱可塑性樹脂を使用すると光を透過するため光源が透けて見えてしまうことから、樹脂成形品の背後にある光源(ランプ)の形状を認識させることなく、また光源の輝度をできるだけ損なわないような光拡散性を付与した材料が望まれている。
透明な熱可塑性樹脂に光拡散性を付与する目的で、従来技術では連続相を形成する熱可塑性樹脂に、それとは屈折率が異なる高分子系や無機系の粒子を分散相として配合する方法が採用されている。また、当該分散相と連続相の屈折率の差の範囲や分散相の該粒子の大きさを調整して所望の光拡散性を発現する方法が提案されている。
特開昭60−184559号公報 特開平3−143950号公報
しかしながら、従来技術以上により高度な光拡散性および輝度を付与することが求められており、光拡散剤の組成、屈折率、粒子形状、粒子径などの面から種々の改良検討がなされているものの、発現する光学的性能は配合する光拡散剤によって決まってしまうことや、もはや光拡散剤の改質では要求される水準の光学的性能の達成は困難な状況にあった。
本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂にポリカプロラクトンおよび光拡散剤、所望によっては蛍光増白剤を配合することにより、より一層高度な光学的性能を有する光拡散板を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリカプロラクトン(A)0.1〜15重量%およびポリカーボネート樹脂(B)85〜99.9重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0〜0.1重量部からなる光拡散性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる光拡散板を提供するものである。
本発明の光拡散板は、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いられ、より一層高度な光拡散性、輝度という光学的性能を有している。
本発明にて使用されるポリカプロラクトン(A)は、ε−カプロラクトンを触媒存在下で開環重合して製造されるポリマーであり、とりわけ2−オキセパノンのホモポリマーが好適に用いられる。該ポリマーは市販品として容易に入手可能で、ダウ・ケミカル社製トーンポリマー、ソルベイ社製CAPAなどが用いられる。ポリカプロラクトン(A)の粘度平均分子量としては、10000〜100000のものが好適で、さらに好ましくは40000〜90000である。
さらに、ポリカプロラクトン(A)には、ε−カプロラクトンを開環重合させる際に、1,4−ブタンジオールなどと共存させて変性したものや分子末端をエーテルあるいはエステル基などで置換した変性ポリカプロラクトンも含まれる。
ポリカプロラクトン(A)の組成比率は、ポリカーボネート樹脂(B)からなる(A)および(B)の樹脂成分に基づいて0.1〜15重量%である。組成比率が0.1重量%未満であると、光拡散効果が得られず、十分な輝度が得られないため好ましくない。一方、15重量%を越えると、極端な耐熱性の低下が起こり、成形加工前の予備乾燥工程においてペレットが固着し、ブロッキングが発生することから好ましくない。より好ましい組成比率としては、0.3〜10重量%である。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(B)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(B)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される光拡散剤(C)とは、高分子系および無機系など化学組成上特に制限はないが、本発明の樹脂成分(A)および/または(B)に光拡散剤(C)を添加し、押出機による溶融混合など公知の方法にて分散させた際にマトリックス相と相溶しないか、あるいは相溶しにくく粒子として存在することが必要である。
光拡散剤(C)の具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、シリコーン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、リン酸チタン、チタン酸マグネシウム、マイカ、ガラスフィラー、硫酸バリウム、クレー、タルクなどの無機系拡散剤、シリコーンゴム状弾性体、ポリメチルシルセスオキサン、アクリル系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ウレタン系、ナイロン系、メタクリレート−スチレン系、フッ素系、ノルボルネン系などの有機系拡散剤などが挙げられる。
