JP2009228531A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気バルブに堆積したデポジットをより確実に除去することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置26は、吸気バルブ9に堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたときには、吸気バルブ9の閉弁中にポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を行うとともに、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たるように筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射を行うデポジット除去処理を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】電子制御装置26は、吸気バルブ9に堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたときには、吸気バルブ9の閉弁中にポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を行うとともに、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たるように筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射を行うデポジット除去処理を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
吸気バルブには、未燃燃料やブローバイガス、あるいは潤滑油等に由来するデポジットが時間経過とともに次第に堆積していき、こうしたデポジットの堆積が進行すると機関運転状態に悪影響を与えることがある。
そこで、例えば特許文献1に記載の内燃機関の制御装置では、次のようにして吸気バルブに堆積したデポジットを除去するようにしている。
この特許文献1に記載の内燃機関は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁と、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁とを備えており、吸気通路用燃料噴射弁及び筒内用燃料噴射弁から噴射される燃料量が機関運転状態に応じて種々変更される。こうした内燃機関において、吸気バルブに対するデポジットの付着が検出されたときには、吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量を、機関運転状態に基づいて設定される通常の燃料量よりも多くして、吸気バルブに堆積したデポジットを除去するようにしている。
特開2006−46172号公報
この特許文献1に記載の内燃機関は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁と、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁とを備えており、吸気通路用燃料噴射弁及び筒内用燃料噴射弁から噴射される燃料量が機関運転状態に応じて種々変更される。こうした内燃機関において、吸気バルブに対するデポジットの付着が検出されたときには、吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量を、機関運転状態に基づいて設定される通常の燃料量よりも多くして、吸気バルブに堆積したデポジットを除去するようにしている。
ところで、上記文献1に記載のものでは、吸気通路用燃料噴射弁から噴射された燃料によって吸気バルブに堆積したデポジットが湿らされることにより、同デポジットは剥離されやすい状態になる。しかし、デポジットが強固に付着している場合などにおいては、吸気通路用燃料噴射弁の噴霧力が比較的弱いため、そうした強固なデポジット等を十分に除去しきれないおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸気バルブに堆積したデポジットをより確実に除去することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁と、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁とを備え、前記吸気通路用燃料噴射弁及び前記筒内用燃料噴射弁から噴射される燃料量が機関運転状態に応じて可変設定される内燃機関の制御装置であって、吸気バルブに堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたか否かを判定し、前記デポジット量が前記デポジット判定値を超えたと判定されるときには、吸気バルブの閉弁中に前記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うとともに、前記筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブに当たるように前記筒内用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うデポジット除去処理を実行することをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁と、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁とを備え、前記吸気通路用燃料噴射弁及び前記筒内用燃料噴射弁から噴射される燃料量が機関運転状態に応じて可変設定される内燃機関の制御装置であって、吸気バルブに堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたか否かを判定し、前記デポジット量が前記デポジット判定値を超えたと判定されるときには、吸気バルブの閉弁中に前記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うとともに、前記筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブに当たるように前記筒内用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うデポジット除去処理を実行することをその要旨とする。
