JP2009229337A - 電極検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象の接合体の機能を低下させることなくその接合体における電極の良否を検査し得る電極検査装置を提供する。
【解決手段】固体電解質膜102と薄膜状の電極101a,101bとを接合して形成された膜−電極接合体100における電極101a,101bの良否を検査可能に構成され、電極101a,101bの中央部に向けて検査用磁界を印加する磁界印加部12と、検査用磁界B1の印加によって電極101a,101bに発生する渦電流を非接触で測定する測定部13と、測定部13によって測定された渦電流の大きさおよび向きに基づいて電極101a,101bにおける比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像を表示部15に表示させる制御部16とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート体と薄膜状の電極とを接合して形成された接合体における電極の良否を検査可能な電極検査装置に関するものである。
固体高分子電解質型燃料電池(PEFC:以下、単に「燃料電池」ともいう)は、複数のセルを積層したセルスタックで構成されている。また、各セルは、導電性を有する燃料極、高分子材料で形成された固体電解質膜(プロトン伝導膜)、および導電性を有する空気極(以下、燃料極および空気極を区別しないときには「電極」ともいう)を貼り合わせて一体化した膜−電極接合体(MEA)を反応ガスの供給流路が彫り込まれたバイポーラプレート(導電板)で挟み込んで構成されている。一方、この種の燃料電池の性能を評価する際には、膜−電極接合体を構成する固体電解質膜のイオン伝導度が評価用パラメータとして用いられる。この場合、このイオン伝導度は、所定の測定方法(例えば、特開2005−326311号公報に開示されたイオン伝導度測定方法)によって測定した固体電解質膜についての抵抗値に基づいて算出される。また、燃料電池の性能を評価する際の他の評価用パラメータとして、膜−電極接合体を構成する電極の厚みが均一で比抵抗(電気抵抗率)が電極上の位置に拘わらず一定(均一)であるか否かを示す比抵抗分布が用いられることがある。この場合、出願人は、この比抵抗分布を測定して電極の良否検査を行う検査装置を既に開発している。この検査装置は、電流供給用プローブを電極に接触させて電流を供給した状態において、電極上の数多くの測定点に検出用プローブを接触させて各測定点における電位を測定し、その測定値に基づいて電極における比抵抗分布を測定して電極の良否検査を実行可能に構成されている。
特開2005−326311号公報(第8−17頁、第1図)
ところが、出願人が既に開発してる上記の検査装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、この検査装置を用いて電極の良否検査を行う際には、電流供給用プローブおよび検出用プローブを電極に接触させて電極における比抵抗分布を測定する必要がある。この場合、膜−電極接合体の電極は、カーボンブラック担体に白金触媒を担持させた比較的軟らかい材料で形成されているため、傷付き易いという性質を有している。このため、上記の検査装置には、比抵抗分布の測定に際して電極にプローブを接触させたときに、その接触によって電極が傷付いたり、プローブによって削り取られた電極の削り屑やプローブの金属片が電極に付着したりして、膜−電極接合体の機能が低下するおそれがあり、これを改善するのが好ましい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検査対象の接合体の機能を低下させることなくその接合体における電極の良否を検査し得る電極検査装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電極検査装置は、シート体と薄膜状の電極とを接合して形成された接合体における当該電極の良否を検査可能な電極検査装置であって、前記電極の中央部に向けて検査用磁界を印加する磁界印加部と、前記検査用磁界の印加によって前記電極に発生する渦電流を非接触で測定する測定部と、前記測定部によって測定された前記渦電流の大きさおよび向きに基づいて前記電極における比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像を表示部に表示させる制御部とを備えている。
また、請求項2記載の電極検査装置は、請求項1記載の電極検査装置において、前記測定部は、第1の向きの磁界を検出して第1検出信号を出力する第1磁界センサと、前記第1の向きと交差する第2の向きの磁界を検出して第2検出信号を出力する第2磁界センサとを備えて、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記渦電流の大きさおよび向きを測定する。
