JP2012242283A - パターン検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電パターンの配設態様に関わらず、簡易に断線を特定でき得るパターン検査装置を提供する。
【解決手段】パターン検査装置は、導電パターン110の一端から電圧信号を印加する印加機構12と、印加された電圧信号を検知するセンサ14と、を備えている。センサ14は、Y方向に並んだ二つのトラッキング電極30a,30bと断線検知電極32とを備えている。制御部18は、二つのトラッキング電極30a,30bで検知された電圧信号の差分に基づいて、センサ14の導電パターン110に対するY方向位置を制御する。また、断線検知電極32で検知される電圧に基づいて、センサ14が断線箇所に到達したか否かを判断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板上に形成される導電パターンにおける不良の発生位置、例えば、断線位置や短絡位置を検出するパターン検査装置に関する。
従来からフラットパネルディスプレイなどの分野において、基板上に複数の導電パターンを配設した回路基板が多用されている。かかる回路基板においては、導電パターンに断線や短絡が生じていると本来の機能を発揮できない。そこで、回路基板の製造に際しては、各導電パターンに対して断線や短絡に関する検査を行われている。この検査を容易かつ高精度にするために、従来から、多数の検査技術が提案されている。
例えば、特許文献1,2には、導電パターンに断線や短絡が生じていると判断された場合において、当該導電パターンのうち、どこで断線・短絡が生じているかという断線・短絡位置を検出する技術が開示されている。
具体的には、特許文献1には、検査対象の導電パターンに所定の検査信号(交流電圧)を印加した状態で、複数の電極が設けられたセンサを、断線や短絡が生じている導電パターンに沿って移動させ、その際に、電極に誘起される交流電圧値の変化に基づいて断線位置を特定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、検査対象の導電パターンの一端から検査信号を供給するとともに、検出電極を断線パターンに沿って移動させながら検査信号を読み取り、読み取り信号の変動に基づいて断線・短絡位置を特定する技術が開示されている。
特開2008−102031号公報 特開2006−284597号公報
しかしながら、こうした先行技術文献1,2記載の技術は、全ての導電パターンが、所定の間隔をあけて平行に配設されているような場合には有効ではあるものの、導電パターンの配設角度が、適宜異なっているような場合には応用し難いという問題があった。
例えば、フラットパネルディスプレイに用いられる基板には、実際に可視像を表示する画素領域が設けられている。この画素領域において、複数の導電パターンは、所定の間隔をあけて平行に配設されている。また、画素領域の外側において複数の導電パターンは、駆動ICに接続される。ここで、通常、駆動ICの端子ピッチは、画素領域における導電パターンの配設ピッチよりも大幅に小さい。したがって、複数の導電パターンを駆動ICに接続するためには、画素領域の外側において、導電パターンの配設ピッチを急激に狭める必要がある。その結果、画素領域の外側において、多くの導電パターンは、配設ピッチが徐々に小さくなるように、傾斜して配設されることになる。別の見方をすれば、画素領域の外側において、導電パターンごとに異なる配設角度で配設される。
このように配設ピッチが徐々に変化する領域における断線・短絡位置の特定を、先行技術文献1,2記載の技術を用いて行うためには、電極を、この配設ピッチが徐々に変化する導電パターンに沿って移動(トレース)させる必要がある。しかし、既述したとおり、接続の配設角度は導電パターンごとに異なっており、容易にトレース出来ないという問題がある。もちろん、各導電パターンの配設角度を記憶し、その記憶された配設角度方向に電極を移動させる方法もある。しかし、その場合、制御が非常に複雑になるという問題があった。
そこで、本発明では、導電パターンの配設態様に関わらず、簡易に断線または短絡位置を特定でき得るパターン検査装置を提供することを目的とする。
本発明のパターン検査装置は、基板上において第一方向に間隔をあけて配設された複数の導電パターンのうち、断線が生じた導電パターンである断線パターンにおける断線位置を検出するパターン検査装置であって、前記断線パターンの一端から交流電圧を印加する印加手段と、前記基板に間隙を介して対向しつつ移動するセンサであって、少なくとも、2以上の電極を備えたセンサと、前記電極で検知された信号に基づいて、前記センサの移動方向と断線箇所の判断を行なう制御部と、を備え、前記2以上の電極は、少なくとも、前記第一方向に配設された二つのトラッキング電極を備えており、前記制御部は、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の比較結果に基づいて前記断線パターンに対する前記センサの前記第一方向の位置の適否を判断し、当該判断結果に基づいて前記センサの移動方向を決定する、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記制御部は、前記センサを、前記一端から離れるべく、前記第一方向と直交する第二方向に規定距離、移動させる移動処理と、前記移動処理の後、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の比較結果に基づいて、前記二つのトラッキング電極の中間に断線パターンが位置するべく、前記センサの第一方向の位置を調整するトラッキング処理と、前記トラッキング処理の後、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する判断処理と、を前記判断処理において前記センサが断線箇所に到達したと判断されるまで繰り返す。