同構成によれば、吸気バルブに堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたと判定される場合には、上記デポジット除去処理の実行によって、吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射が吸気バルブの閉弁中に行われる。これにより、少なくとも吸気バルブが開弁するまでは、吸気通路用燃料噴射弁から噴射された燃料によって吸気バルブに堆積したデポジットが湿潤状態にされ、吸気バルブから剥離しやすい状態にされる。
さらに、上記デポジット除去処理の実行によって、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブに当たるように、筒内用燃料噴射弁からの燃料噴射が行われる。これにより、前もって剥離しやすい状態にされたデポジットに対して筒内用燃料噴射弁からの燃料噴霧が当たり、デポジットが容易に吹き飛ばされるようになる。なお、通常、筒内用燃料噴射弁の噴射圧は、吸気通路用燃料噴射弁の噴射圧と比較して高くされている。また、筒内用燃料噴射弁は、吸気通路用燃料噴射弁と比較して吸気バルブに近い位置に配設されることが多い。こうした理由等により、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料が吸気バルブに当たるときの噴霧力は、吸気通路用燃料噴射弁よりも強くなっており、デポジットは好適に除去される。このように、同構成によれば、吸気バルブに堆積したデポジットをより確実に除去することができるようになる。
ちなみに、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧を開弁中の吸気バルブに当てるには、クランク角に対応して変化する吸気バルブのリフト量や、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料がリフト中の吸気バルブに到達するまでの時間等を考慮して筒内用燃料噴射弁の噴射開始時期を設定すればよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記デポジット除去処理の実行時には、前記吸気通路用燃料噴射弁の噴射開始時期及び噴射停止時期が吸気バルブの開弁開始時期よりも前に設定されることをその要旨とする。
同構成によれば、吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射が吸気バルブの閉弁中に完了するようになるため、吸気通路用燃料噴射弁から噴射された燃料によるデポジットの湿潤効果をさらに高めることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記デポジット除去処理の実行に際して、前記吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が予め設定された燃料量判定値よりも少ないときには、前記吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が、前記デポジット除去処理の実行開始前における燃料量よりも多くされることをその要旨とする。
吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量は機関運転状態に基づいて設定されるのであるが、その燃料量が少ない場合には、デポジットの湿潤が不足してしまう。このようデポジットの湿潤が不足している状態では、噴霧力の強い筒内用燃料噴射弁からの燃料噴射を行っても、デポジットを十分に剥離させることができないおそれがある。この点、同構成では、デポジット除去処理の実行に際して、吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が予め設定された燃料量判定値よりも少なく、デポジットの湿潤が不足するようなときには、デポジット除去処理の実行開始前と比較して、吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が多くされる。従って、吸気バルブに堆積したデポジットを適切な湿潤状態にすることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関は、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて変更する可変リフト機構を備えており、前記デポジット除去処理の実行に際して、前記最大リフト量が予め設定されたリフト量判定値よりも小さいときには、前記最大リフト量が、前記デポジット除去処理の実行開始前における最大リフト量よりも大きくされることをその要旨とする。
吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて変更する可変リフト機構を備える内燃機関にあっては、機関運転状態に応じて吸気バルブの最大リフト量が変化するため、そうした最大リフト量が比較的小さくされる機関運転状態では、筒内用燃料噴射弁から燃料を噴射しても吸気バルブに燃料噴霧が当たらず、デポジットを剥離させることができないおそれがある。この点、同構成では、デポジット除去処理の実行に際して、吸気バルブの最大リフト量が予め設定されたリフト量判定値よりも小さく、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が吸気バルブに当たらないおそれがあるときには、デポジット除去処理の実行開始前と比較して、吸気バルブの最大リフト量が大きくされる。従って、筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が確実に吸気バルブに当たるようになり、デポジットの剥離を確実に行うことができるようになる。
なお、上述したように、デポジット除去処理の実行に際して、吸気バルブの最大リフト量を増大させるときには、請求項5に記載の発明によるように、その最大リフト量の増大に伴う吸入空気量の増加に相当する分だけスロットルバルブの開度を減少させる、といった構成を採用することにより、デポジット除去処理の実行に際して吸気バルブの最大リフト量を大きくした場合でも、吸入空気量の変化を抑えることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、デポジットの堆積による吸入空気量の変化に基づいて前記デポジット量を推定することをその要旨とする。
吸気バルブが開弁しているときの同吸気バルブの傘部とバルブシートとの間の距離は、吸気バルブに堆積したデポジット量が増大するにつれて短くなるため、デポジット量が増大するほど吸入空気量は減少するようになる。従って、同構成によるように、デポジットの堆積による吸入空気量の変化に基づいて上記デポジット量を推定することが可能である。
