JP2009228477A - 燃料噴射弁及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができる燃料噴射弁及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】インジェクタ(燃料噴射弁)1において、パイプ部11及びカバー部12は、カバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成されていると共に、内コネクタ部21及び外コネクタ部22は、コネクタ部材20として一部品により一体的に構成されている。コネクタ部材20は、カバー付きパイプ部材10に対して軸方向に当接する当接面241を有する。コネクタ部材20は、その先端側部分がパイプ部11内に挿入されていると共に、当接面241がカバー部12に対して軸方向に当接している。カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とは、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材10の当接面241との当接部分を溶接することによって連結されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁に関する。
従来から、内燃機関等に燃料を噴射供給する燃料噴射弁が知られている(特許文献1等参照)。
例えば、燃料噴射弁(インジェクタ)91は、図8に示すごとく、パイプ部911の内周側に配設されている内コネクタ部921と、内コネクタ部921の先端側に軸方向に対向して配設され、内コネクタ部921との間に発生する磁気吸引力により内コネクタ部921に吸引される可動コア923と、可動コア923と共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔934を開閉する弁部材としてのニードル940と、外部からパイプ部911内に燃料を導入するための外コネクタ部922とを有する。
つまり、インジェクタ91は、パイプ部911の内周側に内コネクタ部921、可動コア923及びニードル940を収容している。そして、内コネクタ部921は、パイプ部911の後端側に配設されている。また、可動コア923及びニードル940は、パイプ部911における内コネクタ部921よりも先端側に配設されている。また、外コネクタ部922は、パイプ部911の後端部にその一部をパイプ部911内に挿入して配設されている。
また、パイプ部911の外周側には、通電することにより磁界を発生するコイル951が配設されており、さらにコイル951の外周側及び先端側を覆い、コイル951を保持するためのハウジング部913と、コイル951の後端側を覆うカバー部912とが配設されている。つまり、インジェクタ91は、コイル951をパイプ部911、カバー部912及びハウジング部913の各部品により囲った構造を有している。
なお、ここでは、噴孔934が設けられている側を先端側、その反対側を後端側としている。
特開2006−22721号公報
しかしながら、上記構造のインジェクタ91では、次のような問題があった。すなわち、部品点数が多いため、多くの部品をパイプ部911の内周側に収容又は挿入したり、パイプ部911の外周側に取り付けたりすることが必要であった。そのため、部品の組み付け工数の増大、組み付け作業の複雑化等により生産性の低下を招いていた。そして、上記の問題は、部品点数が多くなればなるほど顕著となり、さらなる生産性の低下を招いていた。
また、上記構造のインジェクタ91では、図8、図9に示すごとく、パイプ部911の内周側に圧入した内コネクタ部921をパイプ部911の外周側から例えばレーザーで溶接(溶接Y9)し、両者をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶接凝固部G9により固定している。ここで、可動コア923と内コネクタ部921との距離は、可動コア923が内コネクタ部921に吸引されて軸方向に移動する距離(リフト量)を決めるものであり、燃料噴射弁91の噴射量等の性能を左右するものである。そのため、可動コア923と内コネクタ部921との距離、すなわちリフト量のばらつきを抑えることが求められる。
しかしながら、従来の構造では、径方向に当接したパイプ部911と内コネクタ部921とを溶接するため、溶接後において、溶接による熱収縮の影響により、内コネクタ部921に軸方向の溶接歪みが生じる(図9の矢印H9)。これにより、内コネクタ部921の固定位置に軸方向へのばらつきが生じ、それに伴ってリフト量にばらつきが生じ、インジェクタ91の性能に影響を与えていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができる燃料噴射弁及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1発明は、筒状のパイプ部と、
該パイプ部の外周側に配設され、通電することにより磁界を発生するコイルと、
該コイルの外周側及び先端側を覆うハウジング部と、
上記コイルの後端側を覆うカバー部と、
上記パイプ部の内周側に配設されている内コネクタ部と、
上記パイプ部の内周側において上記内コネクタ部の先端側に軸方向に対向して配設され、該内コネクタ部との間に発生する磁気吸引力により該内コネクタ部に吸引される可動コアと、
該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材と、
上記内コネクタ部の後端側に配設され、外部から燃料を導入するための外コネクタ部とを有し、
上記パイプ部及び上記カバー部は、カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成されていると共に、上記内コネクタ部及び上記外コネクタ部は、コネクタ部材として一部品により一体的に構成されており、
該コネクタ部材は、上記カバー付きパイプ部材に対して軸方向に当接する当接面を有しており、かつ、上記コネクタ部材は、その先端側部分が上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されていると共に、上記当接面が上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接しており、