さらに、光拡散剤(C)の粒子径としては、該拡散剤を添加することにより所望の光拡散性が得られるものであれば特に制限はないが、平均粒子径として1〜30ミクロンm程度のものが好ましい。1ミクロンm未満であると光を透過するのみで、もはや光拡散効果が得られにくくなり好ましくない。一方、30ミクロンmよりも大きくなると、十分な光拡散効果が得られず視認性に劣ることから好ましくない。また、粒径分布としては特に制限はないが、0.1〜100ミクロンm程度であり、好ましくは0.1〜25ミクロンmである。さらに、平均粒子径、粒径分布および種類の異なる2種類以上の光拡散剤を併用してもよく、粒径分布が一様ではなく、2つ以上の粒径分布を有するものなどを単独または併用して使用することもできる。
光拡散剤(C)の配合量としては、本発明の(A)および(B)からなる樹脂成分100重量部あたり0.1〜10重量部である。配合量が0.1重量部未満であると十分な光拡散効果が得られにくくなるため好ましくない。一方、10重量部を越えると光の透過性が損なわれ、十分な光拡散性能が得られなくなるため好ましくない。より好ましくは、0.2〜6重量部の範囲である。
さらに、(A)、(B)および(C)からなる光拡散性熱可塑性樹脂組成物において、色調を鮮やかにするために、蛍光増白剤(D)を(A)および(B)からなる樹脂成分100重量部あたり0.1重量部まで添加してもよい。添加量が0.1重量部を超えると熱安定性が悪化するので好ましくない。より好ましくは0.03重量部までである。ポリカーボネート樹脂は、青い光をいくぶん吸収する性質をもち、やや黄味を帯びているものがあるため、この黄色の補色にあたる青や紫の蛍光を発する化合物(蛍光増白剤)を添加すると、蛍光が黄味を打ち消して鮮やかな色調を得ることができる。蛍光増白剤は、紫外領域のエネルギーを吸収し可視領域の青から紫にあたる波長部分を放出することから、これを併用することにより、光拡散性能を保持しつつ、より一層、鮮やかな色調を得ることができる。
本発明の光拡散板に使用される熱可塑性樹脂組成物において、実用上、光拡散性以外に要求される性能により、公知の各種添加剤、ポリマーなどを必要に応じて添加することができる。例えば、長期間、光に暴露された際の樹脂成形品の変色を抑制するために、ヒンダードアミン系の耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系およびマロネート系の紫外線吸収剤およびこれらを併用して添加してもよい。
また、難燃性が必要とされる場合、公知の各種難燃剤、例えば、テトラブロモビスフェノールAオリゴマーなどの臭素系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸エステル類、ビスフェノールAジホスフェート、レゾルシンジホスフェート、テトラキシレニルレゾルシンジホスフェートなどオリゴマータイプの縮合リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウムおよび赤燐などのリン系難燃剤、各種シリコーン系難燃剤、あるいは難燃性をより高めるために、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3′−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等などの有機金属塩なども添加することができる。これらの難燃剤の中でも、リン系難燃剤は、難燃性を向上させるばかりでなく、流動性をも向上させることができることから好適に用いることができる。
本発明の光拡散板に使用される熱可塑性樹脂組成物には、上記以外の公知の添加剤、例えばフェノール系またはリン系熱安定剤[2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)等]、滑剤[パラフィンワックス、n−ブチルステアレート、合成蜜蝋、天然蜜蝋、グリセリンモノエステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、ペンタエリスリトールテトラステアレート等]、着色剤[例えば酸化チタン、カーボンブラック、染料]、充填剤[炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、ガラスフレーク、カーボン繊維、タルク、マイカ、各種ウィスカー類等]、流動性改良剤、展着剤[エポキシ化大豆油、流動パラフィン等]、さらには他の熱可塑性樹脂や各種耐衝撃改良剤(ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、エチレン・プロピレン系ゴム等のゴムに、メタアクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の化合物をグラフト重合してなるゴム強化樹脂等が例示される。)を必要に応じて添加することができる。
