JP2009228477A - 燃料噴射弁及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インジェクタ(燃料噴射弁)1において、パイプ部11及びカバー部12は、カバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成されていると共に、内コネクタ部21及び外コネクタ部22は、コネクタ部材20として一部品により一体的に構成されている。コネクタ部材20は、カバー付きパイプ部材10に対して軸方向に当接する当接面241を有する。コネクタ部材20は、その先端側部分がパイプ部11内に挿入されていると共に、当接面241がカバー部12に対して軸方向に当接している。カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とは、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材10の当接面241との当接部分を溶接することによって連結されている。
【選択図】図1
Description
例えば、燃料噴射弁(インジェクタ)91は、図8に示すごとく、パイプ部911の内周側に配設されている内コネクタ部921と、内コネクタ部921の先端側に軸方向に対向して配設され、内コネクタ部921との間に発生する磁気吸引力により内コネクタ部921に吸引される可動コア923と、可動コア923と共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔934を開閉する弁部材としてのニードル940と、外部からパイプ部911内に燃料を導入するための外コネクタ部922とを有する。
なお、ここでは、噴孔934が設けられている側を先端側、その反対側を後端側としている。
該パイプ部の外周側に配設され、通電することにより磁界を発生するコイルと、
該コイルの外周側及び先端側を覆うハウジング部と、
上記コイルの後端側を覆うカバー部と、
上記パイプ部の内周側に配設されている内コネクタ部と、
上記パイプ部の内周側において上記内コネクタ部の先端側に軸方向に対向して配設され、該内コネクタ部との間に発生する磁気吸引力により該内コネクタ部に吸引される可動コアと、
該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材と、
上記内コネクタ部の後端側に配設され、外部から燃料を導入するための外コネクタ部とを有し、
上記パイプ部及び上記カバー部は、カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成されていると共に、上記内コネクタ部及び上記外コネクタ部は、コネクタ部材として一部品により一体的に構成されており、
該コネクタ部材は、上記カバー付きパイプ部材に対して軸方向に当接する当接面を有しており、かつ、上記コネクタ部材は、その先端側部分が上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されていると共に、上記当接面が上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接しており、
上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とは、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接することによって連結されていることを特徴とする燃料噴射弁にある(請求項1)。
また、全体として部品同士の結合箇所(溶接部等)を減らすことができる。そのため、従来よりも安定した強度を確保することができ、上記燃料噴射弁の信頼性を向上させることができる。
上記カバー付きパイプ部材における上記パイプ部の内周側の所定の位置に上記可動コアを配置し、該可動コアの後端面から上記カバー付きパイプ部材の後端面までの軸方向の距離である距離X1を測定する距離測定工程と、
上記距離X1と、予め設定した上記可動コアが上記内コネクタ部に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量X2とから、上記コネクタ部材を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2)を決定する挿入量決定工程と、
上記コネクタ部材の先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように、上記コネクタ部材を作製するコネクタ部材作製工程と、
上記コネクタ部材の先端側部分を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入すると共に、上記コネクタ部材の上記当接面を上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接させる挿入当接工程と、
上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接し、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結する溶接工程とを有することを特徴とする燃料噴射弁の製造方法にある(請求項6)。
また、上記のカバー付きパイプ部材、コネクタ部材、可動コア及びハウジング部は、磁性材料により構成されていることが好ましい。この場合には、後述するように、上記の部材によって磁気回路を形成することができる。なお、磁性材料としては、例えば、電磁ステンレス等を用いることができる。
そして、上記燃料噴射弁は、上記コイルに通電されると、上記コイルに発生した磁界により、上記のハウジング部、カバー付きパイプ部材(パイプ部)、可動コア、コネクタ部材(内コネクタ部)及びカバー付きパイプ部材(カバー部)に形成された磁気回路に磁束が流れ、上記可動コアと上記内コネクタ部との間に磁気吸引力が発生するよう構成されていることが好ましい。
この場合には、簡易な構造とすることができ、生産性の向上を図ることができる。また、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部の外周面に取り付ける上記ハウジング部の軸方向の位置を調整するだけで、上記カバー付きパイプ部材と上記ハウジング部との同軸度を調整することができる。すなわち、上記カバー付きパイプ部材と上記ハウジング部との二部品により、該ハウジング部の最外周面の軸方向の位置を容易に調整することができる。そのため、上記燃料噴射弁を内燃機関等に搭載する際の寸法管理を容易にすることができ、搭載性を向上させることができる。また、これによって、上記燃料噴射弁の搭載位置の精度を高めることができ、例えば燃料の噴霧角等の製品性能を向上させることができる。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との溶接による影響(溶接による熱収縮やそれに伴う溶接歪み)が上記パイプ部に及ばないようにすることができる。これにより、上記コネクタ部材における軸方向の固定位置のばらつきをさらに抑えることができ、その固定位置をより一層高精度に決めることができる。