上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とは、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接することによって連結されていることを特徴とする燃料噴射弁にある(請求項1)。
本発明の燃料噴射弁において、上記パイプ部及び上記カバー部は、カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成されていると共に、上記内コネクタ部及び上記外コネクタ部は、コネクタ部材として一部品により一体的に構成されている。そのため、従来のように、上記パイプ部と上記ハウジング部とを別々に複数部品で構成する場合や、上記内コネクタ部と上記外コネクタ部とを別々に複数部品で構成する場合に比べて、部品点数の低減を図ることができる。これにより、簡易な構造とすることができ、生産性及び品質性能の向上を図ることができる。
すなわち、部品点数の低減により、各部品を組み付ける際に部品の軸方向の位置決めをしたり、部品同士を溶接等により固定したりする工程を減らすことができる。そのため、部品の組み付け工数を低減することができ、生産性を向上させることができる。
また、全体として部品同士の結合箇所(溶接部等)を減らすことができる。そのため、従来よりも安定した強度を確保することができ、上記燃料噴射弁の信頼性を向上させることができる。
また、本発明では、単に部品の一体化を図るのではなく、あえて従来のパイプ部(上述の図8参照)を分断した上で、パイプ部の先端側部分及びカバー部を一体化して一部品とすると共に、パイプ部の後端側部分、内コネクタ部及び外コネクタ部を一体化して一部品とすることにより、総合的に部品構成を変更して部品点数を減らしている(後述の図1、図6参照)。そのため、各部品の製造が容易となり、また、上記のごとく、上記カバー付きパイプ部材の内周側に上記コネクタ部材を挿入して軸方向に連結した構造を採用することによって、組み付け作業も容易となる。これにより、上記燃料噴射弁の生産性及び品質性能の向上を図ることができる。
また、さらに、本発明では、上記コネクタ部材は、上記カバー付きパイプ部材に対して軸方向に当接する当接面を有しており、その当接面が上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接している。そして、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とは、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接することによって連結されている。
すなわち、軸方向に当接した上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接するため、溶接による熱収縮及びそれに伴う溶接歪みは、上記コネクタ部材の径方向に生じる。これにより、上記コネクタ部材における軸方向の固定位置のばらつきを抑えることができ、その軸方向の固定位置を高精度に決めることができる。
ここで、上記可動コアと上記コネクタ部材(内コネクタ部)との間の距離は、上記可動コアが上記内コネクタ部に吸引されて軸方向に移動する距離(リフト量)を決めるものであり、このリフト量は、上記燃料噴射弁の噴射量等の性能を左右するものである。本発明では、上記コネクタ部材(内コネクタ部)の軸方向の位置を高精度に決めることができるため、上記可動コアと上記コネクタ部材との間の距離、すなわちリフト量を高精度に決めることができる。これにより、上記燃料噴射弁の噴射量等の性能のばらつきを抑えることができ、燃焼率、燃費等の性能向上を図ることができる。
このように、本発明によれば、簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができる燃料噴射弁を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明の燃料噴射弁を製造する方法であって、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結するに当たっては、
上記カバー付きパイプ部材における上記パイプ部の内周側の所定の位置に上記可動コアを配置し、該可動コアの後端面から上記カバー付きパイプ部材の後端面までの軸方向の距離である距離X1を測定する距離測定工程と、
上記距離X1と、予め設定した上記可動コアが上記内コネクタ部に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量X2とから、上記コネクタ部材を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2)を決定する挿入量決定工程と、
上記コネクタ部材の先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように、上記コネクタ部材を作製するコネクタ部材作製工程と、
上記コネクタ部材の先端側部分を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入すると共に、上記コネクタ部材の上記当接面を上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接させる挿入当接工程と、
上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接し、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結する溶接工程とを有することを特徴とする燃料噴射弁の製造方法にある(請求項6)。
本発明の製造方法では、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結するに当たっては、上記距離測定工程及び上記挿入量決定工程において、上記コネクタ部材を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3を決定し、上記コネクタ部材作製工程において、上記コネクタ部材の先端面から上記当接面までの距離が挿入量X3となるように、上記コネクタ部材を作製する。
