JP2011008012A - 光拡散板 - Google Patents

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Shigemaru Komatsubara
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Abstract

【課題】発光面での可視光の拡散性と輝度むらに優れた経済性にも優れた薄肉光拡散板を提供することにある。また、この薄肉光拡散板を使用した直下型バックライト式液晶表示装置や照明装置を提供することにある。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(樹脂A)と、該樹脂Aと相溶しない樹脂Aよりも高いガラス転移温度をもつ樹脂(樹脂B)とを有する少なくとも2以上の樹脂からなる樹脂組成物より形成された、海島構造で且つ樹脂Bの周りに空孔を有する樹脂製光拡散板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂と、該ポリカーボネート樹脂と非相溶の樹脂とを含有する樹脂組成物から形成された良好な光線拡散性を有し、耐久性が高く且つ製造コストに優れた光拡散板に関する。詳しくは直下型バックライト方式の大型液晶ディスプレイまたは大型液晶テレビや照明装置用の照明カバーとして適した、発光面の輝度ムラが少ない薄型光拡散板、及びそれを用いた直下型バックライト方式の液晶表示装置や照明装置に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐候性に優れている上、高い光線透過率を備えた樹脂として幅広い用途に使用されている。例えばスカイドーム、トップライト、アーケード、マンションの腰板、道路側壁板等の建築分野や照明装置用の照明カバーとして多量に使用されている。
これらの用途の多くは白色光拡散板として用いられており、従来ポリカーボネート樹脂製の白色光拡散板(以下乳白色板という)は、ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウムおよび酸化チタン等の光拡散剤を添加混合する方法(特許文献1参照)、ポリカーボネート樹脂に部分的に架橋したポリマー微粒子を添加混合する方法(特許文献2参照)、ポリカーボネート樹脂に不融性アクリル系重合微粒子、酸化チタン及び珪素化合物を混合添加させる方法(特許文献3参照)が提案されている。
その他の用途として、小型液晶ディスプレイ及び小型液晶テレビのエッジライト方式もしくは直下型バックライト方式の面光源体やスキャナーの面光源体等に用いられている。
液晶ディスプレイのエッジライト方式の面光源体としてのポリカーボネート樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウムや架橋ポリアリレート樹脂を添加した樹脂組成物(特許文献4参照)、ポリカーボネート樹脂にビーズ状架橋アクリル樹脂を配合した樹脂組成物(特許文献5参照)、ポリカーボネート樹脂にビーズ状架橋アクリル樹脂と蛍光増白剤を添加した樹脂組成物(特許文献6参照)が知られている。
また、炭酸カルシウムと酸化チタンを含有したポリカーボネート樹脂組成物から形成されたポリカーボネート製液晶ディスプレイバックライト用光拡散シートが開示されている(特許文献7参照)。
さらに、特許文献8および特許文献9には、ポリカーボネート樹脂に光拡散剤を配合した画像処理装置の透明原稿読取ユニットに使用される光拡散板において、暗色粒状体を特定量以下にすることにより、高い光透過性と良好な光拡散性を有し、かつ微小領域での透過光のムラが少ない光拡散板を得られることが示されている。しかしながら、この光拡散板は、後述する大型液晶テレビ等の用途においては、輝度ムラの点で未だ十分ではないという問題がある。
一方、エッジライド方式もしくは直下型バックライト方式の小型液晶ディスプレイ及び小型液晶テレビ用光拡散板用途では、ポリカーボネート製とアクリル樹脂製の光拡散板が競合している。近年15〜39インチと大型化してきている液晶ディスプレイや液晶テレビでは面積の増大により直下型バックライト方式が主流になりつつある。アクリル樹脂製光拡散板はコスト競争力で市場を凌駕されているが、その吸湿性等の特性のため大型化による影響を受けやすく、ポリカーボネート製光拡散板は品質面(耐衝撃性等)では優れている点が多く、徐々に使用されつつある。
液晶ディスプレイや液晶テレビに使用される直下型バックライト用光拡散板は、該拡散板の中に含まれる異物の大きさ、個数及び異物が存在する位置によりバックライトユニットに取り付けて使用する際、冷陰極蛍光灯の明るさにおいて、光拡散板に含まれる異物により、画面領域で局所的に輝度ムラが発生し、画面上に黒点や輝点などの欠陥が生じるなど映像の視認性において問題が生じていた。
液晶テレビなど種々の液晶表示装置に用いられるバックライト装置としては、光源からの光を直接液晶表示パネルに照明させる直下型方式、及び光源からの光をアクリル樹脂等からなる導光板を介して液晶表示パネルに照明させるサイドライト方式が存在している。