なお、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との溶接は、レーザー等を用いて行うことができる。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記突出部の軸方向の先端面(当接面)とを容易に軸方向に当接させることができる。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との当接部分を例えば上記突出部の軸方向の後端面側からレーザー等を用いて溶接し、両者を連結(固定)することができる。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記大径部の軸方向の先端面(当接面)とを容易に軸方向に当接させることができる。
この場合には、上記挿入量X3の調整を容易かつ高精度に行うことができる。
なお、上記調整工程は、例えば、上記コネクタ部材の上記先端面又は上記当接面に予め取り代を設けた上記コネクタ部材を作製し、その取り代を研削することによって行うことができる。
本発明の実施例にかかる燃料噴射弁(以下、適宜、インジェクタという)について、図を用いて説明する。
本例のインジェクタ1は、図1に示すごとく、例えば、直噴式のガソリンエンジンに適用されるものである。インジェクタ1は、図示しないエンジンヘッドに搭載されている。
なお、本例のインジェクタ1においては、後述する噴孔34が設けられている側を先端側、その反対側を後端側とする。
また、ニードル40は、筒状に形成されており、ニードル40の内周側に流入した燃料が燃料孔45を経由してニードル40の外側へ流出するように構成されている。
すなわち、図2に示すごとく、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241とは、当接部分をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により結合されている。両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側である。
コイル51への通電が停止されているとき、コネクタ部材20(内コネクタ部21)と可動コア23との間には磁気吸引力は発生しない。そのため、第1スプリング261の押し付け力により、ニードル40のシール部42は弁座32に着座している(閉弁状態)。よって、燃料は噴孔34から噴射されない。また、このとき、可動コア23は、ニードル40のニードル当接面401に当接して内コネクタ部21から離れている。
まず、図3(a)に示すごとく、カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の先端部111に、弁ボディ31を圧入してレーザーで溶接(溶接Y11)することにより取り付ける。
そして、図3(b)に示すごとく、パイプ部11の内周側に、第2スプリング262、ニードル40及び可動コア23を収容する。ニードル40は、可動コア23の貫通孔231に貫通させた状態で収容する。
そして、カバー付きパイプ部材10にハウジング部13を取り付ける。このとき、コイル51の外周側及び先端側がハウジング外側端部132及びハウジング底部131によって覆われるようにハウジング部13を取り付ける。
両者を連結するに当たっては、まず、図4(a)に示すごとく、可動コア23の後端面232からカバー付きパイプ部材10の後端面102までの軸方向の距離である距離X1を測定しておく(距離測定工程)。
そして、距離X1と、予め設定した可動コア23が内コネクタ部21に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量(リフト量)X2(図4(b)参照)とから、コネクタ部材20をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2、図4(b)参照)を決定する(挿入量決定工程)。
本例では、コネクタ部材20の当接面241に予め取り代を設けたコネクタ部材20を加工し、コネクタ部材20の先端面201から突出部24の軸方向先端面241までの距離が挿入量X3となるように、取り代を研削した(調整工程)。
そして、コネクタ部材20の先端側部分をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入すると共に、コネクタ部材20の当接面241をカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接させる(挿入当接工程)。
本例では、図2を参照のごとく、両者の当接部分を突出部24の軸方向の後端面242側からレーザーで溶接(溶接Y12)し、両者をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により固定した。また、両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側となるようにした。
上記の手順により、図5(b)に示すごとく、インジェクタ1の組み付けを完了する。
本例のインジェクタ1において、パイプ部11及びカバー部12は、カバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成されていると共に、内コネクタ部21及び外コネクタ部22は、コネクタ部材20として一部品により一体的に構成されている。そのため、従来のように、パイプ部11とカバー部12とを別々に複数部品で構成する場合や、内コネクタ部21と外コネクタ部22とを別々に複数部品で構成する場合に比べて、部品点数の低減を図ることができる。これにより、簡易な構造とすることができ、生産性及び品質性能の向上を図ることができる。
また、全体として部品同士の結合箇所(溶接部等)を減らすことができる。そのため、従来よりも安定した強度を確保することができ、インジェクタ1の信頼性を向上させることができる。
なお、本例では、調整工程は、コネクタ部材20の当接面241に予め取り代を設けたコネクタ部材20を作製し、その取り代を研削することによって行ったが、コネクタ部材20の先端面201に予め取り代を設けたコネクタ部材20を作製し、その取り代を研削することによって行うこともできる。
本例は、コネクタ部材20の構成を変更した例である。
本例では、図6に示すごとく、コネクタ部材20の外周面200には、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部25が軸方向に所定の長さで連続的に設けられている。大径部25の軸方向の先端面251は、カバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接する当接面である。そして、コネクタ部材20は、その先端側部分がカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されていると共に、当接面251がカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接している。