そのため、後の上記挿入当接工程において、上記コネクタ部材の先端側部分を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入すると共に、上記コネクタ部材の上記当接面を上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接させるだけで、上記可動コアと上記コネクタ部材との間の距離、すなわちリフト量を予め設定した移動量(リフト量)X2にすることができる。
そして、上記溶接工程において、軸方向に当接した上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接する。そのため、溶接による熱収縮及びそれに伴う溶接歪みは、上記コネクタ部材の径方向に生じる。これにより、上記コネクタ部材における軸方向の固定位置のばらつきを抑えることができ、その軸方向の固定位置を高精度に決めることができる。
それ故、溶接後においても、上記可動コアと上記コネクタ部材との間の距離、すなわちリフト量を予め設定した移動量(リフト量)X2のままで高精度に維持することができる。よって、本発明の製造方法により、噴射量等の性能のばらつきを抑え、燃焼率、燃費等の性能が高い燃料噴射弁を得ることができる。
このように、本発明の製造方法によれば、簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができる燃料噴射弁を得ることができる。
上記第1の発明において、上記燃料噴射弁は、上記噴孔が設けられている側を先端側、その反対側を後端側としている。
また、上記のカバー付きパイプ部材、コネクタ部材、可動コア及びハウジング部は、磁性材料により構成されていることが好ましい。この場合には、後述するように、上記の部材によって磁気回路を形成することができる。なお、磁性材料としては、例えば、電磁ステンレス等を用いることができる。
そして、上記燃料噴射弁は、上記コイルに通電されると、上記コイルに発生した磁界により、上記のハウジング部、カバー付きパイプ部材(パイプ部)、可動コア、コネクタ部材(内コネクタ部)及びカバー付きパイプ部材(カバー部)に形成された磁気回路に磁束が流れ、上記可動コアと上記内コネクタ部との間に磁気吸引力が発生するよう構成されていることが好ましい。
また、上記パイプ部及び上記カバー部を上記カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成し、さらに上記コイルを上記カバー付きパイプ部材と上記ハウジング部との二部品により囲った構造とすることが好ましい。
この場合には、簡易な構造とすることができ、生産性の向上を図ることができる。また、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部の外周面に取り付ける上記ハウジング部の軸方向の位置を調整するだけで、上記カバー付きパイプ部材と上記ハウジング部との同軸度を調整することができる。すなわち、上記カバー付きパイプ部材と上記ハウジング部との二部品により、該ハウジング部の最外周面の軸方向の位置を容易に調整することができる。そのため、上記燃料噴射弁を内燃機関等に搭載する際の寸法管理を容易にすることができ、搭載性を向上させることができる。また、これによって、上記燃料噴射弁の搭載位置の精度を高めることができ、例えば燃料の噴霧角等の製品性能を向上させることができる。
また、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを溶接する溶接領域は、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部の外周面よりも外方側にあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との溶接による影響(溶接による熱収縮やそれに伴う溶接歪み)が上記パイプ部に及ばないようにすることができる。これにより、上記コネクタ部材における軸方向の固定位置のばらつきをさらに抑えることができ、その固定位置をより一層高精度に決めることができる。
なお、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との溶接は、レーザー等を用いて行うことができる。
また、上記コネクタ部材の外周面には、外方に突出する突出部が設けられており、該突出部の軸方向の先端面が上記当接面であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記突出部の軸方向の先端面(当接面)とを容易に軸方向に当接させることができる。
また、上記コネクタ部材の上記突出部の厚みは、0.3〜1.0mmであることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材との当接部分を例えば上記突出部の軸方向の後端面側からレーザー等を用いて溶接し、両者を連結(固定)することができる。
また、上記コネクタ部材の外周面には、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部が軸方向に所定の長さで連続的に設けられており、該大径部の軸方向の先端面が上記当接面であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記大径部の軸方向の先端面(当接面)とを容易に軸方向に当接させることができる。
上記第2の発明において、上記コネクタ部材作製工程では、上記コネクタ部材の上記先端面又は上記当接面を研削し、上記コネクタ部材の上記先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように調整する調整工程を行うことが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記挿入量X3の調整を容易かつ高精度に行うことができる。
なお、上記調整工程は、例えば、上記コネクタ部材の上記先端面又は上記当接面に予め取り代を設けた上記コネクタ部材を作製し、その取り代を研削することによって行うことができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる燃料噴射弁(以下、適宜、インジェクタという)について、図を用いて説明する。
本例のインジェクタ1は、図1に示すごとく、例えば、直噴式のガソリンエンジンに適用されるものである。インジェクタ1は、図示しないエンジンヘッドに搭載されている。