近年、液晶表示装置の大画面化が進み、大型化しても重量があまり増加せず、高輝度化が容易な直下型方式のバックライト装置を採用する液晶表示装置が増えている。
直下型方式のバックライト装置を用いた液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルを照明する光源と、光源の液晶表示パネルとは反対側に配置され、光源からの光を反射させる反射板と、光源と液晶表示パネルとの間に配置され、光源からの光及び反射板によって反射された光を液晶表示パネルの全面に均一に拡散させる光拡散板とで構成(すなわち、反射板/光源/光拡散板/液晶表示パネルの順)されている。
近年、液晶TVディスプレイの厚さに対して薄膜化の要求が高くなってきており、光源である冷陰極管と拡散板間距離を短くする傾向があるが、同時にコスト面からも拡散板シート厚さの薄肉化の要求が強くなっている。
しかし拡散板の厚さを薄くすると、輝度は大きくなるがバックライトの冷陰極管の光強度分布、つまり輝度ムラが大きくなる問題がある。その問題を解消するために例えば拡散板に混入する拡散剤の濃度を濃くする方法があるが、その分輝度が低下しコストもアップする欠点もあわせもつ。
直下型大型液晶TVのバックライトユニットはユニット筐体、反射板、冷陰極管、拡散板、拡散シート、集光プリズムシート、等からなる構成が現在主流である。その拡散板は拡散効果を得るために拡散剤{例えばシリコーン樹脂微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製トスパール)}を混入させて拡散効果を得ている。
一方樹脂シート内に酸化チタン、硫酸バリウム等無機添加剤含有樹脂を延伸させて、添加剤周りにボイドを発現させて、拡散効果を増加させれ反射効果をあげる手法は一般的に知られており、例えばこれら無機添加剤を含有したPETを延伸してボイドを発生させた白色PETが反射シートとして実用化されている。
特開昭50−146646号公報 特開平03−143950号公報 特開平10−017761号公報 特開平05−257002号公報 特開平08−188709号公報 特開平09−020860号公報 特開平03−078701号公報 特開平09−279000号公報 特開平09−281309号公報
本発明の目的は、発光面での可視光の拡散性と輝度むらに優れた経済性にも優れた薄肉光拡散板を提供することにある。また、この薄肉光拡散板を使用した直下型バックライト式液晶表示装置や照明装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、従来のシリコーン材料に替わり、ポリカーボネート樹脂に、ポリカーボネート樹脂と非相溶なポリカーボネート樹脂より高いガラス転移温度樹脂を持つ樹脂(特にポリサルフォン樹脂)を溶融混連微細化して拡散剤として用い、このシートを配向延伸し、島樹脂(非相溶樹脂)の周りにボイドを発生させることにより、島樹脂量を増量させないで拡散する光量を増量させ、輝度ムラを低減することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
1.ポリカーボネート樹脂(樹脂A)と、該樹脂Aと相溶しない樹脂Aよりも高いガラス転移温度をもつ樹脂(樹脂B)とを有する少なくとも2以上の樹脂からなる樹脂組成物より形成された、海島構造で且つ樹脂Bの周りに空孔を有する樹脂製光拡散板、
2.空孔率が0.5〜2.5%である前項1記載の光拡散板、
3.波長域400〜800nmでの光線透過率が40〜70%である前項1記載の光拡散板、
4.拡散率が45〜60%である前項1記載の光拡散板、
5.厚みが0.1〜3.0mmである前項1記載の光拡散板、
6.樹脂Bのガラス転移温度が155〜270℃である前項1記載の光拡散板、
7.樹脂Bがポリサルフォン樹脂である前項1記載の光拡散板、
8.樹脂Aと樹脂Bの合計100重量%として、樹脂Aが97〜70重量%および樹脂Bが3〜70重量%である前項1記載の光拡散板、
9.樹脂Aと樹脂Bの合計100重量部に対して、オレフィン系ワックスを0.3〜0.6重量部含有する前項1記載の光拡散板、
10.前項1記載の光拡散板を直下型バックライト方式の光拡散板として用いた液晶表示装置、および
11.前項1記載の光拡散板を照明カバーとして用いた照明装置。
が提供される。
本発明の樹脂製光拡散板は、厚みが薄くても発光面での可視光の拡散性と輝度むらに優れ、且つ経済性も良好で、直下型バックライト式液晶表示装置用の光拡散板として好適であり、その奏する効果は格別である。
実施例4で得られた拡散板(延伸シート)のSEM写真(上図;MD(シート押出方向)に平行、下図;MDに垂直)である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂(樹脂A)は、一例として二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常1.5×10〜4.0×10、好ましくは1.8×10〜3.5×10である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83 (但しc=0.7、[η]は極限粘度)