本発明における実施の形態および順序には何ら制限はない。例えば、ポリカプロラクトン(A)とポリカーボネート樹脂(B)および光拡散剤(C)ならびに所望によっては蛍光増白剤(D)を任意の配合量で計量し、タンブラー、リボブレンダー、高速ミキサー等により一括混合した後、混合物を通常の一軸またはニ軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット化させる方法、あるいは、各々の成分を一部または全てを別々に計量し、複数の供給装置から押出機内へ投入し、溶融混合する方法、さらには、(A)および/または(C)および/または(D)を高濃度に配合し、一旦溶融混合してペレット化し、マスターバッチとした後、当該マスターバッチとポリカーボネート樹脂(B)を、所望の比率により混合することもできる。そして、これらの成分を溶融混合する際の、押出機の投入する位置、押出温度、スクリュー回転数、供給量など、状況に応じて任意の条件が選択され、ペレット化することができる。さらに、該マスターバッチとポリカーボネート樹脂(B)とを、所望の比率により乾式混合後、射出成形装置やシート押出機装置に直接投入し、成形品とすることも可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
尚、使用された各種配合成分は以下のものである。
ポリカプロラクトン:
ソルベイ社製CAPA6800
(粘度平均分子量:80000、以下PCL−1と略記)
ソルベイ社製CAPA6500C
(粘度平均分子量:50000、以下PCL−2と略記)
ダウ・ケミカル社製トーンポリマーP−787
(粘度平均分子量:80000、以下PCL−3と略記)
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー200−30
(粘度平均分子量:17200、以下PC−1と略記)
住友ダウ社製カリバー200−3
(粘度平均分子量:28000、以下PC−2と略記)
光拡散剤:
日興リカ社製MSP−S020
(ポリメチルシルセスオキサン系拡散剤、以下LD−1と略記)
ガンツ化成社製GM−0449S
(アクリル系拡散剤、以下LD−2と略記)
蛍光増白剤:
クラリアントジャパン社製 HOSTARUX KSN
本発明における各種評価項目の測定方法について説明する。
(成形性の評価)
射出成形機を用いて平板試験片を作成する際に、成形に供するペレットにおいて、予備乾燥後の該ペレットの状態を目視により確認し、ペレットが互いに固着した状態で成形が困難であるものを不合格(×)、問題なく成形できるものを合格(○)とした。
(遮蔽率の測定)
本発明における遮蔽率とは、可視光線波長領域である、380〜720nmにおける透過しない光の量を表し、下記一般式において算出され、紫外可視分光光度計(日本分光社製V−570)により測定される。
遮蔽率(%)={1−(透過光量/34000)}×100
当該測定方法により算出された遮蔽率が、60〜85%の範囲にあるものを合格(○)、そうでないものを不合格(×)とした。かかる範囲を超えると、ランプ間輝度が低下し、十分な輝度が得られないため好ましくない。
(輝度の測定)
2本の冷陰極管を平板試験片の裏側に配置し、ランプ間の垂直方向にある試験片表面上の輝度および色度yを測定した。尚、輝度とは、ある方向に向かう光度の、その方向に垂直な面における単位面積当たりの割合のことをいい、一般に、発光面の明るさの程度を表す[単位:(cd/m)]。また、色度yとは評価の基準としては、ランプ間輝度の測定値が2500cd/m以上であるものを合格(○)、2500cd/m未満であるものを不合格(×)とした。また、測定方法の概略を図1に示す。
(青味の測定)
射出成形機により作成した平板試験片を用いて、村上色彩研究所社製スペクトロフォトメーターCMS−35SPにより、b*を測定した。b*とは、黄色から青色の程度を表し、b*が小さい程、黄味が少なくなり、青味が強くなる。
(総合判定)
遮蔽率、輝度および成形性の評価において、全てを満足するものを合格(○)そうでないものを不合格(×)とした。
(実施例1〜実施例6)
表1に示す配合比率により、ポリカプロラクトン(PCL−1)、ポリカーボネート樹脂(PC−1)および光拡散剤(LD−1)をカワタ製スーパーフローターにより乾式混合した。次いで、神戸製鋼所社製二軸押出機KTX−37(軸直径=37mmφ、L/D=30)により、250〜290℃の温度条件にて溶融混練し、得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度300℃の条件にて縦90mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。予備乾燥後にペレットが互いに固着することはなく、成形性は何れも良好であった。さらに、遮蔽率およびランプ間輝度も良好な結果であった。結果を表1に示す。