なお、本例のインジェクタ1においては、後述する噴孔34が設けられている側を先端側、その反対側を後端側とする。
インジェクタ1は、筒状に形成されたパイプ部11と、パイプ部11の後端部から径方向に突出したカバー部12とを有するカバー付きパイプ部材10を備えている。すなわち、本例では、パイプ部11及びカバー部12は、カバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成されている。カバー付きパイプ部材10は、磁性材料(電磁ステンレス鋼)により形成されている。
カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の外周側には、コイルアセンブリ50が設置されている。コイルアセンブリ50は、コイル51、モールド樹脂52及び電気コネクタ53により構成されている。コイル51は、モールド樹脂52によって被覆された状態で円筒状に形成されている。コイル51は、パイプ部11の外周側を周方向へ連続して覆っている。モールド樹脂52及び電気コネクタ53は、樹脂により一体に形成されている。コイル51は、配線部材54により電気コネクタ53のターミナル55と接続している。
コイル51の外周側及び先端側には、ハウジング部13が配設されている。ハウジング部13は、コイル51の外周側及び先端側を覆っている。ハウジング部13は、カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の外周面に配設されたハウジング底部131と、ハウジング底部131の外側端から軸方向に立設されたハウジング外側端部132とからなる。ハウジング部13は、磁性材料(電磁ステンレス鋼)により形成されている。
また、コイル51の後端側には、上述したカバー付きパイプ部材10のカバー部12が配設されている。カバー部12は、コイル51の後端側を覆っている。そして、モールド樹脂52に覆われたコイル51は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11、カバー部12、そしてハウジング部13のハウジング底部131、ハウジング外側端部132によって囲われた状態で保持されている。つまり、コイル51は、実質的にカバー付きパイプ部材10及びハウジング部13の二部品により囲われている。
カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の先端部111には、弁ボディ31が収容されている。弁ボディ31は、筒状に形成され、例えば圧入、溶接等によりパイプ部11の先端部111に固定されている。弁ボディ31は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座32を有している。弁ボディ31の先端部には、噴孔34が形成されている。噴孔34は、弁ボディ31の内側と外側とを連通している。噴孔34は、単数又は複数のいずれであってもよい。
カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の内周側には、可動コア23が収容されている。可動コア23は、磁性材料(電磁ステンレス鋼)により筒状に形成されている。可動コア23は、後述する内コネクタ部21と軸方向に対向して配設されており、コイル51への通電によって内コネクタ部21との間に発生する磁気吸引力により内コネクタ部21に吸引されるよう構成されている。可動コア23は、パイプ部11の内周側において軸方向に摺動可能に設けられている。
また、カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の内周側には、弁部材としてのニードル40が収容されている。ニードル40は、可動コア23に設けられた貫通孔231に貫通配置されている。ニードル40は、可動コア23とは別部品で構成されており、可動コア23の貫通孔231内を摺動可能に設けられている。すなわち、本例では、ニードル40と可動コア23とは、別体で設けられた二体構造となっており、互いに固定されておらず、軸方向に相対移動可能となっている。
また、ニードル40は、弁ボディ31と略同軸上に配置されており、可動コア23と共に軸方向に移動可能に構成されている。ニードル40は、その先端部にシール部42を有している。シール部42は、弁ボディ31の弁座32に着座可能である。
また、ニードル40は、筒状に形成されており、ニードル40の内周側に流入した燃料が燃料孔45を経由してニードル40の外側へ流出するように構成されている。
カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の後端部112には、パイプ部11の内周側に配設されている内コネクタ部21と、外部からパイプ部11内に燃料を導入するための外コネクタ部22とを有するコネクタ部材20が配設されている。すなわち、本例では、内コネクタ部21及び外コネクタ部22は、コネクタ部材20として一部品により一体的に構成されている。コネクタ部材20は、磁性材料(電磁ステンレス鋼)により筒状に形成されている。
コネクタ部材20の外周面200には、外方に突出する突出部24が設けられている。突出部24の厚みは、0.3〜1.0mmの範囲内である。突出部24の軸方向の先端面241は、カバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接する当接面である。そして、コネクタ部材20は、その先端側部分がカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されていると共に、当接面241がカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接している。
また、図1、図2に示すごとく、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とは、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241との当接部分を溶接(溶接Y12)することによって連結されている。