本発明の光拡散板の厚さは好ましくは0.1〜3.0mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、さらに好ましくは0.1〜0.3mmである。上記範囲であると剛性が足り、重量的にも実用的である。
非相溶樹脂(樹脂B)は、そのガラス転移温度(Tg)がポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(例えばビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は150℃)より高く、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度をTg(A)として、Tg(A)+5〜Tg(A)+120℃の範囲が好ましく、Tg(A)+10〜Tg(A)+100℃の範囲がより好ましい。具体的には、非相溶樹脂のガラス転移温度は155〜270℃の範囲が好ましく、160℃〜250℃の範囲がより好ましい。
非相溶樹脂としては、例えばポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリビスメールイミド(PBI)、ポリオキシベンゾエード(POB)等が挙げられ、なかでもポリサルフォン樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(樹脂A)と非相溶樹脂(樹脂B)との配合割合は、ポリカーボネート樹脂と非相溶樹脂との合計を100重量%としたとき、ポリカーボネート樹脂97〜70重量%および非相溶樹脂3〜30重量%が好ましく、ポリカーボネート樹脂96.5〜75重量%および非相溶樹脂3.5〜25重量%がより好ましく、ポリカーボネート樹脂96〜80重量%および非相溶樹脂4〜20重量%が特に好ましい。非相溶樹脂の配合量が3重量%より少ないと非相溶樹脂が不足し光源が透けて見えるという問題が生じることがある。一方、非相溶樹脂の配合量が30重量%を越えると光線透過率が低下し、必要な輝度が得られなくなることがある。
本発明において、添加剤としてオレフィン系ワックスが好ましく用いられる。オレフィン系ワックスとしては、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックスが好ましい。オレフィン系ワックスを使用することにより、ポリカーボネート樹脂と非相溶樹脂の界面に作用して延伸時に樹脂間の滑りを良くし、より延伸時にボイドが発現しやすくする。特に、下記の添加剤ダイヤカルナは非相溶二樹脂の海島構造において延伸時の島材料と海材料の滑りを円滑にし、島材料(ポリサルフォン)の量が少なくても、延伸時のボイド発現をよくする効果がある。
かかるオレフィン系ワックスの市販品としては例えばダイヤカルナ−30(三菱化成(株)製:商品名)、ハイワツクス酸化タイプ2203A、1105A(三井石油学(株)製:商品名)あるいは酸化パラフイン(日本精蝋(株)製)等が挙げられ、これら単独でまたは二種以上の混合物として用いられる。
オレフィン系ワックスの配合量は、ポリカーボネート樹脂と非相溶樹脂との合計100重量部に対して、0.3〜0.6重量部が好ましく、0.4〜0.6重量部がより好ましい。
本発明の光拡散板の空孔率は、0.5〜2.5%の範囲が好ましく、0.5〜2.4%の範囲がより好ましい。上記範囲であると、光線透過率と拡散率とのバランスが良好となる。
本発明の光拡散板は、光学シートを積層するバックライトシステムでは冷陰極蛍光灯にて投影したとき、輝度が5000cd/m〜6000cd/mの範囲になるよう、光拡散板の波長域400〜800nmでの光線透過率が好ましくは40〜70%の範囲、より好ましくは41〜68%の範囲にあることが要求される。
また、本発明の光拡散板の拡散率は、45〜60%の範囲が好ましく、50〜55%の範囲がより好ましい。
本発明の輝度ムラの小さい光拡散板を得る方法としては、非相溶樹脂をポリカーボネートに均一かつ微細に分散させるため、光拡散板用に非相溶樹脂が配合されたポリカーボネート樹脂組成物をシート押出前に、二軸押出機でペレット化し、そのペレット状樹脂を溶融押出法により所定の厚さの板状に成形する方法が好ましい。
さらに、樹脂組成物を溶融押出する際には、押出機の溶融ゾーンを0.1MPa以下に減圧して押出す方法が好ましい。
また、上記溶融押出法以外に従来公知の方法、例えば射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、圧縮成形、粉末成形等で成形することも可能である。
本発明において、得られた無延伸シートを延伸することにより、非相溶樹脂(樹脂B)の周りに空孔を有することとなり、光拡散板として好適に使用される。
本発明の光拡散板を製造する延伸方法としては、特に制限はなくロール間で延伸する縦一軸延伸、テンターを用いる横一軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時二軸延伸、逐次二軸延伸など公知の方法を用いることが出来、目的に応じて最適の延伸方法を選択すれば良い。
