JP2008176944A - 燃料電池の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の電解質膜を分割することなく、電解質膜の膜厚が薄い部位を検出することを可能にする燃料電池の検査方法を提供する。
【解決手段】水素極と、酸素極と、当該両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜とを含む燃料電池の検査方法は、水素極に水素ガスを供給するとともに酸素極に不活性ガスを供給する工程S1と、当該ガスの供給が行われている状態で、水素極側で下記式(1)の反応が生じるとともに酸素極側で下記式(2)の反応が生じるように両極間の電圧を制御する工程S2と、当該電圧の制御が行われている状態で、燃料電池の面内の電流密度分布を測定する工程S3と、を含む。
H2→2H++2e-・・・(1)
2H++2e-→H2・・・(2)
【選択図】図2
【解決手段】水素極と、酸素極と、当該両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜とを含む燃料電池の検査方法は、水素極に水素ガスを供給するとともに酸素極に不活性ガスを供給する工程S1と、当該ガスの供給が行われている状態で、水素極側で下記式(1)の反応が生じるとともに酸素極側で下記式(2)の反応が生じるように両極間の電圧を制御する工程S2と、当該電圧の制御が行われている状態で、燃料電池の面内の電流密度分布を測定する工程S3と、を含む。
H2→2H++2e-・・・(1)
2H++2e-→H2・・・(2)
【選択図】図2
Description
本発明は、水素極と、酸素極と、両極間に設けられた電解質膜とを含む燃料電池の検査方法に関する。
燃料電池の電解質膜の穴(ピンホール)を検出する方法がある。
例えば、電解質膜を水没させて気泡によりピンホールを検出する水没法がある。
また、特許文献1には、アノードに燃料ガスを供給し、カソードに酸化剤を含むガスを供給し、膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)の局所的な開回路電圧を計測し、局所的な開回路電圧の低下により局所的なピンホールを検出する方法が開示されている。
なお、特許文献2には、アノードガスおよびカソードガスの通路を電池面内で複数個に分割し、かつそれぞれ一つずつのガス通路にのみ反応ガスを流し、他の流通路には窒素などの不活性ガスを流すように反応ガス通路を構成し、アノードガスおよびカソードガスを特定の通路のみに供給し、他の通路には不活性ガスを供給し、電池面内の特定の部分の電池性能を測定する方法が開示されている。
また、特許文献3には、燃料電池の電池電極の電流密度分布を計測する計測装置が開示されている。
ところで、電解質膜に穴が空いておらず局部的に膜が薄くなっている場合、電池特性としては悪化するため、劣化部位(膜が薄くなっている部位)を特定する必要がある。しかし、この場合、電解質膜に穴が空いているわけではないので、上記水没法や特許文献1に記載の方法による劣化部位の特定はできない。
MEAを分割して、分割された部位毎に特性を計測することにより劣化部位を特定することは可能である。しかし、この方法では、分割の過程でMEAが破損するリスクや、分割したMEAを再度合体させてシールした際にリークが発生するリスクが高い。また、この方法の実施には多大な労力を必要とする。したがって、MEAを分割して評価する手法は、現実的でない。
そこで、本発明は、燃料電池の電解質膜を分割することなく、電解質膜の膜厚が薄い部位を検出することを可能にする燃料電池の検査方法を提供する。
本発明に係る燃料電池の検査方法は、水素極と、酸素極と、前記両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜とを含む燃料電池の検査方法であって、前記水素極に水素ガスを供給するとともに前記酸素極に不活性ガスを供給する工程と、前記ガスの供給が行われている状態で、前記水素極側で下記式(1)の反応が生じるとともに前記酸素極側で下記式(2)の反応が生じるように前記両極間の電圧を制御する工程と、前記電圧の制御が行われている状態で、前記燃料電池の面内の電流密度分布を測定する工程と、を含むことを特徴とする。
H2→2H++2e-・・・(1)