すなわち、図2に示すごとく、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241とは、当接部分をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により結合されている。両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側である。
図1に示すごとく、内コネクタ部21の内周側には、アジャスティングパイプ27が圧入されている。また、外コネクタ部21は、後端部に燃料入口291を形成しており、シール部材292、293が取り付けられている。燃料入口291には、図示しない燃料ポンプにより燃料タンクから燃料が供給される。燃料入口291に供給された燃料は、外コネクタ部22の内部に設けられたフィルタ部材28を経由し、外コネクタ部22の内周側に流入する。フィルタ部材28は、燃料に含まれる異物を除去する。
また、ニードル40の後端部には、弾性部材である第1スプリング261が配設されており、互いに接している。第1スプリング261は、一方の端部がニードル40の後端部に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ27に接している。また、可動コア22の先端部には、弾性部材である第2スプリング262が配設されており、互いに接している。なお、上記弾性部材は、スプリングに限らず、例えば板ばね、又は気体や液体のダンパ等を適用可能である。
アジャスティングパイプ27は、上述したとおり、内コネクタ部21の内周側に圧入されている。アジャスティングパイプ27の圧入量を調整することにより、第1スプリング26の荷重は調整される。第1スプリング261は、軸方向へ伸びる力を有している。そのため、可動コア23及びニードル40は、第1スプリング261によりシール部42が弁座32に着座する方向へ押し付けられている。また、これと同時に、可動コア23は、第2スプリング262により可動コア23の後端部がニードル40のニードル当接面401に接する方向へ押し付けられている。
次に、上記構成のインジェクタ1の作動について説明する。
コイル51への通電が停止されているとき、コネクタ部材20(内コネクタ部21)と可動コア23との間には磁気吸引力は発生しない。そのため、第1スプリング261の押し付け力により、ニードル40のシール部42は弁座32に着座している(閉弁状態)。よって、燃料は噴孔34から噴射されない。また、このとき、可動コア23は、ニードル40のニードル当接面401に当接して内コネクタ部21から離れている。
コイル51に通電されると、コイル51に発生した磁界によりハウジング部13、パイプ部11、可動コア23、内コネクタ部21及びカバー部12に形成された磁気回路に磁束が流れる。これにより、互いに離れている内コネクタ部21と可動コア23との間には磁気吸引力が発生する。内コネクタ部21と可動コア23との間に発生する磁気吸引力が第1スプリング261の押し付け力よりも大きくなると、可動コア23及びニードル40は内コネクタ部21方向へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は弁座32から離座する(開弁状態)。
燃料入口29から流入した燃料は、フィルタ部材28、外コネクタ部22の内周側、アジャスティングパイプ27の内周側、内コネクタ部21の内周側及びニードル40の内部を経由して、燃料孔45からニードル40の外周側へ流出する。そして、弁座32から離座したニードル40とパイプ部11及び弁ボディ31との間を経由して噴孔34から噴射される。
コイル51への通電を停止すると、内コネクタ部21と可動コア23との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、可動コア23及びニードル40は第1スプリング261の押し付け力により内コネクタ部21とは反対側へ移動する。その結果、ニードル40のシール部42は再び弁座32に着座する(閉弁状態)。よって、噴孔34からの燃料の噴射は終了する。
次に、上記構成のインジェクタ1の組み付け手順について説明する。
まず、図3(a)に示すごとく、カバー付きパイプ部材10におけるパイプ部11の先端部111に、弁ボディ31を圧入してレーザーで溶接(溶接Y11)することにより取り付ける。
そして、図3(b)に示すごとく、パイプ部11の内周側に、第2スプリング262、ニードル40及び可動コア23を収容する。ニードル40は、可動コア23の貫通孔231に貫通させた状態で収容する。
次いで、図3(c)に示すごとく、パイプ部11の外周側に、コイルアセンブリ50を取り付ける。このとき、モールド樹脂52に覆われたコイル51の後端側がカバー部12によって覆われるようにコイル51を配置する。
そして、カバー付きパイプ部材10にハウジング部13を取り付ける。このとき、コイル51の外周側及び先端側がハウジング外側端部132及びハウジング底部131によって覆われるようにハウジング部13を取り付ける。
次いで、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とを連結する。
両者を連結するに当たっては、まず、図4(a)に示すごとく、可動コア23の後端面232からカバー付きパイプ部材10の後端面102までの軸方向の距離である距離X1を測定しておく(距離測定工程)。
そして、距離X1と、予め設定した可動コア23が内コネクタ部21に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量(リフト量)X2(図4(b)参照)とから、コネクタ部材20をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2、図4(b)参照)を決定する(挿入量決定工程)。
次いで、図4(a)に示すごとく、コネクタ部材20の先端面201から当接面241までの距離が挿入量X3となるように、コネクタ部材20を作製する(コネクタ部材作製工程)。
本例では、コネクタ部材20の当接面241に予め取り代を設けたコネクタ部材20を加工し、コネクタ部材20の先端面201から突出部24の軸方向先端面241までの距離が挿入量X3となるように、取り代を研削した(調整工程)。
そして、コネクタ部材20の先端側部分をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入すると共に、コネクタ部材20の当接面241をカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接させる(挿入当接工程)。