本発明の延伸において、延伸温度は、使用する樹脂組成物のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、Tg+5℃〜Tg+30℃の範囲であることが好ましく、より好ましくはTg+5℃〜Tg+20℃の範囲である。また延伸倍率は目的とする特性を実現するために適時選択され特に制限はないが、およそ2.0〜5.0倍の範囲である。また、二軸延伸の場合、等方延伸であっても異方延伸であってもよいが、拡散板の上に使用する光学フィルムの組合せによっては、異方延伸の光拡散板の方が等方延伸の光拡散板より良好な輝度、輝度ムラ特性を示す場合がある。延伸の比率(縦延伸倍率/横延伸倍率)としては、1.05〜3.0となるようにすることが好ましい。
また、延伸速度は生産性の点からは速いほうが好ましいが、速度が速いほど位相差値は高くなる傾向にあるため、延伸温度および延伸倍率との兼ね合いで決められ、繰り出し速度がおよそ2〜30m/分の範囲である。延伸終了後のシートを延伸ゾーンから出て冷却する際、シートを空間で冷却する方法やシートをロールに接触させて冷却する方法が好ましく採用される。
本発明の樹脂製光拡散板には、添加剤として蛍光増白剤が使用できる。蛍光増白剤としては、樹脂の色調を白色あるいは青白色に改善するために用いられるものであれば特に制限は無く、例えばスチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。蛍光増白剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂と非相溶性樹脂の合計100重量部に対して好ましくは0.0005〜0.1重量部であり、より好ましくは0.001〜0.1重量部、さらに好ましくは0.001〜0.05重量部、特に好ましくは0.005〜0.02重量部である。上記範囲で蛍光増白剤を配合することにより面発光性が十分で発光面の色調の改良効果が得られ、色調(色相)のムラがなく好ましい。
本発明の樹脂製光拡散板には、上記成分以外に目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、脂肪酸エステル化合物等の離型剤、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、ブルーイング剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテル等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
本発明の樹脂製光拡散板には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために、リン含有熱安定剤を使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、 テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂と非相溶性樹脂の合計100重量部に対して0.001〜0.15重量部が好ましい。
さらに本発明の樹脂製光拡散板には、成形時の金型からの離型性を改良する目的等で脂肪酸エステル化合物を使用することができる。
かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、ポリカーボネート樹脂と非相溶性樹脂の合計100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
耐候性の向上および有害な紫外線をカットする目的で、本発明の樹脂製光拡散板にはさらに紫外線吸収剤を配合することができる。かかる紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールに代表されるトリアジン系紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2,4−tert−ブチルフェノールおよび2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示される。
好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ルであり、さらにより好ましくは、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が選択される。
かかる紫外線吸収剤は単独もしくは2種以上を併用してもよく、ポリカーボネート樹脂と非相溶性樹脂の合計100重量部に対して好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.8重量部用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、評価方法は以下の通りである。
(1)比重、空孔率
比重はメトラー・トレド社製電子天秤AG204で、シートの空気中および水中の重さをそれぞれ測定し、下記式により算出した。
比重=空気中の重さ×水の密度/(空気中の重さ−水中の重さ)
また、空孔率は同じ組成の元シート(未延伸シート)の比重を測定し、下記式により求めた。
空孔率=(1−比重/同組成元シートの比重)×100
(2)全光線透過率
全光線透過率はヘーズメータNDH 5000(日本電色工業株式会社製)を使って測定した。