他の好適な態様では、さらに、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の差分値を出力する差分器と、前記差分器からの出力信号を、印加信号で同期検波する同期検波器と、を備え、前記制御部は、前記同期検波器からの出力信号に基づいて前記断線パターンに対する前記センサの前記第一方向の位置の適否を判断する。この場合、前記2以上の電極は、さらに、前記二つのトラッキング電極の間に設けられた一つの断線検知電極を含み、前記制御部は、前記断線検知電極で検知された信号に基づいて、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する、ことが望ましい。また、さらに、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の差分を出力する差分器と、前記差分器からの出力信号を整流する整流素子と、を備え、前記制御部は、前記センサを第一方向に移動させた際の前記整流素子からの出力信号の変化に基づいて、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する、ことも望ましい。
他の本発明のパターン検査装置は、基板上において第一方向に間隔をあけて配設された複数の導電パターンのうち、短絡した導電パターンである短絡パターンにおいて短絡位置を検出するパターン検査装置であって、隣接する二つの短絡パターンそれぞれの一端から交流電圧を印加し、前記二つの短絡パターンおよび短絡部で構成される閉回路に電流を流す印加手段と、前記基板に間隙を介して対向しつつ移動し、周囲に形成される磁界を電圧信号として検知する検知用コイルと、前記検知用コイルで検知された電圧信号に基づいて、前記検知用コイルの移動方向と短絡箇所の判断を行なう制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧信号のレベルに基づいて、前記短絡パターンに対する前記検知用コイルの前記第一方向の位置の適否を判断し、当該判断結果に基づいて前記検知用コイルの移動方向を決定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、断線パターンに対するセンサの第一方向の位置、または、短絡パターンに対する検知用コイルの第一方向の位置の適否を判断しているため、導電パターンの配設態様に関わらず、センサや検知用コイルを導電パターンに沿って移動させることができ、結果として、簡易に断線または短絡位置を特定できる。
本発明が検査対象とする基板の一例を示す図である。 第一実施形態のパターン検査装置の概略構成図である。 センサ位置と出力信号との関係を示す図である。 センサ位置とトラッキング信号との関係を示す図である。 断線位置特定の流れを示すフローチャートである。 第二実施形態のパターン検査装置の概略構成図である。 センサ位置と断線検知信号との関係を示す図である。 第二実施形態における断線位置特定の流れを示すフローチャートである。 第三実施形態のパターン検査装置の概略構成図である。 センサ位置とトラッキング信号および断線検知信号との関係を示す図である。 第四実施形態のパターン検査装置の概略構成図である。 検知用コイルとトラッキング信号および短絡検知信号との関係を示す図である。 第四実施形態における断線位置特定の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のパターン検査装置10は、フラットパネルディスプレイなどに用いられるガラス基板に形成された導電パターン110の良否検査に用いられる検査装置で、特に、断線位置の特定に有用な構成となっている。このパターン検査装置10について詳説する前に、本実施形態で検査対象としている基板の構成について簡単に説明する。
図1は、フラットパネルディスプレイに用いられる基板の概略構成図である。この基板は、複数の導電パターン110aがY方向に配設された第一層、複数の導電パターン110bがX方向に配された第二層、および、第一層と第二層の間に介在する絶縁層がZ方向に積層されて構成される。
第一層に形成された導電パターン110aおよび第二層に形成された導電パターン110b(以下、両者を区別しない場合は添字アルファベットを省略して「導電パターン110」という)は、画素領域E1において、互いに交差するように配設されている。この両層の導電パターン110a,110bの交差点によって1画素が形成され、これらの画素の集まりによって可視像が表示される画素領域E1が構成される。この画素領域E1内において、導電パターン110は、所定の第一間隔をあけて平行に並んでいる。
各導電パターン110は、画素領域E1の外側において、駆動IC(図示せず)に接続される。この駆動ICの接続端子は、画素領域E1における導電パターン110の配設ピッチよりも大幅に小さいピッチで並んでいる。そのため、複数の導電パターン110は、駆動ICとの接続のため、画素領域E1の外側において、その配設ピッチが大幅に絞られることになる。その結果、画素領域E1の外側には、複数の導電パターン110が第一間隔より小さい第二間隔をあけて平行に並んだ接続領域E2と、導電パターン110間の間隔が第一間隔から第二間隔に徐々に変化していく中間領域E3と、が形成される。この中間領域E3において、殆どの導電パターン110はX軸またはY軸に対して傾斜して配設されており、互いに隣接する導電パターン110の配設角度は異なることになる。
各導電パターン110の他端(駆動ICに接続されない側の端部)には、導電パッド112が設けられている。この導電パッド112は、導電パターン110よりも幅広に形成されており、各種検査用信号の供給や検出に利用される。
次に、この基板に形成された導電パターン110を検査するパターン検査装置10の構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態のパターン検査装置10の概略構成を示す図である。なお、図2では、第二層の導電パターン110bの図示を省略している。以下では、この図2に基づいて、第一層の導電パターン110の断線位置特定の原理についてのみ説明するが、この特定原理は、第二層の導電パターン110bでも同様である。
既述した通り、このパターン検査装置10は、断線が生じている導電パターン110のうち、断線がどこで発生しているかを特定する断線位置の特定に特に有用な構成となっている。なお、以下では、断線位置特定についてのみ詳説するが、パターン検査装置10に、断線位置の特定機能の他に、断線や短絡の有無の判断機能、短絡位置の特定機能などを搭載してもよい。