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、エンジン1の吸気通路3にはスロットルバルブ29が設けられており、スロットルバルブ29の開度がアクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏込量)等に基づき調整されることにより、スロットルバルブ29の開度に対応した量の空気が吸気通路3を介して気筒の燃焼室2に供給される。
図1に示すように、エンジン1の吸気通路3にはスロットルバルブ29が設けられており、スロットルバルブ29の開度がアクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏込量)等に基づき調整されることにより、スロットルバルブ29の開度に対応した量の空気が吸気通路3を介して気筒の燃焼室2に供給される。
エンジン1の吸気通路には、吸気ポートに向けて、より詳細には吸気バルブの傘部に向けて燃料を噴射するポート用燃料噴射弁(吸気通路用燃料噴射弁)4Pが設けられており、エンジン1のシリンダヘッドには、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁4Dが設けられている。
このエンジン1では、ポート用燃料噴射弁4Pや筒内用燃料噴射弁4Dから吸入空気量に対応した量の燃料が噴射されて、燃焼室2内には空気と燃料とからなる混合気が形成される。そして、その混合気に対して点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。そして、燃焼後の混合気は、排気として各燃焼室2から排気通路8に送り出されるようになる。
エンジン1の各気筒において、燃焼室2と吸気通路3との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室2と排気通路8との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。これら吸気バルブ9及び排気バルブ10に関しては、クランクシャフト7の回転が伝達される吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。より詳しくは、吸気バルブ9は、吸気側バルブスプリング40によって閉弁方向に付勢されており、吸気カムシャフト11に固定された吸気カム11aと上記吸気バルブ9との間には、ローラ18を備えたロッカアーム19が設けられている。そして、回転する吸気カム11aがローラ18を押圧することにより、ロッカアーム19はその一端を支持するラッシュアジャスタ20との接点を中心に揺動し、吸気側バルブスプリング40の反力に抗して吸気バルブ9を押圧する。こうしたロッカアーム19による吸気バルブ9の押圧及び吸気側バルブスプリング40の反力によって同吸気バルブ9は開閉動作される。また、排気バルブ10は、排気側バルブスプリング41によって閉弁方向に付勢されており、排気カムシャフト12に固定された排気カム12aと上記排気バルブ10との間にもローラ21を備えたロッカアーム22が設けられている。そして、回転する排気カム12aがロッカアーム22を押圧することにより、同ロッカアーム22はその一端を支持するラッシュアジャスタ23との接点を中心に揺動し、排気側バルブスプリング41の反力に抗して排気バルブ10を押圧する。こうしたロッカアーム22による排気バルブ10の押圧及び排気側バルブスプリング41の反力によって同排気バルブ10は開閉動作される。
吸気カムシャフト11と吸気側のロッカアーム19との間には、吸気バルブ9の最大リフト量VLを可変とする可変リフト機構14が設けられている。この可変リフト機構14は、電動モータ15によってその作動量が制御される。また、電動モータ15には、その駆動量を検出する駆動量検出センサ39が設けられている。
上記可変リフト機構14には、吸気カム11aに当接する入力アーム14a、ロッカアーム19のローラ18に当接する出力アーム14b、及び入力アーム14aと出力アーム14bとの相対位相を連続的に変更する機構であって電動モータ15によりその作動量が制御される位相変更機構などが設けられている。
この可変リフト機構14では、入力アーム14aと出力アーム14bとが互いに接近するように相対位相が変更されることにより、ロッカアーム19の揺動量が減少して、吸気バルブ9の最大リフト量VLは減少するようになる。逆に、入力アーム14aと出力アーム14bとが互いに離間するように相対位相が変更されることにより、ロッカアーム19の揺動量が増大して、吸気バルブ9の最大リフト量VLは増大するようになる。すなわち、入力アーム14aと出力アーム14bとの相対位相を電動モータ15で連続的に変更することにより、図2に示すごとく、吸気バルブ9の最大リフト量VLは、最小値VLminから最大値VLmaxの間で連続的に変更される。
エンジン1には各種センサが設けられている。例えば、アクセルポジションセンサ28により、自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル17の踏み込み量(アクセル踏込量)が検出される。また、スロットルポジションセンサ30により、スロットルバルブ29の開度(スロットル開度TA)が検出される。また、エアフロメータ32により、吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が検出される。また、クランクポジションセンサ34により、クランクシャフト7の回転角度、すなわちクランク角が検出され、その検出信号に基づいて機関回転速度NEが算出される。また、吸気カムシャフト11の近傍に設けられたカム角センサ35により、吸気カムシャフト11の回転位相が検出され、同カム角センサ35及び上記クランクポジションセンサ34の検出値に基づいて気筒判別がなされる。
エンジン1の各種制御は、電子制御装置26によって行われる。この電子制御装置26は、上記各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。その入力ポートには、上記各種センサやスイッチなどの信号線が接続されている。また、出力ポートには、ポート用燃料噴射弁4P、筒内用燃料噴射弁4D、点火プラグ5、スロットルバルブ29、及び可変リフト機構14の電動モータ15の駆動回路等が接続されており、電子制御装置26は、各種センサにて検出された機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうしてポート用燃料噴射弁4Pや筒内用燃料噴射弁4Dの燃料噴射制御、点火プラグ5の点火時期制御、スロットルバルブ29の開度制御、吸気バルブ9の最大リフト量制御等が電子制御装置26によって実施される。
エンジン1の燃料噴射制御は、基本的に以下のようにして行われる。