請求項1記載の電極検査装置によれば、電極の中央部に向けて検査用磁界を印加してそれによって電極に発生する渦電流を非接触で測定し、その渦電流の大きさおよび向きに基づいて電極における比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像を表示部に表示させることにより、従来の検査装置とは異なり、プローブを電極に接触させることなく、比抵抗の分布状態を正確に特定することができる。このため、この電極検査装置によれば、プローブと電極との接触によって電極が傷付いたり、プローブによって削り取られた電極の削り屑が電極に付着したりして、接合体の機能が低下する事態を確実に防止することができる。したがって、この電極検査装置によれば、接合体の機能を低下させることなく接合体における電極の良否を正確に検査することができる。
また、請求項2記載の電極検査装置によれば、渦電流の大きさおよび向きを正確に特定することができる結果、電極における比抵抗の分布状態をより正確に特定することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電極検査装置の最良の形態について説明する。
図1に示す電極検査装置1は、本発明に係る電極検査装置の一例であって、同図に示す膜−電極接合体100(本発明における接合体の一例であって、以下、単に「接合体100」ともいう)における電極101a,101bの良否を検査可能に構成されている。ここで、接合体100は、複数のセルで構成される固体高分子電解質型燃料電池におけるそのセルを構成する素子であって、同図に示すように、電極101a、固体電解質膜102、電極101b(以下、電極101a,101bを区別しないときには「電極101」ともいう)をこの順序で貼り合わせることによって一体形化して構成されている。この場合、固体電解質膜102は、本発明におけるシート体の一例であって、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系ポリマーによってシート状に形成されている。また、各電極101は、本発明における電極の一例であって、例えば、カーボンブラック担体に白金触媒を担持させた導電性材料によって薄膜状に形成されている。
一方、電極検査装置1は、図1に示すように、本体部2、保持部3および移動機構4を備えて構成されている。本体部2は、同図に示すように、操作部11、磁界印加部12、測定部13、データ記憶部14、表示部15および制御部16を備えて構成されている。操作部11は、図2に示すように、本体部2の正面パネルに配置された各種のボタンやスイッチを備えて構成され、これらが操作されたときに操作信号Soを出力する。磁界印加部12は、図1に示すように、検査用磁界B1を発生するコイル21と、コイル21に交流電流を供給する電源回路22とを備えて構成され、保持部3に保持された状態の接合体100における電極101の中央部に向けて検査用磁界B1を印加する。
測定部13は、検査用磁界B1の印加によって接合体100の電極101に発生する渦電流I(図3参照)を測定可能に構成されている。具体的には、測定部13は、図1に示すように、2つの磁界センサ31a,31b(以下、区別しないときには「磁界センサ31」ともいう)、信号記憶部32および演算部33を備えて構成されている。磁界センサ31a,31bは、所定の向きの磁界を選択的に検出してその磁界の強度に応じた検出信号Sd(電圧信号)を出力する指向性を有する素子(例えばホール素子)で構成されている。また、両磁界センサ31a,31bは、図5に示すように、磁界を検出する向き(例えば、同図に示す矢印X,Yの向き)が互いに交差(この例では直角に交差(つまり直交))するようにして積み重ねられて構成されている。このように構成することで、検査用磁界B1の印加に起因する電極101における渦電流Iの発生に伴って生じる磁界B2(図4参照)のうちの、矢印X,Yの向きの成分が両磁界センサ31a,31bによってそれぞれ検出される。この場合、両磁界センサ31a,31bによって検出される磁界には、上記した磁界B2のうちの矢印X,Yの向きの成分に加えて、検査用磁界B1のうちの矢印X,Yの向きの成分(以下、この成分の値を「バックグラウンド値」ともいう)が含まれている。このため、信号記憶部32によって後述する電流ベクトルデータDiが生成される際には、このバックグラウンド値を相殺する補正が行われる。なお、磁界センサ31aが本発明における第1磁界センサに相当し、磁界センサ31aから出力される検出信号Sd(以下、「検出信号Sd1」ともいう)が本発明における第1検出信号に相当する。また、磁界センサ31bが本発明における第2磁界センサに相当し、磁界センサ31bから出力される検出信号Sd(以下、「検出信号Sd2」ともいう)が本発明における第2検出信号に相当する。また、矢印Xの向きが本発明における第1の向きに相当し、矢印Yの向きが本発明における第2の向きに相当する。