(実施例7〜実施例8)
ポリカプロラクトンの種類をPCL−2またはPCL−3に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。予備乾燥後にペレットが互いに固着することはなく、成形性は良好であった。遮蔽率およびランプ間輝度も良好な結果であった。結果を表2に示す。
(実施例9)
ポリカーボネート樹脂の種類をPC−2に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。予備乾燥後にペレットが互いに固着することはなく、成形性は良好であった。遮蔽率およびランプ間輝度も良好な結果であった。結果を表2に示す。
(実施例10〜実施例11)
光拡散剤の種類をLD−2に変更し、その添加量を実施例10では1.5部に、実施例11では6部に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。予備乾燥後にペレットが互いに固着することはなく、成形性は良好であった。遮蔽率およびランプ間輝度も良好な結果であった。結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例2に蛍光増白剤を0.01部追加する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。予備乾燥後にペレットが互いに固着することはなく、成形性は良好であった。遮蔽率およびランプ間輝度も良好な結果であった。また、色調は、実施例2との比較においてb*の低下が見られ、目視においても鮮やかな青味を呈していた。結果を表3に示す。
(比較例1〜比較例3)
光拡散剤(LD−1)の配合量を0.3部に固定し、比較例1ではポリカプロラクトン(PCL−1)を配合せずにポリカーボネート樹脂(PC−1)100%に、比較例2ではポリカプロラクトン(PCL−1)の組成比率を0.05%に、比較例3ではポリカプロラクトン(PCL−1)の組成比率を20%に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。評価結果を表4に示す。
比較例1はポリカプロラクトンを配合せず、また比較例2はポリカプロラクトンの組成比率が本発明の構成要件よりも少ない場合で、両方ともランプ間輝度が劣っていた。
比較例3は、ポリカプロラクトンの組成比率が本発明の構成要件よりも多い場合で、ランプ間輝度は良好であったが、成形性に劣っていた。
(比較例4〜比較例5)
ポリカプロラクトン(PCL−1)の組成比率を3%に固定し、比較例4では光拡散剤としてLD−1を0.05部に、比較例5では光拡散剤としてLD−2を15部に変更する以外は、実施例2と同様の操作を行い、平板試験片を作成した。評価結果を表4に示す。
比較例4は光拡散剤の配合量が本発明の構成要件よりも少ない場合、また比較例5は光拡散剤の配合量が本発明の構成要件よりも多い場合の例であるが、両者ともに遮蔽率およびランプ間輝度に劣っていた。
Figure 2011219763
Figure 2011219763
Figure 2011219763
Figure 2011219763
本発明のランプ間輝度の測定方法を示す図である。
A:輝度計
B:ランプ(冷陰極管)
C:ランプ間輝度測定部位
D:試料

Claims (5)

  1. ポリカプロラクトン(A)0.1〜15重量%およびポリカーボネート樹脂(B)85〜99.9重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0〜0.1重量部からなる光拡散性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる光拡散板。
  2. ポリカプロラクトン(A)の組成比率が0.3〜10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散板。
  3. 光拡散剤(C)の配合量がポリカプロラクトン(A)およびポリカーボネート樹脂(B)からなる樹脂成分100重量部あたり0.2〜6重量部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散板。
  4. ポリカプロラクトン(A)の粘度平均分子量が40000〜90000であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の光拡散板。
  5. 液晶ディスプレイ用直下型バックライト用である、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の光拡散板。
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