すなわち、吸入空気量GAや機関回転速度NE等に基づき、所望の空燃比となる燃料噴射量Qが算出されるとともに、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射される燃料の比率であるポート噴射比率RP(0≦RP≦1)が機関運転状態に基づいて算出される。そして、燃料噴射量Qにポート噴射比率RPが乗算されることによりポート用燃料噴射弁4Pから噴射する燃料量であるポート噴射量QPが算出され、そのポート噴射量QPを噴射することのできるポート噴射期間τPが設定される。そして、機関運転状態に基づいて算出されたポート噴射開始時期TPにポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が開始され、ポート噴射期間τPが経過するとポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が停止される。
すなわち、吸入空気量GAや機関回転速度NE等に基づき、所望の空燃比となる燃料噴射量Qが算出されるとともに、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射される燃料の比率であるポート噴射比率RP(0≦RP≦1)が機関運転状態に基づいて算出される。そして、燃料噴射量Qにポート噴射比率RPが乗算されることによりポート用燃料噴射弁4Pから噴射する燃料量であるポート噴射量QPが算出され、そのポート噴射量QPを噴射することのできるポート噴射期間τPが設定される。そして、機関運転状態に基づいて算出されたポート噴射開始時期TPにポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が開始され、ポート噴射期間τPが経過するとポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が停止される。
一方、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射される燃料の比率である筒内噴射比率RDは、次式(1)にて算出される。
筒内噴射比率RD=1−ポート噴射比率RP …(1)
そして、上記燃料噴射量Qに筒内噴射比率RDが乗算されることにより筒内用燃料噴射弁4Dから噴射する燃料量である筒内噴射量QDが算出され、その筒内噴射量QDを噴射することのできる筒内噴射期間τDが設定される。そして、機関運転状態に基づいて算出された筒内噴射開始時期TDに筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射が開始され、筒内噴射期間τDが経過すると筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射が停止される。
筒内噴射比率RD=1−ポート噴射比率RP …(1)
そして、上記燃料噴射量Qに筒内噴射比率RDが乗算されることにより筒内用燃料噴射弁4Dから噴射する燃料量である筒内噴射量QDが算出され、その筒内噴射量QDを噴射することのできる筒内噴射期間τDが設定される。そして、機関運転状態に基づいて算出された筒内噴射開始時期TDに筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射が開始され、筒内噴射期間τDが経過すると筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射が停止される。
なお、ポート用燃料噴射弁4Pによる燃料噴射(ポート噴射)は、吸気及び燃料の混合を促進させる効果があり、筒内用燃料噴射弁4Dによる燃料噴射(筒内噴射)は、燃料の気化熱による吸気の冷却効果がある。そのため、基本的には、ノッキングが発生しやすい機関運転状態(例えば低負荷運転時など)のときほど、筒内噴射比率RDが高くされ、吸気及び燃料の混合が進みにくい機関運転状態(例えば機関の冷間時など)のときほど、ポート噴射比率RPが高くされる。
また、吸気バルブ9の最大リフト量制御は、基本的に以下のようにして行われる。
すなわち、アクセルペダルの操作量や機関回転速度NE等に基づいて要求出力が算出され、その要求出力に対応した要求吸入空気量が算出される。そして、要求吸入空気量に対応した最大リフト量VLの目標値である目標リフト量VLpが算出される。また、吸気バルブ9の実際の最大リフト量VLは、上記駆動量検出センサ39の検出信号に基づいて把握される。そして、目標リフト量VLpと実際の最大リフト量VLとが一致するように、電動モータ15の駆動量が制御される。
すなわち、アクセルペダルの操作量や機関回転速度NE等に基づいて要求出力が算出され、その要求出力に対応した要求吸入空気量が算出される。そして、要求吸入空気量に対応した最大リフト量VLの目標値である目標リフト量VLpが算出される。また、吸気バルブ9の実際の最大リフト量VLは、上記駆動量検出センサ39の検出信号に基づいて把握される。そして、目標リフト量VLpと実際の最大リフト量VLとが一致するように、電動モータ15の駆動量が制御される。
ちなみに、本実施形態では、基本的に、スロットルバルブ29の開度が全開状態にされており、吸入空気量の調量は、吸気バルブ9の最大リフト量VLを変更することにより行われる。ただし、吸気バルブ9の最大リフト量VLを適切に制御することができない場合などには、スロットルバルブ29の開度調整を通じて吸入空気量の調量が行われる。このスロットルバルブ29の開度調整に際しては、上述したような要求吸入空気量に対応したスロットルバルブ29の目標開度TApが算出される。そして、目標開度TApと上記スロットル開度TAとが一致するように、スロットルバルブ29の開度が制御される。
上述した燃料噴射制御及び最大リフト量制御が行われるエンジン1が低負荷運転状態になっているときは、要求吸入空気量が少ないため、吸気バルブ9の最大リフト量VLは比較的小さくされる。このように最大リフト量VLが小さいときには、吸気ポートの開口部、より詳細にはバルブシートと吸気バルブ9の弁部との間を通過する吸気の流速が上昇するようになり、バルブシートと傘部との間を通過する吸気には摩擦熱が発生するようになる。そのため、最大リフト量VLが小さいときには、気筒内に流入する吸気の温度が上昇してノッキングが発生しやすくなる。そのため、本実施形態では、吸気バルブ9の最大リフト量VLが小さいときには、ポート噴射比率RPを小さくして、筒内噴射比率RDを大きくすることにより吸気の冷却を図り、ノッキングの発生を抑制するようにしている。
ところで、吸気バルブ9には、未燃燃料やブローバイガス、あるいは潤滑油等に由来するデポジットが時間経過とともに次第に堆積していき、こうしたデポジットの堆積が進行すると機関運転状態に悪影響を与えることがある。