信号記憶部32は、磁界センサ31a,31bからそれぞれ出力される検出信号Sd1,Sd2を一時的に記憶する。また信号記憶部32は、磁界センサ31a,31bからそれぞれ出力される後述する補正用信号Sr1,Sr2を記憶する。演算部33は、信号記憶部32に記憶されている検出信号Sd1,Sd2および補正用信号Sr1,Sr2に基づき、例えば、電極101上においてマトリクス状(格子状)に規定された多数の測定点P,P・・(図6参照)における渦電流Iの大きさ(電流値)および向きを示すベクトル(以下、「電流ベクトル」ともいう)をそれぞれ演算して、各電流ベクトルを特定可能なデータ(電流ベクトルデータDi)を生成して出力する。つまり、測定部13は、検査用磁界B1の印加に起因して電極101に発生する渦電流Iの分布を非接触で測定する。
データ記憶部14は、測定部13の演算部33から出力された電流ベクトルデータDiを一時的に記憶する。表示部15は、一例として、LCDで構成されて、図2に示すように、本体部2の正面パネルに配置されている。この場合、表示部15は、制御部16の制御に従い、図2,8に示す比抵抗分布画像Gd1,Gd2(本発明における比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像)等の各種の画像を表示する。制御部16は、操作部11から出力される操作信号Soに従い、電極検査装置1を構成する各部を制御する。また、制御部16は、画像データDgを出力することにより、表示部15による各種の画像の表示を制御する。
保持部3は、一例として、上面(載置面)に複数の吸気孔が形成された載置板41(図1参照)と図外の吸気ポンプとを備えて構成され、載置板41の吸気孔からエアを吸引することによって載置板41の上面に載置された接合体100を吸着して移動不可状態に保持する。移動機構4は、制御部16の制御に従い、任意の方向(XYZ方向)に移動させる。
次に、電極検査装置1を用いて、接合体100における電極101の良否を検査する方法について、図面を参照して説明する。
まず、接合体100の検査(本検査)に先立ち、上記したバックグラウンド値を特定するための予備検査を行う。具体的には、接合体100を保持部3の載置板41に載置していない状態において、操作部11を操作して予備検査を開始させる。この際に、制御部16が、操作部11から出力された操作信号Soに従い、磁界印加部12の電源回路22を制御して、コイル21に対する交流電流の供給を開始させる。これに応じて、コイル21が、周期的に極性が反転する検査用磁界B1を発生する。
続いて、制御部16は、移動機構4を制御して、測定部13の磁界センサ31a,31bを載置板41の上方において移動させる。この場合、制御部16は、後述する本検査の際の移動経路と同じ移動経路で磁界センサ31a,31bで移動させる。この際に、磁界センサ31aが、検査用磁界B1のうちの矢印Xの向き(図5参照)の成分を選択的に検出して検出信号Sd1(予備検査において出力される検出信号Sd1を「補正用信号Sr1」ともいう)を出力し、磁界センサ31bが、検査用磁界B1のうちの矢印Yの向き(同図参照)の成分を選択的に検出して検出信号Sd2(予備検査において出力される検出信号Sd2を「補正用信号Sr2」ともいう)を出力する。また、信号記憶部32が、磁界センサ31a,31bによってそれぞれ出力された補正用信号Sr1,Sr2を記憶する。次いで、制御部16は、移動機構4を制御して、磁界センサ31a,31bが所定の位置まで移動した時点でその移動を停止させる。以上により、予備検査が終了する。
次に、接合体100に対する本検査を開始する。具体的には、図1に示すように、例えば電極101aを上向きにした状態で検査対象の接合体100を保持部3の載置板41に載置し、次いで、図外の吸気ポンプを作動させる。この際に、載置板41の上面に形成されている吸気孔からのエアの吸引によって接合体100が移動不可状態に保持される。続いて、操作部11を操作して検査を開始させる。この際に、制御部16が、操作部11から出力された操作信号Soに従って磁界印加部12の電源回路22を制御して、コイル21に対する交流電流の供給を開始させることにより、図3に示すように、検査用磁界B1が、保持部3に保持されている接合体100における両電極101の中央部に印加される。また、検査用磁界B1の印加に伴い、同図に示すように、両電極101に渦電流Iが発生する(同図では、電極101aのみ図示する)。また、図4に示すように、この渦電流Iの発生に伴って両電極101の周囲に磁界B2が生じる。