パターン検査装置10は、断線している導電パターン110に交流電圧を印加する印加機構12、当該印加された交流電圧を検知するセンサ14、センサ14での検知信号に対して所定の処理を施して出力する信号処理回路、センサ14を駆動するセンサ駆動機構16、およびこれらを制御する制御部18などを備えている。
印加機構12は、断線している導電パターン110の一端(本実施形態では導電パッド112)から検査用の交流電圧を印加する機構である。この印加機構12は、例えば、導電パッド112に接触する接触子20と、接触子20を介して導電パターン110に交流電圧を供給する交流電源22などから構成される。なお、本実施形態では、接触子20を用いた接触式で電圧印加しているが、導電パターン110と静電結合する電極を用いて非接触式で電圧印加するようにしてもよい。
センサ14は、印加された交流電圧を検知するもので、制御部18は、この検知結果に基づいて、センサ14の移動方向や断線位置を特定する。センサ14は、Y方向(すなわち導電パターン110の配設方向)に並んだ三つの電極30a,30b,32を有している。断線位置検査の際、このセンサ14は、センサ駆動機構16により、移動させられる。その移動方向は、後に詳説するように、各電極30a,30b,32からの検出信号に基づいて決定される。
三つの電極のうち、両側の二つの電極30a,30bは、センサ14をトラッキングするための信号を検知するトラッキング電極として機能する。なお、二つを区別しない場合は添え字アルファベットを省略して「トラッキング電極30」という。また、便宜上、図2において上側に図示したトラッキング電極30aを第一トラッキング電極、下側に図示したトラッキング電極30bを第二トラッキング電極という。また、二つのトラッキング電極30a,30bの間に配された電極32は、導電パッド112からセンサ14の現在位置までの間に断線が生じているか否かを判断するための信号を検知する断線検知電極として機能する。
二つのトラッキング電極30で検知された信号は、差動増幅器34および同期検波器36を介してトラッキング信号Saとして制御部18に入力される。差動増幅器34は、二つのトラッキング電極30で検知された信号の差分を増幅して出力する。同期検波器36は、この差動増幅器34からの出力信号を、導電パターン110に印加された信号で同期検波する。制御部18は、この同期検波器36から出力されるトラッキング信号Saに基づいて、センサ14を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング処理を行う。
二つのトラッキング電極30および一つの断線検知電極32で検知された信号は、二つの差動増幅器38,40と、一つの加算器42、および、一つの同期検波器44を介して、断線検知信号Sbとして制御部18に入力される。二つの差動増幅器38,40は、断線検知電極32での検出信号と、トラッキング電極30での検出信号と、の差分を増幅して出力する。本実施形態では、断線検知電極32での検出信号を、各差動増幅器の−入力に接続している。加算器42は、この二つの差動増幅器38,40からの出力信号を加算する。同期検波器44は、この加算器42からの出力信号を、導電パターン110に印加された信号で同期検波する。制御部18は、この同期検波器44から出力される断線検知信号Sbに基づいて、導電パッド112からセンサ14の現在位置までの間で断線が生じているか否か(換言すれば、センサ14が断線箇所に到達しているか否か)を判断する。
次に、このパターン検査装置10で、断線位置を特定する場合の原理について説明する。はじめに、トラッキング信号Saについて、図3、図4を参照して説明する。図3は、センサ14の位置と差動増幅器34から出力される信号Skとの関係を示す図である。また、図4は、センサ14の位置とトラッキング信号Saとの関係を示す図である。
本実施形態において、三つの電極30a,30b,32が設けられたセンサ14は、基板と間隙を介して対向配置されており、各電極30a,30b,32は、対向する導電パターン110と静電結合できるようになっている。したがって、一つの電極の真下に電圧印加された導電パターン110が位置していれば、当該一つの電極には印加電圧に対応した電圧が誘起されるし、一つの電極の真下に電圧印加された導電パターン110が位置していなければ、当該一つの電極には殆ど電圧が誘起されないことになる。
図3における状況1のように、第一トラッキング電極30aの真下に導電パターン110が位置する場合、第一トラッキング電極30aには印加電圧に対応した交流電圧が誘起され、導電パターン110から離れた位置にある第二トラッキング電極30bには殆ど電圧が誘起されないことになる。そのため、この状況1において、第一トラッキング電極30aの検知信号から第二トラッキング電極30bの検知信号を減算した信号である信号Skは、図3の一段目に示すように、印加信号と同期した交流信号となる。
逆に、図3における状況3のように、第二トラッキング電極30bの真下に導電パターン110が位置する場合、第二トラッキング電極30bには印加電圧に対応した交流電圧が誘起され、導電パターン110から離れた位置にある第一トラッキング電極30aには殆ど電圧が誘起されないことになる。そのため、この状況3において、信号Skは、図3の三段目に示すように、印加信号と逆位相の交流信号となる。
さらに、図3における状況2のように、断線検知電極32の真下に導電パターン110が位置する場合、第一、第二トラッキング電極30a,30bには、ほぼ同じレベルの交流電圧が誘起されることになる。換言すれば、二つのトラッキング電極30a,30bの検知信号に差分が殆どないことになる。そのため、この状況2においては、二つのトラッキング電極30a,30bの差分を示す信号Skは、図3の二段目に示すように、ほぼ0となる。
トラッキング信号Saは、この信号Skに、印加信号(交流電圧)に同期したパルス信号(図3の四段目参照)を乗算し、信号Skを印加信号で同期検波した信号である。そのため、このトラッキング信号Saは、図4に示すように、導電パターン110の真上に、断線検知電極32が位置している場合にはほぼ0となり、第一トラッキング電極30aが位置している場合にはプラスの値となり、第二トラッキング電極30bが位置している場合にはマイナスの値となる。つまり、トラッキング信号Saの値によって、導電パターン110に対するセンサ14のY方向の位置を判断することができる。