例えば、吸気バルブ9が開弁しているときの同吸気バルブ9の傘部とバルブシートとの間の距離は、吸気バルブ9に堆積したデポジット量が増大するにつれて短くなるため、吸入空気量は減少するようになる。従って、上記可変リフト機構14やスロットルバルブ29による吸入空気量の調量に際して、最大リフト量VLやスロットル開度TAが目標値に一致していても、実際の吸入空気量は要求吸入空気量よりも少なくなるおそれがある。また、各気筒に設けられた吸気バルブ9においてデポジット堆積量が異なると、各気筒毎に吸入空気量がばらつくため、各気筒における空燃比もばらつくようになってしまう。
なお、最大リフト量VLが小さくされているときには、そうでないときと比較して吸入空気量が少なくなっているため、デポジットの堆積が吸入空気量の減少に与える影響も大きくなる。また、最大リフト量VLが小さくされているときには、そうでないときと比較して、吸気バルブ9が開弁しているときの同吸気バルブ9の傘部とバルブシートとの間の距離が短くなっている。こうした状態のときにデポジットの堆積量が増大すると、バルブシートと吸気バルブ9の弁部との間を通過する吸気の流速がさらに上昇することで、吸気の温度がさらに上昇し、ノッキングが発生しやすくなってしまう。
こうしたデポジットの堆積による不具合の発生を抑えるべく、本実施形態では、次のようなデポジットの除去処理を行うようにしている。
すなわち、吸気バルブのデポジット堆積量DTが予め設定されたデポジット判定値Dα以上であると判定されたときには、上記デポジット除去処理として、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行う。これにより、吸気バルブ9が開弁するまでは、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットが湿潤状態にされ、吸気バルブ9から剥離しやすい状態なる。
すなわち、吸気バルブのデポジット堆積量DTが予め設定されたデポジット判定値Dα以上であると判定されたときには、上記デポジット除去処理として、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行う。これにより、吸気バルブ9が開弁するまでは、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットが湿潤状態にされ、吸気バルブ9から剥離しやすい状態なる。
さらに、上記デポジット除去処理の実行によって、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たるように、より詳細には吸気バルブ9の傘部に当たるように、筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射を行う。これにより、前もって剥離しやすい状態にされたデポジットに対して筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴霧が当たり、デポジットが容易に吹き飛ばされるようになる。なお、筒内用燃料噴射弁4Dの噴射圧は、ポート用燃料噴射弁4Pの噴射圧と比較して高くされている。また、筒内用燃料噴射弁4Dは、ポート用燃料噴射弁4Pと比較して吸気バルブ9に近い位置に配設される。こうした理由等により、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料が吸気バルブ9に当たるときの噴霧力は、ポート用燃料噴射弁4Pよりも強くなっている。従って、筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射は、デポジットの剥離に対して効果的に作用する。こうしたデポジット除去処理を行うことにより、吸気バルブ9に堆積したデポジットがより確実に除去される。
以下、デポジット除去処理の詳細について説明する。
まず、はじめに、吸気バルブ9に堆積したデポジットの量である、デポジット堆積量DTを推定する処理について説明する。
まず、はじめに、吸気バルブ9に堆積したデポジットの量である、デポジット堆積量DTを推定する処理について説明する。
上述したように、吸気バルブ9に堆積したデポジットの量が増大するほど吸入空気量は減少するようになる。従って、デポジットの堆積による吸入空気量の変化に基づいてデポジット堆積量DTを推定することが可能である。そこで、電子制御装置26にて、図3に示すデポジット堆積量の推定処理が、所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、現在の最大リフト量VL及び機関回転速度NEに基づいて推定吸入空気量GAsが算出される(S100)。この推定吸入空気量GAsは、吸気バルブ9のデポジット堆積量DTが「0」であるときに、現在の最大リフト量VL及び機関回転速度NEにおいて気筒に吸入される空気量であり、基本的には、最大リフト量VLが大きいほど、或いは機関回転速度NEが高いほど、より大きな値が算出される。
次に、算出された推定吸入空気量GAsから、エアフロメータ32で検出された実際の吸入空気量GAを減算した差ΔGAが算出される(S110)。この差ΔGAは、デポジットの堆積による吸入空気量の変化を示す値である。
そして、差ΔGAに基づいてデポジット堆積量DTが算出される(S120)。ここでは、図4に示すように、差ΔGAが大きいほどデポジット堆積量DTも大きくなるように同デポジット堆積量DTは算出されて、本処理は一旦終了される。
次に、図5に示す手順を併せ参照して、上記デポジットの除去処理について説明する。なお、この除去処理も、電子制御装置26によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、上記推定処理にて算出されたデポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上であるか否かが判定される(S200)。そのデポジット判定値Aは、予め設定された値であって、吸気バルブ9に堆積したデポジットの量について、上述したような不都合の発生を許容できない程度に達しているか否かを判定することのできる値が適宜設定されている。
本処理が開始されるとまず、上記推定処理にて算出されたデポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上であるか否かが判定される(S200)。そのデポジット判定値Aは、予め設定された値であって、吸気バルブ9に堆積したデポジットの量について、上述したような不都合の発生を許容できない程度に達しているか否かを判定することのできる値が適宜設定されている。