続いて、制御部16は、移動機構4を制御して、図5に示すように、測定部13の磁界センサ31a,31bを電極101aの上方において移動させる。この場合、制御部16は、同図に破線の矢印で示すように、例えば、電極101aの縁部E1から縁部E2に向けて徐々に位置をずらしつつ磁界センサ31a,31bを縁部E3,E4の間で往復移動させる(つまり、電極101a上を満遍なく移動させる)。この際に、磁界センサ31aが、渦電流Iの発生に伴って生じた磁界B2のうちの図4に示す矢印Xの向きの成分を選択的に検出して検出信号Sd1を出力し、磁界センサ31bが、磁界B2のうちの同図に示す矢印Yの向きの成分を選択的に検出して検出信号Sd2を出力する。また、信号記憶部32が、磁界センサ31a,31bによってそれぞれ出力された検出信号Sd1,Sd2を記憶する。
次いで、制御部16は、移動機構4を制御して、磁界センサ31a,31bが上記した電極101aの縁部E2まで移動した時点でその移動を停止させる。続いて、測定部13の演算部33が、信号記憶部32に記憶されている検出信号Sd1,Sd2および補正用信号Sr1,Sr2に基づき、電極101上においてマトリクス状に規定された多数の測定点P,P・・(図6参照)における各電流ベクトルを演算して電流ベクトルデータDiを出力する。この場合、演算部33は、各電流ベクトルを演算する際に、例えば、検出信号Sd1,Sd2によって特定される磁界の強度から、補正用信号Sr1,Sr2によって特定され磁界の強度を減算することにより、上記したバックグラウンド値を相殺する補正を行う。次いで、制御部16は、演算部33から出力された電流ベクトルデータDiをデータ記憶部14に記憶させる。
続いて、制御部16は、データ記憶部14から電流ベクトルデータDiを読み出して、その電流ベクトルデータDiに基づいて各測定点Pにおける電流ベクトルを特定する。この場合、測定対象の接合体100における電極101の厚みが均一で比抵抗が電極101の位置に拘わらず一定(比抵抗の分布状態が良好)であるときには、電極101の中心部から等距離にある各測定点Pにおいては、検査用磁界B1の印加によって生じる渦電流Iの値が同じであるため、各測定点Pにおける電流ベクトルは、図6に示すように、電極101の中心部をその中心とする同心円に沿って整列する。このため、電流ベクトルデータDiに基づいて特定した電流ベクトルがこのように整列しているときには、制御部16は、電極101の厚みが均一で比抵抗が均一に分布している状態を示す比抵抗分布画像Gd1(例えば、色相や明度が均一な電極101の画像)を表示させるための画像データDgを生成して表示部15に出力する。これにより、図2に示すように、比抵抗が均一に分布している状態を示す比抵抗分布画像Gd1(本発明における「比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像」の一例)が表示部15に表示される。
一方、電極101a,101bのいずれか一方または双方における比抵抗が均一に分布していないとき、具体的には、例えば図7に示すように、他の部分よりも比抵抗が大きい領域Fが電極101aに存在するときには、領域Fにおける渦電流Iの値が小さいため、領域F内およびその周囲の測定点Pにおいては、電流ベクトルが、電極101の中心部をその中心とする同心円に沿って整列しないこととなる。このため、このように整列していない電流ベクトルが存在するときには、制御部16は、その電流ベクトルの向きや大きさに基づいて領域Fの位置および形状を特定して、その領域Fを他の部部とは異なる色相や明度で表示させるための画像データDgを生成して表示部15に出力する。これにより、図8に示すように、他の部分よりも比抵抗が大きい領域Fの位置および大きさを特定可能な比抵抗分布画像Gd2(本発明における「比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像」の他の一例)が表示部15に表示される。
この場合、この電極検査装置1では、従来の検査装置とは異なり、プローブを電極に接触させることなく、検査用磁界B1の印加によって電極101に生じる渦電流Iを非接触で検出して電極101における比抵抗分布を正確に特定している。このため、この電極検査装置1では、プローブと電極101との接触によって電極101が傷付いたり、プローブによって削り取られた電極101の削り屑が電極101に付着したりして、接合体100の機能が低下する事態を確実に防止することが可能となっている。
このように、この電極検査装置1によれば、電極101の中央部に向けて検査用磁界B1を印加してそれによって電極101に発生する渦電流Iの大きさおよび向きを非接触で測定し、その測定結果に基づいて特定した電極101の比抵抗の分布状態を示す比抵抗分布画像Gdを表示部15に表示させることにより、従来の検査装置とは異なり、プローブを電極に接触させることなく、比抵抗の分布状態を正確に特定することができる。このため、この電極検査装置1によれば、プローブと電極101との接触によって電極101が傷付いたり、プローブによって削り取られた電極101の削り屑が電極101に付着したりして、接合体100の機能が低下する事態を確実に防止することができる。したがって、この電極検査装置1によれば、接合体100の機能を低下させることなく接合体100における電極101の良否を正確に検査することができる。