2H++2e-→H2・・・(2)
H2→2H++2e-・・・(1)
2H++2e-→H2・・・(2)
本発明の一態様では、前記電流密度分布を測定する工程では、前記燃料電池の面内に複数の測定用電極を配置し、前記複数の測定用電極の各々に流れる電流を測定する。
本発明によれば、燃料電池の電解質膜を分割することなく、電解質膜の膜厚が薄い部位を検出することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(燃料電池の構成)
図1は、本実施の形態における検査対象である燃料電池10の概略構成図である。まず、図1を参照して、検査対象である燃料電池10について説明する。
図1は、本実施の形態における検査対象である燃料電池10の概略構成図である。まず、図1を参照して、検査対象である燃料電池10について説明する。
図1に示されるように、燃料電池10は、少なくとも、水素極(アノード)11と、酸素極(カソード)12と、当該両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜13(例えば固体高分子電解質膜)とを含む。すなわち、燃料電池10は、電解質膜13の両面に水素極11と酸素極12とが設けられた膜電極接合体(MEA)14を含んで構成される。MEA14の両側には、それぞれセパレータ15,16が設けられてもよく、水素極11とセパレータ15との間および酸素極12とセパレータ16との間には、ガスが流通するための流路が形成されてもよい。すなわち、燃料電池10は、MEA14の両面にセパレータ15,16が設けられた燃料電池セル17を含んで構成されてもよい。なお、水素極11と酸素極12との間には、外部回路が接続される。
通常の発電状態では、燃料電池10の水素極11には水素が供給され、酸素極12には酸素を含むガス(例えば空気)が供給され、燃料電池10は、水素極11に供給される水素と酸素極12に供給される酸素とを用いて発電を行う。具体的には、水素極11側では下記式(3)に示される反応が起こり、酸素極12側では下記式(4)に示される反応が起こり、全体としては下記式(5)に示される起電反応が起こる。
H2→2H++2e-・・・(3)
2H++(1/2)O2+2e-→H2O・・・(4)
H2+(1/2)O2→H2O・・・(5)
2H++(1/2)O2+2e-→H2O・・・(4)
H2+(1/2)O2→H2O・・・(5)
(燃料電池の検査方法)
図2は、本実施の形態に係る燃料電池の検査方法の一例を示すフローチャートである。この検査方法は、燃料電池の電解質膜の膜厚が薄い部位を検出するためのものである。以下、図2を参照して、本実施の形態に係る燃料電池の検査方法について説明する。
図2は、本実施の形態に係る燃料電池の検査方法の一例を示すフローチャートである。この検査方法は、燃料電池の電解質膜の膜厚が薄い部位を検出するためのものである。以下、図2を参照して、本実施の形態に係る燃料電池の検査方法について説明する。
本実施の形態の検査方法では、水素極11に水素ガスを供給するとともに、酸素極12に窒素ガスなどの不活性ガスを供給する(S1)。
そして、上記ガスの供給が行われている状態で、水素極11側で下記式(6)の反応が生じるとともに酸素極12側で下記式(7)の反応が生じるように両極間の電圧を制御する(S2)。すなわち、燃料電池10において、通常の発電ではなく、いわゆる水素ポンピング現象が生じるように、両極間の電圧を制御する。この水素ポンピング現象では、水素極11で水素ガスがプロトンと電子に分離され、分離されたプロトンは電解質膜13を通って酸素極12に移動し、分離された電子は外部回路を通って酸素極12に移動し、酸素極12でプロトンと電子とが結合して水素ガスが生成される。
H2→2H++2e-・・・(6)
2H++2e-→H2・・・(7)
2H++2e-→H2・・・(7)
上記工程S2では、例えば、両極間の電圧を一定値(0.05〜0.10V程度)に保持してもよいし、図3に示されるように電圧をスイープさせてもよい。