次いで、図4(b)に示すごとく、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241との当接部分を溶接(溶接Y12)し、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とを連結する(溶接工程)。
本例では、図2を参照のごとく、両者の当接部分を突出部24の軸方向の後端面242側からレーザーで溶接(溶接Y12)し、両者をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により固定した。また、両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側となるようにした。
次いで、図5(a)に示すごとく、コネクタ部材20における内コネクタ部21の内周側に第1スプリング261を挿入し、アジャスティングパイプ27を圧入する。さらに、コネクタ部材20における外コネクタ部22の内部にフィルタ部材28を取り付け、外コネクタ部22の外周面にシール部材292、293を取り付ける。
上記の手順により、図5(b)に示すごとく、インジェクタ1の組み付けを完了する。
次に、本例のインジェクタ(燃料噴射弁)1における作用効果について説明する。
本例のインジェクタ1において、パイプ部11及びカバー部12は、カバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成されていると共に、内コネクタ部21及び外コネクタ部22は、コネクタ部材20として一部品により一体的に構成されている。そのため、従来のように、パイプ部11とカバー部12とを別々に複数部品で構成する場合や、内コネクタ部21と外コネクタ部22とを別々に複数部品で構成する場合に比べて、部品点数の低減を図ることができる。これにより、簡易な構造とすることができ、生産性及び品質性能の向上を図ることができる。
すなわち、部品点数の低減により、各部品を組み付ける際に部品の軸方向の位置決めをしたり、部品同士を溶接等により固定したりする工程を減らすことができる。そのため、部品の組み付け工数を低減することができ、生産性を向上させることができる。
また、全体として部品同士の結合箇所(溶接部等)を減らすことができる。そのため、従来よりも安定した強度を確保することができ、インジェクタ1の信頼性を向上させることができる。
また、本例では、図1(本実施例)及び図8(従来例)を比較参照のごとく、単に部品の一体化を図るのではなく、あえて従来のパイプ部911の部分を分断した上で、パイプ911の先端側部分及びカバー部912を一体化してカバー付きパイプ部材10という一部品とすると共に、パイプ911の後端側部分、内コネクタ部921及び外コネクタ部922を一体化してコネクタ部材20という一部品とすることにより、総合的に部品構成を変更して部品点数を減らしている。そのため、各部品の製造が容易となる。また、上記のごとく、カバー付きパイプ部材10の内周側にコネクタ部材20を挿入して軸方向に連結した構造を採用することによって、組み付け作業も容易となる。これにより、インジェクタ1の生産性及び品質性能の向上を図ることができる。
また、さらに、本例では、コネクタ部材20は、カバー付きパイプ部材10に対して軸方向に当接する当接面241を有しており、その当接面241がカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接している。そして、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とは、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241との当接部分を溶接することによって連結されている。
すなわち、軸方向に当接したカバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241とを溶接するため、溶接による熱収縮及びそれに伴う溶接歪みは、コネクタ部材20の径方向に生じる(図2の矢印H1)。これにより、コネクタ部材20における軸方向の固定位置のばらつきを抑えることができ、その軸方向の固定位置を高精度に決めることができる。
ここで、可動コア23とコネクタ部材20(内コネクタ部21)との間の距離は、可動コア23が内コネクタ部21に吸引されて軸方向に移動する距離(リフト量)を決めるものであり、このリフト量は、インジェクタ1の噴射量等の性能を左右するものである。本例では、コネクタ部材20(内コネクタ部21)の軸方向の位置を高精度に決めることができるため、可動コア23とコネクタ部材20との間の距離、すなわちリフト量を高精度に決めることができる。これにより、インジェクタ1の噴射量等の性能のばらつきを抑えることができ、燃焼率、燃費等の性能向上を図ることができる。
また、本例においては、パイプ部11及びカバー部12をカバー付きパイプ部材10として一部品により一体的に構成し、さらにコイル51をカバー付きパイプ部材10とハウジング部13との二部品により囲った構造としている。そのため、簡易な構造とすることができ、生産性の向上を図ることができる。また、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面に取り付けるハウジング部13の軸方向の位置を調整するだけで、カバー付きパイプ部材10とハウジング部13との同軸度を調整することができる。すなわち、カバー付きパイプ部材10とハウジング部13との二部品により、ハウジング部13の最外周面の軸方向の位置を容易に調整することができる。そのため、インジェクタ1をエンジン等に搭載する際の寸法管理を容易にすることができ、搭載性を向上させることができる。また、これによって、インジェクタ1の搭載位置の精度を高めることができ、例えば燃料の噴霧角等の製品性能を向上させることができる。
また、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とを溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側にある。そのため、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20との溶接による影響(溶接による熱収縮やそれに伴う溶接歪み)がパイプ部11に及ばないようにすることができる。これにより、コネクタ部材20における軸方向の固定位置のばらつきをさらに抑えることができ、その軸方向の固定位置をより一層高精度に決めることができる。