また、この電極検査装置1によれば、磁界B2におけるXの向きの成分を検出して検出信号Sd1を出力する磁界センサ31aと、磁界B2における矢印Yの向きの成分を検出して検出信号Sd2を出力する磁界センサ31bとを備えて測定部13を構成したことにより、渦電流Iの大きさおよび向き(つまり、電流ベクトル)を正確に特定することができる結果、電極101における比抵抗の分布状態をより正確に特定することができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる膜−電極接合体100における電極101の良否を検査する例について上記したが、検査対象としては、この膜−電極接合体100に限定されず、シート体と薄膜状の電極とを接合して構成した各種の接合体における電極の良否を上記の例と同様にして検査することができ、この際においても、上記と同様の効果を実現することができる。また、磁界を検出する向きが互いに直角に交差するように磁界センサ31a,31bを積み重ねた例について上記したが、交差の角度は任意に規定することができる。また、電極101の上方において磁界センサ31a,31bを往復移動させる例について上記したが、例えば、電極101の上方において電極101の中心部から電極101の外周側に向けて、または電極101の上方において電極101の外周側から電極101の中心部に向けて、磁界センサ31a,31bを螺旋状に移動させることもできる。また、積み重ねた磁界センサ31a,31bをマトリクス状に複数組並べて電極101の上方に配置し、これらの各磁界センサ31a,31bから同時に出力される各検出信号Sd1,Sd2に基づいて各測定点Pにおける電流ベクトルを演算する構成を採用することもできる。さらに、磁界センサ31a,31bとしてホール素子を用いた例について上記したが、渦電流Iの発生に伴って生じる磁界を検出可能な磁気抵抗効果素子や磁気インピーダンス素子等の各種の素子(センサ)をホール素子に代えて用いることができる。また、検査用磁界B1の印加によって電極101に発生する渦電流Iを非接触で検出可能なセンサを磁界センサ31a,31bに代えて用いることもできる。
また、検出信号Sd1,Sd2によって特定される磁界の強度から、補正用信号Sr1,Sr2によって特定され磁界の強度を減算することにより、バックグラウンド値を相殺する補正を行う例について上記したが、この補正を行わない構成を採用することもできる。この場合、この補正に代えて、厚みが均一で比抵抗の分布状態が良好な電極101を有する接合体100(良品の接合体100)についての渦電流Iの分布と、測定対象の接合体100についての渦電流Iの分布との差異(各測定点Pにおける電流ベクトルの差分)を求めることで、この差異(差分)に基づき、測定対象の接合体100についての比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像を表示させることができる。
電極検査装置1の構成を示す構成図である。 電極検査装置1の正面図である。 渦電流Iの発生状態を説明するための説明図である。 渦電流Iに伴う磁界の発生状態を説明するための説明図である。 磁界センサ31a,31bの移動方法を説明するための説明図である。 比抵抗分布の特定方法を説明するための第1の説明図である。 比抵抗分布の特定方法を説明するための第2の説明図である。 比抵抗分布画像Gd2を表示した状態の電極検査装置1の正面図である。
符号の説明
1 電極検査装置
12 磁界印加部
13 測定部
15 表示部
16 制御部
31a,31b 磁界センサ
100 膜−電極接合体
101a,101b 電極
102 固体電解質膜
B1 検査用磁界
Di 電流ベクトルデータ
Gd1,Gd2 比抵抗分布画像
I 渦電流
Sd1,Sd2 検出信号

Claims (2)

  1. シート体と薄膜状の電極とを接合して形成された接合体における当該電極の良否を検査可能な電極検査装置であって、
    前記電極の中央部に向けて検査用磁界を印加する磁界印加部と、前記検査用磁界の印加によって前記電極に発生する渦電流を非接触で測定する測定部と、前記測定部によって測定された前記渦電流の大きさおよび向きに基づいて前記電極における比抵抗の分布状態を示す良否判定用の画像を表示部に表示させる制御部とを備えている電極検査装置。
  2. 前記測定部は、第1の向きの磁界を検出して第1検出信号を出力する第1磁界センサと、前記第1の向きと交差する第2の向きの磁界を検出して第2検出信号を出力する第2磁界センサとを備えて、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記渦電流の大きさおよび向きを測定する請求項1記載の電極検査装置。
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