そして、上記電圧の制御が行われている状態で、燃料電池10の面内の電流密度分布を測定する(S3)。具体的には、MEA14または燃料電池セル17の面内の電流密度分布を測定する。より具体的には、水素極11、酸素極12、セパレータ15、またはセパレータ16の面内の電流密度分布を測定する。電流密度分布の測定は、適宜の計測装置を用いて行われればよい。一つの態様では、当該工程では、燃料電池10の面内に複数の測定用電極を配置し、当該複数の測定用電極の各々に流れる電流を測定し、測定された電流に基づいて電流密度分布を求める。
ここで、電流密度が大きい部分ほど、多くのプロトンが移動していると言える。また、電解質膜13の膜厚が薄い部分ほど、電解質膜13をプロトンが移動し易い。よって、電流密度が大きい部分ほど、電解質膜13の膜厚が薄いと考えられる。よって、上記工程S3で得られた電流密度分布に基づき、電解質膜13の面内の膜厚の分布を推定することができ、電解質膜13の膜厚が薄い部位を推定することができる。
(電流密度分布計測装置)
図4は、本実施の形態で用いられる電流密度分布計測装置の一例を示す概略構成図である。以下、図4を参照して、電流密度分布計測装置の一例を説明する。
図4は、本実施の形態で用いられる電流密度分布計測装置の一例を示す概略構成図である。以下、図4を参照して、電流密度分布計測装置の一例を説明する。
図4において、電流密度分布計測装置100は、複数の測定用電極120と、電流集合板111と、計測治具としてのエンドプレート109およびターミナルプレート107と、電流集合板111とターミナルプレート107との間に電気的に接続された電圧制御装置110とを備えている。ここで、電圧制御装置110は、電流集合板111とターミナルプレート107との間の電圧を制御するものであり、例えば、ポテンシオスタットなどの電源装置を含む装置である。
電流密度分布計測装置100において、ターミナルプレート107と複数の測定用電極120との間に、計測対象の燃料電池セル201がセットされる。
燃料電池セル201は、MEA202と、当該MEA202を両側から挟むカーボン製の2つのセパレータ203、204と、を備えた固体高分子型燃料電池である。2つのセパレータ203、204には、MEA202側にガスが流れるガス流路(図示せず)が形成されている。
本例では、MEA202の各部分における電解質膜の膜厚を推定するために、MEA202から出力される電流の分布を計測する。かかる電流分布は、セパレータ204の各部分から出力される電流値を測定することによって計測することができる。
図5は、セパレータ204の各部分から出力される電流値を測定する複数の測定用電極120の拡大図である。測定用電極120の各々は、ロッド128と、ロッド128の両端に接続された2つの集電電極124、125と、電流センサ126と、を備えている。
電流センサ126は、本例では、磁場の変化を高感度で計測可能なホール素子を利用したセンサである。電流センサ126は、ロッド128に流れる電流に応じて変化する磁場に応じた電気信号を出力する。
図6は、本例における集電電極125のセパレータ204上における配列状態を示す説明図である。本例では、集電電極125の間隔は、3mmに設定されている。かかる設定は、集電電極125の間隔がセパレータ204に形成された流路の幅方向のピッチの2倍以下となるように設定することが好ましい。こうすれば、複数の集電電極125による押し付け圧力が各流路に均等に伝わるからである。
図7は、電流密度分布計測装置100と計測対象の燃料電池セル201とで構成される電気回路の等価回路を示す図である。この等価回路は、電力を発生させる燃料電池セル201と、抵抗Rbと、接触抵抗Rc1と、配線抵抗Rc2と、電圧制御装置110とで構成されている。抵抗Rbは、隣接する集電電極125の間におけるセパレータ204の内部の抵抗である。接触抵抗Rc1は、集電電極125とセパレータ204の接触に起因して生ずる接触抵抗である。配線抵抗Rc2は、電流密度分布計測装置100全体の配線抵抗である。
図8は、説明をわかりやすくするために等価回路の一部を抜き出して示した説明図である。前述のように、本例では、MEA202の各部分における電解質膜の膜厚を推定するためにMEA202の各部分から出力される電流値を計測する。かかる計測は、測定用電極120に流れる電流値を測定することによって計測される。具体的には、MEA202の各部分から出力される電流値i1、i2は、2つの測定用電極120に流れる電流値i3、i4を測定することによって計測される。