(3)拡散率
拡散性評価装置GC−5000(日本電色工業株式会社製)により透過光モードで透過光受光角を−80°から80°まで1°間隔でふった時に透過光強度が半分になる受光角(透過光強度の半値角)をプラスマイナス平均して拡散率とした。拡散率は大きいほど良好な拡散性を意味する。
(4)輝度、輝度ムラ
冷陰極管が横方向に配置した状態の20型直下型バックライトユニットに、実施例で得られた縦150mm、横150mmの拡散板を組み込み、拡散板中央の縦方向に移動し、0から140mmの位置の輝度(Cd/m)を2mm間隔でトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定した。その際の拡散板ユニット構成は、冷陰極管側から拡散板/拡散シート(DX2)/輝度向上フィルム(BEFII)/拡散シート(DX2){拡散シートDX2:(きもと製)、輝度向上フィルムBEFII:3M製}とした。
バックライトユニットの冷陰極管の間隔は30mmであり、輝度、輝度ムラ測定法は中央3本ランプに対応する3つの輝度の極大値をp1、極大値p2、極大値p3とし、中央3本ランプの間の2つの輝度の極小値を極小値b1、極小値p2とすると、下記式で与えられる。
輝度 AVERAGE(p1、b1、p2、b2、p3)
輝度ムラ Σ(|p1−b1|、|b1−p2|、|p2−b2|、|b2−p3|)
[実施例1、2、比較例1、2]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300、Tg149℃、粘度平均分子量30000)80重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300、Tg185℃)20重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
(2)シートの押出
得られたペレットを120℃で4時間予備乾燥し、ベント付きTダイ押出機によりシリンダー温度325〜350℃、ダイス温度350℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して、0.3mmの樹脂製シートを溶融押出した。
(3)延伸
溶融押出した元シート1(未延伸シート)を、150mm×150mm(延伸部は140mm×140mm)に切り出した。異方延伸の場合は延伸倍率の高い方向がシートの押出方向(X方向)になるようにシートをセットした。表1の延伸倍率となるように、バッチ式二軸延伸機(東洋精機工業株式会社製)で延伸温度165℃、延伸速度100mm/min、加熱時間20分の延伸条件で同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。
元シート1の拡散率0°にかかわらず実施例では十分な拡散率を示している。実施例2では0.3mm厚の元シート1を使ってほぼ0.7mm厚元シート3の輝度6586Cd/m、輝度ムラ444Cd/mに近い輝度、輝度ムラ値を得た。シート厚みにして約2.3倍の材料コスト減である。
延伸倍率が最適域からずれているため比較例1では拡散性が得られなく、比較例2では高い空孔率で低い光線透過率しか得られなかった。ここで拡散率0°とは直線透過光強度が大きく、0°透過光強度の半分の強度に達する角度域が無いことを意味する。
[比較例3、4]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300)80重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300)20重量部、オレフィン系ワックス(三菱化学製ダイヤカルナ30M)0.5重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
実施例1の(2)および(3)と同様の方法で、シート(元シート2)を押出し、表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。比較例3、4とも空孔率が2.5%を越え、光線透過率が40%未満で、ともに輝度6000Cd/mが得られなかった。
[実施例3、比較例5]
実施例1の(1)と同様の方法でペレットを作成し、実施例1の(2)において厚さ0.7mmの樹脂製シート(元シート3)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。
実施例3では輝度6000Cd/m以上が得られ、光線透過率は40.6%であったが、比較例5では高い空孔率で光線透過率が39%に達しないため輝度6000Cd/mが得られなかった。
[実施例4、比較例6、7]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300)94重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300)6重量部、オレフィン系ワックス(三菱化学製ダイヤカルナ30M)0.5重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