本実施形態では、この原理を利用して、導電パターン110に対するセンサ14のY方向の位置を判断し、断線検知電極32が導電パターン110の真上に位置するべくセンサ14のY方向位置を調整するトラッキング処理を行なっている。具体的には、トラッキング信号Saの値がプラスの場合は、Y方向プラス側(第一トラッキング電極30a側)にセンサ14を微小移動させ、トラッキング信号Saの値がマイナスの場合は、Y方向マイナス側(第二トラッキング電極30b側)にセンサ14を微小移動させる処理を、トラッキング信号Saの値がほぼ0になるまで繰り返す。かかるトラッキング処理を行なうことで、途中で屈曲するような形状の導電パターン110であっても、導電パターン110に対するセンサ14のY方向位置を常に適切に保つことができる。
なお、各電極での検知信号には、通常、高周波のノイズが含まれており、こうしたノイズが測定精度の低下を招く。しかし、本実施形態では、二つのトラッキング電極30a,30bの検知信号の差分をとる際に、両検知電極に含まれるノイズが相殺される。その結果、良好なS/N比を得ることができる。
次に、断線検知信号Sbについて説明する。本実施形態では、導電パターン110の真上に断線検知電極32を位置させた状態で、当該断線検知電極32で検知される信号に基づいて、断線の有無を判断している。すなわち、信号印加箇所からセンサ14の現在位置までの間に断線が発生していない場合、断線検知電極32は、電圧が印加された導電パターン110と対向することになる。その結果、断線検知電極32には、印加電圧に対応した電圧が誘起されることになる。一方、導電パターン110のうち断線位置を越えた箇所には、交流電圧は誘起されない。したがって、センサ14が、断線位置を越えた場合には、断線検知電極32と対向する導電パターン110には交流電圧が誘起されておらず、当該断線検知電極32にも電圧は誘起されないことになる。したがって、断線検知電極32での検知信号をみることによって、センサ14が断線位置を越えたか否かを判断することができる。
ただし、上記したように、各電極での検知信号には、通常、高周波のノイズが含まれており、こうしたノイズが測定精度の低下を招く。そこで、本実施形態では、断線検知電極32とトラッキング電極30a,30bとの差分をとり、これら電極の検知信号に含まれるノイズを相殺している。
本実施形態では、断線検知電極32の出力信号を、差動増幅器38,40の−入力に入力しているため、センサ14が断線位置を超えていない場合、各差動増幅器38,40からは、印加信号とは逆相、かつ、ノイズ除去された信号が出力されることになる。この印加信号と逆相かつノイズ除去された信号を、加算器42で加算し、同期検波器44で同期検波することにより、マイナスの信号が出力される。つまり、本実施形態において、センサ14が断線位置を超えていない場合、断線検知信号Sbは、マイナスの値をとる。
一方、センサ14が断線位置を超えている場合には、いずれの電極30a,30b,32にも殆ど電圧が誘起されないことになる。その結果、各差動増幅器38,40からの出力信号はほぼ0となり、同期検波器44から出力される断線検知信号Sbもほぼ0となる。
つまり、本実施形態によれば、断線検知信号Sbがマイナスの場合には、センサ14が断線位置を超えていないと判断でき、断線検知信号Sbがほぼ0の場合には、センサ14が断線位置を超えていると判断することができる。
本実施形態では、これら原理を利用して、断線位置の特定を行なっている。具体的な断線位置特定の流れについて図5を参照して説明する。図5は、断線位置特定の流れを示すフローチャートである。
断線位置を特定する場合には、まず、断線が発生している導電パターン110の一端(信号を印加箇所の近傍)の真上にセンサ14を移動させる(S10)。次に、センサ14を、X方向マイナス側(導電パッド112から離れる側)に、規定距離dだけ、移動させる(S12)。この規定距離dは、断線位置の特定に際して要求される分解能に応じて決定される。例えば、断線位置が、10mm程度の分解能で特定できればよいのであれば、規定距離dは、この分解能よりもやや低い値、例えば、5mmなどに設定すればよい。
センサ14をX方向マイナス側に移動させれば、続いて、断線検知電極32を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング処理(S14〜S18)を実行する。すなわち、画素領域のように、導電パターン110がX方向に平行に延びている場合には、センサ14をX方向に移動させても、断線検知電極32を導電パターン110の真上に位置したままである。しかし、中間領域のように導電パターン110がX方向と非平行となっている場合、センサ14をX方向に移動させると、断線検知電極32の導電パターン110に対するY方向位置がずれてしまう。そこで、本実施形態では、センサ14をX方向マイナス側に移動させるたびに、断線検知電極32を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング処理を実行し、断線検知電極32を常に導電パターン110の真上に位置させている。
トラッキング処理では、まず、トラッキング信号Saの値を確認する(S14)。トラッキング信号Saがプラスの値を示す場合、導電パターン110の真上に断線検知電極32が位置しておらず、第一トラッキング電極30a側にずれていることになる。この場合、センサ14をY方向プラス側(図2における上方向)に微小移動させる(S16)。また、トラッキング信号Saがマイナスの値を示す場合、センサ14が第二トラッキング電極30b側にずれていることになる。この場合、センサ14をY方向マイナス側(図2における下方向)に微小移動させる(S18)。そして、再度、トラッキング信号Saを求め、最終的にトラッキング信号Saがほぼ0となるまで、これら動作を繰り返す。