ところが、電流値i1、i2は、それぞれ電流値i3、i4に単純に比例する関係にはない。セパレータ204の内部で面方向に電流が漏洩するためである。かかる漏洩についての定量分析を考慮した計測方法を以下に開示する。
図8の等価回路の回路方程式は以下のとおりである。ここで、回路方程式を分かりやすくするために接触抵抗Rc1と配線抵抗Rc2の合成抵抗を回路抵抗Rcとする。また、以下の式において、v1は電流値i3を出力する部分の電位であり、v2は電流値i4を出力する部分の電位である。また、v2>v1と仮定する。キルヒホッフの法則により以下の式が導出される。
i1+i2=i3+i4・・・(11)
i3=i1+i5・・・(12)
i4=i2−i5・・・(13)
i3=i1+i5・・・(12)
i4=i2−i5・・・(13)
さらに、各部分の電位に着目すると以下の式が導出される。
v1=v2−Rb×i5・・・(14)
v0=v1−Rc×i3・・・(15)
v0=v2−Rc×i4・・・(16)
v1=v2−Rb×i5・・・(14)
v0=v1−Rc×i3・・・(15)
v0=v2−Rc×i4・・・(16)
上記式(11)〜(16)の連立方程式を解くと以下の式が導出される。
i1=i3+Rc/Rb(i3−i4)・・・(17)
i2=i4+Rc/Rb(−i3+i4)・・・(18)
i1=i3+Rc/Rb(i3−i4)・・・(17)
i2=i4+Rc/Rb(−i3+i4)・・・(18)
ここで、電流i1、i2が測定対象の電流であり、電流i3、i4が電流センサ126で計測される電流である。式(17)と式(18)の第2項がセパレータ204の内部で漏洩する電流に相当している。
このように、測定用電極120が接触する点を含む各等価回路を計測対象の各要素として捉えると、各等価回路間の関係を確定系として2次元的にモデル化することができる。このようにして構成されたモデルは、一般的に有限要素法を用いた解析ツールで解くことが可能である。
なお、上記の例では、接触点間抵抗値Rbおよび回路抵抗値Rcを考慮して電流値i1、i2を求めているが、回路抵抗値Rc/接触点間抵抗値Rbが十分に小さくなるように電流密度分布計測装置100のハードウェアを構成するとともに、実測値i3、i4を出力電流値i1、i2とみなすことによって電流分布を計測することとしてもよい。この方法によれば、煩雑な解析を行うことなく、電流分布を計測することができる。
このようなハードウェア構成は、「接触点間抵抗値Rbの増加」と「回路抵抗値Rcの減少」の少なくとも一方によって実現することができる。「接触点間抵抗値Rbの増加」は、例えば、セパレータ204を抵抗の大きな材質とすることや、接触点間ピッチの増加などによって実現することができる。一方、「回路抵抗値Rcの減少」は、例えば、接触面への液体金属の塗布による接触抵抗の低減などによって実現することができる。
(検査システム)
図9は、本実施の形態に係る検査方法を実現する検査システムの一例を示す概略ブロック図である。以下、図9を参照して、本実施の形態に係る検査方法を実現する検査システムの一例を説明する。
図9は、本実施の形態に係る検査方法を実現する検査システムの一例を示す概略ブロック図である。以下、図9を参照して、本実施の形態に係る検査方法を実現する検査システムの一例を説明する。
図9において、検査システム300は、上述した電流密度分布計測装置100と、データ収集装置301と、測定制御装置302と、表示装置303とを含む。
データ収集装置301は、電流密度分布計測装置100から複数の電流センサ126により検出された各部分の電流値を取得し、当該各部分の電流値をA/D変換して測定制御装置302に渡す。
測定制御装置302は、データ収集装置301から各部分の電流値を受け取り、当該各部分の電流値に基づいて電流密度分布を表すマップを作成し、当該マップを表示装置303に表示させる。この測定制御装置302は、電流密度分布計測装置100の電圧制御装置110による電圧制御やガスの供給などを制御してもよい。測定制御装置302は、例えばパーソナルコンピュータにより実現され、その機能は、例えばハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。