また、コネクタ部材20の外周面200には、外方に突出する突出部24が設けられており、突出部24の軸方向の先端面241がカバー付きパイプ部材10に対して軸方向に当接する当接面である。そのため、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の突出部24の軸方向の先端面(当接面)241とを容易に軸方向に当接させることができる。
また、コネクタ部材20の突出部24の厚みは、0.3〜1.0mmの範囲内である。そのため、本例のように、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20との当接部分を突出部24の軸方向の後端面242側からレーザーを用いて溶接し、両者を連結(固定)することができる。
また、本例の製造方法では、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とを連結するに当たっては、距離測定工程及び挿入量決定工程において、コネクタ部材20をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3を決定し、コネクタ部材作製工程において、コネクタ部材20の先端面201から当接面241までの距離が挿入量X3となるように、コネクタ部材20を作製する。
そのため、後の挿入当接工程において、コネクタ部材20の先端側部分をカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入すると共に、コネクタ部材20の当接面241をカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接させるだけで、可動コア23とコネクタ部材20との間の距離、すなわちリフト量を予め設定した移動量(リフト量)X2にすることができる。
そして、溶接工程において、軸方向に当接したカバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面241との当接部分を溶接する。そのため、上述のごとく、溶接による熱収縮及びそれに伴う溶接歪みは、コネクタ部材20の径方向に生じる(図2の矢印H1)。これにより、コネクタ部材20における軸方向の固定位置のばらつきを抑えることができ、その軸方向の固定位置を高精度に決めることができる。
それ故、溶接後においても、可動コア23とコネクタ部材20との間の距離、すなわちリフト量を予め設定した移動量(リフト量)X2のままで高精度に維持することができる。よって、本例の製造方法により、噴射量等の性能のばらつきを抑え、燃焼率、燃費等の性能が高いインジェクタ1を得ることができる。
また、コネクタ部材作製工程では、コネクタ部材20の当接面241を研削し、コネクタ部材20の先端面201から当接面241までの距離が挿入量X3となるように調整する調整工程を行う。そのため、挿入量X3の調整を容易かつ高精度に行うことができる。
なお、本例では、調整工程は、コネクタ部材20の当接面241に予め取り代を設けたコネクタ部材20を作製し、その取り代を研削することによって行ったが、コネクタ部材20の先端面201に予め取り代を設けたコネクタ部材20を作製し、その取り代を研削することによって行うこともできる。
このように、本例によれば、簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができるインジェクタ1(燃料噴射弁)を提供することができる。
なお、本例では、インジェクタ1を直噴式のガソリンエンジンに適用した例を示したが、これに限られるものではなく、インジェクタ1を予混合式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等に適用することもできる。
(実施例2)
本例は、コネクタ部材20の構成を変更した例である。
本例では、図6に示すごとく、コネクタ部材20の外周面200には、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部25が軸方向に所定の長さで連続的に設けられている。大径部25の軸方向の先端面251は、カバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接する当接面である。そして、コネクタ部材20は、その先端側部分がカバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されていると共に、当接面251がカバー付きパイプ部材10のカバー部12に対して軸方向に当接している。
また、図6、図7に示すごとく、カバー付きパイプ部材10とコネクタ部材20とは、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面251との当接部分を溶接(Y12)することによって連結されている。
すなわち、図7に示すごとく、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の当接面251とは、当接部分をレーザーの熱によって溶融して凝固させた溶融凝固部G1により結合されている。両者を溶接する溶接領域(溶融凝固部G1)は、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11の外周面110よりも外方側である。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例の場合にも、簡易な構造であり、生産性及び品質性能の向上を図ることができるインジェクタ1(燃料噴射弁)を提供することができる。
また、本例では、コネクタ部材20の外周面200には、カバー付きパイプ部材10のパイプ部11内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部25が軸方向に所定の長さで連続的に設けられており、大径部25の軸方向の先端面251が当接面である。そのため、カバー付きパイプ部材10のカバー部12とコネクタ部材20の大径部25の軸方向の先端面(当接面)251とを容易に軸方向に当接させることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