トラッキング信号Saがほぼ0となれば、続いて、センサ14が断線位置に到達したかを判断する判断処理を実行する。判断処理では、断線検知信号Sbの値を確認する(S20)。断線検知信号Sbが0未満の場合、センサ14は断線位置を超えていないと判断し、ステップS12に戻る。一方、断線検知信号Sbが、ほぼ0の場合、制御部18は、センサ14が断線位置に到達した判断し、当該センサ14の位置を断線位置として特定する(S22)。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態では、センサ14が断線位置に到達したか否かを判断する前に、センサ14を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング動作を行っている。その結果、図1に示すような途中で屈曲する導電パターン110を対象とする場合であっても、センサ14の位置を常に適切に保つことができる。そして、これにより、導電パターン110の配設態様に関わらず、簡易に断線位置を特定できる。
また、本実施形態では、二つの電極で検知された信号を差動器に入力しているため、両検知信号に含まれたノイズを相殺除去することができる。そして、その結果、良好なS/N比を得ることができる。
次に、第二実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第二実施形態のパターン検査装置10の概略構成を示す図である。このパターン検査装置10は、第一実施形態のパターン検査装置10と同様に、断線位置を特定するための装置である。ただし、第一実施形態と異なり、本実施形態では、センサ14に、二つのトラッキング電極30a,30bのみを設けており、当該二つのトラッキング電極30a,30bの間に断線検知電極32は設けていない。
そして、本実施形態では、第一実施形態と同様に、二つのトラッキング電極30a,30bから差動増幅器34、差動増幅器34から同期検波器36を経て出力される信号をトラッキング信号Saとしてトラッキング処理に利用している。また、第一実施形態と異なり、本実施形態では、二つのトラッキング電極30a,30bから差動増幅器34、差動増幅器34からダイオードを経て出力される信号を、断線検知信号Sbとして断線の有無判断処理に利用している。
次に、このパターン検査装置10で、断線位置特定の原理について説明する。本実施形態で得られるトラッキング信号Saは、図3,4を用いて説明したトラッキング信号Saと同様の特性を有する。すなわち、導電パターン110の真上にセンサ14中央(二つのトラッキング電極30a,30bの中間)が位置していれば、トラッキング信号Saは、ほぼ0となる。一方、センサ14が第一トラッキング電極30a側にずれているとトラッキング信号Saはプラスの値を、センサ14が第二トラッキング電極30b側にずれているとトラッキング信号Saはマイナスの値となる。制御部18は、このトラッキング信号Saに基づいて、導電パターン110の真上にセンサ14中央が位置するべくセンサ14のY方向位置を調整する。
次に、本実施形態における断線検知信号Sbについて説明する。本実施形態における断線検知信号Sbは、二つのトラッキング電極30a,30bの差分信号を整流させた信号である。ここで、センサ14が断線位置を超えた場合には、当然、二つのトラッキング電極30a,30bには、電圧が殆ど誘起されないことになるため、得られる断線検知信号Sbもほぼ0となる。
次に、センサ14が断線位置を超えていない場合を図7を参照して説明する。センサ14が断線位置を超えず、かつ、導電パターン110の真上にセンサ14の中央が位置している場合、差動増幅器34からの出力信号は、ほぼ0となるので、ダイオード46から出力される断線検知信号Sbもほぼ0となる。一方、センサ14が断線位置を超えない状態で、センサ14が第一トラッキング電極30a側、または、第二トラッキング電極30b側にずれている場合、差動増幅器34からは、一定のレベルの交流信号が出力されることになる。この交流信号を順方向に配置したダイオード46に入力し、整流することにより、プラスの断線検知信号Sbが得られることになる。つまり、センサ14が断線位置を超えていない場合、センサ14をY方向に動かすと、断線検知信号Sbの値が変動することになる。
本実施形態では、この特性を利用し、センサ14をY方向に移動させた際の断線検知信号Sbの変動に基づいて、センサ14が断線位置に到達したか否かを判断している。
図8は、このパターン検査装置10での断線位置特定の流れを示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS10〜ステップS18は、図5と同じである。すなわち、断線位置特定の際には、まず、対象となる導電パターン110の一端の真上にセンサ14を位置させる(S10)。続いて、センサ14をX方向マイナス側に規定距離dだけ移動させる(S12)。続いて、トラッキング信号Saに基づいて、センサ14の中央真下に導電パターン110が位置するべく、センサ14のY方向位置を調整するトラッキング動作を実行する(S14〜S18)。
トラッキング信号Saがほぼ0となり、センサ14の中央真下に導電パターン110が位置すると判断できた場合には、続いて、センサ14が断線位置に到達したか否かを判断する判断処理を実行する(S20〜S26)。判断処理においては、まず、センサ14をY方向プラス側に規定距離eだけ移動させる(S20)。この規定距離eの値は、特に限定されないが、二つのトラッキング電極30a,30bのY方向間隔の1/2であることが望ましい。かかる値とすることで、ステップS20において、導電パターン110の真上にトラッキング電極30bを位置させることができる。
センサ14をY方向プラス側に移動させれば、続いて、そのときの断線検知信号Sbを確認する(S22)。断線検知信号Sbが、0でなく、一定の大きさ以上のプラスの信号の場合、制御部18は、センサ14が断線位置に到達していないと判断する。この場合、制御部18は、センサ14を規定距離eだけ、Y方向マイナス側に移動させて(S24)、センサ14中央真下に導電パターン110を位置させてから、ステップS12に戻る。