実施例1の(2)において厚さ0.5mmの樹脂製シート(元シート4)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。
実施例4と比較例6とはともに異方延伸であるが、実施例4では50.3°の拡散性が得られ、比較例6では拡散性は得られなかった。一方、比較例7では光線透過率が低いため輝度が得られなかった。
なお、実施例4の延伸シートにおけるSEM写真を図1(上図:MD(シート押出方向)に平行、下:MD(シート押出方向)に垂直)に示した。空孔内に中心あたりに白くみえる塊りがポリサルフォン樹脂である。
[実施例5]
実施例1の(1)と同様の方法でペレットを作成し、実施例1の(2)において厚さ0.9mmの樹脂製シート(元シート5)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。実施例5の延伸シートは元シート5に比べて拡散率が微増し輝度が大きく増加していた。
[実施例6]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300)96重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300)4重量部、オレフィン系ワックス(三菱化学製ダイヤカルナ30M)0.5重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
実施例1の(2)において厚さ0.5mmの樹脂製シート(元シート6)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。実施例6の延伸シートは元シート6に比べて拡散率が増加し、輝度ムラが改善した。
[比較例8]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300)94重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300)6重量部、オレフィン系ワックス(三菱化学製ダイヤカルナ30M)0.5重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
実施例1の(2)において厚さ1.0mmの樹脂製シート(元シート7)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
延伸したシートの厚さ、比重、空孔率、光学特性である全光線透過率(%)、拡散率(°)、輝度(Cd/m)、輝度ムラ(Cd/m)を評価し、結果を表1に示した。比較例8では拡散性が得られなかった。
[比較例9、10]
(1)ペレットの準備
ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成製K−1300)98重量部、ポリサルフォン樹脂ペレット(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ製P−1300)2重量部、オレフィン系ワックス(三菱化学製ダイヤカルナ30M)0.5重量部を30mm押出機(TEX30α−35BW−3V)にフィードさせた。シリンダー温度330〜360℃、ダイス温度330〜360℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持して押出し、ペレット化した。
実施例1の(2)において厚さ0.7mmの樹脂製シート(元シート8)を溶融押出した。実施例1の(3)と同様の方法で表1の延伸倍率となるように同時二軸延伸した。
ポリサルフォン2重量%のシートでは濃度が低く異方延伸でも等方延伸でも十分延伸しても拡散性が得られなかった。
本発明の樹脂製光拡散板は、直下型バックライト式液晶表示装置用の光拡散板や照明装置用の照明カバーとして有用である。

Claims (11)

  1. ポリカーボネート樹脂(樹脂A)と、該樹脂Aと相溶しない樹脂Aよりも高いガラス転移温度をもつ樹脂(樹脂B)とを有する少なくとも2以上の樹脂からなる樹脂組成物より形成された、海島構造で且つ樹脂Bの周りに空孔を有する樹脂製光拡散板。
  2. 空孔率が0.5〜2.5%である請求項1記載の光拡散板。
  3. 波長域400〜800nmでの光線透過率が40〜70%である請求項1記載の光拡散板。
  4. 拡散率が45〜60%である請求項1記載の光拡散板。
  5. 厚みが0.1〜3.0mmである請求項1記載の光拡散板。
  6. 樹脂Bのガラス転移温度が155〜270℃である請求項1記載の光拡散板。
  7. 樹脂Bがポリサルフォン樹脂である請求項1記載の光拡散板。
  8. 樹脂Aと樹脂Bの合計100重量%として、樹脂Aが97〜70重量%および樹脂Bが3〜30重量%である請求項1記載の光拡散板。
  9. 樹脂Aと樹脂Bの合計100重量部に対して、オレフィン系ワックスを0.3〜0.6重量部含有する請求項1記載の光拡散板。
  10. 請求項1記載の光拡散板を直下型バックライト方式の光拡散板として用いた液晶表示装置。
  11. 請求項1記載の光拡散板を照明カバーとして用いた照明装置。
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