すなわち、図7に示すごとく、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面251とは、当接部分をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により結合されている。両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側である。
その他は、実施例1と同様の構成である。
また、本例では、コネクタ部材20の外周面200には、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部25が軸方向に所定の長さで連続的に設けられており、大径部25の軸方向の先端面251が当接面である。そのため、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の大径部25の軸方向の先端面(当接面)251とを容易に軸方向に当接させることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
10 カバー付きパイプ部材
11 パイプ部
12 カバー部
20 コネクタ部材
21 内コネクタ部
22 外コネクタ部
241 当接面
Claims (7)
- 筒状のパイプ部と、
該パイプ部の外周側に配設され、通電することにより磁界を発生するコイルと、
該コイルの外周側及び先端側を覆うハウジング部と、
上記コイルの後端側を覆うカバー部と、
上記パイプ部の内周側に配設されている内コネクタ部と、
上記パイプ部の内周側において上記内コネクタ部の先端側に軸方向に対向して配設され、該内コネクタ部との間に発生する磁気吸引力により該内コネクタ部に吸引される可動コアと、
該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材と、
上記内コネクタ部の後端側に配設され、外部から燃料を導入するための外コネクタ部とを有し、
上記パイプ部及び上記カバー部は、カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成されていると共に、上記内コネクタ部及び上記外コネクタ部は、コネクタ部材として一部品により一体的に構成されており、
該コネクタ部材は、上記カバー付きパイプ部材に対して軸方向に当接する当接面を有しており、かつ、上記コネクタ部材は、その先端側部分が上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されていると共に、上記当接面が上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接しており、
上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とは、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接することによって連結されていることを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項1において、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを溶接する溶接領域は、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部の外周面よりも外方側にあることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1又は2において、上記コネクタ部材の外周面には、外方に突出する突出部が設けられており、該突出部の軸方向の先端面が上記当接面であることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項3において、上記コネクタ部材の上記突出部の厚みは、0.3〜1.0mmであることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1又は2において、上記コネクタ部材の外周面には、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部が軸方向に所定の長さで連続的に設けられており、該大径部の軸方向の先端面が上記当接面であることを特徴とする燃料噴射弁。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁を製造する方法であって、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結するに当たっては、
上記カバー付きパイプ部材における上記パイプ部の内周側の所定の位置に上記可動コアを配置し、該可動コアの後端面から上記カバー付きパイプ部材の後端面までの軸方向の距離である距離X1を測定する距離測定工程と、
上記距離X1と、予め設定した上記可動コアが上記内コネクタ部に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量X2とから、上記コネクタ部材を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2)を決定する挿入量決定工程と、
上記コネクタ部材の先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように、上記コネクタ部材を作製するコネクタ部材作製工程と、
上記コネクタ部材の先端側部分を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入すると共に、上記コネクタ部材の上記当接面を上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接させる挿入当接工程と、
上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接し、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結する溶接工程とを有することを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。 - 請求項6において、上記コネクタ部材作製工程では、上記コネクタ部材の上記先端面又は上記当接面を研削し、上記コネクタ部材の上記先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように調整する調整工程を行うことを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。
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