そして、デポジット堆積量DTがデポジット判定値A未満である場合には(S200:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、デポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上である場合には(S200:YES)、現在の最大リフト量VLがリフト量判定値B以下であるか否かが判定される(S210)。そのリフト量判定値Bも、予め設定された値である。そして、吸気バルブ9の開弁中に筒内噴射を行った場合に、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が吸気バルブ9に、特に吸気バルブ9の傘部に当たらない程度に最大リフト量VLが小さくなっているか否かを判定することのできる値が適宜設定されている。
一方、デポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上である場合には(S200:YES)、現在の最大リフト量VLがリフト量判定値B以下であるか否かが判定される(S210)。そのリフト量判定値Bも、予め設定された値である。そして、吸気バルブ9の開弁中に筒内噴射を行った場合に、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が吸気バルブ9に、特に吸気バルブ9の傘部に当たらない程度に最大リフト量VLが小さくなっているか否かを判定することのできる値が適宜設定されている。
最大リフト量VLがリフト量判定値B以下である場合には(S210:YES)、最大リフト量VLが除去用リフト量VLJに変更される(S220)。この除去用リフト量VLJは、少なくともリフト量判定値Bよりも大きい値であって、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が吸気バルブ9の傘部に当たる程度に吸気バルブ9の最大リフト量VLを大きくするための値であり、予め設定されている。このステップS220の処理により、最大リフト量VLがリフト量判定値B以下である場合には、最大リフト量VLが、デポジット除去処理の実行開始前における最大リフト量VLよりも大きくされる。
ここで、最大リフト量VLを除去用リフト量VLJに変更することにより最大リフト量VLが増大されると、吸入空気量も増大してしまう。そこで、次のステップS230では、スロットル開度TAが減少される。このステップS230では、最大リフト量VLの増大に伴う吸入空気量の増加に相当する分だけ、すなわち最大リフト量VLを除去用リフト量VLJに変更する前と変更した後との吸入空気量の変化量に相当する分だけスロットルバルブ29の開度が減少される。これにより、デポジット除去処理の実行に際して吸気バルブ9の最大リフト量VLを大きくしても、吸入空気量の変化が抑えられる。
上記ステップS210にて、最大リフト量VLがリフト量判定値Bを超えていると判定される場合や(S210:NO)、上記ステップS230の処理が実行されたときには、引き続きステップS240以降の処理が行われる。
このステップS240では、現在の機関運転状態に基づいて設定されているポート噴射量QPが燃料量判定値C以下であるか否かが判定される。この燃料量判定値Cも、予め設定された値である。そして、現在のポート噴射量QPにおいて、デポジットの湿潤が不足するか否かを判定することのできる値が適宜設定されている。
ポート噴射量QPが燃料量判定値C以下である場合には(S240:YES)、ポート噴射量QPが除去用噴射量QPJに変更される(S250)。この除去用噴射量QPJは、少なくとも燃料量判定値Cよりも大きい値であって、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射によるデポジットの湿潤効果が十分に得られる程度のポート噴射量QPが設定されている。このステップS250の処理により、ポート噴射量QPが燃料量判定値C以下である場合には、ポート噴射量QPが、デポジット除去処理の実行開始前におけるポート噴射量QPよりも大きくされる。なお、このステップS250によるポート噴射量QPの増量は、現在設定されているポート噴射比率RPを除去用噴射量QPJが得られるように増大させることによって行われる。
ちなみに、本実施形態では、上述したように、最大リフト量VLが小さくされているときには、ポート噴射比率RPを小さくして筒内噴射比率RDを大きくするようにしている。そのため、上記ステップS240では、基本的に肯定判定される。
上記ステップS240にて、ポート噴射量QPが燃料量判定値Cを超えていると判定される場合や(S240:NO)上記ステップS250の処理が実行されたときには、引き続きステップS260以降の処理が行われる。
ステップS260では、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が吸気バルブ9の閉弁中に行われるようにポート噴射開始時期TPが設定される。より詳細には、ポート噴射開始時期TP及びポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前になるように同ポート噴射開始時期TPが設定される。ここでは、ポート噴射開始時期TPにポート噴射期間τPを加算した時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前になるように、ポート噴射開始時期TPが設定される。こうした噴射時期の設定により、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が吸気バルブ9の閉弁中に完了するようになり、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によるデポジットの湿潤効果が十分に高まるようになる。
次に、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に、より詳細にはその傘部に当たるように筒内噴射開始時期TDが設定される。ここでは、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブに当たるように、クランク角に対応して変化する吸気バルブ9のリフト量や、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料がリフト中の吸気バルブ9に到達するまでの時間等を考慮して筒内噴射開始時期TDが設定される。
そして、本処理は一旦終了され、上記ステップS260で設定されたポート噴射開始時期TPにおいて、ポート用燃料噴射弁4Pから燃料が噴射されるとともに、上記ステップS270で設定された筒内噴射開始時期TDにおいて、筒内用燃料噴射弁4Dから燃料が噴射される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)吸気バルブ9のデポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上であると判定される場合には、デポジット除去処理の実行を通じて、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行うようにしている。これにより、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットが湿潤状態にされ、吸気バルブ9から剥離しやすい状態にされる。