以上のとおり、本実施の形態では、水素極と、酸素極と、当該両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜とを含む燃料電池の検査方法において、水素極に水素ガスを供給するとともに酸素極に不活性ガスを供給し、当該ガスの供給が行われている状態で、水素ポンピング現象が生じるように両極間の電圧を制御し、当該電圧制御が行われている状態で、燃料電池の面内の電流密度分布を測定する。上述したとおり、当該方法により測定される電流密度分布は、電解質膜の膜厚の分布を示す。よって、本実施の形態によれば、電解質膜を分解することなく、電解質膜の膜厚が薄い部位を検出することが可能となる。したがって、燃料電池セルの形態を維持したまま非破壊で、またはMEAの状態のまま、電解質膜の膜厚が薄い部位を特定することが可能となる。なお、通常の発電状態(水素極に水素を酸素極に酸素を供給した状態)で電流密度分布を測定すると、発電に伴うガスの消費のため、面内のガス雰囲気の分布が支配的となり、膜厚分布に対応する電流密度分布を得ることが困難である。これに対し、本実施の形態では、水素極に水素を酸素極に不活性ガスを供給して水素ポンピング反応時の電流密度分布を測定するので、面内のガス雰囲気の分布による影響を回避または軽減でき、膜厚分布に対応した電流密度分布を得ることが可能となる。
また、本実施の形態では、電流密度分布を測定する工程では、燃料電池の面内に複数の測定用電極を配置し、当該複数の測定用電極の各々に流れる電流を測定する。このため、簡易な構成で電流密度分布を測定することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。
上記検査システム300を用いて、上記実施の形態に係る燃料電池の検査方法を実際に行った。その結果を以下に示す。
電流密度分布の測定条件は以下の通りである。
・水素極に供給される水素のガス流量:1NL/1min
・酸素極に供給される窒素のガス流量:1NL/1min
・両極間の電圧:0.05Vと1.30Vとの間でスイープ
・測定用電極の個数:18×8=144個
・水素極に供給される水素のガス流量:1NL/1min
・酸素極に供給される窒素のガス流量:1NL/1min
・両極間の電圧:0.05Vと1.30Vとの間でスイープ
・測定用電極の個数:18×8=144個
使用が進み劣化した燃料電池セルについて、上記測定条件で電流密度分布の測定を行ったところ、図10に示される測定結果が得られた。また、新品の燃料電池セル(リファレンス)について、上記測定条件で電流密度分布の測定を行ったところ、図11に示される測定結果が得られた。
図10,11において、マトリクスは測定用電極の配列に対応しており、マトリクスの各欄内の数字は電流密度(単位A/cm2)を示している。また、図10,11において、(A),(B),(C),(D)は、それぞれ、両極間の電圧が0.06V,0.50V,0.90V,1.25Vの場合における電流密度分布を示している。
図10を見ると、部分「H−4」の電流密度が特に大きいことが分かる。電解質膜の外観を実際に観察してみたところ、「H−4」に対応する部分の膜厚が薄いことが確認された。一方、図11を見ると、電流密度が特に大きい部位は存在しないことが分かる。
10 燃料電池、11 水素極、12 酸素極、13 電解質膜、14 膜電極接合体(MEA)、15,16 セパレータ、17 燃料電池セル。
Claims (2)
- 水素極と、酸素極と、前記両極間に設けられたプロトン伝導性の電解質膜とを含む燃料電池の検査方法であって、
前記水素極に水素ガスを供給するとともに前記酸素極に不活性ガスを供給する工程と、
前記ガスの供給が行われている状態で、前記水素極側で下記式(1)の反応が生じるとともに前記酸素極側で下記式(2)の反応が生じるように前記両極間の電圧を制御する工程と、
前記電圧の制御が行われている状態で、前記燃料電池の面内の電流密度分布を測定する工程と、
を含むことを特徴とする燃料電池の検査方法。
H2→2H++2e-・・・(1)
2H++2e-→H2・・・(2) - 請求項1に記載の燃料電池の検査方法であって、
前記電流密度分布を測定する工程では、前記燃料電池の面内に複数の測定用電極を配置し、前記複数の測定用電極の各々に流れる電流を測定することを特徴とする燃料電池の検査方法。
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