一方、断線検知信号Sbが、ほぼ0の場合、制御部18は、センサ14が断線位置に到達したと判断する。この場合、制御部18は、現在のセンサ14位置を断線位置として特定し、処理を終了する(S26)。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態でも、センサ14を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング動作を行っているため、途中で屈曲する導電パターン110が対象であっても、センサ14を導電パターン110に沿って移動させることができる。そして、これにより、導電パターン110の配設態様に関わらず、簡易に断線を特定できる。
また、本実施形態のように、電極を二つだけとしても、断線の有無を的確に判断できる。さらに、本実施形態でも、第一実施形態と同様に、二つの電極で検知された信号を差動器に入力しているため、両検知信号に含まれたノイズを相殺除去することができ、良好なS/N比を得ることができる。
次に、第三実施形態について図9を参照して説明する。図9は、第三実施形態のパターン検査装置10の概略構成を示す図である。このパターン検査装置10は、第一、第二実施形態のパターン検査装置10と同様に、断線位置を特定するための装置である。ただし、第一実施形態と異なり、本実施形態では、センサ14に、二つのトラッキング電極30a,30bのみを設けており、当該二つのトラッキング電極30a,30bの間に断線検知電極32は設けていない。また、本実施形態では、第一、第二実施形態と異なり、差動増幅器を通さない構成となっている。
すなわち、本実施形態では、第一トラッキング電極30aからの出力信号を増幅器48で増幅し、その増幅信号を順方向に配置された第一ダイオード52で整流している。また、第二トラッキング電極30bからの出力信号を増幅器50で増幅し、その増幅信号を逆方向に配置された第二ダイオード54で整流している。そして、第一、第二ダイオード52,54からの出力信号を加算器58で加算した信号をトラッキング信号Saとしている。また、第一ダイオード52の出力信号から第二ダイオード54からの出力信号を引いた差分信号を断線検知信号Sbとしている。
図10は、本実施形態におけるセンサ14の位置とトラッキング信号Saおよび断線検知信号Sbの関係を示す図である。はじめにトラッキング信号Saについて説明する。センサ14が断線位置を超えておらず、導電パターン110の真上にセンサ14の中央が位置している場合を考える。この場合、各ダイオード52,54から出力される信号は、いずれも0である。したがって、この二つのダイオード52,54からの出力信号を加算したトラッキング信号Saも、ほぼ0となる。
一方、導電パターン110の真上に第一トラッキング電極30aが位置している場合、第一トラッキング電極30aには印加電圧に対応した交流電圧が誘起され、第二トラッキング電極30bには殆ど電圧が印加されない状態となる。この場合、第一ダイオード52からは、所定レベルのプラスの信号が、第二ダイオード54からはほぼ0の信号が出力される。そして、これら二つの信号を加算したトラッキング信号Saは、プラスの値となる。逆に、導電パターン110の真上に第二トラッキング電極30bが位置している場合、第一ダイオード52からは、ほぼ0の信号が、第二ダイオード54からは所定レベルのマイナスの信号がされる。そして、これら二つの信号を加算したトラッキング信号Saは、マイナスの値となる。
したがって、センサ14が断線位置を超えていない場合、トラッキング信号Saは、論理的には図10の右側において太線で図示するように、導電パターン110の真上にセンサ14の中央が位置していればほぼ0となり、センサ14がY方向にずれている場合には、そのズレ量に応じた大きさ、かつ、ズレ方向に応じたプラスまたはマイナスの信号となる。ただし、本実施形態では、二つのトラッキング電極30a,30bの検知信号の差分を取っていないため、トラッキング信号Saには、各電極の検知信号に含まれるノイズが、そのまま残ることになる。したがって、実際に得られるトラッキング信号Saは、図10の右側において細線で図示するようなノイズを含んだ信号となる。
次に、断線検知信号Sbについて説明する。センサ14が断線位置を超えた場合、センサ14のY方向位置に関わらず、各電極が、電圧印加された導電パターン110と対向することができない。そのため、この場合、センサ14のY方向位置に関わらず、得られる断線検知信号Sbは、ほぼ0となる。
また、センサ14が断線位置を超えておらず、導電パターン110の真上にセンサ14の中央が位置している場合にも、各電極は、導電パターン110から離れているため、各電極に誘起される電圧は低くなる。したがって、この場合も、各電極で検知される信号はほぼ0となり、得られる断線検知信号Sbもほぼ0となる。
一方、センサ14が断線位置を超えておらず、導電パターン110の真上に第一トラッキング電極30aが位置する場合を考える。この場合、第一トラッキング電極30aには一定のレベルの交流電圧が誘起され、第二トラッキング電極30bには電圧は殆ど誘起されない。その結果、第一ダイオード52からはプラスの信号が、第二ダイオード54からはほぼ0の信号が出力される。そして、これらの差分信号である断線検知信号Sbは、プラスの信号となる。
また、センサ14が断線位置を超えておらず、導電パターン110の真上に第二トラッキング電極30bが位置する場合を考える。この場合、第二トラッキング電極30bには一定のレベルの交流電圧が誘起され、第一トラッキング電極30aには電圧は殆ど誘起されない。その結果、第二ダイオード54からはマイナスの信号が、第一ダイオード52からはほぼ0の信号が出力される。そして、この第二ダイオード54からの出力は、差分器56のマイナス入力に接続されているため、差分器56からは断線検知信号Sbとしてプラスの信号が出力される。
したがって、センサ14が断線位置を超えていない場合には、断線検知信号Sbは、論理的には、図10の中央において太線で図示するように、導電パターン110の真上にセンサ14中央が位置していれば、ほぼ0の、センサ14が導電パターン110に対してY方向にずれている場合にはプラスの信号となる。ただし、既述したとおり、本実施形態では、二つのトラッキング電極30a,30bの検知信号の差分を取っていないため、実際の断線検知信号Sbには、図10の中央において細線で図示するようにノイズが残る。