実施例1における、インジェクタの構造を示す説明図。 実施例1における、カバー付きパイプ部材とコネクタ部材との溶接部分の拡大図。 実施例1における、インジェクタの組み付け工程を示す説明図。 実施例1における、インジェクタの組み付け工程を示す説明図。 実施例1における、インジェクタの組み付け工程を示す説明図。 実施例2における、インジェクタの構造を示す説明図。 実施例2における、カバー付きパイプ部材とコネクタ部材との溶接部分の拡大図。 従来における、インジェクタの構造を示す説明図。 従来における、パイプ部と内コネクタ部との溶接部分の拡大図。
符号の説明
1 インジェクタ(燃料噴射弁)
10 カバー付きパイプ部材
11 パイプ部
12 カバー部
20 コネクタ部材
21 内コネクタ部
22 外コネクタ部
241 当接面

Claims (7)

  1. 筒状のパイプ部と、
    該パイプ部の外周側に配設され、通電することにより磁界を発生するコイルと、
    該コイルの外周側及び先端側を覆うハウジング部と、
    上記コイルの後端側を覆うカバー部と、
    上記パイプ部の内周側に配設されている内コネクタ部と、
    上記パイプ部の内周側において上記内コネクタ部の先端側に軸方向に対向して配設され、該内コネクタ部との間に発生する磁気吸引力により該内コネクタ部に吸引される可動コアと、
    該可動コアと共に軸方向へ移動し、燃料を噴射する噴孔を開閉する弁部材と、
    上記内コネクタ部の後端側に配設され、外部から燃料を導入するための外コネクタ部とを有し、
    上記パイプ部及び上記カバー部は、カバー付きパイプ部材として一部品により一体的に構成されていると共に、上記内コネクタ部及び上記外コネクタ部は、コネクタ部材として一部品により一体的に構成されており、
    該コネクタ部材は、上記カバー付きパイプ部材に対して軸方向に当接する当接面を有しており、かつ、上記コネクタ部材は、その先端側部分が上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されていると共に、上記当接面が上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接しており、
    上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とは、上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接することによって連結されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1において、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを溶接する溶接領域は、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部の外周面よりも外方側にあることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2において、上記コネクタ部材の外周面には、外方に突出する突出部が設けられており、該突出部の軸方向の先端面が上記当接面であることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項3において、上記コネクタ部材の上記突出部の厚みは、0.3〜1.0mmであることを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項1又は2において、上記コネクタ部材の外周面には、上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入されている部分よりも外径の大きい大径部が軸方向に所定の長さで連続的に設けられており、該大径部の軸方向の先端面が上記当接面であることを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料噴射弁を製造する方法であって、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結するに当たっては、
    上記カバー付きパイプ部材における上記パイプ部の内周側の所定の位置に上記可動コアを配置し、該可動コアの後端面から上記カバー付きパイプ部材の後端面までの軸方向の距離である距離X1を測定する距離測定工程と、
    上記距離X1と、予め設定した上記可動コアが上記内コネクタ部に吸引されて軸方向に移動する距離である移動量X2とから、上記コネクタ部材を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に軸方向に挿入する距離である挿入量X3(=X1−X2)を決定する挿入量決定工程と、
    上記コネクタ部材の先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように、上記コネクタ部材を作製するコネクタ部材作製工程と、
    上記コネクタ部材の先端側部分を上記カバー付きパイプ部材の上記パイプ部内に挿入すると共に、上記コネクタ部材の上記当接面を上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部に対して軸方向に当接させる挿入当接工程と、
    上記カバー付きパイプ部材の上記カバー部と上記コネクタ部材の上記当接面との当接部分を溶接し、上記カバー付きパイプ部材と上記コネクタ部材とを連結する溶接工程とを有することを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。
  7. 請求項6において、上記コネクタ部材作製工程では、上記コネクタ部材の上記先端面又は上記当接面を研削し、上記コネクタ部材の上記先端面から上記当接面までの距離が上記挿入量X3となるように調整する調整工程を行うことを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。
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