(1)吸気バルブ9のデポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上であると判定される場合には、デポジット除去処理の実行を通じて、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行うようにしている。これにより、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットが湿潤状態にされ、吸気バルブ9から剥離しやすい状態にされる。
さらに、デポジット除去処理の実行を通じて、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たるように、筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射を行うようにしている。これにより、前もって剥離しやすい状態にされたデポジットに対して筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴霧が当たり、デポジットが容易に吹き飛ばされるようになる。従って、吸気バルブ9に堆積したデポジットをより確実に除去することができるようになる。
(2)デポジット除去処理の実行時には、ポート噴射開始時期TP及びポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前に設定するようにしている。そのため、ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射が吸気バルブ9の閉弁中に完了するようになり、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によるデポジットの湿潤効果をさらに高めることができるようになる。
(3)ポート用燃料噴射弁4Pから噴射される燃料量、すなわちポート噴射量QPは機関運転状態に基づいて設定されるのであるが、その燃料量が少ない場合には、デポジットの湿潤が不足してしまう。このようデポジットの湿潤が不足している状態では、噴霧力の強い筒内用燃料噴射弁4Dからの燃料噴射を行っても、デポジットを十分に剥離させることができないおそれがある。この点、上記実施形態では、デポジット除去処理の実行に際して、ポート噴射量QPが予め設定された燃料量判定値Cよりも少なく、デポジットの湿潤が不足するようなときには、ポート噴射量QPを除去用噴射量QPJに変更することで、デポジット除去処理の実行開始前と比較して、ポート噴射量QPが多くなるようにしている。従って、吸気バルブ9に堆積したデポジットを適切な湿潤状態にすることができるようになる。
(4)吸気バルブ9の最大リフト量VLを機関運転状態に応じて変更する可変リフト機構14を備えるエンジン1にあっては、機関運転状態に応じて最大リフト量VLが変化する。そのため、最大リフト量VLが比較的小さくされる機関運転状態では、筒内用燃料噴射弁4Dから燃料を噴射しても吸気バルブ9に燃料噴霧が当たらず、デポジットを剥離させることができないおそれがある。この点、上記実施形態では、デポジット除去処理の実行に際して、最大リフト量VLがリフト量判定値Bよりも小さく、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が吸気バルブ9に当たらないおそれがあるときには、最大リフト量VLを除去用リフト量VLJに変更するようにしている。これにより、デポジット除去処理の実行開始前と比較して最大リフト量VLが大きくされて、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が確実に吸気バルブ9に当たるようになり、デポジットの剥離を確実に行うことができるようになる。
(5)デポジット除去処理の実行に際して、最大リフト量VLを増大させるときには、その最大リフト量VLの増大に伴う吸入空気量の増加に相当する分だけスロットルバルブ29の開度を減少させるようにしている。そのため、デポジット除去処理の実行に際して最大リフト量VLを大きくした場合でも、吸入空気量の変化を抑えることができるようになる。
(6)吸気バルブ9のデポジット堆積量DTが「0」であるときに、現在の最大リフト量VL及び機関回転速度NEにおいて気筒に吸入されるはずの空気量である推定吸入空気量GAsを算出するようにしている。そして、デポジットの堆積による吸入空気量の変化を示す値として、推定吸入空気量GAsから実際の吸入空気量GAを減算した差ΔGAを算出し、その差ΔGAに基づいてデポジット堆積量DTを算出するようにしている。このようにデポジットの堆積による吸入空気量の変化に基づいてデポジット堆積量DTを推定するようにしており、これにより吸気バルブ9に堆積したデポジット量を適切に推定することができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行うべく、ポート噴射開始時期TP及びポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前になるように同ポート噴射開始時期TPを設定するようにした。この他、ポート噴射開始時期TPを吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前に設定し、ポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも後になるようにしてもよい。この場合でも、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットを湿潤状態にすることができる。
・ポート用燃料噴射弁4Pからの燃料噴射を吸気バルブ9の閉弁中に行うべく、ポート噴射開始時期TP及びポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前になるように同ポート噴射開始時期TPを設定するようにした。この他、ポート噴射開始時期TPを吸気バルブ9の開弁開始時期よりも前に設定し、ポート噴射の停止時期が吸気バルブ9の開弁開始時期よりも後になるようにしてもよい。この場合でも、ポート用燃料噴射弁4Pから噴射された燃料によって吸気バルブ9に堆積したデポジットを湿潤状態にすることができる。
・上記実施形態のエンジン1では、最大リフト量VLが比較的小さくされており、ノッキング等の発生が懸念される運転状態のときには、筒内噴射比率RDが大きくされる。従って、こうしたエンジン1においては、ステップS210にて最大リフト量VLがリフト量判定値A以下であると判定される場合、基本的にはポート噴射量QPが燃料量判定値C以下となる可能性が高い。従って、上記エンジン1にあっては、上記ステップS240の処理を省略することも可能である。