制御部18は、このトラッキング信号Saに基づいてセンサ14のY方向位置を調整するトラッキング処理を行い、断線検知信号Sbに基づいてセンサ14が断線位置に到達したか否かを判断する判断処理を行なう。そして、これらトラッキング処理、判断処理、および、センサ14をX方向に移動させる移動処理を繰り返すことで、断線位置の特定を行う。断線位置特定の具体的なフローは、図8と同じであるため、ここでの詳説は省略する。
いずれにしても、本実施形態でも、センサ14を導電パターン110の真上に位置させるトラッキング動作を行っているため、途中で屈曲する導電パターン110が対象であっても、センサ14を導電パターン110に沿って移動させることができる。そして、これにより、導電パターン110の配設態様に関わらず、簡易に断線を特定できる。
次に、第四実施形態について図11を参照して説明する。図11は、第四実施形態のパターン検査装置10の概略構成を示す図である。このパターン検査装置10は、第一〜三実施形態のパターン検査装置10と異なり、短絡位置を特定するための装置である。
このパターン検査装置10は、互いに短絡している二つの導電パターン110に交流電圧を印加する印加機構12と、基板に間隙を介して対向しつつ移動する検知用コイル60と、を備えている。印加機構12は、例えば、導電パターン110の一端(本実施形態では導電パッド112)に接触する二つの接触子20a,20bと、接触子20a,20bを介して導電パターン110に交流電圧を供給する交流電源22などから構成される。二つの接触子20a,20bを介して交流電圧が印加されることにより、互いに短絡した二つの導電パターン110および短絡部分(ショートブリッジ)で構成される閉回路(図11において太線で示す回路)が形成され、当該閉回路内に電流が流れることになる。そして、電流が流れることにより、二つの導電パターン110の周囲には電流の向きおよび大きさに応じた磁界が形成されることになる。
検知用コイル60は、導電パターン110の周囲に形成された磁界を、電圧値として検知するコイル60である。すなわち、検知用コイル60を導電パターン110の周囲に形成された磁界内に位置させると、検知用コイル60には、当該磁界に対応した電流が流れる。そして、検知用コイル60には、この電流に対応した大きさの電圧が誘起されることになる。
検知用コイル60の一端は差動増幅器62のプラス入力に、検知用コイル60の他端は差動増幅器62のマイナス入力にそれぞれ接続されている。この差動増幅器62からの出力信号を、同期検波器64は印加信号で同期検波する。この同期検波器64からの出力信号が、トラッキング信号Saとして制御部18に入力される。
また、差動増幅器62からの出力信号は、順方向に配置されたダイオード66で整流される。この整流後の信号は、短絡の有無を判断する際に利用される短絡検知信号Sbとして制御部18に入力される。制御部18は、トラッキング信号Saに基づいて、検知用コイル60のY方向位置を制御し、短絡検知信号Sbに基づいて、検知用コイル60が短絡箇所を越えたか否かを判断する。
図12は、この検知用コイル60の位置と得られる信号との関係を示す図であり、図の右側はトラッキング信号Saを、中央は短絡検知信号Sbをそれぞれ示している。
はじめにトラッキング信号Saについて説明する。図11に示すように互いに短絡している二つの導電パターン110の周囲に生じる磁界の向きは、互いに逆方向となる。そのため、二つの導電パターン110の中間においては磁界の打ち消しが生じる。したがって、検知用コイル60が、二つの導電パターン110の中間に位置している場合、検知用コイル60に誘起される電圧はほぼ0となる。一方、検知用コイル60が、いずれか一方の導電パターン110側にずれている場合、当該検知用コイル60の周囲で磁界の打ち消しは生じず、検知用コイル60には一定レベルの交流電圧が誘起される。その結果、トラッキング信号Saは、検知用コイル60が一方の導電パターン110側(図11における上側の導電パターン110側)にずれている場合にはプラスの信号となり、検知用コイル60が他方の導電パターン110側(図11における下側の導電パターン110側)にずれている場合にはマイナスの信号となる。制御部18は、この原理に基づき、トラッキング信号Saの値がほぼ0になるべく、検知用コイル60のY方向の位置を制御する。
次に、短絡検知信号Sbについて説明する。既述したとおり、検知用コイル60が、二つの導電パターン110の中間に位置している場合には、検知用コイル60に誘起される電圧はほぼ0となる。一方、検知用コイル60が、いずれか一方の導電パターン110側にずれている場合、検知用コイル60には一定レベルの交流電圧が誘起される。この交流電圧は、順方向に配置されたダイオードを通過する過程でプラスの信号に変換される。そのため、結果として、短絡検知信号Sbは、検知用コイル60がずれている場合には当該ズレ量に応じた大きさのプラスの信号となる。なお、当然ながら、検知用コイル60が短絡箇所を越えると、当該検知用コイル60には殆ど電圧が誘起されないため、短絡検知信号Sbもほぼ0となる。制御部18は、この原理に基づいて、検知用コイル60をY方向に動かし、その際に得られる短絡検知信号に変動がある場合には短絡箇所を超えておらず、短絡検知信号が殆ど変動しない場合は、短絡箇所を超えたと判断する。
図13は、本実施形態における短絡位置特定の流れを示すフローチャートである。短絡位置を特定する場合には、まず、互いに短絡した二つの導電パターン110の間であって端部付近(導電パッド112近傍)に、検知用コイル60を位置させる(S10)。その状態で、検知用コイル60を、X方向マイナス側(導電パッド112から離れる側)に規定距離dだけ移動させる(S12)。
検知用コイル60をX方向マイナス側に移動させれば、続いて、検知用コイル60を二つの導電パターン110の間に位置させるトラッキング処理を実行する(S14〜S18)。具体的には、トラッキング信号Saの値を確認する(S14)。確認の結果、トラッキング信号Saがほぼ0であれば、検知用コイル60が適切な位置にあると判断する。一方、トラッキング信号Saがプラスの値であれば、Y方向マイナス側に、マイナスの値であればY方向プラス側に、それぞれ、検知用コイル60を微小距離移動させる(S16、S18)。そして、再度、トラッキング信号Saの値を確認する作業を、トラッキング信号Saがほぼ0となるまで繰り返す。
トラッキング信号Saがほぼ0となり、検知用コイル60が二つの導電パターン110の間に位置していると判断できれば、続いて、検知用コイル60が短絡箇所に到達したか否かを判断する判断処理を実行する。具体的には、検知用コイル60をY方向プラス側に移動する(S20)。この移動量は、導電パターン110の配設ピッチの1/2とし、ステップS22において検知用コイル60が一方の導電パターン110の真上に位置するようにすることが望ましい。そして、その状態で、短絡検知信号Sbの値を確認する(S22)。確認の結果、短絡検知信号Sbが、ほぼ0でない場合には、検知用コイル60は短絡箇所に到達していないと判断する。この場合は、検知用コイル60をY方向マイナス側に移動して(S24)、元の位置に戻した後、ステップS12に戻る。一方、短絡検知信号Sbがほぼ0の場合には、検知用コイル60が短絡箇所に到達したと判断し、この時点の検知用コイル60の位置を短絡箇所として特定する(S26)。
以上の説明から明らかなとおり、短絡位置特定においても、検知用コイル60の位置を二つの導電パターン110の間に位置させるトラッキング動作を行っているため、途中で屈曲する導電パターン110が対象であっても、検知用コイル60を導電パターン110に沿って移動させることができる。そして、これにより、導電パターン110の配設態様に関わらず、簡易に短絡位置を特定できる。
10 パターン検査装置、12 印加機構、14 センサ、16 センサ駆動機構、18 制御部、20 接触子、22 交流電源、30a,30b トラッキング電極、32 断線検知電極、34,38,40,62 差動増幅器、36,44,64 同期検波器、42,58 加算器、46,52,54,66 ダイオード、48,50 増幅器、56 差分器、60 検知用コイル、110 導電パターン、112 導電パッド。

Claims (6)

  1. 基板上において第一方向に間隔をあけて配設された複数の導電パターンのうち、断線が生じた導電パターンである断線パターンにおける断線位置を検出するパターン検査装置であって、
    前記断線パターンの一端から交流電圧を印加する印加手段と、
    前記基板に間隙を介して対向しつつ移動するセンサであって、少なくとも、2以上の電極を備えたセンサと、
    前記電極で検知された信号に基づいて、前記センサの移動方向と断線箇所の判断を行なう制御部と、
    を備え、
    前記2以上の電極は、少なくとも、前記第一方向に配設された二つのトラッキング電極を備えており、
    前記制御部は、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の比較結果に基づいて前記断線パターンに対する前記センサの前記第一方向の位置の適否を判断し、当該判断結果に基づいて前記センサの移動方向を決定する、
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  2. 請求項1に記載のパターン検査装置であって、
    前記制御部は、
    前記センサを、前記一端から離れるべく、前記第一方向と直交する第二方向に規定距離、移動させる移動処理と、
    前記移動処理の後、前記二つのトラッキング電極で検知された信号の比較結果に基づいて、前記二つのトラッキング電極の中間に断線パターンが位置するべく、前記センサの第一方向の位置を調整するトラッキング処理と、
    前記トラッキング処理の後、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する判断処理と、
    を前記判断処理において前記センサが断線箇所に到達したと判断されるまで繰り返す、ことを特徴とするパターン検査装置。
  3. 請求項1または2に記載のパターン検査装置であって、さらに、
    前記二つのトラッキング電極で検知された信号の差分値を出力する差分器と、
    前記差分器からの出力信号を、印加信号で同期検波する同期検波器と、
    を備え、
    前記制御部は、前記同期検波器からの出力信号に基づいて前記断線パターンに対する前記センサの前記第一方向の位置の適否を判断する、
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のパターン検査装置であって、
    前記2以上の電極は、さらに、前記二つのトラッキング電極の間に設けられた一つの断線検知電極を含み、
    前記制御部は、前記断線検知電極で検知された信号に基づいて、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する、
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載のパターン検査装置であって、さらに、
    前記二つのトラッキング電極で検知された信号の差分を出力する差分器と、
    前記差分器からの出力信号を整流する整流素子と、
    を備え、
    前記制御部は、前記センサを第一方向に移動させた際の前記整流素子からの出力信号の変化に基づいて、前記センサが断線箇所に到達したか否かを判断する、
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  6. 基板上において第一方向に間隔をあけて配設された複数の導電パターンのうち、短絡した導電パターンである短絡パターンにおいて短絡位置を検出するパターン検査装置であって、
    隣接する二つの短絡パターンそれぞれの一端から交流電圧を印加し、前記二つの短絡パターンおよび短絡部で構成される閉回路に電流を流す印加手段と、
    前記基板に間隙を介して対向しつつ移動し、周囲に形成される磁界を電圧信号として検知する検知用コイルと、
    前記検知用コイルで検知された電圧信号に基づいて、前記検知用コイルの移動方向と短絡箇所の判断を行なう制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電圧信号のレベルに基づいて、前記短絡パターンに対する前記検知用コイルの前記第一方向の位置の適否を判断し、当該判断結果に基づいて前記検知用コイルの移動方向を決定する、
    ことを特徴とするパターン検査装置。
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