・上述した可変リフト機構14に限らず、他の構成で吸気バルブ9の最大リフト量VLを可変とする可変リフト機構であってもよい。
・可変リフト機構14を備えていない内燃機関であっても、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たる程度にその吸気バルブ9のリフト量が設定されている内燃機関であれば、本発明は同様に適用することができる。なお、この場合には、上記ステップS210〜ステップS230の処理を省略する。
・可変リフト機構14を備えていない内燃機関であっても、筒内用燃料噴射弁4Dから噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブ9に当たる程度にその吸気バルブ9のリフト量が設定されている内燃機関であれば、本発明は同様に適用することができる。なお、この場合には、上記ステップS210〜ステップS230の処理を省略する。
・上記ステップS200では、デポジット堆積量DTがデポジット判定値A以上であるか否かを判定するようにした。この他、ステップS200での処理として、推定吸入空気量GAsから実際の吸入空気量GAを減算した差ΔGAの値が所定の判定値を超えているか否かを判定し、差ΔGAの値が所定の判定値を超えている場合には、吸気バルブ9に許容できない程度のデポジットが堆積していると判断して、上記ステップS210以降の処理を行うようにしてもよい。なお、この場合には、先の図3に示したステップS120の処理(デポジット堆積量DTの算出処理)を省略することが可能である。
・デポジット堆積量DTを他の態様で推定するようにしてよい。例えば、デポジット堆積量が増大するにつれて吸入空気量は減少するようになるため、混合気の空燃比がフィードバック制御される内燃機関では、デポジット堆積量が増大するにつれて空燃比はリッチ傾向になり、燃料噴射量の減量補正量が大きくなる。従って、こうした燃料噴射量の減量補正量に基づいてデポジット堆積量を推定することができる。また、上述したような要求吸入空気量が得られるようにスロットルバルブ29の開度や吸気通路用燃料の最大リフト量VLをフィードバック制御する場合には、デポジット堆積量が増大するにつれて、要求吸入空気量に対する実際の吸入空気量のずれが大きくなり、そうしたずれを補正するためのフィードバック補正量が大きくなる。従って、そうしたフィードバック補正量に基づいてデポジット堆積量を推定することも可能である。また、デポジット堆積量が増大するにつれてノッキングが発生しやすくなるため、点火時期のノッキング制御を行う内燃機関では、デポジット堆積量が増大するにつれて点火時期の遅角補正量が大きくなる。従って、そうした点火時期の遅角補正量に基づいてデポジット堆積量を推定することも可能である。
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気通路、4D…筒内用燃料噴射弁、4P…ポート用燃料噴射弁(吸気通路用燃料噴射弁)、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…可変リフト機構、14a…入力アーム、14b…出力アーム、15…電動モータ、17…アクセルペダル、18…ローラ、19…ロッカアーム、20…ラッシュアジャスタ、21…ローラ、22…ロッカアーム、23…ラッシュアジャスタ、26…電子制御装置、28…アクセルポジションセンサ、29…スロットルバルブ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフロメータ、34…クランクポジションセンサ、35…カム角センサ、39…駆動量検出センサ、40…吸気側バルブスプリング、41…排気側バルブスプリング。
Claims (6)
- 吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁と、気筒内に燃料を直接噴射する筒内用燃料噴射弁とを備え、前記吸気通路用燃料噴射弁及び前記筒内用燃料噴射弁から噴射される燃料量が機関運転状態に応じて可変設定される内燃機関の制御装置であって、
吸気バルブに堆積したデポジット量が予め設定されたデポジット判定値を超えたか否かを判定し、前記デポジット量が前記デポジット判定値を超えたと判定されるときには、吸気バルブの閉弁中に前記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うとともに、前記筒内用燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧が開弁中の吸気バルブに当たるように前記筒内用燃料噴射弁からの燃料噴射を行うデポジット除去処理を実行する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記デポジット除去処理の実行時には、前記吸気通路用燃料噴射弁の噴射開始時期及び噴射停止時期が吸気バルブの開弁開始時期よりも前に設定される
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記デポジット除去処理の実行に際して、前記吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が予め設定された燃料量判定値よりも少ないときには、前記吸気通路用燃料噴射弁から噴射される燃料量が、前記デポジット除去処理の実行開始前における燃料量よりも多くされる
請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて変更する可変リフト機構を備えており、
前記デポジット除去処理の実行に際して、前記最大リフト量が予め設定されたリフト量判定値よりも小さいときには、前記最大リフト量が、前記デポジット除去処理の実行開始前における最大リフト量よりも大きくされる
請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記デポジット除去処理の実行に際して前記最大リフト量が大きくされるときには、その最大リフト量の増大に伴う吸入空気量の増加に相当する分だけスロットルバルブの開度を減少させる
請求項4に記載の内燃機関の制御装置。 - デポジットの堆積による吸入空気量の変化に基づいて前記デポジット量を推定する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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2008
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